JP2981270B2 - マーキングフィルム構造物 - Google Patents

マーキングフィルム構造物

Info

Publication number
JP2981270B2
JP2981270B2 JP2264558A JP26455890A JP2981270B2 JP 2981270 B2 JP2981270 B2 JP 2981270B2 JP 2264558 A JP2264558 A JP 2264558A JP 26455890 A JP26455890 A JP 26455890A JP 2981270 B2 JP2981270 B2 JP 2981270B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
pigments
marking film
pigment
film structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2264558A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04141414A (ja
Inventor
哲 田中
泰明 大西
修 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Carbide Industries Co Inc
Original Assignee
Nippon Carbide Industries Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Carbide Industries Co Inc filed Critical Nippon Carbide Industries Co Inc
Priority to JP2264558A priority Critical patent/JP2981270B2/ja
Publication of JPH04141414A publication Critical patent/JPH04141414A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2981270B2 publication Critical patent/JP2981270B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は耐候性、耐熱性、耐溶剤性、耐汚染性、鮮映
性に優れたマーキングフィルムに関し、さらに詳しく
は、自動車のボンネットルーフ等受光量が多く高温にさ
らされる面に使用できるマーキングフィルム構造物に関
する。
〔従来の技術〕
従来よりマーキングフィルムは広く普及しており看
板、自動車、車輛等でペイントに換わるものとして使用
されている。しかしながら従来のマーキングフィルムは
塩化ビニル系樹脂を主体とし、その耐候性、耐熱性が不
十分であることより、マーキングフィルムとしての耐候
性、耐熱性も十分なものではなかった。特に自動車のボ
ンネット、ルーフ等受光量が多く長時間高温にさらされ
る面に使用した場合わずか数年で褐変、クラック、剥離
等のトラブルが発生し、実用化されていないのが実状で
あった。更に近年自動車塗装のレベルが向上し自動車の
塗装上に貼った場合、マーキングフィルムの鮮映性が悪
く、見劣りするということが指摘されている。
また、従来のマーキングフィルムは十分な耐溶剤性を
そなえていなかったため直接溶剤を浴びるような場合に
は使用することができなかった。
更に従来のマーキングフィルムは一度汚れが付着する
と汚れが落ちにくく、経時と共に外観が悪くなり拭いて
も元に戻らないことが多かった。
そこで一部では従来のマーキングフィルムの上にPV
F、もしくはPVdFの透明フィルムをラミネートすること
が考えられているが特に耐熱性、耐候性、鮮映性に関し
ては十分な改善がなされていないのが実状であった。
〔発明の解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、従来技術の有していた前述の欠点を
解消しようとするものであり従来のマーキングフィルム
では耐熱性、耐候性、耐溶剤性、鮮映性、耐汚染性が十
分でなく実用上使用ができなかった箇所、例えば車のル
ーフ、ボンネット等に使用できるマーキングフィルム構
造物を提供することを目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は前述の問題点を解決すべくなされたものであ
り、少なくとも、裏面に溶剤可溶型フッ素樹脂からなる
着色層、接着層、剥離性基材層の順で積層された無着色
のフッ素系樹脂層を有し、かつ表面の鮮映性がPGD値で
