JP2990933B2 - Frp製円筒物の製造方法及び装置 - Google Patents

Frp製円筒物の製造方法及び装置

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JP2990933B2
JP2990933B2 JP4079047A JP7904792A JP2990933B2 JP 2990933 B2 JP2990933 B2 JP 2990933B2 JP 4079047 A JP4079047 A JP 4079047A JP 7904792 A JP7904792 A JP 7904792A JP 2990933 B2 JP2990933 B2 JP 2990933B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はFRP製円筒物の製造方
法及び装置に関し、特に耐食パイプ、大型筒状浄化槽等
の製造に好適な製造方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、回転しているマンドレルに外周面
に、ガラス繊維のチョップドストランドを樹脂と共に適
当な幅の帯状に吹き付け、且つその上に複数本の連続ガ
ラス繊維を引き揃えた補強材を円周方向に巻付け、その
吹き付け位置及び巻付け位置をマンドレルの軸線方向に
移動させることにより、マンドレル外周面の長い範囲に
渡ってチョップドストランド、連続ガラス繊維及び樹脂
を配置し、その後、樹脂を硬化することによってFRP
製円筒物を製造する装置が知られている(例えば、米国
特許第4071389号明細書参照)。
【0003】しかし、かかる従来の装置には次のような
問題点があった。 (1)補強用の連続繊維が円筒物の円周方向に配置され
るため軸線方向の補強効果が低い。そこで、軸線方向の
補強効果を高めるため、図4に示すように、適当な長さ
のガラスロービング1aを平行に配列し、糸1bで帯状
に綴ってなるすだれ状強化繊維基材1をマンドレル外周
面に円周方向に巻き付けることが行われている。ところ
が、このようなすだれ状強化繊維基材1は横方向にずれ
やすいため、これをマンドレル外周面にらせん状に巻き
付ける際、巻付け位置が狂いやすく、このため、すだれ
状強化繊維基材の巻付けは作業者による手作業に頼らざ
るをえず、作業者に大きい負担を与えていた。しかも、
マンドレル近傍は後述するように、樹脂から拡散、飛散
する樹脂溶剤や架橋剤(例えば、不飽和ポリエステル樹
脂の成形時には架橋剤であるスチレン)によって作業環
境が悪く、そのような作業環境の悪い場所での作業とな
るため、衛生面でも大きい問題となる。
【0004】(2)樹脂の供給をスプレーで行っている
ため、樹脂溶剤や架橋剤の周囲への拡散、飛散が多く、
作業環境を悪化させる。また、スプレーで噴射される樹
脂にチョップドストランドを乗せて吹き付けるため、チ
ョップドストランドの供給に用いるロービングカッター
をスプレーの近傍に配置しスプレーと一緒に移動させね
ばならず、このため防爆仕様の電気モータに比べて軽量
なエアモータを使用しているが、エアモータはロービン
グへの負荷変化による回転速度の変化が大きく、ロービ
ング切れなどチョップドストランドの供給不良が起こり
やすい。更に、チョップドストランドをスプレーされた
樹脂に乗せて、マンドレルの外周面に横方向から吹き付
けているため、使用しうるチョップドストランドの長さ
をあまり長くできず(通常、1インチが限度)、補強効
果が低いばかりでなく、マンドレルに吹き付けられたチ
ョップドストランドの一部が吹き付け時の衝撃でマンド
レルから脱落し、無駄になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題点
に鑑みてなされたもので、マンドレルに対してすだれ状
強化繊維基材を作業者による手作業をほとんど必要とせ
