JP2997649B2 - モータ鉄心自動結束装置 - Google Patents

モータ鉄心自動結束装置

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JP2997649B2
JP2997649B2 JP8241934A JP24193496A JP2997649B2 JP 2997649 B2 JP2997649 B2 JP 2997649B2 JP 8241934 A JP8241934 A JP 8241934A JP 24193496 A JP24193496 A JP 24193496A JP 2997649 B2 JP2997649 B2 JP 2997649B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板状のモータ鉄心
材料を打ち抜き、この打ち抜かれた複数の鉄心部材を積
層してモータ鉄心を製造する装置に係り、とりわけ打ち
抜きと同時に打ち抜かれた鉄心部材を金型内で自動的に
積層および結束してモータ鉄心を製造するモータ鉄心自
動結束装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、板状鉄心部材からなるモータ鉄心
は、厚さ0.5mm程度のケイ素鋼板を打ち抜き、打ち
抜かれた複数の鉄心部材を金型内で積層および結束する
ことにより製造されている。実際の製造においては、生
産性の向上を図るため、ケイ素鋼板の打ち抜きおよび金
型内での積層および結束が自動化されている。
【0003】図13は、このような従来のモータ鉄心自
動結束方法の概略を説明するための図である。図13に
示すように、モータ鉄心材料61は、上金型64と下金
型65とからなる一対の金型によって打ち抜かれ、この
打ち抜かれた鉄心部材は下金型65に形成された円柱形
状の空間65a内に順次積層される。モータ鉄心材料6
1には、打ち抜きの前行程においてあらかじめポンチ6
2によっていくつかの突起部63が成形されており、こ
のようにして成形された突起部63は、下金型65の空
間65a内ですでに積層されているモータ鉄心66の最
上部の鉄心部材の凹部(突起部63の裏側にできる凹
部)67に押し込まれ、かしめによって互いに結束され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような従来の方法では、最終的に製造されるモータ鉄
心内部において突起部63と凹部67とからなるかしめ
部で塑性変形が発生し、このような塑性変形がモータ使
用時に発生する磁界を阻害することとなるため、モータ
鉄心の磁気特性の低下およびモータ効率の低下が引き起
こされるという問題がある。
【0005】また、前述したような従来の方法では、モ
ータ鉄心材料の板厚公差や材質によってモータ鉄心内部
のかしめ部63、67の結束強度が変化するため、金型
の微調整が必要になる場合があるという問題がある。
【0006】本発明は、このような点を考慮してなされ
たものであり、かしめ部を成形することなくモータ鉄心
を自動結束することができるモータ鉄心自動結束装置を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため、本発明は、板状のモータ鉄心材料を打ち抜きこの
打ち抜かれた複数の鉄心部材を積層する雌型および雄型
と、これら雌型および雄型のうちの少なくとも一方を駆
動する駆動部と、レーザ発振器により発振されたレーザ
光を複数レーザ光に分光する分光器と、この分光器によ
り分光された各レーザ光を伝送する伝送手段と、前記雌
型に組み込まれ、前記伝送手段により伝送される各レー
ザ光を前記雌型内に積層されたモータ鉄心側面の複数点
に照射して溶接を行う出射光学系とを備え、前記伝送手
段に、前記出射光学系を冷却するための加工ガス供給手
段を設け、前記出射光学系内に、前記伝送手段の前記加
工ガス供給手段から供給された加工ガスを前記雌型内に
積層されたモータ鉄心側面のレーザ照射部まで流すため
の加工ガス流路を設け、かつ前記雌型内面に、前記出射
光学系から流出される加工ガスを前記雌型内に積層され
たモータ鉄心側面に沿って流すための加工ガス流出溝を
設けたことを特徴とするモータ鉄心自動結束装置を提供
する。
【0008】
【0009】本発明によれば、打ち抜かれた複数の鉄心
部材を積層する雌型内に出射光学系を組み込み、この組
