JP2980092B2 - 簡易式射出成形装置の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液状シリコンゴ
ム、その他各種材料の射出成形に用いられる射出成形装
置、特に、簡易式射出成形装置の製造方法に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】卓上計算機のキーボード、Ｏリング、補
乳瓶の乳首、水中マイクのフィット部、ゴムロール等の
シリコンゴム成形品の成形は、プレス成形法によるもの
が主流になっており、このプレス成形法に於いては、粘
土の高いミラブルタイプシリコンゴムに硬化剤および硬
化促進剤等を二本ローラ装置等により混練り板状の材料
とし、この後に混練材料を大体の大きさに部出しし、こ
れを加熱プレス機に取付けられている成形用金型上にセ
ットして型締め、プレス（圧縮）を行い、所定時間に亘
って加熱加硫した後に型開きを行って成形製品を手にて
成形金型よりはぎ取るか、エアー吹きを行って成形製品
を成形金型より取出すことが行われる。

【０００３】また上述の如きシリコンゴム成形品の成形
は、プレス成形法以外に、専用の射出成形機を用いて行
われることもある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】加熱プレス機を用いた
上述の如きプレス成形法による成形に於いては、材料の
ロール掛け、部出し、セッテイング、及び成形製品の取
出し等、各作業がほとんど手作業でなければできず、ま
た各作業にかなりの熟練度を要し、なおかつ生産性が悪
いと云う問題点がある。

【０００５】これに対し、射出成形により成形作業をあ
る程度自動化することが現在、かなり注目されている
が、しかし専用の射出成形機を設備するにはかなり多額
の設備投資が必要であり、これを経済性よく簡易に具現
することは難しい。

【０００６】またゴム成形は、一般的な樹脂の射出成形
と異なって、形状が不安定で、バリが発生し易い等の特
異性からしてゴム成形の完全自動化は難しく、ゴム成形
は専用の射出成形機が用いられても人付き成形になるた
め、高価な専用の射出成形機の導入の割にはコストダウ
ンが図れないと云うことが知られており、このためゴム
成形に於いては自動化のための専用の射出成形機の導入
が敬遠されがちである。それ故に、当該業界では、簡易
な、即ち、高価とならない射出成形装置の実現が望まれ
ている。

【０００７】本発明は、従来のゴム成形に於ける上述の
如き問題点に着目してなされたものであり、高価な専用
の射出成形機を必要とすることなくゴム成形、さらには
その他の各種材料の射出成形を簡便に行う簡易式の射出
成形装置がえられる製造方法を提供することを目的とし
ている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上述の如き目的は、本発
明の請求項１によれば、プレス成形用プレス装置に装備
される固定側金型７、可動側金型２１のパーテイング面
部に形成されたゲート通路４３の開口部に、射出ノズル
３３が嵌合するように射出成形装置２７を前記プレス装
置に新たに設けて、プレス成形用プレス装置を簡易式射
出成形装置に転用することを特徴とする構成によって達
成される。

【０００９】上述の請求項１の如き構成によれば、簡易
式射出成形装置は型締め装置を有するプレス装置に射出
成形装置を取付けて造られることにより、プレス装置が
レトロフィット式に射出成形機となり、専用の射出成形
機械を使用しないで済み、ゴム成形品などに好適な射出
成形装置を簡易安価に得られる。なお、簡易式射出成形
装置として造られるプレス装置は、既存の加熱プレス装
置の型締め装置部等であってよく、プレス装置には射出
成形装置の取付けのための取付け部のみを追加されれば
よい。

【００１０】又、金型も元のものにゲート通路を形成す
るだけでよいので、射出成形装置を一層簡易に得られ
る。

【００１１】

【実施例】以下に本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。

【００１２】図１は本発明により製造された簡易式射出
成形装置およびその主体を成すプレス装置の一実施例を
示している。図１に於いて、プレス装置は符号１にて全
体を示されており、プレス装置１はプレス成形用のプレ
ス機（例えばシリコンゴム圧縮成形用のもの）を用い、
その基台３上に固定側取付け板５を固定されている。固
定側取付け板５には射出成形用としての固定側金型７
（後述）が固定されていると共に複数本のタイバー９が
立設されている。

