JP2981397B2 - 樹脂成形装置の樹脂焼け防止方法 - Google Patents

樹脂成形装置の樹脂焼け防止方法

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JP2981397B2
JP2981397B2 JP6065063A JP6506394A JP2981397B2 JP 2981397 B2 JP2981397 B2 JP 2981397B2 JP 6065063 A JP6065063 A JP 6065063A JP 6506394 A JP6506394 A JP 6506394A JP 2981397 B2 JP2981397 B2 JP 2981397B2
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齊 原
裕幸 岡村
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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SUMITOMO JUKIKAI PURASUCHITSUKU MASHINARII KK
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂成形装置の樹脂焼
け防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂成形装置、例えば射出成形機
においては、加熱シリンダ内において加熱され溶融させ
られた樹脂を射出ノズルから射出して金型のキャビティ
に充填(じゅうてん)し、冷却することによって固化さ
せ、続いて金型を開いて成形品を取り出すようにしてい
る。
【0003】そのために、射出装置の加熱シリンダ内に
はスクリューが進退自在にかつ回転自在に配設され、駆
動系によって回転させられて後退する。この時、ホッパ
から供給された樹脂は、前記スクリューの回転及び後退
に伴って加熱シリンダ内を前方に移動し、その間に加熱
され溶融させられてスクリューヘッドの前方に蓄えられ
る。
【0004】次に、前記駆動系はスクリューを前進させ
る。その結果、スクリューヘッドの前方に蓄えられた樹
脂は射出ノズルから射出され、金型のキャビティに充填
される。この時、前記樹脂は、射出される際に射出シリ
ンダにより加えられる射出圧力に対する反力によって、
その一部が前記スクリューの溝を通って後方に逆流しよ
うとする。そこで、これを防止するためにスクリューの
前方に逆止リングが配設され、スクリューを前進させた
ときに逆止リングがシールリングと当接するようにして
ある。そして、前記逆止リングがスクリューから抜けな
いように、スクリューとスクリューヘッドとを別体で形
成し、ねじ部を螺合(らごう)することによって両者を
固定するようにしている。
【0005】また、前記スクリューヘッドは大径部及び
小径部を有し、前記大径部の外径を前記逆止リングの内
径より大きくすることによって、逆止リングが抜けない
ようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の射出成形機においては、計量工程においてスクリュ
ーを回転させながら後退させるようにしているので、樹
脂が前記スクリューの溝を通って前方に移動する間に加
熱シリンダ内において滞留することがある。この場合、
樹脂の温度が上昇して樹脂焼けが発生し、該樹脂焼けが
発生した樹脂がそのまま金型のキャビティに充填される
と成形品に黒点が形成されてしまう。
【0007】特に、樹脂としてPE(ポリエチレン)を
使用した場合、樹脂焼けが発生しやすい。そこで、前記
加熱シリンダによって樹脂を加熱する際の設定温度を低
くすることが考えられる。ところが、この場合、樹脂焼
けの発生を低減することはできるが、その分だけ樹脂の
粘度が高くなり、射出工程においてキャビティに樹脂を
十分に充填することができず、成形品に未充填部分が発
生することがあるだけでなく、樹脂の未溶融部分がその
まま充填されることもある。
【0008】また、スクリューの表面にフッ素樹脂を被
