JP2990149B2 - メカニカルシール - Google Patents

メカニカルシール

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JP2990149B2
JP2990149B2 JP10089045A JP8904598A JP2990149B2 JP 2990149 B2 JP2990149 B2 JP 2990149B2 JP 10089045 A JP10089045 A JP 10089045A JP 8904598 A JP8904598 A JP 8904598A JP 2990149 B2 JP2990149 B2 JP 2990149B2
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英二 奥町
聡史 藤原
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Nippon Pillar Packing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転機器の本体ケ
ーシングにおける回転軸貫通部分に取り付けられたシー
ルケースと、回転機器の回転軸に固定された回転密封環
と、シールケースに回転密封環に対向して軸線方向移動
可能に保持された静止密封環とを具備して、両密封環の
対向端面たる密封端面の相対回転部分においてシール機
能を発揮させるように構成されたメカニカルシールに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、乳酸菌飲料等の発酵製品を製造
する場合に使用される竪形の発酵処理用攪拌機101
は、図4に示す如く、発酵槽を構成する本体ケーシング
102の上面部に原動機支持枠103を立設し、原動機
支持枠103の上端部に原動機(減速機付きモータ等)
104を取り付け、原動機104に直結されると共に原
動機支持枠103にベアリング105を介して回転自在
に支持された攪拌軸たる回転軸106を、本体ケーシン
グ102を貫通して機内(醗酵槽内)107に垂下させ
てなり、機内107を発酵温度に維持させた状態で、回
転軸106の下端側部分に設けた攪拌翼108により機
内107の被処理物を攪拌させることにより、被処理物
の発酵処理を行なうように構成されている。
【0003】かかる攪拌機101にあっては、伝統的
に、本体ケーシング102の回転軸貫通部分102aと
回転軸106との間をグランドパッキンにより軸封して
いたが、グランドパッキンが高温に晒されること等によ
り劣化し易いことから、長期に亘って良好な軸封機能を
維持することができず、機内107で発生する発酵ガス
等が漏出して、周辺環境が悪化するといった問題があっ
た。また、頻繁なパッキン交換を余儀なくされる等のメ
ンテナンス上の問題もあった。
【0004】そこで、近時、図4に示す如く、本体ケー
シング102の回転軸貫通部分102aと回転軸106
との間の軸封手段としてメカニカルシール109を使用
することが提案されている。
【0005】すなわち、このメカニカルシール109
は、回転軸貫通部分102aに取り付けられたシールケ
ースと、回転軸106に固定された回転密封環と、シー
ルケースに回転密封環に対向して軸線方向移動可能に保
持された静止密封環と、シールケースと静止密封環との
間に介装されて静止密封環を回転密封環へと押圧附勢す
る附勢部材とを具備するものであり、両密封環の対向端
面たる密封端面の相対回転部分において機内107をシ
ールするように構成されたものである。
【0006】このように構成されたメカニカルシール1
09によれば、グランドパッキンを使用した場合のよう
な問題を生じず、機内107を良好にシールすることが
できる。
【0007】ところで、かかるメカニカルシール109
にあっては、周知のように、シールケースに設けられた
静止密封環と回転軸106に設けられた回転密封環との
相対位置を適正に保持しておくこと、つまり両密封環の
対向端面である密封端面の平行度や同心度を適正に保持
しておくことが、良好なシール機能を発揮させる上で極
めて重要である。したがって、シールケースを、これに
設けられる静止密封環が回転軸106と同心をなす状態
で、本体ケーシング102に取り付けておく必要があ
り、シールケースの本体ケーシング102への取り付け
には極めて高い精度が要求される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなシ
