JP2989303B2 - 繊維処理剤 - Google Patents

繊維処理剤

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JP2989303B2
JP2989303B2 JP3099442A JP9944291A JP2989303B2 JP 2989303 B2 JP2989303 B2 JP 2989303B2 JP 3099442 A JP3099442 A JP 3099442A JP 9944291 A JP9944291 A JP 9944291A JP 2989303 B2 JP2989303 B2 JP 2989303B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維処理剤に関する。
さらに詳しくは、抗菌、防臭、柔軟化、帯電防止作用を
有し、かつ安全性の高い繊維処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維の抗菌、防臭には、第4級ア
ンモニウム塩、塩素系有機化合物などが使用されていた
(例えば、特開昭62−69883号公報、特開昭62
−177284号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、それらは、効
果の持続性面において充分に満足し得るものとはいえ
ず、特に皮膚に触れた場合の安全性という面においては
満足し得るものとはいえなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の一般式
(I)
【0005】
【化2】
【0006】〔式中、R1 、R2 、R3 のうち少なくと
も1つは炭素数8〜24のアルキル基、炭素数8〜24
のアルケニル基またはR5 CONR6 −B−(R5 は炭
素数7〜23のアルキル基または炭素数7〜23のアル
ケニル基で、R6 は水素またはメチル基、Bは炭素数2
〜6のアルキレン)であり、残りは炭素数1〜3のアル
キル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基またはベ
ンジル基である。Aは炭素数2〜3のヒドロキシアルキ
レンまたは炭素数2〜3のアルキレンで、R4 はペプチ
ドを構成するアミノ酸の側鎖であり、nは1〜30であ
る〕
【0007】で示されるN−第4級アンモニウム誘導ペ
プチドまたはアミノ酸が、繊維処理剤として用いた場合
に優れた抗菌、防臭、柔軟化、帯電防止作用を有し、か
つ安全性が高いということを見出すことによって、完成
されたものである。
【0008】上記一般式(I)で示されるN−第4級ア
ンモニウム誘導ペプチドまたはアミノ酸は、ペプチドま
たはアミノ酸と、例えば下記の一般式(II)
【0009】
【化3】
【0010】〔式中のR1 、R2 、R3 は前記一般式
(I)の場合と同じであり、XはCl、Br、I、NO
3 、SO4 /2またはR7 OSO3 (R7 は低級アルキ
ル基を示す)である〕で示されるグリシジルアンモニウ
ム塩、または下記の一般式(III)
【0011】
【化4】
【0012】〔式中のR1 、R2 、R3 およびXは前記
一般式(II)の場合と同じであり、YはCl、Br、I
などのハロゲン原子を示す〕で示される3−ハロゲン−
2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩、または下記の
一般式(VI)
【0013】
【化5】
【0014】〔式中のR1 、R2 、R3 、XおよびYは
前記一般式(III)の場合と同じである〕で示される3
−ハロゲンプロピルアンモニウム塩、または下記の一般
式(V)
【0015】
【化6】
【0016】〔式中のR1 、R2 、R3 、XおよびYは
前記一般式(III)の場合と同じである〕で示される2
−ハロゲンエチルアンモニウム塩のいずれかを反応させ
ることによって得られる。
【0017】上記ペプチドやアミノ酸は、天然産の蛋白
質(タンパク)、例えばコラーゲンまたはその変性物で
あるゼラチン、ケラチン、絹(シルク)、カゼイン、真
珠コンキオリン、大豆タンパク、小麦タンパク、卵白や
卵黄のタンパクなどの動植物タンパクや、リン酸エステ
ル、脂肪、糖などを含む複合タンパクなどを、酸、アル
カリ、酵素などで加水分解することによって得られる。
【0018】上記ペプチドやアミノ酸は、天然のタンパ
クより誘導されるものであって、皮膚に対する刺激性が
少なく安全である。また、上記ペプチドやアミノ酸は、
例えば羊毛の構成タンパクであるケラチンなどと同様ま
たは類似の化学構造を有していて、そのアミノ基やカル
ボキシル基、あるいは各種アミノ酸の側鎖によって、羊
毛などの繊維に吸着する性質を有している。
【0019】そして、前記一般式(I)で示されるN−
第4級アンモニウム誘導ペプチドまたはアミノ酸は、上
記ペプチドやアミノ酸を前記一般式(II)〜(V)で示
されるアンモニウム塩のいずれかと反応させることによ
って第4級化しているので、繊維に対する大きな吸着性
を有していて、特に羊毛、絹などの動物性繊維に対する
吸着性が優れている。
【0020】しかも、その第4級化を、N(チッ素)原
子に高級アルキル基、高級アルケニル基などを導入した
第4級アンモニウム塩により行っているので、それらの
高級アルキル基、高級アルケニル基による親油性部分の
増加によって界面活性能を有していて、マイルドなカチ
オン性界面活性剤として働き、抗菌、防臭作用を有して
いる。
【0021】また、上記のように、N原子に高級アルキ
ル基、高級アルケニル基などを導入した第4級アンモニ
ウム塩で第4級化しているので、低級アルキル基を導入