み込まれた出射光学系からのレーザ光を雌型内に積層さ
れたモータ鉄心側面の複数点に照射して溶接を行うこと
により、モータ鉄心内にかしめ部を成形することなくモ
ータ鉄心の自動結束を行うことができる。そして、本発
明によれば特に、伝送手段に設けられた加工ガス供給手
段を流れた加工ガスが、出射光学系内に設けられた加工
ガス流路を流れ、雌型内に積層されたモータ鉄心側面の
レーザ照射部に吹き付けられるので、長時間にわたる連
続稼働時における出射光学系の損傷を防止し、安定した
溶接品質を確保することができる。また本発明によれ
ば、雌型内面に設けられた加工ガス流出溝に沿って、出
射光学系から流出される加工ガスが、雌型内に積層され
たモータ鉄心側面に沿って流れるので、多量の加工ガス
を円滑に金型外部に流すことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0011】ここで、図1は、本発明によるモータ鉄心
自動結束装置(以下「レーザ鉄心自動結束装置」ともい
う)の一実施の形態の全体構成を示す図であり、図2
は、図1に示すレーザ鉄心自動結束装置の金型周辺の構
成を示す図である。図1および図2に示すように、レー
ザ鉄心自動結束装置は、板状のモータ鉄心材料6を打ち
抜きこの打ち抜かれた複数の鉄心部材を積層する一対の
金型である上金型(雄型)7および下金型(雌型)8
a、8bと、下金型8a、8bの一部をなす出射光学系
固定金型8bに組み込まれ、光ファイバー3により伝送
される各レーザ光を下金型8a、8b内に積層されたモ
ータ鉄心5側面の複数点に照射してスポット溶接を行う
出射光学系10とを備えている。また、レーザ光を発振
するYAGレーザ発振器1と、YAGレーザ発振器1に
より発振されたレーザ光を複数レーザ光に分光する分光
器2とが設けられるとともに、分光器2により分光され
た各レーザ光が、伝送手段としての複数の光ファイバー
3により出射光学系固定金型8bに組み込まれた出射光
学系10へ伝送されるようになっている。図2に示すよ
うに、上金型7は、モータ鉄心5と断面の直径がほぼ同
じ円柱形状をなし、下金型8a、8bに形成された円柱
形状の空間4とはまり合うようになっている。
【0012】次に、図1に示すレーザ鉄心自動結束装置
の分光器2の詳細な構成を図3(a)(b)に示す。図
3(a)に示すように、YAGレーザ発振器1により発
振されたレーザ光12は、反射ミラー13によって反射
ミラー13の下方に設けられた分光器2内部に入射され
るようになっている。また、図3(b)に示すように、
分光器2内部には、レーザ光12を空間的に分光するた
めの2つの空間分光ユニット16と、これら空間分光ユ
ニット16へ入射されるレーザ光の光路を切り替える高
精度に位置決め可能な光路切替手段としてのサーボモー
タ14および全反射ミラー15とが設けられている。な
お、2つの空間分光ユニット16は、全反射ミラー15
を挟んでその両側に対称的に配置されている。
【0013】ここで、2つの空間分光ユニット16はそ
れぞれ、複数の部分透過ミラー17と全反射ミラー18
とを有し、入射されたレーザ光がこれらを順次通過して
いくことによって同一のエネルギーを有する複数のレー
ザ光に空間的に分光されるようになっている。また、こ
れらの分光された各レーザ光は、複数の光ファイバー3
のそれぞれに対応して設けられた各ファイバー入射レン
ズ19によって集光され、対応する光ファイバー3の光
ファイバーコア20に入射されて伝送されるようになっ
ている。また、全反射ミラー15は、サーボモータ14
によって駆動されて90度の範囲で右回転と左回転とを
繰り返し、両側に対称的に配置された空間分光ユニット
16へ入射されるレーザ光の光路を時間的に切り替える
ことができるようになっている。
【0014】図4は、図1ないし図3に示すレーザ鉄心
自動結束装置の制御系の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、この制御系は、上金型7(図2参
照)を駆動してモータ鉄心材料を打ち抜く駆動部として
のプレス21と、系全体を制御する制御装置22と、Y
AGレーザ発振器1を制御するレーザコントローラ23
と、分光器2を制御するドライバ24とからなり、プレ
ス21、YAGレーザ発振器1および分光器2を、後述
するように協調的に動作させる。
【0015】次に、図1に示すレーザ鉄心自動結束装置