ールケースの取り付け精度を確保するためには、シール
ケースの取り付け面及びこれが取り付けられる本体ケー
シング102の取り付け面の加工精度に加えて、高度の
取り付け作業能力が必要となることから、ややもすれ
ば、密封端面の平行度や同心度が適正に維持されず、良
好なシール機能が発揮されない虞れがあった。
【0009】また、シールケースの取り付け精度が高い
場合にも、回転軸106が回転に伴って軸振れを生じる
ときには、両密封端面の相対位置が変化して、その平行
度や同心度が維持されず、シール機能が損なわれたり、
喪失したりする虞れがあった。特に、上記した攪拌機1
01における如く、回転軸106がその上端側のみをベ
アリング105で支持された片持状の支持構造をなすも
のである場合には、軸振れは甚だしく、良好なシール機
能は到底期待し得ない。実際、密封端面の平行度,同心
度が必要不可欠であるメカニカルシール109は、激し
い軸振れを生じる回転機器の軸封には使用されていな
い。
【0010】本発明は、このような点に鑑みて、シール
ケースの取り付け精度を確保することが困難な回転機器
や構造,機能上から不可避的に軸振れが生じる回転機器
においても、良好なシール機能を発揮することができる
メカニカルシールを提供することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】この課題を解決した本発
明のメカニカルシールは、回転機器の本体ケーシングに
おける回転軸貫通部分に取り付けられたシールケース
と、回転機器の回転軸に固定された回転密封環と、シー
ルケースに回転密封環に対向して軸線方向移動可能に保
持された静止密封環と、シールケースと静止密封環との
間に介装されて静止密封環を回転密封環へと押圧附勢す
る附勢部材と、シールケースと回転軸とを相対回転自在
に且つ径方向に相対変位不能に連結する連結部材と、シ
ールケース及び静止密封環を貫通して両密封環の対向端
面たる密封端面間に開口する一連のガス通路と、機内の
圧力より高圧のシールガス又は滅菌ガスを選択的にガス
通路に供給し、該ガス通路から密封端面間に噴出させる
ガス噴出機構とを具備して、通常運転時においては、シ
ールガスを密封端面間に噴出させることにより、密封端
面間を非接触状態に保持させつつ、密封端面の相対回転
部分においてシール機能を発揮させると共に、滅菌作業
時においては、シールガスに代えて滅菌ガスを密封端面
間に噴出させることにより、少なくともガス通路及び密
封端面を滅菌処理するように構成したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
〜図3に基づいて具体的に説明する。
【0013】この実施の形態は、本発明を図4に示す発
酵処理用攪拌機101のメカニカルシール109に適用
した例に係る。
【0014】すなわち、この実施の形態におけるメカニ
カルシール109は、図1及び図2に示す如く、発酵槽
を構成する本体ケーシング102の回転軸貫通部分10
2aに取り付けたシールケース1と、シールケース1及
び回転軸貫通部分102aを貫通して機内(本体ケーシ
ング102で構成される発酵槽の内部)107へと延び
る攪拌軸たる回転軸106とシールケース1とを相対回
転自在に且つ径方向に相対運動不能に連結する連結部材
2と、シールケース1内に配して回転軸106に固定し
た回転密封環3と、シールケース1に回転密封環3に対
向して軸線方向移動自在に設けられた静止密封環4と、
シールケース1と静止密封環4との間に介装されて、静
止密封環4を回転密封環3へと押圧附勢する附勢部材5
と、シールケース1及び静止密封環3を貫通して両密封
環3,4の対向端面たる密封端面31,41間に開口す
る一連のガス通路6と、シールガス71又は滅菌ガス7
2を選択的にガス通路6から密封端面31,41間に噴
出させるガス噴出機構7と、ガス71,72を排出する
ドレン機構8とを具備して、両密封端面31,41をそ
の間に発生させたシールガス71による静圧により非接
触状態に保持しつつ、両密封環3,4の相対回転部分に
おいて、その外周側領域である機内107をシールする
ように構成された外部加圧形の非接触シールである。
【0015】シールケース1は、図1に示す如く、円筒
状の本体部11と、本体部11の下端側部分に形成され
たリテーナ部12,13,14と、本体部11の下端部
に設けられた環状のフランジ部15とを具備してなり、
フランジ部15により、回転軸106を同心状に囲繞す