した第4級アンモニウム塩により第4級化した場合以上
に繊維に対する吸着性が向上し、かつ、上記の高級アル
キル基、高級アルケニル基などによる親油性部分の増加
によって繊維を柔軟化する作用も優れている。さらに、
繊維同士の摩擦も少なくなるので、帯電を防止する作用
もある。
【0022】しかも、上記一般式(I)で示されるN−
第4級アンモニウム誘導ペプチドまたはアミノ酸は、天
然のタンパクより誘導されるペプチドまたはアミノ酸を
第4級したものであるから、従来の第4級アンモニウム
塩などに比べて安全性が高く、皮膚に直接触れても何ら
問題を生じず、それらを繊維処理剤として使用した場合
に問題となる皮膚への刺激性が大幅に低減する。
【0023】本発明の一般式(I)で示されるN−第4
級アンモニウム誘導ペプチドまたはアミノ酸からなる繊
維処理剤は、天然繊維、人造セルロース繊維、タンパク
繊維、合成繊維のいずれにも適用でき、それらに対し
て、抗菌、防臭、柔軟化作用を発揮する。特に天然繊
維、人造セルロース繊維、タンパク繊維やそれらを含む
混紡繊維に対する効果が優れている。
【0024】上記の天然繊維としては、例えば羊毛(ウ
ール)、カシミア毛、アンゴラ毛、モヘア毛、絹(シル
ク)、ガチョウ、アヒル、ニワトリなどの羽毛、綿、麻
などが挙げられる。人造セルロース繊維としては、例え
ばビスコースレーヨン、人絹、アセテート、キュプラ、
再生セルロース(ケン化繊維)などが挙げられる。
【0025】タンパク繊維としては、例えばカゼイン、
大豆タンパク、絹などの再生によって得られる繊維が挙
げられる。合成繊維としては、例えばビニロン、ナイロ
ン、アクリル、ポリエステルなどが挙げられる。
【0026】処理する際の繊維の形態としては、繊維そ
のもの自身、繊維製品、例えばフィラメント、糸、織
物、編物、不織布、さらには毛皮製品、生きたペット用
動物、ハクセイ(剥製)などの獣毛、カツラ用毛髪な
ど、種々のものが挙げられる。
【0027】本発明の一般式(I)で示されるN−第4
級アンモニウム誘導ペプチドまたはアミノ酸からなる繊
維処理剤を用いて繊維を処理するには、例えば上記一般
式(I)で示されるN−第4級アンモニウム誘導ペプチ
ドまたはアミノ酸を0.02〜40重量%、好ましくは
0.05〜5重量%の水溶液にし、液温を室温〜100
℃に保ちつつ、その中に繊維を1〜60分間程度浸漬す
ることによって行われる。
【0028】処理は、通常、繊維を洗浄した後、行われ
る(例えば、洗濯機で洗濯したあと、洗濯槽中で処理す
ればよい)。処理の際に、アニオン、ノニオン、カチオ
ン、両性界面活性剤、ポリマービルダー、油剤、香料な
どを併用することも可能である。
【0029】前記一般式(I)で示されるN−第4級ア
ンモニウム誘導ペプチドまたはアミノ酸において、その
ペプチド部分の側鎖がR4 で示されるアミノ酸として
は、アラニン、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイ
シン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、セリ
ン、トレオニン、メチオニン、アルギニン、ヒスチジ
ン、リシン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミ
ン、グルタミン酸、シスチン、トリプトファン、ヒドロ
キシプロリン、ヒドロキシリシン、O−ホスホセリンな
どが挙げられる。
【0030】代表的なペプチドについて、そのアミノ酸
組成の一例を示すと表1〜表3の通りである。ただし、
通常、タンパク質のアミノ酸分析にあたっては、アミノ
酸分析を行う前に試料の完全加水分解を6N塩酸を用い
て行うので、その完全加水分解によってアスパラギンと
グルタミンのアミド結合は加水分解されてそれぞれアス
パラギン酸とグルタミン酸になり、例えばO−ホスホセ
リンはセリンになる。そのため、表1〜表3では、アス
パラギン、グルタミン、O−ホスホセリンなどはそれぞ
れアスパラギン酸、グルタミン酸、セリンに加算されて
表示されており、また、トリプトファンは加水分解によ
って分解し消失するため、定量することができず、した
がって表1〜表3には表示されていない。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】また、アミノ酸としては、上記ペプチド部
分におけるR4 で示されるアミノ酸と同様のものが用い
られる。ペプチドまたはアミノ酸を得るためのタンパク
の加水分解は、酸、アルカリまたは酵素によって行われ
る。
【0035】酸加水分解に際しては、塩酸、硫酸、リン
酸、硝酸、臭化水素酸などの無機酸、酢酸、ギ(蟻)酸
などの有機酸が用いられる。アルカリ加水分解に際して
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムな
どが用いられる。
【0036】また、酵素による加水分解に際しては、ペ
プシン、プロクターゼA、プロクターゼBなどの酸性タ
ンパク分解酵素、パパイン、ブロメライン、サーモライ
シン、トリプシン、プロナーゼ、キモトリプシンなどの
中性タンパク分解酵素などが使用される。また、スブチ
リシン、スタフィロコッカスプロテアーゼなどの菌産性
の中性タンパク分解酵素も使用できる。酵素の使用に際
しては、それらの菌産性タンパク分解酵素を含む菌体、
あるいは酵素または酵素を含む菌体を固定化した膜、粒
体などの状態で使用に供することもできる。
【0037】例えば、コラーゲン、ケラチン、絹、カゼ
インなどのタンパクの加水分解については、特開昭61
−69717号公報、特開昭63−105000号公報
などにその詳細が示されている。