ず巻付けることを可能とした、FRP製円筒物の製造方
法及びそれに使用する装置を提供することを目的とす
る。
【0006】また、本発明は、マンドレル表面に対する
樹脂の供給にスプレーを用いず、その代わりに流下或い
は滴下を利用することによって、溶剤等の周囲への拡
散、飛散を最小限とし、しかも、長いチョップドストラ
ンドの使用を可能とし且つそのほとんどを有効に使用す
ることのできる、FRP製円筒物の製造方法及びそれに
使用する装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、マンドレルの
外周面に巻き付けるための連続強化繊維基材に、巻付け
に先立って流動状態の樹脂を含浸させ、その上に、多数
の強化繊維を横方向に配列し、縦方向に配列した糸で綴
って全体を帯状としたすだれ状強化繊維基材を引き出し
ながらセットし、その後、そのすだれ状強化繊維基材を
連続強化繊維基材と共にマンドレルの外周面に巻付ける
ことを特徴とする。
【0008】また、本発明は、マンドレルの外周面に巻
き付ける連続強化繊維基材を、マンドレルの側方から下
側に巻き込まれるように供給し、該マンドレルの頂部に
強化繊維のチョップドストランドを供給すると共に流動
状態の樹脂を流下又は滴下によって供給し、そのチョッ
プドストランドと樹脂の供給位置のすぐ下流において、
供給されたチョップドストランドと樹脂の上に脱泡ロー
ラを押し付けて樹脂含浸及び脱泡を行うことを特徴とす
る。
【0009】本発明に用いる連続強化繊維基材は、全体
が帯状をなし、且つ多数の連続した強化繊維が長手方向
に配列されたものであり、それに使用する繊維として
は、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維等、樹脂の補
強に使用しうる任意のものを使用できる。また、すだれ
状強化繊維基材は、多数の強化繊維を横方向に配列し、
縦方向に配列した糸で綴って全体を帯状としたものであ
り、それに使用する繊維としても、ガラス繊維、カーボ
ン繊維、金属繊維等、樹脂の補強に使用しうる任意のも
のを使用できる。使用する樹脂は、従来よりFRP製円
筒物に使用しているものを適宜使用でき、通常は不飽和
ポリエステル樹脂、ときにエポキシ樹脂などが用いられ
る。
【0010】
【作用】上記したように、連続強化繊維基材に樹脂を含
浸させ、その上にすだれ状強化繊維基材をセットする
と、そのすだれ状強化繊維基材は連続強化繊維基材に樹
脂の粘着力によって接着する。このため、すだれ状強化
繊維基材が連続強化繊維基材と一体に挙動することとな
り、連続強化繊維基材を、それに適当な張力を加えなが
らマンドレル外周面にらせん状に巻付けることにより、
すだれ状強化繊維基材をマンドレル外周面に規則正しく
巻付けることができ、すだれ状強化繊維基材の巻付けの
自動化が可能となる。
【0011】また、本発明では連続強化繊維基材をマン
ドレルの下側に向けて巻くことにより、マンドレル頂部
にチョップドストランド及び樹脂を供給することが可能
となる。すなわち、マンドレル頂部にチョップドストラ
ンド及び樹脂を供給した後、その上に直ちに連続強化繊
維基材を巻付けることができる。また、マンドレル頂部
にチョップドストランド及び樹脂を供給することによ
り、チョップドストランドや樹脂をスプレーで吹き付け
る必要がなくなり、チョップドストランドは自重で落下
させ、樹脂は流下或いは滴下で供給できる。このため、
樹脂をスプレーする場合に比べて樹脂溶剤やスチレンの
拡散、飛散が格段に低下し、作業環境の悪化を防止でき
る。更に、ストランドカッターの駆動機構に防爆仕様の
電気モータを使用することが容易となり、それによりロ
ービング切れなどの供給不良を生じることがなくなる。
また、マンドレル上面にチョップドストランドを供給し
ているので、自重で供給でき、このため使用するチョッ
プドストランドの長さに制限がなく、ランダムに分散可
