JP2994872B2 - 眼鏡枠形状データ伝送方法および眼鏡レンズ加工方法 - Google Patents

眼鏡枠形状データ伝送方法および眼鏡レンズ加工方法

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JP2994872B2
JP2994872B2 JP4211647A JP21164792A JP2994872B2 JP 2994872 B2 JP2994872 B2 JP 2994872B2 JP 4211647 A JP4211647 A JP 4211647A JP 21164792 A JP21164792 A JP 21164792A JP 2994872 B2 JP2994872 B2 JP 2994872B2
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  • Eyeglasses (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は眼鏡枠形状データ伝送方
法および眼鏡レンズ加工方法に関し、特に、眼鏡枠の形
状を測定し、測定値を処理した上で眼鏡レンズの加工側
に伝送する眼鏡枠形状データ伝送方法および眼鏡枠の形
状を表すデータが伝送され、伝送されたデータに基づき
眼鏡レンズの加工を行う眼鏡レンズ加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】眼鏡レンズの発注側から送られた眼鏡レ
ンズや眼鏡フレームに関する情報に基づき、眼鏡レンズ
の加工側が、ヤゲン形状を含めた所望のレンズ形状を演
算し、その結果に基づき、ヤゲン加工を含めたレンズ加
工が可能であるか否かの可否情報を、さらにはヤゲン加
工形状を含めた眼鏡レンズの仕上がり予想形状を、発注
側に返信し、発注側は、送信された可否情報または仕上
がり予想形状を画面表示し、ヤゲン加工を含めたレンズ
加工が可能であるか否かを確認し、あるいは仕上がり予
想形状を確認し、この確認に基づき、最適なヤゲンが設
けられた眼鏡レンズを決定して発注するようにした眼鏡
レンズの供給システムが、本願出願人により提案されて
いる(特願平4−165912号)。
【0003】このシステムの実現には、眼鏡枠形状がで
きるだけ正確に発注側から加工側へ伝送され、加工側で
眼鏡枠形状ができるだけ正確に復元されることが前提と
なる。
【0004】ところで、従来、眼鏡枠の内周溝の形状が
測定され、得られた3次元座標値が、そのまま、加工側
へ伝送され、記憶されるか、または、得られた3次元座
標値に基づき計算処理が行われて、眼鏡枠が球面上にあ
るとした場合の球の半径値、球の中心座標値等の眼鏡枠
形状を表す要素データが算出され、これらの要素データ
が、2次元座標値とともに加工側へ伝送され、記憶され
ることが行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、得られた3次
元座標値がそのまま伝送され、記憶される前者の方法で
は、眼鏡枠形状が正確に伝送され、加工側で眼鏡枠形状
が正確に復元されるが、3次元座標値そのままでは、デ
ータ量が多過ぎ、伝送や記憶の効率が悪い。一方、眼鏡
枠形状を表す要素データを作成し、2次元座標値ととも
に伝送し、記憶する後者の方法ではデータ量が減少さ
れ、伝送や記憶の効率が良いが、眼鏡枠が球面上にある
と仮定して、球の半径値や中心座標値を算出し、それら
を伝送するために、伝送データを受けた側でそれら各デ
ータに基づき眼鏡枠の形状を復元した場合、復元された
眼鏡枠形状が元の眼鏡枠形状と必ずしも一致しないとい
う問題があった。すなわち、眼鏡枠形状の一部が球面上
に位置しないような元の眼鏡枠の場合には、復元された
眼鏡枠形状とは当該一部の位置で一致しないことにな
る。
【0006】なお、復元された眼鏡枠形状が、元の眼鏡
枠形状に全く一致することが望ましいものの、通常、眼
鏡枠形状は程度の差こそあれ、変形可能な素材からなっ
ていることが多いので、復元された眼鏡枠形状が、元の
眼鏡枠形状に全く一致する必要は必ずしもない。とはい
え、この両者の不一致のために、復元された眼鏡枠形状
に基づいて加工されたレンズが元の眼鏡枠にぴったりと
嵌合できないということもあり得、したがって、眼鏡枠
形状を表す要素データとして新たなものの出現が望まれ
ていた。
【0007】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、眼鏡枠形状データの伝送や記憶の効率が良
く、しかも、眼鏡レンズがぴったりと嵌合できる眼鏡枠
形状を復元できる眼鏡枠形状データ伝送方法、および、
そうして伝送された眼鏡枠形状データを有効に利用した
眼鏡レンズ加工方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、眼鏡枠の内周溝の3次元形状を測定し、
測定された3次元形状の座標値に基づき、少なくとも、
眼鏡枠の内周溝に沿った周長値を算出し、算出された周
長値を眼鏡レンズの加工側に伝送することを特徴とする
眼鏡枠形状データ伝送方法が、提供される。
【0009】また、少なくとも、眼鏡枠の内周溝に沿っ
た周長値が伝送され、伝送された周長値に基づき、眼鏡
枠の形状を復元することを特徴とする眼鏡レンズ加工方
法が、提供される。
【0010】さらに、少なくとも、眼鏡枠の内周溝に沿
った周長値が伝送され、伝送された周長値に対応する周
長を変えることなく眼鏡枠を変形して、眼鏡レンズの所
定位置に設けられたヤゲンに眼鏡枠を合わせるようにす
ることを特徴とする眼鏡レンズ加工方法が、提供され
る。
【0011】
【作用】上記構成において、眼鏡枠の内周溝の3次元形
状を測定し、測定された3次元形状の座標値に基づき、
少なくとも、眼鏡枠の内周溝に沿った周長値を算出し、
算出された周長値を眼鏡レンズの加工側に伝送する。す
なわち、通常、伝送する2次元座標値、眼鏡枠が球面ま
たはトーリック面上にあるとした場合の球またはトーリ
ック面の半径値、中心座標値等以外に、周長値を伝送す
る。これにより、伝送量が周長値分だけ増えるが、しか
し、3次元形状データをそのまま伝送するよりも遙に伝
送量が少なくて済み、しかも、眼鏡枠に加工済のレンズ
をぴったりと嵌合するために重要な要素である周長値が
伝送できる。
【0012】また、眼鏡枠形状データを伝送された加工
側では、少なくとも、眼鏡枠の内周溝に沿った周長値が
伝送され、伝送された周長値に基づき、眼鏡枠の形状を
復元する。すなわち、通常、伝送される2次元座標値、
眼鏡枠が球面またはトーリック面上にあるとした場合の
球またはトーリック面の半径値、中心座標値等以外に、
周長値が伝送される。これにより、眼鏡枠の一部が球面
またはトーリック面上に位置しないような元の眼鏡枠に
対しても、周長値を基に眼鏡枠形状を復元することによ
り、ぴったりと嵌合できる眼鏡レンズを加工することが
可能となる。
【0013】さらに、少なくとも、眼鏡枠の内周溝に沿
った周長値が伝送され、伝送された周長値に対応する周
長を変えることなく眼鏡枠を変形して、眼鏡レンズの所
定位置に設けられたヤゲンに眼鏡枠を合わせるようにす
る。すなわち、形状の変形が可能な眼鏡枠において、伝
送された周長値に対応する周長を変えないように眼鏡枠
を変形して、所定のヤゲンに合わせるようにし、これに
よって、理想的なヤゲンを立てることが可能となるとと
もに、眼鏡枠が変形されても、眼鏡レンズを変形後の眼
鏡枠にぴったりと嵌合させることが可能となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2は、本発明の眼鏡枠形状データ伝送方法およ
び眼鏡レンズ加工方法が実施される眼鏡レンズの供給シ
ステムの全体構成図である。発注側である眼鏡店100
とレンズ加工側であるレンズメーカの工場200とは公
衆通信回線300で接続されている。図では眼鏡店を1
つしか示さないが、実際には複数の眼鏡店が工場200
に接続される。
【0015】眼鏡店100には、オンライン用の端末コ
ンピュータ101およびフレーム形状測定器102が設
置される。端末コンピュータ101はキーボード入力装
置やCRT画面表示装置を備えるとともに、公衆通信回
線300に接続されている。端末コンピュータ101へ
は、フレーム形状測定器102から眼鏡フレーム実測値
が入力されて演算処理が行われるとともに、キーボード
入力装置から眼鏡レンズ情報、処方値等が入力される。
そして、端末コンピュータ101の出力データは、公衆
通信回線300を介して工場200のメインフレーム2
01にオンラインで転送される。なお、端末コンピュー
タ101とメインフレーム201との間に、中継局を設
けるようにしてもよい。また、端末コンピュータ101
の設置場所については眼鏡店100に限定されるもので
はない。
【0016】メインフレーム201は眼鏡レンズ加工設
計プログラム、ヤゲン加工設計プログラム等を備え、入
力されたデータに基づき、ヤゲン形状を含めたレンズ形
状を演算し、その演算結果を、公衆通信回線300を介
して端末コンピュータ101に戻して画面表示装置に表
示させるとともに、その演算結果を工場200の各端末
コンピュータ210,220,230,240,250
にLAN202を介して送るようにする。
【0017】端末コンピュータ210には、荒擦り機
(カーブジェネレータ)211と砂掛け研磨機212と
が接続され、端末コンピュータ210は、メインフレー
ム201から送られた演算結果に従い、荒擦り機211
と砂掛け研磨機212とを制御して、予め前面が加工さ
れたレンズの裏面(後面)の曲面仕上げを行う。
【0018】端末コンピュータ220には、レンズメー
タ221と肉厚計222とが接続され、端末コンピュー
タ220は、レンズメータ221と肉厚計222とで得
られた測定値と、メインフレーム201から送られた演
算結果とを比較して、レンズ裏面(後面)の曲面仕上げ
が完了したレンズの受入れ検査を行うとともに、合格レ
ンズには光学中心を示すマーク(3点マーク)を施す。