【0038】上記のような酸、アルカリまたは酵素によ
る加水分解によって得られるペプチドまたはアミノ酸と
しては、一般式(I)におけるnが1〜30(ただし、
nの値は平均値であり、このnが1〜30ということ
は、ペプチドまたはアミノ酸の平均分子量で約100〜
約5,000に相当する)になるようにされる。これは
nが30を超えると水溶性が低下して取り扱いにくくな
り、また繊維への吸着性が低下するからである。
【0039】一般式(I)で示されるN−第4級アンモ
ニウム誘導ペプチドは、前記のように、ペプチドまたは
アミノ酸と一般式(II)〜(V)で示されるアンモニウ
ム塩との反応によって得られる。それらの反応式を示す
と次のとおりである。なお、反応式を示すにあたって、
ペプチドは次の一般式(VI)で示す。
【0040】
【化7】
【0041】 ペプチドまたはアミノ酸と一般式(I
I)で示されるグリシジルアンモニウム塩との反応
【0042】
【化8】
【0043】 ペプチドまたはアミノ酸と一般式(II
I)で示される3−ハロゲン−2−ヒドロキシプロピル
アンモニウム塩との反応
【0044】
【化9】
【0045】 ペプチドまたはアミノ酸と一般式(V
I)で示される3−ハロゲンプロピルアンモニウム塩と
の反応
【0046】
【化10】
【0047】 ペプチドまたはアミノ酸と一般式
(V)で示される2−ハロゲンエチルアンモニウム塩と
の反応
【0048】
【化11】
【0049】反応の進行と終了は、アミノ基への反応に
ついてファン・スレーク(VanSlyke)法によ
り、反応液中のペプチドのアミノ態チッ素を測定するこ
とによって確認することができる。反応が終了したの
ち、反応液は、適宜濃縮あるいはイオン交換樹脂、ゲル
濾過、電気透析などによって精製した上で、適宜濃縮し
て、固体あるいは濃縮液の状態として用いることができ
る。
【0050】上記のように、ペプチドまたはアミノ酸と
の反応に使用される一般式(II)で示されるグリシジル
アンモニウム塩、一般式(III)で示される3−ハロゲ
ン−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩、一般式
(IV)で示される3−ハロゲンプロピルアンモニウム
塩、一般式(V)で示される2−ハロゲンエチルアンモ
ニウム塩について、その具体例を示すと次のとおりであ
る。
【0051】一般式(II)で示されるグリシジルアンモ
ニウム塩としては、グリシジルラウリルジメチルアンモ
ニウムクロライド、グリシジルミリスチルジメチルアン
モニウムクロライド、グリシジルセチルジメチルアンモ
ニウムクロライド、グリシジルステアリルジメチルアン
モニウムクロライド、グリシジルラウリルジメチルアン
モニウムブロマイド、グリシジルミリスチルジメチルア
ンモニウムブロマイド、グリシジルセチルジメチルアン
モニウムブロマイド、グリシジルステアリルジ
【0052】メチルアンモニウムブロマイド、グリシジ
ルデシルジメチルアンモニウムクロライド、グリシジル
エイコシルジメチルアンモニウムクロライド、グリシジ
ルデシルジメチルアンモニウムブロマイド、グリシジル
エイコシルジメチルアンモニウムブロマイド、グリシジ
ルラウリルジベンジルアンモニウムクロライド、グリシ
ジルセチルジベンジルアンモニウムクロライド、グリシ
ジルステアリルジベンジルアンモニウムクロライド、グ
リシジルラウリルジエタノールアンモニウムクロライ
ド、グリシジルセチルジエタノールアンモニウムクロラ
イド、グリシジルス
【0053】テアリルジエタノールアンモニウムクロラ
イド、グリシジルジラウリルメチルアンモニウムクロラ
イド、グリシジルジセチルメチルアンモニウムクロライ
ド、グリシジルジステアリルメチルアンモニウムクロラ
イド、グリシジルジラウリルエタノールアンモニウムク
ロライド、グリシジルジセチルエタノールアンモニウム
クロライド、グリシジルジステアリルエタノールアンモ
ニウムクロライドなどが用いられる。
【0054】一般式(III)で示される3−ハロゲン−
2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩としては、ラウ
リル (3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル) ジメチル
アンモニウムクロライド、ミリスチル(3−クロロ−2
−ヒドロキシプロピル) ジメチルアンモニウムクロライ
ド、セチル(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)ジ
メチルアンモニウムクロライド、ステアリル(3−クロ
ロ−2−ヒドロキシプロピル) ジメチルアンモニウムク
ロライド、デシル(3−クロロ−2−ヒドロキ
【0055】シプロピル) ジメチルアンモニウムクロラ
イド、エイコシル(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピ
ル) ジメチルアンモニウムクロライド、ラウリル(3−
クロロ−2−ヒドロキシプロピル) ジメチルアンモニウ
ムブロマイド、ミリスチル(3−クロロ−2−ヒドロキ
シプロピル) ジメチルアンモニウムブロマイド、セチル
(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル) ジメチルアン
モニウムブロマイド、ステアリル(3−クロロ−2−ヒ
ドロキシプロピル) ジメチルアンモニウムブロマ
【0056】イド、ラウリル(3−クロロ−2−ヒドロ
キシプロピル) ジベンジルアンモニウムクロライド、ミ
リスチル(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル) ジベ
