JP2981957B2 - 金型温度制御方法及び装置 - Google Patents

金型温度制御方法及び装置

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JP2981957B2 JP5055871A JP5587193A JP2981957B2 JP 2981957 B2 JP2981957 B2 JP 2981957B2 JP 5055871 A JP5055871 A JP 5055871A JP 5587193 A JP5587193 A JP 5587193A JP 2981957 B2 JP2981957 B2 JP 2981957B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム又はアル
ミニウム合金及びマグネシウム又はマグネシウム合金等
の鋳造に用いる重力鋳造装置において、高品位の鋳物を
得ることのできる金型温度制御方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】重力金型鋳造法は、金型内のキャビティ
に金属溶湯を重力により流入させて充填し鋳物を製造す
る方法で、静かに溶湯を鋳込むため空気の巻き込みが少
なく健全性の高い鋳物を作ることができる。砂型鋳造法
に比較すると、生産性が高くかつ金型により鋳物の冷却
速度が早いため結晶粒度が細かくなり、鋳放し強度を高
められるという特徴がある。また、鋳造後に熱処理を施
すことによりさらにその強度を改良することができ、高
引張強度、靱性、耐圧性を必要とする部品の鋳造に適す
る。
【0003】さらに、重力金型鋳造法ではダイカスト法
では使えなかった中子の使用が可能で、製品形状に対す
る制約はよほど大きな製品を除いては無いという利点が
ある。また、ダイカスト法に比較すると鋳造機本体の機
械構造が単純でかつ金型寿命も長いことから、設備コス
トにおいても優位にある。これらの特徴を生かして、本
鋳造法はダクト状の薄肉部を有する吸気マニホ−ルドや
コレクタ等の自動車エンジン部品の鋳造に使用されてい
る。
【0004】特に、自動車のエンジン部品である吸気マ
ニホ−ルドは形状が複雑であると同時に、環境対策に伴
うエンジンの軽量化のために部材の薄肉化が緊急の課題
となっていることから、重力鋳造による製造が次第に困
難となりつつある。すなわち、重力金型鋳造により前記
薄肉吸気マニホ−ルドを鋳造しようとすると、金型温度
が低過ぎると溶湯の充満途中に熱容量の小さな薄肉部で
凝固し不廻りや湯ざかいなどの鋳造欠陥を引き起こし、
また金型温度が高過ぎると熱容量の大きな製品肉厚部に
相当する金型部位が局部過熱しヒケ等の鋳造欠陥が発生
し、いずれの場合も製品不良となり製造歩留まりの低下
の原因となる。
【0005】従って重力金型鋳造で健全な薄肉鋳物を製
造するためには、製品形状や溶湯温度、鋳造方案などの
鋳造条件により異なるものの、鋳造時の金型の温度を3
00〜500℃の所定の温度範囲内に管理することが望
ましい。そのために、従来は金型の背面に加熱用バ−ナ
やヒ−タ等の加熱手段を配設して、金型温度を保持する
方法が採られている。
【0006】特開平4−228252号公報には、金型
の取付板の下部に金型冷却用の冷媒通路を形成し、ある
いは前記取付板の上部に金型加熱用のヒ−タを設けて、
これらの冷却あるいは加熱により前記金型温度が上部か
ら下部にかけて漸次低下するような温度勾配を形成し、
この状態でキャビティ内に重力で溶湯を流し込んで凝固
させて鋳造することを特徴とする重力鋳造方法が開示さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、加熱
手段及び冷却手段を用いて金型の温度を制御しようとす
るものであるが、それぞれ以下に示すような解決すべき
課題がある。
【0008】金型背面にバーナやヒータ等の加熱手段を
配設して金型を加熱して温度保持を行う場合、金型内に
流入する溶湯の熱量のため1鋳造サイクル内で金型の温
度は数10℃〜100℃以上の大きな温度変動を受ける
ため、一般に温度制御に用いられるリアルタイムのフィ
