JP2997032B2

JP2997032B2 - テレビジョン信号の伝送装置

Info

Publication number: JP2997032B2
Application number: JP2307294A
Authority: JP
Inventors: 泰市郎栗田
Original assignee: Japan Broadcasting Corp
Current assignee: Japan Broadcasting Corp
Priority date: 1990-11-15
Filing date: 1990-11-15
Publication date: 2000-01-11
Anticipated expiration: 2015-01-11
Also published as: JPH04180483A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）この発明はテレビジョン信号の伝送装置に係り、特に
テレビジョン画像の動解像度改善を目的としたテレビジ
ョン信号の伝送装置に関するものである。

（発明の概要）この発明は、テレビジョン信号の伝送装置に関するも
のである、あるフィールド周波数を有する2:1インター
レース走査のテレビジョン系に対し、奇数番目の走査線
を走査する２つの連続したフィールドと、偶数番目の走
査線を走査する２つの連続したフィールドからなる、４
フィールドで１フレームを構成する4:2インターレース
走査のカメラで画像を撮像し、カメラ出力信号の第1,第
３フィールドまたは第2,第４フィールドのみを抜き取
り、該抜き取った信号の時間軸を２倍に伸長し2:1イン
ターレース信号として伝送し、よってもってテレビジョ
ン画像の動解像度を改善せんとするものである。

（従来の技術）テレビジョンの動解像度を改善する方法として、従来
は、撮像デバイスまたはカメラの電子回路の改良の他
に、シャッタを用いて機械的にカメラへの入射光を短い
時間に制限する方法があった。また、あまり使用されて
いないが、2:1インターレース走査のフィールド周波数
を単純に２倍にする方法、または単純に２倍のフィール
ド周波数で撮像のみを行い、その後もとのフィールド周
波数に信号を走査変換する方法などが考えられる。

（発明が解決しようとする課題）しかし、前述の現行カメラの改良ではその改善度にも
おのずと限界がある。また、シャッタによる方法では機
械的機構を必要とし、カメラの取り扱いが不便になる他
に、カメラでの動解像度の劣化の原因には蓄積ぼけと残
像があるが、シャッタによる改善は前者に限られるとい
う問題があった。

また、フィールド周波数を単純に２倍にする方法では
信号帯域を全テレビジョン系にわたって２倍にする必要
があるため、必要経費が大きくなるという問題があっ
た。さらに、撮像のみを単純に２倍にする方法では、後
に述べるように信号の走査変換において内挿処理を必要
とするので、変換処理が複雑になりかつ垂直空間周波数
特性の劣化を伴う。さらにはやはり後に述べるように残
像による劣化の分は改善されないという問題があった。

そこで本発明の目的は、テレビジョン信号の伝送装置
において、撮像側のみの走査および信号処理方式を変更
することにより、受信側での蓄積ぼけまたは蓄積ぼけお
よび残像の両者を簡単にかつ全電子的な手段で改善でき
るテレビジョン信号の伝送装置を提供せんとするもので
ある。

（課題を解決するための手段）この目的を達成するため、本発明に係るテレビジョン
信号の伝送装置は、テレビジョン画像フレーム内の奇数
番目の走査線を走査する２つの連続したフィールドと、
偶数番目の走査線を走査する２つの連続したフィールド
からなる、４フィールドで１フレームを構成する4:2イ
ンターレース走査の画像撮像手段、該手段によって生じ
る4:2インターレース走査画像信号から、連続する２つ
の奇数走査線のフィールドと２つの偶数走査線のフィー
ルドのそれぞれ前側または後側のフィールド信号を抜き
取るフィールド間間引き手段、および該手段によって抜
き取ったフィール信号をそれぞれ２倍に時間軸伸長して
伝送信号としての2:1インターレース信号を生成する時
間軸伸長手段を少なくとも具えてなることを特徴とする
ものである。