能な長さのチョップドストランドを使用できるととも
に、供給したチョップドストランドのほとんどを有効に
利用できる。更に、チョップドストランドと樹脂の供給
位置のすぐ下流において、供給されたチョップドストラ
ンドと樹脂の上に脱泡ローラを押し付けて樹脂含浸及び
脱泡を行うことにより、樹脂含浸脱泡作業をスムーズに
行うことができ、このため、機械的強度に優れた製品を
得ることができ、また、マンドレルの頂部に供給された
チョップドストランドがマンドレルの下面側に移動する
前に脱泡ローラで樹脂含浸されるためマンドレル表面に
良好に保持され、マンドレルの下面領域を通過する際に
も脱落するということがほとんどなく、供給されたチョ
ップドストランド及び樹脂のほとんどを有効に利用でき
る。
【0012】
【実施例】以下、図面に示す本発明の実施例を説明す
る。図1は本発明の一実施例によるFRP製円筒物の製
造装置を示すものである。図1において、3は成形すべ
き円筒物の内径にほぼ等しい外径の外周面を有するマン
ドレルであり、それを矢印A方向に回転させる装置(図
示せず)に連結されている。このマンドレル3の側方に
は、マンドレル3の軸線に平行にレール4が配置され、
その上に台車5が乗っている。
【0013】台車5には、多数のガラスロービング等の
連続強化繊維6を供給する巻取体を保持或いは載置させ
るためのクリール或いはラック(図示せず)が設けられ
ており、且つ、その多数の連続強化繊維6を引き揃え、
更にテンションをかけて連続強化繊維基材7とする引き
揃え装置8が設けられている。このクリール或いはラッ
ク及び引き揃え装置8は、マンドレルに巻付けるための
連続強化繊維基材を繰り出す連続強化繊維基材供給装置
を構成する。なお、これらのクリール或いはラックは必
ずしも台車5に設ける必要はなく、台車の側方に設置し
てもよい。台車5上には更に、連続強化繊維基材7をマ
ンドレル3の外周面に巻付けるように案内するガイドロ
ーラ10と、そのガイドローラ10の上流で走行中の連
続強化繊維基材7に流動状態の樹脂を含浸させる含浸槽
11が設けられている。ガイドロール10の位置は、マ
ンドレル3の下向きに移動する側部に近接した位置とし
ている。これにより、連続強化繊維基材7を回転中のマ
ンドレル7に対して、その側方から下側に巻き込むこと
ができる。
【0014】含浸槽11には、連続強化繊維基材7の樹
脂含浸率を調節することができるよう、樹脂液を出た連
続強化繊維基材7を絞る絞り圧調整可能な絞り装置と、
含浸を確実とするための送り用バーと、連続強化繊維基
材7を構成する連続強化繊維6が樹脂液に入る時と出る
時に絡み合わないように1本1本を通すようになったコ
ーム等が設けられている。
【0015】連続強化繊維基材7の走行位置の上方に
は、樹脂含浸された連続強化繊維基材7の上面にすだれ
状強化繊維基材1を連続的に供給するすだれ状強化繊維
基材供給装置13が設けられている。このすだれ状強化
繊維基材1は、図4に示すように、適当な長さのガラス
ロービング1aを平行に配列し、糸1bで帯状に綴った
もので、巻取ロール1Aの形態で供給されるようになっ
ている。すだれ状強化繊維基材1の幅は、連続強化繊維
基材7の幅にほぼ等しく選定されている。
【0016】図1において、すだれ状強化繊維基材供給
装置13は、マンドレル3に平行な軸15aを中心とし
て回転可能な回転板15と、その回転板15に円周方向
に等間隔に取付けられた4本のスピンドル16を有して
おり、そのスピンドル16にそれぞれ、すだれ状強化繊
維基材1の巻取ロール1Aを装着可能となっている。各
スピンドル16は、保持した巻取ロール1Aから引き出
されるすだれ状強化繊維基材1に適当な張力を付与しう
るよう、ブレーキが掛けられる構成となっている。ま
た、そのスピンドル16の幅方向の位置は、保持した巻
取ロール1Aが連続強化繊維基材7の真上に位置するよ
