JP2979529B2 - セラミック部材と金属部材の接合体 - Google Patents
セラミック部材と金属部材の接合体Info
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Description
材とをろう接したセラミック部材と金属部材の接合体に
関するものである。
重かつ高温雰囲気下で使用される機構部品として、耐熱
性、耐食性及び耐摩耗性に優れた軽量なセラミック部材
と、高強度で加工性に優れた金属部材とを組み合わせた
複合構造体が注目され、種々のセラミック部材と金属部
材の接合体が提案されている。
としては、研磨加工したセラミック部材の接合部にメタ
ライズ処理を施し、該接合部に切削加工した金属部材を
密着もしくは嵌挿してろう接するか、あるいは金属部材
をセラミック部材に焼き嵌めた接合体が広く用いられて
いた。
軸継手とする場合には、研磨加工したセラミック部材の
凸部にメタライズ処理を施し、該凸部を切削加工した金
属部材の凹部に嵌挿してろう接するか、あるいはセラミ
ック部材の凸部を金属部材の凹部に焼き嵌めした接合体
が一般的に用いられていた。
ラミック部材と金属部材との熱膨張差に起因する接合強
度の低下や、セラミック部材あるいは金属部材に破損を
生じる等の問題があった。そこで、上記問題を解消せん
として、セラミック部材と金属部材との間に熱応力緩和
体を中間層として介在させることが提案されている(特
公平2−43704号公報、特開平2−196075号
公報参照)。
合体においては、セラミック部材と金属部材の熱応力緩
和体として使用している中間層の介在により熱膨張差に
よる両部材の応力差はかなり軽減されるものの、前記凹
部を形成している金属部材の周方向には、接合工程にお
ける加熱後の冷却過程に引っ張り応力が発生し、また該
引っ張り応力は使用時の温度変化により変化する。
材の周方向に加わった状態で前記接合体を、例えば内燃
機関の過給機のセラミックターボローターと回転軸との
接合体に適用して、高温の排気ガスからの熱伝導で接合
部の温度が400℃前後となる高温酸化雰囲気中で長時
間にわたって使用した場合には、接合部の金属部材表面
の粒界酸化から外周面にクラックが発生し、ついには接
合体を構成する金属部材が破損してしまうという課題が
あった。
と金属部材の接合体は、20℃〜400℃までの平均熱
膨張係数が5×10-6/℃以下のセラミック部材を、少
なくともNi、Co、Nb及びSiを含有し、500℃
の大気中で50kg/mm2 の負荷応力を加えた時のス
トレスラプチャー寿命が80時間以上である析出強化型
合金から成る金属部材の凹部内に、10〜100μmの
クリアランスを設けて挿嵌し、上記クリアランス中に銀
ろうを充填してロウ付け接合したことを特徴とし、さら
に本発明は、前記金属部材側に他の金属部材を接合した
ことを特徴とする。
明に係るセラミック部材と金属部材の接合体を、軸継手
に適用した例の要部を示す一部破断図である。
の平均熱膨張係数が5×10- 6 /℃以下のセラミック
部材であり、セラミック部材1を少なくともNi、C
o、Nb及びSiを含有し、500℃の大気中で50K
g/mm2 の負荷応力を加えた時のストレスラプチャ−
寿命が80時間以上である析出強化型合金から成る金属
部材2の一端に形成した凹部3に嵌挿し、ろう接したも
のである。
℃までの平均熱膨張係数が5×10- 6 /℃を越え、ま
た少なくとも500℃での曲げ強度が200MPa以上
でなければ、高荷重かつ高温酸化雰囲気中で長時間使用
される各種産業機械装置における機構部品のセラミック
部材としては高温強度及び耐酸化性が劣り実用に適さな
い。即ち、セラミック部材としては窒化珪素(Si3 N
4 )、炭化珪素(SiC)等が好適に用いられる。
有するNi及びCo元素は、いずれも前記析出強化型合
金の熱膨張率を低下もしくは抑制するように作用し、N
b元素はNi元素と接合後の加熱処理により化合物を析
出して高強度化を図るものである。また、Siは一定の
雰囲気中、一定温度条件下で試験片に負荷応力として一
定の引張荷重を加えた場合、試験片が破断するまでの時
間で金属部材を評価するストレスラプチャー試験の長寿
命化に寄与するものである。
下でのストレスラプチャ−寿命が80時間未満では、セ
ラミック部材と金属部材の接合体として長期間にわたる
安定した接合状態を維持できず、各種産業機械装置にお
ける機構部品の金属部材として不適当である。
属部材の接合体を評価するにあたり、窒化珪素(Si3
N4 )を主成分とし、焼結助剤としてイットリア(Y2
O3 )及び酸化タングステン(WO3 )等を含有する窒
化珪素質焼結体を研削加工し、直径13mm、長さ30
mmの図1に示すような円柱状のセラミック部材1を得
た。
粒度を種々に設定し、ASTM−E292規格に準じて
測定した表1に示すようなストレスラプチャー寿命を有
する析出強化型合金を、セラミック部材の一端が嵌挿さ
れる凹部の内径が、前記セラミック部材とのクリアラン
スを10〜100μmの範囲内となるように切削加工
し、外径18mm、長さ30mmの金属部材2を製作し
た。
材2の凹部3に嵌挿した後、BAg−8規格の銀ろうを
使用してろう接し、評価用のセラミック部材と金属部材
の接合体を得た。
と金属部材の接合体、各50個を、前記使用時の温度条
件より更に厳しい、大気中、500℃の加熱炉中に10
00時間放置し、金属部材の割れ発生個数を目視検査と
蛍光浸透探傷法により調査して接合体を評価した。以上
