JP3000057U - 遠心破砕機ロ−タ内への原料供給路の構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、破砕原料の供給路の径を拡張し、
破砕原料の供給量を増大させて破砕能率の向上を図り、
さらに原料の跳ね返りによるロ−タ供給口周縁部の摩耗
を防止し、ロータの寿命を長くすることができる遠心破
砕機ロ−タ内への原料供給路の構造を提供することを目
的とする。 【構成】 本考案は、遠心破砕機の破砕室天板上に設け
た破砕原料シュ−トより破砕室天板下に配置したロ−タ
内に破砕原料を供給する供給路の構造において、前記天
板のシュ−ト内中央部及びロ−タ上部円板の中央部に開
設した供給口と、これらの供給口の周縁部に装着した環
状の補強材とよりなることを特徴とした、遠心破砕機ロ
−タ内への原料供給路の構造である。また、天板の供給
口に装着した環状の補強材の内径を、ロ−タ上部円板の
供給口に装着した環状の補強材の内径よりも小さく形成
した上記遠心破砕機ロ−タ内への原料供給路の構造であ
る。さらに、補強材は供給口に着脱自在に装着した上記
遠心破砕機ロ−タ内への原料供給路の構造である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、鉱物等の原料を破砕するための遠心破砕機において、破砕室天板上 に設けた破砕原料シュ−トより破砕室天板下に配置したロ−タ内に破砕原料を供 給する供給路の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

鉱物等の原料を破砕する装置として、従来から図２に示すような遠心破砕機が 知られている。 この破砕機を簡単に説明すると、破砕機の外殻であるハウジング１内に破砕室 １１が画成されており、この破砕室１１の中央に、水平方向に高速回転可能なロ ータ２が配置されている。 このロータ２内には鉱物等の原料が供給され、ロータ２の回転により発生する 遠心力によって、ロータ２の周面に開設した放出口２１から接線方向に放出する 。 そして、破砕室１１内に環状に堆積した原料の破砕片からなるデッドベッド １２、あるいは図示しない鋼製のアンビル等に、放出した原料を衝突させて破砕 を行うものである。 図３は、上記構造の遠心破砕機におけるロータ２内へ破砕原料を供給するため の供給路の構造を示す。 破砕室天板１３上の中央には、破砕原料を外部から取り入れるボックス状等の シュ−ト３が立設されている。 そして、このシュ−ト３内の天板１３の中央部及び、ロ−タ上部円板２２の中 央部にそれぞれ供給口１４、２３が開設され、これらを貫通させてフィ−ド管４ が装着される。 このフィ−ド管４は、上端のフランジ４１により天板１３の上面に掛止され、 下端部はロ−タ供給口２３内に挿入される。 シュ−ト３の上部より供給される破砕原料は、シュ−ト３の内周囲にデッドベ ッド３１を形成し、さらに上記フィ−ド管４を通過してロ−タ２内に供給される 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記の従来技術には、次のような問題点がある。 ＜イ＞フィ−ド管４は天板１３に固定されているため、フィ−ド管４の先端部と ロ−タ２の供給口２３とは分離した状態で間隙を設けておく必要がある。 そのため、フィ−ド管４の内径、即ち破砕原料の供給路の径が限定されてしま う。 破砕効率を高める手段のひとつに供給量を増加させる方法がある。 しかし、上記のように供給路の径が限定されてしまうと、径を拡張して供給量 の増加を図ることができない。

【０００４】 ＜ロ＞ロ−タ供給口２３とフィ−ド管４との隙間があるため、ロ−タ２内に供給 された原料の跳ね返りにより、ロ−タ供給口２３の縁部に原料が衝突する。 従って、ロ−タ供給口２３の周縁部の摩耗が発生し、ロータ２の寿命が短くな り、不経済である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、破砕原料の 供給路の径を拡張し、破砕原料の供給量を増大させて破砕能率の向上を図り、さ らに原料の跳ね返りによるロ−タ供給口周縁部の摩耗を防止し、ロータの寿命を 長くすることができる遠心破砕機ロ−タ内への原料供給路の構造を提供すること を目的とする。 即ち、遠心破砕機の破砕室天板上に設けた破砕原料シュ−トより破砕室天板下 に配置したロ−タ内に破砕原料を供給する供給路の構造において、前記天板のシ ュ−ト内中央部及びロ−タ上部円板の中央部に開設した供給口と、これらの供給 口の周縁部に装着した環状の補強材とよりなることを特徴とした、遠心破砕機ロ −タ内への原料供給路の構造である。 また、天板の供給口に装着した環状の補強材の内径を、ロ−タ上部円板の供給 口に装着した環状の補強材の内径よりも小さく形成した上記遠心破砕機ロ−タ内 への原料供給路の構造である。 さらに、補強材は供給口に着脱自在に装着した上記遠心破砕機ロ−タ内への原 料供給路の構造である。

