JP3000157U - ガラス二重装着用ジッパーガスケット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 ガラス二重装着の単窓のそれぞれのガラスを
一方向から装着し得るようにすることにより、装着作業
性と安全性の向上を図ると共に、確実なガラス装着と水
抜きを可能にしたガラス二重装着用ジッパーガスケット
を提供する。 【構成】 窓枠とガラス間に介設されるジッパーガスケ
ットであって、内ガラス９ａ，外ガラス９ｂの装着され
る内ガラス溝２ａ，外ガラス溝２ｂと、両ガラス溝間に
凹設される第１のジッパー溝３と、それに嵌着される第
１のジッパー５と、室内側を向いて凹設される第２のジ
ッパー溝４と、それに嵌着される第２のジッパー６と、
窓枠１４の内縁の内アンカー溝７ａおよび外アンカー溝
７ｂに嵌着されるべく突出形成される内アンカー部８ａ
および外アンカー部８ｂと、封着剤１１の塗着される凹
部１０，２２等から形成され、また、水抜き孔１３によ
り第１のジッパー溝内等の水の蓄溜が防止される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、建物の外壁，船舶，空中飛行体の外面等に形成される嵌め殺し窓の 二重に装着されるガラスの単窓に設けられるガラス二重装着用ジッパーガスケッ トに関する。

【０００２】

【従来の技術】

図２に示すように、建物等の外壁１５はコンクリート、多くはプレキャストコ ンクリート板（以下、ＰＣａ板と称す）或は、金属パネル等で形成され、その一 部には二重に装着されるガラスの単窓（所謂ポツ窓）１６が設けられる場合が多 い。単窓１６を二重のガラスから形成するのは窓の遮音性能や断熱性能を向上さ せると共に外部からの衝撃によるガラスの開口破損の防止のためである。図５に 示すように二重に装着されるガラスのそれぞれのガラス９ａ，９ｂ（ガラス９ａ が室内側に設置され、ガラス９ｂは窓外に設置される）は適宜間隔を介して並設 されるが、それぞれのガラス９ａ，９ｂを窓枠１４に装着するには金属サッシ又 はガスケットが必要になる。金属サッシを使用すると外観品質は向上するが高価 なものとなり、かつ装着作業も面倒であるという問題点がある。また、二枚のガ ラスを一定間隔を保って組合わせ、周辺を金属等で密封した複層ガラスもあるが 高価であり、かつ交換が困難である。

【０００３】 金属サッシの替りにガスケットを使用すると安価に実施出来る利点があり、従 来よりＰＣａ板のポツ窓１６には図５に示すようなジッパーガスケット１′を使 用している。このジッパーガスケット１′は図示のようにそれぞれのガラス９ａ ，９ｂ毎に適用される個別形式のものからなる。ジッパーガスケット１′は、ガ ラス９ａ，９ｂの嵌着されるガラス溝２′と、ジッパー６′と、ジッパー６′が 着脱可能に嵌着されるジッパー溝４′と、窓枠１４の内縁のアンカー溝７′に嵌 まり込む突出形状のアンカー部８′等から形成される。なお、ジッパー溝４′は ガラス９ａ，９ｂの装着される側、すなわち、ガラス９ａ用のものは建物の室内 側を向いた位置に形成され、ガラス９ｂ用のものは窓外側を向いた位置にそれぞ れ配置される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

図６は室内側のガラス９ａ用のジッパー１′にガラス９ａを装着する様子を示 すものである。すなわち、まずジッパーガスケット１′からジッパー６′を取り 外す。これにより、ガラス溝２′とジッパー溝４′間に形成されるガラス保持部 １７は横倒可能になる。ガラス保持部１７を横倒させながらジッパー溝４′側か らガラス９ａを押し込むことによりガラス９ａはガラス溝２′内に挿入される。 ガラス９ａが挿入されるとガラス保持部１７が復元し、図５に示すようにガラス ９ａはガラス溝２′内に装着される。次に、ジッパー溝４′内にジッパー６′を 嵌着することによりガラス９ａはガラス溝２′内に保持され装着される。窓外側 のガラス９ｂを装着するには前記と同様に行われるが、ガラス９ｂは窓外側から 挿入しなければならない。このため、ガラス９ｂの装着作業は極めてやり難く、 かつ危険であるという問題点があった。また、窓外側からガラス９ｂを装着する には足場を組み上げる必要があり、段取り作業時間が大となり作業効率が低下す る問題点があった。

