JP2988332B2 - 液晶パネル - Google Patents

液晶パネル

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JP2988332B2
JP2988332B2 JP7196423A JP19642395A JP2988332B2 JP 2988332 B2 JP2988332 B2 JP 2988332B2 JP 7196423 A JP7196423 A JP 7196423A JP 19642395 A JP19642395 A JP 19642395A JP 2988332 B2 JP2988332 B2 JP 2988332B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両電極基板の間に
反強誘電性液晶を封入してなる液晶パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、液晶パネルとして、一般に採用さ
れているTN型液晶に比べて、応答速度が高く、かつメ
モリ性を有する反強誘電性液晶を採用した液晶パネルが
注目されている。この液晶パネルは、反強誘電性液晶が
もっている分子配列状態の安定性を利用したものであ
る。ここで、反強誘電性液晶は、スメクチック層構造を
なしており、分子配列状態において三つの安定性を有す
る。そして、この反強誘電性液晶の液晶分子の配列方向
は電界に応じて変化するようになっている。
【0003】このような反強誘電性液晶において、第1
の安定状態は、液晶層に一方向の極性の強い電界が印加
されたときの状態である。このときは、液晶分子の自発
分極が印加電界と作用して、すべての液晶分子が、図8
(a)にて示すように、スメクチック層構造の法線Lに
対し一方向にチルト各θにて一様に配列する。第2の安
定状態は、液晶層に逆方向の極性の強い電界が印加され
たときの状態である。このとき、液晶分子の自発分極が
逆方向電界と作用し、液晶分子が反転し、すべての液晶
分子が、図8(c)にて示すように、スメクチック層構
造に法線Lに対し上記第1安定状態とは逆方向に上記チ
ルト角θで一様に配列する。
【0004】第3の安定状態は、無電界時又は弱い電界
が印加されたときの状態である。この状態では、液晶分
子が、図8(b)にて示すように、スメクチック層構造
の法線Lに対し同じチルト角θで交互に逆向きに配列
(各層毎に互い違いの向きで配列)する。従って、無電
界又は弱い電界が印加された状態における液晶層全体で
の液晶分子の平均的な配列方向(反強誘電相での光軸方
向)はスメクチック相構造の法線方向にある。
【0005】図9は、従来の液晶パネル1の構成を示す
分解斜視図である。この液晶パネル1は、その光の入射
面側と出射面側とにおいて、それぞれ偏光板2、3を配
置した構成となっている。この液晶パネル1は、帯状シ
ール(図示せず)を介して重ね合わせた一対の透明基板
1a、1b間に反強誘電性液晶(図示せず)を封入した
もので、両透明基板1a、1bの互いに対向する面に
は、図示しないが、複数条の透明電極がそれぞれ形成さ
れており、その上に、上記スメクチック相構造の法線の
方向を規制するための配向処理が施されている。
【0006】図9において、各符号Pa、Pbは、各透
明基板1a、1bの配向処理方向を示し、また、各符号
2a、3aは、各偏光板2、3の透過軸の方向を示して
いる。この液晶パネル1では、両透明基板1a、1bの
配向処理方向Pa、Pbを互いに平行にし、一方の偏光
板2の透過軸2aの方向を、この偏光板2側の透明基板
1aの配向処理方向Paとほぼ平行か又はほぼ直交する
方向(図では直交)にするとともに、他方の偏光板3の
透過軸3aの方向を、偏光板2の透過軸2aの方向に対
してほぼ直交させている。
【0007】上記液晶パネル1は、反強誘電性液晶の分
子配列状態を上述した3つの安定状態に制御して表示す
