JP2980540B2 - マトリックス型液晶表示装置 - Google Patents

マトリックス型液晶表示装置

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JP2980540B2
JP2980540B2 JP7181546A JP18154695A JP2980540B2 JP 2980540 B2 JP2980540 B2 JP 2980540B2 JP 7181546 A JP7181546 A JP 7181546A JP 18154695 A JP18154695 A JP 18154695A JP 2980540 B2 JP2980540 B2 JP 2980540B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、mn個の表示画素
によりマトリックス表示を行うマトリックス型液晶表示
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】反強誘電性液晶で生じる電場誘起相転移
を利用した液晶表示装置は、特開平2−153322号
公報の中に詳しく記載されている。それによると、この
種の液晶で観察される電場誘起相移転は、例えばクロス
ニコル間で観察すると、電気光学特性として(1)電圧
−透過率の二重ヒステリシス特性、(2)直流閾値及び
(3)高速応答性を示し、これらの特性を有効に利用す
れば従来のネマチック液晶や特開昭56−107216
号公報に記載の強誘電性液晶を利用した液晶表示装置に
比べて高品質の液晶表示装置が実現できると述べられて
いる。また、反強誘電性液晶の特性を有効に利用したマ
トリックス駆動の方法は、特開平2−230117号公
報或いは特開平2−173734号公報に提案されてい
る。そこで提案されている駆動法によれば反強誘電性液
晶の特性を十分に活かした高コントラスト表示を得るこ
とができる。
【0003】さらに、スメクチック層の構造変化に伴う
残像を防止し、しかも、表示画像を駆動するに必要な電
圧レベルの数を削減する方法が特開平5−119746
号公報に記載されている。そこでは、長時間同一の表示
を行った場合にスメクチック層の構造変化に伴う残像が
生じ、このため液晶分子を配向させるための配向制御膜
として特定のものしか適用できないという制約を受ける
のを回避するため、スメクチック層の構造変化に伴う残
像が生じるのを防止している。また、液晶を交流駆動す
る原則に従って正極性の電圧範囲でのヒステリシスルー
プと負極性の電圧範囲でのヒステリシスループを時間的
に交互に利用して駆動することになるわけであるが、こ
の場合一つの表示画素を駆動するためには走査電極に少
なくとも5種類以上の電圧を、信号電極には少なくとも
3つ以上の電圧を適時選択して入力しなけらばならな
い。このことは、液晶表示装置を駆動する駆動ICの集
積度を上げることができず、最終的には液晶表示装置の
コストアップを招くこととなる。このコストアップを回
避するため、表示画素を駆動するに必要な電圧レベルの
数を低減している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記マ
トリックス型表示装置の反強誘電性液晶では、残像が防
止でき、電圧レベル数の低減になったが、正極性側の透
過率特性と負極性側の透過率特性との非対称に起因し
て、この正極側の透過率特性を利用して表示画素にマト
リクス表示を行う第1期間の透過率と、負極側の透過率
特性を利用して表示画素にマトリクス表示を行う第2期
間の透過率との間に差が生じてフリッカが発生するとい
う問題がある。
【0005】したがって、本発明は、上記問題点に鑑
み、正極性側の透過率特性と負極性側の透過率特性とが
非対称である液晶を用いても、フリッカ発生を低減
きるマトリックス型液晶表示装置を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記問題点を
解決するために、特許請求の範囲に記載されるような技
術構成を採用するものである。即ち、請求項1記載の発
明は、液晶がOFF状態と第1のON状態の間の変化状
態において第1のヒステリシス特性を有し、OFF状態
と第2のON状態の間の状態変化において第2のヒステ
リシス特性を有するため、第1のヒステリシス特性を利
用してマトリクス表示される際の表示画素の透過率と、
第2のヒステリシス特性を利用してマトリクス表示され
る際の表示画素の透過率とに差が生じる。しかしなが
ら、第1のヒステリシス特性を利用して表示画素にマト
リクス表示を行う第1の期間、もしくは第2のヒステリ
シス特性を利用して表示画素にマトリクス表示を行う第
2の期間の少なくとも一方において、走査信号もしくは
データ信号の少なくとも一方にオフセット電圧を重畳さ
せる。オフセット電圧は、第1のヒステリシス特性を利
用してマトリクス表示される際の表示画素の透過率と、
第2のヒステリシス特性を利用してマトリクス表示され
る際の表示画素の透過率との差に依存したものであるた
め、これら透過率の差を低減することができ、結果、フ
リッカを防止できる。
【0007】なお、請求項2記載の発明では、請求項1
記載のオフセット電圧は、第1のヒステリシス特性と第
2のヒステリシス特性との非対称分の電圧を含むもので
あるため、これら透過率の差をキャンセルすることがで
き、結果、フリッカを防止できる。 また、請求項3記載
の発明では、請求項1又は請求項2記載のオフセット電
圧は、第1のヒステリシス特性と第2のヒステリシス特
性との経時変化に伴う非対称分の電圧を含むため、これ
ら透過率の差をキャンセルすることができ、結果、フリ
ッカを防止できる。
【0008】また、請求項4記載の発明は、液晶がOF
F状態と第1のON状態の間の変化状態において第1特
性を有し、OFF状態と第2のON状態の間の状態変化
において第2特性を有するため、第1特性を利用してマ
トリクス表示される際の表示画素の透過率と、第2ス特
性を利用してマトリクス表示される際の表示画素の透過
率とに差が生じる。しかしながら、第1特性を利用して
表示画素にマトリクス表示を行う第1の期間、もしくは
第2特性を利用して表示画素にマトリクス表示を行う第
2の期間の少なくとも一方において、走査信号もしくは
データ信号の少なくとも一方にオフセット電圧を重畳さ
せる。オフセット電圧は、第1特性を利用してマトリク
ス表示される際の表示画素の透過率と、第2特性を利用
してマトリクス表示される際の表示画素の透過率との差
に依存したものであるため、これら透過率の差を低減す
ることができ、結果、フリッカを防止できる。
【0009】なお、請求項5記載の発明では、請求項4
記載のオフセット電圧は、第1特性と第2特性との非対
称分の電圧を含むものであるため、これら透過率の差を
キャンセルすることができ、結果、フリッカを防止でき
る。 また、請求項6記載の発明では、請求項4又は請求
項5記載のオフセット電圧は、第1特性と第2特性との
経時変化に伴う非対称分の電圧を含むため、これら透過
率の差をキャンセルすることができ、結果、フリッカを
防止できる。
【0010】請求項7記載の発明では、請求項1乃至請
求項6の何れかに記載の第1の期間と第2の期間は各々
交互に現出されるものであり、請求項8記載の発明で
は、請求項1乃至請求項7の何れかに記載の第1の期間
及び第2の期間の合計長さは一行電極を操作する時間内
であり、請求項9記載の発明では請求項1乃至請求項7
の何れかに記載の第1の期間の長さ及び第2の期間の長
さは各々n条の行電極を操作するのに充分な時間である
ため、何れの発明の場合も更にフリッカを低減できる。
請求項10記載の発明では、請求項1乃至請求項9の何
れかに記載のオフセット電圧を一定の範囲に限定するこ
とにより過度のフリッカ補正を抑制できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の係るマトリック
ス型液晶表示装置の具体的な構成例と、その駆動方法に
ついて図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発
明の実施例に係る液晶表示装置全体の構成を示す概略構
