JP2987072B2 - 顔料組成物 - Google Patents

顔料組成物

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JP2987072B2
JP2987072B2 JP5203395A JP5203395A JP2987072B2 JP 2987072 B2 JP2987072 B2 JP 2987072B2 JP 5203395 A JP5203395 A JP 5203395A JP 5203395 A JP5203395 A JP 5203395A JP 2987072 B2 JP2987072 B2 JP 2987072B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は顔料組成物に関し、更に
詳しくは各種の用途、例えば、印刷インキ用顔料、グラ
ビアインキ用顔料、塗料用顔料等として有用な新規顔料
組成物の提供を目的とする。
【0002】
【従来の技術】顔料の分散の技術は近年目覚ましい進歩
が遂げられており、塗料業界やインキ業界では製造の合
理化の為に顔料濃度を出来るだけ高くして顔料を分散さ
せる方法が益々採用される様になった。それに伴い、顔
料分散時或いは取り出し時の顔料分散体の流動性に関す
る問題が大きく表面化されてきた。特に、有機顔料(特
に、不溶性アゾ顔料)ではその流動性に難があり、降状
値の高い塑性流動を示す分散体になる傾向がある為に色
々な改善策が採られている。
【0003】まず、第1に、(1)アミン系の処理剤等
で顔料表面に保護膜(バリヤ)を施す方法や、(2)顔
料合成の際に極性基(−SO3 H、−COOH等)を持
ったジアゾ或いはカップリング成分の誘導体を少量導入
することによって、結晶の成長をコントロールし、且つ
顔料結晶表面に適度な親水性を与えて、結晶表面を改質
する等の努力が払われている。前者の例としては、英国
特許1,096,362号明細書(1967)に記載の
様な鎖式状のジアミンを顔料に施す方法が知られてい
る。又、後者の例としては特公昭55−49087号公
報や特公昭58−25698号公報等に記載の方法が数
多く提示されている。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、こ
れらの方法による顔料は、いずれも塗料やインキに使用
した場合に透明性が強くなり、顔料粒子が小さくなる為
に流動性の効率を下げ、充分な効果が出ないことが多
い。特に、隠蔽性を必要とするインキや塗料の用途では
その目的には即応しない。又、鎖式状のジアミンを施す
方法、即ち、B.P.1,096,362号明細書によ
る方法では、得られる顔料を平版インキに使用した場合
には、顔料の乳化率が異常に高くなり、印刷時において
水負けの弊害が生ずることが指摘されている。その他、
顔料処理とは別に、インキを調製する過程でワニス中に
hyper dispersant (際だって優れた性能をもった分散
剤)を混合して、顔料濃度が極めて高く、しかも流動性
に富んだ顔料分散体を作成する研究が最近多くみられ
る。
【0005】このhyper dispersantの代表例として、so
lsperese(ICI)の商品名で各種のものがあるが、こ
れらの商品は使用する顔料や用途により、効果がまちま
ちであり、これらの分散剤の選択が難しく且つ複雑すぎ
るという難点がある。又、この様な使い方としては、カ
ーボン・ブラックのインキに使用された例に、アルケニ
ル琥珀酸イミド系分散剤が見られるが、これらはアスフ
ァルトを含む黒インキに限定されたものである。更に、
上記の方法を、有機顔料に適用した場合、得られるイン
キに印刷適性上、重大な欠陥を持っていることが分かっ
た。
【0006】即ち、高濃度の顔料をhyper dispersantと
混合して効率良く分散させて、その結果得られた流動性
の優れた分散体は、インキ調製の際にソルベントによる
希釈過程で粘度が極端に下がり、印刷機にかけた場合、
ミスチングが生じやすいこと、又、印刷版の非画線部に
インキが付着(グリージング)する傾向があることであ
る。又、出版グラビアインキにおける使用においては、
ヘンリー紙に印刷されたものが裏抜け(プリントスル
ー)の現象が見られるものも好ましくない。従って、本