うに定められている。これにより、巻取ロール1Aから
引き出したすだれ状強化繊維基材1をその下を走行する
連続強化繊維基材7に重ね合わせることができる。マン
ドレル3に巻付けるすだれ状強化繊維基材1は、4個の
スピンドル16に保持された巻取ロール1Aの内、軸1
5aの真下にある巻取ロール1A(位置Pの巻取ロール
1A)から引き出されるが、他の巻取ロールもそれぞれ
回転板15を回転させることによりその位置Pに移動可
能である。回転板15には、その回転板15を手動で回
転させ、各スピンドル16を作動位置Pに移動させた際
に、その位置に回転板15を固定する割出し機構が設け
られている。なお、回転板15を手動で回転させる代わ
りに、適当なモータによって駆動し且つ所定位置に停止
させる機構を設けてもよい。
【0017】ガイドローラ10の下方には、押えローラ
18が設けられている。この押えローラ18はエアシリ
ンダ19で作動されるレバー20に保持されており、エ
アシリンダ19の駆動力によりマンドレル3の外周面に
押し付けられるようになっている。
【0018】台車5は更に、その上方に支持フレーム2
2を有しており、その上に、ロービングカッター24と
その駆動装置25等を有するチョップドストランド供給
装置23が取付けられている。このロービングカッター
24は、マンドレル3の頂部の上方に配置されており、
ガラスロービング27を切断してチョップドストランド
28とし、そのチョップドストランド28をマンドレル
3の頂部に落下させて供給するように配置されている。
駆動装置25には防爆仕様の電気モータが用いられる。
そのチョップドストランド28の落下位置の近傍両側に
は、樹脂供給ノズル30が、支持フレーム22に保持さ
れて設けられ、流動状態の樹脂31を流下或いは滴下し
て供給するようになっている。この樹脂供給ノズル30
は、図3(a)、(b)、(c)に示すように、単に角
パイプ30aの一つの面に多数の孔30bを設けたもの
であり、その角パイプ30aに供給した流動状態の樹脂
を多数の孔30bから流下或いは滴下させてマンドレル
3の頂部に供給することができる。なお、樹脂供給ノズ
ル30としては、図3に示すものに限らず適宜変更可能
であり、例えば、パイプの長手方向に、細長のスリット
を設け、そのスリットより樹脂を膜状に流下させるよう
にしたもの、上部を開放した逆三角形断面の樋の一方の
側縁を他方の側縁より低くし、その側縁から樹脂をオー
バーフローさせて樋の外面に沿って流し、下端部(逆三
角形断面の下端の頂点部分)から膜状に流下させるよう
にしたもの等を用いてもよい。また、樹脂供給ノズル3
0は、チョップドストランド28の落下位置の片側のみ
に設けてもよい。
【0019】図1において、マンドレル3に対するチョ
ップドストランド28及び樹脂31の供給位置の下流
に、マンドレル3の外周面に押し付けられる脱泡ローラ
33が設けられている。この脱泡ローラ33は支点34
を中心として揺動可能なレバー35に取付けられてお
り、且つそのレバー35にはエアシリンダ36が連結さ
れている。かくして、脱泡ローラ33を自重またはエア
シリンダ36によってマンドレル3に押し付けることが
できる。
【0020】台車5には、その台車5をマンドレル3の
軸線方向に移動させる駆動装置が設けられており、マン
ドレル3に連続強化繊維基材7及びすだれ状強化繊維基
材1を巻付ける際に、その巻付けに連動して台車5をマ
ンドレル3に沿って移動させるようになっている。この
台車5の移動により、マンドレル3に対する連続強化繊
維基材7及びすだれ状強化繊維基材1の巻付け位置、チ
ョップドストランド28及び樹脂31の供給位置、脱泡
ローラ33の押し付け位置等をマンドレルの軸線方向に
移動させ、マンドレル3の外周面にらせん状に強化繊維
及び樹脂を供給できる。従って、台車5及びその駆動装
置は、マンドレルの外周面に巻付けられる連続強化繊維
基材の巻付け位置、チョップドストランド及び樹脂の供