ンジルアンモニウムクロライド、セチル(3−クロロ−
2−ヒドロキシプロピル) ジベンジルアンモニウムクロ
ライド、ステアリル(3−クロロ−2−ヒドロキシプロ
ピル) ジベンジルアンモニウムクロライド、ラウリル
(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル) ジエタノール
アンモニウムクロライド、ミリスチル(3−クロロ
【0057】−2−ヒドロキシプロピル) ジエタノール
アンモニウムクロライド、セチル(3−クロロ−2−ヒ
ドロキシプロピル) ジエタノールアンモニウムクロライ
ド、ステアリル(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピ
ル)ジエタノールアンモニウムクロライド、ジラウリル
(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル) メチルアンモ
ニウムクロライド、ジミリスチル(3−クロロ−2−ヒ
ドロキシプロピル) メチルアンモニウムクロライド、ジ
セチル(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル) メ
【0058】チルアンモニウムクロライド、ジステアリ
ル(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル) メチルアン
モニウムクロライド、ラウリル(3−ブロモ−2−ヒド
ロキシプロピル) ジメチルアンモニウムクロライド、ミ
リスチル(3−ブロモ−2−ヒドロキシプロピル) ジメ
チルアンモニウムクロライド、セチル(3−ブロモ−2
−ヒドロキシプロピル) ジメチルアンモニウムクロライ
ド、ステアリル(3−ブロモ−2−ヒドロキシプロピ
ル) ジメチルアンモニウムクロライドなどが用いられ
る。
【0059】一般式(IV)で示される3−ハロゲンプロ
ピルアンモニウム塩としては、ラウリル(3−クロロプ
ロピル) ジメチルアンモニウムクロライド、ミリスチル
(3−クロロプロピル) ジメチルアンモニウムクロライ
ド、セチル(3−クロロプロピル) ジメチルアンモニウ
ムクロライド、ステアリル(3−クロロプロピル) ジメ
チルアンモニウムクロライド、デシル(3−クロロプロ
ピル) ジメチルアンモニウムクロライド、エイコシル
(3−クロロプロピル) ジメチルアンモニウムク
【0060】ロライド、ラウリル(3−クロロプロピ
ル) ジメチルアンモニウムブロマイド、ミリスチル(3
−クロロプロピル) ジメチルアンモニウムブロマイド、
セチル(3−クロロプロピル) ジメチルアンモニウムブ
ロマイド、ステアリル(3−クロロプロピル) ジメチル
アンモニウムブロマイド、ラウリル(3−クロロプロピ
ル) ジベンジルアンモニウムクロライド、ミリスチル
(3−クロロプロピル) ジベンジルアンモニウムクロラ
イド、セチル(3−クロロプロピル) ジベンジルアン
【0061】モニウムクロライド、ステアリル(3−ク
ロロプロピル) ジベンジルアンモニウムクロライド、ラ
ウリル(3−クロロプロピル) ジエタノールアンモニウ
ムクロライド、ミリスチル(3−クロロプロピル) ジエ
タノールアンモニウムクロライド、セチル(3−クロロ
プロピル) ジエタノールアンモニウムクロライド、ステ
アリル(3−クロロプロピル) ジエタノールアンモニウ
ムクロライド、ジラウリル(3−クロロプロピル) メチ
ルアンモニウムクロライド、ジミリスチル(3−
【0062】クロロプロピル) メチルアンモニウムクロ
ライド、ジセチル(3−クロロプロピル) メチルアンモ
ニウムクロライド、ジステアリル(3−クロロプロピ
ル) メチルアンモニウムクロライド、ラウリル(3−ブ
ロモプロピル) ジメチルアンモニウムクロライド、ミリ
スチル(3−ブロモプロピル) ジメチルアンモニウムク
ロライド、セチル(3−ブロモプロピル) ジメチルアン
モニウムクロライド、ステアリル(3−ブロモプロピ
ル) ジメチルアンモニウムクロライドなどが用いられ
る。
【0063】また、一般式(V)で示される2−ハロゲ
ンエチルアンモニウム塩としては、ラウリル(2−クロ
ロエチル) ジメチルアンモニウムクロライド、ミリスチ
ル(2−クロロエチル) ジメチルアンモニウムクロライ
ド、セチル(2−クロロエチル) ジメチルアンモニウム
クロライド、ステアリル(2−クロロエチル) ジメチル
アンモニウムクロライド、デシル(2−クロロエチル)
ジメチルアンモニウムクロライド、エイコシル(2−ク
ロロエチル) ジメチルアンモニウムクロライド
【0064】、ラウリル(2−クロロエチル) ジメチル
アンモニウムブロマイド、ミリスチル(2−クロロエチ
ル) ジメチルアンモニウムブロマイド、セチル(2−ク
ロロエチル) ジメチルアンモニウムブロマイド、ステア
リル(2−クロロエチル) ジメチルアンモニウムブロマ
イド、ラウリル(2−クロロエチル) ジベンジルアンモ
ニウムクロライド、ミリスチル(2−クロロエチル) ジ
ベンジルアンモニウムクロライド、セチル(2−クロロ
エチル) ジベンジルアンモニウムクロライド、ス
【0065】テアリル(2−クロロエチル) ジベンジル
アンモニウムクロライド、ラウリル(2−クロロエチ
ル) ジエタノールアンモニウムクロライド、ミリスチル
(2−クロロエチル) ジエタノールアンモニウムクロラ
イド、セチル(2−クロロエチル) ジエタノールアンモ
ニウムクロライド、ステアリル(2−クロロエチル) ジ
エタノールアンモニウムクロライド、ジラウリル(2−
クロロエチル) メチルアン
【0066】モニウムクロライド、ジミリスチル(2−
クロロエチル) メチルアンモニウムクロライド、ジセチ