発明の目的は、各種の用途、例えば、印刷インキ用顔
料、グラビアインキ用顔料、塗料用顔料等として有用な
新規顔料組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明に
よって達成される。即ち、本発明は、安息香酸、ナフト
エ酸、β−オキシナフトエ酸;フタル酸、イソフタル酸
又はテレフタル酸と炭素数が1〜8のアルキルアルコー
ルとのエステル反応によって得られるアルキッド樹脂;
フタル酸で植物油又はグリセリンを変性した変性アルキ
ッド樹脂;グリセリンに代えてペンタエリトリットを用
いて高分子量化したアルキッド樹脂;アセトアセト−2
−カルボキシ−アニライド又はアセトアセトアニライド
−4−スルホン酸とジアゾ成分との反応によって得られ
る化合物及びモノスルホン化フタロシアニンからなる群
から選択される構成分子中に芳香族環とすくなくとも1
個の酸性基を有する化合物(I)とアルケニル琥珀酸イミ
ド系分散剤(II)と有機顔料とからなり、上記の化合物
(I)と分散剤(II)とで処理されていることを特徴とする
顔料組成物である。
【0008】
【作用】有機顔料を化合物(I)及び分散剤(II)で処理す
ることにより、各種の用途、例えば、印刷インキ用顔
料、グラビアインキ用顔料、塗料用顔料等として有用な
新規顔料組成物を提供することが出来る。
【0009】本発明による作用を更に詳しく説明する。
まず、平版インキに使用されるベヒクルは、普通、ロジ
ン変性フェノール樹脂か、ロジン変性マレイン酸樹脂、
或いはロジン変性アルキッド樹脂等であるが、これらは
いずれもある程度の酸価を持った樹脂である。又、グラ
ビア方式で印刷されるプラスチック軽包装材用のインキ
では、ポリアミド−消化綿やアルキッド−消化綿をベヒ
クルにしたインキが古くから使用されてきた。これらポ
リアミドやアルキッドの両樹脂とも酸価をある程度保持
している樹脂である。
【0010】そこで、これらのベヒクル中で分散するの
に好ましい顔料の条件は以下の通りである。第1条件と
して、そのベヒクルの特性となっている酸価に対し、そ
れを損なわないことである。第2条件としては、顔料粒
子の結晶がこれらのベヒクル中で互いに電気的に反発し
あい、分散粒子間の接近を防ぐことによって、粒子同士
の繋がりであるストラクチャーの形成を未然に防ぐこと
が重要である。本発明の顔料組成物はこれら第1及び第
2の条件を充分満たす様に設定されたものである。この
うち、第1条件については、本発明の顔料組成物を構成
している化合物(I)がこの条件を満たしたものであ
り、第2の条件については分散剤(II)のアルケニル
琥珀酸イミド系分散剤がこれに該当する。
【0011】アルケニル琥珀酸イミド系分散剤の化学構
造は 1 :アルケニル基 R2 :脂肪族エステル基 R3 :脂肪族エステル基 で示されており、塩基性の性質を持つ−CONR−のイ
ミド基が、酸性基を持つ顔料に対して良好な吸着性を示
し、顔料結晶表面に吸着した後は琥珀酸の構造中のC=
O基が外に向かって強い極性となって働き、電気的な反
発性を顔料結晶表面に与える。
【0012】これに対し、化合物(I)の役割は、無極
性の顔料結晶表面に吸着して、そのフリーの酸性基(C
OOH、SO3H)で分散剤(II)のイミド基の吸着を容
易にするものであり、これにより化合物(I)と分散剤(I
I)との組成物は、顔料結晶表面において、相互補完の関
係で充分に機能するものと考えられる。又、分散剤(II)
のアルケニル琥珀酸イミド系分散剤は、単独の使用にお
いても、平版インキ及びグラビアインキの使用において
ある程度の良好な流動性が得られるが、この場合、アル
ケニル琥珀酸イミド系分散剤が顔料の凝集剤として働
き、その結果、顔料の透明性や着色力が損なわれること
になる。本発明では、この化合物(I)を使用すること
で、この現象を防ぐ効果が絶大であることを見い出した
ものである。
【0013】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。本発明において適用される
有機顔料とは、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キ
ナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、縮合アゾ系顔料、
染付系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系
顔料等が挙げられ、本発明の思想は全ての有機顔料に適
用することが出来る。
【0014】又、本発明で使用する化合物(I)とは、
分子中に芳香族環と一個以上のカルボン酸又はスルホン
酸基を有する化合物を言い、その中にはそれらの酸性基
の殆どをアルコール或いは植物油等で変性させた誘導体
も含んでいるが、少なくとも分子中にフリーの酸性基を
一個有することが必要である。
【0015】そして、更に具体的には、安息香酸、ナフ
トエ酸、βオキシナフトエ酸、又はフタル酸やイソフタ
ル酸やテフタル酸と炭素数1〜8のアルキルアルコー
ルとのエステル化反応によって得られる、フリーのカル
ボキシル基を残したアルキッド樹脂、更に上述のフタル
酸で植物油やグリセリンを変性させた変性アルキッド樹
脂、そして、更にグリセリンに代えてペンタエリトリッ
トを用いて高分子量化したフリーのカルボキシル基を分
子中に有しているアルキッド樹脂等を含む。又、アセト
アセト−2−カルボキシ−アニライドやアセトアセトア
ニライド−4−スルホン酸等とジアゾ成分との反応によ
って得られる化合物も含まれ、かかる化合物は実施例3
に示されるように顔料の合成時に同時に形成される。
【0016】又、分散剤(II)のアルケニル琥珀酸イ
ミド系分散剤とは、前記(A)式に代表される化学物質
を言い、その製法上の要点は不飽和結合又はハロゲンの
如き官能基を有するポリオレフィンと無水フタル酸との
反応で得られるアルケニル琥珀酸無水物を更にポリアミ
ンと反応させることによって好ましく製造される。この
ポリオレフィンとしては炭素数2〜5のオレフィンの単
独重合物或いは共重合物であり、分子量400〜3,0
00のものである。
【0017】又、ポリアミンとして次式 に従うアルキレンポリアミンが好ましく、ここで、nは
10以下の整数、A及びA’は炭化水素基、水素原子、
アミノ炭化水素基であり、又、アルキレン基は好ましく
は炭素数8以下の低級アルキレン基であり、これらのア
ミンの中で特に好ましいものとしてはジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタ
ミン等が挙げられる。これらに代表されるアルケニル琥
珀酸イミド系分散剤の市販品としては、例えば、「米国
シェブロン社製のOLOA−1200」及び「米国ニド
ウインクーパー社製のS−900」が該当する。
【0018】尚、化合物(I)及び分散剤(II)を用
いて顔料を処理するには、通常はこれらを石油系の有機
溶剤に溶解させ、この溶液中に界面活性剤の存在のもと
で、大量の水を注ぎ込み、高速撹拌することにより、O
/W型のエマルジョンにして、顔料スラリー中に注入し
て顔料が処理されるが、別の方法として、水に可溶な場
合は化合物(I)はフリーの酸性基をナトリウム塩とし
て、水に溶解又は分散させて顔料を処理し、次いで酸性
にして化合物(I)を顔料表面に吸着させることも可能
である。
【0019】又、本発明に使用される化合物(I)と分
散剤(II)と有機顔料との使用比率については、分散
性及び流動性はもとより、印刷適性上の問題について鋭
意研究を重ねて検討した結果、その重量比率は各々0.
5〜20/0.5〜20/99〜60の範囲内であり、
2〜10/2〜10/94〜80の範囲内において特に
好ましい結果が得られる。
【0020】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に
断りのない限り重量基準である。 実施例1 2−メトキシ−ベンズアミノ−5−N,N’−ジエチル
アミノ−スルホニルクロライド25.8部を常法に従っ
てジアゾ化し、ジアゾニューム塩を得る。これを、2−
ヒドロキシ−ナフタレン−3−カルボイル−5’−クロ
ル−2’,4’−ジメトキシアニライド38部から常法
に従って調製した下漬剤と混合カップリングしてピグメ
ントレッド5の未熟成スラリーを得る。
【0021】これを70℃に昇温し、これに乾性油型ア
ルキッド樹脂(ベッコゾール1307)2.8部とアル
ケニル琥珀酸イミド系分散剤2.8部をキシロール8.