0.3以上であることを特徴とするマーキングフィルム構
造物を提供するものである。
本発明においてフッ素系樹脂層を構成するフッ素樹脂
としては、エチレン−四フッ化エチレン系共重合体、三
フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン共重合体、
フッ化ビニル重合体、フッ化アルコキシエチレン重合
体、テトラフルオロエチレン・六フッ化プロピレン共重
合体が挙げられ、特にエチレン・四フッ化エチレン系共
重合体が好ましいが、その中でも、四フッ化エチレン/
エチレンの含有モル比が40/60〜60/40であり、一般式
CH2=CH・CnF2n+1(但し、式中のnは2〜10の整数)で
表わされるパーフルオロアルキルビニルモノマーの含有
量が0.1〜10モル%であるものが、透明性、着色層との
密着性、製膜性などの点から特に好ましい。このような
エチレン−四フッ化エチレン系共重合体は、例えば特公
昭59−50163号公報に記載の方法によって製造すること
ができ、また市販品を用いることができる。市販のもの
としては、例えばアフロンCOP(旭硝子(株)製)、ネ
オフロンETFE(ダイキン工業(株)製)、テクゼル(デ
ュポン製)が好ましい。
また、前記フッ素樹脂層に前記着色層を積層するに先
立って、フッ素樹脂層の表面をJIS K6768による「ぬ
れ」が30〜54、更に35〜54になるよう活性化処理してお
くことが密着性を高める上で好ましい。活性化処理の方
法としては特に規定されるものではなく、何でもよい
が、工程上、コロナ放電処理が好ましく挙げられる。
前記フッ素系樹脂層の厚みとしては特に制限されない
が一般には10μ〜200μ、好ましくは15μ〜150μ、更に
は20μ〜100μが好ましい。薄すぎると取扱い上困難で
あり、マーキングフィルムとしての物理的耐久性からみ
ても好ましくない。また厚すぎると、コスト的に不利な
ばかりでなく外観上ヘイズが目立ち好ましくない。
前記フッ素樹脂層には耐候性を向上させる目的で紫外
線吸収剤を配合することができる。
上記着色層は、着色剤を含有する樹脂溶液を前記フッ
素樹脂層の上に塗工あるいは印刷後乾燥することによっ
て形成される。着色層は目的に応じフッ素樹脂層の全面
に形成してもよく、また一部のみに形成してもよい。更
に二層以上重ねて形成してもよい。着色層を形成する樹
脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコ
ーン系樹脂、溶剤可溶型フッ素系樹脂等が好ましく挙げ
られるが中でも溶剤可溶型フッ素系樹脂が耐候性、耐熱
性から好ましい。溶剤可溶型フッ素系樹脂としては例え
ば、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロプロピレン共重合樹脂、テトラフルオロエチ
レン及び/又はモノクロロトリフルオロエチレン−ヒド
ロキシアルキルビニルエーテル−アルキルビニルエーテ
ル共重合樹脂等が挙げられる。
上記着色層に配合される着色剤としては、特に耐候
性、耐熱性に優れたものが好ましく一般的な有機顔料、
無機顔料に加え、メタリック顔料として知られるアルミ
ニウム等金属フレークあるいはパール顔料として知られ
る二酸化チタン被覆雲母等が挙げられる。これらメタリ
ック顔料あるいはパール顔料は粒径が2〜200μである
ものが好ましく、更に好ましくは4〜150μ特に5〜100
μの粒径であるものが好ましい。
またパール顔料においては耐候性の点から被覆層の酸
化チタンはルチル型であることが好ましい。またさらに
酸化銀等の着色剤が着色されていてもよく、干渉色を示
すものであってもよく、シルバー調、シルク調のもので
あってもよい。
好ましく使用できる一般的な有機顔料及び無機顔料は
具体的にはColour Index 3rd Edition(1971)及びSupp
lements(1975)出版社;The Society of Dyers and Col
ouristsから選ぶことができる。
以下着色剤名は同書規定のColour Index Ge−neric N
ameによる。例えばY−1はC.I.Pi−gment Yellow1を意
味する。又OはOrange、RはRed、VはViolet、BはBlu
e、GはGreen、BrはBrown、BkはBlack、WはWhiteをそ
れぞれ表す。
まず黄色系顔料としてはアゾ系縮合多環系、金属錯塩
系の顔料が特に好ましく、更にアゾ系の中では不溶性モ
ノアゾ顔料(Y−97、Y−116、Y−120、Y−151、Y
−154)、ジスアゾ顔料(Y−81、Y−83、Y−155)、
縮合アゾ(Y−93、Y−94、Y−95、Y−128)が好ま
