JP2977862B2 - プラズマ発生装置 - Google Patents

プラズマ発生装置

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JP2977862B2 JP2136295A JP13629590A JP2977862B2 JP 2977862 B2 JP2977862 B2 JP 2977862B2 JP 2136295 A JP2136295 A JP 2136295A JP 13629590 A JP13629590 A JP 13629590A JP 2977862 B2 JP2977862 B2 JP 2977862B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は真空槽内でプラズマを発生する装置にかか
り、特にイオンプレーティング、プラズマCVD(化学的
気相成長法)における被膜形成のための材料プラズマを
発生する装置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、例えば第2図に示すようなイオンプレーティン
グ装置が知られている。1は真空槽で、排出管2を経由
して排気ポンプに結合され、かつ接地されている。槽内
の下部には、蒸発材料3を収容したるつぼ4及びガス供
給ノズル5が配置され、るつぼ4は槽外の加熱電源6か
ら加熱電流の供給を受けるヒーター7によって加熱され
る。槽内の上部には、下面に被処理物8を支持したホル
ダー9が設けられ、ホルダー9には必要に応じてこれを
加熱するためのヒーター10が付設されており、ヒーター
10は槽外の加熱電源11から加熱電流の供給を受けてい
る。12は被処理物8の前面(図における下面)を必要に
応じて覆うシャッターである。
るつぼ4またはノズル5から被処理物8へ向う蒸気ま
たはガスの径路に沿い、るつぼ4及びノズル5に接近し
て陽極13が配置され、これからやや離れて熱電子放射陰
極14が配置されている。陽極13は槽外において0〜+10
0Vのバイアス電源15に接続され、陰極14は槽外において
加熱電源16及び0〜−100Vのバイアス電源17に接続され
ている。なお、ホルダー9も槽外において負の被処理物
バイアス電源18に接続されている。
上述の装置において、熱電子放射陰極14に通電してこ
れを加熱すると、陽極13に向って0.5〜1mA程度の熱電子
流が流れる。ここで、ノズル3から材料ガスを供給する
か、或いはるつぼ4内の材料を加熱して蒸発させると、
これらガスまたは蒸気の構成粒子は高エネルギーの熱電
子が衝突することによってイオン化され、陰極14と陽極
13との間の空間にプラズマが発生する。
この電離によって生じたプラズマ電子及び粒子と衝突
せずにエネルギーを失っていない熱電子は、数〜数100A
の放電電流となって陽極に流入する。この放電は、低電
圧大電流のアーク放電であり、グロー放電ではない。
ここで、被処理物バイアス電源18を適当な値に調節し
て、シャッター12を開くと、材料ガス等及びそのイオン
が被加工物8に到達し、その表面に沈着してイオンプレ
ーティングが行なわれる。その際、るつぼ4で発生する
材料3の蒸気のみを供給すれば、被加工物8上に同材料
の被膜が作られ、材料蒸気と共にノズル5から窒素、酸
素、アセチレン等の反応ガスを供給すれば、窒化物、酸
化物、炭化物等の被膜が作られる(PVD法)。また、材
料3の蒸気の代りにシラン、四塩化チタン等の材料ガス
と、窒素、メタン、水素等の反応ガスとを、アルゴン、
キセノン等の放電ガスと共に供給すれば、化学反応によ
って生成した物質の被膜が作られる(CVD法)。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述の従来の装置において、放電電流と、被処理物の
前面で探極法によって測定した電子密度との関係は、第
3図に示すように比例関係になった。即ち、放電電流が
多い程、プラズマ密度(電子密度及びイオン密度)が高
くなって、材料蒸気等のイオン化率が高まり、多量のイ
オンが被加工物に入射することになる。
しかし、放電電流が一定になるように熱電子放射陰極
の加熱電流を調整しながら陰極印加電圧を変え、被加工
物前面で電子密度を測定した結果は第4図のように、一
定値を示した。即ち、陰極印加電圧を上げると熱電子の
