JP2982668B2 - 光記録媒体の製造方法 - Google Patents

光記録媒体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板のグルーブ部
とその間のランド部にそれぞれ対応する領域間において
ランド部対応領域の膜厚が相対的に薄い干渉層又は記録
層を形成する光記録媒体の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、コンパクトディスク(CD)やC
D−ROM等に代表される光記録媒体は実用化の段階に
至り、磁気記録媒体を超越するほどの注目をあびながら
現在もその研究開発が盛んに行われている。特に最近の
傾向として、CDとの互換性をもたせることがひとつの
大きなテーマとなっている。そのため、CD規格の条件
を満たすような光記録媒体やその記録方式等に関する各
種の研究開発が進められている。
【0003】そして、CDとの互換性をもつ光記録媒体
は、その互換性たせる観点からみた場合、例えば、現在
普及している一般のCDプレーヤーによる再生ができる
ことが重要な要件であり、しかもこの場合、一般のCD
プレーヤーがトラッキング制御として「3ビーム方式」
を採用しているため、その3ビーム方式によるトラッキ
ング制御に対応できることが必要とされている。
【0004】そこで、本出願人は、すでに情報の書き込
みが可能な反射率増加型の光記録媒体として3ビーム方
式によるトラッキング制御が可能な光記録媒体について
も提案を行っている(特開平7−73504号公報)。
これは、光記録により反射率が増加する所謂「Low
to High」タイプの記録層を有する光記録媒体
は、一般に情報の書き込み(記録)は可能であるが3ビ
ーム方式によるトラッキング制御ができないため、干渉
層の厚さを基板のグルーブ部とランド部にそれぞれ対応
する領域間で適宜異らしめて形成することによりトラッ
キング制御を可能にしたものである。
【0005】また、本発明者等は、その後も反射率増加
型光記録媒体の3ビーム方式によるトラッキング制御へ
の対応技術について種々研究を重ねた結果、干渉層のほ
かに記録層等の所定の光学的機能層における膜厚を基板
のグルーブ部とランド部にそれぞれ対応する領域間で適
宜異らしめること、詳しくは、ランド部に対応する領域
の膜厚をグルーブ部に対応する領域よりも薄くすること
により、上記の課題を解決し得ることを見出した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明はこの
ような事情に鑑みなされたもので、基板におけるランド
部に対応する領域の膜厚がそのグルーブ部に対応する領
域よりも薄くなる光学的機能層(干渉層又は記録層)を
形成すべき光記録媒体をより簡便にかつ効率よく安定し
て製造することができる製造方法を提供することを目的
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する、
請求項1に係る発明の製造方法は、グルーブ部が形成さ
れた基板上に、そのグルーブ部間のランド部に対応する
領域の膜厚がグルーブ部に対応する領域の膜厚よりも薄
い干渉層を積層形成する光記録媒体の製造方法であっ
て、上記干渉層は、基板上に干渉層形成用材料を成膜し
た後に、エッチングビームを成膜後の基板面に対して斜
め方向から入射させてグルーブ部に対応する領域に比べ
てランド部に対応する領域に多く照射することにより形
成することを特徴とするものである。
【0008】また、請求項2に係る発明の製造方法は、
グルーブ部が形成された基板上に、そのグルーブ部間の
ランド部に対応する領域の膜厚がグルーブ部に対応する
領域の膜厚よりも薄い記録層を積層形成する光記録媒体
の製造方法であって、上記記録層は、基板上に記録層形
成用材料を成膜すると同時に、エッチングビームを成膜
中の基板面に対して斜め方向から入射させてグルーブ部
に対応する領域に比べてランド部に対応する領域に多く
照射することにより形成することを特徴とするものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においては、そのいずれも
膜厚を異ならしめる手段として、エッチングビームを基
板面に対して斜め方向から入射させてエッチングを行
う、いわゆる「斜めエッチング方法」を採用している。
そして、そのエッチングビームを照射する手段として
は、例えばイオンビーム照射式や電子ビーム照射式等の
薄膜エッチング手段が用いることができる。
【0010】基板のランド部に対応する領域の膜厚が基
板のグルーブ部に対応する領域の膜厚よりも薄い光学的
機能層、特に干渉層又は記録層を形成するに当たって
は、図1に示すように、グルーブ部1とその間のランド
