JP3000288U - クロム電解析出を応用した電鋳製品 - Google Patents
クロム電解析出を応用した電鋳製品Info
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- JP3000288U JP3000288U JP134294U JP134294U JP3000288U JP 3000288 U JP3000288 U JP 3000288U JP 134294 U JP134294 U JP 134294U JP 134294 U JP134294 U JP 134294U JP 3000288 U JP3000288 U JP 3000288U
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- chrome
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Abstract
(57)【要約】
【目的】高い硬さによって耐摩耗性に優れ、400℃程
度の熱雰囲気中でも、殆ど硬さが低下しない特性値をも
つ電鋳製品として、電鋳クロムを応用することである。 【構成】硬質クロムを電解析出させ、表面に金属クロム
が露出しているときに、前後2回の脱水素熱処理をし、
ニッケル又は、ニッル合金電解析出層でバックアツプし
たことで完成した。
度の熱雰囲気中でも、殆ど硬さが低下しない特性値をも
つ電鋳製品として、電鋳クロムを応用することである。 【構成】硬質クロムを電解析出させ、表面に金属クロム
が露出しているときに、前後2回の脱水素熱処理をし、
ニッケル又は、ニッル合金電解析出層でバックアツプし
たことで完成した。
Description
【0001】
正確な寸法精度、高度の耐摩耗性、表面の鏡面光沢が要求され、400〜41 0℃の熱雰囲気中で、常温での特性を維持した状態で応用できる電鋳製品。 樹脂射出成形、又はゴム成形用金型のキャビティーとして、離型性に優れた面と しての応用。硝子短繊維等と混合した強化樹脂成形用キャビティー、スプルーブ ッシュ及びゲートブッシュへの高度な弼摩耗性伺としての応用。樹脂射出成形機 のシリンダー内面部への、高度な耐摩耗性と、400℃の熱雰囲気中で、特性低 下のない材料としての応用。
【0002】
イ,機能部品、射出金型キャビティーに応用されている材質の全ては、ニッケル 、又はニッケル合金である。純ニッケルは硬さがHV200〜230で、4 00℃の熱雰囲気でHV180と低下して応用範囲を狭めている。 ロ,ニツケルーコバルト合金は常温でHV400〜450であるが、この程度で は混合強化エンプラ成形は無理であり、400℃の熱雰囲気ではHV200 程度まで低下する。ナフタリンスルフォン酸ソーダ、又はサッカリンを電解 液に添加して硫黄を共析させると硬さは向上し、添加量を多くして硫黄の共 析量を多くすると、焼き入れ鋼を上回る硬さともなるが、230℃以上の温 度では、硫黄とニッケルが化学反応して、ニッケルの結晶粒界での腐食が進 行する。この結果クラックが発生して壊滅的な破壊となる。 ハ,硫黄とニッケルの化学反応を阻止する為に、少量のマンガンを誘起共析させ る方法が考案され、500℃までの熱雰囲気での腐食割れは阻止できるよう になったが、硬さの低下は防止できない。 以上述べた点が、現在の電鋳技術の限界である。
【0003】
課題とした考案はつぎの通りである。 イ,常温での、焼き入れ鋼よりも高い硬さによって、耐摩耗註を向上させる。 ロ,410℃程度の熱雰囲気で、硬さの低下はきわめて少ない材質を選択して、 応用範囲を拡大する。 ハ,ゴム成形型で、長さの長い丸棒の中心にあけられた直径数ミリの孔径の内面 への離型用クロムメッキは、いままでは不可能であったが、内面の部分をク ロム電鋳とすることで解決する。
【0004】
硬質クロム電鋳を手段として選択した。 イ,電着金属を電鋳に応用できるかどうかは、電着金属の内部応力の大きさにか かわっている。調査の結果、電着クロムの内部応力は、電鋳が可能な範囲内 であることが判ったので採用した。 ロ,電解浴の組成及び電解条件 浴組成 無水クロム酸 250g/l 硫 酸 2.5〃 添 加 剤 均一電着姓向上剤,ミスト防止剤,適量 電解条件 電解浴温度 40〜45℃(均一性向上剤を添加しないときは、4 5〜50℃とする)。 電流密度 15〜20A/dm2(均一性向上剤を添加しないときは 、15〜30A/dm2とする)。 電 源 三相全波型整流機 撹 拌 空気撹拌(電解中に大量の水素ガスが発生する)。 電解時間 5〜24時間(目標とするクロム厚によって決める)。 ハ,電鋳方法 マンドレルを溶解して離型する場合 黄銅材 アルカリ液で洗浄脱脂−活性化処理後、直ちにクロム電解 槽へセットする。 アルミニウム材 脱脂後、ジンケート処理によッて亜鉛皮膜を形成させる 。この皮膜の上に直接クロムを析出させられるが、光沢が 劣るので一旦光沢ニッケルめっきの薄膜を電解桁出させて からクロム電鋳をする。 マンドレルを引き抜いて離型する場合 ニッケルーリン無電解めっきをした黄銅材か、ステンレス材が離型し易い 。 クロム電鋳法 クロム電解槽へマンドレルをセットした直後は、電流密度を10A/dm 2で電解し2〜3時間後に15A/dm2とする。マンドレルの形によっ ては20A/dm2とする。全電着層をクロムにすると、仕上げ加工が困 難になるので、20〜500ミクロンの範囲にとどめて、ニッケル又はニ ッケル合金電着でバックアップして所定の厚さとする。 クロム電着層の脱水素熱処理 クロム電着後、ニッケルバックアップ電着前に150〜200℃で最低2 時間処理する。