ル(2−クロロエチル) メチルアンモニウムクロライ
ド、ジステアリル(2−クロロエチル) メチルアンモニ
ウムクロライド、ラウリル(2−ブロモエチル) ジメチ
ルアンモニウムクロライド、ミリスチル(2−ブロモエ
チル) ジメチルアンモニウムクロライド、セチル(2−
ブロモエチル) ジメチルアンモニウムクロライド、ステ
アリル(2−ブロモエチル) ジメチルアンモニウムクロ
ライドなどが用いられる。
【0067】一般式(I)におけるR1 、R2 、R
3 は、上記一般式(II)で示されるグリシジルアンモニ
ウム塩、一般式(III)で示される3−ハロゲン−2−
ヒドロキシプロピルアンモニウム塩、一般式(IV)で示
される3−ハロゲンプロピルアンモニウム塩、または一
般式(V)で示される2−ハロゲンエチルアンモニウム
塩に由来するものであるが、本発明において、これらR
1 、R2 、R3 のうち少なくとも1つが炭素数8〜24
のアルキル基、炭素数8〜24のアルケニル基またはR
5 CONR6 −B−であることを必要とするのは、繊維
への吸着性が強く、繊維を柔軟にし、帯電を防止し、か
つ抗菌、防臭作用を有する繊維処理剤を得るためであ
る。
【0068】つまり、R1 、R2 、R3 のいずれもが炭
素数8未満のものなどであると、繊維への吸着性が充分
に高くならず、かつ界面活性能が付与されにくいので、
抗菌、防臭作用や、繊維の柔軟化作用、帯電防止作用な
どが充分でなく、また、アルキル基やアルケニル基の炭
素数が24より大きくなると、油性が強すぎて扱いにく
くなり、繊維処理剤として使用したときに処理後の繊維
がベタツクおそれがあるからである。
【0069】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明は実施例のみに限定されるものではない。以下に
おいて、濃度を示す%はいずれも重量%である。
【0070】実施例1 コラーゲンペプチド〔n(一般式(I)におけるn)=
3〕の30%水溶液500gを攪拌下で加温して40℃
に保ち、その中にグリシジルラウリルジメチルアンモニ
ウムクロライドの50%溶液〔水−イソプロピルアルコ
ール(1:1)溶液〕290gを1時間で滴下した。こ
の間、反応液のpHを20%水酸化ナトリウム水溶液を
用いてpH9.5 に保った。40℃で3時間攪拌したの
ち、40℃に保ったまま24時間静置して反応を終了し
た。
【0071】反応液をpH7に中和し、電気透析によっ
て脱塩したのち、減圧濃縮し、N−第4級アンモニウム
誘導ペプチドとしてのN−(3−ラウリルジメチルアン
モニオ−2−ヒドロキシプロピル) コラーゲンペプチド
の30%水溶液を得た。このようにして得られたN−
(3−ラウリルジメチルアンモニオ−2−ヒドロキシプ
ロピル)コラーゲンペプチドを繊維処理剤として用い、
その効果を後記の試験例で評価した。
【0072】なお、得られた反応生成物がN−(3−ラ
ウリルジメチルアンモニオ−2−ヒドロキシプロピル)
コラーゲンペプチドであることは、以下のようにして確
認した。
【0073】 反応前のコラーゲンペプチドのアミノ
態チッ素の総量と反応生成物のアミノ態チッ素の総量を
ファンスレーク法(Van Slyke法)によって測
定したところ、反応前のコラーゲンペプチドのアミノ態
チッ素の総量は484ミリモルで、反応生成物のアミノ
態チッ素の総量は48ミリモルであり、反応によってア
ミノ態チッ素が減少していた。このアミノ態チッ素の減
少は、コラーゲンペプチド中のアミノ基がグリシジルラ
ウリルジメチルアンモニウムクロライドと反応したこと
を示しており、そのアミノ態チッ素の減少量から、コラ
ーゲンペプチドのアミノ態チッ素の90%が反応してい
ることがわかる。
【0074】 以下の条件でゲル濾過を行い、反応前
のコラーゲンペプチドと反応後の生成物の平均分子量を
測定した。 反応前の平均分子量 490 反応後の平均分子量 820 測定条件: カラム:TSK gel G3000PWXL 直径7.8mm×長さ30cm 溶 媒:0.05%トリフロロ酢酸、48%アセトニト
リル−水 流 速: 0.3ml/分 検 出:紫外吸光度検出器 (波長210nm) 標準物質:アプロチニン (MW6500) α−MSH (MW1665) ブラジキニン (MW1060) グルタチオン (MW307)
【0075】上記のような分子量増加は、コラーゲンペ
プチドが反応したときのグリシジルラウリルジメチルア
ンモニウム部の導入による分子量増加によるものと考え
られ、この分子量増加とアミノ態チッ素量の減少から、
コラーゲンペプチドとグリシジルラウリルジメチルアン
モニウムクロライドとが反応して、反応生成物としてN
−(3−ラウリルジメチルアンモニオ−2−ヒドロキシ
プロピル) コラーゲンペプチドが生成していることがわ
かる。
【0076】実施例2 実施例1におけるコラーゲンペプチド水溶液に代えてケ
ラチンペプチド(n=10) の25%水溶液を用い、グ
リシジルラウリルジメチルアンモニウムクロライド溶液
に代えてグリシジルステアリルジメチルアンモニウムク
ロライドの50%溶液〔水−イソプロピルアルコール
(1:1) 溶液〕81gを用いたほかは実施例1と同様
に反応し、同様の操作を経て、N−第4級アンモニウム
誘導ペプチドとしてのN−(3−ステアリルジメチルア
ンモニオ−2−ヒドロキシプロピル) ケラチンペプチド
の25%水溶液を得た。このようにして得られたN−
(3−ステアリルジメチルアンモニオ−2−ヒドロキシ
プロピル)ケラチンペプチドを繊維処理剤として用い、
その効果を後記の試験例で評価した。
【0077】なお、上記反応に供したケラチンペプチド
のアミノ態チッ素の総量は102ミリモルであり、反応