覆することによって、溶融させられた樹脂がスクリュー
の表面に付着しないようにしたり、樹脂が滞留する部分
を少なくしたりして、樹脂焼けが発生するのを防止する
ことが考えられる。ところが、樹脂焼けは加熱シリンダ
の内周面に発生し、樹脂焼けが発生した樹脂が加熱シリ
ンダの内周面に付着して黒化樹脂層が形成されてしま
う。そして、一旦(いったん)黒化樹脂層が形成されて
しまうと、内周面に沿ってスクリューが回転させられて
も掻(か)き落とされることはなく、加熱シリンダの内
周面に強固に付着してしまう。さらに、前記黒化樹脂層
が核となって樹脂焼けが成長してしまう。
【0009】このように、樹脂を加熱して溶融させ、溶
融させられた樹脂によって成形を行う樹脂成形装置にお
いては、樹脂が滞留する部分において樹脂焼けが発生す
るとともに黒化樹脂層が形成されてしまう。本発明は、
前記従来の樹脂成形装置の樹脂焼け防止方法の問題点を
解決して、樹脂を加熱して成形を行う際の設定温度を低
くすることなく、樹脂焼けが発生するのを防止すること
ができる樹脂成形装置の樹脂焼け防止方法を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の樹
脂成形装置の樹脂焼け防止方法においては、樹脂を加熱
して溶融させ、溶融させられた樹脂によって成形を行う
ようになっている。そして、樹脂を設定温度に加熱して
成形サイクルを行い、該成形サイクルが停止したとき
に、樹脂の温度を低下させ、前記成形サイクルが停止し
た後、設定時間が経過したときに樹脂を強制的に移動さ
せる。また、前記設定時間は、樹脂焼けを発生させない
最大滞留時間より短く設定される。
【0011】本発明の他の樹脂成形装置の樹脂焼け防止
方法においては、樹脂を加熱して溶融させ、溶融させら
れた樹脂によって射出成形を行うようになっている。そ
して、樹脂を設定温度に加熱して射出成形サイクルを行
い、該射出成形サイクルが停止したときに、樹脂の温度
を低下させ、前記射出成形サイクルが停止した後、設定
時間が経過したときにスクリューを回転させて樹脂を強
制的に移動させる。また、前記設定時間は、樹脂焼けを
発生させない最大滞留時間より短く設定される。
【0012】本発明の更に他の樹脂成形装置の樹脂焼け
防止方法においては、さらに、射出成形サイクルが停止
したときに射出ノズルのヒータをオフにすることによっ
て樹脂の温度を低下させ、前記射出成形サイクルが停止
した後、他の設定時間が経過したときに加熱シリンダの
ヒータをオフにする。
【0013】本発明の更に他の樹脂成形装置の樹脂焼け
防止方法においては、さらに、射出成形サイクルが停止
したときに射出ノズルを後退させる。
【0014】
【作用】本発明によれば、前記のように樹脂成形装置の
樹脂焼け防止方法においては、樹脂を加熱して溶融さ
せ、溶融させられた樹脂によって成形を行うようになっ
ている。そして、樹脂を設定温度に加熱して成形サイク
ルを行い、該成形サイクルが停止したときに、樹脂の温
度を低下させ、前記成形サイクルが停止した後、設定時
間が経過したときに樹脂を強制的に移動させる。また、
前記設定時間は、樹脂焼けを発生させない最大滞留時間
より短く設定される。この場合、樹脂を設定温度に加熱
して成形サイクルを行っているときに、該成形サイクル
が停止すると、樹脂の温度が低下させられ、前記成形サ
イクルが停止した後、設定時間が経過したときに樹脂が
強制的に移動させられる。
【0015】本発明の他の樹脂成形装置の樹脂焼け防止
方法においては、樹脂を加熱して溶融させ、溶融させら
れた樹脂によって射出成形を行うようになっている。そ
して、樹脂を設定温度に加熱して射出成形サイクルを行
い、該射出成形サイクルが停止したときに、樹脂の温度
を低下させ、前記射出成形サイクルが停止した後、設定
時間が経過したときにスクリューを回転させて樹脂を強
制的に移動させる。また、前記設定時間は、樹脂焼けを
発生させない最大滞留時間より短く設定される。この場
合、樹脂を設定温度に加熱して射出成形サイクルを行っ
ているときに、該射出成形サイクルが停止すると、樹脂
の温度が低下させられ、前記射出成形サイクルが停止し
た後、設定時間が経過したときにスクリューが回転させ