成図であり、図2は本発明に用いられる液晶セル10の
構成例を示す断面図である。図1に示すように、n条の
行電極(Y1,Y2 ・・・Yn )とm条の列電極(X1,X
2 ・・・Xm )とを互いに格子条に対向させるように並
設した両電極基板11、12間に(図2参照)、電圧印
加に対して少なくとも一つの反強誘電状態と2つの強誘
電状態とが相互に安定して形成される反強誘電性液晶1
3を封入してmn個の表示画素を形成した液晶セル10
と前記n条の行電極とm条の列電極とで液晶パネル1を
形成し各電極間に、前記mn個の表示画素のうち選択さ
れた少なくとも一つの行電極上の任意の画素のON表示
する第1の駆動信号と前記選択された行電極上の残余の
画素をOFF表示する第2の駆動信号を付与する様に、
前記各行電極を一画面表示時間の1/n以下の時間毎に
選択走査するマトリックス駆動手段(22、23、2
4)を備えたマトリックス型液晶表示装置において、前
記反強誘電性液晶として印加電圧により該反強誘電状態
と、電場の向きによって制御できる2つの強誘電状態間
を相互にスイッチングさせることができ、且つ印加電圧
の所定の電圧内における増大又は減少に応じて前記反強
誘電性液晶の光透過率が少なくともマトリックス駆動に
十分なヒステリシスを有する反強誘電性液晶13を採用
し、前記駆動手段が第1駆動信号として2つの強誘電状
態間をスイッチングする交流的に変化する双極性パルス
として形成され、又前記第2駆動信号として反強誘電状
態から強誘電状態へのスイッチングが行われない範囲の
電圧で交流的に変化する双極性パルスを発生する手段
と、又前記第2駆動信号として反強誘電状態から強誘電
状態へのスイッチングが行われない範囲の電圧で交流的
に変化する双極性パルスを発生させる手段と、更には該
第1と第2の駆動信号に後続して一の極性における所定
の電圧範囲の略中央に相当する電圧を有する直流信号を
前記n条の行電極に付与する様にして一画面表示を完成
させる様にさせたものである。
【0012】その後、或いは前記各手段による信号発生
操作を複数回繰り返した後、前記駆動手段が前記第1及
び第2駆動信号及びこれらに後続する直流信号の電圧極
性を全て逆極性とした電圧を発生させる手段を設けるも
のであって、それによって、前記と同様の操作により該
n条の行電極とm条の列電極との間に前回の操作におけ
る電圧の極性と異なる極性を有する電圧が印加される様
に構成されている。
【0013】また、さらに、正極性電圧範囲のヒステリ
シスを利用して駆動する第1フィールドと負極性電圧範
囲ヒステリシスを利用して駆動する第2フィールド間の
ヒステリシス非対称に基づく透過率の差に依存したオフ
セット電圧を前記行電極に又は前記列電極に、第1フィ
ールド又は第2フィールドの一方の期間に、重畳するよ
うに構成されているマトリックス型液晶表示装置であ
る。
【0014】係る本発明のマトリックス型表示装置をよ
り具体的に説明する。図1に示すように、本図実施例の
液晶表示装置は、反強誘電性液晶が封入された液晶パネ
ル1と、外部から入力された映像信号に基づき液晶パネ
ル1のm条の列電極X1,X2 ・・・Xm 及びn条の行電
極Y1,Y2 ・・・Yn に電圧を印加することにより液晶
パネル1を駆動し、液晶パネル1に映像信号に応じた映
像を表示させる制御装置4とから構成される。
【0015】ここで、液晶パネル1は、図2に示すよう
に、2枚の電極基板11、12間に反強誘電性液晶13
を封入したものであり、以下のように作成される。すな
わち、電極基板11は、図2に示すように、透明なガラ
ス板11aの内表面に沿ってITO(Indium Tin Oxid
e)或いは酸化スズからなる導電膜11bを形成し、こ
の導電膜11bに上下方向に互いに間隔を付与すること
により、図1に示したn条の行電極Y1,Y2 ・・・Yn
が、左右方向に互いに平行に突設形成されている。ま
た、電極基板12は、電極基板11と同様の加工が施さ
れ、図1に示したm条の列電極X1,X2 ・・・Xm が、
各行電極Y1,Y2 ・・・Yn に対して直行するように突
設形成されている。なお、これら各行電極Y1,Y2 ・・
・Yn 及び列電極X1,X2 ・・・Xm により、当該液晶
パネル1には、図1に示すように、m×n個の表示画素
G1,G2 ・・・G(m-n) が形成される。
【0016】各導電膜11a、11bの内表面には、高
分子膜16、17が付設されている。高分子膜16、1
7の表面の少なくとも一方の表面は、液晶分子13a
が、上下基板に平行かつ法線Pに直角方向に並ぶように
ラビング処理を行っている。なお、各導電膜11a、1
1bの内表面には、高分子膜16、17の代わりに、酸
化珪素の斜法蒸着膜などの無機物の薄膜を付設してもよ
い。
【0017】次に液晶セル10内への反強誘電液晶の封
入に当たっては、まず、高分子膜16、17のラビング
方位が両導電膜11b、12bに平行(すなわち法線P
に垂直)となるように電極基板11、12を平行に組み
合わせる。然かる後、反強誘電性液晶13例えば、4−
(1−トリフルオロメチルヘプトキシカルボニルフェニ
ル)−4’−オクチルオキシカルボニルフェニル−4−
カルボキシレートを過熱して等方性液体として、毛細管
現象を利用して両電極基板11、12間に注入し、その
後、液晶セル10全体を毎分1℃程度にて徐冷し、反強
誘電性液晶相(SmCA・相)になるまで冷却する。
【0018】このような冷却の結果、層構造をとる反強
誘電性液晶13は、高分子膜16、17のラビング方向
に沿って配向する。この状態は、直交ニコル下で観察す
れば消光した安定な状態(第1安定状態)であるが、最
近のChandani等の研究{Jpn.J.Appl.Phys.Vol.28,(198
9)p.1261 }で、層と層の間に分極をキャンセルした反
強誘電的構造になっていることが明らかにされた。
【0019】上記のように作製した液晶セル10には偏
光板14及び15が、互いに偏光軸が直交するように、
そして液晶に電場が印加されていない状態での消光位に
一致するように貼付されている。以上の構成の液晶パネ
ル1のおいて、両電極基板11、12間に例えば電極基
板11から12の向きに電場を印加すると液晶分子13
aはその永久双極子モーメントが電場方向にそろうため
配列変化を生じ(すなわち、電場誘起の反強誘電相−強
誘電相転移)消光位が角度θずれることになる。この
時、液晶の複屈折により消光状態(暗状態)から光の透
過する明状態に変化する。上記と逆向きの電場を印加し
た場合も同様の原理で明状態となるが、消光位のずれる
方向は前記とは逆向きの−θである。ここで、液晶13
に三角波電圧を加えた時の電圧−透過率特性を確認した
ところ、以下のように、十分なヒステリシス特性が得ら
れた。
【0020】図3は本発明に使用される反強誘電性液晶
の相対光透過率と印加電圧との関係を示す図である。本
図の横軸は印加電圧を示し、縦軸は相対透過光強度をパ
ーセント表示した相対透過率を示す。つまり、該相対透
過率の閾値90%以上を明の状態、閾値10%以下を暗
の状態と定義すると、まず該液晶セルが印加電圧0Vで
暗にある状態から、印加電圧を正の方向に増加させると
電界効果Eと該液晶の自発分極とに基づいて液晶の分子
の配列が変化しはじめ、閾値電圧+V1 で光の透過が開
始され飽和電圧+V2を越えると完全な光透過率が10
0%となる。
【0021】つまり、閾値電圧を相対透過率が初期値か
ら10%変化する電圧と定義し、また飽和電圧を相対透
過率が初期値から90%変化する電圧と定義すると該閾
値以下の電圧から該飽和電圧以上の電圧迄変化する間に
該液晶セルは暗の状態から明の状態へスイッチングされ
ることになる。また、逆に印加電圧を+V2 以上の電圧
から現象させる場合には、電圧の増加時と同じ変化を示
さずに、図3に示すようなヒステリシス特性が示され
る。
【0022】すなわち、該液晶セルが明の状態にある時
から閾値+V3 以下に電圧が変化した時点から液晶の分
子が変化しはじめ、飽和電圧+V4 以下となることによ
り該液晶セルは暗の状態に変化する。つまり、閾値電圧
から飽和電圧に印加電圧を変化させると該液晶セルは明
の状態から暗の状態へスイッチングされることになる。