【0019】端末コンピュータ230には、マーカ23
1と画像処理機232とが接続され、端末コンピュータ
230は、メインフレーム201から送られた演算結果
に従い、レンズの縁摺りおよびヤゲン加工をする際にレ
ンズをブロック(保持)すべきブロッキング位置を決定
し、また、ブロッキング位置マークを施すことに使用さ
れる。このブロッキング位置マークに従い、ブロック用
の治工具がレンズに固定される。
【0020】端末コンピュータ240には、マシニング
センタからなるNC制御のレンズ研削装置241とチャ
ックインタロック242とが接続され、端末コンピュー
タ240は、メインフレーム201から送られた演算結
果に従い、レンズの縁摺り加工およびヤゲン加工を行
う。
【0021】端末コンピュータ250には、ヤゲン頂点
の形状測定器251が接続され、端末コンピュータ25
0は、この形状測定器251が測定したヤゲン加工済の
レンズの周長および形状を、メインフレーム201から
送られた演算結果と比較して加工の合否判定を行う。
【0022】以上のような構成のシステムにおいて眼鏡
レンズが供給されるまでの処理の流れを、以下、図3〜
図5を参照して説明する。なお、この処理の流れには、
「問い合わせ」と「注文」との2種類があり、「問い合
わせ」は、ヤゲン加工を含めたレンズ加工の完了時のレ
ンズ予想形状を報知するように、眼鏡店100が工場2
00に求めることであり、また、「注文」は、縁摺り加
工前のレンズまたはヤゲン加工済のレンズを送るよう
に、眼鏡店100が工場200に求めることである。
【0023】図3は、眼鏡店100での最初の入力処理
の流れを示すフローチャートである。図中、Sに続く数
字はステップ番号を表す。 〔S1〕眼鏡店100の端末コンピュータ101のレン
ズ注文問い合わせ処理プログラムが起動され、オーダエ
ントリ画面が画面表示装置に表示される。眼鏡店100
のオペレータは、オーダエントリ画面を見ながら、キー
ボード入力装置により、注文あるいは問い合わせの対象
となるレンズの種類の指定を行う。
【0024】すなわち、レンズの種類指定、注文あるい
は問い合わせをするレンズが、ヤゲン加工済のレンズで
あるか、または縁摺り加工とヤゲン加工とが施されない
レンズであるかについての指定、レンズの厚さを必要最
小値になるように指定する加工指定、マイナスレンズの
コバを目立たなくする面取りをし、その部分の研磨仕上
げをする加工指定等を行う。
【0025】〔S2〕レンズのカラーの指定を行う。 〔S3〕レンズの処方値、レンズの加工指定値、眼鏡フ
レームの情報、レイアウト情報、ヤゲンモード、ヤゲン
位置およびヤゲン形状を入力する。レイアウト情報は、
眼鏡枠上の瞳孔位置であるアイポイント位置を指定する
ものである。
【0026】レンズの加工指定値として、レンズ厚さ、
コバ厚さ、プリズム、偏心、外径、およびレンズ表カー
ブ(ベースカーブ)の各指定値が入力できる。ヤゲンモ
ードは、レンズコバのどこにヤゲンを立てるかによっ
て、「1:1」、「1:2」、「凸ならい」、「フレー
ムならい」、および「オートヤゲン」のモードがあり、
それらの中から選択して入力する。ここで例えば「凸な
らい」とは、レンズ前面に沿ってヤゲンを立てるモード
である。
【0027】ヤゲン位置の入力は、ヤゲンモードが「凸
ならい」、「フレームならい」、および「オートヤゲ
ン」のときに限り有効であり、ヤゲン表面側底の位置を
レンズ前面からどれだけ後面方向に位置させるかを指定
するもので、0.5mm単位で指定する。フレーム枠が
厚く、枠前面からヤゲン溝までの距離が長い場合でも、
このヤゲン位置の入力で、レンズ前面が枠前面に沿うよ
うにヤゲン頂点を位置付けることができる。
【0028】ヤゲン形状は、「標準ヤゲン」「コンビ用
ヤゲン(コンビネーションフレーム用ヤゲン)」、「溝
摺り」、「平摺り」から選択して入力する。「コンビ用
ヤゲン」はフレーム枠に装飾部材が設けられ、レンズが
装飾部材に当たるような場合に指定する。「溝摺り」、
「平摺り」ここで指定する。
【0029】〔S4〕ここで対象となるフレームに対
し、図2のフレーム形状測定機102による眼鏡枠形状
の測定が既に完了しているか否かを判別する。完了して
いればステップS7へ進み、完了していなければステッ
プS5へ進む。
【0030】〔S5〕まず、眼鏡店100の端末コンピ
ュータ101において、レンズ注文問い合わせ処理プロ
グラムからフレーム形状測定プログラムへ処理が渡され
る。そして、これから形状測定される眼鏡フレームに付
された測定番号を入力する。また、フレームの材質(メ
タル、プラスティック等)を指定し、さらに、フレーム
曲げの可不可の指定を行う。フレームの材質は、レンズ
をフレームに枠入れする際に、フレームにレンズがぴっ
たり嵌合するように材質に応じてヤゲン頂点の周長を補
正するためのパラメータとしてステップS12の演算に
使用される。フレーム曲げが不可の指定がある場合、フ
レームを曲げずにレンズを枠入れすることができないと
きには、注文を受けないようにするため、眼鏡店100
の画面表示装置にエラー表示を出すようにする。
【0031】〔S6〕測定すべき眼鏡フレームをフレー
ム形状測定器102に固定して測定を開始する。フレー
ム形状測定器102は、眼鏡フレームの左右枠のヤゲン
溝に測定子を接触させ、その測定子を所定点を中心に回
転させてヤゲン溝の形状の円筒座標値(Rn,θn,Z
n)(n=1,2,・・・,N)を3次元的に検出し、
データを端末コンピュータ101に送る。端末コンピュ
ータ101では、場合によっては、それらのデータのス
ムージングを行い(スムージングを必要としない場合も
ある)、トーリック面の中心座標(a,b,c)、ベー
ス半径RB、クロス半径RC、トーリック面の回転対称
軸方向単位ベクトル(p,q,r)、またはフレームカ
ーブCV(フレーム枠が球面上にあると見做せるときの
その球面の曲率)、ヤゲン溝の周長FLN、フレームP
D(瞳孔間距離)FPD、フレーム鼻幅DBL、フレー
ム枠左右および上下の最大幅であるAサイズおよびBサ
イズ、有効径ED(最大動径の2倍の値)、左右フレー
ム枠のなす角度である傾斜角TILTを算出する。上記
ヤゲン溝の周長FLNは下記のようにして算出する。
【0032】すなわち、まず、測定された眼鏡枠の3次
元極座標値を直交座標値(Xn,Yn,Zn)(n=
1,2,3,・・・,N)に変換し、これを基に眼鏡枠
形状(内周溝の底の周形状)の周長FLNを算出する。
眼鏡枠形状の周長FLNは、眼鏡枠形状の各点間の距離
の総和として次式(1)により算出される。
【0033】 FLN=Σ〔((Xi −Xi+1)2 +(Yi −Yi+1)2 +(Zi −Zi+1)2 1/2 〕(i=1〜N) ・・・(1) ただし、上記式(1)においてi=Nのときはi+1を
1とする。
【0034】そして、これらの算出したデータを画面表
示装置に表示する。なお、データに大きな乱れがあった
り、左右フレーム枠の形状に大きな差があったりした場
合には、その旨のエラーメッセージを画面表示装置に表
示する。
【0035】眼鏡店100では、画面表示装置に、デー
タに大きな乱れがある旨のエラーメッセージが表示され
た場合には、フレーム溝に固着物がないか、フレーム枠
の継ぎ目がずれたまま、あるいは隙間が空いたまま測定
がされていないか等を点検して再び測定を行う。また、
左右フレーム枠の形状に大きな差がある旨のエラーメッ
セージが画面表示装置に表示された場合には、その差が
許されるものならば、このままでよい旨の確認の入力を
行い、一方、その差が許されないものならば、眼鏡枠形
状を手で修正してから再度測定してもよいし、左右の形
状を平均化したものを演算で求めて、これを眼鏡枠形状
値とするマージング指定の入力をしてもよい。
【0036】〔S7〕既に眼鏡枠形状の測定が行われ、
その結果が記憶されている場合には、その記憶された測
定値を読み出すために、眼鏡フレームに付けた測定番号
を入力する。
【0037】〔S8〕測定番号に従い、該当する眼鏡フ
レームについての記憶された眼鏡枠形状情報を内部記憶
媒体から読み出す。以上のステップS1〜S8により、
眼鏡レンズ情報、眼鏡枠情報、処方値、レイアウト情
報、加工指示情報の内の少なくとも1つである加工条件
データが送信される。 〔S9〕「問い合わせ」か、「注文」かの指定をする。
【0038】以上のステップの実行によって得られたレ
ンズ情報、処方値、フレーム情報等のデータが、公衆通
信回線300を介して工場200のメインフレーム20
1に送られる。上記フレーム情報としては、2次元の極
座標値(Rn,θn)(n=1,2,・・・,N)、ト
ーリック面の中心座標(a,b,c)、ベース半径R
B、クロス半径RC、トーリック面の回転対称軸方向単
位ベクトル(p,q,r)、またはフレームカーブC
V、ヤゲン溝の周長FLN、フレームPD(瞳孔間距
離)FPD、フレーム鼻幅DBL、AサイズおよびBサ
イズ、有効径ED、傾斜角TILT等である。
【0039】送信が行われている間、眼鏡店100の端
末コンピュータ101には送信中である旨の表示がされ
る。なお、レンズを注文する場合には、まとめて最大、
例えば15件まで一遍に送信して通信時間の短縮ができ
るグループ送信を利用することができる。グループ送信
では、1件1件の注文内容を確認の上、一時的に記憶さ
せておき、後にまとめて送信する手順をとる。
【0040】図4は、工場200での処理の流れ、なら
びに工場200からの転送により眼鏡店100で行われ
る確認およびエラー表示のステップを示すフローチャー
トである。図中、Sに続く数字はステップ番号を表す。
【0041】〔S11〕工場200のメインフレーム2
01には眼鏡レンズ受注システムプログラム、眼鏡レン
ズ加工設計プログラム、およびヤゲン加工設計プログラ
ムが備えられている。レンズ情報、処方値、フレーム情
、レイアウト情報、ヤゲン情報等のデータが、公衆通
信回線300を介して送られると、眼鏡レンズ受注シス
テムプログラムを経て眼鏡レンズ加工設計プログラムが