るもので、両透明基板1a、1bの各透明電極間に電圧
を印加していない状態又は印加電圧が低い状態では、液
晶分子が図8(b)の第3の安定状態に配列し、表示が
オフ(暗)状態になる。また、両透明基板1a、1bの
各透明電極間に一方向の極性のオン電圧を印加すると、
液晶分子が図8(a)の第1の安定状態に配列し、表示
がオン(明)状態になる。
【0008】これは、両透明基板1a、1bの各透明電
極間に逆方向の極性のオン電圧を印加したときも同様で
ある。このときは、液晶分子が図8(c)の第2の安定
状態に配列し、表示がオン(明)状態になる。また、液
晶パネル1を駆動する場合、反強誘電性液晶の分解を防
止するために、所定周期で印加電圧の極性を反転する。
所謂交流駆動を行う必要があることも知られている(特
開平2−173724号公報参照)。
【0009】ところが、こうした交流駆動を行った場
合、反強誘電性液晶は印加電圧の極性の反転に伴い液晶
分子の配列が二つの安定状態(いずれも明の状態)の間
で変化する。一方、液晶パネル1を特定方向から見た場
合、上記二つの明状態における液晶パネル1の光透過特
性が異なる。このため、液晶パネル1を交流駆動した場
合、その反転周期に応じて表示画像が駆動したように見
える画面のちらつき(所謂フリッカ)が発生してしま
い、表示品位が低下するといった問題がある。
【0010】これに対し、特開平6−130425号公
報に示すように、上下偏光板2、3の吸収軸(透過軸に
対する直交方向の軸)とぞれぞれ平行な延伸軸を有する
上下両位相板を、透明基板1aと偏光板2との間及び透
明基板1bと偏光板3との間に、それぞれ、設けること
により、フリッカを抑制するという方法が提案されてい
る。
【0011】ここで、偏光板2の透過軸と上側位相板の
延伸軸は、互いに直交し、また、偏光板3の透過軸と下
側位相板の延伸軸は、互いに直交するように設定されて
いる。なお、液晶パネル1の光軸は偏光板2の透過軸に
直交し偏光板3の透過軸3aに平行に設定されている。
このような液晶パネルの表示動作について説明すると、
両透明基板1a、1bの各透明電極間に電圧を印加して
いない状態又は印加電圧が低い状態では、液晶分子が図
8(b)の第3の安定状態に配列し、表示がオフ(暗)
状態になる。
【0012】この場合、液晶パネル内の反強誘電性液晶
の分子が、スメクチック層構造の法線の方向が液晶層全
厚に亘り一様になった状態で配列しているため、液晶層
の層厚方向(スメクチック層構造の法線に対して垂直方
向)から見た液晶分子の向きは、液晶層全厚に亘りほぼ
均一である。従って、入射側と出射側とに透過軸方向を
互いにほぼ直交させて配置する一対の偏光板2、3のう
ち、入射側の偏光板(偏光板2)の透過軸2aの方向
を、透明基板1aの配向処理によって規制されるスメク
チック層構造の法線Lの方向に応じて上述のように設定
することにより、上記スメクチック層構造の法線Lの方
向とほぼ平行か又はほぼ直交する偏光方向の直線偏光を
液晶層に入射させてやれば、液晶分子の配列状態が第3
の安定状態にあるとき、入射光の殆どが直線偏光のまま
液晶層を出射して出射側の偏光板3で吸収される。この
ため、オフ状態(液晶分子の配列状態を第3の安定状態
にした状態)での偏光は、従来の位相板を採用しない液
晶パネルに比べて大幅に少なくなる。
【0013】一方、両透明基板1a、1bの各透明電極
間に一方向の極性のオン電圧を印加すると、液晶分子が
図8(a)の第1の安定状態に配列する。そして、この
第1の安定状態では、液晶分子の配列方向が、液晶層に
入射する直線偏光の偏光方向(スメクチック層構造の法
線方向とぼ平行か又はほぼ直交する方向)に対し、上記
チルト角とほぼ同じ角度ずれている。このため、液晶層
に入射した直線偏光が液晶層の複屈折効果によって楕円
偏光となり、液晶層を出射した光のうち、出射側の偏光
板3の透過軸3aの方向に沿う偏光成分の光が、液晶パ