ードバック制御の適用は難しく、その制御アルゴリズム
は確立されていない。従って、これまでは作業者が判断
し経験的に加熱温度を手動で設定しているため、温度制
御に失敗して金型温度が上がりすぎて金型が歪んだり、
逆に低すぎて溶湯不廻り等の鋳造欠陥の発生原因となっ
ていた。
【0009】また、特開平4−228252号公報に開
示された発明は、溶湯を適正に冷却して良好な指向性凝
固を進行させることを目的としてなされたもので、均一
な肉厚形状を有する製品のヒケ等の鋳造欠陥を排除する
効果を有するが、垂直方向の肉厚が不均一な製品におい
ては肉厚部での局部加熱のために指向性凝固を実現する
のは極めて困難である。特に、吸気マニホ−ルドの如く
ダクト状の部分の両端にフランジ状の肉厚部を有する形
状においては、薄肉のダクト状部分が先に凝固してフラ
ンジ部が最終凝固部となるため、指向性凝固による鋳造
欠陥の排除は難しい。
【0010】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは金型加熱により鋳造時の
金型の温度を所定の温度領域に制御すると同時に、製品
肉厚部に該当する特定の部位を冷却媒体により冷却する
ことにより、局部過熱を防止し指向性凝固を実現するこ
とにより鋳造欠陥の発生を防止し、健全で高品質の鋳物
の製造を実現することのできる重力鋳造法における金型
温度制御方法及び金型温度制御装置を提供するものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の金型温度制御方
法は、金型を組み合わせて形成したキャビティに溶湯を
充填して行う重力鋳造法の金型温度制御方法において、
溶湯を充填する前の金型の温度を測定し、予め設定した
温度との温度偏差を演算し、温度偏差にもとづいて金型
温度調節手段及び鋳造サイクル時間を制御することによ
り金型温度を設定温度になるように調整することを特徴
としている。
【0012】金型温度調節手段は加熱手段と冷却手段と
から成り、加熱手段を金型の代表温度とすべく設定した
部位の温度をもとに制御し、また冷却手段を局部冷却を
すべく設定した部位の温度をもとに制御するとよい。
【0013】また望ましくは、加熱手段はガスバーナで
あり、溶湯を充填する前の金型の測定温度と予め設定し
た温度の偏差をもとに、今回鋳造時の偏差に比例し、か
つこれまでの鋳造時の偏差の累積を積分処理して求めた
流量の可燃性ガスを流し、冷却手段は冷媒を流通するた
めの流路を有した冷却部材であり、溶湯を充填する前の
局部冷却をすべく設定した部位の今回鋳造時の測定温度
と予め設定した温度を比較し、測定温度が設定温度より
高い時に、冷却部材へ通す冷媒の通過時間をその偏差に
比例して求めるとよい。
【0014】また、鋳造サイクル時間は、鋳造のための
型締めから製品を取り出すための型開きまでの時間であ
り、金型の代表温度とすべく設定した部位の溶湯を充填
する前の測定温度が予め設定した温度よりも高い場合は
鋳造サイクル時間を温度差に応じて延長し、低い場合は
鋳造サイクル時間を温度差に応じて短縮するように制御
するとよい。
【0015】鋳造サイクル時間制御は、前述した金型の
代表温度とすべく設定した部位の測定温度と予め設定し
た温度をもとに鋳造サイクル時間を制御する方法に加え
て、鋳造サイクル終了から次の鋳造サイクル開始までの
時間を測定し、予め設定した時間と比較演算し、測定時
間が設定時間よりも大なる場合は鋳造サイクル時間を時
間差に応じて短縮し、測定時間が設定時間よりも小なる
場合は鋳造サイクル時間を時間差に応じて延長する制御
を付加したものとしてもよい。
【0016】また、本発明の金型温度制御装置は、金型
を組み合わせて形成したキャビティに溶湯を充填して行
う重力鋳造法の金型温度制御装置において、該金型の代
表温度とすべく設定した部位の温度を測定する温度セン
サと、局部冷却をすべく設定した部位の温度を測定する
温度センサと、前記2種類の温度センサデータと予め設
定した目標温度とを各々比較演算する温度制御装置と、
演算結果にもとずいて制御され該金型全体を加熱する加
熱手段と、同様に演算結果にもとずいて制御され冷却を