部2を有する基板3の面とビーム式薄膜エッチング手段
によるエッチングビームEBの投射方向とが所定の角度
θをなすようにセッティングした後、その基板表面に対
して斜め方向からエッチングビームEBを照射し、もっ
て斜めエッチングを行う。この際、斜めエッチングは、
光学的機能層4として干渉層を形成する場合には基板3
上に干渉層形成用材料を成膜した後に行い、光学的機能
層4として記録層を形成する場合には基板3上に記録層
形成用材料を成膜すると同時に行う。
【0011】これにより、エッチングビームEBは、特
にグルーブ部1に対応する領域にむけて投射される一部
がランド部によりその進路を遮断されてグルーブ部対応
領域に到達しない(或いは抑制される)ため、結果的
に、グルーブ部1に対応する領域に比べてランド部2に
対応する領域に多く照射されることになる。このため、
その成膜後又は成膜途上の光学的機能層4は、ランド部
2に対応する領域部分4aでより多くのエッチングが実
行されることになり、最終的に、ランド部2に対応する
領域の膜厚d2がグルーブ部1に対応する領域の膜厚d1
よりも薄くなって形成される。
【0012】例えば、斜めエッチングをイオンビーム式
エッチングにより行う場合には、図2に示すように、そ
のイオンビーム発生源10から投射されるエッチングビ
ームEBの方向に対して基板3を所定の角度θだけ傾け
て設置し、その状態でエッチングビームEBを基板上に
照射することにより行う。また、この場合、図3に示す
ように、所定の開口部11を有するスリット12を使用
し、そのスリット12によりエッチングビームEBの入
射方向を制御しながら、その開口部11を通過する通過
する範囲のエッチングビームのみを基板3上に照射させ
ることも可能である。
【0013】また、イオンビーム式エッチングを利用し
て円盤状の基板3を回転させながら斜めエッチングを行
う場合には、図4に示すように、矢印B方向に回転する
基板3を挟む位置に相対向するように2つのイオンビー
ム発生源10a,10bを設置し、各イオンビーム発生
源10a,10bによる2方向からのエッチングビーム
EB1、EB2の投射を行うことにより斜めエッチングを
行うことができる。この際、各イオンビーム発生源から
のエッチングビームEB1、EB2の投射方向と基板3面
とのなす角度θは互いに同等であることが望ましい。か
かる角度θが互いに大幅に異なる場合は、成膜状態が回
転進行方向に対して左右非対称となり、それが原因でト
ラッキング制御やトラックカウントに支障が生じるおそ
れがある。
【0014】この場合、その斜めエッチングは、大別す
ると次のような2つの状態で行われる。回転する基板3
がイオンビーム発生源10に近接している際(P−P部
分)には(図4)、図5に示すように、イオンエッチン
グビームEBは主に基板3のランド部2上に照射され、
一方、回転する基板3がオンビーム発生源10から離れ
ている際(Q−Q部分)には、イオンエッチングビーム
EBはグルーブ部1とランド部2のいずれにもほぼ同量
照射される。そして、総合的には、エッチングビームE
Bはグルーブ部1に比べてランド部2に対応する領域上
により多く照射され、ランド部2に対応する領域にある
膜がより多くエッチングされる。
【0015】また、この場合、必要に応じてイオンビー
ム発生源10から離れる領域となる基板3とその発生源
10との間にマスク部材13を設置し(図4)、これに
より回転する基板3がイオンビーム発生源10から離れ
ている際におけるエッチング、特にグルーブ部1に対応
する領域における膜へのエッチングを阻止して成膜度合
いを調整することができる。また、必要に応じて、上記
2つのイオンビーム発生源10a,bに加えてさらに2
つのイオンビーム発生源を設置し、4方向からのエッチ
ングビームの照射を行うようにしてもよい。この場合に
おいても、必要により、各イオンビーム発生源間にマス
ク部材を適宜配置して成膜度合いの調整を行ってもよ
い。
【0016】このような斜めエッチングにおけるエッチ
ングビームEBの投射方向と基板3面とがなす角度θ
は、凹部であるグルーブ部1にむけて投射されるエッチ
ングビームがランド部2により遮断されて当該グルーブ
部対応領域に到達しない(或いは抑制される)ような角
度に設定すればよい。望ましくは、その角度θは、ラン
ド部2により遮断されることによるエッチングビームの
グルーブ部対応領域底面への非到達面積がその底面全体
の半分以上となるような角度に設定する。この角度θを
上記の設定角度よりも大きくした場合には、グルーブ部
とランド部との間で成膜度合いに差をもたせることが困
難となるため、所望の膜厚差をもった層形成を行うこと
が難しくなる。
【0017】そして、光学的機能層である干渉層や記録