エネルギーが増大するが、プラズマ密度は熱電子エネル
ギーの大小によって左右されないことになる。
また、陽極印加電圧を変えて槽壁(接地電位)に対す
るプラズマの空間電子を測定した結果は、第5図に示す
ようにほぼ比例的に変化し、空間電位は陽極印加電圧に
ほぼ等しくなった。プラズマの空間電位が高くなると、
プラズマ電子はその電子によってプラズマ空間から脱出
することができなくなるが、プラズマ中のイオンは槽壁
に対して空間電位に相当するエネルギーで加速される。
これらの測定結果から、 A.プラズマ密度は放電電流に比例し、陽極印加電圧には
全く依存しない。
B.接地された槽壁に入射するイオンのエネルギーは、ほ
ぼ陽極中加電圧に比例する。
ことの法則が見出された。
一方、被処理物上に能率良く被膜を形成するために
は、大量のイオンが必要であり、イオン衝撃による温度
上昇を抑制する観点から、被処理物に入射するイオンの
エネルギーを極力低く抑えなければならない。ところ
が、上述の装置において大量のイオンを得ようとする場
合は、熱電子放射陰極の温度を高めるだけでなく、陽極
印加電圧を高めて陰極からより多くの熱電子を引出し
て、放電電流を増やしてやらなければならない。その結
果、イオンが高いエネルギーを持つようになり、被処理
物の温度上昇を回避できなくなる。
また、被処理物に被膜を強く密着させるためには、被
膜形成の初期にイオンにかなり高いエネルギーを与える
必要がある。ところが、多くの粒子(気体、金属原子)
の電離断面積は、電子のエネルギーが第1電離電圧(気
体は15〜25eV、金属原子は7〜10eV程度)の2〜3倍の
ところで最大値を示し、それ以上では漸減するので、上
述の装置において陽極に印加する電圧は接地に対して最
大+100V程度であり、実用的には+50V前後が使用され
ている。しかし、これによって与えられる+50〜+100V
程度の空間電位は、被膜の密着性を高める目的には極め
て低すぎ、従って密着性を高める効果は殆ど得られな
い。
上述のように、従来の装置は、プラズマの密度と空間
電子とを別々に制御するのが困難であり、そのために被
膜形成に与えるイオンの量とエネルギーとを適切に制御
することができなかった。
この発明は、プラズマの密度と空間電位とを別々に制
御できるプラズマ源を実現しようとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
この発明のプラズマ発生装置は、排気手段を具えかつ
槽壁が接地されている真空槽内に、加熱手段を具えた熱
電子放射陰極と、この陰極の放射熱電子流に対面配置さ
れている陽極と、上記陰極から陽極へ向かう熱電子流の
径路中に材料ガスまたは材料蒸気及び必要に応じこれに
加えて反応ガス及び放電ガスの一方または双方を供給す
る手段が配置されている。
なお、ここで言う材料ガスは、シラン、四塩化チタン
など、化学変化によって被膜形成物質を生ずるガスであ
り、反応ガスは、窒素、メタン、水素など、材料ガスま
たは材料蒸気と化学反応して被膜形成物質を作るガスで
あり、放電ガスは、アルゴン、キセノンなど、放電を助
けるためのガスである。
この発明の特徴は、熱電子放射陰極及び陽極を真空槽
壁から電気的に浮遊させた上で、陽極を陰極に対して正
電位に維持したこと、及び陽極の近傍に槽壁に対して0
〜正電位に維持されている空間電位制御電極を設けて、
陰極と陽極との間で生成されたプラズマからプラズマ電
子を奪うよう構成したことにある。
また、この発明においては、陰極と陽極との間の空間
に両者間の電界に平行する磁場を形成する手段を設ける
こともできる。この磁場の大きさは数10〜数100ガウス
程度でよい。
〔作用〕
上述の装置において、熱電子放射陰極を適温に加熱
し、陽極に適正な電圧を印加すると、0.5〜1.0mA程度の
熱電子流(空間電荷制限電流)が流れ、その熱電子はイ
オン化しようとするガス、蒸気などの電離電圧以下のエ
ネルギーを陽極電圧によって与えられる。
そこで、上記熱電子流中にガス、蒸気などを導入する
と、これらの粒子に上述のエネルギーを持った熱電子が
衝突して、これを電離する。電離によって生じたプラズ
マ電子及び粒子と衝突せずにエネルギーを失っていない
熱電子は数〜100A程度の放電電流となって陽極に流入す
る。この放電形式は、低電圧大電流のアーク放電であ
る。熱電子流空間中に導入されるガスの圧力、蒸気の蒸