る状態で本体ケーシング102の回転軸貫通部分102
aに取り付けられている。リテーナ部は、円筒状の外側
保持部12と内側保持部13とを環状の背面壁部14で
連結した、下方開口状の二重筒構造をなしている。
【0016】連結部材2は、図1に示す如く、シールケ
ース1の本体部11の上端部分と回転軸106に嵌合固
着された円筒状のスリーブ106aとの間に装填された
ベアリングで構成されており、シールケース1と回転軸
106とを相対回転自在に且つ径方向及び軸線方向に相
対変位不能に連結している。なお、シールケース1の本
体部11と回転軸106のスリーブ106aとの間に
は、連結部材たるベアリング2の上下に配したオイルシ
ール21,21により密閉された潤滑空間23が形成さ
れていて、本体部11に形成した潤滑通路24から潤滑
空間23に注入した潤滑材(グリース等)25によりベ
アリング2を潤滑させるように工夫されている。
【0017】回転密封環3は、図1及び図2に示す如
く、スリーブ106aの下端部に、これに一体形成した
環状鍔部106bとスリーブ106aの下端側部分に嵌
合固着した円筒状の固定用スリーブ106cとを介し
て、軸線方向移動不能に且つ相対回転不能に嵌合固定さ
れている。
【0018】静止密封環4は、図1及び図2に示す如
く、その下端面たる静止密封端面41を回転密封環3の
上端面たる回転密封端面31に同心状に直対向させた状
態で、シールケース1に軸線方向移動自在に且つ相対回
転不能に保持されている。すなわち、静止密封環4の外
周部は、上下方向に所定間隔を隔てて並列する一対の第
一Oリング91,91を介在させた二次シール状態で、
リテーナ部の外側保持部12の内周部に上下移動自在に
保持されている。また、静止密封環4の内周部は、第二
Oリング92を介在させた二次シール状態で、リテーナ
部の内側保持部13の外周部に上下移動自在に保持され
ている。また、静止密封環4は、図1に示す如く、その
上端面部たる背面部に係合凹部42に穿設して、この係
合凹部42にリテーナ部の背面壁部14に植設した回り
止めピン43を係合させることによって、一定範囲での
軸線方向移動つまり上下移動が許容された状態で、シー
ルケース1に対する相対回転が阻止されている。
【0019】附勢部材5は、図1及び図2に示す如く、
静止密封環4の背面部とリテーナ部の背面壁部14との
間に介挿された一又は複数のコイルスプリング(一のみ
図示)で構成されていて、静止密封環4を回転密封環3
へと押圧附勢するものである。
【0020】ガス通路6は、図1〜図3に示す如く、静
止密封環4の外周部と外側保持部12の内周部との間に
形成された空間であって、上下の第一Oリング91,9
1によってシールされた環状の連絡空間61と、シール
ケース1の外周部から外側保持部12を貫通して連絡空
間61に至るケース側通路62と、静止密封端面41に
形成された複数の静圧発生溝63…と、静止密封環4を
貫通して、連絡空間61から静圧発生溝63…に至る密
封環側通路64とからなる。図3に示す如く、静圧発生
溝63…は、静止密封端面41と同心の環状をなして並
列する円弧状凹溝であり、また密封環側通路64の下流
端部は分岐されていて、その分岐部分64aが各静圧発
生溝63に開口されている。
【0021】ガス噴出機構7は、図1に示す如く、適宜
のシールガス供給源73から導かれており、下流端がケ
ース側通路62に接続されたシールガス供給管74と、
シールガス供給管74に配設されたシールガス供給弁7
4a、圧力調整弁74b、フィルタ74c及び逆止弁7
4dと、適宜の滅菌ガス供給源75から導かれており、
下流端がシールガス供給管74における逆止弁74dよ
り下流部分に分岐接続された滅菌ガス供給管76と、滅
菌ガス供給管76に配設された滅菌ガス供給弁76a及
び逆止弁76bとを具備して、機内107の圧力より高
圧のシールガス71又は滅菌ガス72を選択的にガス通
路6に供給させるように構成されている。
【0022】すなわち、メカニカルシール109による
軸封機能が必要とされる通常運転時においては、シール
ガス供給弁74aを開操作させると共に滅菌ガス供給弁
76aを閉操作させることにより、機内107の圧力よ
り高圧のシールガス71を、シールガス供給管74から
ケース側通路62、連絡空間61、密封環側通路64を
経て静圧発生溝63…に供給して、両密封端面31,4
1間にこれを非接触状態に保持する静圧を発生させるよ
うになっている。シールガス71としては、機内107
に洩れて支障のないガスが使用され、この例では窒素ガ