の光ファイバー3の詳細な構成を図5(a)〜(c)に
示す。図5(a)に示すように、分光された各レーザ光
を伝送する光ファイバー3は、マニホールド25を介し
て市販のレーザ用光ファイバーの保護管28に接続され
る。マニホールド25には、加工ガス流入口26が設け
られており、この加工ガス流入口26からマニホールド
25内へ加工ガスが供給される。また、図5(b)に示
すように、加工ガス流入口26からマニホールド25内
へ供給された加工ガス27は、光ファイバーコア20と
同軸状に保護管28内を流れるようになっている。な
お、保護管28内を流れる加工ガス27は、図5(c)
に示すように、光ファイバー出射端に取り付けられたス
リーブ29内に設けられた複数の加工ガス噴出口30か
ら噴出されるようになっている。
【0016】また、図1および図2に示すレーザ鉄心自
動結束装置の出射光学系固定金型8b周辺のより詳細な
構成を図6(a)(b)に示す。図6(a)に示すよう
に、光ファイバー出射端では、スリーブ29が出射光学
系10に挿入され、スリーブ29に取り付けられた接続
金具31によって出射光学系10に固定される。接続金
具31の内面と出射光学系10の外面の接触部にはネジ
が形成されており、接続金具31を回転させてネジ止め
される。なお、接続金具31内には、Oリング32が取
り付けられている。一方、出射光学系10は、出射光学
系固定金型8bに挿入された後、緩み止めナット33お
よび舌付き座金34によって固定されている。
【0017】ここで、出射光学系10内には、図6
(a)に示すように、複数のレンズ36が設けられてお
り、光ファイバー3の光ファイバーコア20から出射さ
れたレーザ光35が集光されてモータ鉄心5側面に照射
されるようになっている。また、出射光学系10内のレ
ンズ36の周りには加工ガス流路38が設けられてお
り、光ファイバー出射端のスリーブ29に設けられた加
工ガス噴出口30から噴出した加工ガス37が、この加
工ガス流路38を流れた上で、ノズル39の先端からレ
ーザ照射部に吹き付けられるようになっている。また、
出射光学系固定金型8b内面には、図6(b)に示すよ
うに、ノズル39の先端より噴出した加工ガスを流すた
めの加工ガス流出溝41が設けられている。
【0018】次に、このような構成からなる本実施の形
態の作用について説明する。
【0019】まず、板状のモータ鉄心材料の打ち抜きお
よび積層について説明する。図2に示すように、上金型
7は、プレス等の駆動部(図示せず)により駆動され、
この上金型7が下金型8a、8bの空間4に挿入される
際に、上金型7および下金型8a、8bの両方のエッジ
によってモータ鉄心材料6が打ち抜かれ、この打ち抜か
れた鉄心部材は下金型8a、8bの空間4内に順次積層
される。
【0020】次に、下金型8a、8bの空間4内に積層
された鉄心部材の結束について説明する。図1および図
2に示すように、YAGレーザ発振器1によりパルス状
に発振されたレーザ光は、分光器2により均一なエネル
ギーを有する複数のレーザ光に分光され、この分光され
た各レーザ光はそれぞれ対応する光ファイバー3に入射
される。光ファイバー3に入射された各レーザ光は、出
射光学系固定金型8bに組み込まれた、対応する出射光
学系10まで伝送され、この伝送された各レーザ光は出
射光学系10により集光される。すなわち、光ファイバ
ー3により伝送された各レーザ光は、出射光学系10に
より下金型8a、8bの空間4内に積層されたモータ鉄
心5側面に集光ビーム11として照射され、スポット溶
接により少なくとも2つの積層された鉄心部材間の結束
がなされる。
【0021】より具体的には、図3(a)に示すよう
に、YAGレーザ発振器1により発振されたレーザ光1
2は、反射ミラー13によって反射ミラー13の下方に
設けられた分光器2内部に入射される。そして、この入
射されたレーザ光は、図3(b)に示すように、サーボ
モータ14によって駆動されて90度の範囲で右回転と
左回転とを繰り返す全反射ミラー15で反射され、2つ
の空間分光ユニット16のうちのいずれか一方に入射さ
れる。空間分光ユニット16内部では、複数の部分透過
ミラー17と全反射ミラー18とを順次通過していくこ
とによって同一のエネルギーを有する複数のレーザ光に
空間的に分光される。なお、これらの分光された各レー
ザ光は、複数の光ファイバー3のそれぞれに対応して設
