JP2994405B2 - 水酸化アルカリの精製法 - Google Patents

水酸化アルカリの精製法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は水酸化アルカリの精製法に関する。さらに詳
しく言えば本発明は、水酸化アルカリ水溶液に過酸化水
素水と希土類元素の無機酸塩を添加することにより共沈
澱法により、水酸化アルカリ中に含まれる不純物を除去
し高品位の水酸化アルカリを得る方法である。更に、本
発明は、水酸化アルカリ溶液中に溶解度以下にて含有さ
れる微量のアルカリ土類金属及び鉄の除去に関するもの
である。
〔背景技術〕
近年、分析機器の開発や進歩により分析感度が向上
し、極めて微量の元素の存在も検出し得るようになって
きた。電子部品、磁性材料、触媒、半導体等の材料分野
においては、特に新機能の発現を期待し、これらの材料
の高純度化が盛んに試みられている。それに伴い微量の
不純物の分析も行われている。この様に材料の高純度化
に伴い目的とする元素の存在量が微量となりその検出量
が微小になればなるほど、分析に使用される試薬のブラ
ンク量は無視できなくなり、微量分析においては試薬中
の不純物の除去すなわち精製が重要な技術の一つとなっ
ている。分析化学において、水酸化アルカリは、各種材
料の溶解、酸性化した試料の中和、キレート樹脂や溶媒
抽出等の分離濃縮時におけるpH調整やアルカリ溶融な
ど、種々の目的で使用される基本的な試薬であり、広く
用いられているが、ソーダ工業から産出される水酸化ア
ルカリ中にはバリウム、カルシウム、マグネシウム、ス
トロンチウム、鉄及びアルミニウム等の金属が多く含む
ことが知られている。一方、この水酸化アルカリは、そ
の精製が難しいため高純度の試薬が必要であるにもかか
わらず、未だ、その要望を満たし得る試薬は、存在して
いない。
一方、半導体工業においても、水酸化アルカリはウエ
ツトエツチングプロセスに使用される。この場合におい
ても品質向上は重要な課題であり、当然のことながら微
細化の進展と共に、ますます厳しい品質水準が要求され
ている。すなわち、試薬中の微粒子、金属不純物及び微
生物は、製品の歩留まりやデバイス特性の信頼性の低下
を招くと言われ、金属不純物を含まない高純度のものが
要求されている。
従来技術として、一般的には、溶液中に微量(μg以
下)に含まれる不純物を添加剤によって共沈澱を生成さ
せ、溶液中から微量に含まれる不純物のみを沈澱物とし
て除去するという共沈澱法が知られているが、この方法
においては、溶液中に、この添加剤が必ず残存すること
となる。すなわち、この沈澱剤自体の溶解度から言って
もその除去は不可能といってよい。したがって、沈澱剤
自体に基づく汚染は避けられない。例えば共沈澱法を用
いた苛性ソーダの精製法の1例について説明すると、軽
金属協会規格のアルミニウム中のカルシウム定量法に
は、その定量法で使用する6M−苛性ソーダ溶液を精製す
る方法が示されている。
そこに記載されているように6M−苛性ソーダ溶液を、
加熱撹拌し、その間に、鉄塩の濃厚溶液を滴下し、水酸
化鉄の沈澱を熟成させる。これを紙を用いて過して
除去することによってカルシウムを含まない6M−苛性ソ
ーダ溶液を得ている。しかしながら、この場合、共沈澱
剤として添加した鉄塩が残存することとなる。苛性アル
カリ溶液中にppmレベルで含まれるニツケルの除去法と
しては特開昭56−40086記載の方法がある。この方法
は、苛性アルカリ溶液中に次亜塩素酸を添加することに
よって、ニツケルをより高次の化合物とし、溶解度を小
さくすることにより除去精製する方法である。この方法
においても大量に使用する次亜塩素酸による汚染が残
る。このように従来知られている方法では、添加した共
沈澱剤や酸化剤がアルカリ中に残存する結果、高純度の
苛性アルカリを得る精製法として適さないことが判明し
ている。
〔発明の開示〕
本発明者らは、希土類元素の無機酸塩が、アルカリ性
下において少量の過酸化水素水を添加することによって
希土類自体の溶解度を減少させると同時に、それに伴っ
てアルカリ中の不純物をその希土類の水酸化物に表面吸
着し除去されることを見出した。本発明は、かかる知見
に基づいてなされたものである。すなわち、本発明は、