起動し、レンズ加工設計演算が行われる。すなわち、ヤ
ゲン形状を含めた所望のレンズ形状が演算される。
【0042】まず、フレームの形状情報、処方値、およ
びレイアウト情報に基づき、指定レンズの外径が不足し
ていないかを確認する。レンズの外径が不足している場
合には、ボクシングシステムでの不足方向、不足量を算
出し、眼鏡店100の端末コンピュータ101に表示す
るために、眼鏡レンズ受注システムプログラムに処理を
戻す。
【0043】レンズの外径に不足が出なければ、レンズ
の表カーブの決定を行う。この決定は、レンズの左右の
処方値により、まず、左右別々に表カーブを決めて、つ
ぎに、左右の表カーブを揃える手順を踏む。なお、非球
面単焦点レンズのうち、左右の表カーブを揃えることが
禁じられているものの場合には、この工程をスキップす
る。ここでいう表カーブは必要に応じて、非球面単焦点
レンズでは2次、4次の非球面で近似表現され、累進多
焦点レンズでは各方向毎に2次、4次の非球面で近似表
現されている。
【0044】つぎにレンズの厚さの決定を行う。通常、
レンズの外径は処方値により決まっているため、その外
径と標準のコバの厚さと処方値とによってレンズの厚さ
は決定される。また、レンズの厚さを必要最小限の値に
する加工指定が設定されている場合には、眼鏡枠形状情
報とレイアウト情報と処方値とにより、フレーム各方向
の動径毎に全周のコバの厚さを調べて、指定に沿ったレ
ンズの厚さを決定する。
【0045】レンズの厚さが決まったら、レンズの裏カ
ーブ、プリズム、プリズムベース方向を算出し、これに
より、縁摺り加工前のレンズの全体形状が決定する。こ
こで、フレーム各方向の動径毎に全周のコバの厚さを調
べて、必要なコバ厚さを下回る箇所がないかを確認す
る。もし、下回る箇所があれば、ボクシングシステムで
の不足方向、不足量を算出し、眼鏡店100の端末コン
ピュータ101に表示するために、眼鏡レンズ受注シス
テムプログラムに処理を戻す。
【0046】全周のコバの厚さに不足がなければ、レン
ズ重量、最大および最小のコバ厚さとそれらの方向等を
算出する。そして、レンズの裏面(後面)加工のために
必要となる、工場200の端末コンピュータ210に対
する指示値を算出する。
【0047】以上の演算は、端末コンピュータ210、
荒擦り機211、および砂掛け研磨機212によって、
縁摺り加工前のレンズ研磨加工が行われる場合に必要な
ものであり、算出された種々の値が次のステップに渡さ
れる。
【0048】また、既に加工済の在庫レンズが指定さ
れ、縁摺り加工前のレンズ研磨加工は行われない場合に
は、レンズの種類と処方値とでレンズ外径、レンズ厚
さ、表カーブ、裏カーブが予め決まっており、かつ、そ
れらのデータが記憶されているから、それらの値を読み
出して上記裏面加工品と同様に、レンズの外径、コバ厚
さが不足しないかを確認し、次のステップに渡す。在庫
レンズの場合も、非球面単焦点レンズや累進多焦点レン
ズの表カーブは必要に応じて、研磨加工レンズの場合と
同様に、非球面に近似表現されている。
【0049】〔S12〕つぎに、メインフレーム201
では、眼鏡レンズ受注システムプログラムを経てヤゲン
加工設計プログラムが起動し、ヤゲン加工設計演算が行
なわれる。
【0050】まず、眼鏡フレームの材質に応じて眼鏡枠
形状の3次元データの補正を行い、眼鏡フレームの材質
に起因する眼鏡枠形状データの誤差を補正する。つぎ
に、眼鏡フレーム枠形状と眼鏡レンズとの位置関係をア
イポイント位置を基に3次元的に決める。
【0051】ヤゲン加工を行うためにレンズを保持する
際に基準となる加工原点および回転軸である加工軸を決
め、この加工座標に今までのデータを座標変換する。そ
して、3次元のヤゲン先端形状(ヤゲン軌跡も含む)
を、指定されたヤゲンモードに応じて決定する。その
際、3次元ヤゲン先端形状をヤゲン周長を変えることな
く変形させることを前提とし、その予想される変形量を
算出する。ヤゲンモードがフレームならいのときやフレ
ーム曲げが不可のときには変形できないから、変形しな
いとヤゲンが立たない場合には、その旨のエラーコード
を出力する。
【0052】その算出された変形量を、眼鏡フレームの
材質毎に設けられた変形の限界量と比較し、限界量を越
えていれば、その旨のエラーコードを出力する。なお、
3次元のヤゲン先端形状を変形させることにより、アイ
ポイント位置がずれるので、その誤差を補正するように
する。また復元の誤差の補正も行う。これらの処理は選
択的に行うことができる。
【0053】以上のように、3次元のヤゲン加工の設計
演算を行う。このステップS12の詳細な内容について
は、図1を参照して後述する。 〔S13〕図2のステップS9での指定が「注文」なら
ばステップS15へ進み、一方、「問い合わせ」なら
ば、問い合わせの結果を公衆通信回線300を介して眼
鏡店100の端末コンピュータ101へ送り、ステップ
S14へ進む。
【0054】〔S14〕工場200のメインフレーム2
01から送られてきた、問い合わせに対する結果に基づ
き、端末コンピュータ101がヤゲン加工完了時のレン
ズの予想形状あるいはエラー状況を画面表示装置に表示
する。眼鏡店100のオペレータは、表示された内容に
よって、指定入力情報の変更や確認を行う。
【0055】すなわち、図4のステップS11およびス
テップS12での加工設計演算においてエラーが発生し
ていないならば、図2の端末コンピュータ101の画像
表示装置の画面に順次、レンズ厚さおよびレンズ重量を
表示するオーダエントリ着信画面、眼鏡フレームに指定
されたレイアウト情報に従ってレンズがどのように配置
されるかを視覚的に表示するレイアウト確認図、フレー
ムに枠入れされて空間的に配置された左右のレンズを任
意の方向からみた立体図、レンズの形状や、コバとヤゲ
ンとの位置関係を詳しく表示したヤゲン確認図、左右両
方のレンズのコバ厚さとヤゲン位置とをヤゲンに沿って
展開した左右ヤゲンバランス図を表示する。
【0056】また、図4のステップS11およびステッ
プS12での加工設計演算において、エラーが発生して
いるならば、図2の端末コンピュータ101の画面表示
装置に、エラーの内容に応じたメッセージが表示され
る。
【0057】〔S15〕図3のステップS9での指定が
「注文」ならば、このステップを実行し、ステップS1
1およびステップS12での加工設計演算においてエラ
ーが発生したか否かを判別する。エラーが発生していれ
ば、その結果を公衆通信回線300を介して眼鏡店10
0の端末コンピュータ101へ送り、ステップS17へ
進む。一方、エラーが発生していなければ、その結果を
公衆通信回線300を介して眼鏡店100の端末コンピ
ュータ101へ送り、ステップS16へ進むとともに、
ステップS18以降(図5)に進み、実際の加工を実行
する。
【0058】〔S16〕眼鏡店100の端末コンピュー
タ101の画面表示装置に「注文を受け付けた」旨の表
示を行う。これにより、フレームに確実に枠入れ可能な
縁摺り加工前またはヤゲン加工後のレンズを発注できた
ことが確認できる。
【0059】〔S17〕注文のレンズは、レンズ加工設
計演算またはヤゲン加工設計演算においてエラーが発生
していて加工のできないレンズであるから、「注文を受
け付けられない」旨の表示を行う。
【0060】図5は、工場200で行われるレンズ裏面
の研磨加工、レンズの縁摺り加工、およびヤゲン加工等
の実際の工程を示すフローチャートである。Sに続く数
字はステップ番号を表す。以下、図2を参照しながら説
明する。
【0061】〔S18〕ステップS9で「注文」が指定
されていて、しかもレンズまたはヤゲンの加工設計演算
においてエラーが発生していなかった場合は、このステ
ップが実行される。すなわち、予め、ステップS11で
のレンズ加工設計演算結果が図2の端末コンピュータ2
10に送られており、荒擦り機211と砂掛け研磨機2
12とにより、送られた演算結果に従い、レンズ裏面の
曲面仕上げを行う。さらに、図示がない装置により、染
色や表面処理が行われ、縁摺り加工前までの加工が行わ
れる。なお、在庫レンズが指定されたときは、このステ
ップはスキップされる。
【0062】〔S19〕ステップS18の実行で縁摺り
加工前まで加工された眼鏡レンズに対して光学性能、外
観性能の品質検査を行う。この検査には、図2の端末コ
ンピュータ220、レンズメータ221、肉厚計222
が利用され、光学中心を示す3点マークが施される。な
お、縁摺り加工前までのレンズを眼鏡店100から注文
された場合には、上記品質検査を行った後、そのレンズ
を眼鏡店100へ出荷する。
【0063】〔S20〕ステップS12で演算された結
果に基づき、図2の端末コンピュータ230、マーカ2
31、画像処理機232等により、レンズ保持用のブロ
ック治工具をレンズの所定の位置に固定する。すなわ
ち、画像処理機232により、眼鏡レンズ前面をTVカ
メラで撮影し、それをCRT画面に映し、さらに、その
画像に、縁摺り加工前のレンズのレイアウトマーク画像
を重ねて映し出す。ここで、CRT画面に映し出された
レイアウトマーク画像に、レンズに施された3点マーク
が一致するようにレンズの位置を決めてブロック治工具
の固定すべき位置を決める。そして、マーカ231によ
り、ブロック治工具の固定すべき位置を示すブロッキン
グ位置マークをレンズ上にペイントする。このブロッキ
ング位置マークに合わせて、ブロック治工具をレンズに
固定する。
【0064】〔S21〕ブロック治工具に固定されたレ
ンズを、図2のレンズ研削装置241に装着する。そし
て、レンズ研削装置241に装着された状態でのレンズ
の位置(傾斜)を把握するために、予め指定された、レ
ンズ前面または後面の少なくとも3点の位置を測定す
る。ここで得られた測定値は、ステップS22で演算デ
ータとして使用されるために記憶される。
【0065】〔S22〕図2のメインフレーム201が
ステップS12のヤゲン加工設計演算と同様の演算を行
う。ただし、実際の加工では、計算上で把握したレンズ