生成物のアミノ態チッ素の総量は12ミリモルで、ケラ
チンペプチドのアミノ態チッ素の86%が反応してい
た。
【0078】また、実施例1と同条件下でゲル濾過法に
より反応前のケラチンペプチドと反応生成物の平均分子
量を測定したところ、反応前のケラチンペプチドの平均
分子量は2200で、反応生成物の平均分子量は280
0であり、この分子量増加と上記アミノ態チッ素の減少
とから、反応生成物がN−(3−ステアリルジメチルア
ンモニオ−2−ヒドロキシプロピル)ケラチンペプチド
であることが確認された。
【0079】実施例3 実施例1におけるコラーゲンペプチド水溶液に代えてカ
ゼインペプチド(n=7)の30%水溶液500gを用
い、グリシジルラウリルジメチルアンモニウムクロライ
ド溶液に代えてグリシジルヤシ油アルキルジメチルアン
モニウムクロライドの50%溶液〔水−イソプロピルア
ルコール(1:1)溶液〕165gを用いたほかは、実
施例1と同様に反応し、同様の操作を経て、N−第4級
アンモニウム誘導ペプチドとしてのN−(3−ヤシ油ア
ルキルジメチルアンモニオ−2−ヒドロキシプロピル)
カゼインペプチドの30%溶液を得た。
【0080】使用されたグリシジルヤシ油アルキルジメ
チルアンモニウムクロライドのヤシ油アルキルは、炭素
数8〜18のアルキルの混合物で、一部炭素数18のア
ルケニルを含んでいる。上記のようにして得られたN−
(3−ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ−2−ヒドロ
キシプロピル)カゼインペプチドを繊維処理剤として用
い、その効果を後記の試験例で評価した。
【0081】なお、上記反応に供したカゼインペプチド
のアミノ態チッ素の総量は185ミリモルであり、反応
生成物のアミノ態チッ素の総量は15ミリモルであっ
て、カゼインペプチドのアミノ態チッ素の92%が反応
していた。
【0082】また、実施例1と同条件下でゲル濾過法に
より反応前のカゼインペプチドと反応生成物の平均分子
量を測定したところ、反応前のカゼインペプチドの平均
分子量は1600で、反応生成物の平均分子量は210
0であり、この分子量増加と上記のアミノ態チッ素の減
少とから、反応生成物がN−(3−ヤシ油アルキルジメ
チルアンモニオ−2−ヒドロキシプロピル) カゼインペ
プチドであることが確認された。
【0083】実施例4実施例1におけるコラーゲンペプ
チド水溶液に代えてシルクペプチド(n=2)の10%
水溶液500gを用い、グリシジルラウリルジメチルア
ンモニウムクロライド溶液に代えてグリシジル牛脂アル
キルジメチルアンモニウムの50%溶液〔水−イソプロ
ピルアルコール(1:1)溶液〕220gを用いたほか
は、実施例1と同様に反応し、同様の操作を経て、N−
第4級アンモニウム誘導ペプチドとしてのN−(3−牛
脂アルキルジメチルアンモニオ−2−ヒドロキシプロピ
ル)シルクペプチドの20%水溶液を得た。このように
して得られたN−(3−牛脂アルキルジメチルアンモニ
オ−2−ヒドロキシプロピル)シルクペプチドを繊維処
理剤として用い、その効果を後記の試験例で評価した。
【0084】なお、上記反応に供したシルクペプチドの
アミノ態チッ素の総量は281ミリモルであり、反応生
成物のアミノ態チッ素の総量は11ミリモルであって、
シルクペプチドのアミノ態チッ素の96%が反応してい
た。
【0085】また、実施例1と同条件下でゲル濾過法に
より反応前のシルクペプチドと反応生成物の平均分子量
を測定したところ、反応前のシルクペプチドの平均分子
量は390で、反応生成物の平均分子量は800であ
り、この分子量増加と上記のアミノ態チッ素の減少とか
ら、反応生成物がN−(3−牛脂アルキルジメチルアン
モニオ−2−ヒドロキシプロピル)シルクペプチドであ
ることが確認された。なお、使用されたグリシジル牛脂
アルキルジメチルアンモニウムの牛脂アルキルは、炭素
数12〜18のアルキルの混合物で一部アルケニルを含
んでいる。
【0086】実施例5 実施例1とは別のコラーゲンペプチド (n=30) の3
0%水溶液500gを用い、グリシジルラウリルジメチ
ルアンモニウムクロライド溶液に代えてグリシジルステ
アリルジメチルアンモニウムクロライドの50%溶液
〔水−イソプロピルアルコール(1:1)溶液〕36g
を用いたほかは、実施例1と同様に反応し、同様の操作
を経て、N−第4級アンモニウム誘導ペプチドとしての
N−(3−ステアリルジメチルアンモニオ−2−ヒドロ
キシプロピル) コラーゲンペプチドの25%水溶液を得
た。このようにして得られたN−(3−ステアリルジメ
チルアンモニオ−2−ヒドロキシプロピル) コラーゲン
ペプチドを繊維処理剤として用い、その効果を後記の試
験例で評価した。
【0087】なお、上記反応に供したコラーゲンペプチ
ドのアミノ態チッ素の総量は48ミリモルであり、反応
生成物のアミノ態チッ素の総量は8ミリモルであって、
コラーゲンペプチドのアミノ態チッ素の84%が反応し
ていた。
【0088】また、実施例1と同条件下でゲル濾過法に
より反応前のコラーゲンペプチドと反応生成物の平均分
子量を測定したところ、コラーゲンペプチドの平均分子
量は9800で、反応生成物の平均分子量は11000
であり、この分子量増加と上記のアミノ態チッ素の減少
とから、反応生成物がN−(3−ステアリルジメチルア
ンモニオ−2−ヒドロキシプロピル) コラーゲンペプチ
ドであることが確認された。
【0089】実施例6 実施例1におけるコラーゲンペプチド水溶液に代えてL
−アルギニン50gを含む水溶液500gを用い、グリ
シジルラウリルジメチルアンモニウムクロライドの50
%溶液〔水−イソプロピルアルコール(1:1)溶液〕