発量などが低く、その粒子密度が低いときは、粒子が熱
電子と衝突する機会が乏しいために電離が起こりにくい
が、その空間に磁場を与えることによって、粒子と熱電
子の衝突の機会を増して、良好に電離させることができ
る。
ここで、陽極印加電圧を変えると、その電圧が導入し
た粒子の電離電圧近傍に達したとき放電電流が陽極に流
れ始め、20〜30Vまでの間は放電電流が急増し、40〜50V
以上でほぼ飽和状態になる。そして、この放電電流は、
熱電子放射陰極の温度を変化させると変わってくる。
第2図に示した従来の装置では、熱電子放射陰極の温
度を調節することによって放電電流を一定に維持しなが
ら、陽極電圧を変化させても、プラズマ密度は全く変化
しなかった。しかし、この発明では、熱電子放射陰極お
よび陽極が槽壁から電気的に浮遊しているために、放電
電流を一定に維持しながら陽極印加電圧を変えると、プ
ラズマ密度が変化する。
電気的に槽壁から遊離している熱電子放射陰極と陽極
の間で生成されたプラズマは、接地電位にある槽壁をバ
リアとして、プラズマ自身の体積を維持しており、槽壁
に対して約+10V程度の空間電位を持っている。従っ
て、この空間電位は、陽極印加電圧を変えたり、陽極に
流入する電流を変えたりしても、殆ど変化しない。
しかし、このプラズマから電子を奪い取ると、プラズ
マ電位は顕著に増大する。即ち、空間電位制御電極に槽
壁に対して上述のプラズマが自然に有する空間電位(約
+10V)を上回る電圧を印加すると、プラズマを構成し
ている粒子(電子、イオン、中性粒子)のうち、電子の
一部が空間電位制御電極に流入し、プラズマの空間電位
は空間電位制御電極の印加電圧に大略等しい値に高ま
る。なお、このようにプラズマから電子を奪い取って
も、放電電流は変化せず、従ってプラズマ密度も殆ど変
化しない。
よって、この発明によるプラズマ発生装置を用いて、
被加工物上に被膜を作成する場合には、被加工物に到着
するイオンの密度とエネルギーとを、互い他方に左右さ
れずに自由に変化させることができる。
〔実施例〕
第1図において、真空槽1は排気管2を経由して排気
ポンプに結合され、かつ接地されている。槽内の下部に
は、蒸発材料3を収容したるつぼ4及びガス供給ノズル
5が配置され、るつぼ4は槽外の加熱電源6から加熱電
流の供給を受け、自身が発熱体となって材料3を加熱
し、これを蒸発させる。
槽内の上部には、下面に被処理物8を支持したホルダ
ー9が設けられ、ホルダー9には必要に応じて被処理物
8を加熱するためのヒーター10が付設され、ヒーター10
は槽外の加熱電源11から加熱電流の供給を受けている。
また、ホルダー9は槽外においてバイアス電源18に接続
されている。12は被処理物8の前面を必要に応じて覆う
シャッターである。
るつぼ4またはノズル5から被処理物8へ向かう蒸気
またはガスの径路に沿い、るつぼ4及びノズル5に接近
して陽極13が配置され、これからやや離れて熱陰極14が
配置されている。陽極13及び陰極14はいずれも槽壁1か
ら絶縁されており、両者の間には槽外において陽極電源
15が接続されている。また、陰極14には、槽外において
加熱電源16が接続されている。
熱電子放射陰極14と陽極13との間の空間19を囲んで円
筒状の空間電位制御電極20が存在し、電極20は槽外にお
いて接地に対して正の空間電位制御電源21に接続されて
いる。また、槽外には、空間19内に陰極14から陽極13へ
向かう電子流に平行した磁界を生ずるように、コイル22
が配置され、コイル22は励磁電源23に接続されている。
なお、るつぼ4はタングステン、タンタル、モリブデ
ン等の高融点金属製で、その加熱電源6は5V400Aの容量
を有する。熱電子放射陰極14はタングステン、モリブデ
ン、タンタル等の高融点金属のフィラメントであり、線
径1.0mm、長さ100mmで、その加熱電源16は10V100Aの容
量を有する。陽極電源15は直流0〜+100V100Aである。
熱電子放射陰極14と陽極13の距離は10〜100mm、望まし
くは50mmである。空間電位制御電極20と陽極13との距離
は50〜300mm、望ましくは100mmであり、空間電位制御電
源21は直流0〜+500Vである。また、コイル21が発生す
る磁界φの強さは数10〜数100ガウスである。
上述の実施例において、槽1内にアルゴンガスを1×