しく、縮合多環系ではアントラキノン顔料(Y−24、Y
−108、Y−147、Y−123、Y−99)、イソインドリノ
ン顔料(Y−109、Y−110、Y−173)、イソインドリ
ン顔料(Y−139)、キノフタロン顔料(Y−138)が好
ましく、金属錯塩系では銅アゾメチン顔料(Y−117、
Y−129)、ニッケルニトロソ顔料(Y−153)、ニッケ
ルアゾ顔料(G−10)が好ましい。更に無機系では酸化
鉄イエロー(Y−42)、チタン−アンチモン−ニッケル
酸化物(Y−53)等が好ましい。
橙色系顔料としてはアゾ系及び縮合多環系顔料が特に
好ましくアゾ系顔料としては、不溶性モノアゾ系顔料
(O−36、O−5、O−38、O−60、O−62)、ジアゾ
系顔料(O−34)、縮合アゾ系顔料(O−31)が好まし
く、縮合多環系顔料としてはペリレン系顔料(O−4
3)、アントラキノン系顔料(O−40、O−51)、イソ
インドリノン系顔料(O−42)、キナクリドン系顔料
(O−48、O−49)が好ましく挙げられる。
赤色系顔料としてはアゾ系顔料、縮合多環系顔料、無
機系顔料が特に好ましく、アゾ系顔料としては不溶性モ
ノアゾ系顔料(R−2、R−6、R−7、R−9、R−
10、R−12、R−14、R−112、R−146、R−147、R
−170、R−171、R−175、R−185、R−187、R−18
8、R−208)、アゾレーキ系顔料(R−52:2、R−11
5、R−151、R−243)、縮合アゾ系顔料(R−144、R
−166、R−214、R−220、R−221、R−242)、ジス
アゾ系顔料(R−38、R−37)が挙げられ、縮合多環系
顔料としてはアントラキノン系顔料(R−168、R−17
7、R−216)、チオインジゴ系顔料(R−88)、ペリノ
ン系顔料(R−194)、ペリレン系顔料(R−123、R−
149、R−178、R−179、R−190、R−224)、キナク
リドン系顔料(V−19、R−122、R−202、R−207、
R−209、R−206)が好ましく挙げられ更に新しい顔料
としてジケトピロロピロール系顔料(チバガイギー製
イルガジンDPP レッドBO)が挙げられる。又無機系顔
料としてはベンガラ(赤色酸化鉄R−101)、亜鉛・鉄
酸化物(R−225)等が挙げられる。
紫色系顔料としてはアゾ系顔料、縮合多環系顔料、無
機系顔料が特に好ましく、アゾ系顔料としてはモノアゾ
系顔料(V−50)、縮合多環系顔料としてはペリレン系
顔料(V−29)、アントラキノン系顔料(V−31、V−
33)、チオインジゴ系顔料(V−38、V−36)、キナク
リドン系顔料(V−19)、ジオキサジン系顔料(V−2
3、V−37)、無機系顔料としてはリン酸コバルト系
(V−14:1)、フェロライトバイオレット顔料(V−1
8)、コバルト・リチウム・バナジウムフォスフェート
顔料(V−47)等が挙げられる。
青色系顔料としてはフタロシアニン系顔料、縮合多環
系顔料、無機系顔料が特に好ましくフクロシアニン系顔
料としては、α型銅フタロシアニン系顔料(B−15:1、
B−15:2)、β型銅フタロシアニン系顔料(B−15:3、
B−15:4)、ε型フタロシアニン系顔料(B−15:6)、
無金属フタロシアニン系顔料(B−16)、縮合多環系顔
料としてはインダントロン系顔料(B−60、B−21、B
−22、B−64)、無機系顔料としては紺青(B−27)、
群青(B−29)、コバルト−アルミニウム酸化物顔料
(B−28)、コバルト−クロム−アルミニウム酸化物系
顔料(B−36)等が挙げられる。
緑色系顔料としてはフタロシアニン系顔料、縮合多環
系顔料、無機系顔料が特に好ましく、フタロシアニン系
顔料としては中塩素化銅フタロシアニン系顔料(G−3
7)、高塩素化銅フタロシアニン系顔料(G−7)、高
塩臭素化銅フタロシアニン系顔料(G−36)、縮合多環
系顔料としては、ビオラントロングリーン(G−47)、
無機系顔料としては、酸化クロム系顔料(G−17)、コ
バルト−チタン−ニッケル−亜鉛酸化物系顔料(G−1
9)、コバルト−チタン系顔料(G−50)等が挙げられ
る。
茶色系顔料としてはアゾ系顔料、縮合多環系顔料、無
機系顔料が特に好ましく、アゾ系顔料としてはモノアゾ
系顔料(Br−25、Br−32)、金属錯塩アゾ系顔料(Br−
5、Br−2)、縮合アゾ系顔料(Br−23)、縮合多環系
顔料としてはアントラキノン系顔料(Br−28)、ペリレ
ン系顔料(Br−26)、無機系顔料としては酸化鉄系顔料
(Br−6)、鉄−クロム酸化物系顔料(Br−29)、亜鉛
− 鉄酸化物系顔料(Br−31)等が挙げられる。
黒色系顔料としては有機系顔料、無機系顔料にそれぞ
れ好ましく使用できるものがあり、有機系顔料としては