ネルの出射光となって、表示がオン(明)状態になる。
【0014】これは、両透明基板1a、1bの各透明電
極間に逆方向の極性のオン電圧を印加したときも同様で
ある。このときは、液晶分子が図8(c)の第2の安定
状態に配列するが、この第2の安定状態でも、液晶層に
入射した直線偏光が、液晶層の複屈折効果によって楕円
偏光となり、そのうち、出射側偏光板3の透過軸方向に
沿う偏光成分の光が液晶パネルの出射光となって、表示
がオン(明)状態になる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、反強誘電相の
光軸に対して、上下の偏光板2、3の透過軸(吸収軸に
対し直交方向の軸)と、上下両位相板の延伸軸とをそれ
ぞれ直交に精度よく設定することは、工業的に困難であ
る。さらに、上記光軸の各透過軸に対する直交からのず
れにより、液晶パネルとして最重要な特性であるコント
ラストが変化してしまうという不具合がある。
【0016】これに対し、本発明者等は、偏光板や位相
板の製造工程につき詳細に検討してみたところ、次のよ
うな結論を見出した。通常、偏光板は、ヨウ素を吸着配
向させたPVA系樹脂を一軸延伸機により一軸延伸して
作製される。ここで、偏光板の透過軸は、この偏光板の
延伸方向により決定される。
【0017】また、位相板は、ポリカーボネイトやPV
A等の高分子フィルムを一軸延伸機により一軸延伸して
作製される。ここで、位相板の延伸軸は、この位相板の
延伸方向により決定される。従って、上述のように透過
軸と延伸軸とを平行にして偏光板と位相板とを一体化し
て作製する場合に、一軸延伸機による一軸延伸方向を有
効に活用することにより、位相板の延伸軸と偏光板の透
過軸とを直交させる場合に比べて、透過軸と延伸軸との
間の角度のずれを小さくできる。
【0018】この場合、偏光板と位相板とを個々に一軸
延伸するのではなく、これら偏光板と位相板とを延伸前
に一体化した上で、一軸延伸機により一軸延伸するとい
う一体成形加工を行えば、透過軸と延伸軸との間の角度
のずれを実質的に0°にすることが可能となる。そこ
で、本発明は、上述のようなことに着目し、反強誘電性
液晶を封入する液晶パネルにおいて、偏光板の透過軸と
位相板の延伸軸とを平行に設定することにより、透過軸
と延伸軸との角度ずれを精度よく抑制して、良好なコン
トラストを得ることを目的とする。
【0019】
【発明の概要】上記目的を達成するため、請求項1乃至
5に記載の発明によれば、第1位相板(14)が、第1
偏光板(15)と第1電極基板(10)との間に貼着さ
れて第1偏光板の透過軸(15a)に平行な延伸軸(1
4a)を有する。また、第2位相板(24)が、第2偏
光板(25)と第2電極基板(10)との間に貼着され
て第2偏光板の透過軸(25a)に平行な延伸軸(24
a)を有する。
【0020】この場合、第1偏光板の透過軸と第1位相
板の延伸軸が、これら偏光板及び位相板の各一軸延伸方
向に一致することにより平行となる。また、第2偏光板
の透過軸と第2位相板の延伸軸が、これら偏光板及び位
相板の各一軸延伸方向に一致することにより平行とな
る。このように偏光板及び位相板の各一軸延伸方向を活
用して透過軸と延伸軸を平行にすることにより両軸間の
角度のずれを精度よく抑制できる。
【0021】その結果、反強誘電性液晶を封入した液晶
パネルのコントラストを良好に確保できる。ここで、請
求項2に記載の発明のように、第1位相板が第1偏光板
の透過軸と平行な延伸軸を有するように当該第1偏光板
と一体化フィルムとして形成されて前記第1電極基板の
外表面に貼着され、また、第2位相板が第2偏光板の透
過軸と平行な延伸軸を有するように当該第2偏光板と一
体化フィルムとして形成されて前記第2電極基板の外表
面に貼着された場合には、透過軸と延伸軸との間の角度
ずれを一層精度よく抑制できる。