られ、樹脂が強制的に移動させられる。
【0016】本発明の更に他の樹脂成形装置の樹脂焼け
防止方法においては、さらに、射出成形サイクルが停止
したときに射出ノズルのヒータをオフにすることによっ
て樹脂の温度を低下させ、前記射出成形サイクルが停止
した後、他の設定時間が経過したときに加熱シリンダの
ヒータをオフにする。この場合、樹脂を設定温度に加熱
して射出成形サイクルを行っているときに、該射出成形
サイクルが停止すると、樹脂の温度が低下させられ、前
記射出成形サイクルが停止した後、他の設定時間が経過
したときに加熱シリンダのヒータがオフにされる。
【0017】本発明の更に他の樹脂成形装置の樹脂焼け
防止方法においては、さらに、射出成形サイクルが停止
したときに射出ノズルを後退させる。この場合、スクリ
ューを回転させると、樹脂は加熱シリンダの外に移動さ
せられる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。図1は本発明の実施例における
射出装置の要部断面図、図2は本発明の実施例における
加熱シリンダの先端部分の拡大図である。図に示すよう
に、射出装置の加熱シリンダ11内にはスクリュー12
が進退自在にかつ回転自在に配設される。該スクリュー
12は射出工程が完了した時点において前進限位置に置
かれ、計量工程が完了した時点において後退限位置に置
かれる。
【0019】前記加熱シリンダ11は前方 (図における
左方) の端面近傍にシリンダヘッド11aを有し、該シ
リンダヘッド11aはボルト11bによって加熱シリン
ダ11の本体11cに固定される。そして、加熱シリン
ダ11におけるシリンダヘッド11aの前方(図におけ
る左方)の端面に射出ノズル14が螺合されて固定さ
れ、該射出ノズル14の前方(図における左方)の端面
にノズル口15が形成される。また、前記加熱シリンダ
11の後方 (図における右方) には射出シリンダ16が
配設され、該射出シリンダ16内を進退 (図における左
右方向に移動)する射出ピストン17と前記スクリュー
12とが、カップリング19によって相対的に回転自在
に連結される。
【0020】前記射出ピストン17は、射出工程におい
て前進(図における左方に移動)させられ、計量工程及
びサックバックにおいて後退(図における右方に移動)
させられる。そして、前記加熱シリンダ11の外周には
加熱シリンダ11内の樹脂を加熱して溶融させるための
バンドヒータH1〜H4が加熱シリンダ11に接触して
配設され、射出ノズル14の外周には射出ノズル14内
の樹脂が固化しないようにするためのバンドヒータH
5、H6が射出ノズル14に接触して配設される。
【0021】さらに、前記加熱シリンダ11の上方に
は、所定の間隔を置いてカバー25が固定され、バンド
ヒータH1〜H4を包囲する。なお、27は固定プラテ
ンである。計量工程において、前記スクリュー12は図
示しない駆動系によって回転させられて後退(図におけ
る右方に移動)する。この時、図示しないホッパから供
給された樹脂は、前記ホッパと加熱シリンダ11とを連
結するホッパ口18内を落下して加熱シリンダ11内に
進入し、前記スクリュー12の回転及び後退に伴って溝
20に沿って前方(図における左方)に移動し、その間
に加熱シリンダ11内で加熱され溶融させられてスクリ
ューヘッド22の前方(図における左方)に蓄えられ
る。そして、この時、溶融に伴って発生した樹脂の圧力
はスクリュー12に対する反力となり、該反力によって
スクリュー12が後退させられるようになっている。な
お、前記スクリューヘッド22はスクリュー12の前方
(図における左方)にシールリング32を介して固定さ
れる。
【0022】次に、射出工程において、前記射出シリン
ダ16はスクリュー12を前進 (図における左方に移
動)させる。その結果、スクリューヘッド22の前方に
蓄えられた樹脂は射出ノズル14から射出され、前記固
定プラテン27に取り付けられた図示しない金型と図示
しない可動プラテンに取り付けられた金型との間のキャ
ビティに充填される。
【0023】前記樹脂は、射出される際に射出シリンダ
16によって射出圧力が加えられる。そして、該射出圧