10-2Torrで供給し、熱電子放射陰極14に供給する加熱電
力をAC9V65Aまたは8V60Aとしたときの、陽極印加電圧と
放電する電流の関係を第6図に示す。なお、空間電気制
御電極20の電圧は0Vで、磁束φは与えていない。
陽極印加電圧は増加してゆくと、アルゴンガスの第1
の電離電圧15.7eV付近で放電が始まって次第に増加し、
+40〜+60V近傍で放電電流は飽和している。そして、
この飽和時の放電電流は、熱電子放射陰極の温度によっ
て変わってくる。即ち、陰極の温度を上げると、熱電子
の放射量が増え、アルゴンガス粒子と衝突してこれをイ
オン化させる頻度が増すために、放電電流が増大する。
この放電は、低圧大電流のアーク放電であり、磁界φ
を与えない場合は10-4Torr台の後半から10Torr台の圧力
範囲でアーク放電を起こさせることができる。そして、
磁界φを印加すれば、10-5Torr台でもアーク放電を起こ
させることができる。
第7図は、第6図と同じ条件のもとで、放電電流が常
に10Aになるように熱電子放射陰極の温度を調節しなが
ら、陰極印加電圧を変えて、プラズマ電子の密度の変化
状況を捉えたものである。なお、プラズマ電子密度は、
熱電子放射陰極から被処理物方向に100mmの位置におい
て、探極法によって測定した。
これによると、第2図示の従来法では第4図に示すよ
うに陽極印加電圧を変えてもプラズマ電子密度が不変で
あったのに対し、この発明においては、陽極印加電圧に
よってプラズマ電子密度が変ることがある。即ち、この
発明においては、プラズマ電子密度は、陽極に印加する
電圧と放電電流の双方に依存している。
第8図は、第6図及び第7図の場合と同条件のもと
で、陽極印加電圧とプラズマの空間電位との関係を求め
たものである。これによると、第2図示の従来法では、
第5図に示すように陽極印加電圧を変えるとプラズマ空
間電位が大きく変っているのに対し、この発明において
は、プラズマ空間電位は陽極印加電圧に全く依存せず、
約10Vにほぼ一定している。即ち、プラズマ特性は熱電
子の加速エネルギーに全く依存しないことが判る。
第9図は、第6図乃至第8図の場合と同様に、1×10
-2Torrのアルゴンガスを用い、陽極印加電圧および放電
電流を100V10Aに設定しておいて、空間電位制御電極の
電圧を変え、プラズマ密度の変化状況を調べたものであ
る。プラズマ電子密度は熱電子放射陰極から被処理物の
方向に100mmの位置で、探極法によって測定した。な
お、磁界は使用しなかった。
この測定の結果、空間電位制御電極に電極に印加する
電圧を変化させても、プラズマ電子密度は5〜7×1011
cm-3の範囲内にあって、事実上プラズマ密度が一定して
いることが判った。また、この間を通じて、当初に設定
した放電電流10Aは変化しなかった。
第10図は、第9図と同じ条件で空間電位制御電極の電
位を変化させた祭の、空間電位の変化を測定したもので
ある。これによって、空間電位制御電極に与える槽壁
(接地)に対して正の電圧により、プラズマの空間電位
は上昇し、その値はほぼ空間電位制御電極に与える電圧
に等しいことが判る。
第11図は、第9図及び第10図と同じ条件のもとで、空
間電位制御電極に与える電圧を変化させた際の、同電極
に流入する電子流の変化状況と、被処理物に流入するイ
オン電流の変化状況を測定したものである。
これによると、空間電位制御電極の電圧を上げてゆく
と、これに伴ってプラズマから奪い取られて同電極に流
入する電子電流は増加するが、この電子電流が、第9図
に示したようにプラズマ密度に殆ど影響を与えず、かつ
陽極の放電電流にも影響を与えないことが判った。ま
た、被処理物へ流入するイオン電流も、第9図に示した
ようにプラズマ密度の変化がないにも拘らず、上記電子
電流によく似た形で変化している。これらの理由は次の
ように説明される。空間電位制御電極が上記電子電流の
形でプラズマから電子を奪うと、プラズマは全体として
電子不足になるが、プラズマは電気的中性を保とうとす
る性質を持っているために、イオンを外部に吐出そうと
する。その結果、プラズマ密度を変えずにイオンが被処
理物方向に空間電位に相当するエネルギーを貰って加速
され、これにより被処理物に入射するイオン電流が増加
する。従って、被処理物に入射するイオン電流は、上記
電子電流と似た形で増加することになる。