アニリンブラック(Bk−1)、ペリレンブラック(Bk−
31)、無機系顔料としてはカーボンブラック(Bk−
7)、ボーンブラック(Bk−9)、鉄黒(Bk−11)、コ
バルト酸化物系顔料(Bk−13)等が挙げられる。
白色系顔料もしくは体質(透明)顔料としては特に無
機系の顔料が好ましく、例えば、亜鉛華(W−4)、硫
化亜鉛(W−7)、二酸化チタン(W−6)、炭酸カル
シウム(W−18)、クレー(W−19)、硫酸バリウム
(W−21)、アルミナホワイト(W−24)、シリカ(W
−27)、白雲母(W−20)、タルク(W−26)等が挙げ
られる。
このほか上記着色剤層には耐候性を向上させる目的で
紫外線吸収剤や光安定剤を使用することができ、又塗工
性、印刷性を調整する目的でレベリング剤、消泡剤等の
添加剤を用いることができる。紫外線吸収剤としてはベ
ンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、シアノアクリ
レート系のものが好ましく中でもベンゾトリアゾール系
のものが効果の持続性から好ましい。光安定剤としては
ヒンダードアミン系のものが効果的で好ましい。
本発明における接着剤層は特に制限されるものではな
いが、使用形態からいって有機高分子系感圧接着剤が好
適に使用され具体的には例えば、アクリル系樹脂、フッ
素系樹脂、天然もしくは合成ゴム系樹脂、ウレタン系樹
脂、シリコン系樹脂等があり中でもアクリル系樹脂、シ
リコーン系樹脂、フッ素系樹脂が好ましい。アクリル系
樹脂としてはたとえばエチルアクリレート、n−プロピ
ルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチル
アクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2
−メチルブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルア
クリレート、シアノアクリレート等のアクリル酸エステ
ル系樹脂及びエチルメタアクリレート、メチルメタアク
リレート、n−プロピルメタアクリレート、n−ブチル
メタアクリレート、イソブチルメタアクリレート、n−
ヘキシルメタアクリレート、2−エチルヘキシルメタア
クリレート、n−オクチルメタアクリレート、2−メチ
ルブチルメタアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
アクリレート、ヒドロキシプロピルメタアクリレート等
のメタアクリル酸エステル系樹脂である。また上記アク
リル酸系化合物からなる共重合体及び上記アクリル系化
合物と酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエス
テル及びスチレン等からなる共重合体等がある。これら
共重合体を形成するアクリル系化合物としては、エチル
アクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、2ヒドロキシエチルアクリレート及び
アクリル酸が好ましく、特にエチルアクリレート及びブ
チルアクリレートが好ましい。
上記接着剤層の層厚は特に制限されるものではないが
一般的には5μ〜500μ、好ましくは10〜300μ、さらに
好ましくは20μ〜100μである。
また接着剤層には耐候性、耐熱性、接着力、インペイ
カを改善するための種々の添加剤や着色剤を添加するこ
とができる。
これらの添加剤や着色剤としては、例えば、紫外線吸
収剤、光安定剤、酸化防止剤、粘着付与剤、有機顔料、
無機顔料、金属フレーク等が挙げられる。
上記剥離性基材層は本発明品を被着体に貼付し使用す
る際、上記接着層より剥離し捨てるものである。したが
って本発明品の使用前には接着層に安定して密着してお
り、使用時には手などで容易に剥離できるものであれば
何でも使用できるが、特に表面が平滑なものが本発明品
の鮮映性を向上させる上で好ましい。
このような剥離性基材層としてはシリコーン系樹脂コ
ート又は/かつフッ素系樹脂コート等による易剥離処理
をした紙、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリイミ
ド、ポリエチレン等の基材層であることが好ましく更に
シリコーン系樹脂コート又は/かつフッ素樹脂コートを
した紙またはポリエステル、またはポリプロピレン系基
材であることが好ましい。又とくに紙の場合は両面又は
片面にポリエチレンコート又はクレイコート、されてい
るものがよくスーパーカレンダー処理がされているもの
が平滑性向上の点で特に好ましい。
上記剥離性基材層の接着層からの剥離力は特に制限を
うけないが一般には室温において毎分300mmの速さで180