力に対する反力によって、樹脂の一部が前記スクリュー
12の溝20を通って後方(図における右方)に逆流し
ようとする。そこで、これを防止するためにスクリュー
ヘッド22に逆止リング31が配設され、前記スクリュ
ー12の前方の端面にシールリング32が固定される。
したがって、スクリュー12が前進させられると、前記
逆止リング31が前記シールリング32と当接し、両者
の各端面が密着して両者間が封止される。
【0024】そして、前記スクリュー12とスクリュー
ヘッド22とを別体で形成し、ねじ部35を螺合するこ
とによって両者を固定するようにしている。また、スク
リューヘッド22は前方から後方にかけて円錐(えんす
い)形部22a、大径部22b及び小径部22cを有
し、前記大径部22bの外径を前記逆止リング31の内
径より大きくすることによって、逆止リング31が抜け
ないようにしている。
【0025】さらに、前記逆止リング31はスクリュー
ヘッド22の小径部22cとの間に環状の樹脂流路37
を形成し、前記スクリュー12が後退する計量工程にお
いては樹脂流路37が開放され、該樹脂流路37を介し
て樹脂がスクリューヘッド22の前方に送られる。一
方、前記スクリュー12が前進する射出工程において
は、前記逆止リング31がシールリング32と当接し、
前記樹脂流路37が遮断される。したがって、樹脂が後
方に逆流するのを防止することができる。
【0026】前記逆止リング31を非共回り式に配設し
た場合、計量工程において前記スクリュー12が回転し
ても逆止リング31は回転しない。これに対して、逆止
リング31を共回り式に配設した場合、計量工程におい
て前記スクリュー12が回転すると逆止リング31も追
随して回転する。そこで、前記スクリューヘッド22に
は、逆止リング31との間において相対的に回転するの
を防止するための図示しない係止部が形成される。
【0027】なお、前記スクリュー12は、後方におい
て深い溝20が形成された供給部Pa、中央において後
方から前方にかけて次第に浅くなる溝20が形成された
圧縮部Pb、及び前方において浅い溝20が形成された
計量部Pcを有する。次に、加熱シリンダ11内におけ
る樹脂の流れについて図3を併用して説明する。
【0028】図3は本発明の実施例における加熱シリン
ダの拡大図である。図に示すように、スクリュー12に
は螺旋(らせん)状のフライト51が形成され、隣接す
る各フライト51間に谷部52が形成される。そして、
該谷部52は前記フライト51に沿って連続的に形成さ
れ、全体で溝20になる。ところで、通常、射出成形機
のサイクルタイムは数秒から2分程度続く。そして、射
出成形が順調に行われる場合には、前記サイクルタイム
の間にスクリュー12は回転したり前進(図における左
方に移動)したりする。そして、加熱シリンダ11の内
周面に付着した樹脂は、前記スクリューヘッド22の前
方に蓄えられた樹脂の反力によって、加熱シリンダ11
の内周面とフライト51の外周面との間の間隙(かんげ
き)を抜けて矢印A方向に流れる。
【0029】ここで、前記スクリュー12は過熱防止の
ために根元部分が水冷されるので、前記供給部Paにお
ける樹脂の温度は前記計量部Pcにおける樹脂の温度よ
り100〔℃〕程度低い。したがって、矢印A方向に流
れる樹脂は十分に冷却され、樹脂焼けによって黒化樹脂
層が形成されたり、該黒化樹脂層が核となって樹脂焼け
が成長したりすることはない。
【0030】次に、樹脂焼けが発生する条件について図
4を併用して説明する。図4は樹脂の最大滞留時間と温
度との関係図である。なお、図において、横軸に樹脂の
最大滞留時間を、縦軸に樹脂の温度を採ってある。ま
た、樹脂としてポリエチレンを使用した。前述したよう
に、前記加熱シリンダ11内において樹脂を滞留させる
と樹脂焼けが発生する。したがって、樹脂焼けが発生す
るのを防止するためには、所定時間が経過するまでに樹
脂を移動させるとよい。そして、樹脂焼けを発生させな
い最大滞留時間は樹脂の温度によって変化する。
【0031】図において、L1は樹脂焼け発生限界線で
あり、樹脂の滞留時間を変化させたとき、樹脂の温度が
前記樹脂焼け発生限界線L1の温度より高くなると樹脂