すべく設定した金型部位を局部的に冷却する冷却手段を
有することを特徴としている。
【0017】
【作用】本発明の金型温度制御方法によれば、鋳造時の
金型温度を加熱手段及び加熱装置により所定の温度領域
に安定して自動制御することにより、複雑形状品におい
ても溶湯の不廻りや湯ざかい等の鋳造欠陥の発生を防止
することができる。また、引け等の鋳造欠陥発生部位に
は冷却ブロックを配置し、冷却媒体を冷却部ブロックに
流通させ強制冷却により特定の部位の温度を制御するこ
とにより金型の全体温度を低下させることなく局部冷却
制御を実現することができる。
【0018】さらに、本発明は、外部から直接的に熱エ
ネルギーを給排する加熱冷却手段によるだけでなく、鋳
造サイクル時間を延長または短縮することにより、溶湯
から得られる熱エネルギーの放出程度を調節して金型温
度制御に活かすものである。併せて、正味の鋳造サイク
ル時間の平準化の作用により、鋳造機の多台数操作ある
いは給湯機の併用も可能となる。特に、本発明において
は、積極的に金型を加熱する手段と冷却する手段を有す
るため、金型の外乱による温度変動を吸収することがで
き、トラブル発生等により鋳造を停止した場合でも良好
な金型の温度を維持して、復帰時には短時間で鋳造を再
開できる。
【0019】
【実施例1】以下、本発明の一実施例を図1〜図2にも
とずいて説明する。図1は、本発明の実施例である金型
温度制御装置の構成を示す図である。金型1は上型1a
と下型1bを組み合わせて使用し、下型1bの一方には
溶湯を貯留するための溶湯溜3が付属し、上型1aと下
型1bにより形成するキャビテイ2内に溶湯を流し込ん
で鋳物を製造する。
【0020】各金型の内部には、その代表温度を検出す
べく設定した部位に温度センサ4a,4bを配置し、温
度センサ4a,4bで検出した温度を電気信号として温
度制御装置30に入力する。金型1の背面には、加熱手
段であるガスバ−ナ20a,20bを各々配置し、各バ
−ナは配管により加熱装置25のミキサ21a,21b
に接続する。加熱装置25は、ミキサ21a,21bを
介して可燃性ガス流量調整弁23a,23b、空気流量
調整弁22a,22bが接続されたものである。可燃性
ガス流量調整弁23a,23bは可燃性ガス供給源41
に接続し、空気流量調整弁22a,22bは燃焼用空気
供給源40に接続している。加熱装置25は、調整しよ
うとする温度範囲、金型の熱容量等を考慮して充分な能
力のものを選定する必要がある。
【0021】空気流量調整弁22a,22bと可燃性ガ
ス流量調整弁23a,23bはコントロ−ルモ−タ(図
示せず)に連結し、温度制御装置30からの電気信号に
よりその開度を調整し、ガスバ−ナ20a,20bに送
りこむガス量を増減して加熱力を調整する構成とする。
加熱装置25としてここでは加熱手段にガスバ−ナを使
用した場合の例を示したが、加熱手段としては抵抗加熱
線や発熱体を用いた電気ヒ−タや高周波加熱装置等も使
用できる。ただし、電気ヒ−タは加熱速度が小さく加熱
に時間がかかるという問題があり、また高周波加熱装置
を使用する場合はコイルの設置に大きなスペ−スを必要
とし設備として高価であるということを考慮しなければ
ならない。
【0022】一方、湯口から離れた位置に製品肉厚部が
存在するとその部位の溶湯の凝固が遅れ、しかも押し湯
からの溶湯補給が期待できない場合にはホットスポット
となって引け等の鋳造欠陥が発生する。従って金型の局
部的に冷却をすべく設定した該部位に、温度検出用の温
度センサ12を組み込んだ冷却ブロック10を配設す
る。温度センサ12の出力信号は温度制御装置30に入
力する。冷却手段としての冷却ブロック10には、冷却
媒体を流通するための流路11を設け、その一方の入り
口に冷却用の配管51を接続する。冷却配管には電磁弁
13を設け、温度制御装置30からの電気信号により冷
却媒体を冷却媒体供給源50から冷却ブロック10に供
給する構成とする。本図には冷却ブロック10を1系統
のみ図示したが、必要であれば複数の冷却ブロックを設
置することができる。その時は、各々の冷却ブロックに
温度センサ、冷却配管、電磁弁を設け、温度制御装置と