スが使用されている。
【0023】また、メカニカルシール109による軸封
機能が必要とされない運転停止時であって、機内107
の滅菌作業が行われる場合には、滅菌ガス供給弁76a
を開操作させると共にシールガス供給弁74aを閉操作
させることにより、適当圧力(例えば、シールガス71
と同等圧)の滅菌ガス72を、滅菌ガス供給管76から
シールガス供給管74の下流部分(滅菌ガス供給管76
の分岐接続箇所より下流側の部分)、ケース側通路6
2、連絡空間61及び密封環側通路64を経て静圧発生
溝63…に供給するようになっている。滅菌ガス72と
しては、機内107の滅菌処理に使用される滅菌ガスと
同一のものが使用され、この例では高温水蒸気(スチー
ム)が使用されている。なお、滅菌ガス供給源75とし
ては、機内107の滅菌処理システムにおける滅菌ガス
供給源が兼用されている。また、この例では、シールケ
ース1の外側保持部12にこれを貫通する滅菌ガス通路
76cを形成すると共に、この滅菌ガス通路76cを滅
菌ガス供給管76に接続して、滅菌ガス供給管76から
供給される滅菌ガスたるスチーム72の一部を密封環
3,4の衝合部分の外周面に向けて噴出させるように工
夫してある。
【0024】ドレン機構8は、図1及び図2に示す如
く、シールケース1の内部空間であって、密封端面3
1,41及び下部のオイルシール21により機内107
及び潤滑空間23と遮蔽されたドレン空間81と、ドレ
ン空間81に配してスリーブ106aに固着されたスリ
ンガ82と、シールケース1の本体部11を貫通してド
レン空間81の下端側に開口する排出口83とを具備す
る。スリンガ82の外周縁部には、環状突起82aが下
方に向けて突設されている。この環状突起82aの内周
部には、背面壁14の内周縁部に上方に向けて突設した
環状突起14aの上端部が突入されている。排出口83
は、上下方向において、環状突起14a,82aに対応
する位置に開口されている。ドレン機構8によれば、密
封端面31,41間からドレン空間81に流出したガス
71,72は、両環状突起14a,82a間を通って排
出口83から排出されるが、環状突起82aにより排出
口83へと積極的に誘導されて、排出口83から排出さ
れずに上方へと流動することが殆どなく、排出口83か
らのガス排出が迅速且つ円滑に行なわれる。したがっ
て、例えば高温のスチーム72が排出口83より上方に
流動することにより、オイルシール21が高温に晒され
て劣化するといったような問題を生じることがない。
【0025】ところで、メカニカルシール109の各構
成部材(スリーブ106a,106cを含む)は、発酵
処理温度,衛生面を考慮して、SUS316等の金属材
で構成されている。但し、密封環3,4の構成材はシー
ル条件等に応じて適宜に選定される。この例では、回転
密封環3はSUS316で構成されており、その密封端
面31はCrO2 等のセラミックコーティング層で構成
されている。静止密封環4はカーボンで構成されてい
る。
【0026】以上のように構成されたメカニカルシール
109によれば、冒頭で述べた如き問題を生じることな
く、機内107を良好にシールさせることができる。
【0027】すなわち、当該攪拌機101による発酵処
理が行われる通常運転時においては、シールガス供給弁
74aを開操作させると共に滅菌ガス供給弁76aを閉
操作して、シールガス71をガス通路6から密封端面3
1,41間に供給させると、密封端面31,41間にこ
れを開く方向に作用する開力が発生することになる。こ
の開力は、静圧発生溝63…に供給されたシールガス7
1によって発生する静圧によるものである。したがっ
て、密封端面31,41は、この開力と密封端面31,
41間を閉じる方向に作用する閉力(静止密封環4を回
転密封環3へと押圧附勢するスプリング5によるもの)
とがバランスする非接触状態に保持される。そして、シ
ールガス71が機内107の圧力より高圧であることか
ら、機内107の流体(発酵ガス等)は密封端面31,
41間に侵入せず、機内107が完全にシールされるこ
とになり、周辺環境を悪化させる虞れは全くない。
【0028】このとき、密封端面31,41を非接触状
態に保持しつつ機内107をシールさせることから、密
封端面31,41の接触による磨耗粉が機内107に侵
入するようなことがなく、衛生的なシール機能が発揮さ
れる。また、シールガス71は密封端面31,41間か
ら機内107に漏洩することになるが、シールガス71
が機内107に漏洩しても支障のない窒素ガスであるこ