【0023】このような状態は、印加電圧が負の電圧で
ある場合にも同様であり、該液晶セルの暗の状態から明
の状態、及び明の状態から暗の状態への変化においてそ
れぞれ閾値−V1,−V3,及び飽和電圧−V2,−V4 をそ
れぞれ有している。したがって、印加電圧を+/−V1
以上に設定すれば該液晶は明の状態となり、また印加電
圧を印加電圧を+/−V3 以下に設定すれば該液晶セル
は暗の状態になる。
【0024】また、その間の印加電圧であれば、該液晶
セルの状態は変化しないので、その直前の状態が維持さ
れることになる。次に、液晶パネル1を駆動する制御装
置4について説明する。上記液晶パネル1を線順次走査
方式に基づき本発明の駆動波形にて駆動するための制御
装置は、図1に示すように、外部からの入力された映像
信号を画像データとして取り込み蓄積するフレームメモ
リ21と、フレームメモリ21から画像データを読み出
し、クロック信号等の各種制御信号を生成して出力する
制御手段としてのコントロール回路22と、コントロー
ル回路22からの制御信号を受けて、上記各表示画素G
をON又はOFF状態に選択するための制御電圧(Va
又は−Va)及びその選択されたON又はOFF状態を
保持するための制御電圧(Vo又は−Vo)を走査信号
として上記各行電極Y1,Y2 ・・・Yn に印加する行駆
動手段としての行駆動回路23と、同じくコントロール
回路22からの制御信号を受けて各表示画素をON又は
OFF状態に制御するための制御電圧(Vb又は−V
b)を上記各列電極X1,X2 ・・・Xm に印加する列駆
動手段として列駆動回路24とから構成されている。な
お、行駆動回路23には電圧レベル設定回路51が設け
られ、電圧レベル設定回路51は所定の入力電圧(例え
ば100V又はDC12V)から前記制御電圧(Va又
は−Va、Vo又は−Vo)を形成する。列駆動回路2
4には電圧レベル設定回路52が設けられ、電圧レベル
設定回路52は所定の入力電圧(例えば100V又はD
C12V)から前記制御電圧(Vb又は−Vb)を形成
する。
【0025】以下、制御装置4の詳細な構成、動作を説
明する。また、行駆動回路23は、シフトレジスタ31
と、データラッチ回路32と、駆動回路33とから構成
されて、列駆動回路24は、シフトレジスタ41と、デ
ータラッチ回路42と、駆動回路43とから構成されて
いる。図4は、制御装置4に使用される液晶パネルの駆
動信号波形の例を示す図である。本図に示す駆動波形
は、図3の正極性電圧範囲のヒステリシス特性を利用し
て駆動する第1フィールド及び負極性範囲のヒステリシ
ス特性を利用して駆動する第2フィールドで構成され、
それぞれ行電極Y1,Y2 ・・・Yn 及び列電極X1,X2
・・・Xm へ印加される8つの基本信号からなる。図4
(a)は行電極Y1,Y2 ・・・Yn に印加される走査信
号群、図4(b)は列電極X1,X2 ・・・Xm に印加さ
れる制御信号群である。これらは、上記制御装置4から
適時出力される。
【0026】コントロール回路22からの制御信号を受
けて、行電極Y1,Y2 ・・・Yn に走査信号を出力する
行駆動回路23について、以下に、説明する。図5は本
発明に係るマトリックス型液晶表示装置の行電極駆動回
路23の一具体例を示す図である。図6は図5に示され
る行電極駆動回路23における各信号タイムチャートで
ある。図5に示すように、行駆動回路23のシフトレジ
スタ31には、コントロール回路22から、Va、V
o、−Va、−Voの4つの走査信号レベルに対応した
2ビットのデータ(以下、走査信号データという)D1
、D2 とこのデータに同期したクロック信号CL1 と
が入力され、シフトレジスタ31は、図6(c)に示す
ように、このクロック信号CL1 により走査信号データ
D1 、D2 を順次取り込む。
【0027】また、図5に示すように、データラッチ回
路32には、コントロール回路22から、図6(c)に
示すクロック信号CL1 のn個分を一周期とするクロッ
ク信号CL2 が入力され、データラッチ回路32は、こ
のクロック信号CL2 により、シフトレジスタ31に全
ての行電極Y1,Y2 ・・・Yn の走査信号D1 、D2取
り込まれる度に、そのデータをラッチする。
【0028】一方駆動回路33は、図5に示すように、
各行電極Y1,Y2 ・・・Yn に対応して設けられた、n
個のアナログスイッチ33a1 、33a2 、・・・33
anと、n個のレベルシフタ33b1 、33b2 、・・
・33bn とから構成されている。また、アナログスイ
ッチ33a1 、33a2 、・・・33an には、外部か
ら各行電極Y1,Y2 ・・・Yn に印加するための4種の
走査信号、すなわち、Va、Vo、−Va、−Voが供
給されておるので、各アナログスイッチ33a1 、33
a2 、・・・33an には、これら4種の走査信号内の
1つを選択的に行電極Y1,Y2 ・・・Yn に印加できる
ように、4つのスイッチ素子が設けられている。そして
各レベルシフタ33b1 、33b2 、・・・33bn
は、データラッチ回路32に蓄積された各行電極Y1,Y
2 ・・・Yn 毎の走査信号データをレベルシフトして、
対応するアナログスイッチ33a1 、33a2 、・・・
33an に駆動信号を出力することにより、アナログス
イッチ33a1 、33a2 、・・・33an が行電極Y
1,Y2 ・・・Yn に印加する走査信号を、走査信号デー
タに対応させる。
【0029】このように行駆動回路23は、コントロー
ル回路22から出力される各行電極Y1,Y2 ・・・Yn
に対する走査信号データD1 、D2 をクロック信号CL
1 により順次取り込み、全行電極Y1,Y2 ・・・Yn に
対する走査信号D1 、D2 を取り込む度(すなわちクロ
ック信号CL2 の一周期毎)に、図5の下段の一例に示
すように、各行電極Y1,Y2 ・・・Yn への印加電圧V
a、Vo、−Va、−Voをその走査信号データに対応
して変更する。
【0030】一方コントロール回路22は、図6(c)
に示すように、走査信号データD1、D2 を、クロック
信号CL2 の一周期内に、第1行目の行電極Y1 から最
終の行電極Yn まで順に出力するが、クロック信号CL
2 の一周期当たりに出力される走査信号データD1 、D
2 の内、表示変更の対象となる特定の行電極(以下、選
択電極という。)以外の走査信号データD1 、D2 に
は、反強誘電性液晶のヒステリシス特性の中間電圧とな
る第3の電圧(Vo又は−Vo)を設定し、選択電極の
走査信号データD1 、D2 に対してのみ、表示画素のO
N・OFF状態を切り替え可能な第1及び第2電圧Va
又は−Vaを設定する。
【0031】また、コントロール回路22は、図6
(b)に示すように、選択電極をクロック信号CL2 の
2周期毎に第1行目の行電極Y1 から順に変更して行
き、図6(a)に示すうように、選択電極に対する走査
信号データD1 、D2 として、クロック信号CL2 の第
1周期目及び第2周期目でそれぞれ第1及び第2電圧−
Va又はVaを、それぞれ設定する。また、コントロー
ル回路22で、選択電極に第2電圧を印加した後、次の
クロック信号CL2 により選択電極が他の行電極に変更
されて再び当該電極が選択電極となるまでの間、当該電
極に印加する第3の電圧の極性を、第2電圧の極性と同
じ極性に設定する。つまり、図6(a)に示すように、
選択電極の第2の電圧が正の電圧であれば、その後当該
電極には正の第3電圧Voが印加され、選択電極の第2
電圧が負の電圧−Vaであれば、その後当該電極には負
の第3電圧−Voが印加される。
【0032】また、更にコントロール回路22は、第1
行目の行電極Y1 から準に印加電圧を変更する制御を実
行するが、第1行目Y1 から最終行の行電極Yn に対す
る制御を一旦終了する度に、すなわち液晶パネル1の1
画面分の走査を終了する度に、各行電極Y1,Y2 ・・・
Yn への印加電圧の極性を前回と異なる極性に変更す
る。次にコントロール回路22からの制御信号を受けて
列電極X1,X2 ・・・Xm に制御電圧を印加する列駆動
回路24について説明する。
【0033】図7は本発明に係るマトリックス型液晶表