電気配線を施工する。冷却媒体としては、冷却能力に応
じて圧縮空気はもとより、冷却水や水ミスト等の媒体を
使用することができる。
【0023】図2に、金型重力鋳造での鋳造サイクルに
おける金型の温度変動を示す。金型温度は注湯直後に急
激に温度が上昇したのちに単調に下降する。金型1を閉
じ溶湯溜3に溶湯を供給後、金型1を傾動してキャビテ
ィ2に溶湯を流し込み、タイマ−により所定時間経過
後、金型1を元の姿勢に戻してから金型1を開き製品を
取出して鋳造1サイクルを終了する。製品形状や重量に
より異なるが、一般に1サイクルの鋳造時間は約5分程
度である。金型1を開いて製品を取り出してから次の鋳
造のために型を閉じるまでの時間(t2−t1)は、金
型1のキャビテイ2の表面へのエアブロ−や金型1内へ
の中子のセット等の作業を行う時間であり、常に一定し
ているとは限らない。時として、金型1のキャビティ2
表面へのバリかみなどが発生すると金型1の開放時間が
長くなり、それに比例して金型1の温度が低下する要因
となる。
【0024】次に、本実施例における作用について説明
する。加熱装置25をガスバ−ナを対象とした場合に
は、可燃性ガス流量調整弁23a,23bの開度調整に
より加熱能力の調整が可能となり、一般には比例制御が
用いられる。すなわち、目標温度との温度偏差をdT
(=Ts−Tm)、比例帯を+−10℃とすると、流量
調整弁への制御出力は(50+5×dT)%として求め
ることができる。しかし、比例制御だけでは出力値にオ
フセットが生じるため、上記の式にさらにこれまでの鋳
造時の温度偏差の累積を積分項としてつけ加えることに
よりPI制御となりオフセットが解消でき、より精度の
よい温度制御が可能になる。
【0025】すなわち、温度センサ4a,4bで注湯直
前の金型温度Tmを検出して温度制御装置30に入力
し、温度制御装置30では予め設定した目標温度Tsと
比較して温度偏差dTを演算し、さらに温度偏差をもと
に比例制御またはPI制御により演算した流量調整弁2
2a,22b,23a,23bの開度を電気信号として
流量調整弁22a,22b,23a,23bのコントロ
−ルモ−タに出力し、その結果バ−ナ20a,20bの
火力を調整して金型1a,1bの温度制御を行うもので
ある。本実施例では、各々の金型に温度センサと加熱手
段、加熱装置を配置し、独自に温度制御を行うよう構成
しており、各々異なる設定温度を入力することが可能で
あることから、鋳造製品の特性や鋳造方案にあわせた鋳
造温度の設定を実現できる。勿論、1対の温度センサと
加熱手段、加熱装置で両金型の温度制御も可能である。
【0026】また、前述したように、図1に示すごとく
ホットスポットとなって外引け等の鋳造欠陥が発生し易
い部位には冷却ブロック10を配設し、冷却媒体を流通
し局部冷却を行う。しかし、必要以上に冷却媒体を流通
すると金型温度の低下を招き、その結果溶湯の不廻りや
湯ざかい等の不良の原因となる。
【0027】金型の適正な冷却を実現するため、溶湯を
充填する前の冷却ブロック10の温度Tbを測定し、冷
却ブロック設定温度Tbsとの温度偏差を比較演算し、
冷却ブロック測定温度Tbが冷却ブロック設定温度Tb
sよりも高い場合には、金型キャビテイ2内に溶湯の充
填が完了したことを確認した後に温度偏差に比例した時
間だけ電磁弁13を開放して冷却媒体を冷却ブロック1
0内に流通させる。冷却媒体の流通時間は、溶湯の金型
内充填完了から1サイクル終了までの間とし、最も長い
場合でも金型開とともに冷却媒体の冷却ブロックへの流
通を停止する。冷却ブロック設定温度Tbsを金型1の
設定温度Tsよりも高い値に設定することにより、金型
1の温度低下を防止することが可能である。
【0028】一方、鋳造サイクル時間を短縮することに
より一定時間内に金型1に入る熱量は増加することか
ら、鋳造サイクル時間の短縮は金型温度を上昇せしめる
作用を有する。鋳造サイクル時間の短縮は、鋳造製品の
形状を損なわないことが前提となるため、製品形状や重
量により個々の金型1について最小の鋳造サイクルを予
め実験的に求め、短縮する鋳造サイクル時間は上記最小
サイクル時間よりも大きく設定しなければならないとい