【０００５】 本考案は、以上の問題点を解決するもので、二重のガラスのそれぞれを室内側 から装着することが出来、作業性が向上し安全作業が可能になると共に、窓枠へ のガラス保持が確実に出来、水はけも良好に行われ、かつ安価に実施出来るガラ ス二重装着用ジッパーガスケットを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、以上の目的を達成するために、建物の外壁の窓枠に二重にガラスを 装着するため当該ガラスの外周と前記窓枠の内縁間に着脱可能に装着されるジッ パーガスケットであって、並設される前記二重のガラスのそれぞれが嵌まり込む ガラス用溝と、該ガラス溝間に凹設される第１のジッパー溝と、建物の内面側に 向いて凹設される第２のジッパー溝と、前記第１および第２のジッパー溝に着脱 可能に嵌着される第１および第２のジッパーと、前記窓枠の内縁に凹設されるア ンカー溝内に嵌着すべく突出形成されるアンカー部を設けてなるガラス二重装着 用ジッパーガスケットを構成するものである。更に、具体的に、前記アンカー部 が、前記二重に装着されるガラスのそれぞれの同軸上に形成され、前記ジッパー ガスケットのアンカー部側の前記窓枠側と当接する部位に封着剤充填用の凹部が 形成され、前記ガラス溝間に凹設される第１のジッパーガスケット内には、建物 の室内側に設けた結露受けと前記ジッパー溝とを連通する水抜き孔が形成される ことを特徴とする。

【０００７】

【作用】

まず、ＰＣａ板等からなる外壁の窓枠の内縁に凹設されるアンカー溝内にジッ パーガスケットのアンカー部を嵌着する。この場合、予め封着剤充填用の凹部に 封着剤を充填しておくことにより封着剤が窓枠の内縁に付着し、窓枠と該ジッパ ーガスケット間の水密性や気密性をより確実にする。勿論、場所により封着剤を 使用しなくてもよい。次に、ジッパーガスケットから第１および第２のジッパー を取り外す。それにより、窓外側のガラスは室内側から装着可能になる。窓外側 のガラスの挿着が終了したら、第１のジッパーを第１のジッパー溝内に嵌着する 。それにより窓外側のガラスがガラス溝内に確実に固持され装着される。次に、 室内側のガラス溝内に室内側ガラスを挿入し第２のジッパーを第２のジッパー溝 に嵌着することにより室内側のガラスをガラス溝内に装着固持させる。以上のよ うに、二重のガラスのそれぞれが室内側から装着可能なため、作業がやり易く、 かつ安全であり作業性の向上が図れる。また、アンカー部をそれぞれのガラスの 同軸上に配置することにより、ガラスの保持がより確実になる。また、水抜き孔 を設けることにより、ジッパー溝内に溜った水を排除することが出来る。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づき説明する。図１は本実施例のガラス二重 装着用ジッパーガスケットの構造を示す断面図、図２は建物の外壁に装着された 単窓およびジッパーガスケットの全体構造の概要を示す部分正面図、図３および 図４は本実施例におけるガラスの装着作業を説明するための断面図である。

【０００９】 図２に示すように、ＰＣａ板等からなる建物の外壁１５にはポツ窓１６が形成 される。ポツ窓１６は二重のガラスからなり、これ等はジッパーガスケット１に より窓枠１４の内縁に装着される。なお、図２は建物の室内側からポツ窓１６を 見た場合を示す。