層のグルーブ部対応領域における膜厚d1とランド部対
応領域における膜厚d2は、その記録後において記録を
行ったグルーブ部又はランド部の対応領域(トラック)
が「暗部」として認識され、その他方のランド部又はグ
ルーブ部の対応領域(トラック間)が「明部」として認
識されるという反射率特性が得られるような値にすれば
よい。このように設定することにより、光記録媒体は、
3ビーム方式のトラッキング制御における制御用メイン
ビームが「暗部」として認識される領域(トラック)に
引き込まれるように追従するため、3ビーム方式による
トラッキング制御が正常に行われる。
【0018】また、光記録媒体のグルーブ部とランド部
に対応する領域間で反射光に位相差が生じるように上記
の膜厚d1、d2を設定した場合には、その反射光の位相
が進むグルーブ部又はランド部を記録領域としてのトラ
ックになるように設計すれば、3ビーム方式と同時にプ
ッシュプル方式のトラッキング制御にも適用可能な光記
録媒体とすることができる。
【0019】さらに、製造すべき光記録媒体は、基本的
に、その媒体構造が基板上に保護層、記録層、干渉層、
反射層、表面保護層をこの順次に形成した積層構造から
なるものである。また、この媒体構造は上記の構成に限
られるものではなく、例えば、基板と保護層の間にさら
に保護層としての下地層を形成した構造のものであって
もよい。
【0020】本発明のように、膜厚の異なる干渉層をそ
の成膜後に斜めエッチングを行うことにより製造するこ
とにより、基板やそれ以前に形成した層(記録層など)
への熱的ダメージを大幅に低減することができる。ま
た、SiN等のような反応性の材料からなる干渉層を形
成する場合、その成膜と同時に斜めエッチングを行って
所定の膜厚からなる干渉層を形成しようとすると、その
材料による成膜がなされず、干渉層自体を形成すること
ができない。
【0021】一方、膜厚の異なる記録層をその成膜と同
時に斜めエッチングを行うことにより製造することによ
り、効率のよい記録層形成が可能になることはもちろん
のこと、記録層形成用材料の下層との密着性を向上させ
ることができるとともにグルーブ部対応領域とランド部
対応領域との間で異なった膜厚をより正確に形成するこ
とができる。
【0022】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。
【0023】実施例1 この実施例では、図7に示すような媒体構造からなる光
記録媒体を製造した。すなわち、深さ200nmのグル
ーブ部1を形成したポリカーボネート製の円盤状基板
(屈折率1.58)3上に、SiO2からなる厚さ80
nmの下地層5、SbOxからなる厚さ40nmの記録
層6、SiNからなるグルーブ部厚さd1が150n
m、ランド部厚さd2が240nmの干渉層(屈折率
2.0、消衰係数0)7、Al−Tiからなる厚さ60
nmの反射層8、及び、紫外線効果性樹脂からなる表面
平滑な表面保護層9をこの順に積層して光記録媒体とし
た。この光記録媒体は反射率増加型のものであり、しか
もランド部に対応する記録層領域を記録のためのトラッ
クとして使用するタイプのものである。
【0024】そして、この光記録媒体の製造に際して
は、干渉層7を下記のような斜めエッチング方法を利用
した方法により形成した。干渉層7以外の下地層5と反
射層8についてはRFスパッタリング法により、記録層
6についてはイオンプレーティング法により、表面保護
層9についてはスピンコーティング法によりそれぞれ形
成した。
【0025】すなわち、干渉層7は、通常のRFスパッ
タリング装置により基板3(具体的には記録層6)の全
面に均一な膜厚で干渉膜を成膜した後、以下のように構
成した斜めエッチング装置を用いて形成した。図8は、
その斜めエッチング装置の構成を概略的に示すものであ
る。図8において、符号20はチャンバー、21は基板
3を回転可能に保持しつつ矢印S方向にチャンバー20
内を搬送させる基板搬送用ホルダー、22はチャンバー
20内の搬送路に沿って配設されたマスク板、10はイ
オンビーム発生源である。この斜めエッチング装置はイ
ンライン型のものであり、この斜めエッチング装置の前
後には、下地層、記録層、干渉膜等を形成するための別
のチャーバーが連続的に接続されている。
【0026】まず、前工程にて記録層6上に全面均一な
膜厚の干渉膜が形成された基板3は、基板搬送用ホルダ
21により自転しながらチャンバー20内の中央を矢印
S方向に搬送され、その搬送路の両側に配置されたイオ
ンビーム発生源10にて斜め方向からイオンエッチング
ビームEBが照射される。このときエッチングビームE
Bの投射方向と基板3面とのなす角度θはほぼ10°に
なるように設定されている。しかも、エッチングビーム