度剥離を行った場合0.5〜100g/cm、好ましくは1〜50g/
cmである。軽すぎると使用前に剥がれ易く重すぎると使
用時、作業性が悪くなる傾向にある。
上記剥離性基材層の厚みは特に制限を受けないが、一
般的には10〜1000μ、好ましくは20〜500μ、更に好ま
しくは30〜300μであり、薄すぎても厚すぎても作業性
が低下する傾向がある。
本発明のマーキングフィルム構造物は、特許請求の範
囲第1項の構成要件を満足するいかなる方法で製造して
もよいことは当然であるが、以下に特に好ましい製造方
法について述べるとまず、フッ素樹脂層は使用するフッ
素樹脂のもつ性質に従って製膜すればよく、キャスト
法、カレンダー法、押出し法等の中から適当なものを選
べばよい。着色層は着色剤その他必要な添加剤を配合し
た樹脂溶液を上記フッ素樹脂層の上に塗工、又は印刷し
た後、乾燥することにより得られる。着色層、フッ素樹
脂層の密着性を向上させるためあらかじめコロナ処理等
の方法でフッ素樹脂層の表面を活性化しておくことが好
ましい。
更に密着性、耐候性の向上のためにフッ素樹脂層の上
にプライマー層を塗工、又は印刷してから着色層を形成
してもよい。
プライマー層は着色層に使用する樹脂と同等のものが
使用でき、例えば着色層を形成するための着色剤含有樹
脂組成物から着色剤のみを抜いたものなどが使用でき
る。
プライマー層又は着色樹脂層を形成するための樹脂溶
液の塗工又は印刷方法としては特に制限はないが、例え
ばスプレーコート法、カーテンコート法、ロールコート
法、スクリーン印刷法、ロータリースクリーン印刷法、
グラヴィア印刷法などを好ましく挙げることができる。
プライマー層又は着色樹脂層の厚みとしては特に制限は
ないが一般的には0.5〜100μ、好ましくは1〜50μであ
る。
フッ素樹脂層上にプライマー層又は着色剤(着色層)
を形成するに際して作業性をよくし、かつ表面鮮映性を
維持する目的でフッ素樹脂層の裏面に再剥離型粘着層を
有する支持体層をもうけることができる。支持体層の材
質としては、紙、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ
エチレン等が使用でき、厚さは50〜500μが作業性上好
ましい。
接着剤層は、着色樹脂層の上に直接形成してもよい
が、一般的にはあらかじめ剥離性基材層に塗工、乾燥し
ておいてから着色剤層と貼り合わせることによって得ら
れる。又、あらかじめ剥離基材層上に形成しておいた接
着剤層を使用するときまで保護する目的でより軽剥離型
の剥離性基材層を接着剤層の上に貼り合わせておくこと
ができる。
本願発明のマーキング構造物は特許請求の範囲第1項
を満足すれば特に制限されるものではないが、一般に表
面から少なくともフッ素系樹脂層、着色層、接着層、剥
離性基材層と順次積層したものが鮮映性を良くする点で
特に好ましい態様である。
このようにして得られたマーキングフィルム構造物は
耐候性、耐熱性、耐溶剤性、耐汚染性ばかりでなく表面
鮮映性にも優れPGD値で0.3以上のものである。鮮映性は
塗装やマーキングフィルムの外観仕上り状態の美しさを
支配する因子であり、特に最近自動車外板のような比較
的広い面積をもった高級塗装品について関心が高まり、
それにつれてそれら高級塗装品に貼ったり、あるいは高
級塗装品の代替として貼られるマーキングフィルムにも
鮮映性の高いものが求められている。鮮映性の定義、内
容については(財)日本塗料検査協会の塗料試験方法研
究会(西部)鮮映性分科会編「鮮映性の評価方法に関す
る調査報告書(第一報)」(昭和59年12月)に詳しい。
鮮映性は表面が有光沢でかつ鏡面に近づくほど高くな
り、マット状になるほど低くなる。鮮映性を定量的に評
価する機器としては、PGD計、鮮像性測定器NPIG、フロ
ーコンパレーター、ドリゴン等があるが、一般にはPGD
計による評価が最も専門家による目視評価との相関性が
高いといわれている。PGD計は段階的に大きさの異なる
テストパターンを照明し、試料表面に写して目視判定す
るもので試料の表面鮮映性が高いほど細かいテストパタ
ーンが読みとれ、PGD値が大きくなる。従来のマーキン
グフィルム構造物は一般にPGD値が0.2以下であったが、
本発明品のマーキングフィルム構造物は0.3以上であ
り、自動車外板等の高級塗装品並みの鮮映性を有してい
る。
実施例 以下実施例によりさらに詳しく説明するが本願発明は
実施例に限定されるものではない。
実施例−1 エチレン−四フッ化エチレン共重合系樹脂アフロン
COP55AX(旭硝子(株)製)をダイス温度300℃のTダイ
押出し法により製膜し厚さ40μの透明フィルムを得た。
片面にJIS−K6768による「ぬれ」が50になるようコロナ