【0022】その結果、反強誘電性液晶を封入した液晶
パネルのコントラストをより一層良好に確保できる。ま
た、請求項5に記載の発明のように、反強誘電性液晶の
光軸に直交する直交軸が前記第1及び第2の偏光板の一
方の透過軸となす角度φを±2°とし、第1及び第2の
電極基板の一方の側における偏光板の透過軸及び位相板
の延伸軸が反強誘電性液晶の光軸となす角度αを±2°
とし、また、第1偏光板の透過軸が第1位相板の延伸軸
となす角度γ及び第2偏光板の透過軸が第2位相板の延
伸軸となす角度γを共に±1.5°以内とすれば、液晶
パネルにおける必要最小限のコントラスト10を確保で
きる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。図1は、本発明を適用した液晶表示
装置用液晶パネルPを示しており、この液晶パネルP
は、一対の電極基板10、20の間に、帯状シール30
により反強誘電性液晶40を封入して構成されている。
【0024】電極基板10は、ガラス製透明基板11を
備えており、この透明基板11の内表面には、複数条の
透明電極12及び配向膜13が順次形成されている。ま
た、電極基板10の外表面には、位相板14が偏光板1
5と一体化フィルムとして一体形成されて貼着されてい
る。一方、電極基板20は、ガラス製透明基板21を備
えており、この透明基板21の内表面には、複数条の透
明電極22及び配向膜23が順次形成されている。ここ
で、複数条の透明電極22は複数条の透明電極12と共
に格子状電極を構成する。また、電極基板10の外表面
には、位相板24が偏光板25と一体化フィルムとして
一体形成されて貼着されている。
【0025】ここで、液晶パネルPは、次のようして作
製される。まず、透明基板11、21の各表面に、蒸着
或いはスパッタ等の方法により、ITO(Indium
Tin Oxide)或いは酸化錫からなる透明導電
膜をそれぞれ形成する。ついで、これら両透明導電膜を
ストライプ状にエッチング処理することにより、両複数
条の透明電極12、22を形成する。なお、ストライプ
の方向は、両電極基板10、20を重ね合わせたときに
両複数条の透明電極12、22が互いに格子状の電極を
形成する方向である。
【0026】然る後、電極基板10の内表面には、反強
誘電性液晶30の液晶分子を配向させるための配向膜1
3を複数条の透明電極12を介して形成する。一方、電
極基板20の内表面には、反強誘電性液晶30の液晶分
子を配向させるための配向膜23を複数条の透明電極2
2を介して形成する。両配向膜13、23としては、ポ
リイミド等の高分子膜を一方向にラビング処理した膜、
或いはSiOの斜方蒸着膜等の周知のものを用いること
ができる。なお、両配向膜13、23の一方を廃止して
実施してもよい。
【0027】続いて、両電極基板10、20を、各透明
電極12、22を2μmの間隔で対向させ、シール30
を介して重ね合わせた後、両電極基板10、20の間に
反強誘電性液晶40を封入する。反強誘電性液晶40の
封入にあたっては、この反強誘電性液晶40、例えば、
4−(1−トリフルオロメチルヘプトキシカルボニルフ
ェニル)−4′−オクチルオキシカルボニルフェニル−
4−カルボキシレートを加熱して等方性液体として、毛
細管現象を利用して両電極基板10、20間に注入す
る。その後、液晶パネルP全体を毎分1℃程度にて徐冷
して、反強誘電性液晶相(SmCA * 相)になるまで冷
却する。
【0028】なお、反強誘電性液晶40としては、この
他にも、4−(1−トリフルオロメチルノニロキシカル
ボニルフェニル)−4′−オクチルビフェニル−4−カ
ルボキシレート、4−(1−トリフルオロメチルデシロ
キシカルボニル)−4′−ビフェニル−2−フルオロ−
4−オクチルベンゾエート、或いは4−(1−メチルヘ
プチカルカルボニルフェニル)−4′−オクチルビフェ
ニル−4−カルボキシレート等の種々の反強誘電性液晶