給位置、脱泡ローラの押し付け位置等をマンドレルの軸
線方向に移動させるトラバース装置を構成する。なお、
台車5の代わりにマンドレル3を軸線方向に移動させる
装置を設け、その装置をトラバース装置としてもよい。
【0021】台車5には作業ステージ38が設けられて
いる。この作業テスージ38は床面より1m程度高い位
置に形成されており、これにより、不飽和ポリエステル
樹脂の成形時にスチレンが周囲に拡散してもそのスチレ
ンが比重が大きいことによって床上に滞留するため、作
業者にあまり悪影響を与えることがない。
【0022】次に、上記構成のFRP製円筒物の製造装
置により、ガラス繊維強化ポリエステル樹脂成形品を製
造する動作を説明する。図1において、マンドレル3は
矢印A方向に一定速度で回転している。そのマンドレル
3の頂部に、樹脂供給ノズル30が液状樹脂(不飽和ポ
リエステル樹脂)を流下又は滴下する。同時に、チョッ
プドストランド供給装置23のロービングカッター24
がガラスロービング27を切断してチョップドストラン
ド28とし、落下させる。これにより、マンドレル3表
面には、液状樹脂とチョップドストランドとが供給され
る。次に、チョップドストランドと樹脂の混合物はマン
ドレル3の回転により脱泡ローラ33の下を通過し、そ
の際、脱泡ローラ33によってマンドレル表面に押し付
けられ含浸及び脱泡が行われる。
【0023】ここで、マンドレル3の外周面に対して液
状樹脂31が流下又は滴下によって供給されるため、従
来のスプレーする場合に比べて周囲への飛散量がはるか
に少なく、このためスチレンが周囲に拡散する量が極め
て少ない。このため、作業環境の悪化が少ない。また、
ロービングカッター24の駆動装置として、防爆仕様の
電気モータを使用することにより、エアモータを使用す
る場合よりもカッターの作動が確実で、ロービング供給
不良を生じることがなくなる。更に、ロービングカッタ
ー24からのチョップドストランド28は単に自重で落
下してマンドレル3の表面に供給されるので、チョップ
ドストランド長を長くしても支障がなく、このため2イ
ンチ程度のチョップドストランドを使用できる。これは
補強効果を向上させる。また、マンドレル3表面に落下
したチョップドストランドは液状樹脂に付着し且つ脱泡
ローラ33によってマンドレル表面に押し付けられ含浸
及び脱泡が行われるので、マンドレル表面に良好に保持
され、マンドレル3の下面領域を通過中にも脱落するこ
とがなく、ほとんどのチョップドストランドを有効に使
用できる。
【0024】チョップドストランドと樹脂との混合物を
供給されたマンドレル表面が、マンドレル3の回転によ
り移動し、ガイドローラ10の位置を通過すると、その
上にガイドローラ10を経て引き出される連続強化繊維
基材7とすだれ状強化繊維基材1とが巻付けられる。こ
の連続強化繊維基材7は、クリール(図示せず)から引
き出された多数のガラスロービングである連続強化繊維
6が引き揃え装置8によって所定幅になるように引き揃
えられたものであり、その後、含浸槽11の樹脂液内に
浸漬され、所定の樹脂含浸率となるように樹脂が付与さ
れている。一方、図2にも示すように、すだれ状強化繊
維基材1はすだれ状強化繊維基材供給装置13のスピン
ドル16に取付けられた巻取ロール1Aから引き出さ
れ、樹脂含浸した連続強化繊維基材7上に供給されてい
る。このため、すだれ状強化繊維基材1は連続強化繊維
基材7に含浸樹脂の粘着力により接着され、その状態で
マンドレル3の外周面に巻付けられる。ここで、すだれ
状強化繊維基材1には、たるみやゆがみを生じることな
く連続強化繊維基材7上に接合されるよう、スピンドル
16のブレーキにより適当な張力が加えられている。
【0025】マンドレル3の外周面にすだれ状強化繊維
基材1と連続強化繊維基材7とが巻付けられた後、その
上を押えローラ18が押えつけ、これにより樹脂の含浸
