JP2993586B2 - 走査速度変調回路 - Google Patents

走査速度変調回路

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JP2993586B2 JP5089760A JP8976093A JP2993586B2 JP 2993586 B2 JP2993586 B2 JP 2993586B2 JP 5089760 A JP5089760 A JP 5089760A JP 8976093 A JP8976093 A JP 8976093A JP 2993586 B2 JP2993586 B2 JP 2993586B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、テレビジョン受信機
において、陰極線管(CRT)上の映像の輪郭補正に使
用される走査速度変調回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は、従来のテレビジョン受信機の走
査速度変調回路の概略構成図である。図において、1は
CRT(図示せず)に配設された変調コイル、2は直流
阻止コンデンサ、3及び4は走査速度変調回路の出力段
を構成するプッシュプル回路のトランジスタ、5及び6
はドライブ段を構成するSEPP回路のトランジスタ、
7は増幅回路、8は2次微分回路である。
【0003】次に動作について説明する。まず映像信号
が2次微分回路8に入力され、輪郭信号が作られる。こ
の輪郭信号を増幅回路7で増幅し、ドライブ段のSEP
P回路で終段のプッシュプル回路をドライブする。終段
のプッシュプル回路は、変調コイル1に映像信号の1次
微分電流を流している。動作原理については、特公昭6
0ー53950号公報等に記載され公知であるのでここ
では省略する。
【0004】図4に、理想的な場合のCRTのカソ−ド
の信号(図4(a))と変調コイル1に流れる電流(図
4(b))とCRT表示面での輝度出力(図4(c))
の時間関係を示す。変調コイル1に流れる電流によって
発生する磁界とCRTの水平偏向コイル(図示せず)に
流れる電流によって発生する磁界が加算され、tA 〜t
B の期間は早く走査されるため輝度としては暗くなり、
B 〜tC の期間は遅く走査されるため、輝度出力の立
上りは急峻となり明るくなる。また、映像の白→黒のト
ランジェント部においては逆に、tD 〜tE の期間は遅
く走査され輝度出力は急峻に立ち下がり、tE 〜tF
期間は早く走査され、輝度は暗くなる。このような動作
をすることで輝度出力は、見かけ上プリシュ−ト、オ−
バ−シュ−トがつきCRT表示面における映像の立上
り、立下りのトランジェント部が急峻となり、映像の鮮
鋭度が上がる。なお、映像の輪郭信号は、上記のように
映像信号を微分して得るほか、ディレイラインDLを利
用して得ることもできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の走査速度変調回
路は以上のような構成、機能を有しているので、図4か
らも分かるようにtA 〜tB 間及びtE 〜tF 間は映像
信号としては白側へ振幅があるため、走査速度を早くし
ても輝度出力が幾分出る。このため映像の輪郭部では急
峻な輪郭がつくが、その前後に輝度が尾を引いた状態と
なり見苦しくなる欠点があった。
【0006】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、映像の黒から白への立上り及び
白から黒への立下りのトランジェント部を両方とも急峻
なエッジとして表示されるような走査速度変調回路を得
ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る走査速度
変調回路は、映像信号が供給される陰極線管の水平走査
速度を磁界によって変調する変調コイルに、上記映像信
号の立上り、立下りに対応して、上記映像信号を1次微
分した1次微分信号と、この1次微分信号を遅延した遅
延信号とを、選択的に供給するようにしたものである。
【0008】また、この発明に係る走査速度変調回路
は、映像信号を1次微分し、上記1次微分信号を出力す
る手段と、上記1次微分信号を所定時間遅延させた遅延
信号を出力する手段と、上記1次微分信号を積分し、そ
の積分出力レベルに応じて上記1次微分信号または上記
遅延信号を選択的に切り替えて変調コイルに供給する制
御手段を備えている。
【0009】
【作用】この発明における走査速度変調回路は、映像信
号を1次微分して得た1次微分信号を映像信号の振幅変
化の立上り部用、この1次微分信号を遅延させた遅延信
号を映像信号の振幅変化の立下り用として各々独立して
用意し、この2つの信号を選択的に切り替えることによ
り、映像振幅変化のトランジェント部は、すべて走査速
度を遅くするように変調コイルに電流を流す。また、2
つの信号を切り替える動作は、1次微分波形を積分した
積分出力にもとづいてこの積分出力レベルが0より大き
いときだけ遅延させない1次微分波形を選択するように
行なわれる。したがって切り替え動作の制御は1次微分
信号より幅広い切り換え信号によって行なわれる。
【0010】
【実施例】実施例1.図1はこの発明の一実施例を示す
ブロック構成図である。図において、11はCRT(図
示せず)に配設された変調コイル、12は直流阻止コン
デンサ、13は映像信号(輝度信号)の入力端子、14
は映像信号を1次微分する1次微分回路、15は1次微
分信号を映像信号の立上り、立下りトランジェント部に
対応する時間だけ遅延させるディレイラインDL1、1
6はスイッチ(SW)で、1次微分回路14とディレイ
ライン15とを切り替えるように接続されている。17
はSW16の切り替え動作を制御する制御装置で、1次
微分出力を積分する積分回路を備えている。18はSW