う制約はあるものの、金型を加熱するのと同等の効果を
有している。また、鋳造サイクル時間の延長は、同様の
理由により金型温度を降下せしめる作用を有する。
【0029】従って、前記加熱装置25等を用いた金型
温度調節手段の制御と併せて、上記の鋳造サイクル時間
制御を加味することにより、より精度の高い金型温度制
御が可能となる。鋳造サイクル時間は、前述した金型温
度の検出値Tmと目標値Tsとの温度偏差dTをもとに
演算する。演算は、標準の鋳造サイクル時間をTc、比
例定数をAとすると、(Tc+A×dT)として行う。
但し、前記の理由によりサイクル時間を標準のサイクル
時間よりも短縮する場合には最小サイクル時間を下回ら
ないような下限の設定が必要である。比例定数Aは、金
型熱容量と鋳造製品の熱容量を加味して実験的に求める
ことができる。
【0030】
【実施例2】前述した鋳造サイクル時間制御は、金型温
度を測定し、予め設定した温度と比較した温度偏差をも
とに、鋳造サイクル時間を求めるものであるが、次に示
すように金型温度を用いずに鋳造サイクル時間を調整す
ることもでき、これを加味した制御としてもよい。図2
において、製品取り出しのために金型1を開いてから次
の鋳造のために金型1を閉じるまでの時間t0(t0=
t2−t1)は、前述の理由により常に一定とはなら
ず、その結果金型1を開いている時間バラツキに基づく
放熱のバラツキにより金型温度が変動する。従って、連
続鋳造中に常に鋳造サイクル間の金型1が開いている時
間を監視し、その時間をもとにして金型温度の変動を修
正するように鋳造サイクル時間を調整することができ
る。例えば、t0が標準値よりもdt秒だけ大なる時に
はそのサイクル時間を標準のサイクル時間からdt秒だ
け短縮し、逆にdt秒だけ小なる時はそのサイクル時間
をdt秒だけ延長するようにする。これにより、金型温
度の安定化だけでなく、鋳造時間の平準化が可能とな
る。
【0031】但し、サイクル時間を標準のサイクル時間
よりも短縮する場合には、最小サイクル時間を下回らな
いような下限値の設定が必要である。すなわち、1サイ
クルを数10秒以上にわたって時間短縮を行うと、未凝
固のまま製品を排出する危険性があることから、鋳造製
品や金型を加味した最小サイクル時間の設定が必要とな
る。鋳造時間の平準化は、作業者が鋳造機を多台数操作
している場合や給湯機等を兼用している場合には、タイ
ミングのずれが発生しないよう作用するので稼働率向上
の効果が得られる。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、鋳造時の金型温度を所定の温度領域に安定し
て制御することができるため、重力金型鋳造において複
雑形状部品でも溶湯の不廻りや湯ざかいなどの鋳造欠陥
の発生を防止し、健全で高品位の鋳物の安定した製造が
できるという効果が得られる。また、引け等の鋳造欠陥
に対しては、欠陥発生部位の近傍に冷却ブロックを配置
し本発明による温度制御を実施することにより、金型の
全体温度を低下させることなく局部冷却制御を実現する
ことができるので防止でき、鋳造歩留まりの向上に多大
の効果がある。
【0033】さらに、温度制御の自動化により作業の熟
練度が不要となり、併せて鋳造サイクル時間の平準化に
より鋳造機の多台数操作も可能となるため、生産性が格
段に向上するという効果がある。特に、本発明において
は積極的に金型を加熱しかつ冷却する手段を有するた
め、溶湯の熱的外乱による金型温度変動を吸収すること
ができるという特長がある。しかも、トラブル発生等に
より鋳造を停止した場合でも良好な金型の温度を維持し
て、復帰時には短時間で鋳造を再開できるという効果も
ある。なお、本発明は金型を使用する鋳造法には適用可
能であり、重力鋳造に限定されないことは言うまでもな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金型温度制御装置を説明する概略図を
示す。
【図2】金型重力鋳造における金型の温度変化を示す。
【符号の説明】