示装置の列電極駆動回路の一具体例を示すブロックダイ
アグラムである。本図に示すように、列電極駆動回路2
4のシフトレジスタ41には、コントロール回路22か
ら、上述の選択電極と各列電極X1,X2 ・・・Xm の交
点に形成されるm個の表示画素をON状態にするかOF
F状態にするかを表すON・OFFデータDGが各列電
極毎に順次入力されると共に、その入力タイミングと同
期してクロック信号CL3 が入力される。
【0034】図8は、図7に示される列電極駆動回路に
おける各信号のタイミングチャートである。本図(b)
に示すように、このON・OFFデータ及びクロック信
号CL3 は、上記クロック信号CL2 の一周期の(1/
m)の周期で入力され、シフトレジスタ41は、クロッ
ク信号CL3 により、クロック信号CL2 の一周期当た
りに全列電極X1,X2 ・・・Xm のON・OFFデータ
DGを取り込む。
【0035】また図7に示すように、データラッチ回路
42には、コントロール回路22からクロック信号CL
2 が入力されると共に、選択電極への印加電圧の極性を
表すフィールド信号F1 が入力される。そしてデータラ
ッチ回路42は、クロック信号CL2 により、シフトレ
ジスタ41から全ての列電極X1,X2 ・・・Xm のON
・OFFデータDGを取り込むと共に、フィールド信号
F1 に基づき各列電極X1,X2 ・・・Xm のON・OF
FデータDGを選択電極への印加電圧の極性に対応して
制御電圧データに変換して記憶する。
【0036】ここでコントロール回路22は、選択電極
を変更する度に、すなわちクロック信号CL2 の2周期
毎にに、各列電極へのON・OFFデータDGを、フレ
ームメモリ21から読み込んだ画像データに基づき変更
するようにされており、図8(a)に示すようにこのO
N・OFFデータDGが表示画素のON指令を表してい
る場合、データラッチ回路42は、フィールド信号F1
がON、すなわち選択電極への印加電圧の極性が正であ
れば、クロック信号CL2 の第1周期目の制御電圧デー
タを+Vb、第2周期目の制御電圧データを−Vb逆に
フィールド信号F1 がOFF、すなわち選択電極への印
加電圧の極性が負であれば、クロック信号CL2 の第1
周期目の制御電圧データを−Vb、第2周期目の制御電
圧データを+Vb、に設定する。
【0037】なお、図に示さないが、コントロール回路
22からのON・OFFデータDGが表示画素のOFF
指令を表している場合には、上記とは逆に、フィールド
信号F1 がON、すなわち選択電極への印加電圧の極性
が正であれば、クロック信号CL2 の第1周期目の制御
電圧データを−Vb、第2周期目の制御電圧データを+
Vb、に設定し、フィールド信号F1 がOFF、すなわ
ち選択電極への印加電圧の極性が負であれば、クロック
信号CL2 の第1周期目の制御電圧データを+Vb、第
2周期目の制御電圧データを−Vbに、設定する。
【0038】一方駆動回路43は、図7に示すように、
各列電極X1,X2 ・・・Xm に対応して設けられた、m
個のアナログスイッチ43a1 、43a2 、・・・43
anと、n個のレベルシフタ43b1 、43b2 、・・
・43bn とから構成されている。また各アナログスイ
ッチ43a1 、43a2 、・・・43an には、これら
3種の制御電圧の内の1つを選択的に列電極X1,X2 ・
・・Xm に印加できるように、2つのスイッチ素子が設
けられている。
【0039】そして各レベルシフタ43b1 、43b2
、・・・43bn は、データラッチ回路42に蓄積さ
れた各列電極X1,X2 ・・・Xm 毎の制御電圧データを
レベルシフトして、対応するアナログスイッチ43a1
、43a2 、・・・43an に駆動信号を出力するこ
とにより、アナログスイッチ43a1 、43a2 、・・
・43an から制御電圧に対応した制御電圧を各列電極
X1,X2 ・・・Xm に同時に印加させる。
【0040】すなわち、列電極回路24の動作をまとめ
ると、まず行駆動回路23からクロック信号CL2 の1
周期毎に第1電圧(−Va)→第2電圧(Va)が順次
印加される選択電極Yj (j:1 〜n )の印加電圧(すな
わち第2電圧(Va))の極性が正であるとき、この選
択電極Yj と列電極Xi (i:1 〜m )とにより形成され
る表示画素GをONする場合、列駆動回路24は、列電
極Xi に対して、クロック信号CL2 の1周期毎に+V
b→−Vbを印加し、逆に表示画素をOFFする場合に
は列駆動回路24は、列電極Xi に対して、クロック信
号CL2 の1周期毎に+Vb→−Vbを印加する。
【0041】また、選択電極Yj の印加電圧の極性が負
であるとき、この選択電極Yj と列電極Xi (i:1 〜m
)とにより形成される表示画素GをONにする場合に
は、列駆動回路24は、列電極Xi に対して、クロック
信号CL2 の1周期毎に−Vb→+Vbを印加し、逆に
表示画素をOFFする場合には、列駆動回路24は、列
電極Xi に対して、クロック信号CL2 の1周期毎に+
Vb→−Vbを印加する。
【0042】以上のようにして形成した本発明の駆動波
形による反強誘電性液晶13の動作を説明する。図9は
本発明におけるマトリックス型液晶装置に使用されてい
る行電極と列電極の部分拡大図である。本図に示すよう
に、斜線を施した画素は(例えば(1.2))OFF表
示画素、それ以外(例えば(1.1))はON表示画素
である。
【0043】図10は本発明におけるマトリックス型液
晶表示装置の液晶セルの両電極間に実際に印加される電
圧信号波形を説明する図である。本図(a)には、ON
表示画素に加えられる波形が示される。各々の電圧レベ
ルは図3のヒステリシス特性との関連においてVoをヒ
ステリシス幅(例えばV1 + −V3 + で定義)ほぼ中央
の電圧値、VaとVbは、次の3つの条件 Va+Vb>V2 + …(1) Va−Vb>V1 + …(2) 2・Vb≦V1 + −V3 + …(3) を満たすように設定されている。そして各パルス幅t
は、電圧(Va+Vb)を反強誘電性液晶13に印加し
たときのスイッチング時間に対応させてある。このと
き、選択期間の最初の電圧−(Va+Vb)のパルスで
液晶13は消光位が−θずれた明状態になった後、電圧
(Va+Vb)のパルスで消光位がθずれた明状態に変
化する。そして非選択期間に印加されている電圧(Vo
+Vb)又は(Vo−Vb)によってその明状態は保持
される。この関係逆極性の電圧でもまったく同様であ
る。この様子を示す光学透過率変化が図10(b)に示
される。次に、OFF表示画素に加えられる波形が図1
0(c)に示される。この電圧波形では、もともとOF
F状態(反強誘電状態すなわち暗状態)にある液晶は応
答せず暗表示のままである。また、上記ON表示の波形
でON状態(−θの明状態)に励起されている場合も選
択期間に最初の電圧−(Va−Vb)のパルスでは変化
しないが続く逆極性で、+θの明状態へ変化できない電
圧(Va−Vb)のパルスにより−θの明状態は反強誘
電状態(暗状態)に戻る。この様子を示す光学透過率変
化が図10(d)に示される。
【0044】以上のようにして、行電極側4レベル、列
電極側2レベルの電圧を制御することによりマトリック
ス液晶セル10はダイナミック駆動され高コントラスト
の表示を得ることができる。また、本駆動法では以下の
ような利点もある。図3の反強誘電性液晶13のスメク
チック層は図示されているように「くの字」に折れ曲が
ったシェブロン構造をしている。この層構造は、電場を
印加して強誘電状態にすると、「くの字」が伸びたブッ
クシェルフに変化する。この様子をX線回折法で調べ、
結果を以下に説明する。
【0045】図11はブックシェルフ構造の変化を説明
する図である。本図(a)に示す電場ゼロのときスメク
チック層は約11℃傾いた「くの字」である。電場を印
加すると強誘電相に変化する以前の電圧では変化しない
が(本図(b)参照)、強誘電相となる電圧でスメクチ
ック層の傾きのないブックシェルフ構造に変化する(本
図(c)参照)。電場を再びゼロにすると初期よりも角
度の小さいシェブロン構造に戻る。これらの事実は、M.