（実施例）以下添付図面を参照し実施例により本発明を詳細に説
明する。

第１図に本発明伝送装置に係る実施例構成の略ブロッ
ク線図を示す。

現在わが国で使用されているテレビジョン方式はNTSC
方式にしてもハイビジョン（HDTV）方式にしてもその走
査はフィールド周波数60Hzの2:1インターレースで行わ
れている。第１図示の本発明伝送装置に係る実施例構成
ではカメラ１は、60Hzの倍速の120Hz、4:2インターレー
スで走査するテレビジョンカメラである。カメラ１の出
力はフィールド間引き回路２に入力される。回路２にお
いて4:2インターレース走査の信号から例えば第２、第
４フィールドのみが抜き取られて出力される。回路２の
出力は時間軸伸張回路３で２倍の時間に引き伸ばされ、
60Hz/2:1インターレースの通常のテレビジョン信号とな
る。従って回路２と３は全体として120Hz/4:2から60Hz/
2:1への走査変換器４を構成している。変換器４の出力
信号は60Hz/2:1インターレースで走査する通常のモニタ
５で観視できる。

次に第２図によって4:2インターレース走査およびそ
の走査変換について説明する。4:2インターレース走査
は第２図の左側に示すように４フィールドで１フレーム
を構成している。第１フィールド（Δ印：間引かれる走
査線）と第２フィールド（○印：変換される走査線）が
例えばフレーム内の奇数番目の走査線を走査するフィー
ルドとすれば、第３（Δ印）、第４フィールド（○印）
は偶数番目の走査線を走査するフィールドとなる。従っ
て、画面の垂直方向ｙに関しては第１フィールド（Δ）
と第２フィールド（○）は同じ位置を走査し、第３フィ
ールド（Δ）と第４フィールド（○）は第１と第２フィ
ールドとは1/2走査線間隔だけずれた同じ位置を走査す
る。このフィールド周波数120Hzの4:2インターレース走
査画像を通常の60Hzの2:1インターレース画像に変換す
るには、第３図に示すように４フィールドの中から第１
の実施例では第２フィールドと第４フィールドを抜き出
し、メモリ素子への書き込み、読み出しなどにより時間
軸を２倍に伸張すればよい。この状況を信号波形により
第３図に示す。伸張された信号は、第２図右側に示され
るように通常の60Hz、2:1インターレースの信号とな
る。第３図の上側の信号波形は第１図示要素４の入力信
号（120Hz/4:2信号）、下側の信号波形は同図示要素４
の出力信号（60Hz/2:1信号）それぞれの波形である。

本発明の効果の一面を説明するために、一例として12
0Hz/2:1インターレース走査から60Hz/2:1インターレー
ス走査に変換する場合の変換処理の一例を第４図に示
す。図の左側の120Hz/2:1インターレース走査から右側
の60Hz/2:1インターレース走査に変換するために、例え
ば左側の１フレーム目の第２フィールド（○印：直接変
換される走査線）を抜き出し、時間軸伸張して右側の第
１フレーム第１フィールド（○印：直接変換された走査
線）になるように変換したとする。すると、次に変換す
べきフィールドは左側第２フレームの第２フィールド
（Δ印：間引かれる走査線、●印：内挿されるべき走査
線の位置）となるが、このフィールドの走査線は前述の
第１フレーム第２フィールドと同じ位置を走査してい
る。従って、このフィールドの信号をそのまま時間伸張
しただけでは2:1インターレース信号は得られず、左側
の図の●印に示す位置に内挿により補間走査線を作成
し、その補間走査線を時間伸張して右側の図の第１フレ
ーム第２フィールド（●印：内挿されて変換された走査
線）とする必要がある。しかし、この内挿処理により信
号が垂直空間周波数に関して帯域制限され、画像の垂直
解像度が劣化してしまう。さらに走査変換処理も複雑に
なる。本発明によれば、すでに第２図に示したようにす
べての走査線が時間伸張のみで変換でき、以上のような
問題は生じない。