の位置と実際のレンズの位置とに誤差が生じる場合があ
るので、加工座標への座標変換が終了した時点で、この
誤差の補正を行う。すなわち、ステップS21で測定さ
れた3点の位置測定値に基づき、計算上で把握されたレ
ンズの位置と実際のレンズの位置との誤差を補正する。
他はステップS12のヤゲン加工設計演算と同様の演算
を行い、最終的な3次元ヤゲン先端形状を算出する。
【0066】そして、この算出された3次元ヤゲン先端
形状を基に、所定の半径の砥石で研削加工する際の加工
座標上の3次元加工軌跡データを算出する。このステッ
プの内容についての詳細な説明を、ステップS12の詳
細な説明を行なった後に、図19を参照して後述する。
【0067】〔S23〕ステップS22で算出された加
工軌跡データが端末コンピュータ240を介してNC制
御のレンズ研削装置241に送られる。レンズ研削装置
241は、Y軸方向(スピンドル軸方向に垂直方向)に
移動制御されてレンズの縁摺りやヤゲン加工を行う研削
用の回転砥石を有し、また、レンズを固定するブロック
治工具の回転角制御(スピンドル軸回転方向)と、Z軸
方向(スピンドル軸方向)に砥石またはレンズを移動制
御してヤゲン加工を行うZ軸制御との、少なくとも3軸
制御が可能なNC制御の研削装置であり、送られたデー
タに従い、レンズの縁摺りおよびヤゲン加工を行う。な
お、レンズ研削装置241は、砥石で研削加工を行う
が、この代わりに、カッタを備え、切削加工を行う切削
装置を用いることも可能である。
【0068】〔S24〕端末コンピュータ250および
ヤゲン頂点の形状測定器251により、ヤゲン加工完了
レンズのヤゲン頂点の周長および形状を測定する。すな
わち、形状測定器251に、ステップS23での加工が
完了したレンズを、ブロック治工具を付けたまま取り出
して装着し、ヤゲン頂点測定用測定子をレンズのヤゲン
頂点に当接させ、測定を開始させる。その測定値は端末
コンピュータ250に入力され、その表示装置に表示さ
れる。
【0069】そして、端末コンピュータ250は、ステ
ップS12の演算で求められた設計ヤゲン頂点周長と、
形状測定器251により測定された測定値とを比較し、
それらの差が、例えば0.1mm以内ならば合格品と判
断する。
【0070】また、ステップS12の演算により作成さ
れたフレームの設計Aサイズ、設計Bサイズと、形状測
定器251により測定されたAサイズ、Bサイズとを比
較し、それらの差が、例えば、0.1mm以内ならば合
格品と判断する。
【0071】〔S25〕ヤゲン加工完了のレンズのヤゲ
ン位置や形状を、ステップS12で演算された結果に基
づいて作成された加工指示書に打ち出されているヤゲン
位置の図面と比較してヤゲンの品質を検査する。また、
縁摺り加工によってレンズに傷、バリ、欠け等が発生し
ていないかの外観検査を行う。
【0072】〔S26〕以上のようにして出来上がった
ヤゲン加工上がりレンズを眼鏡店100へ出荷する。つ
ぎに、図1は、上記ステップS12の詳細内容を示すフ
ローチャートである。Sに続く数字はステップ番号を表
す。
【0073】〔S31〕3次元の眼鏡枠形状データとし
て、動径およびその方向を示す極座標値(Rn,θn)
(n=1,2,・・・,N)、トーリック面の中心座標
(a,b,c)、ベース半径RB、クロス半径RC、ト
ーリック面の回転対称軸方向単位ベクトル(p,q,
r)が、図2の端末コンピュータ101から与えられた
とき(ステップS6参照)、3次元の眼鏡枠形状の直交
座標値(Xn,Yn,Zn)(n=1,2,・・・,
N)を求める。これを図6を参照して説明する。なお、
本実施例では、眼鏡枠形状がトーリク面上にある場合で
説明するが、勿論、眼鏡枠形状が球面上にある場合で
も、本発明は適用できる。
【0074】図6はトーリック面の各定数と直交座標値
との関係を示す斜視図である。図中、3次元の眼鏡枠形
状の直交座標値(Xn,Yn,Zn)のうち、2次元の
直交座標値(Xn,Yn)は、極座標値(Rn,θn)
を直交座標に変換したものとして算出し、Znは、与え
られたトーリック面上の(Xn,Yn)におけるZ軸座
標値として算出する。なお、ここで端末コンピュータ1
01から与えられるデータは眼鏡枠の正面方向がZ軸方
向に一致している状態でのデータである。
【0075】つぎに、上記求められた3次元の眼鏡枠形
状の直交座標値(Xn,Yn,Zn)(n=1,2,・
・・,N)を基に、この復元された3次元の眼鏡枠形状
の周囲に沿った長さである眼鏡枠計算周長FLNKを次
式(2)に従い算出する。
【0076】 FLNK=Σ〔{(Xi −Xi+1 2 +(Yi −Yi+1 2 +(Zi −Zi+1 2 1/2 〕 (i=1〜N)・・・(2) ただし、上記式(2)において、i=Nのときはi+1
を1とする。
【0077】端末コンピュータ101からは、眼鏡枠形
状の3次元実測値に基づく眼鏡枠の実測周長であるヤゲ
ン溝の周長FLNが与えられているので(ステップS6
参照)、それらの比(=FLN/FLNK)を求めて係
数kを算出する。この係数kは、3次元の眼鏡枠形状の
復元に伴う誤差分に相当するから、この係数kを上記求
められた3次元の眼鏡枠形状の直交座標値(Xn,Y
n,Zn)(n=1,2,・・・,N)に乗算すること
により誤差の補正を行う。すなわち、補正前の眼鏡枠形
状は、眼鏡枠の各点がトーリック面上に全て存在するも
のとして復元された形状であるが、元の眼鏡枠の一部が
この面上に存在しない場合があり、そうした場合のトー
リック面上に存在しない当該一部の形状は、与えられた
データからは特定できない。しかし、元の眼鏡枠の周長
を用いて、先の復元された眼鏡枠形状を補正すること
で、元の眼鏡枠にぴったりと嵌合される眼鏡レンズを設
計することが可能となる。さらに図7を参照して説明す
る。
【0078】図7は、眼鏡枠形状の直交座標値(Xn,
Yn,Zn)を係数kで補正したときの眼鏡枠形状を示
す斜視図である。眼鏡枠形状11の直交座標値(Xn,
Yn,Zn)に係数kを乗算した結果、得られる(kX
n,kYn,kZn)を座標値とする眼鏡枠形状12
が、補正後の新たな眼鏡枠形状である。この補正後の新
たな眼鏡枠形状を改めて座標値(Xn,Yn,Zn)
(n=1,2,・・・,N)とする。
【0079】また、予め入力された眼鏡フレームの素材
毎に周長補正係数CFを読み出し、上記係数kと同様
に、座標値(Xn,Yn,Zn)の補正を行う。この補
正は、主として眼鏡フレームの素材の伸縮に起因する誤
差分を吸収することを狙いとして行われるものである。
【0080】なお、以上の補正方法には、係数を乗算す
る方法以外にも、部分的に誤差を累積、加算する方法等
があり、本発明は後者の方法等により実行されてもよ
い。以上の計算処理を左右の眼鏡枠に対して施す。
【0081】〔S32〕眼鏡フレームに対するレンズの
位置関係を決定する。これを図8を参照して説明する。
図8は、眼鏡フレーム位置に基づき配置された左右レン
ズの斜視図である。まず、眼鏡の水平基準軸であるデー
タムラインをX軸とし、眼鏡の上下方向をY軸とし、眼
鏡の正面方向をZ軸とする「フレーム座標」を定め、こ
のフレーム座標上に、ステップS31で求められた、各
幾何学中心を原点とする2つの眼鏡枠形状座標値(X
n,Yn,Zn)(n=1,2,・・・,N)を定義す
る。
【0082】すなわち、まず、各眼鏡枠形状の最も鼻側
の点13,14のX座標値がそれぞれ、−HDBL,H
DBL(端末コンピュータ101から送られたフレーム
鼻幅DBLの1/2をHDBLとする。ステップS6参
照)となるように、2つの眼鏡枠形状座標値(Xn,Y
n,Zn)(n=1,2,・・・,N)を平行移動す
る。
【0083】また、眼鏡の正面方向と眼鏡枠の正面方向
とがなす角度として、端末コンピュータ101から与え
られる傾きTILT(ステップS6参照)だけ、点1
3,14を通り、Y軸に平行な各直線を軸として、平行
移動された2つの眼鏡枠形状座標値を回転移動する。
【0084】つぎに、以上のようにフレーム座標上に定
義された3次元の眼鏡枠形状に対する眼鏡レンズの位置
および向きを、アイポイント位置15,16およびこの
アイポイント位置における眼鏡レンズ前面上の法線方向
17,18を決定することにより特定する。
【0085】アイポイント位置15,16は、眼鏡レン
ズ前面における、眼鏡装用時に被装用者の瞳の中心に位
置すべき点であり、レイアウト情報として、被装用者の
鼻の中心線から瞳の中心までの水平方向距離HPDと、
データムラインから被装用者の瞳の中心までの垂直方向
距離EPHTとが、左右それぞれ、予めステップS3で
入力されている。すなわち、左右のHPDおよびEPH
Tとして、それぞれHPDL ,HPDR およびEPHT
L ,EPHTR が入力されている。したがって、それら
のHPDL ,HPDR およびEPHTL ,EPHTR
基づき、アイポイント位置15のX,Y座標は(−HP
R ,EPHTR )、アイポイント位置16のX,Y座
標は(HPDL ,EPHTL )に決定される。また、ア
イポイント位置15,16のZ軸座標およびこれらのア
イポイント位置における眼鏡レンズ前面上の法線方向1
7,18に関しては、予めヤゲン位置が指定された注文
品の場合は、ヤゲン位置が決定しているが、それ以外の
場合は未だヤゲン位置が決定されていないため、特定で
きない。そのため、取り敢えず、点13,14をレンズ
前面と仮定してアイポイント位置のZ軸座標を決定し、
またアイポイント位置における眼鏡レンズ前面上の法線
方向17,18を、各眼鏡枠の正面方向19,20とそ
れぞれ一致させることにより、アイポイント位置15,
16およびこのアイポイント位置における眼鏡レンズ前
面上の法線方向17,18を決定する。
【0086】なお、眼鏡枠間距離である鼻幅DBLの方
向を単位ベクトルBVで定義する。すなわち、X軸に平
行で耳側から鼻側に向かう方向を単位ベクトルBVの方
向とする。
【0087】〔S33〕ヤゲン加工を行うためにレンズ
を保持する際に基準となる点を加工原点と呼び、ヤゲン