167gを用いたほかは実施例1と同様に反応し、同様
の操作を経て、N−第4級アンモニウム誘導アミノ酸と
してのN−(3−ラウリルジメチルアンモニオ−2−ヒ
ドロキシプロピル)L−アルギニンの30%水溶液を得
た。このようにして得られたN−(3−ラウリルジメチ
ルアンモニオ−2−ヒドロキシプロピル)L−アルギニ
ンを繊維処理剤として用い、その効果を後記の試験例で
評価した。
【0090】なお、上記反応に供したL−アルギニンの
アミノ態チッ素の総量は287ミリモルであり、反応生
成物のアミノ態チッ素の総量は31ミリモルで、L−ア
ルギニンのアミノ態チッ素の89%が反応していた。
【0091】反応前のL−アルギニンの分子量は17
4.2であり、反応生成物の分子量を実施例1と同条件
下でゲル濾過法により測定したところ、反応生成物の平
均分子量は440であり、この分子量増加と上記アミノ
態チッ素の減少とから、反応生成物がN−(3−ラウリ
ルジメチルアンモニオ−2−ヒドロキシプロピル)L−
アルギニンであることが確認された。
【0092】つぎに、上記実施例1〜6で得られたN−
第4級アンモニウム誘導ペプチドまたはアミノ酸の繊維
処理剤としての効果を確認するために、それらの繊維へ
の吸着率、抗菌力試験、柔軟化作用および帯電防止作用
について調べた。その結果を試験例として示す。
【0093】試験例1 実施例1〜6で得られたN−第4級アンモニウム誘導ペ
プチドまたはアミノ酸の繊維への吸着率を調べた結果を
試験例1として示す。試験方法は次に示す通りである。
【0094】実施例1〜6で得られたN−第4級アンモ
ニウム誘導ペプチドまたはアミノ酸の2%水溶液を調製
し、この水溶液1リットルに、綿、羊毛、絹の布(市販
の洗剤を用いて洗濯機で洗濯した後、乾燥した布)20
gを液温40℃でゆるく攪拌しながら15分間浸漬し、
その後、遠心脱水し、乾燥させた。
【0095】処理後の布10gを0.05規定の塩酸を
含む50%メタノール水溶液200mlに24時間浸漬
し、抽出後、抽出液を減圧濃縮し、乾固した後、シリカ
ゲルとカセイソーダを入れたデシケータ中で真空乾燥
し、その時の残査の重量を測定して、実施例1〜6のN
−第4級アンモニウム誘導ペプチドまたはアミノ酸の布
への付着率を調べた。その結果を表4に示す。
【0096】
【表4】
【0097】試験例2 試験例1で処理した布を試験布として用い、AATCC
試験法90(Halo法)改良法により、実施例1〜6
のN−第4級アンモニウム誘導ペプチドまたはアミノ酸
の抗菌力を調べた。試験方法の概略は次の通りである。
【0098】滅菌したAATCC肉汁培地を約45℃に
冷却後、この培地150mlに対し24時間培養後の試
験菌(ブドウ状球菌、肺炎桿菌、大腸菌および白癬菌)
液1mlを接種する。これを滅菌シャーレ内に約15m
lずつ分注して凝固後、径28.6mmの試験布を寒天
平板状に貼付し、37℃で24時間培養する。
【0099】評価は、培養後形成した阻止帯径を測定
し、下記の式により阻止帯の大きさを求めることにより
行う。 W:阻止帯の大きさ(mm) T:試験布の直径と阻止帯の直径の総計(mm) D:試験布の直径(mm)
【0100】阻止帯を形成しなかった場合には、0.0
5重量%水溶液のINT〔2−p−Iodopheny
l)−3−(p−nitrophenyl)−5−ph
enyltetrazolium chloride〕
試薬を直接寒天板上にスプレーして試験布上の菌の生育
の有無を肉眼観察する。ただし、白癬菌の場合は、IN
T試薬を用いずに、試験布上の菌の生育の有無を肉眼観
察する。
【0101】ブドウ状球菌(Staphylococc
us aureusIFO 3060)に対する抗菌力
試験結果を表5〜表6に、肺炎桿菌(Klebsie
pnemoniae IFO 13277)に対する抗
菌力試験結果を表7〜表8に、大腸菌(Escheri
chia coli IFO3301)に対する抗菌力
試験結果を表9〜表10に、白癬菌(Trichoph
yton mentagrophytes IFO 5
466)に対する抗菌力試験結果を表11〜表12に示
す。
【0102】表5〜表12における菌の生育の判定結果
を示す+(プラス)、−(マイナス)の意味は下記の通
りであり、阻止帯の大きさを示す数値の単位はmmであ
る。 + : よく生育した − : 生育阻止
【0103】
【表5】
【0104】
【表6】
【0105】
【表7】
【0106】
【表8】
【0107】
【表9】
【0108】
【表10】
【0109】
【表11】
【0110】
【表12】
【0111】表5〜表12に示すように、実施例1〜6
のN−第4級アンモニウム誘導ペプチドやアミノ酸は、
菌の生育を阻止し、優れた抗菌作用を有していた。
【0112】試験例3 靴下に対する抗菌防臭試験を試験例3として示す。実施
例6で得たN−(3−ラウリルジメルアンモニオ−2−
ヒドロキシプロピル)L−アルギニンの2%水溶液を調
製し、この水溶液3リットルに洗浄した綿靴下4足(計
142g)を1時間浸漬したのち、遠心脱水し、さらに
乾燥した。
【0113】靴下に付着したN−(3−ラウリルジメチ
ルアンモニオ−2−ヒドロキシプロピル)L−アルギニ
ンの量を試験例1と同様に測定し、その付着率を調べた
ところ、1.0重量%であった。
【0114】上記のようにN−(3−ラウリルジメチル
アンモニオ−2−ヒドロキシプロピル)L−アルギニン
で抗菌防臭処理した靴下と市販の抗菌防臭処理(抗菌防
臭加工)綿靴下4種を用意し、7名の男性被験者A〜G
のうち3名の被験者A〜Cの左足にこの試験例3で抗菌
防臭処理した靴下を着用させ、残り4名の被験者D〜G
の左足には市販の抗菌防臭処理靴下(市販品a〜d)を