けられた各ファイバー入射レンズ19によって集光さ
れ、対応する光ファイバー3の光ファイバーコア20に
入射されて伝送される。
【0022】なお、プレス等の駆動部、YAGレーザ発
振器1および分光器2では、図4に示す制御系に基づい
て以下のような制御がなされる。
【0023】すなわち、図4に示すように、プレス21
からモータ鉄心材料の打抜完了信号としての下死点信号
が発生すると、この下死点信号に基づいて制御装置22
は、レーザコントローラ23へレーザ発振信号を送出す
る。レーザコントローラ23は、このレーザ発振信号を
受け取ると、YAGレーザ発振器1を制御してYAGレ
ーザ発振器1からパルス幅5ms、パルスエネルギー6
〜7Jのパルスレーザを1回以上発振させる。YAGレ
ーザ発振器1にこのような発振を行わせた後、制御装置
22は、ドライバ24へ光路切替信号を送出する。ドラ
イバ24は、この光路切替信号を受け取ると、分光器2
内のサーボモータ14(図3(b)参照)を駆動して全
反射ミラー15(図3(b)参照)を90度だけ回転さ
せる。これにより、レーザ光の光路が他方の空間分光ユ
ニット16へと切り替えられる。このような切り替えが
完了すると、ドライバー24から光路切替完了信号が制
御装置22へ送出される。この光路切替完了信号に基づ
いて制御装置22は、レーザコントローラ23へ再びレ
ーザ発振信号を送出し、YAGレーザ発振器1からレー
ザ光を発振させる。
【0024】以上のような制御を行うことにより、モー
タ鉄心材料の1回の打ち抜き動作に対して、1回の光路
切替と2回のレーザ発振とが自動的に行われ、モータ鉄
心材料の1回の打ち抜き周期内において、1台のYAG
レーザ発振器1からのレーザ光を用いた多数点でのスポ
ット溶接を容易に実現することができる。
【0025】なお、本実施の形態においては、図5
(a)〜(c)に示すように、マニホールド25の加工
ガス流入口26から供給された加工ガスは、光ファイバ
ーコア20と同軸状に市販のレーザ用光ファイバーの保
護管28内を流れ、光ファイバー出射端に取り付けられ
たスリーブ29内に設けられた複数の加工ガス噴出口3
0から噴出される。そして、光ファイバー出射端が出射
光学系10に接続された状態では、図6(a)に示すよ
うに、加工ガス噴出口30から噴出した加工ガス37
は、出射光学系10内のレンズ36の周りに設けられた
加工ガス流路38を流れ、ノズル39の先端からレーザ
照射部に吹き付けられる。なお、ノズル39の先端から
噴出した加工ガスは、図6(b)に示すように、出射光
学系固定金型8b内面に設けられた加工ガス流出溝41
に沿って金型外部に流出する。
【0026】このように、加工ガスが市販のレーザ用光
ファイバーの保護管28内を流れるようにすることによ
り、加工ガスを供給するための特別の配管を別途設ける
必要がなくなり、出射光学系を金型内の限られたスペー
スに組み込むことができるとともに、金型の構造の簡易
化を図ることができる。また、ノズル39の先端からレ
ーザ照射部に加工ガスが吹き付けられることにより、レ
ーザ照射時に発生するスパッタおよびヒューム等がレン
ズ36または保護ガラス40に付着するのを防止するこ
とができ、長時間にわたる連続稼働時における出射光学
系10の損傷を防止し、安定した溶接品質を確保するこ
とができる。さらに、加工ガス流出溝41を設けたこと
により、多量の加工ガスを円滑に金型外部に流すことが
できる。
【0027】なお、出射光学系10内およびモータ鉄心
5側面を流れる加工ガスとしては、窒素を用いることが
好ましく、これにより、出射光学系10内のレンズ36
を効果的に冷却できるとともに、モータ鉄心5側面のレ
ーザ照射部近傍を不活性雰囲気とし、モータ鉄心5側面
に付着して残った油の燃焼を防止して溶接欠陥の発生を
防止し、高品質なスポット溶接を実現することができ
る。好適な実施例としては、窒素ガスの供給源として大
気を窒素に変換する窒素ガス変換器を用い、これによっ
て窒素濃度95%以上の窒素ガスを加工ガスとして供給
するとよい。
【0028】また、本実施の形態においては、図6
(a)に示すように、接続金具31内にOリング32を
取り付けることにより、モータ鉄心材料の打ち抜き時に
発生する振動による光ファイバーと接続金具31との接
続部における緩みを防止することができる。さらに、緩
み止めナット33および舌付き座金34によって出射光