【００１０】 図１によりジッパーガスケット１の全体構造を説明する。なお、図１は図２の 線Ａ−Ａにおける拡大断面図である。本実施例のジッパーガスケット１は二重の ガラス９ａ，９ｂのそれぞれが装着される一体的構造のものから形成される。室 内側のガラス９ａ（以下、内ガラス９ａと称す）と窓外側のガラス９ｂ（以下、 外ガラス９ｂと称す）とが挿入される内ガラス溝２ａと外ガラス溝２ｂが適宜間 隔を隔てて凹設される。内ガラス溝２ａと外ガラス溝２ｂは内ガラス９ａおよび 外ガラス９ｂのガラス厚とほぼ等しい溝幅のものからなる。内ガラス溝２ａと外 ガラス溝２ｂ間には第１のジッパー溝３が凹設され、第１のジッパー溝３内には 当該溝の形状とほぼ等しい断面形状の第１のジッパー５が嵌着される。第１のジ ッパー溝３および第１のジッパー５の輪郭形状は特定するものではないが、図示 のように着脱可能で、かつ係着部のある任意の形状のものから形成される。次に 、内ガラス溝２ａの近傍の室内側を向く部位には第２のジッパー溝４が凹設され る。第２のジッパー溝４にはその溝の輪郭とほぼ等しい輪郭形状の第２のジッパ ー６が着脱可能に係着される。第１のジッパー溝３と第２のジッパー溝４を凹設 することにより、内ガラス溝２ａは可撓性のガラス保持部１８，１９により囲ま れ、外ガラス溝２ｂは可撓性のガラス保持部２０とガラス保持部２１により囲ま れる。

【００１１】 内ガラス溝２ａおよび外ガラス溝２ｂの反対側には内アンカー部８ａおよび外 アンカー部８ｂが突出形成される。本実施例では内アンカー部８ａおよび外アン カー部８ｂはそれぞれ内ガラス溝２ａおよび外ガラス溝２ｂの同軸上に沿って形 成される。また、内アンカー部８ａおよび外アンカー部８ｂの外周には封着剤１ １が挿入される複数個の凹部２２が凹設される。一方、窓枠１４の内縁には内ア ンカー部８ａおよび外アンカー部８ｂが嵌着される内アンカー溝７ａおよび外ア ンカー溝７ｂがそれぞれ凹設される。

【００１２】 内アンカー部８ａおよび外アンカー部８ｂが形成される側には封着剤充填用の 凹部１０が凹設される。この凹部１０および前記の内アンカー部８ａと外アンカ ー部８ｂの凹部２２にはジッパーガスケット１の装着に先立って封着剤１１が塗 着される。

【００１３】 ジッパーガスケット１の内部には水抜き孔１３が形成される。本実施例では水 抜き孔１３は建物の室内側に設けた結露受け１２と第１のジッパー溝３とを連通 させる位置に形成されるがそれに限定するものではなく、例えば、内ガラス溝２ ａ，外ガラス溝２ｂおよび第２のジッパー溝４と結露受け１２を連通させるもの でもよい。

【００１４】 次に、本実施例のジッパーガスケット１を用いた二重のガラスの装着作業方法 を説明する。まず、図１の状態にある第１のジッパー５および第２のジッパー６ をそれぞれ第１のジッパー溝３および第２のジッパー溝４から取り外す。凹部１ ０および内アンカー部８ａと外アンカー部８ｂの凹部２２に封着剤１１を塗着す る。この状態で外壁１５の窓枠１４の内アンカー溝７ａおよび外アンカー溝７ｂ 内に内アンカー部８ａおよび外アンカー部８ｂを嵌入し、凹部１０の部位を窓枠 １４の内縁に押圧しジッパーガスケット１を窓枠１４内に固定する。次に、外ガ ラス９ｂを室内側から挿入する。前記したように第１のジッパー５および第２の ジッパー６を取り外すことによりガラス保持部１８，１９，２０は横倒可能にな るため図６に示したようにこれ等を横倒しすることにより外ガラス９ｂを外ガラ ス溝２ｂ内に挿着することが容易に出来る。外ガラス９ｂが挿着されたら図３に 示すように取り外してあった第１のジッパー５を第１のジッパー溝３内に嵌着す る。それにより、外ガラス９ｂはガラス保持部２０，２１により外ガラス溝２ｂ 内に装着固持させる。次に、内ガラス９ａを同じく室内側から内ガラス溝２ａ内 に挿入する。この場合、第２のジッパー６が取り外されているため、図６に示し たようにガラス保持部１８を横倒しすることにより内ガラス９ａを内ガラス溝２ ａ内に容易に挿着することが出来る。次に、図４に示すように、第２のジッパー ６を第２のジッパー溝４内に嵌着する。これにより、内ガラス９ａは内ガラス溝 ２ａ内に装着固持される。以上のように、内ガラス９ａおよび外ガラス９ｂは共 に窓内側から容易に装着することが出来る。