とから、シールガス71の機内107への漏洩を許容す
ることによる問題も生じない。なお、シールガス71の
供給は攪拌機101の運転中において継続して行われる
が、攪拌機101の運転(回転軸106の駆動)は、シ
ールガス71の供給が開始されて密封端面31,41間
が適正な非接触状態に保持された後において、開始され
る。また、シールガス71の供給停止は、攪拌機101
の運転停止後であって回転軸106が完全に停止した後
に行われる。
【0029】ところで、静圧発生溝63…に供給された
シールガス71により、密封端面31,41間にこれを
適正な非接触状態に保持するための静圧を発生させて、
良好なシール機能を発揮させるためには、密封端面3
1,41の平行度や同心度が維持されることが必要であ
る。かかる密封端面31,41の平行度,同心度は、両
密封端面を相対回転摺接させることによってシール機能
を発揮させる端面接触形のメカニカルシールでも必要と
されるが、上記した非接触形のメカニカルシール109
においては、かかる端面接触形のメカニカルシール以上
に必要とされ、より高度の平行度,同心度が要求され
る。
【0030】而して、本発明に係るメカニカルシール1
09にあっては、上記した如く、シールケース1と回転
軸106とが連結部材たるベアリング2により相対回転
自在に且つ径方向における相対変位不能に連結されてい
るから、軸振れを生じた場合にも、回転軸106に設け
られた回転密封環3とシールケース1に設けられた静止
密封環4との相対位置関係が変動せず、一定に保持され
る。したがって、密封端面31,41の平行度,同心度
が適正に維持されて、良好なシール機能を発揮すること
ができる。しかも、回転軸106は、本体ケーシング1
02の回転軸貫通部分102aにおいても、これに取り
付けられたシールケース1及びベアリング2を介して、
軸受支持されることになるから、つまり本体ケーシング
102から離れた箇所で軸受105されるのみならず本
体ケーシング102に近接した箇所でも軸受支持2され
ることになるから、回転翼108…による攪拌抵抗に伴
う軸振れを可及的に抑制することができ、攪拌機能の向
上を図ることができる。また、シールケース1が回転軸
106にベアリング2により連結されることから、シー
ルケース1と回転軸106との相対位置関係がベアリン
グ2により一定に保持され、シールケース1の本体ケー
シング102への取り付け精度の確保も容易となる。
【0031】また、医薬品,食品の製造に使用される攪
拌機,混合機等の回転機器においては一般に高度の衛生
管理が必要とされ、上記した発酵処理用の攪拌機101
にあっても、かかる衛生管理上、機内107を定期的に
或いは必要に応じて滅菌ガス(スチーム)72による滅
菌処理を施しておく必要があるが、かかる滅菌作業時に
おいては、スチーム72をガス通路6に供給させること
により、機内107に臨むメカニカルシール部分をも良
好に滅菌することができる。
【0032】すなわち、回転軸106が停止した状態に
おいて、滅菌ガス供給弁76aを開操作させると共にシ
ールガス供給弁74aを閉操作して、スチーム72をガ
ス通路6に供給すると、スチーム72はガス通路6を通
って静圧発生溝63…に至り、密封端面31,41間を
通過して機内107及びドレン空間81へと噴出する。
このとき、密封端面31,41は接触状態にあるが、ガ
ス通路6に供給されるスチーム72はシールガス71と
同等の高圧ガスであるから、シールガス71を供給させ
た場合と同様に、スチーム72は密封端面31,41を
開きつつ機内107及びドレン空間81へと噴出するこ
とになる。
【0033】したがって、ガス通路6内は勿論、接触状
態にある密封端面31,41についてもスチーム72が
万遍なく接触して、スチーム72による滅菌が良好に行
われる。また、密封端面31,41間から機内107へ
と噴出したスチーム72は、機内107に臨むメカニカ
ルシール部分(密封環3,4の外周面等)に接触しつつ
機内107へと流動することから、当該メカニカルシー
ル部分についても良好な滅菌が行われる。なお、当該メ
カニカルシール部分の滅菌は、滅菌ガス通路76cから
密封環3,4の衝合部分の外周面に向けて噴出されるス
チーム72によって、更に良好に行われることになる。
【0034】なお、本発明に係るメカニカルシール10
9は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、
本発明の基本原理を逸脱しない範囲において適宜に変
