JP2981540B2 - 細胞培養用床材 - Google Patents

細胞培養用床材

Info

Publication number
JP2981540B2
JP2981540B2 JP8236079A JP23607996A JP2981540B2 JP 2981540 B2 JP2981540 B2 JP 2981540B2 JP 8236079 A JP8236079 A JP 8236079A JP 23607996 A JP23607996 A JP 23607996A JP 2981540 B2 JP2981540 B2 JP 2981540B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cell culture
flooring
chitosan
cells
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP8236079A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1075775A (ja
Inventor
憲彦 箕浦
智江 小谷野
正宣 奈倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP8236079A priority Critical patent/JP2981540B2/ja
Publication of JPH1075775A publication Critical patent/JPH1075775A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2981540B2 publication Critical patent/JP2981540B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞を培養し、増
殖させる際に用いられる細胞培養用床材に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】現在、医薬品等に用いられている生理活
性物質は哺乳類動物の細胞を用いて生合成させたものが
多い。それ故に、それらの細胞を効率よく増殖させるこ
とが必要であるが、一般に、哺乳類動物を始めとする生
物の細胞は浮遊状態では増殖せず、固体表面に付着して
のみ増殖する性質を有している。このような付着状態で
増殖する性質をもつ細胞を培養し、増殖させるためには
細胞を多量に付着する固体表面、つまり培養床が必要と
なる。従来、ガラスのような無機物質、多糖類のような
天然高分子物質、ポリスチレン等の合成高分子物質など
が培養床として用いられているが、必ずしも効率的に細
胞培養を行うことができないため、新しい細胞培養用床
材の出現が強く望まれている。細胞培養は通常、表面積
の大きな球状あるいは繊維状の床材を水溶液中に浮遊さ
せて行われるため、床材の密度は水の密度と同程度が望
まれ、また、攪拌等の機械的力により床材が破壊されな
いことが望まれる。また、床材に毒性がないことも必須
である。この様に、細胞培養用床材料については未だ満
足するべきものは開発されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、効率的に細
胞培養を行うために、細胞付着性の高い固体表面を有す
る細胞培養用床材を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討を重ね、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明によれば、ポリビニルアルコールとキ
トサンとからなる混合高分子の含水ゲルの成形物からな
る細胞培養用床材が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いる高分子ゲルは、ポ
リビニルアルコールとキトサンとからなる混合高分子の
含水ゲルである。ポリビニルアルコールとしては、ケン
化度が98モル%以上、平均重合度1500以上のもの
が好ましく用いられる。キトサンは、キチンから脱アセ
チル化して合成されるが、脱アセチル化度が70モル%
以上のものが好ましく用いられる。キトサンの混合比
は、ポリビニルアルコールと水溶性高分子との混合物に
対し、20〜40重量%である。また、混合高分子含水
ゲル中の含水量は、50〜95重量%、好ましくは60
〜80重量%である。前記の混合高分子含水ゲルからな
る成形物を製造するには、ポリビニルアルコールとキト
サンとを酢酸を含む水溶液状で加圧下及び加熱下におい
て均一に混合する。加熱温度は95〜140℃、好まし
くは110〜125℃であり、圧力は、内容物が沸騰し
ない圧力であればよい。次に、この混合高分子の水溶液
を所要形状に成形し、得られた成形物を水酸化ナトリウ
ム水溶液中に浸漬して酢酸を中和する。その成形物を十
分水洗した後、混合高分子含水ゲルの成形物を得ること
ができる。本発明の細胞培養用床材は、所望形状、例
えば、フィルム状、筒状、球状、ケース状、繊維状等の
各種の形状を有するものである。また、本発明の細胞培
養用床材は、それ全体が前記混合高分子含水ゲルから構
成される必要はなく、その表面部のみが前記混合高分子
含水ゲルから構成されていてもよい。
【0006】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。 実施例1 キトサン(脱アセチル化度86モル%)に90gの蒸留
水を加え、さらにキトサン1g当り0.80mlの酢酸
を加えてキトサン水溶液を作成する。ここに、ポリビニ
ルアルコール(ケン化度99.85モル%、重合度17
00)を高分子物質の総重量が10gになるよう各種分
率比で混合し、耐圧硝子容器に入れた。この容器(温度