【０００６】

【実施例】

以下、図面を参照しながら、本考案の一実施例について説明する。 ＜イ＞供給口の開設 図１に示すように、破砕室天板１３のシュ−ト３内中央部及びロ−タ上部円板 ２２の中央部に、それぞれ供給口１４、２３を開設する。 これらの供給口１４、２３は、それらの中心軸が一直線上に位置するよう開設 する。 また、供給口１４、２３の径は、後述する補強材５、６の嵌装部５１、６１の 外径より僅かに大きく形成し、嵌装部５１、６１が装着できるよう構成する。 さらに、供給口１４、２３の径の寸法は、嵌装部５１、６１の厚みを考慮して 、所要の供給路径が得られるよう予め設定する。

【０００７】 ＜ロ＞補強材の装着 上記のように開設した供給口１４、２３には、それぞれ上部補強材５と下部補 強材６を装着する。 これらの補強材５、６は、ともに特殊ハイクローム等の耐摩耗性を有する材質 で環状に形成され、嵌装部５１、６１とフランジ部５２、６２より構成される。 嵌装部５１、６１の外径は、前述の供給口１４、２３の径より僅かに小さく形 成し、装着できるようにする。 フランジ部５２、６２は、供給口１４、２３の径より大きく形成し、天板１３ 及びロ−タ上部円板２２に掛止し、補強材５、６を定着できるよう構成する。 補強材５、６の定着方法は、ボルトによる締結、その他の手段により、摩耗時 の交換のために着脱自在に取り付ける。 一方、補強材５、６の内部空間は、破砕原料の供給路５３、６３とする。 供給路６３の径は、供給口２３の内側に隙間を設ける必要がないため、従来の フィ−ド管を用いる場合よりも径を拡張することができ、破砕原料の供給量を増 大させることができる。 また、上部補強材５の供給路５３の径は、下部補強材６の供給路６３の径より もやや小さく形成する。 これは、両者の供給路５３、６３の径が等しいと、上部補強材５内を通過した 破砕原料が、下部補強材６のフランジ部６２の内縁部に当たって外部に飛び出る おそれがあるからである。 以上のように本考案の破砕原料の供給路は構成される。

【０００８】

【作用】

破砕運転を行うときは、ロ−タ２を回転させ、シュ−ト３内に破砕原料を投入 する。 投入された破砕原料は、シュ−ト３内の周辺部に堆積してデッドベッド３１を 形成した後、上部補強材５及び下部補強材６を通過してロ−タ２内に供給される 。 このとき、供給路５３、６３の径は、従来のフィ−ド管の径よりも大きいた め、ロ−タ２内への破砕原料の供給量が増大される。 また、ロ−タ２内に投入された破砕原料は回転力により跳ね返るが、供給口２ ３の周縁部は耐摩耗性の下部補強材６により完全に保護されているため、摩耗を 抑止することができる。

【０００９】

【本考案の効果】

本考案は以上説明したようになるため、次のような効果を得ることができる。 ＜イ＞本考案は、従来のフィ−ド管を上下に分離するという発想により、下部補 強材をロ−タ供給口の周縁部に直接装着した構造である。 そのため、従来のようにロ−タ供給口とフィ−ド管との間に隙間を設ける必要 がなくなった。 従って、隙間が不要な分だけ破砕原料の供給路の径を拡張でき、破砕原料の供 給量を増大させて、破砕能率の向上を図ることができる。

【００１０】 ＜ロ＞ロ−タ供給口とフィ−ド管との間に隙間がなくなったため、原料の跳ね返 りによりロ−タ供給口の縁部に原料が衝突することがない。 従って、ロ−タ供給口周縁部の摩耗を防止し、ロータの寿命を長くすることが できるため、経済的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の原料供給路の構造の説明図

【図２】 従来の原料供給路の構造の説明図

【図３】 遠心破砕機全体の説明図

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 遠心破砕機の破砕室天板上に設けた破砕
   原料シュ−トより破砕室天板下に配置したロ−タ内に破
   砕原料を供給する供給路の構造において、 前記天板のシュ−ト内中央部及びロ−タ上部円板の中央
   部に開設した供給口と、 これらの供給口の周縁部に装
   着した環状の補強材とよりなることを特徴とした、 遠
   心破砕機ロ−タ内への原料供給路の構造。
2. 【請求項２】 天板の供給口に装着した環状の補強材の
   内径を、ロ−タ上部円板の供給口に装着した環状の補強
   材の内径よりも小さく形成した請求項１記載の遠心破砕
   機ロ−タ内への原料供給路の構造。
3. 【請求項３】 補強材は、天板及びロ−タ上部円板の供
   給口に着脱自在に装着した請求項１又は２記載の遠心破
   砕機ロ−タ内への原料供給路の構造。
4. 【請求項４】 補強材は、天板及びロ−タ上部円板の上
   面に掛止するフランジ部と、天板及びロ−タ上部円板の
   供給口内に装着する嵌装部とよりなる、請求項１乃至３
   のいずれかに記載の遠心破砕機ロ−タ内への原料供給路
   の構造。
5. 【請求項５】 補強材は、特殊ハイクロ−ムにより製造
   した、請求項１乃至４のいずれかに記載の遠心破砕機ロ
   −タ内への原料供給路の構造。