を用いることができる。
【0029】然る後、位相板14と偏光板15を一体化
した一体化フィルムを製作するとともに、位相板24と
偏光板25を一体化した一体化フィルムを製作する。こ
の製作の際、位相板14の延伸軸14aを偏光板15の
透過軸15aと共に、図2にて図示矢印方向にとり、一
方、位相板24の延伸軸24aを偏光板25の透過軸2
5aと共に、図2にて図示矢印方向(延伸軸14aに直
交する方向)にとる。
【0030】換言すれば、位相板14の延伸軸14aと
偏光板15の透過軸15aとが平行になるようにこれら
位相板14及び偏光板15を互いに一体化し、また、位
相板24の延伸軸24aと偏光板25の透過軸25aと
が平行になるようにこれら位相板24及び偏光板25を
互いに一体化する。この点につきさらに詳細に説明す
る。まず、両偏光板15、25は、ヨウ素を吸着配向さ
せたPVA系樹脂を一軸延伸して作製される。ここで、
偏光板15の透過軸15a及び偏光板25の透過軸25
aは、両偏光板15、25の延伸方向により決定され
る。
【0031】また、両位相板14、24は、ポリカーボ
ネイトやPVA等の高分子フィルムを一軸延伸して作製
される。ここで、位相板14の延伸軸14a及び位相板
24の延伸軸24aは、両位相板14、24の延伸方向
により決定される。従って、上述のように透過軸と延伸
軸とを平行にして偏光板と位相板とを一体化して作製す
る場合には、偏光板と位相板の一軸延伸方向を一致させ
ることにより透過軸と延伸軸とを平行にして偏光板と位
相板とを一体化することとなる。このため、位相板の延
伸軸と偏光板の透過軸とを直交させる場合に比べて、透
過軸と延伸軸との間の角度のずれを精度よく抑制でき
る。
【0032】また、偏光板と位相板とを個々に一軸延伸
するのではなく、これら偏光板と位相板とを延伸前に一
体化した上で、一軸延伸するという一体成形加工を行う
ことにより、透過軸と延伸軸との間の角度のずれを実質
的に0°にすることが可能となり、しかも、工数低減に
もつながる。本実施の形態では、両位相板14、24と
して、日東電工株式会社製NPF−239型位相板を採
用した。ここで、NPF−239型位相とは、リターデ
イションRが239mmの製品をいう。また、両偏光板
15、25としては、日東電工株式会社製NPF−G1
220DU型偏光板を採用した。そして、位相板の延伸
軸と偏光板の透過軸とを平行に貼着した一体化フィルム
を使用した。
【0033】上述のようにして作製した位相板14及び
偏光板15の一体化フィルムを、位相板14の延伸軸1
4aを光軸Qに平行に保持しながら透明基板11の外表
面にに貼着する。また、上述のようにして作製した位相
板24及び偏光板25の一体化フィルムを、位相板24
の延伸軸24aを光軸Qに直交に保持しながら透明基板
21の外表面にに貼着する。
【0034】この場合、両一体化フィルムの貼着にあた
っては、予め、反強誘電性液晶40の光軸Q及び両偏光
板15、25の各透過軸15a、25aを偏光顕微鏡に
より測定する。また、両位相板14、24の各延伸軸1
4a、24aを複屈折測定装置により測定しておく。こ
れにより、液晶パネルPの作製が完了する。
【0035】次に、液晶パネルPにおけるコントラスト
の各軸ズレ依存性について述べる。例えば、図3(a)
にて示すように、偏光板25の透過軸25aと位相板2
4の延伸軸24aが、反強誘電性液晶40の光軸Qに対
して角度αだけずれたとすると、偏光板25の下方から
の入射光は、偏光板25及び位相板24を直線偏光でも
って通過する。しかし、光軸Qに対して角度αでもって
反強誘電性液晶40内に入射するため、この入射光は、
反強誘電性液晶40の複屈折効果により楕円偏光とな
り、出射側の偏光板15に吸収されずにこの偏光板15
を通り抜ける光(漏光)が発生する。
【0036】また、図3(b)にて示すように、偏光板