4部で溶解して、界面活性剤ノイゲンEA141(第一
化成)0.8部のもとでO/Wタイプのエマルジョンを
作製して、該エマルジョンを前記顔料スラリーに注入し
て顔料を処理する。更に、煮沸を60分間行なった後、
注水し、常法に従って、濾過、水洗、乾燥及び粉砕して
66部のピグメントレッド5の顔料を得た。
【0022】これを常乾型メラミン−アルキッド樹脂
(ベッコゾール1307/スーパーベッカミン J−8
20=固形比2/1)を用い、顔料7.0部と上記樹脂
35部及び溶剤8.0部をペイントコンディショナーに
て分散し、上記の樹脂30部と溶剤20部を追加して9
2部の常乾型赤色塗料を得る。この塗料を3ミルのアプ
リケーターにてコート紙に展色し、隠蔽力をクリプトメ
ーターにて判定したところ、本発明を適用しなかった比
較例1の顔料に比較し、グロスがあり且つ流動性がある
ことが確かめられた。
【0023】表1 粘度:B型粘度計使用 グロス:グロスメータ(反射角60°) ベッコゾール1307:大日本インキ化学製 スーパーベッカミン J−820:大日本インキ化学製
【0024】実施例2 乾式アトライターに粗製銅フタロシアニン100部を入
れ、40分間磨砕を行なう。次いで得られた磨砕物95
部にブチルセロソルブ30部及び水200部を加え、常
温で30分間撹拌する。更に、内容物を90℃に加熱
し、4時間撹拌混合を行なう。次いで大量の水中に投入
し、2%稀硫酸水溶液で80〜90℃で50分間加熱処
理を行なう。
【0025】次に濾過及び水洗し、得られた顔料ケーキ
を1,000部の水に解膠し、そこにモノ−スルホン化
フタロシアニン3.0部を常温でアルカリ溶解させて注
入する。次いで60℃に昇温し、アルケニル琥珀酸イミ
ド系分散剤のキシロール・エマルジョン液(アルケニル
琥珀酸イミド系分散剤5.0部をキシロール10部に溶
解させて、ノイゲンEA141の1.0部を加えて多量
の水に強制乳化させた乳化液)を注入する。これを常法
に従って、濾過、水洗、乾燥及び粉砕して本発明の粉顔
料92部を得る。
【0026】更に、この実施例2の顔料の性能を確認す
る為に比較例のものと同時比較試験を次の要領で行なっ
た。即ち、顔料6.6部と枚葉オフセットワニス14部
とを混合し、三本ロールで練肉を行なってベースインキ
を作製する。次いで常法に従ってインキをインコメータ
ーにて印刷可能なタックに調整を行ない、スプレッドメ
ータにて流動性を測定したところ下記表2の様に良好な
結果が得られた。更に、この調整されたインキの印刷適
性(主に水回り適性)を判断する為にゲステットナー社
オフセット211型印刷機にて試験を行なった。版は左
右同じ絵柄のPS版を使用し、各々比較例を使用した顔
料のインキと実施例2の顔料を使用したインキとを同時
供給し、湿し水の供給量を増減して評価した。
【0027】表2
【0028】ここで、比較例2−aは、実施例2におい
てモノスルホン化フタロシアニン及びアルケニル琥珀酸
イミド系分散剤で全く処理していない顔料であり、比較
例2−bは、モノスルホン化フタロシアニンを実施例2
と同量添加して処理した顔料であり、アルケニル琥珀酸
イミド系分散剤は使用していないものである。比較例2
−cは、インキ化の過程で比較例2−bの顔料、即ち、
モノ−スルホン化フタロシアニンのみで処理したフタロ
シアニン顔料に対し、アルケニル琥珀酸イミド系分散剤
をワニスと共に混合して使用したものである。その際、
混合したアルケニル琥珀酸イミド系分散剤の量はフタロ
シアニン顔料に対し20%の割合で使用した。
【0029】実施例3 3,3’−ジクロロベンジジン17.4部を常法に従っ
てテトラゾ化してテトラゾニュウム塩を得る。一方、ア
セトアセトメタキシリダイド29.5部とアセトアセト
アニライドパラスルホン酸0.4部をアルカリの存在下
で混合溶解し、常法に従って下漬剤を作製する。両液を
混合し、カップリングさせ、生成した顔料の懸濁液に、
アルケニル琥珀酸イミド系分散剤2.3部とキシロール
3.4部とから実施例2と同様の方法で作製したエマル
ジョン液を注入して顔料を処理する。
【0030】更に昇温して、煮沸を30分間行なった
後、常法に従って濾過、水洗、乾燥及び粉砕して45部
のPY−13タイプの顔料を得る。この顔料の性能を比
較例の顔料と比較する為に、実施例2のインキ試験と同
様の方法で試験したところ、下記表3の様に非常に流動
性があり、そして高い着色力を持ったインキが得られ
た。
【0031】表3
【0032】流動性や着色力、そして印刷適性(水回り
適性)の測定は実施例2と同様の方法で行なった。ここ
で比較例3−aは、アルケニル琥珀酸イミド系分散剤及
び化合物(I)に相当するアセトアセトアニライド−パ
ラスルホン酸が全く導入されていない顔料であり、比較
例3−bは、アルケニル琥珀酸イミド系分散剤を実施例
3と同量使用したものであるが、アセトアセトアニライ
ド−パラスルホン酸は導入されていないものである。
又、比較例3−cは、アセトアセトアニライド−パラス
ルホン酸だけを実施例3と同じ方法で同量導入した顔料
をベースにし、インキ化の過程でワニス中にアルケニル
琥珀酸イミド系分散剤を顔料に対し、20%になる様に
混合して試験したものである。
【0033】実施例4 3,3’−ジクロロベンジジン17.4部を常法に従っ
てテトラゾ化してテトラゾニュウム塩を得る。一方、ア
セトアセトメタキシリダイド27.9部と安息香酸2.