アルカリ土類金属及び鉄を不純物として含有する水酸化
アルカリ水溶液に、過酸化水素水と希土類元素の無機酸
塩を添加撹拌し、冷却下に、共沈澱物を生成させ、この
共沈澱物を過により除去することを特徴とする水酸化
アルカリの精製法を提供するものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
水酸化アルカリ水溶液は、通常は、0.5〜5M水溶液と
して提供されるが、これを冷却し、これに濃度30%の過
酸化水素水を滴下撹拌する。この際鉄等の不純物は、よ
り高次の化合物になり溶解度自体が減少する。この水酸
化アルカリ水溶液中に、更に希土類元素の無機酸塩の水
溶液を撹拌しながら滴下する。一定時間冷却して放置す
ると、希土類の酸化物、水酸化物もしくは水和物等の不
定形沈澱を生成し、これに先の不純物が表面に吸着し共
沈澱する。これをフイルターを用いて過することによ
って水酸化アルカリ溶液中にppmレベル又はそれ以下で
存在しているバリウム、カルシウム、マグネシウム、ス
トロンチウム及び鉄等が除去され、高純度の水酸化アル
カリ溶液を得ることができる。すなわち、本発明の方法
においては、水酸化アルカリ水溶液に対し、少量の過酸
化水素水を添加し、冷却撹拌し、更に希土類元素の無機
酸塩例えば、希土類元素の塩化物、臭化物、ふっ化物、
りん酸塩、硫酸塩又は硝酸塩等の濃厚溶液(通常、1〜
1000mg/ml)を滴下、撹拌、冷却、放置することによ
り、希土類元素の不定形水酸化物が生成し沈澱するが、
この際、水酸化アルカリ水溶液中に微量含まれるアルカ
リ土類金属や鉄、コバルト、カドミウム、ニッケル及び
クロム等の重金属が、この希土類の水酸化物に表面吸着
され沈澱するものであり、この水酸化アルカリ溶液をフ
イルターを用いて過することによって高純度な水酸化
アルカリ溶液が得られるものである。
本発明者らは本発明に係わる水酸化アルカリの精製法
に関し、水酸化アルカリの濃度、添加する過酸化水素水
の量と希土類元素の種類及び処理温度について種々検討
したところ、以下の如き知見を得た。
水酸化アルカリ溶液の精製に使用出来る最大濃度
は、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウムの場合は
7Mであり、好ましくは6M以下である。水酸化リチウムの
場合は、最大濃度は3Mである。それ以上の濃度では添加
する沈澱剤が水酸化アルカリ中に混入する。
水酸化アルカリ溶液1に添加する30%過酸化水素
水の添加量は0.1〜5mlが好ましいが、特に好ましくは0.
5〜2mlである。0.1ml以下では不純物の除去率が低下す
る。5ml以上ではより以上の除去効果が得られない。
使用する希土類元素としてはスカンジウム、イツト
リウム、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジ
ウム、プロメシウム、サマリウム、ユーロピウム、ガド
リニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、
エルビウム、ツリウム、イツテルビウム又はルテチウム
があげられその無機酸塩が用いられる。特に、効果的な
ものはイツトリウム、ネオジウム、ユーロピウム又はツ
リウムの無機酸塩である。
処理温度は10℃〜−10℃の範囲が好ましいが、特に
好ましくは5℃〜−5℃である。10℃以上では不純物の
溶解が増し、除去効果が減少する。−10℃以下の温度
は、より以上の除去効果がなく、経済的でない。
以下に本発明の実施例を掲げ、本発明を具体的により
詳細に説明する。
実施例 1 市販の特級水酸化ナトリウム120gを水に溶かし更に水
を加え1とし、3M−水酸化ナトリウム溶液を調製す
る。この溶液に市販の金属標準溶液(1mg/ml)を用い
て、バリウム、カルシウム、マグネシウムおよびストロ
ンチウムの各溶液各1ml添加した。得られた溶液を高周
波誘導結合プラズマ発光分析法によってバリウム、カル
シウム、マグネジウム及びストロンチウムを定量したと
ころ、バリウム、カルシウム、マグネシウム及びストロ
ンチウムを約1ppm含有するものであった。この溶液に対
し温度0℃において、濃度30%の過酸化水素水を1.0ml