第6図乃至第11図によって明らかになるように、この
発明においては、プラズマ密度を、熱電子放射陰極の温
度及び陽極の印加電圧の一方または双方を調節すること
によって、プラズマの空間電位とは無関係に設定するこ
とができる。そして、プラズマの空間電位は、プラズマ
密度とは無関係に自由に広い範囲で選択して設定するこ
とができる。
従って、この発明を実施した被膜形成装置において
は、被膜形成の初期にプラズマに高エネルギーを与える
ことにより、被処理物への被膜の密着性を高め、その後
は低エネルギーで大量のプラズマを供給することによ
り、温度上昇を抑制しながら高能率で被膜を成長させる
ことができる。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明によるプラズマ発生装置は、
プラズマの空間電位をプラズマ密度とは無関係に広い範
囲で選択して設定できるばかりでなく、プラズマの密度
を空間電位とは無関係に高め或いは調節することができ
る。従って、この発明を実施した被膜形成装置において
は、プラズマ密度と空間電位とを、状況に応じて選択す
ることにより、密着性のよい被膜を低温でかつ高能率で
形成させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】 第1図はこの発明を実施した被膜形成装置の断面図、第
2図は従来の被膜形成装置の断面図、第3図は第2図示
の装置における放電電流とプラズマ電子密度の関係を示
す線図、第4図は第2図示の装置における陽極印加電圧
とプラズマ電子密度の関係を示す線図、第5図は第2図
示の装置における陽極印加電圧と空間電位の関係を示す
線図、第6図は上記実施例における陽極の印加電圧と放
電電流の関係を示す線図、第7図は上記実施例の陽極印
加電圧とプラズマ電子密度の関係を示す線図、第8図は
上記実施例の陽極印加電圧と空間電位の関係を示す線
図、第9図は上記実施例の空間電位制御電圧とプラズマ
電子密度の関係を示す線図、第10図は上記実施例の空間
電位制御電圧と空間電位の関係を示す線図、第11図は上
記実施例の空間電位制御電位と空間電位制御電極の流入
電子電流及び被処理物流入イオン電流の関係を示す線図
である。 1……真空槽、2……排気口、3……蒸発材料、4……
るつぼ、5……ガスノズル、6……るつぼ加熱電源、8
……被処理物、13……陽極、14……熱電子放射陰極、15
……陽極電源、16……陰極加熱電源、20……空間電位制
御電極、21……空間電位制御電源、22……磁界発生コイ
ル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−40242(JP,A) 特公 昭56−508(JP,B2) 特公 昭57−2150(JP,B2) 特公 昭57−1586(JP,B2) 特公 昭52−32759(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 14/00 - 14/58 C23C 16/00 - 16/56 H01J 27/08 H05H 1/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】槽内の排気手段を具えかつ槽壁が接地され
    ている真空槽内に、加熱手段を具え上記槽壁より電気的
    に浮遊した熱電子放射陰極と、この陰極の放射熱電子流
    に対面配置され上記陰極に対して正電位に維持されてい
    る陽極と、上記陰極から陽極へ向かう熱電子流の径路中
    に材料ガスまたは材料蒸気及び必要に応じこれに加えて
    反応ガス及び放電ガスの少なくとも一方を供給する手段
    と、上記陰極と陽極との間で生成されたプラズマからプ
    ラズマ電子を奪うために上記陽極の近傍に配置されかつ
    上記槽壁に対して0〜正電位に維持されている空間電位
    制御電極とを設けてなるプラズマ発生装置。
  2. 【請求項2】上記陰極と陽極との間の空間に両者間の電
    界に平行する磁場を形成する手段を設けたことを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載のプラズマ発生装置。
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