20℃)を100分間かけて徐々に120℃まで加熱し
(圧力=2×105Pa)、この温度で10分間保った
後、40分間かけて徐々に80℃まで冷却した。得られ
た均一水溶液をガラス板上に流延し、24時間風乾し
た。さらに、これを30℃で24時間真空乾燥してフィ
ルム試料を得た。その後、この試料を多量の4%水酸化
ナトリウム水溶液に6時間浸漬すると、この試料は含水
ゲル状になった。この水溶液を新しい蒸留水と数回とり
かえることにより、この含水ゲル状試料から溶出する高
分子を完全に取り除いた。この試料を蒸留水中に保存
し、その含水率(含水ゲル状試料の重量に対するゲル中
の水の重量の割合)を測定した(表1)。なお、ポリビ
ニルアルコールとキトサンとの初期重量混合比が98:
2、95:5、90:10、85:15、80:20、
70:30、60:40の7種類の試料を作成した。ま
た、比較のためにポリビニルアルコールだけからなる試
料も作成した。前記のようにして得た含水ゲル状フィル
ム試料は、含水率が高いので、その比重がほぼ1であ
り、細胞培養用床材として水中に浮遊させるのに好都合
である。含水ゲル状フィルム試料のヤング率を表1に示
す。含水率が高いにもかかわらずヤング率が高いこと
は、床材として利用中に機械的力で容易に破壊されない
特徴がある。いずれの混合比の含水ゲル状フィルム試料
も、極めて透明度が高い。
【0007】実施例2 前記含水ゲル状フィルムに対する細胞の接着・増殖性を
調べた。すなわち、試料とする9mm×9mmの含水ゲ
ル状フィルム上にマウス由来の線維芽細胞(L−92
9)の培養液(約13.8万個/ml)0.3mlを接
触させたまま、二酸化炭素5%、湿度100%で37℃
に設定したインキュベーター中に静置した。培養液に
は、10%牛胎児血清を含むEagle MEMを使用
した。また、比較のため、ポリビニルアルコールだけか
らなる試料、高研(株)製コラーゲン試料、和光純薬工
業(株)製の組織培養用プラスチックシートについても
同一手法で試験を行った。所定時間インキュベーター中
に静置後、試料とした含水ゲル状フィルム上に接着して
いる細胞数を、クリスタルバイオレットを染料とする通
常の核染色法により定量した。また、顕微鏡下で細胞数
を直接数える方法でも定量した。30時間培養後の細胞
増殖率(組織培養用プラスチックシートに接着した細胞
数に対するゲル状フィルムに接着した細胞数の比)とキ
トサン含有率との関係を表1に示す。キトサン含有率の
増加とともに細胞増殖率が急激に増大した。30時間培
養後の40%キトサン含有ゲル状フィルムの細胞増殖率
はコラーゲン試料での256をも凌ぐ結果であった。さ
らに、試料上に接着した細胞の形態を顕微鏡により観察
した結果、キトサン含有率の低いゲル状フィルムでは細
胞は球状であったが、含有率の増大とともに生体内及び
コラーゲン上で観察されるのと同様の紡錘形を有する細
胞の割合が増加することがわかった。
【0008】以上の結果からポリビニルアルコールとキ
トサンとの混合物は細胞接着増殖能をもつことが示され
る。
【0009】混合物中のキトサンの含有率(重量%)と
含水率、ヤング率、30時間培養後の細胞増殖率(組織
培養用プラスチックシートに接着した細胞数に対するゲ
ル状フィルムに接着した細胞数の比)との関係を次表に
示す。
【0010】
【表1】
【0011】実施例3 実施例1において、キトサンとポリビニルアルコールの
総重量が10gのかわりに20gになるようにする以外
は同様の手法で混合高分子の均一水溶液を得た。この水
溶液を細いノズルから−70℃のメタノール中に押し出
して脱水凝固し、さらに4%の水酸化ナトリウム水溶液
中にて中和した後、新しい蒸留水で数回水洗いすること
により繊維状の細胞培養用床材を成形した。
【0012】実施例4 実施例3において、混合高分子の均一水溶液を細いノズ
ルから押し出すかわりに、この水溶液を−70℃のメタ
ノール中へ一定量ずつ滴下すること以外は同様の手法に
より、球状の細胞培養用床材を成形した。
【0013】
【発明の効果】本発明の細胞培養用床材は、細胞の接着
増殖能をもつことから、従来の細胞培養用床材に見られ
た不都合な問題を解決したもので、その価値は多大であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−209767(JP,A) 特開 平8−33486(JP,A) 特開 昭62−51982(JP,A) 特開 平3−117483(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 5/00 - 5/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール80〜60重量%
    とキトサン20〜40重量%とからなる混合高分子の含
    水ゲルの成形物からなる細胞培養用床材。
JP8236079A 1996-09-06 1996-09-06 細胞培養用床材 Expired - Lifetime JP2981540B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8236079A JP2981540B2 (ja) 1996-09-06 1996-09-06 細胞培養用床材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8236079A JP2981540B2 (ja) 1996-09-06 1996-09-06 細胞培養用床材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1075775A JPH1075775A (ja) 1998-03-24
JP2981540B2 true JP2981540B2 (ja) 1999-11-22