1 金型 2 キャビテイ 4 温度センサ 10 冷却ブロック 12 温度センサ 13 電磁弁 21 ミキサ 22 空気流量調整弁 23 可燃性ガス流量調整弁 25 加熱装置 30 温度制御装置 40 燃焼用空気供給源 41 可燃性ガス供給源 50 冷却媒体供給源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−7917(JP,A) 特開 平4−333358(JP,A) 特開 昭52−44731(JP,A) 特開 平1−143750(JP,A) 特開 昭59−61565(JP,A) 実開 昭64−33342(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 27/04 B22C 9/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型を組み合わせて形成したキャビティ
    に溶湯を充填して行う重力鋳造法の金型温度制御方法に
    おいて、溶湯を充填する前の金型の温度を測定し、予め
    設定した温度との温度偏差を演算し、温度偏差にもとづ
    いて金型温度調節手段及び鋳造サイクル時間を制御する
    ことにより金型温度を設定温度になるように調整するこ
    とを特徴とする金型温度制御方法。
  2. 【請求項2】 金型温度調節手段は加熱手段と冷却手段
    とから成り、加熱手段を金型の代表温度とすべく設定し
    た部位の温度をもとに制御し、また冷却手段を局部冷却
    をすべく設定した部位の温度をもとに制御する請求項1
    記載の金型温度制御方法。
  3. 【請求項3】 加熱手段はガスバーナであり、溶湯を充
    填する前の金型の測定温度と予め設定した温度の偏差を
    もとに、今回鋳造時の偏差に比例し、かつこれまでの鋳
    造時の偏差の累積を積分処理して求めた流量の可燃性ガ
    スを流し、 冷却手段は冷媒を流通するための流路を有した冷却部材
    であり、溶湯を充填する前の局部冷却をすべく設定した
    部位の今回鋳造時の測定温度と予め設定した温度を比較
    し、測定温度が設定温度より高い時に、冷媒の通過時間
    をその偏差に比例して求める請求項1又は2記載の金型
    温度制御方法。
  4. 【請求項4】 鋳造サイクル時間は、型締めから型開き
    までの時間であり、金型の代表温度とすべく設定した部
    位の測定温度が予め設定した温度よりも高い場合は鋳造
    サイクル時間を温度差に応じて延長し、低い場合は鋳造
    サイクル時間を温度差に応じて短縮するように制御する
    請求項1乃至3のいづれかに記載の金型温度制御方法。
  5. 【請求項5】 鋳造サイクル終了から次の鋳造サイクル
    開始までの時間を測定し、予め設定した時間と比較演算
    し、測定時間が設定時間よりも大なる場合は鋳造サイク
    ル時間を時間差に応じて短縮し、測定時間が設定時間よ
    りも小なる場合は鋳造サイクル時間を時間差に応じて延
    長する制御を、請求項1乃至4のいづれかに記載の金型
    温度制御方法に付加したことを特徴とする金型温度制御
    方法。
  6. 【請求項6】 金型を組み合わせて形成したキャビティ
    に溶湯を充填して行う重力鋳造法の金型温度制御装置に
    おいて、該金型の代表温度とすべく設定した部位の温度
    を測定する温度センサと、局部冷却をすべく設定した部
    位の温度を測定する温度センサと、前記2種類の温度セ
    ンサデータと予め設定した目標温度とを各々比較演算す
    る温度制御装置と、演算結果にもとずいて制御され該金
    型を加熱する加熱手段と、同様に演算結果にもとずいて
    制御され局部冷却をすべく設定した金型部位を冷却する
    冷却手段を有することを特徴とする金型温度制御装置。
JP5055871A 1993-03-16 1993-03-16 金型温度制御方法及び装置 Expired - Lifetime JP2981957B2 (ja)

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