それぞれ着用させ、被験者全員の右足には抗菌防臭処理
をしていない靴下を着用させ、7時間後に回収した。そ
の間、被験者全員に約5時間にわたってソフトボールの
試合に参加させ、発汗を促した。
【0115】抗菌効果の確認 下記に示す方法で着用した靴下の菌数を細菌と真菌につ
いて測定し、抗菌防臭処理による抗菌効果の確認をし
た。
【0116】着用した靴下の親指根本を含む足下側の部
分から滅菌バサミで15cm×10cmの試験布を採取
し、これを300ml三角フラスコに入れ、滅菌生理食
塩水100mlを加えて、30℃で5分間振盪(振盪回
数:110回/分)して菌を抽出し、この抽出操作をさ
らにもう1回繰り返して(計2回)、この抽出した菌の
数を寒天平板希釈法によって調べた。
【0117】培地には、一般細菌(細菌)に対しては普
通寒天培地を用い、真菌に対してはRD(ポテトデキス
トリン)寒天培地を用い、培養後、生成したコロニー数
より菌数を求めた。その結果を表13〜表14に示す。
【0118】表13〜表14において、試料1は本発明
対照品、試料2は市販品a、試料3は市販品b、試料4
は市販品c、試料5は市販品dを示す。表14における
菌の減少率は、下記の式により算出したものである。 未処理菌数−処理菌数 減少率(%)=────────────── ×100 未処理
【0119】また、表14に示す判定基準は下記の通り
である。ただし、少数点以下は四捨五入している。 判定基準 ◎:減少率 100〜80% 〇:減少率 79〜50% △:減少率 49〜 0% ×:減少率 0%以下
【0120】
【表13】
【0121】
【表14】
【0122】表13〜表14に示すように、試料1は細
菌、真菌のいずれに対しても菌の減少率が大きい。この
結果は、実施例6のN−(3−ラウリルジメチルアンモ
ニオ−2−ヒドロキシプロピル)L−アルギニンの抗菌
力が優れていることを示している。
【0123】防臭効果の確認 回収した靴下の臭を3名の試験者イ〜ハにかがせ、抗菌
防臭処理した靴下(被験者A〜Gの左足に着用したも
の)と抗菌防臭処理していない靴下(被験者A〜Gの右
足に着用したもの)との臭の差を下記の評価基準により
3段階評価した。その結果を表15に示す。表15で
は、抗菌防臭処理した靴下は試験例番号と市販品の種別
で示し、抗菌防臭処理していない靴下はすべて比較品と
いう表現で示す。
【0124】評価基準: △:同じかほとんど差がない 〇:抗菌防臭処理した方がいくぶん臭が少ない ◎:抗菌防臭処理した方がかなり臭が少ない
【0125】
【表15】
【0126】表15に示すように、被験者A〜Cが着用
した靴下では、試験者イ〜ハとも、評価が◎印で、抗菌
防臭処理した方がかなり臭が少ないという評価をしてい
た。この評価結果は、実施例6のN−(3−ラウリルジ
メチルアンモニオ−2−ヒドロキシプロピル)L−アル
ギニンで抗菌防臭処理した場合の防臭効果が優れている
ことを示している。
【0127】試験例4 実施例1〜6で得られたN−第4級アンモニウム誘導ペ
プチドまたはアミノ酸の繊維に対する柔軟化作用および
帯電防止作用を調べた結果を試験例4として示す。試験
方法および試験結果は次に示す通りである。
【0128】羊毛(純毛)布各20g×10本を市販の
洗剤を用いて洗濯機で洗濯した後、そのうちの20g×
9本を実施例1〜6のN−第4級アンモニウム誘導ペプ
チドまたはアミノ酸の2%水溶液および3種類の市販の
柔軟化剤(それぞれ指定の濃度で用いる)にそれぞれ1
本ずつ15分間浸漬し、浸漬後、遠心脱水し、ついで乾
燥した。残り1本の羊毛布は処理しないで、遠心脱水
し、ついで乾燥した。
【0129】上記のように処理した羊毛布の柔軟性およ
び帯電防止性について、10人のパラネーに、処理しな
かった羊毛布の柔軟性および帯電防止性をそれぞれ0点
とし、それぞれのパラネーが処理したものの中で最も柔
軟性および帯電防止性が高いと感じるものを4点とする
5段階評価で評価させ、その平均値を求めた。その結果
を表16に示す。
【0130】
【表16】
【0131】表16に示すように、実施例1〜6のN−
第4級アンモニウム誘導ペプチドまたはアミノ酸で処理
した場合は、市販の柔軟化剤で処理した場合に比べて、
柔軟性、帯電防止性とも評価値が高く、本発明の実施例
1〜6のN−第4級アンモニウム誘導ペプチドまたはア
ミノ酸が柔軟化作用面および帯電防止作用面においても
優れていることを示していた。
【0132】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の繊維処理
剤は、抗菌、防臭、柔軟化および帯電防止作用が優れて
おり、かつ安全性が高い。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 〔式中、R1 、R2 、R3 のうち少なくとも1つは炭素
    数8〜24のアルキル基、炭素数8〜24のアルケニル
    基またはR5 CONR6 −B−(R5 は炭素数7〜23
    のアルキル基または炭素数7〜23のアルケニル基で、
    6 は水素またはメチル基、Bは炭素数2〜6のアルキ
    レン)であり、残りは炭素数1〜3のアルキル基、炭素
    数1〜3のヒドロキシアルキル基またはベンジル基であ
    る。Aは炭素数2〜3のヒドロキシアルキレンまたは炭
    素数2〜3のアルキレンで、R4はペプチドを構成する
    アミノ酸の側鎖であり、nは1〜30である〕で示され
    るN−第4級アンモニウム誘導ペプチドまたはアミノ酸
    からなる繊維処理剤。
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