Johno et al ;Jpn.J.Appl.Phys.,vol.28, (1989)L119あ
るいはY.Yamada et al :Jpn.J.Appl.Phys.,vol.29, (19
90)pp1757 〜1764などの論文の中に報告されている。す
なわち、反強誘電性液晶13は、反強誘電状態(暗状
態)と強誘電状態(明状態)とをスイッチングさせると
層構造変化(層スイッチングと呼ばれている)を伴うと
いうことである。そして、我々の実験によれば、過度の
スイッチングは表示装置としたときの残像(表示の焼き
付きと呼ばれる現象)の原因となる。従来駆動法では、
選択信号中に電圧ゼロの期間があるためにON表示画素
の液晶はフィールド周期毎に例えば負電圧の強誘電状態
→反強誘電状態→正電圧の強誘電状態又は逆の経路の状
態変化が起こる。そして、それに伴って層スイッチング
が起こっていることになる。すると、例えば、コンピュ
ータ端末などのように静止画を表示した場合、特定の画
素すなわちON表示画素の液晶のみ過度の層スイッチン
グがあり、OFF表示画素の液晶では層スイッチングが
行っていないこととなる。従って、この差が表示の焼付
きとなって現れる。
【0046】しかしながら、本発明の駆動法では、ON
表示画素の液晶は、電圧ゼロの期間がないためにフィー
ルド周期毎に負電圧の強誘電状態→正電圧の強誘電状態
又はこの逆の経路の状態変化しか起こらない。すなわ
ち、反強誘電状態を経由せずに極性反転が起こるわけで
ある。これ故に、この変化では層スイッチングが起こら
ない。結局、本発明の駆動法によれば、層スイッチング
はON表示とOFF表示が切り換えるときのみしか起こ
らないことになる。従って、従来駆動法のような層スイ
ッチングの特定画素へのかたよりがないため表示の焼付
きが防止できるわけである。
【0047】次に反強誘電性液晶のフリッカ(ちらつ
き)低減について説明する。図4(a)に示すように、
行駆動回路23からは、駆動波形が+Va、+Vo、−
Va、−Voの4つの電圧レベルを順次切替え出力され
る。図4(b)に示すように、列駆動回路24からは、
表示すべきデータ(ON、OFF)にあわせ行駆動回路
23と同期した信号が出力される。列駆動回路24から
の電圧レベルは+Vb、−Vbの2種類を基本としてい
る。
【0048】各駆動回路から出力された電圧は液晶セル
10(図2参照)の透明電極11b、12bに印加さ
れ、液晶13を駆動している。液晶13は上下電極の電
位差により透過率がかわることから、その電位差を表す
図10(a)に示すように、6種類の電圧レベルが順次
切換えられる波形となる。このような基本的な駆動波形
を用いてテレビ表示を行うとき、30Hzのフリッカ
(ちらつき)発生するという問題が生じる。この30H
z成分のフリッカがでる理由は、図4に示す1フレーム
がNTSC(National Television System Committee)
信号の1フレーム(30Hz)に相当するからである。
第1フィールドと第2フィールドの透過率の差が大きい
ほどフリッカ強度は大きくなる。ここで、図4の駆動波
形では第1フィールドは正電位が液晶に印加されること
から+フレーム、第2フィールドは逆に−フレームと呼
ばれる。
【0049】図12は反強誘電性液晶のフリッカと相対
透過率との関係を説明する図である。本図に示すよう
に、ここで白表示における反強誘電性液晶の透過率を1
00%とする相対透過率を横軸に、フリッカ強度を縦軸
に取ると、フリッカは透過率20〜60%の中間調(灰
色)表示時に、顕著に現れる。そこで、「H反転」と呼
ばれる上下の画素で位相を180°ずらし画面全体のフ
リッカを低減する方法が提案されているが、表示データ
によってはH反転の効果が得られずフリッカが目立つ。
さらに、本図に示すように、フリッカ調査の過程で、フ
リッカに経時変化のあることが分かった。以下にフリッ
カの発生原因を説明する。
【0050】図13は、理想的な液晶のヒステリシスを
示す図であり、図14は、フリッカ発生原因となる液晶
の非対象なヒステリシス特性を示す図である。図13に
示すように、液晶が理想的な場合には、印加電圧±Vに
対して対称なヒステリシス特性を有する。しかし、図1
4に示すように、フリッカの発生原因はヒステリシス
カーブが電圧方向にシフトしていることにより生じるこ
とが分かった。よってフィールド間で異符号電圧(+V
aと−Va)を印加しても透過率が一致せず、T(−V
a)−T(Va)だけずれてフリッカの原因となる。ま
た、その他に、図14に示すように、液晶の偏光軸の
角度ずれが、同様に、フリッカの原因となる。さらに、
その他に、図14に示すように、駆動波形の非対称性
を原因としても、フリッカの原因となることが考えられ
る。
【0051】これらのフリッカの原因のうち特に影響が
大きい、図14に示す液晶の非対称なヒステリシス特
性を原因とするフリッカの低減を以下のようにして行
う。液晶の非対称なヒステリシス特性を原因とするフリ
ッカはヒステリシスカーブが電圧方向にシフトしている
ためであり、よってフィールド間で異符号同電圧(例え
ば+Vaと−Va)を印加しても透過率が一致せずフリ
ッカとなっていた。したがって、液晶の非対称なヒステ
リシス特性を除去するために、図1の行駆動回路23又
は列駆動回路24の少なくとも一方の駆動波形にオフセ
ットVc(直流)を重畳させる。
【0052】図15は図1の制御装置4に使用される液
晶パネルの駆動信号波形であって、行駆動回路23の駆
動波形にオフセット電圧Vc(直流)を重畳した場合に
おける例を示す図である。本図に示すように、オフセッ
ト電圧Vcの重畳により、前述した+Va、+Vo、−
Va、−Voは、それぞれ、+Va+Vc、+Vo+V
c、−Va、−Voとなる。このようにヒステリシスカ
ーブのシフト分をキャンセルするように印加電圧をフィ
ールド間で変わり(例えば+Va+Vcと−Va)、透
過率が等しくなり、フリッカがなくなる。この時、加え
られるオフセット電圧Vcはヒステリシスカーブの電圧
シフト分をキャンセルするためなので直流電圧とする。
発明者の実験ではヒステリシスカーブが+側に0.1V
シフトしており、フィールド間で異符号同電圧を印加し
た時透過率は+フィールド(第1フィールド)が小さ
く、−フィールド(第2フィールド)が大きいという状
態であった。
【0053】図16は駆動回路33へ走査信号を与える
電圧レベル設定回路51の変形を示す図である。電圧設
定回路51の定電圧回路51aは入力電圧(例えばAC
100V又はDC12V)からVa、Vo、−Va、−
Voを形成する。定電圧回路51aの後段のオフセット
電圧回路51bはオフセット電圧Vcを形成し、ここ
で、R1=R2の時は、Vc=0となる。加算回路51
cは電圧VaとVcとを加算し、加算回路51dは電圧
VoとVcとを加算する。
【0054】図17は駆動回路43へ走査信号を与える
電圧レベル設定回路52の変形を示す図である。電圧設
定回路52の定電圧回路52aは入力電圧(例えばAC
100V又はDC12V)からVb、−Vbを形成す
る。定電圧回路52aの後段のオフセット電圧回路52
bはオフセット電圧Vcを形成し、ここで、R3=R4
の時は、Vc=0となる。加算回路52cは電圧Vbと
Vcとを加算する。
【0055】なお、オフセット電圧を走査ドライバ側に
印加する場合は、R1≠R2、R3=R4とし、信号ド
ライバ側に印加する場合は、R1=R2、R3≠R4と
する。図18はオフセット電圧を重畳してON表示画素
に加えられた駆動波形を示す図である。
【0056】本図に示すように、+フィールドに電圧シ
フト部のオフセット電圧Vc=0.1Vを印加して液晶
の非対称ヒステリシス特性を原因とするフリッカを低減
できるようになった(+フィールドの透過率を増加させ
た)。図19は1フレーム内の透過率の経時変化を模式
的に表した例を説明する図である。液晶の非対称なヒス
テリシス特性のずれは、オフセット印加の有無にかかわ
らず経時変化を行うことが実験的に明らかとなってお
り、経時変化が飽和する30分後ではオフセット電圧に
換算すると、約−0.1V分フリッカが変化する。すな
わち、オフセット電圧を0.1V印加し、フリッカを低
減できるが、30分後にはオフセット無しと同様のフリ
ッカとなる。逆にオフセットを0.2V印加した場合に
は時間と共にオフセット0.1Vの状態に近づき、フリ
ッカが低減できる。この0.2Vの印加によりフリッカ
を8.2%から0.1%に低減できた。なお、オフセッ
ト電圧値は液晶材料、基板加工精度により変わるが、い
ずれの場合でも上記2点の現象より求めることができ
る。
【0057】したがって、本実施例によれば、オフセッ
ト電圧の重畳により+フィールドと−フィールドの光学
非対称を無くし、フリッカを低減できる。図20は図1
の制御装置4に使用される液晶パネルの駆動信号波形で
あって、列駆動回路24の駆動波形にオフセット電圧V
c(直流)を重畳した場合における例を示す図である。
また、オフセット電圧がヒステリシスカーブの非対称を
キャンセルすることを目的としているため、液晶間の電
位差でヒステリシスカーブを描くことから、本図に示す
ように、列駆動回路24による+フィールドの駆動波形
にオフセット電圧Vcを重畳させても効果は変わらな
い。駆動波形にオフセット電圧Vcを重畳させることが
ポイントであり、駆動波形は問わないためである。
【0058】まとめると、オフセット電圧をヒステリシ
スカーブの前記非対称分としてもよい。また、オフセッ
ト電圧を前記経時変化分としてもよい。また、オフセッ
ト電圧をヒステリシスカーブの非対称分と経時変化分の
合計としてもよい。
【0059】また、オフセット電圧を−1V〜1Vの範
囲とする。過渡の補正を抑制するためである。さらに、