学系10を出射光学系固定金型8bに固定することによ
り、モータ鉄心材料の打ち抜き時に発生する振動による
出射光学系10の位置ずれを防止し、溶接品質を確保す
るとともに、作業効率の向上を図ることができる。図7
(a)(b)は、図1および図2に示すレーザ鉄心自動
結束装置によるモータ鉄心5側面でのスポット溶接の様
子を示す断面図である。
【0029】図7(a)に示すように、モータ鉄心5側
面でのスポット溶接は、原理的には、積層された少なく
とも2つの打ち抜き後の鉄心部材6′間に集光ビーム1
1を照射して両者の結束を行うようにすればよいが、鉄
心部材6′の板厚公差や鉄心の傾き等によっては集光ビ
ーム11のレーザ照射部42に位置ずれが生じる恐れが
ある。そこで、図7(b)のように集光ビーム11が鉄
心部材6′の板厚中央部に照射されてもモータ鉄心5の
結束を行えるようにするために、集光ビーム11による
レーザ照射部42のスポットの直径(スポット径)が鉄
心部材6′(すなわちモータ鉄心材料6)の板厚以上と
なるようにしておくとよい。
【0030】以上、本発明の一実施の形態について説明
してきたが、本発明はこのような実施の形態に限定され
るものではなく、以下のような各種の変形された実施の
形態をとることが可能である。
【0031】図8(a)〜(c)は、光ファイバー出射
端と出射光学系との接続部の変形例を説明するための図
である。この変形例では、光ファイバー出射端と出射光
学系との接続にネジを用いるのではなく、ワンタッチ脱
着を可能とする接続機構を用いる。図8(a)に示すよ
うに、出射光学系側の接続部は、出射光学系端部9に設
けられたバネ止めピン43と、光ファイバー固定リング
44に設けられたバネ止めピン45とがバネを介して接
続されている。図8(b)は、図8(a)に示す出射光
学系側の接続部を下方から見た図であり、この図から明
らかなように、光ファイバー固定リング44には、バネ
46の弾性力によって常に左回転の力が加えられてい
る。ただし、出射光学系と光ファイバー出射端とが接続
されていない状態においては光ファイバー固定リング4
4は、バネ47によって付勢された固定ピン48によっ
て固定されている。
【0032】光ファイバー固定リング44に設けられた
ロック溝49に光ファイバー出射端のスリーブ50に設
けられたロックピン51を合わせた状態で、スリーブ5
0を出射光学系側の接続部に挿入すると、固定ピン48
が押し込まれて、光ファイバー固定リング44は左方向
に回転する。その結果、図8(c)に示すように、ロッ
クピン51とロック溝49とがかみ合い、光ファイバー
出射端と出射光学系とが互いに接続される。一方、光フ
ァイバー出射端を出射光学系側の接続部からはずす場合
には、光ファイバー固定リング44を右方向に回転させ
る。これにより、固定ピン48がバネ47によって押し
出され、光ファイバー出射端のスリーブ50が出射光学
系側の接続部よりはずれる。このような接続機構を採用
することにより、光ファイバー出射端と出射光学系との
脱着がワンタッチで可能となり、光ファイバー出射端と
出射光学系との接続時の作業性を向上させることができ
る。
【0033】図9(a)(b)は、出射光学系の変形例
を説明するための図である。図9(a)に示すように、
この変形例に係る出射光学系53内には、光ファイバー
コア20から出射されたレーザ光35を所定角度(ここ
では90度)だけ折り曲げるための反射ミラー52が設
けられている。レーザ光35は、反射ミラー52で折り
曲げられた後に、複数のレンズ36によって集光され
る。
【0034】このような出射光学系53を用いることに
より、図9(b)に示すような、1台のプレスで2つの
モータ鉄心用の打ち抜きを行う場合であって、それぞれ
のモータ鉄心用の2つの出射光学系固定金型8b、8
b′が接近しているような場合であっても、これらの出
射光学系固定金型8b、8b′間の狭隘部に出射光学系
53を組み込むことが可能となり、金型のスペースを削
減することができる。
【0035】図10は、出射光学系固定金型への出射光
学系の取り付け方の変形例を説明するための図である。
図10においては、出射光学系10をモータ鉄心5側面
の法線方向に対して15度程度傾けて取り付けており、
これにより、レーザ照射時に発生するスパッターやヒュ
ーム等が出射光学系10内へ進入してレンズや保護ガラ
ス等へ付着することを防止でき、出射光学系のメンテナ