焼けが発生する。また、L2は加熱シリンダ11の加熱
を継続させたときの樹脂の温度の推移を示す線であり、
L3は加熱シリンダ11の加熱を停止させたときの樹脂
の温度の推移を示す線である。
【0032】図に示すように、加熱シリンダ11の加熱
を継続させた場合は、樹脂の滞留時間が2分になる限界
点Cまでは、線L2によって表される樹脂の温度が樹脂
焼け発生限界線L1の温度より高くなることはない。し
たがって、樹脂の滞留時間が2分になるまでに樹脂を移
動させることによって、樹脂焼けが発生するのを防止す
ることができる。
【0033】また、バンドヒータH1〜H4をオフにし
て加熱シリンダ11の加熱を停止させた場合は、樹脂の
滞留時間が4分になる限界点Dまでは、線L3によって
表される樹脂の温度が樹脂焼け発生限界線L1の温度よ
り高くなることはない。したがって、樹脂の滞留時間が
4分になるまでに樹脂を移動させることによって、樹脂
焼けが発生するのを防止することができる。
【0034】ところで、樹脂の温度は射出成形サイクル
を停止させたときに前記限界点C、Dに到達する。例え
ば、必要な数量の成形品を成形することができたので人
為的に射出成形を終了させることがあるが、このような
射出成形サイクルの停止時において樹脂の温度は前記限
界点C、Dに到達する。そこで、樹脂焼けが発生するの
を防止するために、必要な数量の成形品が成形された時
のスイッチの切換えによる信号、又はあらかじめ必要な
数量が設定された図示しないプリセットカウンタにカウ
ント終了信号を発生させ、これらの信号(以下「射出成
形終了信号」という。)が発生させられたときに、射出
ノズル14を後退させて固定プラテンから離し、射出ノ
ズル14の設定温度を加熱シリンダ11の設定温度より
低い任意の設定温度(本実施例においては30〔℃〕)
に変更するようにしている。また、射出ノズル14のバ
ンドヒータH5、H6をオフにすることもできる。
【0035】そして、射出ノズル14を後退させた後、
第1の設定時間が経過するごとに第2の設定時間だけス
クリュー12を回転させて加熱シリンダ11内の樹脂を
強制的に移動させる。この場合、前記射出成形終了信号
が発生させられると、図示しない制御装置は第1のタイ
マT1 による計時を開始させる。そして、該第1のタイ
マT1 による計時を終了するごとに第2のタイマT2
よる計時を開始し、第2のタイマT2 による計時を終了
するまでスクリュー12を設定された回転数で回転させ
るようにしている。なお、前記第1の設定時間は最大滞
留時間より短く設定される。
【0036】この場合、スクリュー12の回転に伴って
加熱シリンダ11内の樹脂がわずかずつ移動する。その
結果、線L2、L3によって表される樹脂の温度が樹脂
焼け発生限界線L1の温度より高くなることはない。し
たがって、樹脂焼けが発生するのを防止することができ
る。なお、この場合、溝20内の樹脂は前記スクリュー
12の前方に移動し、加熱シリンダ11の内周面とフラ
イト51の外周面との間の間隙内の樹脂は矢印A方向に
移動する。
【0037】また、射出成形サイクル中は樹脂を高温に
維持することができるので、樹脂を加熱する際の設定温
度を低くする必要がない。しかも、射出成形のシーケン
スを変更するだけでよいので、射出装置の構造を変更す
る必要もない。さらに、前記射出成形終了信号が発生さ
せられたときに、射出ノズル14を後退させるようにな
っているので、前記スクリュー12を回転させることに
よって、樹脂を移動させることができるだけでなく、前
記加熱シリンダ11の外に排出することができる。した
がって、樹脂の移動が効果的になる。
【0038】次に、成形品の取出し時における落下不良
等のトラブルによって射出成形を中断することもある
が、このような場合の射出成形サイクルの停止時にも、
樹脂の温度は前記限界点C、Dに到達する。そこで、樹
脂焼けが発生するのを防止するために、スクリュー12
の回転が停止させられた時にスクリュー回転停止信号を
発生させ、該スクリュー回転停止信号が発生させられた
ときに、前記射出ノズル14を後退させて固定プラテン
から離すようにしている。
【0039】その後、第3の設定時間が経過するごとに