の山の先端方向に垂直な方向を加工軸方向と呼ぶことに
する。そして、加工原点を座標原点とし、加工軸方向を
Z軸方向とする座標を「加工座標」とし、ステップS3
2で求められた3次元の眼鏡枠形状データおよびレンズ
位置データを、この加工座標上に移し変える。
【0088】すなわち、加工原点は任意に定めることが
できるが、ここでは例えば、眼鏡枠の幾何学中心(フレ
ームセンタ)を通り眼鏡枠の正面方向に平行な直線が、
ステップS32で決定された位置にあるレンズの前面と
交わる点を加工原点とする。加工軸方向はレンズの保持
の仕方によって異なるが、例えばレンズの前面を基準と
して考えれば、加工原点におけるレンズの前面の法線方
向を加工軸方向と定めることができる。以上のように定
めた加工座標へ、ステップS32でフレーム座標上に定
義した3次元の眼鏡枠形状データ、レンズ位置データ、
および鼻幅方向単位ベクトルBVを座標変換する。
【0089】なお、以降、ヤゲンの山の先端をヤゲン先
端と呼び、ヤゲンの付け根の底面をヤゲン底と呼ぶこと
とする。3次元の眼鏡枠形状データは、ヤゲン先端の軌
跡でもあるから、以降、これを3次元ヤゲン先端形状と
呼び、その座標値を(Xbn,Ybn,Zbn)(n=
1,2,・・・,N)とおく。
【0090】〔S34〕まず、加工座標においてXY平
面へヤゲン先端の軌跡を投影した2次元ヤゲン先端形状
から、加工座標のZ軸に沿ってXY平面へヤゲン底の軌
跡を投影した2次元ヤゲン底形状を求める。これを図9
を参照して説明する。
【0091】図9はXY平面に投影されたヤゲン先端形
状およびヤゲン底形状を示す平面図である。すなわち、
2次元ヤゲン底形状22は、2次元ヤゲン先端形状21
をその形状の法線方向へヤゲンの高さBHだけ変形した
形状であるので、2次元ヤゲン先端形状21の座標値を
(Xbn,Ybn)(n=1,2,・・・,N)、2次
元ヤゲン底形状22の座標値を(Xn,Yn)(n=
1,2,・・・,N)とし、2次元ヤゲン先端形状のj
番目の点(Xbj,Ybj)における法線ベクトルを
(SVxj,SVyj)とすれば、対応する2次元ヤゲ
ン底形状22の座標値(Xj,Yj)は、(Xbj,Y
bj)に法線ベクトル(SVxj,SVyj)を加える
ことによって算出できる。これをj=1からj=Nまで
計算することで2次元ヤゲン底形状22の座標値(X
n,Yn)(n=1,2,・・・,N)を算出する。
【0092】つぎに、ステップS11で決定されたレン
ズ表カーブ、裏カーブ、および上記2次元ヤゲン底形状
の座標値(Xn,Yn)(n=1,2,・・・,N)に
基づき、2次元ヤゲン底形状の座標値(Xn,Yn)
(n=1,2,・・・,N)のj番目の点(Xj,Y
j)におけるレンズの前面のZ座標Zfjと、レンズの
後面のZ座標Zrjとを算出する。また、点(Xj,Y
j)におけるレンズのコバ厚ETjを次式(3)によっ
て算出する。
【0093】 ETj=|Zfj−Zrj| ・・・(3) そして、これらの算出をj=1からj=Nまで実行し、
2次元ヤゲン底形状の座標値(Xn,Yn)(n=1,
2,・・・,N)に対応する、レンズ前面3次元ヤゲン
底形状(Xfn,Yfn,Zfn)(n=1,2,・・
・,N)、レンズ後面3次元ヤゲン底形状(Xrn,Y
rn,Zrn)(n=1,2,・・・,N)、およびレ
ンズのコバ厚ETn(n=1,2,・・・,N)を求め
る。
【0094】ただし、Xfn,Xrnは対応のXnに相
当し、Yfn,Yrnは対応のYnに相当する。なお、
レンズ前面3次元ヤゲン底形状、レンズ後面3次元ヤゲ
ン底形状、およびレンズのコバ厚を、以降、総称して3
次元ヤゲン底形状と呼ぶことにする。
【0095】つぎに、ステップS3で指定されたヤゲン
モードに従い、ステップS35〜S37,S41,S4
2のいずれかに進む。〔S35〕凸ならいの指定ヤゲン
モードに従い、コバ厚ETjの値に応じて、2次元ヤゲ
ン底形状(Xn,Yn)(n=1,2,・・・,N)の
j番目の座標値(Xj,Yj)に対応するヤゲン頂点の
Z座標Zajを、下記式(4),(5)等に基づき決定
する。
【0096】なお、ここで、ヤゲン底におけるレンズの
前面位置からヤゲンの山の付け根までの距離を前出し量
FOVとし、ヤゲンの付け根間の距離であるヤゲン幅を
BWとする。
【0097】ETj>BW+FOVのとき、 Zaj=Zfj−FOV−BW/2 ・・・(4) BW+FOV≧ETj≧BWのとき、 Zaj=Zfj−(ETj−BW/2) ・・・(5) ETj<BWのときのヤゲン頂点のZ座標Zajの決定
方法については、図10を参照して説明する。
【0098】図10は、座標値(Xj,Yj)における
法線方向と加工座標のZ軸方向とからなる平面で切った
レンズ23の断面を示す断面図である。この断面におい
て、Zajを、レンズ23のヤゲンの2つの斜面23
a,23bの長さが等しくなるように決定する。
【0099】以上のZajの決定を、j=1からj=N
まで実行することにより、2次元ヤゲン底形状(Xn,
Yn)(n=1,2,・・・,N)に対応するヤゲン頂
点のZ座標Zan(n=1,2,・・・,N)を決定す
る。
【0100】〔S36〕1:1の指定ヤゲンモードに従
い、コバ厚ETjの値に応じて、2次元ヤゲン底形状
(Xn,Yn)(n=1,2,・・・,N)のj番目の
座標値(Xj,Yj)に対応するヤゲン頂点のZ座標Z
ajを、下記式(6)等に基づき決定する。
【0101】ETj≧BWのとき、 Zaj=Zfj−ETj/2 ・・・(6) ETj<BWのときは、ステップS35のETj<BW
のときの決定方法と同様な方法で決定する。
【0102】以上のZajの決定を、j=1からj=N
まで実行することにより、2次元ヤゲン底形状(Xn,
Yn)(n=1,2,・・・,N)に対応するヤゲン頂
点のZ座標Zan(n=1,2,・・・,N)を決定す
る。
【0103】〔S37〕1:2の指定ヤゲンモードに従
い、コバ厚ETjの値に応じて、2次元ヤゲン底形状
(Xn,Yn)(n=1,2,・・・,N)のj番目の
座標値(Xj,Yj)に対応するヤゲン頂点のZ座標Z
ajを、下記式(7),(8),(9)等に基づき決定
する。
【0104】BW+2(mm)≧ETj≧BWのとき、 Zaj=Zfj−BW/2 ・・・(7) 3・BW/2+3(mm)≧ETj>BW+2(mm)
のとき、 Zaj=Zfj−BW/2−1(mm) ・・・(8) ETj>3・BW/2+3(mm)のとき、 Zaj=Zfj−ETj/3 ・・・(9) ETj<BWのときは、ステップS35のETj<BW
のときの決定方法と同様な方法で決定する。
【0105】以上のZajの決定を、j=1からj=N
まで実行することにより、2次元ヤゲン底形状(Xn,
Yn)(n=1,2,・・・,N)に対応するヤゲン頂
点のZ座標Zan(n=1,2,・・・,N)を決定す
る。
【0106】〔S38〕凸ならいのヤゲンモードの場
合、実際のヤゲン形状を表す3次元ヤゲン先端形状(X
bn,Ybn,Zbn)(n=1,2,・・・,N)の
Z軸座標値Zbnと、目標とするヤゲン形状を表すヤゲ
ン頂点Z軸座標値Zan(n=1,2,・・・,N)と
は一致しない。そこで、ZbnがZanに一致するよう
に、3次元ヤゲン先端形状を、周長を変えることなく変
形させる。また、この変形に伴う変形量MDを算出す
る。これをステップS38−1〜S38−5に分けて説
明する。
【0107】〔S38−1〕3次元ヤゲン先端形状のY
軸座標Ybnが最大値となるときのnをj1とし、最小
値となるときのnをj2とする。まず、Zbj1をZa
j1に一致させるために、3次元ヤゲン先端形状全体を
Z軸方向に平行移動し、つぎに、3次元ヤゲン先端形状
上の点(Xbj1,Ybj1,Zbj1)を通り、X軸
に平行な軸で3次元ヤゲン先端形状全体を回転移動し
て、Zbj2をZaj2に一致させる。そして、変形量
MDを初期値0に設定する。
【0108】このとき、3次元ヤゲン先端形状のうちの
(Xbn,Ybn)の座標は、(Xan,Yan)と完
全には一致しない場合があるが、点列のデータを密にと
り、変化量を決定する角度と距離を考慮し、細かく回転
移動を繰り返すことにより、その変化量は実質的に影響
しないようにすることもできる。
【0109】〔S38−2〕このステップおよび次のス
テップS38−3の説明は図11を参照しながら説明す
る。図11はXY平面に投影した3次元ヤゲン先端形状
の平面図である。
【0110】すなわち、点(Xbj1,Ybj1,Zb
j1)に対して時計回りに見て隣の点のnをj3とお
き、Zbj3がZaj3に一致するように、点(Xbj
1,Ybj1,Zbj1)と点(Xbj2,Ybj2,
Zbj2)とを通る直線を軸として、3次元ヤゲン先端
形状(Xbn,Ybn,Zbn)(n=1,2,・・
・,N)の一部を回転移動して変形する〔図11
(A)〕。また、このときの回転角の絶対値を変形量M
Dに加算する。なお、上記3次元ヤゲン先端形状の一部
とは、n=j1の点を起点として時計回りにn=j2の
点までの3次元ヤゲン先端形状の部分を指す。また、こ
の変形される側に、鼻に最も近いヤゲン先端形状の点で
ある鼻側点Pを含む場合には(図11の例では含んでい
る)、ステップS32で定義された鼻幅方向単位ベクト
ルBVも同様に回転させて新たなベクトルに変換する。
【0111】上記変形処理の後、n=j3の点を改めて
n=j1とおき直す〔図11(B)〕。図11におい
て、変形処理後のヤゲン先端形状を実線で、変形処理前
のそれを破線で示す(図12も同様)。なお、上記回転
角を図20を参照して説明する。図中、点j3が、眼鏡
枠に沿ったヤゲン位置を示し、点p1が、設定されたヤ
ゲン位置(目標位置)を示し、点p2が、最終的なヤゲ
ン位置を示すとき、上記回転角は角mdに相当する。
〔S38−3〕つぎに、点(Xbj2,Ybj2,Zb
j2)に対して反時計回りに見て隣の点のnをj3とお
き、Zbj3がZaj3に一致するように、点(Xbj
1,Ybj1,Zbj1)と点(Xbj2,Ybj2,
Zbj2)とを通る直線を軸として、3次元ヤゲン先端