ンス回数を少なくして生産性および作業効率の向上を図
ることができる。また、このように出射光学系10を傾
けて取り付けることにより、レーザ照射部からの反射光
のレンズおよび光ファイバーコアへの戻りも防止できる
ので、安定した溶接品質を確保することができる。な
お、出射光学系10の取り付け角度は、モータ鉄心5側
面の法線方向に対して0度〜30度程度であることが好
ましい。
【0036】図11は、出射光学系固定金型の変形例を
説明するための図である。図11に示すように、この変
形例では、出射光学系固定金型8b内に、外部から取り
込んだ空気等のガスを大量に流すためのガス流路54を
設け、出射光学系固定金型8b内面に設けられた複数の
ガス噴出口55からモータ鉄心5側面に吹き付ける。こ
のように、モータ鉄心5側面に空気等のガスを吹き付け
ることにより、モータ鉄心5側面に付着した油を完全に
乾燥させてレーザ照射部における溶接欠陥の発生を防止
し、高品質なスポット溶接を実現することができる。
【0037】図12(a)(b)は、分光器内および出
射光学系内にパワーディテクタを取り付けた変形例を説
明するための図である。
【0038】図12(a)に示すように、分光器2内に
おいては、複数の部分透過ミラー17の後段に1%透過
ミラー56が配置され、この1%透過ミラー56から透
過された透過光を受光できる位置にパワーディテクタ5
8が取り付けられている。分光器2内に入射されたレー
ザ光は、全反射ミラー15によっていずれか一方の空間
分光ユニット16に導入された後、複数の部分透過ミラ
ー17によって分光され、最後に1%透過ミラー56に
よって分割され、全レーザ光のうちの1%の透過光57
がパワーディテクタ58に照射される。
【0039】また、図12(b)に示すように、出射光
学系10内においては、光ファイバーコア20と複数の
レンズ36との間に99%透過ミラー59が配置され、
この99%透過ミラー59から反射された反射光を受光
できる位置にパワーディテクタ61が取り付けられてい
る。光ファイバーコア20から出射光学系10内に導入
されたレーザ光は、99%透過ミラー59によって分割
され、全レーザ光のうちの1%の反射光60がパワーデ
ィテクタ61に照射される。
【0040】このように、分光器2内または出射光学系
10内にパワーディテクタ59、61を取り付けること
により、これらのパワーディテクタからの信号に基づい
てレーザ光の伝送状態を監視することができ、結束され
たモータ鉄心の品質管理を行い、トラブル発生箇所を早
期に発見することができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
モータ鉄心内部にかしめ部を成形することなくモータ鉄
心の自動結束を行うので、従来のかしめ法で問題となっ
たかしめ部の塑性変形に起因したモータ効率の低下を回
避することができ、またモータ鉄心材料の板圧公差や材
質が溶接部の結束強度に影響を与えないので、結束強度
の変化や金型の微調整を不要とすることができ、このた
め従来の方法による生産性を何ら損なうことなく、安定
した品質を有するモータ鉄心の製造を実現することがで
きる。そして、本発明によれば特に、伝送手段に設けら
れた加工ガス供給手段を流れた加工ガスが、出射光学系
内に設けられた加工ガス流路を流れ、雌型内に積層され
たモータ鉄心側面のレーザ照射部に吹き付けられるの
で、長時間にわたる連続稼働時における出射光学系の損
傷を防止し、安定した溶接品質を確保することができ
る。また本発明によれば、雌型内面に設けられた加工ガ
ス流出溝に沿って、出射光学系から流出される加工ガス
が、雌型内に積層されたモータ鉄心側面に沿って流れる
ので、多量の加工ガスを円滑に金型外部に流すことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレーザ鉄心自動結束装置の一実施
の形態の全体構成を示す図である。
【図2】図1に示すレーザ鉄心自動結束装置の金型周辺
の構成を示す図である。
【図3】図1に示すレーザ鉄心自動結束装置の分光器の
詳細な構成を示す図である。
【図4】図1ないし図3に示すレーザ鉄心自動結束装置
の制御系の構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示すレーザ鉄心自動結束装置の光ファイ
バーの詳細な構成を示す断面図である。