添加し撹拌する。更に硝酸イツトリウム溶液(10mgY/m
l)を40ml添加1時間撹拌する。0℃にて1日間放置す
ると白色不定形の沈澱を生成する。その沈澱を、0.2μ
mのPTFEフイルターを使用し、減圧過する。この3M−
水酸化ナトリウム溶液中のバリウム、カルシウム、マグ
ネシウム、ストロンチウム及びイツトリウムを高周波誘
導結合プラズマ発光分析法によって定量した。このとき
のこれらのアルカリ土類金属とイツトリウムの除去率に
ついて以下に示す。
過酸化水素水1.0mlで添加処理すると、バリウムは0.0
3ppm、カルシウムは0.01ppm、マグネシウムは0.05ppm、
ストロンチウムは0.01ppm及びイツトリウムは0.006ppm
となり、それぞれの除去率はバリウム97%、カルシウム
99%、マグネシウム95%、ストロンチウム99%及びイツ
トリウムは99.998%と、除去効果が良好であることが認
められた。
実施例 2 市販の特級、水酸化ナトリウム120gを水に溶かし、更
に水を加え1とする。3M−水酸化ナトリウム溶液を調
製する。更に市販の鉄標準溶液(1mgFe/ml)を0.1ml添
加し、高周波誘導結合プラズマ発光分析法によって鉄を
定量し、鉄を0.132ppm含む3M−水酸化ナトリウム溶液1
を調製する。この溶液に対し温度0℃において、濃度
30%の過酸化水素水2mlを添加撹拌する。更に硝酸イツ
トリウム溶液(10mgY/ml)を40ml添加1時間撹拌する。
0℃にて3日間放置すると白色不定形の沈澱を生成す
る。その沈澱を、0.2μmのPTFEフイルターを使用し減
圧過する。この3M−水酸化ナトリウム溶液を高周波誘
導結合プラズマ発光分析法にて定量した。このときの鉄
とイツトリウムの除去率について以下に示す。
鉄濃度0.132ppmを処理すると鉄濃度は0.006ppmとなり
除去率は93%である。またイツトリウムは0.002ppmとな
り除去率は99.999%である。
以上に見られるように0.132ppmの鉄は93%の除去率を
示し、除去効果が良好であることが認められた。また、
添加したイツトリウムもほぼ100%近く除去することが
できる。
実施例 3 市販の特級水酸化ナトリウム120gを水に溶かし、更に
水を加えて1とし、3M−水酸化ナトリウム溶液を調製
する。更に1mgFe/mlの標準溶液を0.1ml添加し、高周波
誘導結合プラズマ発光分析法によって鉄を定量し、鉄を
0.130ppm含む3M−水酸化ナトリウム溶液1を調製す
る。この溶液に対し温度0℃において、濃度30%の過酸
化水素水2mlを添加撹拌する。更に塩化ネオジウムの溶
液(10mgNd/ml)を40ml添加1時間撹拌する。0℃にて
1昼夜放置すると不定形の沈澱を生成する。その沈澱を
0.2μmのPTFEフイルターを使用し減圧過する。この3
M−水酸化ナトリウム水溶液中の鉄を高周波誘導結合プ
ラズマ発光分析法によって定量した結果、鉄濃度は0.00
7ppmであり除去率は95%であることが認められた。
実施例 4 市販の特級水酸化ナトリウム120gを水に溶かし、更に
水を加えて1とし、3M−水酸化ナトリウム溶液を調製
する。次に1mgFe/mlの標準溶液を0.1ml添加し、高周波
誘導結合プラズマ発光分析法によって鉄を定量し、鉄を
0.150ppm含む3M−水酸化ナトリウム溶液1を調製す
る。この溶液を5℃において、濃度30%過酸化水素水2m
lを添加撹拌する。更に、硝酸イツトリウム溶液(10mgY
/ml)を40ml添加1時間撹拌する。5℃にて1昼夜放置
すると不定形沈澱を生成する。その沈澱を0.2μmのPTF
Eフイルターを使用し減圧過する。この3M−水酸化ナ
トリウム溶液中の鉄とイツトリウムを高周波誘導結合プ
ラズマ発光分析法によって定量した結果、鉄濃度は0.02
6ppmとなり除去率は83%であることが認められた。
実施例 5 市販の特級水酸化ナトリウム120gを水に溶かし、更に
水を加えて1とし、3M−水酸化ナトリウム溶液を調製
する。更に1mgCd/ml、1mgCo/ml、1mgNi/ml及び1mgCr/ml
の混合標準溶液を1ml添加し、高周波誘導結合プラズマ
発光分析法によってカドミウム、コバルト、ニツケル及
びクロムを定量し、カドミウム、コバルト、ニツケル及