また、第５図、第６図によって本発明の効果の別の一
面を説明する。第５図は通常の2:1インターレースにお
ける残像の状況を示している。カメラの撮像管は、入射
した光を光電変換により電荷として導電膜上に蓄積し、
蓄積された信号を電子銃からの電子ビームで読み取るこ
とによって光を電気信号に変換している。このとき電荷
を蓄積する時間が長いほど入射光に対する積分時間が長
くなり、画像の動解像度が劣化する。この効果が蓄積ぼ
けと呼ばれているが、この効果はシャッタを使用しない
場合フィールド周波数によってその程度がほぼ決まり、
フィールド周波数が高いほど動解像度は良好になる。本
発明では通常の２倍のフィールド周波数で撮像している
ので、蓄積ぼけは1/2に減少する。ただし、この効果は
第４図のように120Hz/2:1インターレースを使用する場
合でも同様である。しかし、もう１つの動解像度劣化要
因である残像については以下のように状況が異なる。

第５図の通常の2:1/インターレース走査において、第
１フィールドのみ光が入射し、第２フィールドでは光が
全く入射しなかったとする。第１フィールド（この場合
Δ印：間引かれる走査線）では入射光から変換された電
荷をビームで読み取るが、このとき、電子銃からのビー
ムは矩形ではないので図の斜線に示すような電荷の読み
残しを走査線間に生じる。2:1インターレースのため、
図に示すようにこれが第２フィールド（この場合○印：
変換される走査線）で読み取られて残像の原因となる。

これに対し、第６図示のように本発明によれば、第５
図と同様な入射光に対し同様な読み残しを生じても、走
査変換される第２、第４フィールド（○印：変換される
走査線）ではこの読み残しはほとんど読み出されず、変
換された2:1インターレース走査においては低残像な画
像信号を得ることが可能である。

以上詳細に説明してきた第１の実施例は、本発明明細
書特許請求の範囲において後側のフィールド信号を抜き
取る場合に対応するものであり、同特許請求の範囲にお
いて前側のフィールド信号を抜き取る場合に対応する第
２の実施例では、その残像の状況を示す図は、第６図に
おいて間引かれる走査線Δ印と変換される走査線○印と
を交換した形態となり、この場合その変換される第３フ
ィールド走査線には読み残しによる残像成分が含まれて
きて、後側のフィールド信号を抜き取る場合ほどの効果
はなくなる。しかし撮像側の走査の走査速度を上昇させ
たことによる動解像度劣化防止の効果はそのまま存在す
る。

以上説明してきた実施例はこれに限定されることな
く、特許請求の範囲に記載された発明の要旨内で各種の
変形、変更の可能なことは自明であり、例えばフィール
ド周波数については実施例に記載してきたフィールド周
波数以外にも適用可能であり、走査線数についても任意
の数のシステムで適用可能である。

（発明の効果）以上詳細に説明してきた本発明伝送装置によれば、撮
像側のみの走査および信号処理の方式を変更するだけ
で、受信側での蓄積ぼけまたは蓄積ぼけおよび残像の両
者を比較的簡単な全電子的な手法で改善できるテレビジ
ョン信号の伝送装置を提供できるようになった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明伝送装置に係る実施例構成の略ブロック
線図、第２図は本発明伝送装置における走査方法と走査変換処
理の走査線構造を示す図、第３図は本発明伝送装置における走査変換の信号波形例
を示す図、第４図は倍速2:1インターレース走査とその走査変換処
理の他の例を示す図、第５図、第６図はそれぞれ2:1インターレース走査およ
び本発明の4:2インターレース走査における残像の状況
を説明するための図である。１……カメラ（120Hz/4:2）２……フィールド間引き回路３……時間軸伸張回路４……走査変換器（120Hz/4:2→60Hz/2:1）５……モニタ（60Hz/2:1）

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】テレビジョン画像フレーム内の奇数番目の
走査線を走査する２つの連続したフィールドと、偶数番
目の走査線を走査する２つの連続したフィールドからな
る、４フィールドで１フレームを構成する4:2インター
レース走査の画像撮像手段、該手段によって生じる4:2
インターレース走査画像信号から、連続する２つの奇数
走査線のフィールドと２つの偶数走査線のフィールドの
それぞれ前側または後側のフィールド信号を抜き取るフ
ィールド間間引き手段、および該手段によって抜き取っ
たフィールド信号をそれぞれ２倍に時間軸伸長して伝送
信号としての2:1インターレース信号を生成する時間軸
伸長手段を少なくとも具えてなることを特徴とするテレ
ビジョン信号の伝送装置。