16の出力側に接続された増幅器、19は変調コイル1
1へ電流を流すドライブ回路、20は色信号の入力端
子、21は色復調及び増幅を行う映像信号処理回路、2
2はCRTドライブ回路、23はCRT、24はディレ
イラインDL2、25は輝度信号と色信号の時間合わせ
を行うディレイラインDL3である。
【0011】図2は各部の波形とタイミングを示してい
る。同図(a)は入力端子13の入力映像信号(輝度信
号)波形、(b)は1次微分回路14から出力される1
次微分信号波形、(c)はディレイライン15により1
次微分信号を映像信号の立上り、立下りトランジェント
部に相当する時間だけ遅延させた遅延信号波形、(d)
はSW16の切り替え動作の後の出力信号波形、(e)
はディレイライン16により映像信号を遅延させた信号
波形、(f)は速度変調コイル11に流れる電流波形、
(g)はCRT表示面における輝度出力波形、(h)は
制御装置17から出力されるSW切り替え信号である。
【0012】次に動作について説明する。まず図2
(a)のような映像信号(輝度信号)が1次微分回路1
4に入力され、図2(b)の1次微分信号が得られる。
更にこの1次微分信号を遅延させるディレイライン15
を通して図2(c)の信号が得られる。これら2つの信
号がSW16のa側、b側にそれぞれ入力される。この
SW16の切り替え動作は積分回路を含む制御装置10
によって制御される。この制御装置17はディレイ前の
1次微分信号を入力され、この1次微分信号を積分して
その積分出力レベルが正出力(0は除く)の時のみSW
16をa側に切り替え、その他の時はb側に切り替える
ように働く。SW16によって切り替えられた後の微分
信号は図2(d)に示す信号となる。この信号を増幅器
18で増幅し、ドライブ回路19で速度変調コイル11
に電流を流すと図2(d)の信号が積分されてそれより
幅の広い電流信号が流れる。その信号を図2(f)に示
す。この変調信号にCRTカソ−ドの映像信号のタイミ
ングを合わせるために、ディレイライン24によって図
2(e)に示すように映像信号が遅延される。
【0013】図2(f)に示すような電流を速度変調コ
イル11に流すと、図2(g)に示すように映像信号の
立上がる直前のtA 〜tB は走査が早くなり輝度出力は
下がる。次の映像信号の立上りトランジェント部のすべ
ての期間tB 〜tC 間は走査が遅くなり輝度出力は上が
る。同様に映像信号の立下りトランジェント部のtD
E 間は走査速度が遅くなり輝度出力が上がり、立下り
後のtE 〜tF 間は走査速度は早くなり輝度出力が下が
る。この結果、CRT表示面の輝度出力は全体として図
2(g)のようになり、映像信号の立上り及び立下りの
両方共、映像信号の振幅変化のトランジェント部はとも
に走査速度が遅くなり、CRT表示上で急峻なエッジと
なる。また白側のピ−クの前後を黒側へ引っ張ることに
より、輪郭が更に鮮鋭になる。
【0014】
【発明の効果】以上のように、この発明の走査速度変調
回路によれば、映像信号の立上り及び立下りの両方共、
映像信号のトランジェント部の期間はすべて走査速度を
遅らせることができ、CRT表示面上では時間軸圧縮さ
れ周波数が上がったように見えるので、CRTに表示さ
れる映像の鮮鋭度を向上させる効果がある。また、映像
信号のトランジェント部の前後に残留したなまったCR
T表示を示す従来の表示に比較して、残留した表示部が
少なく、むしろ少し黒側に引っ張る縁取りをつけること
ができ、輪郭を一層はっきりさせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すブロック構成図であ
る。
【図2】図1の動作を説明するためのタイミングチャ−
トである。
【図3】従来の走査速度変調回路の一例を示す概略構成
図である。
【図4】従来回路の動作を説明するためのタイミングチ
ャ−トである。
【符号の説明】
11:速度変調コイル 12:直流阻止コンデンサ 13:映像信号入力端子 14:1次微分回路 15:ディレイラインDL1 16:スイッチ(SW) 17:制御装置 18:増幅器 19:ドライブ回路 20:色信号入力端子 21:映像信号処理回路 22:CRTドライブ回路 23:CRT 24:ディレイラインDL2 25:ディレイラインDL3

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 映像信号が供給される陰極線管の水平走
    査速度を磁界によって変調する変調コイルに、上記映像
    信号の立上り、立下りに応じた変調電流を流し、陰極線
    管表示面における映像の鮮鋭度を上げる走査速度変調回
    路において、上記映像信号の立上り、立下りに対応し
    て、上記映像信号を1次微分した1次微分信号と、この
    1次微分信号を遅延した遅延信号とを、上記変調コイル
    に選択的に供給するようにしたことを特徴とする走査速
    度変調回路。
  2. 【請求項2】 映像信号が供給される陰極線管の水平走
    査速度を磁界によって変調する変調コイルに、上記映像
    信号の立上り、立下りに応じた変調電流を流し、陰極線
    管表示面における映像の鮮鋭度を上げる走査速度変調回
    路において、上記映像信号を1次微分し、この1次微分
    信号を出力する手段と、上記1次微分信号を上記映像信
    号の立上り、立下りトランジェント部に対応する時間だ
    け遅延させた遅延信号を出力する手段と、上記1次微分
    信号を積分し、その積分出力レベルに応じて上記1次微
    分信号または上記遅延信号を選択的に切り替えて上記変
    調コイルに供給する制御手段とを備えたことを特徴とす
    る走査速度変調回路。
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