【図6】図1および図2に示すレーザ鉄心自動結束装置
の出射光学系固定金型周辺のより詳細な構成を示す断面
図である。
【図7】図1および図2に示すレーザ鉄心自動結束装置
によるモータ鉄心側面でのスポット溶接の様子を示す断
面図である。
【図8】光ファイバー出射端と出射光学系との接続部の
変形例を説明するための図である。
【図9】出射光学系の変形例を説明するための図であ
る。
【図10】出射光学系固定金型への出射光学系の取り付
け方の変形例を説明するための図である。
【図11】出射光学系固定金型の変形例を説明するため
の図である。
【図12】分光器内および出射光学系内にパワーディテ
クタを取り付けた変形例を説明するための図である。
【図13】従来のモータ鉄心自動結束方法の概略を説明
するための図である。
【符号の説明】
1 YAGレーザ発振器 2 分光器 3 光ファイバー 4 空間 5 モータ鉄心 6 モータ鉄心材料 6′ 鉄心部材 7 上金型 8a、8b 下金型 9 出射光学系端部 10 出射光学系 11 集光ビーム 12 レーザ光 13 反射ミラー 14 サーボモータ 15 全反射ミラー 16 空間分光ユニット 17 部分透過ミラー 18 全反射ミラー 19 ファイバー入射レンズ 20 光ファイバーコア 21 プレス 22 制御装置 23 レーザコントローラ 24 ドライバ 25 マニホールド 26 加工ガス流入口 27 加工ガス 28 保護管 29 スリーブ 30 加工ガス噴出口 31 接続金具 32 Oリング 33 緩み止めナット 34 舌付き座金 35 レーザ光 36 レンズ 37 加工ガス 38 ガス流路 39 ノズル 40 保護ガラス 41 加工ガス流出溝 42 レーザ照射部 43 バネ止めピン 44 光ファイバー固定リング 45 バネ止めピン 46、47 バネ 48 固定ピン 49 ロック溝 50 スリーブ 51 ロックピン 52 反射ミラー 53 出射光学系 54 ガス流路 55 ガス噴出口 56 1%透過ミラー 57 透過光 58 パワーディテクタ 59 99%透過ミラー 60 反射光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠 永 秀 之 三重県三重郡朝日町大字縄生2121 株式 会社東芝 三重工場内 (56)参考文献 特開 平4−105536(JP,A) 特開 平5−245158(JP,A) 特開 平6−328278(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 15/02 B23K 26/00 310

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板状のモータ鉄心材料を打ち抜きこの打ち
    抜かれた複数の鉄心部材を積層する雌型および雄型と、 これら雌型および雄型のうちの少なくとも一方を駆動す
    る駆動部と、 レーザ発振器により発振されたレーザ光を複数レーザ光
    に分光する分光器と、 この分光器により分光された各レーザ光を伝送する伝送
    手段と、 前記雌型に組み込まれ、前記伝送手段により伝送される
    各レーザ光を前記雌型内に積層されたモータ鉄心側面の
    複数点に照射して溶接を行う出射光学系とを備え、 前記伝送手段に、前記出射光学系を冷却するための加工
    ガス供給手段を設け、前記出射光学系内に、前記伝送手
    段の前記加工ガス供給手段から供給された加工ガスを前
    記雌型内に積層されたモータ鉄心側面のレーザ照射部ま
    で流すための加工ガス流路を設け、かつ前記雌型内面
    に、前記出射光学系から流出される加工ガスを前記雌型
    内に積層されたモータ鉄心側面に沿って流すための加工
    ガス流出溝を設けたことを特徴とするモータ鉄心自動結
    束装置。
  2. 【請求項2】前記雌型内に積層されたモータ鉄心側面に
    対して空気等のガスを吹き付けるためのガス吹付手段を
    さらに備えたことを特徴とする請求項1記載のモータ鉄
    心自動結束装置。
  3. 【請求項3】前記分光器内または前記出射光学系内に、
    レーザ光の伝送異常を検出するための検出手段を設けた
    ことを特徴とする請求項1記載のモータ鉄心自動結束装
    置。
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