以下のような駆動波形レベル数が多い、駆動波形レベル
に対してもオフセット電圧を印加してもよい。図21は
本発明の別の実施例に係る液晶表示装置全体の構成を示
す概略構成図である。本図に示す制御装置120は、液
晶パネル1を周知のアナログRGB信号を入力してフル
カラー表示するもので、入力されるRGB信号と画像静
止時に使用される停止用信号とを選択してレベル補正を
行うレベル補正補正回路122、信号変換回路123、
入力される同期信号より各種コントロール信号を作り出
すコントロール回路124、データ信号を列電極に印加
する列駆動回路125、走査信号を行電極に印加する行
駆動回路126等から構成される。
【0060】レベル補正回路122は入力されてRGB
信号を反強誘電性液晶の特性に合わせてRGB信号に変
換する回路である。信号変換回路123は、レベル補正
回路122で変換されたGRB信号をそのまま通過させ
るか、反転して出力する回路で、コントロール回路12
4で作りだされたフィールド信号FIによってそのいず
れかが選択される。
【0061】コントロール回路124は、フィールド信
号FIの他に、3種のクロック信号CL1、CL2,C
L3、及び走査信号を構成する7種類の電圧レベル(V
1 、V2 、−V2 、V3 、−V3 、V4 、−V4 )に対
応した3ビットの走査信号D1、D2、D3を出力す
る。列駆動回路125は、シフトレジスタ127とアナ
ログデータラッチ128とから、以下のように、構成さ
れる。
【0062】図22は列駆動回路125の構成の具体例
を示す図である。本図に示すように、列駆動回路125
は、一組のシフトレジスタ127と、2段のサンプルホ
ールド回路128a、128bからなる。信号変換回路
123からのRGB信号は、コントロール回路124で
作りだされた第1クロック信号CL1に同期して、初段
サンプルホールド回路SH11、SH12…、SH1m
に順次ラッチされ、1行分の信号をラッチした後ホール
ドされる。初段サンプルホールド回路128aにホール
ドされた信号は、コントロール回路124で作りだされ
た第2のクロック信号CL2に同期して次段サンプルホ
ールド回路SH21、SH22、…SH2mに順次ラッ
チされ、各列電極にデータ信号として出力される。そし
て、列駆動回路125は上記動作を、以下のように、繰
り返す。
【0063】図23は列駆動回路125における各信号
のタイミングチャートである。本図に示すように、列駆
動回路125は、駆動波形を有するデータ信号を出力す
る。すなわち、第1クロック信号CL1に同期して、R
GBのデータ信号X1 、X2、…Xm を出力する。な
お、RGB信号のそれぞれは、中間調の表示を行えるよ
うにその電圧レベルが設定されたものであり、その結
果、各列電極に印加されるデータ信号は、本図のV
b(i,j)に示すように電圧レベルが変化する。なお、本図
(a)のVbmax、−Vbmaxについて、Vbmaxは入力のR
GB信号の最大振幅値とレベル補正回路122の増幅率
の積で求められ、又−Vbmaxは信号変換回路123にて
反転増幅された絶対値の同じ電圧である。
【0064】図21に戻り、行駆動回路126は、シフ
トレジスタ129、ドライバー130及び電圧レベル設
定回路131から構成される。なお、電圧レベル設定回
路131は所定の入力電圧(例えばAC100V又はD
C12V)からV1 、V2 、−V2 、V3 、−V3 、V
4 、−V4 の直流電圧を形成する回路である。電圧レベ
ル設定回路131は図1の電圧レベル設定回路51に対
応し、また、図1の電圧レベル設定回路52に対応する
部分は信号変換回路123に含まれる。オフセット電圧
を信号側(信号変換回路123)に印加する場合は非反
転増幅器の倍率を変えることにより印加が行われる。
【0065】図24は行駆動回路126の構成の具体的
例を示す図である。本図に示すように、行駆動回路26
は3組のシフトレジスタ129a、129b、129c
と行電極の数nに応じた多数のデコーダ130a、各デ
コーダ130aに対して5つのアナログスイッチを備え
た多数のアナログスイッチ回路130b、およびこのア
ナログスイッチ回路130bに走査電圧レベル(V1 、
V2 、−V2 、V3 、−V3 、V4 、−V4 )を供給す
る電圧レベル設定回路131により構成される。
【0066】各シフトレジスタ129a、129b、1
29cはコントロール回路124で作りだされた第3ク
ロック信号CL3に同期して、全ての電極Y1 〜Yn の
走査タイミング信号D1、D2、D3を取り込む。そし
て、各行に対応したシフトレジスタ129a、129
b、129cは各デコーダ130aでデコードされデー
タに応じた走査電圧レベル(V1 、V2 、−V2 、V3
、−V3 、V4 、−V4)のアナログスイッチをON
し、各行駆動電極へ消去、予備選択、選択、保持の走査
信号を出力する。なお、V1 は表示状態を反強誘電状態
にもどすための消去電圧、±V4 は表示状態の選択を行
うための選択電圧、±V2 は保持を行うための保持電
圧、±V3 は反強誘電状態から強誘電状態への励起をお
こなう予備選択電圧である。そして、行駆動回路126
は、以下のように、上記動作を繰り返す。
【0067】図25は行駆動回路126における各信号
のタイミングチャートである。本図(a)、(b)及び
(c)に示すように、行駆動回路126は駆動波形を有
する走査信号を出力する。すなわち、第3クロック信号
CL3に同期して、走査信号Y1 、Y2 、…Yn を出力
する。これらの走査信号は、それぞれの行に対応し、具
体的には、図25(a)に示すような各期間に応じた電
圧レベルになる。そして、行の表示状態を選択する選択
期間は、図25(a)に示すように2t1 期間ずれて各
行に順次発生する。
【0068】本走査信号にオフセットを加えた波形を図
26に示す。図27はD1〜D3の信号とアナログスイ
ッチ回路130bより出力される電圧関係を示す図であ
る。本図は一例を示し、D1〜D3の信号とアナログス
イッチ回路130bより出力される電圧の組み合わせ種
々設定可能である。図28は図21の液晶表示装置全体
の構成の第1の変形例を示す図である。本図に示すよう
に、レベル補正回路122は反転増幅器と非反転増幅器
とで構成され、RGBのレベルを変換するようにしても
よい。この場合、信号変換回路123の機能の一部をレ
ベル補正回路122に入れる。
【0069】図29は図21の液晶表示装置全体の構成
の第2の変形例を示す図である。本図に示すように、レ
ベル補正回路122、信号変換回路123の代わりに、
AP1、AP2、AP3が設けられる。AP3はRGB
信号をnビットのデジタルデータに変換するA/D変換
器(Analog to Digital Converter)である。AP1はA
P1はAP3からのデジタルデータを−Vbmax〜Vbmax
のアナログ値に変換するD/A変換器(Digital to Anal
og Converter) である。AP2はアナログ変換に使用す
る基準電圧出力回路で、−Vbmax〜Vbmaxをn分割した
DC電圧を出力する。
【0070】以上は、フリッカの発生原因として、ヒス
テリシスの非対称、経時変化と共に液晶材料物性に起因
していたが、次に、反強誘電性液晶(AFLCD)を駆
動する波形として、低温用駆動波形を考慮する。ON表
示の場合、選択信号の極性が反転した時点で、一方の強
誘電状態からもう一方の強誘電状態への変化が起きる、
この応答に要する応答時間は温度が低くなるにつれて長
くなる。この応答時間が、選択信号の1パルス分の時間
よりも長くなるような温度領域でも、画素をON表示で
きるようにする必要がある。このため、低温用駆動波形
にオフセット電圧を印加して、低温時の表示品位向上と
フリッカの低減を兼ね備えた液晶表示素子の実現を図
る。まず、以下に、低温用駆動波形を説明する。
【0071】図30は温度と応答時間の関係を示す図で
ある。本図に示すように、20°以下では、強誘電状態
間の応答よりも反強誘電状態から強誘電状態への応答の
方がより高速である。この反強誘電状態から強電状態へ
の応答過程を、以下のように、適用する。図31は、図
25のタイミングチャートの変形例である。走査信号は
それぞれの行に対応し、後述する予備選択期間、選択期
間、保持期間、消去期間のいずれかの期間に対応した電
圧レベルからなる。予備選択期間及び選択期間の第1パ
ルス部分は、選択期間の第2パルス部分において反強誘
電性液晶が第1安定状態(表示消去の状態)から第2又
は第3安定状態に移るようにして、前記応答時間を短縮
する。第2安定状態、第3安定状態はいずれも液晶を透
光状態(表示ON)にするものであるが、それぞれの状
態においては液晶にかかる電界の印加方向が逆になって
いる。
【0072】選択期間第2パルスは、列電極に印加され
る駆動信号との組み合わせで画素の表示状態を決定する
ものである。保持期間は、選択期間に決定された表示状
態を維持するためのものである。消去時間は、表示状態
を第1安定状態に戻すためのものである。図31(a)
に示すように、予備選択期間は、波高値がV3 、パルス
幅が2t(t=31.8μsec)で選択期間と極性が
逆の1パルスで構成されている。選択期間第1パルス
は、波高値がV3 でパルス幅がtの1パルスで構成され
ている。選択期間第2パルスは、波高値がV4 でパルス
幅がtの1パルスで構成されている。保持期間は、波高
値V2 で極性が選択期間後半と同じであり、パルス幅2
・t・(n−2−R)の単極性1パルスで構成されてい
る。消去期間は、波高値がV1 でパルスは場が2・t・
Rの単極性1パルスで構成されている。なお、Rは消去
期間を2tで割った値として求められる。