第4の設定時間だけスクリュー12を回転させて加熱シ
リンダ11内の樹脂を強制的に移動させる。この場合、
前記スクリュー回転停止信号が発生させられると、制御
装置は第3のタイマT3 による計時を開始する。そし
て、第3のタイマT3 による計時を終了するごとに図示
しない第4のタイマT4 による計時を開始し、第4のタ
イマT4 による計時を終了するまで前記スクリュー12
を設定された回転数で回転させるようにしている。な
お、前記第3の設定時間は最大滞留時間より短く設定さ
れる。また、第3の設定時間と第1の設定時間とを等し
くしたり、第4の設定時間と第2の設定時間とを等しく
したりすることもできる。そして、前記第3のタイマT
3 及び第4のタイマT4 は、射出成形の再開によってリ
セットされる。
【0040】この場合、スクリュー12の回転に伴って
加熱シリンダ11内の樹脂がわずかずつノズル口15か
ら排出される。その結果、線L2、L3によって表され
る樹脂の温度が樹脂焼け発生限界線L1の温度より高く
なることはない。したがって、樹脂焼けが発生するのを
防止することができる。さらに、前記射出成形の中断が
長時間続いた場合には、スクリュー回転停止信号が発生
させられた後、第5の設定時間が経過した時点で加熱シ
リンダ11の設定温度を変更して低くし、射出成形機を
停止させる。
【0041】本実施例においては、射出成形機における
樹脂焼け防止方法について説明しているが、封止成形
機、MIM、ブロー成形機、押出成形機、セラミック成
形機等の樹脂成形装置にも適用することができる。な
お、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本
発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であ
り、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0042】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、樹脂成形装置の樹脂焼け防止方法においては、樹
脂を加熱して溶融させ、溶融させられた樹脂によって成
形を行うようになっている。そして、樹脂を設定温度に
加熱して成形サイクルを行い、該成形サイクルが停止し
たときに、樹脂の温度を低下させ、前記成形サイクルが
停止した後、設定時間が経過したときに樹脂を強制的に
移動させる。また、前記設定時間は、樹脂焼けを発生さ
せない最大滞留時間より短く設定される。この場合、樹
脂を設定温度に加熱して成形サイクルを行っているとき
に、該成形サイクルが停止すると、樹脂の温度が低下さ
せられ、前記成形サイクルが停止した後、設定時間が経
過したときに樹脂が強制的に移動させられる。
【0043】したがって、前記最大滞留時間が経過する
までに樹脂が移動させられるので、樹脂焼けが発生する
のを防止することができる。また、成形サイクル中は樹
脂を高温に維持することができるので、樹脂を加熱して
成形を行う際の設定温度を低くする必要がない。
【0044】本発明の他の樹脂成形装置の樹脂焼け防止
方法においては、樹脂を加熱して溶融させ、溶融させら
れた樹脂によって射出成形を行うようになっている。そ
して、樹脂を設定温度に加熱して射出成形サイクルを行
い、該射出成形サイクルが停止したときに、樹脂の温度
を低下させ、前記射出成形サイクルが停止した後、設定
時間が経過したときにスクリューを回転させて樹脂を強
制的に移動させる。また、前記設定時間は、樹脂焼けを
発生させない最大滞留時間より短く設定される。この場
合、樹脂を設定温度に加熱して射出成形サイクルを行っ
ているときに、該射出成形サイクルが停止すると、樹脂
の温度が低下させられ、前記射出成形サイクルが停止し
た後、設定時間が経過したときにスクリューが回転させ
られ、樹脂が強制的に移動させられる。
【0045】したがって、前記最大滞留時間が経過する
までに樹脂が移動させられるので、樹脂焼けが発生する
のを防止することができる。また、射出成形サイクル中
は樹脂を高温に維持することができるので、樹脂を加熱
して射出成形を行う際の設定温度を低くする必要がな