びクロムを約1ppm含む3M−水酸化ナトリウム溶液を調製
する。この溶液に対し温度0℃において、温度30%の過
酸化水素水を2ml添加撹拌する。更に硝酸イツトリウム
溶液(10mgY/ml)を40ml添加撹拌する。0℃にて1昼夜
放置すると不定形の沈澱を生成する。その沈澱を0.2μ
mのPTFEフイルターを使用し減圧過する。この3M−水
酸化ナトリウム溶液中のカドミウム、コバルト、ニツケ
ル及びクロムを高周波誘導結合プラズマ発光分析法によ
って定量した。このときの除去率を以下に示す。
処理するとカドミウム0.014ppm、コバルト0.013ppm、
ニツケル0.015ppm及びクロム0.3ppmとなり、除去率はそ
れぞれ、カドミウム86%、コバルト87%、ニツケル95%
及びクロム70%である。
以上の結果より、鉄、カドミウム、コバルト、ニツケ
ル及びクロムの除去効果が良好なことが認められた。
実施例 6 市販の特級水酸化カリウム360gを水に溶かし、更に水
を加えて1とし、6M−水酸化カリウム溶液を調製す
る。更に1mgCa/ml、1mgMg/ml、1mgSr/mlの混合標準液を
1ml添加し、高周波誘導結合プラズマ発光分析法によっ
てカルシウム、マグネシウム、ストロンチウムを定量
し、カルシウム1.42ppm、マグネシウム1.03ppm及びスト
ロンチウム1.30ppm含む6M−水酸化カリウム溶液1を
調製する。この水酸化カリウム溶液に対し温度0℃にお
いて、濃度30%の過酸化水素水を1mlを添加撹拌する。
更に硝酸イツトリウム溶液(6mgY/ml)を20ml添加1時
間撹拌する。0℃にて1日間放置すると白色不定形の沈
澱を生成する。その沈澱を0.2μmのPTFEフイルターを
使用し減圧過する。この6M−水酸化カリウム溶液を高
周波誘導結合プラズマ発光分析法にて定量した。このと
きのカルシウム、マグネシウム、ストロンチウム及びイ
ツトリウムの除去率について以下に示す。
6M−水酸化カリウム溶液を処理するとカルシウム濃度
は0.048ppmとなり除去率は97%である。またマグネシウ
ム濃度は0.036ppmとなり除去率は97%である。ストロン
チウム濃度は0.116ppmとなり除去率は91%である。イツ
トリウム濃度は0.004ppmで除去率は99.99%となり除去
効果が良好であることが認められた。
実施例 7 試薬1級の水酸化カリウム360gを水に溶かし更に水を
加えて1とし、6M−水酸化カリウム溶液を調製する。
この溶液のカルシウム、マグネシウム及びストロンチウ
ムを高周波誘導結合プラズマ発光分析法によって定量す
る。この6M−水酸化カリウム溶液に対し、温度0℃にお
いて、濃度30%の過酸化水素水を1mlを添加撹拌する。
更に硝酸イツトリウム溶液(6mgY/ml)を20ml添加1時
間撹拌する。0℃にて1日間放置すると白色不定形の沈
澱を生成する。その沈澱を0.2μmのPTFEフイルターを
使用し減圧過する。この6M−水酸化カリウム溶液を高
周波誘導結合プラズマ発光分析法にて定量した。このと
きのカルシウム、マグネシウム、ストロンチウム及びイ
ツトリウムの除去率について以下に示す。
カルシウム濃度0.540ppmを処理すると濃度は0.001ppm
となり除去率は99%である。またマグネシウムは0.019p
pmが0.005ppmとなり除去率は74%である。さらにストロ
ンチウムは0.015ppmが0.001ppmとなり除去率は93%であ
る。イツトリウムは0.001ppmとなり除去率は99.998%で
ある。0.1〜0.01ppmレベルで存在したこれらアルカリ土
類元素が0.001ppmレベル;即ちppbレベルまで精製され
る。
実施例 8 市販の特級水酸化リチウム−水和物120gを水に溶か
し、更に水を加えて1とし、約3M−水酸化リチウム溶
液を調製する。この溶液のカルシウム、マグネシウム及
びストロンチウムを高周波誘導結合プラズマ発光分析法
によって定量する。この溶液に対し、温度0℃におい
て、濃度30%の過酸化水素水1ml添加撹拌する。更に硝
酸イツトリウム溶液(6mgY/ml)を40ml添加1時間撹拌
する。0℃にて1昼夜放置すると不定形の沈澱を生成す
る。その沈澱を0.2μmのPTFEフイルターを使用し減圧
過する。この約3M−水酸化リチウム溶液中のカルシウ