25の透過軸25aと位相板24の延伸軸24aが角度
βだけずれている場合には、偏光板25の下方からの入
射光は、偏光板25を直線偏光にて通過するが、位相板
24の延伸軸24aに対して角度βでもって入射する。
このため、この入射光は、位相板24の複屈折効果によ
り楕円偏光となり、反強誘電性液晶40内に入射する。
従って、このように反強誘電性液晶40内に入射した光
は、出射側の偏光板15により吸収されず、この偏光板
15を通り抜ける光(漏光)が発生する。
【0037】ここで、本実施の形態では、図8(a)に
て示す状態で暗表示が行われており、コントラストは、
明表示(白)輝度/暗表示(黒)輝度と定義されている
ため、このときの漏光によりコントラストが大きく左右
されることが分かる。そこで、液晶パネルPのコントラ
ストが10以上を満たす範囲及び30以上を満たす範囲
を求めてみたところ、図5にて示すような結果が得られ
た。
【0038】但し、図4(a)にて示すように、反強誘
電性液晶40の光軸Qに対する直交方向を直交軸Q1と
して設定した場合のこの直交軸Q1と偏光板15の透過
軸15aとの角度をφとする。また、図4(b)にて示
すように、位相板14の延伸軸14aと偏光板15の透
過軸15aとのなす角及び位相板24の延伸軸24aと
偏光板25の透過軸25aとのなす角をそれぞれγとす
る。
【0039】また、各角度α、φは工業的には3°以上
ずれることはないので、本実施の形態における測定範囲
は±3°を最大とした。さらに、図3及び図4において
時計方向の角度ずれを正とし、反時計方向の角度ずれを
負とした。図5によれば、液晶パネルとして一般に要求
されている必要最低のコントラスト10を満足するため
には、角度φ及び角度αは、共に±2°以内と設定さ
れ、各角度γは±1.5°以内に設定される必要がある
ことが分かる。
【0040】さらに、現在OA機器用ディスプレイとし
て主流であるCRTと比較して遜色なく見得るコントラ
ストとして一般に要求されている30以上を満足するた
めには、各角度φ、αは±1.0°以内で、角度γは±
0.5°以内に設定することが必要であることが分か
る。図6には、偏光板15の透過軸15aと偏光板25
の透過軸25aを互い直交させて保持し、角度φ及び角
度α(=φ)と、各角度γとを、変化させたときのコン
トラストの変化を示した。
【0041】この結果からも分かるように、すべての角
度α、φ、γが0°のときに最もコントラストが高くな
り、角度のずれに伴いコントラストが低下することが分
かる。偏光板15の透過軸15aが位相板14の延伸軸
14aと平行し、かつ偏光板25の透過軸25aが位相
板24の延伸軸24aと平行するという平行設定パター
ンとしては、図7にて示すごとく、両パターン1、2が
考えられる。上記実験では、パターン1により行った例
について説明したが、パターン2により行ってもパター
ン1による場合と同様の結果が得られる。
【0042】なお、本発明による液晶パネルは、液晶表
示装置や液晶スイッチ等の各種の液晶装置に採用するに
適した液晶パネルとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す液晶パネルの断面
図である。
【図2】図1の液晶パネルの分解斜視図である。
【図3】(a)、(b)は、それぞれ、反強誘電性液晶
の光軸を基準とした両偏光板の各透過軸及び両位相板の
延伸軸との角度関係を説明するための模式図である。
【図4】(a)は、それぞれ、反強誘電性の光軸及びこ
れに直交する直交軸を基準とした両偏光板の透過軸の角
度関係を示すための模式図、及び(b)は、偏光板の透
過軸と位相板の延伸軸との間の角度関係を示すための模
式図である。
【図5】透過軸と延伸軸との角度γ、直交軸と透過軸の
角度φ及び光軸と透過軸との角度αとコントラスト範囲
との関係を説明するための図である。
【図6】角度φをパラメータとする角度αと液晶パネル