の結果を表1に示す。
−寿命が長いものほどセラミック部材との接合体とした
ときの金属部材の割れ発生の確率は低くなり、500℃
の大気中で50Kg/mm2 の負荷応力を加えた時のス
トレスラプチャ−寿命が80時間以上の寿命を有する金
属部材を使用したセラミック部材との接合体では、金属
部材は全く割れが発生せず、長期間にわたり極めて安定
した接合状態が維持できることが分かる。
図2に示す様なセラミック部材1であるラジアル型セラ
ミックローターの凸部4を、クロムモリブデン鋼より成
る回転軸5に、例えば電子ビーム溶接等により図2に示
す6の接合位置で接合した、少なくともNi38.2重
量%、Co13重量%、Nb4.98重量%及びSi
0.4重量%を含有した析出強化型合金からなる表1、
試料番号6の金属部材2の凹部3に嵌挿した後、BAg
−8規格の銀ろうを用いてろう接し、セラミックロータ
ー接合体を製作した。
体を、ガス温度が950℃で毎分20万回転の高温回転
試験を300時間行ったが、金属部材2には割れは認め
られなかった。
2として使用したセラミックローター接合体を、上記同
一条件で高温回転試験を行ったところ、セラミックロー
ター接合体は161時間で金属部材2の割れに起因する
破断を起こした。また、同じく試料番号4を金属部材2
として使用したセラミックローター接合体は300時間
まで破断しなかったが、金属部材2の外周面に微細な割
れが認められた。
と金属部材の接合体は、20℃〜400℃までの平均熱
膨張係数が5×10-6/℃以下のセラミック部材を、少
なくともNi、Co、Nb及びSiを含有し、500℃
の大気中で50kg/mm2 の負荷応力を加えた時のス
トレスラプチャー寿命が80時間以上である析出強化型
合金から成る金属部材の凹部内に、10〜100μmの
クリアランスを設けて挿嵌し、上記クリアランス中に銀
ろうを充填してロウ付け接合したことから、高い接合強
度を保持して接合体を構成するセラミック部材の破損は
勿論、金属部材の割れを発生することもなく、かつ耐酸
化性及び耐久性に優れた、とりわけ高温酸化雰囲気中で
の長時間の連続使用が可能であるセラミック部材と金属
部材の接合体を提供することがきる。
体を、軸継手に適用した例の要部を示す一部破断図であ
る。
体を、ラジアル型セラミックローターに金属部材を接合
し、該金属部材に他の金属部材である回転軸を接合した
例の要部を示す一部破断図である。
Claims (2)
- 【請求項1】20℃〜400℃までの平均熱膨張係数が
5×10-6/℃以下のセラミック部材を、少なくともN
i、Co、Nb及びSiを含有し、500℃の大気中で
50kg/mm2 の負荷応力を加えた時のストレスラプ
チャー寿命が80時間以上である析出強化型合金から成
る金属部材の凹部内に、10〜100μmのクリアラン
スを設けて挿嵌し、上記クリアランス中に銀ろうを充填
してロウ付け接合したことを特徴とするセラミック部材
と金属部材の接合体。 - 【請求項2】20℃〜400℃までの平均熱膨張係数が
5×10-6/℃以下のセラミック部材を、少なくともN
i、Co、Nb及びSiを含有し、500℃の大気中で
50kg/mm2 の負荷応力を加えた時のストレスラプ
チャー寿命が80時間以上である析出強化型合金から成
る金属部材の凹部内に、10〜100μmのクリアラン
スを設けて挿嵌し、上記クリアランス中に銀ろうを充填
してロウ付け接合し、更に上記金属部材側には他の金属
部材を接合したことを特徴とするセラミック部材と金属
部材の接合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3092968A JP2979529B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | セラミック部材と金属部材の接合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3092968A JP2979529B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | セラミック部材と金属部材の接合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04305074A JPH04305074A (ja) | 1992-10-28 |
JP2979529B2 true JP2979529B2 (ja) | 1999-11-15 |
Family
ID=14069218
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3092968A Expired - Lifetime JP2979529B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | セラミック部材と金属部材の接合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2979529B2 (ja) |
-
1991
- 1991-03-29 JP JP3092968A patent/JP2979529B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04305074A (ja) | 1992-10-28 |
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