熱媒体は発火温度が210℃以上の油に浸漬して行う。こ の処理によって水素が吹き上がるように離脱し、内部応力が低下して靭性 が増加する。この処理をしないとマンドレルの引き抜きはできないし、仕 上げ処理でクロムの部分が欠けるおそれがある。 クロム電着後のバックアップニッケル厚付け電鋳 脱水素熱処理後、電着体は脱脂、活性化処理ののちに所定の厚さに電解す る。 ニ,電着完了後の処置法 バックアップニッケル又はニツケル合金電着が、所定の厚さに達したことが 確認できた時点で出槽する。流水洗−乾燥後、仕上げ加工に付す。次にマン ドレルを電着層から取り去る、離型をする。マンドレルを化学的に溶解した ものは、内面に残留しているニッケル薄膜を溶解除去する。ニッケル薄層の 除去を確認したのち、流水洗−乾燥後、第2回目の脱水素熱処理を行う。 (クロム層が厚いと、深部の水素は除去しきれないので、マンドレルに接触 していた部分の脱水素である。) 電着クロムの内部応力に関するデータは、三木 敏雄,藤江和憲等の報文によ って多く示唆され、また電着クロムの耐熱特性については、榎本 英雄,小見 崇著 〃合金めっき〃126頁の内容によるもので、本実用新案登録願の末 尾に参考文献として付す。
【0005】
この考案によって完成したクロム電鋳製品への期待は、とくに混合強化樹脂成 形メーカー(エンプラ成形メーカー)、射出成形機メーカー、ゴム成形メーカー で大きいものと思われる。 またそれ以外の通常の成形業界に与えるインパクトは非常に強いものがあり、数 年のうちには、電鋳製品の主役になるものと思われる。
【0006】
現在のところゲートブッシュに応用し、PPS樹脂(ポリフェニレン サルフ ァイド樹脂)と硝子粉末とを混合した強化樹脂成形メーカーへ試験的に提供して いる。またウオームギアキャビテイー用として試験的に電着をして、ニッケル電 着とさほど変わらないつき廻り性であることも確認できた。 一般キャビティー用としての実用化にも大きな自信を持つことができた。
【0007】
この考案の実施により、クロム電着、2回にわたる脱水素熱処理、ニッケル薄 膜の剥離工程、と工数は増え、コストも若干上昇するが、製品寿命は確実に数倍 も延びるので、プラスチックス成形業界等に対して寄写するところ大なるものが あると考えられる。 このことは、めつきの分野での、硬質クロムを施した鉄鋼材製部品の耐摩耗性が 著しく向上している事実をみることで、効果は極めて明らかである。
【図1】本考案の工程図を示す。
【図2】完成した電鋳製品の斜視図
1………ジンケート処理による亜鉛皮膜 2………光沢ニッケルめっき薄膜 3………クロム電着層 4………バックアップニッケル厚付け電着層
Claims (1)
- 【請求項1】電鋳用マンドレル(母形,又はマスターと
云う表現もある)表面に20〜500ミクロンの金属ク
ロムを電解析出せしめ、その上に通常のニッケル又はニ
ッケル合金電鋳を形成し、所定の厚さに達したところで
出槽して仕上げ加工をする。仕上げ加工が終了したとこ
ろでマンドレルを溶解するか、引き抜くかの何れかの方
法で離型をする。以上のような工程で、内面を硬貿クロ
ムとする電鋳製品である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP134294U JP3000288U (ja) | 1994-01-19 | 1994-01-19 | クロム電解析出を応用した電鋳製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP134294U JP3000288U (ja) | 1994-01-19 | 1994-01-19 | クロム電解析出を応用した電鋳製品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3000288U true JP3000288U (ja) | 1994-08-02 |
Family
ID=43136303
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP134294U Expired - Lifetime JP3000288U (ja) | 1994-01-19 | 1994-01-19 | クロム電解析出を応用した電鋳製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3000288U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003064730A1 (fr) * | 2002-01-28 | 2003-08-07 | Sherukogyo Kabushiki Kaisha | Procede de production de joint de grille par electroformage |
-
1994
- 1994-01-19 JP JP134294U patent/JP3000288U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003064730A1 (fr) * | 2002-01-28 | 2003-08-07 | Sherukogyo Kabushiki Kaisha | Procede de production de joint de grille par electroformage |
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