3部をアルカリの存在下で混合溶解し、下漬剤を調製す
る。両液を混合してカップリングさせ、生成した顔料の
懸濁液にアルケニル琥珀酸イミド系分散剤2.3部をキ
シロール3.4部に溶解し、実施例1と同様の方法で作
製したエマルジョンを注入して顔料を処理する。次いで
昇温し、煮沸を30分間行った後、常法に従って濾過、
水洗、乾燥及び粉砕して42部のPY−14の顔料を得
た。
【0034】次いで、比較例の顔料と比較する為に、顔
料をポリアミド−消化綿(固型比2/1)ワニス90部
中にペイントコンディショナーにて分散させ、85部の
ポリアミド−消化綿タイプのインキを得た。このインキ
を用いてコート紙及びマイラーフィルム上に#3バーコ
ーターで展色(draw down)したところ、比較例の顔料を
使用した場合に較べて色相が鮮明であり、優れた光沢を
持った濃度感のある印刷物が得られた。
【0035】表4 ここで、比較例4−aは、実施例4に使用されている化
合物(I)が全く使用されていないものであり、比較例
4−bは、アルケニル琥珀酸イミド系分散剤は実施例4
と同じ量を使用したものの、安息香酸は全く使用しない
ものである。 グロス:グロスメータ(反射角60°) 粘度 :B型粘度計(分散後1日経過後測定)
【0036】実施例5 メチルバイオレット染料16部を90℃の温水200c
cに攪拌溶解し、染料溶液を作製する。一方、別槽に水
200ccに対しモリブデン酸ソーダ16部とタングス
テン酸ソーダ酸10部に、適量の第二隣酸ソーダ及び硫
酸を加えて常法に従い沈澱剤を作製する。次いでこれを
先の染料溶液に注入してレーキ化を行ない、水に不溶の
顔料懸濁液とする。
【0037】又、もう一方の別槽にキシロール1.6部
をとり、これに不乾性油型アルキッド樹脂(ベッコゾー
ルJ−522)0.8部とアルケニル琥珀酸イミド系分
散剤0.8部を加えて溶解し、これにEA141の0.
4部を混合し、これに70℃の温水100ccを加えて
高速攪拌によってO/W型のエマルジョンとし、先の顔
料懸濁液に注入して顔料を処理する。
【0038】これを90℃で30分間攪拌し、注水して
70℃にした後、常法に従って濾過、水洗、乾燥及び粉
砕して油性グラビアインキやフレキソインキに適性のあ
るバイオレット染付顔料を得る。更にこの顔料の適性を
確認する為に、実施例4と同じ試験方法でインキ化して
試験を行ったところ、非常に流動性があり且つ光沢があ
って濃度感のある展色物が得られた。 *ベッコゾールJ−522:大日本インキ製
【0039】表5
【0040】実施例6 トルイジンメタスルホン酸18.7部を常法に従ってジ
アゾ化し、ジアゾニウム塩を得る。一方、βオキシナフ
トエ酸17.9部とフタル酸モノ−エチルエステル1.