い。しかも、射出成形のシーケンスを変更するだけでよ
いので、射出装置の構造を変更する必要もない。
【0046】本発明の更に他の樹脂成形装置の樹脂焼け
防止方法においては、さらに、射出成形サイクルが停止
したときに射出ノズルのヒータをオフにすることによっ
て樹脂の温度を低下させ、前記射出成形サイクルが停止
した後、他の設定時間が経過したときに加熱シリンダの
ヒータをオフにする。この場合、樹脂を設定温度に加熱
して射出成形サイクルを行っているときに、該射出成形
サイクルが停止すると、樹脂の温度が低下させられ、前
記射出成形サイクルが停止した後、他の設定時間が経過
したときに加熱シリンダのヒータがオフにされる。した
がって、射出成形サイクルを一時的に中断する場合に
は、射出ノズルのヒータをオフにするだけでよい。
【0047】本発明の更に他の樹脂成形装置の樹脂焼け
防止方法においては、さらに、射出成形サイクルが停止
したときに射出ノズルを後退させる。この場合、スクリ
ューを回転させると、樹脂は加熱シリンダの外に移動さ
せられる。したがって、樹脂を効果的に移動させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における射出装置の要部断面図
である。
【図2】本発明の実施例における加熱シリンダの先端部
分の拡大図である。
【図3】本発明の実施例における加熱シリンダの拡大図
である。
【図4】樹脂の最大滞留時間と温度との関係図である。
【符号の説明】
11 加熱シリンダ 12 スクリュー 14 射出ノズル H1〜H6 バンドヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡村 裕幸 千葉県千葉市稲毛区長沼原町731番地の 1 住友重機械工業株式会社千葉製造所 内 (72)発明者 数面 博義 千葉県千葉市稲毛区長沼原町731番地の 1 住友重機械工業株式会社千葉製造所 内 (56)参考文献 特開 平1−44720(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 45/00 - 45/84 B29C 47/00 - 47/96

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂を加熱して溶融させ、溶融させられ
    た樹脂によって成形を行う樹脂成形装置の樹脂焼け防止
    方法において、 (a)樹脂を設定温度に加熱して成形サイクルを行い、 (b)成形サイクルが停止したときに樹脂の温度を
    低下させ、 (c)前記成形サイクルが停止した後、設定時間が経過
    したときに樹脂を強制的に移動させるとともに、 (d)前記設定時間は、樹脂焼けを発生させない最大滞
    留時間より短く設定されことを特徴とする樹脂成形装
    置の樹脂焼け防止方法。
  2. 【請求項2】 樹脂を加熱して溶融させ、溶融させられ
    た樹脂によって射出成形を行う樹脂成形装置の樹脂焼け
    防止方法において、 (a)樹脂を設定温度に加熱して射出成形サイクルを行
    い、 (b)射出成形サイクルが停止したときに樹脂の温
    度を低下させ、 (c)前記射出成形サイクルが停止した後、設定時間が
    経過したときにスクリューを回転させて樹脂を強制的に
    移動させるとともに、 (d)前記設定時間は、樹脂焼けを発生させない最大滞
    留時間より短く設定されことを特徴とする樹脂成形装
    置の樹脂焼け防止方法。
  3. 【請求項3】 (a)射出成形サイクルが停止したとき
    に射出ノズルのヒータをオフにすることによって樹脂の
    温度を低下させ、 (b)前記射出成形サイクルが停止した後、他の設定時
    間が経過したときに加熱シリンダのヒータをオフにする
    請求項2に記載の樹脂成形装置の樹脂焼け防止方法。
  4. 【請求項4】 射出成形サイクルが停止したときに射出
    ノズルを後退させる請求項3に記載の樹脂成形装置の樹
    脂焼け防止方法。
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