のコントラストとの関係を示す各特性曲線を示すグラフ
である。
【図7】両偏光板の各透過軸、両位相板の各延伸軸及び
反強誘電性の光軸との関係を示す模式図である。
【図8】(a)、(b)及び(c)は、それぞれ、反強
誘電性液晶の第1、第3及び第2の安定状態を示す液晶
分子配列を説明するための模式図である。
【図9】反強誘電性液晶を封入した従来の液晶パネルの
概略分解斜視図である。
【符号の説明】
10、20・・・電極基板、14、24・・・位相板、
14a、24a・・・透過軸、15、25・・・偏光
板、15a、25a・・・延伸軸、Q・・・光軸。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反強誘電性液晶を封入してなる第1及び
    第2の電極基板と、 これら第1及び第2の電極基板の各外表面にそれぞれ設
    けられて互いに直交する透過軸を有する第1及び第2の
    偏光板とを備え、 これら第1及び第2の偏光板の一方の透過軸が前記反強
    誘電性液晶の光軸に平行である液晶パネルにおいて、 前記第1偏光板と前記第1電極基板との間に貼着されて
    前記第1偏光板の透過軸に平行な延伸軸を有する第1位
    相板と、 前記第2偏光板と前記第2電極基板との間に貼着されて
    前記第2偏光板の透過軸に平行な延伸軸を有する第2位
    相板とを備えることを特徴とする液晶パネル。
  2. 【請求項2】 反強誘電性液晶を封入してなる第1及び
    第2の電極基板と、 第1及び第2の偏光板と、 前記第1偏光板の透過軸と平行な延伸軸を有するように
    当該第1偏光板と一体化フィルムとして形成されて前記
    第1電極基板の外表面に貼着された第1位相板と、 前記第2偏光板の透過軸と平行な延伸軸を有するように
    当該第2偏光板と一体化フィルムとして形成されて前記
    第2電極基板の外表面に貼着された第2位相板とを備
    え、 前記第1及び第2の偏光板の各透過軸が互いに直交して
    おり、これら各透過軸の一方が前記反強誘電性液晶の光
    軸に平行となっている液晶パネル。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の電極基板のうち光の
    入射側の電極基板に貼着した位相板の延伸軸が前記反強
    誘電性液晶の光軸に平行であることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の液晶パネル。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2の電極基板のうち光の
    入射側の電極基板に貼着した位相板の延伸軸が前記反強
    誘電性液晶の光軸に直交していることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の液晶パネル。
  5. 【請求項5】 前記反強誘電性液晶の光軸に直交する直
    交軸が前記第1及び第2の偏光板の一方の透過軸となす
    角度をφとし、 前記第1及び第2の電極基板の一方の側における偏光板
    の透過軸及び位相板の延伸軸が前記反強誘電性液晶の光
    軸となす角度をαとし、 また、前記第1偏光板の透過軸が前記第1位相板の延伸
    軸となす角度及び前記第2偏光板の透過軸が前記第2位
    相板の延伸軸となす角度を共にγとするとき、 φ≦±2°、α≦±2°及びγ≦±1.5°であること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の液
    晶パネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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