処理をし、更に非コロナ面に、厚さ5μの再剥離型粘着
層を有する厚さ125μのPET工程紙を貼り合わせ印刷原反
−1とした。
印刷原反−1のコロナ処理面にインキ−1を180メッ
シュのスクリーンを用いてベタ印刷し、80℃60分乾燥後
厚さ10μの着色層を得た。貼着ライナー1の軽剥離PET
フィルムを剥がし、着色層に合わせて圧着し更に表面の
PET工程紙を剥離しマーキングフィルム構造物(1)を
得た。
フロートガラスに貼り付けてからPGD計(PGD−IV、東
京光電(株)製)で鮮映性を測定したところ0.8であっ
た。
実施例−2 印刷原反−1にインキ2を三本リバースロールコータ
ーでドライ厚み15μになるよう塗工し140℃で6分乾燥
した他は実施例−1と同様の方法で製造し、マーキング
フィルム構造物(2)を得た。
実施例−3 印刷原反−1にインキ−1から全ての顔料を抜いた組
成物をプライマーとして180メッシュのスクリーンを用
いてベタ印刷し、更にその上にインキ−1を同様にベタ
印刷し80℃で60分乾燥した後は実施例−1と同様の方法
でマーキングフィルム構造物(3)を得た。
実施例−4 印刷原反−2を用いて他は実施例−1と同様にしてマ
ーキングフィルム構造物(4)を得た。
実施例−5 印刷原反−1のPET工程紙をつけないものを用いて他
は実施例−1と同様にしてマーキングフィルム構造物
(5)を得た。
実施例−6 粘着ライナー2を用いる他は実施例−1と同様にして
マーキングフィルム構造物(6)を得た。
比較例−1 (一般に市販されている)厚さ30μの粘着剤層を有す
る厚さ50μの白色塩ビ系マーキングフィルムにインキ−
1を180メッシュのスクリーンを用いてベタ印刷し80℃
で60分乾燥した後さらに、インキ−1から顔料のみ抜い
た組成物をクリヤーコート剤として、同様に印刷、乾燥
しマーキングフィルム構造物(7)を得た。
比較例−2 実施例−1で使用したエチレン−四フッ化エチレン共
重合系樹脂フィルムのコロナ処理面に直接粘着ライナー
1を軽剥離PETフィルムを剥がしてから貼り合わせ更に
重剥離PETフィルム(剥離性基材層)を剥がして比較例
−1で使用したマーキングフィルムと貼り合わせ、マー
キングフィルム構造物(8)を得た。
比較例−3 (一般に市販されている)厚さ30μの粘着剤層を有す
る厚さ50μのシルバーメタリック調塩ビ系マーキングフ
ィルムをそのままマーキングフィルム構造物(9)とし
た。
比較例−4 比較例−3のマーキングフィルムに更に厚さ50μのフ
ッ化ビニリデン・アクリル2層フィルム(AT−50Y呉羽
化学工業(株)製)をフッ化ビニリデン層を外側にして
180℃のラミネートロールで圧着しマーキングフィルム
構造物(10)を得た。
印刷原反−2の調製 エチレン−四フッ化エチレン共重合系樹脂アフロン
COP88AX(旭硝子(株)製)100重量部に対しベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収剤の二量体マークLA−31(アデカ
アーガス(株)製)0.2重量部を配合したペレットをダ
イス温度290℃のTダイ押出し法により製膜し厚さ50μ
の透明フィルムを得た。
片面にJIS K・6768による「ぬれ」が50になるようコ
ロナ処理をし更に非コロナ面に厚さ5μの再剥離型粘着
剤層を有する厚さ75μのPET工程紙を貼り合わせ、印刷
原反−2とした。
インキ−1の調製 溶剤可溶型フッ素樹脂溶液(ルミフロン 旭硝子
(株)製)100重量部に対し、ルミフロンと顔料(シン
カシャゴールド YT−823D チバガイギー製)を3:1の
重量比で配合し三本ロールミルで練肉したもの20重量
部、アルミニウムペースト(FM−1440東洋アルミニウム
(株)製)10重量部、パール顔料(エクステリアブライ
ト ゴールドマール社製)10重量部、紫外線吸収剤(シ
ーソーブ706白石カルシウム(株)製及びチヌビン234
チバガイギー製)各0.8重量部、光安定剤(チヌビン622
LD チバガイギー製)1重量部、消泡剤(SC・5570東レ
ダウコーニングシリコーン(株)製)0.02重量部、希釈
剤セロソルブアセテート20重量部を十分に混合攪拌しさ
らに硬化剤(コロネートEH 日本ポリウレタン(株)
製)8重量部を加え攪拌してゴールドメタリック調のイ
ンキ−1を得た。
インキ−2の調製 溶剤可溶型フッ素樹脂(カイナー9301ペンウオルト
製)20重量部をシクロヘキサノン、イソホロン等量混合
溶剤80重量部に溶解しアルミニウムペースト(FM−1130
東洋アルミニウム(株)製)5重量部、パール顔料(イ
リオジン103WS メルク社製)25重量部、紫外線吸収剤
(チヌビン213 チバガイギー製)1重量部、さらにシ