形状(Xbn,Ybn,Zbn)(n=1,2,・・
・,N)の一部を回転移動して変形する〔図11
(B)〕。また、このときの回転角の絶対値を変形量M
Dに更に加算する。なお、上記3次元ヤゲン先端形状の
一部とは、n=j1の点を起点として時計回りにn=j
2の点までの3次元ヤゲン先端形状の部分を指す。ま
た、この変形される側に、鼻に最も近いヤゲン先端形状
の点である鼻側点Pを含む場合には、鼻幅方向単位ベク
トルBVも同様に再度回転させて新たなベクトルに変換
する。
【0112】上記変形処理の後、n=j3の点を改めて
n=j2とおき直す〔図11(C)〕。上記ステップS
38−2およびステップS38−3を順に繰り返して実
行し、n=j3の点がn=j2の点に一致するか、また
はn=j3の点がn=j1の点に一致したら、j1,j
2をステップS38−1で定義したときの点に戻して次
のステップS38−4へ進む。
【0113】〔S38−4〕このステップおよび次のス
テップS38−5の説明は図12を参照しながら説明す
る。図12はXY平面に投影した3次元ヤゲン先端形状
の平面図である。
【0114】すなわち、点(Xbj1,Ybj1,Zb
j1)に対して反時計回りに見て隣の点のnをj3とお
き、Zbj3がZaj3に一致するように、点(Xbj
1,Ybj1,Zbj1)と点(Xbj2,Ybj2,
Zbj2)とを通る直線を軸として、3次元ヤゲン先端
形状(Xbn,Ybn,Zbn)(n=1,2,・・
・,N)の一部を回転移動して変形する〔図12
(A)〕。また、このときの回転角の絶対値を、ステッ
プS38−2,S38−3で加算されている変形量MD
に更に加算する。なお、上記3次元ヤゲン先端形状の一
部とは、n=j1の点を起点として反時計回りにn=j
2の点までの3次元ヤゲン先端形状の部分を指す。ま
た、この変形される側に、鼻に最も近いヤゲン先端形状
の点である鼻側点Pを含む場合には(図12の例では含
んでいない)、ステップS32で定義された鼻幅方向単
位ベクトルBVも同様に回転させて新たなベクトルに変
換する。
【0115】上記変形処理の後、n=j3の点を改めて
n=j1とおき直す〔図12(B)〕。 〔S38−5〕つぎに、点(Xbj2,Ybj2,Zb
j2)に対して時計回りに見て隣の点のnをj3とお
き、Zbj3がZaj3に一致するように、点(Xbj
1,Ybj1,Zbj1)と点(Xbj2,Ybj2,
Zbj2)とを通る直線を軸として、3次元ヤゲン先端
形状(Xbn,Ybn,Zbn)(n=1,2,・・
・,N)の一部を回転移動して変形する〔図12
(B)〕。また、このときの回転角の絶対値を変形量M
Dに更に加算する。なお、上記3次元ヤゲン先端形状の
一部とは、n=j1の点を起点として反時計回りにn=
j2の点までの3次元ヤゲン先端形状の部分を指す。ま
た、この変形される側に、鼻に最も近いヤゲン先端形状
の点である鼻側点Pを含む場合には、鼻幅方向単位ベク
トルBVも同様に再度回転させて新たなベクトルに変換
する。
【0116】上記変形処理の後、n=j3の点を改めて
n=j2とおき直す〔図12(C)〕。上記ステップS
38−4およびステップS38−5を順に繰り返して実
行し、n=j3の点がn=j2の点に一致するか、また
はn=j3の点がn=j1の点に一致したら、上記ステ
ップS38−4およびステップS38−5の実行を終了
する。
【0117】これで、実際のヤゲン形状を表す3次元ヤ
ゲン先端形状(Xbn,Ybn,Zbn)(n=1,
2,・・・,N)のZ軸座標値Zbnが、目標とするヤ
ゲン形状を表すヤゲン頂点Z軸座標値Zan(n=1,
2,・・・,N)に、周長を変えることなく、変形でき
たことになる。なお、上記手法に代り、幾何学手法等の
他の方法を用いて、周長を変えずに変形を行うようにし
てもよい。
【0118】一方、変形度合いを表す変形量MDに関し
ては少し補正をする必要がある。これを、図13を参照
して説明する。図13は、3次元ヤゲン先端形状を、点
(Xbj1,Ybj1,Zbj1)と点(Xbj2,Y
bj2,Zbj2)とを通る直線に垂直な平面で切断し
たときの断面図である。図中、初めてステップS38−
2が実行されたときの回転角の絶対値をMD1とし、初
めてステップS38−4が実行されたときの回転角の絶
対値をMD2(例えばMD1>MD2=MD0)とする
ときに、両ステップの実行による3次元ヤゲン先端形状
の一部の回転方向が同じである場合(図13はこの場合
に相当)、変形量MDは、MD0の2倍だけ多く加算が
されていることになるので、この分の減算を行ない最終
の変形量MDを求める。
【0119】なお、後述するステップS45を既に経
て、ステップS34から再実行された後であれば、ここ
で求めた変形量MDにMD0を加えたものを改めてMD
とおく。
【0120】〔S39〕1:1のヤゲンモードの場合、
実際のヤゲン形状を表す3次元ヤゲン先端形状(Xb
n,Ybn,Zbn)(n=1,2,・・・,N)のZ
軸座標値Zbnと、目標とするヤゲン形状を表すヤゲン
頂点Z軸座標値Zan(n=1,2,・・・,N)とは
一致しない。そこで、ZbnがZanに一致するよう
に、3次元ヤゲン先端形状を、周長を変えることなく変
形させる。また、この変形に伴う変形量MDを算出す
る。これらの処理はステップS38と同一である。した
がって、説明を省略する。
【0121】〔S40〕1:2のヤゲンモードの場合、
実際のヤゲン形状を表す3次元ヤゲン先端形状(Xb
n,Ybn,Zbn)(n=1,2,・・・,N)のZ
軸座標値Zbnと、目標とするヤゲン形状を表すヤゲン
頂点Z軸座標値Zan(n=1,2,・・・,N)とは
一致しない。そこで、ZbnがZanに一致するよう
に、3次元ヤゲン先端形状を、周長を変えることなく変
形させる。また、この変形に伴う変形量MDを算出す
る。これらの処理はステップS38と同一である。した
がって、説明を省略する。
【0122】〔S41〕フレームならいのヤゲンモード
の場合、このステップの説明は図14を参照しながら説
明する。図14はヤゲン頂点位置が示されたレンズの斜
視図である。
【0123】まず、凸ならいのステップS35と同じ処
理により、ヤゲン頂点のZ軸座標値Zan(n=1,
2,・・・,N)を求める。つぎに、3次元ヤゲン先端
形状(Xbn,Ybn,Zbn)(n=1,2,・・
・,N)を、加工座標のZ軸方向へ平行移動し、かつ、
加工原点を通りZ軸に垂直な軸によって回転移動して、
3次元ヤゲン先端形状のZ軸座標Zbn(n=1,2,
・・・,N)が、Zbn≦Zan(n=1,2,・・
・,N)を満たし、かつ、下記式(10)で与えられる
Mの値が最小値になるようにする。そして、移動後の新
たな3次元ヤゲン先端形状のZ軸座標Zbn(n=1,
2,・・・,N)を求める。
【0124】 M=Σ(|Zfi−Zbi|) (i=1〜N) ・・・(10) この回転移動に合わせて鼻幅方向単位ベクトルBVも同
様に回転させて新たなベクトルを求める。
【0125】つぎに、移動して得られた新たな3次元ヤ
ゲン先端形状のZ軸座標Zbn(n=1,2,・・・,
N)について、Zbn=Zan、またはZbn≧Zrn
+BW/2が、n=1,2,・・・,Nの全てに対して
成立するか否かを調べる。
【0126】この結果、成立しなければ、フレームなら
いのヤゲンは立てられない旨のエラーコードを出力して
演算を終了する。一方、成立すれば、ここで新たに求め
られたデータが、フレームならいが指定されたときの最
終の3次元ヤゲン先端形状(Xbn,Ybn,Zbn)
(n=1,2,・・・,N)および鼻幅方向単位ベクト
ルBVとなる。
【0127】なお、フレームならいでは、眼鏡フレーム
を変形させないので、フレームならいのヤゲンモードで
は変形量MDは0となる。 〔S42〕眼鏡の美観上は凸ならいが理想的であるが、
凸ならいは、眼鏡フレームをかなり変形させねばならな
いことが多い。そのため、オートヤゲンでは、眼鏡フレ
ームの変形が許容される範囲内で、できるだけ凸ならい
の位置にヤゲンを近づけるようにする。
【0128】このステップの内容を、図15を参照しな
がら説明する。図15はヤゲン頂点位置が示されたレン
ズの斜視図である。まず、凸ならいのステップS35と
同じ処理により、ヤゲン頂点のZ軸座標値をZtn(n
=1,2,・・・,N)として求める。
【0129】つぎに、3次元ヤゲン先端形状(Xbn,
Ybn,Zbn)(n=1,2,・・・,N)を、加工
座標のZ軸方向へ平行移動し、かつ、加工原点を通りZ
軸に垂直な軸によって回転移動して、3次元ヤゲン先端
形状のZ軸座標Zbn(n=1,2,・・・,N)が、
Zbn≦Ztn(n=1,2,・・・,N)を満たし、
かつ、下記式(11)で与えられるMの値が最小値にな
るようにする。そして、移動後の新たな3次元ヤゲン先
端形状の座標値を(Xbfn,Ybfn,Zbfn)
(n=1,2,・・・,N)とおく。
【0130】 M=Σ(|Zfi−Zbi|) (i=1〜N) ・・・(11) さらに、3次元ヤゲン先端形状のZ軸座標値Zbfnに
対し、ヤゲンZ軸座標値Ztnを用いてステップS38
と同一の処理を実行して、仮に凸ならいのヤゲンモード
を指定されたとした場合に得られる最終の3次元ヤゲン
先端形状(Xbtn,Ybtn,Zbtn)(n=1,
2,・・・,N)、鼻幅方向単位ベクトルBVt、およ
び変形量MDtを求める。
【0131】この変形量MDtを、予め眼鏡フレームの
素材毎に設定された変形の限界量MDlimと比較す
る。その結果、変形量MDtが限界量MDlimを越え
ていなければ、先の3次元ヤゲン先端形状(Xbtn,
Ybtn,Zbtn)(n=1,2,・・・,N)、鼻
幅方向単位ベクトルBVt、および変形量MDtを、オ
ートヤゲンのヤゲンモードが指定されたときの3次元ヤ
ゲン先端形状(Xbn,Ybn,Zbn)(n=1,
2,・・・,N)、鼻幅方向単位ベクトルBV、および
変形量MDとして採用し、このステップS42を終了す
る。
【0132】一方、変形量MDtが限界量MDlimを
越えているときには、オートヤゲンのヤゲンモードが指