【００１３】タイバー９の上端に可動側取付け板１１が
固定側取付け板５と平行に取付けられている。可動側取
付け板１１上には型締め用の流体圧シリンダ装置１３の
シリンダ部材１５が取付具１７により固定されている。
流体圧シリンダ装置１３は下向きに取付けられており、
そのピストンロッド１９は可動側取付け板１１を上下に
貫通して延在し、先端部にて射出成形用の可動側金型２
１（後述）と連結されてこれを吊下げ式に支持してい
る。

【００１４】可動側金型２１は、流体圧シリンダ装置１
３により上下動され、これにより所謂型締めと型開きが
行われる。

【００１５】基台３の側部には簡易式射出成形装置と成
すために射出成形装置（所謂ユニット式のもの）２７取
付け用のブラケット２３が取付けられている。ブラケッ
ト２３にはボルト２５により射出成形装置２７の基板２
９が締結装着されている。

【００１６】射出成形装置２７は、スクリューインライ
ン式の射出装置と同等の構造を有するものであり、回転
且つ前後進可能なスクリューを内蔵した射出シリンダ装
置３１と、射出用シリンダ装置３１の先端部に取付けら
れた半球状の射出ノズル３３と、射出材料加圧押し出し
供給部３５及びこれらを支持して前後進可能な前後進台
３７と、前後進台３７と連結されてこれを前後進駆動す
るロッドレス空気圧シリンダ装置３９とを有し、ロッド
レス空気圧シリンダ装置３９がボルト４１により基板２
９に固定されている。

【００１７】この場合、プレス装置１に装備される固定
側金型７、可動側金型２１は、例えば、シリコンゴム成
形品などの射出成形用金型であり、固定側金型７と可動
側金型２１とのパーティング面部にゲート通路４３が形
成されている。ゲート通路４３は、一方にてキャビティ
４５に連通し、他方にて金型側壁部に開口しており、こ
の開口部は射出ノズル３１を嵌合状態にて受け入れるべ
く半球状凹部４７となっている。

【００１８】また、固定側金型７、可動側金型２１に
は、図示の実施例に於いては、シリコンゴムの射出成形
のために型温度調整配管４９、５１が設けられている。

【００１９】射出成形装置２７は、射出ノズル３３が固
定側金型７と可動側金型２１とのパーティング面部の半
球状凹部４７に嵌合するよう、ブラケット２３上にて取
付位置を設定されており、ロッドレス空気圧シリンダ装
置３９による前後進台３７の前進移動により射出ノズル
３３が図示されている如き型締め状態にある固定側金型
７と可動側金型２１の半球状凹部４７に嵌合するように
なる。

【００２０】この嵌合状態にて射出ノズル３３よりシリ
コンゴムの如き射出材料がゲート通路４３に射出され、
これがキャビティ４５に充填される。所定量の射出材料
が射出され、所定の保圧時間が経過すると、ロッドレス
空気圧シリンダ装置３９により前後進台３７が後退さ
れ、これにより射出ノズル３３が半球状凹部４７との係
合より離脱し、そして所定の硬化時間が経過すると、流
体圧シリンダ装置１３により可動側金型２１が持ち上げ
られ、型開きが行われる。これにより一回の成形が完了
する。

【００２１】

【００２２】

【００２３】以上に於ては、本発明を特定の実施例につ
いて詳細に説明したが、本発明は、これに限定されるも
のではなく、本発明の範囲内にて種々の実施例が可能で
あることは当業者にとって明らかであろう。

【００２４】

【発明の効果】以上の説明から理解される如く、本発明
による簡易式射出成形装置の製造方法によれば、簡易式
射出成形装置は型締め装置を有するプレス装置に射出成
形装置をユニットとして取付けることにより得られ、そ
のプレス装置がレトロフィット式に射出成形機となり、
これにより高価な専用の射出成形機を必要とすることな
く、特に既存のプレス装置の簡単な改造によりゴム成
形、さらにはその他の各種材料の射出成形が大きい設備
投資を行うことなく簡便に、且つ作業性よく行われるよ
うになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による簡易式射出成形装置およびその主
体を成すプレス装置の一実施例を示す正面図である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プレス成形用プレス装置に装備される固
   定側金型７、可動側金型２１のパーテイング面部に形成
   されたゲート通路４３の開口部に、射出ノズル３３が嵌
   合するように射出成形装置２７を前記プレス装置に新た
   に設けて、プレス成形用プレス装置を簡易式射出成形装
   置に転用することを特徴とする簡易式射出成形装置の製
   造方法。