及び脱泡が行われる。
【0026】以上の動作中、台車5はマンドレル3に対
して軸線方向に、マンドレル3の回転と連動して移動し
ており、これにより、マンドレル3に対して、チョップ
ドストランド、すだれ状強化繊維基材1及び連続強化繊
維基材7がらせん状に巻付けられる。
【0027】ここで、連続強化繊維基材7は大きい張力
を加えながらガイドローラ10で案内しながらマンドレ
ル3の外周に巻き付けるので、そのガイドローラ10を
マンドレル3の軸線方向に移動させながら巻付けても、
所望の位置に正確に巻き付けることができる。その連続
強化繊維基材7にすだれ状強化繊維基材1を接合させた
状態ですだれ状強化繊維基材1をマンドレル3に巻付け
るので、すだれ状強化繊維基材1も正確に巻付けること
が可能であり、その巻付け位置を作業者が修正する必要
はない。もし、すだれ状強化繊維基材1のみをガイドロ
ーラ10を経てマンドレル3に巻付けようとすると、す
だれ状強化繊維基材1には大きい張力を加えることがで
きず且つ横方向に不安定なため、マンドレルへの巻付け
位置が変動して良好な巻付けができないが、本実施例の
ように構成することによって、その欠点を解消できる。
【0028】マンドレル3へのすだれ状強化繊維基材1
の巻付け中、すだれ状強化繊維基材1を繰り出し中の巻
取ロール1Aが無くなると、作業者が回転板15を回転
させて別のスピンドル16に保持させている巻取ロール
1Aを位置Pに移動させ、その巻取ロール1Aからのす
だれ状強化繊維基材1の先端を、その下を走行中の連続
強化繊維基材7の表面に接着させる。その後は、そのす
だれ状強化繊維基材1が連続強化繊維基材7で引き出さ
れ、マンドレル3表面に巻付けられる。このように、巻
取ロール1Aの切り換えのみを手動操作することによ
り、マンドレル3の外周面にチョップドストランド2
8、すだれ状強化繊維基材1、連続強化繊維基材7及び
樹脂を供給できる。しかも、巻取ロール1Aの切り換え
を行う位置はマンドレル3から離れた位置であるので、
マンドレル表面から拡散するスチレンの濃度が低く、作
業者に悪影響を与えることが少ない。
【0029】以上のようにして、マンドレル3の外周面
にチョップドストランド28と樹脂31を供給し更にそ
の上にすだれ状強化繊維基材1及び樹脂含浸した連続強
化繊維基材7を巻き付けた後、樹脂の硬化を行い、その
後マンドレルから外す。これにより、チョップドストラ
ンド、すだれ状強化繊維基材、連続強化繊維基材からな
る複合繊維で補強されたFRP製円筒物が成形される。
得られた製品は、円周方向、軸線方向ともに優れた強度
を備えている。
【0030】なお、上記実施例は、チョップドストラン
ド、すだれ状強化繊維基材、連続強化繊維基材からなる
複合繊維で補強され、且つ内面側にチョップドストラン
ドを配置したFRP製円筒物を製造する場合のものであ
るが、本発明はこの場合に限らず、種々変更可能であ
る。例えば、チョップドストランド28と樹脂31の供
給位置をマンドレル3の軸線方向に少しずらせ、チョッ
プドストランド28と樹脂31を、マンドレル3に巻付
けたすだれ状強化繊維基材1と連続強化繊維基材7の上
に供給するように構成してもよい。この場合には、外周
面側にチョップドストランドを配置したFRP製円筒物
が得られる。また、チョップドストランドと樹脂を、す
だれ状強化繊維基材1と連続強化繊維基材7の内面側、
外面側の両方に供給する構成とすることにより、内外面
にチョップドストランドを配置したFRP製円筒物が得
られる。
【0031】更に、すだれ状強化繊維基材の供給を行わ
ない構成とすることも可能であり、その場合にはチョッ
プドストランドと連続強化繊維基材で補強したFRP製
円筒物が得られる。なお、この場合には円筒物の軸線方
向の補強効果を増すため、連続強化繊維基材をマンドレ
ルに巻付ける際のトラバース速度を早くし、且つ往復さ
せることにより、連続強化繊維基材を軸線方向に対して