EBはマスク板22により照射時の発散等が抑制され
る。また、このときのエッチングレートは、基板の搬送
速度やイオンビームの加速電圧等の条件を適宜設定する
ことにより調整される。
【0027】このような斜めエッチングが行われるチャ
ンバー20内を搬送させることにより、前記したように
グルーブ部対応領域の厚さd1が150nm、ランド部
対応領域の厚さd2が240nmの干渉層7が形成され
た(図7)。この際、干渉層7の各膜厚d1、d2は、イ
オンビームの加速電圧を400V、3Aのように調整す
ることにより所定の膜厚比になるようにした。
【0028】以上のようにして製造された光記録媒体の
反射率を測定したところ、そのトラックとなるランド部
対応領域の反射率は30%以下であり、そのトラック間
となるグルーブ部対応領域の反射率は60%以上であっ
た。そして、この光記録媒体はプッシュプル式トラッキ
ング制御を採用したCD記録装置による記録が可能であ
り、しかも、その記録後の光記録媒体は3ビーム式トラ
ッキング制御を採用したCDプレーヤーによる再生が可
能であった。
【0029】また、このように製造したことにより、基
板や記録層は製造プロセスにおいて熱的ダメージを受け
ることはなく、そのため、C/N比やジッター等の特性
が良好であった。また、この干渉層7は反応性の材料に
て形成したが、その斜めエッチングプロセスにおいてそ
の材料組成や性質に何ら支障は生じなかった。特に、反
応性材料による干渉膜を先に成膜してしまうため、その
成膜工程でのN2やO2等の(エッチングビーム照射によ
る)解脱が少なく、干渉層の組成が安定し、結果として
所望の光学的特性を安定して得ることが可能となる。
【0030】実施例2 この実施例では、図9に示すような媒体構造からなる光
記録媒体を製造した。すなわち、深さ130nmのグル
ーブ部1を形成したポリカーボネート製の円盤状基板
(屈折率1.58)3上に、SiO2からなる厚さ80
nmの下地層5、SbOxからなるグルーブ部厚さd1
が50nm、ランド部厚さd2が0nmの記録層6、S
iO2からなる厚さ60nmの干渉層(屈折率1.4
5、消衰係数0)7、Al−Tiからなる厚さ60nm
の反射層8、及び、紫外線効果性樹脂からなる表面平滑
な表面保護層9をこの順に積層して光記録媒体とした。
この光記録媒体は反射率増加型のものであり、しかもラ
ンド部に対応する記録層領域を記録のためのトラックと
して使用するタイプのものである。
【0031】そして、この光記録媒体の製造に際して
は、記録層6を下記のような斜めエッチング方法を利用
した方法により形成した。記録層6以外の下地層5と干
渉層7と反射層8についてはRFスパッタリング法によ
り、表面保護層9についてはスピンコーティング法によ
りそれぞれ形成した。
【0032】すなわち、記録層6は、以下のように構成
したスパッタリング装置により基板3(具体的には下地
層5)上に記録層形成材料を成膜すると同時に、斜め方
向からエッチングビームを照射して斜めエッチングを行
うことにより形成した。図10は、斜めエッチング装置
を兼ねたスパッタリング装置の構成を概略的に示すもの
である。図10において、符号20はチャンバー、21
は基板3を回転可能に保持しつつ矢印S方向にチャンバ
ー20内を搬送させる基板搬送用ホルダー、23はチャ
ンバー20内の基板搬送用ホルダー21の直下側位置に
配設されたスパッタリング用のターゲット(Sb)、1
0はイオンビーム発生源である。この斜めエッチング装
置を兼ねたスパッタリング装置はインライン型のもので
あり、このスパッタリング装置の前後には、下地層、干
渉層等を形成するための別のチャーバーが連続的に接続
されている。
【0033】まず、前工程にて下地層5がすでに形成さ
れた基板3は、基板搬送用ホルダ21により自転しなが
らチャンバー20内の中央を矢印S方向に搬送され、基
板3の直下方向からスパッタ粒子であるSbOxが投射
されると同時に、その搬送路の両側に配置されたイオン
ビーム発生源10にて斜め方向からイオンエッチングビ
ームEBが照射される。このときエッチングビームEB
の投射方向と基板3面とのなす角度θはほぼ10°にな
るように設定されている。また、このときのエッチング
レートは、基板の搬送速度やイオンビームの加速電圧等
の条件を適宜設定することにより調整される。
【0034】このようなスパッタリングと斜めエッチン
グとが同時に行われるチャンバー20内を搬送させるこ
とにより、前記したようにグルーブ部対応領域の厚さd
1が50nm、ランド部対応領域の厚さd2が0nmの記
録層6が形成された(図9)。この際、記録層6の各膜
厚d1、d2は、イオンビームの加速電圧とスパッタレー
トを制御するメインビームの加速電圧を次のように調整