更,改良することができる。
【0035】例えば、ガス通路6の適所(密封環側ガス
通路64等)にオリフィス,毛細管,多孔質部材等の絞
り器を設けて、密封端面31,41間の隙間が自動調整
されるように構成しておいてもよい。すなわち、回転機
器(攪拌機101)の振動等により密封端面31,41
間の隙間が大きくなったときは、静圧発生溝63…から
密封端面31,41間に流出するシールガス量と絞り器
を通って静圧発生溝63…に供給されるシールガス量と
が不均衡となり、静圧発生溝63…内の圧力が低下し
て、開力が閉力より小さくなるため、密封端面31,4
1間の隙間が小さくなるように変化して、その隙間が適
正なものに調整される。逆に、密封端面31,41間の
隙間が小さくなったときは、上記したと同様の作用によ
り静圧発生溝63…内の圧力が上昇して、開力が閉力よ
り大きくなり、密封端面31,41間の隙間が大きくな
るように変化して、その隙間が適正なものに調整され
る。また、静圧発生溝63の形状も任意であり、例えば
密封端面41と同心環状をなす凹溝で構成するようにし
てもよい。
【0036】
【0037】
【発明の効果】以上の説明から容易に理解されるよう
に、本発明のメカニカルシールにあっては、静止密封環
が設けられるシールケースと回転密封環が設けられる回
転軸とを、ベアリング等の連結部材を介して、相対回転
自在に且つ径方向に相対変位不能に連結したから、密封
端面の相対位置関係が軸振れ等によって変動せず、一定
に保持される。したがって、密封端面の平行度,同心度
が適正に維持されて、良好なシール機能が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るメカニカルシールの一例を示す縦
断側面図である。
【図2】図1の要部の拡大図である。
【図3】当該メカニカルシールにおける静止密封環の密
封端面を示す正面図である。
【図4】当該メカニカルシールが装備された回転機器の
一例を示す概略の縦断側面図である。
【符号の説明】1…シールケース、2…ベアリング(連
結部材)、3…回転密封環、4…静止密封環、5…附勢
部材(コイルスプリング)、6…ガス通路、7…ガス噴
出機構、31,41…密封端面、71…窒素ガス(シー
ルガス)、72…スチーム(滅菌ガス)、101…攪拌
機(回転機器)、102…本体ケーシング、102a…
回転軸貫通部分、106…回転軸、107…機内、10
9…メカニカルシール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−199375(JP,A) 特開 平6−17789(JP,A) 特開 昭54−41382(JP,A) 特開 昭47−12817(JP,A) 実開 昭56−124442(JP,U) 実開 平2−99293(JP,U) 特公 昭51−24591(JP,B2) 特表 平5−506296(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16J 15/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転機器の本体ケーシングにおける回転
    軸貫通部分に取り付けられたシールケースと、 回転機器の回転軸に固定された回転密封環と、 シールケースに回転密封環に対向して軸線方向移動可能
    に保持された静止密封環と、 シールケースと静止密封環との間に介装されて静止密封
    環を回転密封環へと押圧附勢する附勢部材と、 シールケースと回転軸とを相対回転自在に且つ径方向に
    相対変位不能に連結する連結部材と、 シールケース及び静止密封環を貫通して両密封環の対向
    端面たる密封端面間に開口する一連のガス通路と、機内の圧力より高圧の シールガス又は滅菌ガスを選択的
    ガス通路に供給し、該ガス通路から密封端面間に噴出
    させるガス噴出機構とを具備して、 通常運転時においては、シールガスを密封端面間に噴出
    させることにより、密封端面間を非接触状態に保持させ
    つつ、密封端面の相対回転部分においてシール機能を発
    揮させると共に、滅菌作業時においては、シールガスに
    代えて滅菌ガスを密封端面間に噴出させることにより、
    少なくともガス通路及び密封端面を滅菌処理するように
    構成したことを特徴とするメカニカルシール。
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