斜めに繊維が走るようにすることが好ましい。また、チ
ョップドストランド28と樹脂31の供給を行わず、す
だれ状強化繊維基材1と連続強化繊維基材7のみをマン
ドレル3の外周面に巻付け、その後、樹脂を硬化させる
ことにより、すだれ状強化繊維基材と連続強化繊維基材
のみで補強したFRP製円筒物が得られる。
【0032】上記実施例は、すだれ状強化繊維基材1を
供給する供給ロール1Aの切り換えを手動操作で行う場
合を説明したが、この作業を自動化することにより、マ
ンドレルへの樹脂及び補強材の供給をすべて自動化する
ことも可能である。
【0033】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、マンドレルの外周面に巻き付けるための連続強化繊
維基材に、巻付けに先立って流動状態の樹脂を含浸さ
せ、その上にすだれ状強化繊維基材を引き出しながらセ
ットし、その後そのすだれ状強化繊維基材を連続強化繊
維基材と共にマンドレルの外周面に巻付けることによ
り、マンドレルに対して所定位置に巻付けることの困難
なすだれ状強化繊維基材をマンドレル外周面の所望位置
にきれいに巻付けることができ、従来のようにすだれ状
強化繊維基材をマンドレルに対して人手で位置調整しな
がら供給するという作業を無くし、作業環境の悪い場所
での作業量を大幅に削減できるという効果を有してい
る。
【0034】また、本発明は、マンドレルの外周面に巻
き付ける連続強化繊維基材を、マンドレルの側方から下
側に巻き込まれるように供給し、該マンドレルの頂部に
強化繊維のチョップドストランドを供給すると共に流動
状態の樹脂を流下又は滴下によって供給する構成とする
ことにより、従来のようにチョップドストランド及び樹
脂をスプレーで吹き付ける必要がなくなり、樹脂溶剤や
架橋剤(例えばスチレン)の拡散、飛散を大幅に低下さ
せ作業環境の悪化を防止でき、しかも、長い長さのチョ
ップドストランドを使用できるとともに、供給したチョ
ップドストランドのほとんどを有効に利用できる等の効
果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるFRP製円筒物の製造
装置を示す概略断面図
【図2】図1の製造装置によってマンドレルにすだれ状
強化繊維基材と連続強化繊維基材を巻付ける状態を説明
する要部の概略斜視図
【図3】(a)は図1の製造装置に用いる樹脂供給ノズ
ルの断面図 (b)はその樹脂供給ノズルの底面図 (c)はその端面図
【図4】すだれ状強化繊維基材を示す概略斜視図
【符号の説明】
1 すだれ状強化繊維基材 1A 巻取ロール 3 マンドレル 4 レール 5 台車 6 連続強化繊維 7 連続強化繊維基材 8 引き揃え装置 10 ガイドローラ 11 含浸槽 13 すだれ状強化繊維基材供給装置 15 回転板 16 スピンドル 18 押えローラ 23 チョップドストランド供給装置 24 ロービングカッタ 28 チョップドストランド 30 樹脂供給ノズル 31 樹脂 33 脱泡ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 105:06 B29L 23:00 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 70/16 B29C 70/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続強化繊維基材を連続的に送りながら
    その連続強化繊維基材に流動状態の樹脂を含浸させ、そ
    の上に、多数の強化繊維を横方向に配列し、縦方向に配
    列した糸で綴って全体を帯状としたすだれ状強化繊維基
    材を引き出しながらセットし、両者を回転しているマン
    ドレルの外周面に巻付け、その後樹脂を硬化させること