定されたときのヤゲン頂点のZ座標値Zan(n=1,
2,・・・,N)のj番目のZ座標値Zajを、下記式
(12),(13)等に基づき決定する。
【0133】ETj≧BW、かつ、LMj≧Zbfj+
(Zbtj−Zbfj)・MDlim/MDtのとき
は、 Zaj=LMj ・・・(12) ETj≧BW、かつ、LMj<Zbfj+(Zbtj−
Zbfj)・MDlim/MDtのときは、 Zaj=Zbfj+(Zbtj−Zbfj)・MDlim/MDt ・・・(13) ここで、LMjとは、j番目の3次元ヤゲン底形状にお
ける、Zajがレンズ後面に寄れる限界値であり、例え
ば次式(14)で与えられる。
【0134】 LMj=Zfj−ETj/2 ・・・(14) 図16は、上記数式(12),(13),(14)で用
いられる変数の位置を示すもので、座標値(Xj,Y
j)における法線方向と加工座標のZ軸方向とからなる
平面で切ったレンズ24の断面を示す断面図である。
【0135】ETj<BWのときは、ステップS35で
示した、ETj<BWのときのZajの決定方法と同様
な方法で決定する。以上のZajの決定を、j=1から
j=Nまで実行することにより、オートヤゲンのヤゲン
モードが指定されたときのヤゲン頂点のZ座標値Zan
(n=1,2,・・・,N)を決定する。
【0136】この決定されたヤゲン頂点のZ座標値Za
n(n=1,2,・・・,N)を用いて、ステップS3
8の処理と同一の処理を実行し、オートヤゲンのヤゲン
モードが指定されたときの3次元ヤゲン先端形状(Xb
n,Ybn,Zbn)(n=1,2,・・・,N)、鼻
幅方向単位ベクトルBV、および変形量MDを求める。
【0137】〔S43〕各指定されたヤゲンモードに基
づき算出された変形量MDを、限界量MDlimと比較
する。この結果、変形量MDが限界量MDlimを越え
ていれば、変形の限界を越えている旨のエラーコードを
出力し、本プログラムの処理を終了する。越えていない
ならばステップS44へ進む。
【0138】〔S44〕3次元ヤゲン先端形状の変形が
終わったところで、ステップS32で決定されたアイポ
イント位置の変形後の位置を算出し、予め指定されたア
イポイント位置との誤差を補正する。これを図17を参
照して説明する。
【0139】図17はアイポイント位置等を示した片眼
の3次元ヤゲン先端形状の斜視図である。図中、ステッ
プS32で決定されたアイポイント位置の変形後の位置
25を起点とし、3次元ヤゲン先端形状の鼻側点Pを終
点とするベクトルをEPBVとすれば、3次元ヤゲン先
端形状の変形が終了した時点における片眼PD(被装用
者の鼻の中心線から瞳の中心までの水平距離)HPDa
は、鼻幅方向単位ベクトルBVと眼鏡の鼻幅の1/2の
量であるHDBLとから、次式(15)で算出される。
【0140】 HPDa=EPBV*BV+HDBL ・・・(15) なお、「*」は、ベクトルの内積を意味する。以下、同
様である。したがって、HPDaと、指定された片眼P
DであるHPDとの誤差量δDbは次式(16)で算出
される。
【0141】 δDb=EPBV*BV+HDBL−HPD ・・・(16) したがって、鼻幅方向単位ベクトルBVの成分を
(XBV,YBV,ZBV)とおけば、3次元ヤゲン先端形状
(Xbn,Ybn,Zbn)を誤差補正した後の3次元
ヤゲン先端形状(Xcn,Ycn,Zcn)(n=1,
2,・・・,N)は次式(17),(18),(19)
により算出される。
【0142】 Xcn=Xbn−XBV・δDb ・・・(17) Ycn=Ybn−YBV・δDb ・・・(18) Zcn=Zbn−ZBV・δDb ・・・(19) 補正後の3次元ヤゲン先端形状(Xcn,Ycn,Zc
n)(n=1,2,・・・,N)を改めて(Xbn,Y
bn,Zbn)(n=1,2,・・・,N)とおく。
【0143】また、3次元ヤゲン先端形状の変形が終了
した時点におけるアイポイントハイト(データムライン
から被装用者の瞳の中心までの垂直方向距離)EPHT
aを求め、指定されたアイポイントハイトEPHTとの
誤差を補正するようにしてもよい。これを図18を参照
して説明する。
【0144】図18はアイポイント位置等を示した片眼
の3次元ヤゲン先端形状の斜視図である。まず、予めス
テップS32においてフレーム座標のY軸方向の単位ベ
クトルCVを算出し、またステップS32以降のステッ
プにおいて、このY軸方向の単位ベクトルCVを、鼻幅
方向単位ベクトルBVの変換と同様な方法により変換す
る。
【0145】3次元ヤゲン先端形状の変形が終わったと
ころで、(Xbn,Ybn,Zbn)(n=1,2,・
・・,N)の各点の座標値と、フレーム座標のY軸方向
の単位ベクトルCVとの内積を求め、内積が最大値とな
る点を(Xbp,Ybp,Zbp)、内積が最小値とな
る点を(Xbq,Ybq,Zbq)として、この2点間
の中点(Xbm,Ybm,Zbm)を次式(20),
(21),(22)により算出する。
【0146】 Xbm=(Xbp+Xbq)/2 ・・・(20) Ybm=(Ybp+Ybq)/2 ・・・(21) Zbm=(Zbp+Zbq)/2 ・・・(22) この中点(Xbm,Ybm,Zbm)は、変形後の3次
元ヤゲン先端形状のデータムライン上の点と見做すこと
ができるから、この点を起点とし、レンズ前面上のアイ
ポイント位置26を終点とするベクトルをEPCVとす
れば、変形が終了した時点におけるアイポイントハイト
EPHTaは、次式(23)により算出される。
【0147】 EPHTa=EPCV*CV ・・・(23) よって、EPHTaのEPHTとの誤差量δDcは、次
式(24)により算出される。
【0148】 δDc=EPCV*CV−EPHT ・・・(24) したがって、フレーム座標のY軸方向の単位ベクトルC
Vの成分を(XCV,Y CV,ZCV)とおけば、3次元ヤゲ
ン先端形状(Xbn,Ybn,Zbn)を誤差補正した
後の3次元ヤゲン先端形状(Xdn,Ydn,Zdn)
(n=1,2,・・・,N)は次式(25),(2
6),(27)により算出される。
【0149】 Xdn=Xbn+XCV・δDc ・・・(25) Ydn=Ybn+YCV・δDc ・・・(26) Zdn=Zbn+ZCV・δDc ・・・(27) この補正後の3次元ヤゲン先端形状(Xdn,Ydn,
Zdn)(n=1,2,・・・,N)を改めて(Xb
n,Ybn,Zbn)(n=1,2,・・・,N)とお
く。
【0150】〔S45〕ステップS44で算出した誤差
量δDbおよびδDcの絶対値が0.1mmより大きい
か否かを判別する。0.1mmより大きいならば、この
ときの変化量MDをMD0として保存し、ステップS3
4からステップS44までを、誤差量δDbおよびδD
cの絶対値が0.1mm以下になるまで繰り返し実行し
て、最終的な3次元ヤゲン先端形状(Xbn,Ybn,
Zbn)(n=1,2,・・・,N)を求める。誤差量
δDbおよびδDcの絶対値が0.1mm以下になった
ら、ステップS46へ進む。
【0151】〔S46〕こうして得られた最終的な3次
元ヤゲン先端形状(Xbn,Ybn,Zbn)(n=
1,2,・・・,N)を用いて、ステップS34の処理
と同一の処理を実行して最終的なレンズ前面3次元ヤゲ
ン底形状(Xfj,Yfj,Zfn)(n=1,2,・
・・,N)、レンズ後面3次元ヤゲン底形状(Xrj,
Yrj,Zrn)(n=1,2,・・・,N)、および
レンズのコバ厚ETn(n=1,2,・・・,N)を求
める。
【0152】ただし、ヤゲン底形状のj番目の点におい
て、ETj<BWとなるときには、2次元ヤゲン底形状
(Xn,Yn)(n=1,2,・・・,N)のj番目の
座標(Xj,Yj)を通り(Xj,Yj)における法線
方向と加工座標のZ軸方向とに平行な平面で切ったレン
ズ断面において、3次元ヤゲン先端形状によって決まる
ヤゲンのレンズ前面側の斜面(図10の23bに相当)
が、レンズ前面と交わる点を改めて(Xfj,Yfj,
Zfj)とおき、ヤゲンのレンズ後面側の斜面(図10
の23aに相当)が、レンズ後面と交わる点を改めて
(Xrj,Yrj,Zrj)とおくようにする。
【0153】つぎに、図5のステップS22について、
再度詳しく説明する。まず、図4のステップS12のヤ
ゲン加工設計演算と同様な演算を行う。ただし、実際の
加工ではレンズのブロック(保持)の際にレンズの種類
によっては、計算上で把握されたレンズの位置と実際の
レンズの位置とに誤差が生じることがあるので、図1の
ステップS33が終了した時点で、これを補正する。
【0154】すなわち、実際のレンズ研削装置241に
装着された状態でのレンズの位置を把握するために、ス
テップS21で予め測定された、レンズの前面あるいは
後面の少なくとも3点の測定位置データを(Xsm,Y
sm,Zsm)(m=1,2,・・・,M)とし、測定
位置データに対応する計算上のレンズの前面あるいは後
面の位置を(Xsm,Ysm,Ztm)(m=1,2,
・・・,M)とおく。ここで、Z軸方向の誤差の総和量
DZを次式(28)に基づき算出する。
【0155】 DZ=Σ(|Zsi−Zti|) (i=1〜M) ・・・(28) そして、計算上で加工座標上に定義した3次元の眼鏡枠
形状データ、レンズ位置データ、および鼻幅方向ベクト
ルBVを、加工原点を通る直線を軸とした回転移動とZ
軸方向の平行移動とによって、DZが最小になるように
移動する。
【0156】このように、計算上で把握されたレンズの
位置と実際のレンズの位置との誤差が最小となるように
補正した後で、図1のステップS34以降を実行して、
最終的な3次元ヤゲン先端形状(Xbn,Ybn,Zb
n)(n=1,2,・・・,N)を求める。
【0157】つぎに、求めた最終的な3次元ヤゲン先端
形状(Xbn,Ybn,Zbn)(n=1,2,・・
・,N)を基に、半径TRの砥石29(後述の図19参
照)で加工するときの加工座標上の3次元加工軌跡(X
gn,Ygn,Zgn)(n=1,2,・・・,N)を
算出する。これを図19を参照して説明する。