ム、マグネシウム及びストロンチウムを高周波誘導結合
プラズマ発光分析法によって定量した結果、カルシウム
濃度8.7ppmから0.47ppmとなり除去率は95%であること
が認められた。マグネシウムは0.058ppmから0.025ppmと
なり除去率は57%であり、また、ストロンチウムは0.17
2ppmから0.015ppmとなり除去率は91%であることが認め
られた。このように水酸化リチウムにおいても良好な精
製効果が認められた。
実施例 9 市販の特級水酸化ナトリウム240gを水に溶かし、更に
水を加え1とし、水酸化ナトリウム溶液を精製する。
この溶液に市販の金属標準溶液(1mgCa/ml)、(1mgMg/
ml)及び(1mgSr/ml)の各1mlを添加し、得られた水酸
化ナトリウム溶液を高周波誘導結合プラズマ発光分析法
によって、カルシウム、マグネシウム及びストロンチウ
ムを定量したところ、カルシウム、マグネシウム及びス
トロンチウムを約1ppm含有する水酸化ナトリウム溶液で
あった。この溶液に対し、温度0℃において濃度30%の
過酸化水素水1mlを添加撹拌する。更に硝酸イツトリウ
ム溶液(6mgY/ml)を20ml添加1時間撹拌する。0℃に
て1日間放置すると白色不定形の沈澱を生成する。その
沈澱を0.2μmのPTFEフイルターを使用し減圧過す
る。この水酸化ナトリウム溶液中のカルシウム、マグネ
シウム、ストロンチウム及びイツトリウムを高周波誘導
結合プラズマ発光分析法によって定量した。このときの
これらのアルカリ土類金属とイツトリウムの分析値につ
いて、表−1に示す。
比較例 市販特級水酸化ナトリウム240gを水に溶かし更に水を
加え1とし、6M−水酸化ナトリウム溶液を調製する。
この溶液に市販の金属標準溶液、1mgCa/ml、1mgMg/ml及
び1mgSr/mlの各1mlを添加し、得られた水酸化ナトリウ
ム溶液を高周波誘導結合プラズマ発光分析法によってカ
ルシウム、マグネシウム及びストロンチウムを定量した
ところ、カルシウム、マグネシウム及びストロンチウム
を約1ppm含有する水酸化ナトリウム溶液であった。この
溶液に対し、温度0℃において硝酸イツトリウム溶液
(6mgY/ml)を20ml添加1時間撹拌する。0℃にて1日
間放置すると白色不定形の沈澱を生成する。その沈澱を
0.2μmのPTFEフイルターを使用し減圧過する。この
水酸化ナトリウム溶液中のカルシウム、マグネシウム、
ストロンチウム及びイツトリウムを高周波誘導結合プラ
ズマ発光分析法によって定量した。このときのこれらの
アルカリ土類金属とイツトリウムの分析値と除去率を表
−1に示す。
この表に示された結果に見られるように、実施例と比
較例において、カルシウム、マグネシウム及びストロン
チウムの精製効果に大きな差は認められないがイツトリ
ウムについては大きな差が現われる。すなわち、添加し
たイツトリウム濃度は実施例では検出されない(検出限
界は0.005ppm)が、比較例では添加濃度、120ppmで、そ
の除去率は98%であるが、残存するイツトリウム濃度は
2.450ppmもあり、沈澱剤のイツトリウムが水酸化ナトリ
ウム溶液中に多量に残っていることが認められる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリ土類金属及び鉄を不純物として含
    有する水酸化アルカリ水溶液に、過酸化水素水と希土類
    元素の無機酸塩を添加撹拌し、冷却下に、共沈澱物を生
    成させ、この共沈澱物を過により除去することを特徴
    とする水酸化アルカリの精製法。
  2. 【請求項2】前記の希土類元素の無機酸塩が、スカンジ
    ウム、イツトリウム、ランタン、セリウム、プラセオジ
    ウム、ネオジウム、プロメシウム、サマリウム、ユーロ
    ピウム、ガドリニウム、テルビウム、デイスプロシウ
    ム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イツテルビウ
    ム又はルテチウムの塩化物又は硝酸塩である請求項1記
    載の水酸化アルカリの精製法。
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