0部をアルカリの液に混合溶解し、下漬液を作製する。
両液を混合してカップリングさせ、43部の4Bルビン
トーナー(PR−57)の染料を得る。これにガムロジ
ン8.6部をアルカリの液に溶解させて出来たロジンソ
ープを先の染料液に注入し、次いで75%塩化カルシュ
ーム17部の水溶液を加えてレーキ化を行ない、4Bル
ビントーナー(PR−57)の顔料懸濁液を得る。
【0041】一方、アルケニル琥珀酸イミド系分散剤
2.6部とEA141の0.3部を50℃で加熱混合さ
せ、それに前述のロジンソープ(5%水溶液)50cc
を60℃に加温して加え良く混合させる。そして、これ
に50℃の温水100ccを注入して高速攪拌させてO
/W型のエマルジョンを作製し、先の4Bルビントーナ
ーの顔料懸濁液に注入して顔料を処理する。この顔料懸
濁液を80℃で30分間熟成し、注水して常法に従っ
て、濾過、水洗、乾燥及び粉砕して出版グラビア紅イン
キ用顔料として適性のある4Bルビントーナー(PR−
57)の顔料53部を得る。
【0042】更に、この粉末顔料10部とライムロジン
45部とトルオール45部とをペイントコンディショナ
ーにて常法に従って分散させて、インキ化し、出版グラ
ビアインキを得る。次いで、これと同じ方法にて比較例
の顔料と比較したところ、本発明のものは色相が鮮明
で、流動性があり、且つ光沢があることが確かめられ
た。又、更に、インキ化の過程、即ち、比較例の顔料を
上述のペイントコンディショナーにて分散する際、アル
ケニル琥珀酸イミド系分散剤をこの粉末顔料に対して1
5%の割合でワニスに混合させたものは良好な流動性を
もち、光沢も良好であるが、インキの吸い込みの良いヘ
ンリー紙の場合、裏抜け(プリント・スルー)が生じ、
光沢の減少と濃度感の不足が見られる。
【0043】表6
【0044】実施例7〜11 キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、イソインリノン
系顔料、縮合アゾ系顔料及びジオキサジン系顔料につい
ては、これら顔料の濾過前の顔料懸濁液に実施例1と同
様の処理を行ない、実施例1と同じ試験(塗料試験)を
行なったところ、比較例の顔料(未処理品)と比較した
場合、光沢があり且つ流動性があることが確かめられ
た。その結果を下記表7に示す。
【0045】表7
【0046】
【発明の効果】以上の如き本発明によれば、有機顔料を
化合物(I)及び分散剤(II)で処理することによ
り、各種の用途、例えば、印刷インキ用顔料、グラビア
インキ用顔料、塗料用顔料等として有用な新規顔料組成
物を提供することが出来る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−256698(JP,A) 特開 平2−70766(JP,A) 特開 昭61−126176(JP,A) 特開 昭59−96175(JP,A) 特開 昭61−141794(JP,A) 特開 平6−16987(JP,A) 特公 昭41−2466(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 67/20 C09D 7/12 C09D 11/02 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】安息香酸、ナフトエ酸、β−オキシナフト
    エ酸;フタル酸、イソフタル酸又はテレフタル酸と炭素
    数が1〜8のアルキルアルコールとのエステル反応によ
    って得られるアルキッド樹脂;フタル酸で植物油又はグ
    リセリンを変性した変性アルキッド樹脂;グリセリンに
    代えてペンタエリトリットを用いて高分子量化したアル
    キッド樹脂;アセトアセト−2−カルボキシ−アニライ
    ド又はアセトアセトアニライド−4−スルホン酸とジア
    ゾ成分との反応によって得られる化合物及びモノスルホ
    ン化フタロシアニンからなる群から選択される構成分子
    中に芳香族環とすくなくとも1個の酸性基を有する化合
    (I)とアルケニル琥珀酸イミド系分散剤(II)と有機顔
    料とからなり、有機顔料は上記の化合物(I)及び分散剤
    (II)とで処理されていることを特徴とする顔料組成物。
  2. 【請求項2】 有機顔料が、フタロシアニン系顔料、キ
    ナクリドン系顔料、アゾ系顔料、染付系顔料、アンスラ
    セン系顔料、ペリレン系顔料、縮合アゾ系顔料、イソイ
    ンドリノン系顔料又はジオキサジン系顔料である請求項
    1に記載の顔料組成物。
  3. 【請求項3】 印刷インキ、出版グラビアインキ、包装
    用油性グラビアインキ、フレキソインキ又は塗料用であ
    る請求項1又は2に記載の顔料組成物。
  4. 【請求項4】 芳香族環を含んだ化合物とアルケニル琥
    珀酸イミド系分散剤と有機顔料の重量比率が、0.5〜
    20部/0.5〜20部/99〜60部の範囲である請
    求項1〜3に記載の顔料組成物。
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