    を特徴とするFRP製円筒物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記連続強化繊維基材とすだれ状強化繊
    維基材を、回転中の前記マンドレルの外周面に対してそ
    の側方から下側に巻き込まれるように供給し、該マンド
    レルの頂部に強化繊維のチョップドストランドを供給す
    ると共に流動状態の樹脂を流下又は滴下によって供給
    し、供給されたチョップドストランドと樹脂の上に脱泡
    ローラを押し付けて樹脂含浸及び脱泡を行うことを特徴
    とする請求項1記載のFRP製円筒物の製造方法。
  3. 【請求項3】 連続強化繊維基材を回転中のマンドレル
    の外周面に対して、その側方から下側に巻き込まれるよ
    うに供給し、該マンドレルの頂部に強化繊維のチョップ
    ドストランドを供給すると共に流動状態の樹脂を流下又
    は滴下によって供給し、そのチョップドストランドと樹
    脂の供給位置のすぐ下流において、供給されたチョップ
    ドストランドと樹脂の上に脱泡ローラを押し付けて樹脂
    含浸及び脱泡を行い、その後樹脂を硬化させることを特
    徴とするFRP製円筒物の製造方法。
  4. 【請求項4】 マンドレルと、そのマンドレルを回転さ
    せる装置と、該マンドレルに巻付けるための連続強化繊
    維基材を繰り出す連続強化繊維基材供給装置と、該連続
    強化繊維基材をマンドレル外周面に巻き付けるように案
    内するガイドローラと、該ガイドローラの上流で走行中
    の連続強化繊維基材に樹脂を含浸させる含浸槽と、樹脂
    含浸された連続強化繊維基材の上面にすだれ状強化繊維
    基材を連続的に供給するすだれ状強化繊維基材供給装置
    と、前記マンドレルの外周面に巻付けられる連続強化繊
    維基材及びすだれ状強化繊維基材の巻付け位置をマンド
    レルの軸線方向に移動させるトラバース装置とを有する
    FRP製円筒物の製造装置。
  5. 【請求項5】 更に、前記マンドレルの頂部にチョップ
    ドストランドを供給するチョップドストランド供給装置
    と、前記マンドレルの頂部に流動状態の樹脂を流下又は
    滴下によって供給する樹脂供給ノズルと、前記チョップ
    ドストランド及び樹脂の供給位置の下流において前記マ
    ンドレルの外周面に押し付けられる脱泡ローラと、前記
    マンドレルに対するチョップドストランド及び樹脂の供
    給位置、脱泡ローラの押し付け位置をマンドレルの軸線
    方向に移動させるトラバース装置を有することを特徴と
    する請求項4記載のFRP製円筒物の製造装置。
  6. 【請求項6】 マンドレルと、そのマンドレルを回転さ
    せる装置と、該マンドレルに巻付けるための連続強化繊
    維基材を繰り出す連続強化繊維基材供給装置と、該連続
    強化繊維基材をマンドレル外周面に巻き付けるように案
    内するガイドローラと、前記マンドレルの頂部にチョッ
    プドストランドを供給するチョップドストランド供給装
    置と、前記マンドレルの頂部で且つ前記チョップドスト
    ランド供給装置によるチョップドストランド供給位置の
    近傍両側に流動状態の樹脂を流下又は滴下によって供給
    する樹脂供給ノズルと、前記チョップドストランド及び
    樹脂の供給位置のすぐ下流において前記マンドレルの外
    周面に押し付けられる脱泡ローラと、前記マンドレルの
    外周面に巻付けられる連続強化繊維基材の巻付け位置、
    チョップドストランド及び樹脂の供給位置、脱泡ローラ
    の押し付け位置をマンドレルの軸線方向に移動させるト
    ラバース装置とを有するFRP製円筒物の製造装置。
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