【0073】図32はON状態にある画素に印加される
駆動電圧波形とその駆動電圧波形の印加時の画素の光透
過率を示す図であり、図32はOFF状態にある画素に
印加される駆動電圧波形とその駆動電圧波形の印加時の
画素の光透過率を示す図である。画素が明(ON)の場
合、画素には図31に示すような波形形状の駆動電圧が
印加される。予備選択期間及び選択期間第1パルスで第
1安定状態に準じた状態となり、選択期間第2パルスで
第3安定状態となる。保持期間では第3安定状態に準じ
た状態を維持し、消去期間では、第3安定状態に準じた
状態から第1安定状態となる。負のフィールドに続く正
フィールド期間においては、予備選択期間及び選択期間
第1パルスで第1安定状態に順じた状態となり、選択期
間第2パルスで第2安定状態となる(フィールド毎に極
性反転した電圧が印加されるため)。保持期間では第2
安定状態に順じた状態を維持し、消去期間では第2安定
状態に順じた状態から第1安定状態となる。以上の正負
フィールドで1画面が構成されている。
【0074】画素が暗(OFF)の場合、画素には図3
3に示すような波形形状の駆動電圧が印加される。予備
選択期間及び選択期間第1パルスで第1安定状態に準じ
た状態となり、選択期間第2パルスでも第1安定状態に
準じた状態となる。保持期間では第1安定状態に準じた
状態を維持し、消去期間では第1安定状態に順じた状態
から第1安定状態あるいは第1安定状態に準じた状態と
なる。
【0075】以上のような駆動方法を用いた場合、予備
選択期間及び選択期間第1パルスで第1安定状態に準じ
た状態から第2安定状態へ移行し始める直前の状態とな
るように、V3 を設定することにより、予備選択期間が
無く選択期間第1パルスの電圧が−V4 である従来駆動
法に比較して画素のONとOFFの比すなわち最大にす
るために印加する駆動信号の波高値V4 +Vbを、さら
に、小さくすることができる。上記低温用駆動波形を求
める構成の変形例を以下に説明する。
【0076】図34は図21の液晶表示装置の構成の変
形例を示す図であり、図35は図34の行駆動回路12
6の構成の具体的例を示す図であり、図36はD1〜D
4の信号とアナログスイッチ回路130bより出力され
る電圧関係を示す図である。本実施例では、走査電圧レ
ベルを9レベル(V4 、V3 、V3'、V2 、V1 、−V
2 、V3'、−V3 、−V4 )で構成している。それに対
応して、駆動回路126は4組のシフトレジスタ129
a、129b、129c、129d、データラッチ12
9e、行電極の数に応じた単数のデコーダ130a、各
デコーダ130aに対して9個のアナログスイッチを備
えた多数のスイッチ回路130bからなる。各シフトレ
ジスタ129a、129b、129c、129dはコン
トロール回路24で作りだされた第3クロック信号CL
3に同期して、走査信号D1、D2、D3、D4を取り
込む。データラッチ129eはコントロール回路24で
作りだされた第2クロック信号CL2に同期してシフト
レジスタ129にすべての行電極Y1 〜Yn の走査信号
D1、D2、D3、D4が取り込まれる毎にそのデータ
をラッチする。そして、シフトレジスタ129に蓄積さ
れた走査信号データは、各デコーダ129eでデコード
され、データに応じた走査電圧レベルのアナログスイッ
チをONし、各行電極へ消去、予備選択、選択、保持の
走査信号として出力される。
【0077】予備選択期間の電圧の振幅をV3'とする
が、V3'の振幅がV3 の振幅よりも小さくてもよく、逆
に大きくてもよい。次に低温用駆動波形にオフセット電
圧を印加する場合について説明する。図37〜図46は
図21、28、29、34の液晶表示装置における走査
ドライバ側の低温用駆動波形にオフセット電圧を印加し
た例を示す。
【0078】図37に示すものは、図31の低温用駆動
波形に対して、オフセット電圧を印加したものである。
図38に示すものは、図37に示すものに対して、予備
選択期間を取り除いたものである。図39に示すもの
は、選択期間第1パルスを図38に示すものと逆極性と
したものである。
【0079】図40に示すものは、図31に示すものに
対して、予備選択期間を双極性の2パルスで構成し、予
備選択期間第2パルスの極性を選択期間第2パルスの極
性と同じにしたものである。図41に示すものは、予備
選択期間を双極性の2パルスで構成したものであって、
予備選択期間の極性を図40に示すものと逆極性とした
ものである。
【0080】図42に示すものは、予備選択期間を図3
1に示すものに対して逆極性としたものである。図43
に示すものは、予備選択期間及び選択期間第1パルスの
極性を図42に示すものと逆極性としたものである。図
44に示すものは、図43に示すものに対して、予備選
択期間を双極性の2パルスで構成したものであって、予
備選択期間第2パルスの極性を選択期間第2パルスの極
性と同じにしたものである。
【0081】図45に示すものは、予備選択期間を双極
性の2パルスで構成したものであって、予備選択期間の
極性を図44に示すものと逆極性としたものである。図
46に示すものは、図42に示すものに対して、選択期
間第1パルスの極性を逆極性としたものである。次に、
データ信号のON信号とOFF信号についても種々の波
形のものを用いることができる。この波形例を図47〜
52に示す。これらの図においては、正負フィールドの
おける波形を逆極性にしている。
【0082】図47に示すものは、前半の期間は0レベ
ルで後半の期間にパルス信号を形成するようにしたもの
である。図48に示すものは、図47に示すものに対し
て、OFF信号を0レベルにするようにしたものであ
る。図49に示すものは2tの期間に対しパルス信号を
形成するようにしたものである。
【0083】図50に示すものは、図49に示すものに
対し、OFF信号を0レベルにするようにしたものであ
る。図51に示すものは、双極性パルスのON信号に対
して、OFF信号を0レベルにするようにしたものであ
る。図52に示すものは、双極性パルスのON信号に対
して、ON信号を反転した信号をOFF信号としたもの
である。
【0084】
【発明の効果】本発明に係る該マトリックス型液晶表示
装置にあっては、上記した技術構成を採用していること
から、駆動ICの集積度を向上させて高コントラストを
確保し、反強誘電性状態液晶のスメクチック層の構造変
化に伴う残像を防止し、しかも表示画素を駆動する必要
な電圧レベルの数を低減して駆動回路を簡素化すると共
に、オフセット電圧の重畳したので、フリッカを低減で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る液晶表示装置全体の構成
を示す概略構成図である。
【図2】本発明に用いられる液晶セル10の構成例を示
す断面図である。
【図3】本発明に使用される反強誘電性液晶の相対光透
過率と印加電圧との関係を示す図である。
【図4】制御装置4に使用される液晶パネルの駆動信号
波形の例を示す図である。
【図5】本発明に係るマトリックス型液晶表示装置の行
電極駆動回路23の一具体例を示す図である。
【図6】図5に示される行電極駆動回路23における各
信号タイムチャートである。
【図7】本発明に係るマトリックス型液晶表示装置の列
電極駆動回路の一具体例を示すブロックダイアグラムで
ある。
【図8】図7に示される列電極駆動回路における各信号
のタイミングチャートである。
【図9】本発明におけるマトリックス型液晶装置に使用
されている行電極と列電極の部分拡大図である。
【図10】本発明におけるマトリックス型液晶表示装置
の液晶セルの両電極間に実際に印加される電圧信号波形
を説明する図である。
【図11】ブックシェルフ構造の変化を説明する図であ
る。
【図12】反強誘電性液晶のフリッカと相対透過率との
関係を説明する図である。
【図13】理想的な液晶のヒステリシスを示す図であ
る。
【図14】フリッカ発生原因となる液晶の非対象なヒス
テリシス特性を示す図である。
【図15】図1の制御装置4に使用される液晶パネルの
駆動信号波形であって、行駆動回路23の駆動波形にオ
フセット電圧Vc(直流)を重畳した場合における例を
示す図である。
【図16】駆動回路33へ走査信号を与える電圧レベル
設定回路51の変形を示す図である。
【図17】駆動回路43へ走査信号を与える電圧レベル
設定回路52の変形を示す図である。
【図18】オフセット電圧を重畳してON表示画素に加
えられた駆動波形を示す図である。
【図19】1フレーム内の透過率の経時変化を模式的に
表した例を説明する図である。
【図20】図1の制御装置4に使用される液晶パネルの
駆動信号波形であって、列駆動回路24の駆動波形にオ
フセット電圧Vc(直流)を重畳した場合における例を
示す図である。
【図21】本発明の別の実施例に係る液晶表示装置全体
の構成を示す概略構成図である。
【図22】列駆動回路125の構成の具体例を示す図で
ある。
【図23】列駆動回路125における各信号のタイミン
グチャートである。
【図24】行駆動回路126の構成の具体的例を示す図
である。
【図25】行駆動回路126における各信号のタイミン
グチャートである。
【図26】走査信号にオフセットを加えた波形を示す図
である。
【図27】D1〜D3の信号とアナログスイッチ回路1
30bより出力される電圧関係を示す図である。
【図28】図21の液晶表示装置全体の構成の第1の変
形例を示す図である。
【図29】図21の液晶表示装置全体の構成の第2の変
形例を示す図である。
【図30】温度と応答時間の関係を示す図である。
【図31】図25のタイミングチャートの変形例であ
る。
【図32】ON状態にある画素に印加される駆動電圧波