【0158】図19は、XY平面に投影された、ヤゲン
先端形状および加工軌跡を示す平面図である。まず、3
次元ヤゲン先端形状(Xbn,Ybn,Zbn)(n=
1,2,・・・,N)を、加工座標のXY平面へ投影し
た2次元ヤゲン先端形状27から、2次元加工軌跡28
を求める。
【0159】すなわち、2次元ヤゲン先端形状27の座
標値を(Xbn,Ybn)(n=1,2,・・・,
N)、2次元加工軌跡28の座標値を(Xgn,Yg
n)(n=1,2,・・・,N)とすると、2次元加工
軌跡28は、2次元ヤゲン先端形状27をその形状の法
線方向へ砥石29の半径TRだけ変形した形状であるか
ら、2次元ヤゲン先端形状27のj番目の点(Xbj,
Ybj)における法線ベクトルを(SVxj,SVy
j)とすれば、対応する2次元加工軌跡28の座標値
(Xgj,Ygj)は、(Xbj,Ybj)に(SVx
j,SVyj)を加えることによって得られる。これを
j=1からj=Nまで計算することで、2次元加工軌跡
(Xgn,Ygn)(n=1,2,・・・,N)を求め
ることができる。
【0160】そして、3次元加工軌跡(Xgn,Yg
n,Zgn)(n=1,2,・・・,N)のZ座標値Z
gnは、3次元ヤゲン先端形状(Xbn,Ybn,Zb
n)(n=1,2,・・・,N)のZ座標値Zbnと等
しいから、Zgn=Zbn(n=1,2,・・・,N)
として求めることができる。
【0161】なお、もしレンズ研削装置241の制御座
標系が円筒座標系であるならば、求めた3次元加工軌跡
(Xgn,Ygn,Zgn)(n=1,2,・・・,
N)を、円筒座標系の3次元加工軌跡(Rgn,θg
n,Zgn)(n=1,2,・・・,N)に座標変換し
て、レンズ研削装置241に適用する。本発明は、眼鏡
枠のない眼鏡レンズのコバに溝ヤゲンを形成する際にも
適用できるものである。
【0162】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、少なく
とも、眼鏡枠の内周溝に沿った周長値を算出し、算出さ
れた周長値を眼鏡レンズの加工側に伝送する。すなわ
ち、通常、伝送する2次元座標値、眼鏡枠が球面または
トーリック面上にあるとした場合の球またはトーリック
面の半径値、中心座標値等以外に、周長値を伝送する。
これにより、伝送量が周長値分だけ増えるが、しかし、
3次元形状データをそのまま伝送するよりも遙に伝送量
が少なくて済み、しかも、眼鏡枠に加工済のレンズをぴ
ったりと嵌合するために重要な要素である周長値が伝送
できる。
【0163】また、眼鏡枠形状データを伝送された加工
側では、少なくとも、眼鏡枠の内周溝に沿った周長値が
伝送される。すなわち、通常、伝送される2次元座標
値、眼鏡枠が球面またはトーリック面上にあるとした場
合の球またはトーリック面の半径値、中心座標値等以外
に、周長値が伝送される。これにより、眼鏡枠の一部が
球面またはトーリック面上に位置しないような元の眼鏡
枠に対しても、周長値を基に眼鏡枠形状を復元すること
により、ぴったりと嵌合できる眼鏡レンズを加工するこ
とが可能となる。
【0164】さらに、少なくとも、眼鏡枠の内周溝に沿
った周長値が伝送され、伝送された周長値に対応する周
長を変えることなく眼鏡枠を変形して、眼鏡レンズの所
定位置に設けられたヤゲンに眼鏡枠を合わせるようにす
る。すなわち、形状の変形が可能な眼鏡枠において、伝
送された周長値に対応する周長を変えないように眼鏡枠
を変形して、所定のヤゲンに合わせるようにし、これに
よって、理想的なヤゲンを立てることが可能となるとと
もに、眼鏡枠が変形されても、眼鏡レンズを変形後の眼
鏡枠にぴったりと嵌合させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図4のステップS12の詳細内容を示すフロー
チャートである。
【図2】眼鏡レンズの供給システムの全体構成図であ
る。
【図3】眼鏡店での最初の入力処理の流れを示すフロー
チャートである。
【図4】工場での処理の流れ、ならびに工場からの転送
により眼鏡店で行われる確認およびエラー表示のステッ
プを示すフローチャートである。
【図5】工場で行われるレンズ裏面の研磨加工、レンズ
の縁摺り加工、およびヤゲン加工等の実際の工程を示す
フローチャートである。
【図6】トーリック面の各定数と直交座標値との関係を
示す斜視図である。
【図7】眼鏡枠形状の直交座標値(Xn,Yn,Zn)
を係数kで補正したときの眼鏡枠形状を示す斜視図であ
る。
【図8】眼鏡フレーム位置に基づき配置された左右レン
ズの斜視図である。
【図9】XY平面に投影されたヤゲン先端形状およびヤ
ゲン底形状を示す平面図である。
【図10】座標値(Xj,Yj)における法線方向と加
工座標のZ軸方向とからなる平面で切ったレンズの断面
を示す断面図である。
【図11】XY平面に投影した3次元ヤゲン先端形状の
平面図である。
【図12】XY平面に投影した3次元ヤゲン先端形状の
平面図である。
【図13】3次元ヤゲン先端形状を、点(Xbj1,Y
bj1,Zbj1)と点(Xbj2,Ybj2,Zbj
2)とを通る直線に垂直な平面で切断したときの断面図
である。
【図14】ヤゲン頂点位置が示されたレンズの斜視図で
ある。
【図15】ヤゲン頂点位置が示されたレンズの斜視図で
ある。
【図16】座標値(Xj,Yj)における法線方向と加
工座標のZ軸方向とからなる平面で切ったレンズの断面
を示す断面図である。
【図17】アイポイント位置等を示した片眼の3次元ヤ
ゲン先端形状の斜視図である。
【図18】アイポイント位置等を示した片眼の3次元ヤ
ゲン先端形状の斜視図である。
【図19】XY平面に投影されたヤゲン先端形状および
加工軌跡を示す平面図である。
【図20】回転角を説明する斜視図である。
【符号の説明】
100 眼鏡店 101 端末コンピュータ 102 フレーム形状測定器 200 工場 201 メインフレーム 202 LAN 210 端末コンピュータ 211 荒擦り機(カーブジェネレータ) 212 砂掛け研磨機 220 端末コンピュータ 221 レンズメータ 222 肉厚計 230 端末コンピュータ 231 マーカ 232 画像処理機 240 端末コンピュータ 241 レンズ研削装置 242 チャックインタロック 250 端末コンピュータ 251 形状測定器 300 公衆通信回線

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 眼鏡枠の形状を測定し、測定値を処理し
    た上で眼鏡レンズの加工側に伝送する眼鏡枠形状データ
    伝送方法において、 眼鏡枠の内周溝の3次元形状を測定し、 前記測定された3次元形状の座標値に基づき、少なくと
    も、前記眼鏡枠の内周溝に沿った周長値を算出し、 前記算出された周長値を眼鏡レンズの加工側に伝送する
    ことを特徴とする眼鏡枠形状データ伝送方法。
  2. 【請求項2】 前記周長値に加え、さらに、前記測定さ
    れた3次元形状の座標値に基づき、2次元座標値と、前
    記眼鏡枠が球面上にあるとした場合の球の半径値と、前
    記球の中心座標値とを算出し、前記算出された各値を眼
    鏡レンズの加工側に伝送することを特徴とする請求項1
    記載の眼鏡枠形状データ伝送方法。
  3. 【請求項3】 前記周長値に加え、さらに、前記測定さ
    れた3次元形状の座標値に基づき、2次元座標値と、前
    記眼鏡枠がトーリック面上にあるとした場合のトーリッ
    ク面の中心座標値と、ベース半径値と、クロス半径値
    と、ベース半径方向単位ベクトル値とを算出し、前記算
    出された各値を眼鏡レンズの加工側に伝送することを特
    徴とする請求項1記載の眼鏡枠形状データ伝送方法。
  4. 【請求項4】 眼鏡枠の形状を表すデータが伝送され、
    伝送されたデータに基づき眼鏡レンズの加工を行う眼鏡
    レンズ加工方法において、 少なくとも、眼鏡枠の内周溝に沿った周長値が伝送さ
    れ、 前記伝送された周長値に基づき、前記眼鏡枠の形状を復
    元することを特徴とする眼鏡レンズ加工方法。
  5. 【請求項5】 前記周長値に加え、前記眼鏡枠の2次元
    座標値と、前記眼鏡枠が球面上にあるとした場合の球の
    半径値と、前記球の中心座標値とが伝送され、前記伝送
    された2次元座標値と、球の半径値と、球の中心座標値
    とに基づき、眼鏡枠形状を復元し、前記復元された眼鏡
    枠形状の周長値を算出し、前記算出された周長値と前記
    伝送された周長値との比により前記復元された眼鏡枠形
    状を補正することを特徴とする請求項4記載の眼鏡レン
    ズ加工方法。
  6. 【請求項6】 前記周長値に加え、前記眼鏡枠の2次元
    座標値と、前記眼鏡枠がトーリック面上にあるとした場
    合のトーリック面の中心座標値と、ベース半径値と、ク
    ロス半径値と、ベース半径方向単位ベクトル値とが伝送
    され、前記伝送された2次元座標値と、トーリック面の
    中心座標値と、ベース半径値と、クロス半径値と、ベー
    ス半径方向単位ベクトル値とに基づき、眼鏡枠形状を復
    元し、前記復元された眼鏡枠形状の周長値を算出し、前
    記算出された周長値と前記伝送された周長値との比によ
    り前記復元された眼鏡枠形状を補正することを特徴とす
    る請求項4記載の眼鏡レンズ加工方法。
  7. 【請求項7】 眼鏡枠の形状を表すデータが伝送され、
    伝送されたデータに基づき眼鏡レンズの加工を行う眼鏡
    レンズ加工方法において、 少なくとも、眼鏡枠の内周溝に沿った周長値が伝送さ
    れ、 前記伝送された周長値に対応する周長を変えることなく
    前記眼鏡枠を変形して、眼鏡レンズの所定位置に設けら
    れたヤゲンに前記眼鏡枠を合わせるようにすることを特
    徴とする眼鏡レンズ加工方法。
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