【００１５】 本実施例では、内アンカー部８ａおよび外アンカー部８ｂが内ガラス溝２ａお よび外ガラス溝２ｂと同軸上に形成されるため、内ガラス９ａおよび外ガラス９ ｂを内ガラス溝２ａおよび外ガラス溝２ｂ内に装着した場合、内アンカー部８ａ および外アンカー部８ｂによりガラスの挿入方向の変位移動が防止され、両ガラ ス９ａ，９ｂを窓枠１４側に確実に固持することが出来る。

【００１６】 以上の説明のように、本実施例のジッパーガスケット１は図１に示したような 断面形状のものとしたがそれに限定するものではない。特に第１のジッパー溝３ や第２のジッパー溝４の形状は前記したように着脱可能で、かつ係着部を有する ものであればよく本実施例のものに限定するものではない。また、水抜き孔１３ も図示のものに限定されない。

【００１７】

【考案の効果】

本考案によれば、次のような顕著な効果を奏する。 １）二重のガラスのそれぞれが室内側から装着することが出来る構造からなる ため装着作業が極めて容易になり、作業性の向上が図れる。 ２）窓外からのガラス装着がないため、安全であり、かつ足場等を組み立てる 必要もなく、段取時間の短縮が図れる。 ３）アンカー部をガラス溝と同軸上に配置することにより、ガラスの装着が一 層確実になる。 ４）封着剤充填用の凹部を形成し封着剤を塗布することにより窓枠にジッパー ガスケットを確実に固持させることが出来る。 ５）水抜き孔を設けることによりジッパー溝内の水の蓄溜が排除され防水性， 耐久性の向上が図れる。 ６）金属サッシに較べ安価に形成される。 ７）従来の個別形式のものと異なり、一体構造のものからなるため取り扱い性 の向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の全体構造を示すもので図２
の線Ａ−Ａの拡大断面図。

【図２】本実施例のジッパーガスケットにより保持され
る単窓を示す部分正面図。

【図３】本実施例における外ガラスの装着作業方法を説
明するための説明用断面図。

【図４】本実施例における内ガラスの装着作業方法を説
明するための説明用断面図。

【図５】従来のジッパーガスケットの構造を示す断面
図。

【図６】従来のジッパーガスケットを用いたガラス装着
作業方法を説明するための説明用断面図。

【符号の説明】

１ ジッパーガスケット ２ ガラス ２ａ 内ガラス溝 ２ｂ 外ガラス溝 ３ 第１のジッパー溝 ４ 第２のジッパー溝 ５ 第１のジッパー ６ 第２のジッパー ７ａ 内アンカー溝 ７ｂ 外アンカー溝 ８ａ 内アンカー部 ８ｂ 外アンカー部 ９ａ 内ガラス ９ｂ 外ガラス １０ 封着剤充填用の凹部 １１ 封着剤 １２ 結露受け １３ 水抜き孔 １４ 窓枠 １５ 外壁 １６ ポツ窓（ガラス二重装着の単窓） １７ ガラス保持部 １８ ガラス保持部 １９ ガラス保持部 ２０ ガラス保持部 ２１ ガラス保持部 ２２ 凹部

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 枠に二重にガラスを装着するため当該ガ
   ラスの外周と前記窓枠の内縁間に着脱可能に装着される
   ジッパーガスケットであって、並設される前記二重のガ
   ラスのそれぞれが嵌まり込むガラス用溝と、該ガラス溝
   間に凹設される第１のジッパー溝と、建物の室内側に向
   いて凹設される第２のジッパー溝と、前記第１および第
   ２のジッパー溝に着脱可能に嵌着される第１および第２
   のジッパーと、前記窓枠の内縁に凹設されるアンカー溝
   内に嵌着すべく突出形成されるアンカー部を設けること
   を特徴とするガラス二重装着用ジッパーガスケット。
2. 【請求項２】 前記アンカー部が、前記二重のガラスの
   それぞれの同軸上に形成されてなる請求項１のガラス二
   重装着用ジッパーガスケット。
3. 【請求項３】 前記ジッパーガスケットのアンカー部側
   の前記窓枠側と当接する部位に封着剤充填用の凹部が形
   成されてなる請求項１のガラス二重装着用ジッパーガス
   ケット。
4. 【請求項４】 前記ジッパーガスケット内には、建物の
   室内側に設けた結露受けと前記ガラス溝間に凹設される
   第１のジッパー溝とを連通する水抜き孔が形成されてな
   る請求項１のガラス二重装着用ジッパーガスケット。