することにより、所定の膜厚比になるようにした。すな
わち、ランド部上のスパッタ粒子の体積速度がゼロにな
るようにするとともに、グルーブ部上のスパッタ粒子の
体積速度が100nm/minとなるようにした。これ
により、ランド部対応領域には全く記録層を形成しない
ようにした。
【0035】以上のようにして製造された光記録媒体の
反射率を測定したところ、そのトラックとなるランド部
対応領域の反射率は30%以下であり、そのトラック間
となるグルーブ部対応領域の反射率は60%以上であっ
た。また、その光記録媒体のトラッククロス信号につい
て調べたところ、書き込み前はプッシュプル式トラッキ
ング制御を採用したCD記録装置に適合する極性の信号
が得られ、また、書き込み後は3ビーム式トラッキング
制御を採用したCDプレーヤーに適合する極性の信号が
得られた。そして、実際に、この光記録媒体はプッシュ
プル式トラッキング制御を採用したCD記録装置による
EFM信号の記録と、3ビーム式トラッキング制御を採
用したCDプレーヤーによる再生を行ったところ、その
記録と再生はいずれも正常に行うことが可能であった。
【0036】また、このように製造したことにより、記
録層は下地層5上に強固に密着した状態で成膜すること
ができた。また、得られた記録層は表面状態が良好であ
り、安定した記録マーク形状を得られるものであった。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
によれば、成膜した後(或いは成膜と同時に)斜めエッ
チング法を行うことにより、基板のランド部に対応する
領域の膜厚がそのグルーブ部に対応する領域の膜厚より
も薄い干渉層(記録層)を簡便にかつ効率よく安定して
製造することができる。
【0038】そして、このような膜厚条件からなる干渉
層又は記録層が形成された光記録媒体は、反射率増加型
の光記録媒体として構成した場合であっても、3ビーム
方式によるトラッキング制御に適用可能なものとなる。
従って、本発明によれば、3ビーム方式によるトラッキ
ング制御に適用可能な反射率増加型の光記録媒体を容易
に生産することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法における成膜状態と斜めエ
ッチング状態を概念的に示す説明図である。
【図2】 斜めエッチング方法の一実施形態を示す要部
概念図である。
【図3】 斜めエッチング方法の他の実施形態を示す要
部概念図である。
【図4】 斜めエッチング方法の他の実施形態を示す要
部概念図である。
【図5】 図4のP−P線に沿う断面図である。
【図6】 図4のQ−Q線に沿う断面図である。
【図7】 実施例1で製造した光記録媒体を示す要部断
面図である。
【図8】 実施例1で使用した製造装置の構成を概略的
に示す平面説明図である。
【図9】 実施例2で製造した光記録媒体を示す要部断
面図である。
【図10】 実施例2で使用した製造装置の構成を概略
的に示す平面説明図である。
【符号の説明】
1…グルーブ部、2…ランド部、3…基板、6…記録
層、7…干渉層、d1…グルーブ部に対応する領域の膜
厚、d2…ランド部に対応する領域の膜厚、EB…エッ
チングビーム。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グルーブ部が形成された基板上に、その
    グルーブ部間のランド部に対応する領域の膜厚がグルー
    ブ部に対応する領域の膜厚よりも薄い干渉層を積層形成
    する光記録媒体の製造方法であって、 上記干渉層は、基板上に干渉層形成用材料を成膜した後
    に、エッチングビームを成膜後の基板面に対して斜め方
    向から入射させてグルーブ部に対応する領域に比べてラ
    ンド部に対応する領域に多く照射することにより形成す
    ることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 グルーブ部が形成された基板上に、その
    グルーブ部間のランド部に対応する領域の膜厚がグルー
    ブ部に対応する領域の膜厚よりも薄い記録層を積層形成
    する光記録媒体の製造方法であって、 上記記録層は、基板上に記録層形成用材料を成膜すると
    同時に、エッチングビームを成膜中の基板面に対して斜
    め方向から入射させてグルーブ部に対応する領域に比べ
    てランド部に対応する領域に多く照射することにより形
    成することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
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