Family

ID=16995419

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8236079A Expired - Lifetime JP2981540B2 (ja) 1996-09-06 1996-09-06 細胞培養用床材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2981540B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020000580A (ko) * 2000-06-23 2002-01-05 김범철 피부 상처 치료용 드레싱제 및 그 제조방법
JP2005034069A (ja) * 2003-07-16 2005-02-10 Fuji Photo Film Co Ltd バイオリアクター及びそれを用いた細胞培養方法
JP2006246883A (ja) * 2005-02-14 2006-09-21 Fuji Photo Film Co Ltd 細胞培養担体
JP2007259735A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Fujifilm Corp 細胞培養担体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1075775A (ja) 1998-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Schmedlen et al. Photocrosslinkable polyvinyl alcohol hydrogels that can be modified with cell adhesion peptides for use in tissue engineering
Chirila et al. Poly (2-hydroxyethyl methacrylate) sponges as implant materials: in vivo and in vitro evaluation of cellular invasion
JP4599022B2 (ja) すぐに使用できる均一に分散した細胞外マトリックスを基材に提供する方法
JP3148250B2 (ja) 微生物培養器材および培地
CN108047465A (zh) 一种甲基丙烯酸酯明胶/壳聚糖互穿网络水凝胶、制备方法及应用
JPS63254153A (ja) 高分子電解質組成物
Thein‐Han et al. Chitosan scaffolds for in vitro buffalo embryonic stem‐like cell culture: An approach to tissue engineering
JP2007528918A (ja) 生体適合性生分解性吸水性ハイブリッド物質
JP2006314285A (ja) 細胞培養用担体及び該細胞培養用担体を用いた細胞培養方法
JPH02504221A (ja) 細胞培養法、培養物及び培養製品
Gan et al. GelMA/κ-carrageenan double-network hydrogels with superior mechanics and biocompatibility
CN110272894A (zh) 一种内置海绵状多孔结构的微生物载体及其制备方法
JP2981540B2 (ja) 細胞培養用床材
AU722087B2 (en) Solid culture medium for microorganisms, process for its preparation, and use
CN110114454A (zh) 细胞培养基材
Hu et al. 3D printing GelMA/PVA interpenetrating polymer networks scaffolds mediated with CuO nanoparticles for angiogenesis
RU2471824C1 (ru) Биосовместимый биодеградируемый пористый композиционный материал и способ его получения
CN113663127A (zh) 一种纳米复合水凝胶及其制备方法和应用
Palumbo et al. Construction and evaluation of sponge scaffolds from hyaluronic acid derivatives for potential cartilage regeneration
Haima et al. Synthesis and characterisation of glutaraldehyde cross-linked κ-carrageenan-gelatin hydrogel
JP2899686B2 (ja) 細胞増殖性医療用物品
JPH04278083A (ja) 細胞数を制御した細胞塊状体形成法およびそれに用いる細胞培養用基材
DE60122500T2 (de) Verfahren zur herstellung von proteinhaltigen hydrogelen
Gümüşderelioğlu et al. Uses of thermoresponsive and RGD/insulin-modified poly (vinyl ether)-based hydrogels in cell cultures
JP2840729B2 (ja) 臓器癒着防止用フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term