クロヘキサノン30重量部を加え十分攪拌してホワイトパ
ール調のインキ−2を得た。
粘着ライナー1の調製 溶剤型アクリル系粘着剤(ニッセツPE・121日本カー
バイド工業(株)製)100重量部に紫外線吸収剤(シー
ソーブ704白石カルシウム(株)製)1.4重量部、光安定
剤(チヌビン622LD チバガイギー製)0.7重量部、溶剤
ターシャリーブタノール10重量部及びトルエン20重量
部、架橋剤(コロネートEH 日本ポリウレタン(株)
製)0.1重量部を十分混合攪拌し、厚さ75μの重剥離タ
イプのPET系剥離性基材(セラピールBM−2東洋メタラ
イジング(株)製)の上にドライ厚が40μになるよう塗
工し100℃10分の乾燥後、軽剥離タイプの厚さ25μ PET
フィルム(セラピールBK 東洋メタライジング(株)
製)を貼り合わせ粘着ライナー1を得た。
粘着ライナー2の調製 重剥離タイプのPET系剥離性基材を紙系の剥離性基材
(OKC・110NCY 王子化工(株)製)に換えた他は粘着
ライナー1の調製と同様の方法で粘着ライナー2を得
た。
評価方法 耐熱性 マーキングフィルム構造物をメラミンアルキド白色塗
装板(日本テストパネル(株)製)に貼り100℃のオー
ブンに入れて1000時間後に取り出し外観を目視判定し
た。
原片と比較しほとんど変色の認められないもの ○ 原片と比較しやゝ変色の認められたもの △ 著しく変色し褐色又は黒色になったもの × 耐候性 マーキングフィルム構造物をメラミンアルキド白色塗
装板(日本テストパネル(株)製)に貼りサンシャイン
ウェザーメーター(W−O−M)(WEL−SUN−HC スガ
試験機(株)製)(条件:120分サイクル(内18分降雨)
でブラックパネル温度を63±3℃に設定)で5000時間で
曝露後とり出し目視で外観を判定した。
原片と比較しほとんど変褪色、光沢低下が認められな
いもの ○ やや変褪色あるいは光沢低下が認められるもの △ 著しく変褪色あるいは光沢低下を起こしたもの × 耐溶剤性 マーキングフィルム構造物の表面にメチルエチルケト
ンを含ませた脱脂綿を乗せ30℃に保った密閉容器に入れ
一時間後取り出し表面を良く拭いてから外観変化を目視
判定した。
原片と比べほとんど光沢低下等の異状が認められない
もの ○ 原片と比べかなり光沢低下が認められたもの △ 表面層が溶解し著しく外観変化したもの × 耐汚染性 油性のマジックインキでマーキングフィルム構造物の
表面をぬりつぶしW−O−Mで500時間曝露後とり出し
表面をイソプロピルアルコールをつけた綿布でぬぐい外
観変化を目視で判定した。
全くマジックインキのあとの残らなかったもの ○ わずかに黒い部分が残ったもの △ ほぼ全面黒いままであるもの × 鮮映性 マーキングフィルム構造物をフロートガラス板上に貼
りPGD計(PGD−IV 東京光電(株)製)で鮮映性を測定
した。
0.2以下 自動車外板等高級塗装板に比べ一見して見劣
りするレベル 0.3〜0.5 高級塗装板より鮮映性が劣るがさほど見劣り
しないレベル 0.6以上 高級塗装板と同等の鮮映性レベル実施例、比
較例の各々の試験結果を表−1に記す。
〔発明の効果〕 本発明のマーキングフィルム構造物は従来のマーキン
グフィルムではなし得なかった高いレベルで耐候性、耐
熱性、耐溶剤性、耐汚染性、鮮映性を兼ねそなえ、自動
車のボンネット等高級塗装板の上にも外観上違和感なく
使用でき、かつ過酷な条件下においても初期の機能を安
定して長期間維持できるものである。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、裏面に溶剤可溶型フッ素樹脂
    からなる着色層、接着層、剥離性基材の順で積層された
    無着色のフッ素系樹脂層を有し、かつ表面の鮮映性がPG
    D値で0.3以上であることを特徴とするマーキングフィル
    ム構造物。
  2. 【請求項2】上記フッ素系樹脂層がエチレン−四フッ化
    エチレン系共重合体からなる樹脂層である請求項(1)
    記載のマーキングフィルム構造物。
  3. 【請求項3】上記剥離性基材層がシリコーン系剥離剤又
    はフッ素系剥離剤をコートした紙、ポリエステル系シー
    トあるいはポリプロピレン系シートからなることを特徴
    とする請求項(1)記載のマーキングフィルム構造物。
  4. 【請求項4】上記フッ素系樹脂層、着色層、接着層の少
    なくとも一層に紫外線吸収剤又/且つ光安定剤を含有し
    ていることを特徴とする請求項(1)記載のマーキング
    フィルム構造物。