形とその駆動電圧波形の印加時の画素の光透過率を示す
図である。
【図33】OFF状態にある画素に印加される駆動電圧
波形とその駆動電圧波形の印加時の画素の光透過率を示
す図である。
【図34】図21の液晶表示装置の構成の変形例を示す
図である。
【図35】図34の行駆動回路126の構成の具体的例
を示す図である。
【図36】D1〜D4の信号とアナログスイッチ回路1
30bより出力される電圧関係を示す図である。
【図37】図21、28、29、34の液晶表示装置に
おける走査ドライバ側の低温用駆動波形にオフセット電
圧を印加した例を示す図である。
【図38】低温用駆動波形にオフセット電圧を印加した
変形例を示す図である。
【図39】低温用駆動波形にオフセット電圧を印加した
変形例を示す図である。
【図40】低温用駆動波形にオフセット電圧を印加した
変形例を示す図である。
【図41】低温用駆動波形にオフセット電圧を印加した
変形例を示す図である。
【図42】低温用駆動波形にオフセット電圧を印加した
変形例を示す図である。
【図43】低温用駆動波形にオフセット電圧を印加した
変形例を示す図である。
【図44】低温用駆動波形にオフセット電圧を印加した
変形例を示す図である。
【図45】低温用駆動波形にオフセット電圧を印加した
変形例を示す図である。
【図46】低温用駆動波形にオフセット電圧を印加した
変形例を示す図である。
【図47】データ信号のON信号とOFF信号の例を示
す図である。
【図48】データ信号のON信号とOFF信号の変形例
を示す図である。
【図49】データ信号のON信号とOFF信号の変形例
を示す図である。
【図50】データ信号のON信号とOFF信号の変形例
を示す図である。
【図51】データ信号のON信号とOFF信号の変形例
を示す図である。
【図52】データ信号のON信号とOFF信号の変形例
を示す図である。
【符号の説明】
1…液晶パネル 4…制御装置 10…液晶セル 11、12…電極基板 13…反強誘電性液晶 14、15…偏光板 16、17…高分子膜 21…フレームメモリ 22、124…コントロール回路 23、126…行電極駆動回路 24、125…列電極駆動回路 51、52、131…電圧レベル設定回路 122…レベル補正回路 123…信号変換回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小勝負 信明 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−119746(JP,A) 実開 昭58−115721(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/141 G02F 1/133 560

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n条の行電極とm条の列電極とが互いに
    格子状に対向されるように並設した両電極基板間に液晶
    を封入してmn個の表示画素を形成する液晶セルと、前
    記n条の行電極に走査信号を付与する行駆動回路と、前
    記m条の列電極にデータ信号を付与する列駆動回路とを
    備えて、前記mn個の表示画素によりマトリックス表示
    を行うようにしたマトリックス型液晶表示装置におい
    て、 前記液晶は、印加電圧の正極性側において前記印加電圧
    が第1の閾値電圧を超えた時にOFF状態から一方のO
    N状態に変化開始し、前記印加電圧が前記第1の閾値電
    圧より小さい第2の閾値電圧を下回った時に前記一方の
    ON状態から前記OFF状態に変化開始し、前記印加電
    圧の負極性側において前記印加電圧の絶対値が第3の閾
    値電圧の絶対値を超えたときに前記OFF状態から他方
    のON状態に変化開始し、前記印加電圧の絶対値が前記
    第3の閾値電圧の絶対値より小さい第4の閾値電圧の絶
    対値を下回った時に前記他方のON状態から前記OFF
    状態に変化開始して、前記OFF状態と前記第1のON
    状態の間の変化状態において第1のヒステリシス特性を
    有し、前記OFF状態と前記第2のON状態の間の状態
    変化において前記第1のヒステリシス特性とは異なる第
    2のヒステリシス特性を有するものであって、 前記行駆動回路は、第1の期間において前記列駆動回路
    の出力する前記データ信号との合成により、前記液晶の
    前記第1のヒステリシス特性を利用して前記表示画素に
    マトリクス表示を行う走査信号を出力し、第2の期間に
    おいて前記液晶の前記第2のヒステリシス特性を利用し
    て前記表示画素にマトリクス表示を行う走査信号を出力
    するものであり、 更に、前記第1のヒステリシス特性を利用してマトリク
    ス表示される際の表示画素の透過率と、前記第2のヒス
    テリシス特性を利用してマトリクス表示される際の表示
    画素の透過率との差に依存したオフセット電圧を、前記
    第1の期間もしくは前記第2の期間の少なくとも一方に
    おいて、前記走査信号もしくは前記データ信号の少なく
    とも一方に重畳させる補正手段を備える ことを特徴とす
    るマトリックス型液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 前記オフセット電圧は、前記第1のヒス
    テリシス特性と前記 第2のヒステリシス特性との非対称
    分の電圧を含むことを特徴とする請求項1に記載のマト
    リックス型液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記オフセット電圧は、前記第1のヒス
    テリシス特性と前記第2のヒステリシス特性との経時変
    化に伴う非対称分の電圧を含むことを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載のマトリックス型液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 n条の行電極とm条の列電極とが互いに
    格子状に対向されるように並設した両電極基板間に液晶
    を封入してmn個の表示画素を形成する液晶セルと、前
    記n条の行電極に走査信号を付与する行駆動回路と、前
    記m条の列電極にデータ信号を付与する列駆動回路とを
    備えて、前記mn個の表示画素によりマトリックス表示
    を行うようにしたマトリックス型液晶表示装置におい
    て、 前記液晶は、印加電圧の正極性側において前記印加電圧
    が第1の閾値電圧を超えた時にOFF状態から一方のO
    N状態に変化開始し、前記印加電圧の負極性側において
    前記印加電圧の絶対値が第3の閾値電圧の絶対値を超え
    たときに前記OFF状態から他方のON状態に変化開始
    し、前記OFF状態と前記第1のON状態の間の関係で
    ある第1特性が、前記OFF状態と前記第2のON状態
    の間の関係である第2特性と異なるものであって、 前記行駆動回路は、第1の期間において前記列駆動回路
    の出力する前記データ信号との合成により、前記液晶の
    前記第1特性を利用して前記表示画素にマトリクス表示
    を行う走査信号を出力し、第2の期間において前記液晶
    の前記第2特性を利用して前記表示画素にマトリクス表
    示を行う走査信号を出力するものであり、 更に、前記第1特性を利用してマトリクス表示される際
    の表示画素の透過率と、前記第2特性を利用してマトリ
    クス表示される際の表示画素の透過率との差に依存した
    オフセット電圧を、前記第1の期間もしくは前記第2の
    期間の少なくとも一方において、前記走査信号もしくは
    前記データ信号の少なくとも一方に重畳させる補正手段
    を備えることを特徴とする マトリックス型液晶表示装
    置。
  5. 【請求項5】 前記オフセット電圧は、前記第1特性と
    前記第2特性との非対称分の電圧を含むことを特徴とす
    る請求項4に記載のマトリックス型液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記オフセット電圧は、前記第1特性と
    前記第2特性との経時変化に伴う非対称分の電圧を含む
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のマトリ
    ックス型液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の期間と前記第2の期間は各々
    交互に現出されるものである請求項1乃至請求項6の何
    れかに記載のマトリックス型液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の期間及び前記第2の期間の合
    計長さは一行電極を操作する時間内である請求項1乃至
    請求項7の何れかに記載のマトリックス型液晶表示装
    置。
  9. 【請求項9】 前記第1の期間の長さ及び前記第2の期
    間の長さは各々前記n 条の行電極を操作するのに充分な
    時間である請求項1乃至請求項7の何れかに記載のマト
    リックス型液晶表示装置。
  10. 【請求項10】 前記オフセット電圧を一定の範囲に限
    定することを特徴とする手段を有する請求項1乃至請求
    項9の何れかに記載のマトリックス型液晶表示装置。
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