JP2264558A 1990-10-02 1990-10-02 マーキングフィルム構造物 Expired - Fee Related JP2981270B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2264558A JP2981270B2 (ja) 1990-10-02 1990-10-02 マーキングフィルム構造物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2264558A JP2981270B2 (ja) 1990-10-02 1990-10-02 マーキングフィルム構造物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04141414A JPH04141414A (ja) 1992-05-14
JP2981270B2 true JP2981270B2 (ja) 1999-11-22

Family

ID=17404950

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2264558A Expired - Fee Related JP2981270B2 (ja) 1990-10-02 1990-10-02 マーキングフィルム構造物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2981270B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5365500B2 (ja) * 2009-12-24 2013-12-11 平岡織染株式会社 不燃性内照式電飾看板
JP7318908B2 (ja) * 2019-03-20 2023-08-01 株式会社コバヤシ フィルム及びフッ素系樹脂組成物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04141414A (ja) 1992-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100867159B1 (ko) 변색 방지 장벽을 갖는 다층의 장식용 건조 페인트라미네이트
JP7392253B2 (ja) 欠陥を低減したペイントフィルムアップリケ、物品および方法
US20080078498A1 (en) Articles and methods for applying color on surfaces
US20070065621A1 (en) Dry paint transfer laminate
JPH03203640A (ja) 新規な複合体
JP2981270B2 (ja) マーキングフィルム構造物
CN112724854A (zh) 一种轻薄tpu多层效果改色车衣及其制备工艺
KR101364237B1 (ko) 장식 필름
JP2000343649A (ja) 化粧シート
JP3007131B2 (ja) 複合マーキングシート
JPH04145483A (ja) マーキングフィルム構造物
US9795991B2 (en) Multi-layer composite
JP3050702B2 (ja) 複合マ−キングシ−ト
JP2002273321A (ja) 真珠光沢塗膜形成方法および塗装物
JP2002273335A (ja) 真珠光沢塗膜形成方法および塗装物
JP2003118062A (ja) 多彩模様仕上げ調フィルム化粧材
JP4137409B2 (ja) 着色透光性オーバーレイフィルム
JPH0525270B2 (ja)
AU2018369233B2 (en) Repair seal, method for manufacturing repair seal, and repair structure
JPS6375081A (ja) 屋外耐候性の良いパ−ル調pvc系粘着シ−ト
JP2004313983A (ja) 光輝性複層塗膜形成方法
JP2005115239A (ja) 電子写真用フィルム及び当該フィルムを使用した積層装飾パネル
JP2003118061A (ja) 真珠光沢仕上げ調フィルム化粧材
JP6261943B2 (ja) 建築用化粧材及びその製造方法
JPH0664398A (ja) 転写物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070917

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080917

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090917

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees