JP2976073B2 - チキソトロピック材料の製造方法 - Google Patents
チキソトロピック材料の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、改良されたチキソトロピック材料の製造に
関し、さらにチキソトロピック材料の鋳造および鍛造の
ための改良された方法および装置に関する。 液体マトリックス内に変質した(degenerate)デンド
ライトまたはノジュール状(nodular)独立した固体粒
子を含み、チキソトロピックな性質を有する金属スラリ
ーの形成は、例えば、米国特許第398650号および第3954
455号、ならびに英国特許第1400624号などからよく知ら
れている。これら特許は、全て固化途中の溶融物の強力
な攪拌によるその様なスラリーの製造に言及している。
しかしながら、溶融物の物理的攪拌は、溶融物が固化状
態に近付くとともに、ますます困難となる。ヨーロッパ
公開特許第0090253号および第0139168号には、改良され
た方法が開示されている。すなわち、そこには、部分的
に固体で且つ部分的に液体の状態で成形を行なうための
金属組成物の製造方法が開示されている。この方法は、
再結晶温度と固相線温度(solidus temperature)との
間で金属組成物を熱間加工し、熱間加工と同時に或いは
熱間加工に引続く独立した工程で、臨界水準の歪み乃至
応力変形を導入するものである。熱間加工および必要な
任意の冷間加工の終了とともに、金属組成物は、固相線
温度よりも高く且つ液相線温度よりも低い或る温度に再
加熱される。この様な方法は、それ以前の技術に比べれ
ば、改善されたものといえるが、やはり数段階の工程を
必要とする。本発明の目的の一つは、部分的に固体で且
つ部分的に液体の状態で、すなわちチキソトロピックな
条件で、成形を行なうために適した組成物を与え得る簡
略化された方法を提供することにある。 本発明によれば、下記の工程からなるチキソトロピッ
ク性材料を製造する方法が得られる: 完全に固化した金属または金属合金材料をその再結晶
温度よりも低い温度で変形する工程、 該材料の微小構造(microstructure)の再結晶を起こ
すために変形した材料を加熱する工程、 および 該材料の温度をその固相線温度を上回る温度に上昇さ
せることより、チキソトロピック的な挙動を呈する液状
マトリックス中に独立した粒子を形成させるために、再
結晶構造を部分的に融解させる工程。 液状マトリックス中の独立した固体粒子は、表面張力
により、急速に球状化して、ほぼ球形の粒子の分散状態
を作り出す。 変形および再結晶工程は、冷間または熱間加工に引続
いて行われ、さらにこれに再結晶化を行なうための加熱
工程が続く。本明細書において、“温熱加工”とは、室
温と被加工材料の再結晶温度との間の温度で行なわれる
加工を意味する。 製造方法におけるより好ましい出発材料は、当初にデ
ンドライト微小構造を有していても或いは有していなく
とも良い完全に固化した合金である。出発材料は、押し
出し、圧延、張力引張りまたは圧縮などの何らかの手段
により、変形されていても良い。変形は、定温で行なっ
ても良いが、温度上昇により構造の再結晶化が生ずる程
度まで行なう。 引続く温度上昇工程は、合金の部分的融解を引き起こ
す。この融解は、当初の鋳造に際して最後に凝固した最
低融点域であって、微小分離が生じている粒界およびデ
ンドライトアーム(dendrite arm)間の領域から通常始
まる。多くの場合、再結晶プロセスにより導入された高
角度粒界(high angle grain boundary)も融解して、
各グレインをマトリックス液中の独立した固体粒子とし
て分離させる。粒界が液相(すなわち融解)によって完
全には濡らされない場合にも、液体/固体界面で粒界沿
いに溝(groove)が形成されるので、表面張力は、局所
的にバランスされる。十分に微細な微小構造の場合に
は、これらの溝は、固体をマトリックス液体により囲ま
れた小さな独立した粒子に分割させる程度に深くなる。 本発明の再結晶化および融解工程は、同一の加熱操作
中に連続して生じても良く、或いは製造時の別個の段階
で生じても良い。いずれの場合にも、部分融解により形
成された独立した粒子は、表面張力により急速に球状化
して、融解物中に球形に近い粒子の分散体を発生させ
る。この様な半固体/半液体のスラリーは、チキソトロ
ピックな材料としての挙動を示し、任意の所定の形状に
成形、鋳造若しくは鍛造され得る。もし必要ならば、こ
の材料は、冷却され、次いでその固相線温度と液相線温
度との間の温度に再加熱されて、そのチキソトロピック
な性質を回復する。 その固相線温度と液相線温度との間でチキソトロピッ
クな性質を発揮する材料の利点は、より低い荷重下に成
形、例えば鋳込み或いは鍛造出来ることである。 例えば、前記の米国特許第3948650号および第3954455
号は、成形操作におけるチキソトロピックな金属スラリ
ーの使用に言及している。特に、これらは、密閉された
ダイによる鍛造(closed die forging)に言及してお
り、この方法は、伝統的に非常に高い鍛造圧力(100MP
a)を使用して合金製のダイス間で熱い固体金属に対し
て行なわれている。公知のダイ鋳造においては、ダイス
は、製造費が極めて高く、摩耗および変形により急速に
その形状および寸法が失われる。このため、鍛造品の寸
法安定性が低下する。 固化時の攪拌の如き方法および本発明方法(再結晶と
それに続く部分融解)により得られるチキソトロピック
性金属スラリーが、極めて低い剪断応力(代表的には、
1.5MPaまで程度)により流動するという事実は、この様
な材料の密閉したダイによる鍛造の間に、ダイ自体は、
比較的低い圧力をうけるのみであることを意味する。 従って、本発明の他の利点として、通常使用されてい
るものよりは機械的に弱いダイ材料からなるチキソトロ
ピック性材料の成形用ダイ、特に容易且つ安価に製造可
能な非金属性材料からなる成形用のダイを提供する。使
用可能な材料としては、グラファイト、パイロフィライ
トの様な成型セラミックおよび機械加工セラミックが例
示される。これらの材料は、金属性のダイスよりも低い
熱拡散性(またはより良好な熱絶縁性)を有していると
いう利点をも備えているので、チキソトロピックなスラ
リーは、あまり急速には固化せず、硬くなり過ぎて流動
しなくなる前にダイに対応する形状をとることが可能と
なる。その結果、製品の精度がより改善される。 本発明によるダイスは、本発明方法により得られたチ
キソトロピック材料とともに、或いは他のチキソトロピ
ック材料とともに使用され得る。かくして、本発明は、
下記の工程からなる金属または金属合金製品の改良され
た製造方法をも包含する: (a)その固相線を上回る領域でチキソトロピック的に
挙動する材料を形成する工程;および (b)非金属製材料の本体を有するダイを使用して、そ
の固相線を上回る領域でチキソトロピック材料を鋳造、
鍛造または押出しする工程。 上記の工程(a)は、例えば、下記の段階により構成
することが出来る: (c)完全に凝固した金属または金属合金材料をその再
結晶温度を下回る温度で変形し、 (d)変形した材料を加熱して、材料の微小構造の再結
晶化を行なわせ、そして (e)材料の温度を固相線温度よりも高くして、再結晶
した構造を部分的に融解させ、チキソトロピック的な挙
動を示す液体マトリックス中に独立した粒子を形成させ
る。 チキソ鋳造(thixoforging)およびキチソ押出し(th
ixoextruding)において、荷重条件は、公知の鍛造方法
に比して、著るしく軽減される。 工程(b)は、材料がその高温加熱状態に保持されて
いる間に行なっても良く、或いは材料のチキソトロピッ
ク状態は、引続く加熱によっても回復できる。 以下に添付の図面を参照しつつ、実施例により本発明
をより詳細に説明する。図面において: 第1A図は、常法に従って鋳造された且つ押出しされた
Al−6重量%Siの顕微鏡写真(80倍)である; 第1B図は、第1A図に示す鋳造および押出し材をエッチ
ングして、再結晶前の粒界を示す顕微鏡写真(250倍)
である; 第2図は、第1図に示す材料を本発明に従って再結晶
化し、次いで部分的に融解した場合の顕微鏡写真(80
倍)である; 第3図は、本発明に従って再結晶化し、次いで部分的
に融解した材料の最終構造の顕微鏡写真(80倍)であ
る; 第4図は、第3図の構造の300倍顕微鏡写真である; 第5図は、クエンチングに先立って279s -1で攪拌され
た公知のレオキャスト(rheocast)Al−6重量%Siの顕
微鏡写真(80倍)である; 第6図は、本発明に従って押出され、再結晶化され、
部分融解されたAISIグレード440cステンレススチールの
顕微鏡写真(80倍)である。デンドライト性の一次粒子
が存在しないことを示している; 第7図は、本発明に従ってグラファイト製のダイ内に
チキソ鍛造されたAl−6重量%Siの鍛造物を示す写真で
ある; 第8図は、本発明による各工程を示す図式的な時間−
温度履歴である。 第1図乃至第4図において、本発明による再結晶化お
よび部分融解法によりどの様にしてチキソトロピック性
の金属スラリーが得られるかの一例が、シリコン6重量
%を含むアルミニウム合金により示されている。出発材
料は、直径73mmの円筒状インゴットとして鋳造され、再
結晶温度未満の300℃で直径32mmとなるまで押出され、
歪みは1.65であり、第1A図および第1B図に示す通りの構
造、すなわち、これに対し及ぼされた仕事によるグレイ
ンの変形を示している。第1A図および特に第1B図の観察
から、押出しプロセスの間にグレインの再結晶が実質的
に生じていないことが明らかである。次いで、合金を約
600℃の温度(共晶温度577℃の少し上)で約6分間加熱
する。加熱の過程において、300℃以上で再結晶が起こ
って、当初の変形したグレインに代わって構造全体に新
しい小さなグレインが形成される。次いで、共晶温度以
上での部分融解により、共晶領域に融液が形成され、一
次アルミニウム相の粒界に浸透し、グレインを分断し
て、液相中に存在する小さな独立した球状固体粒子を形
成させる。新しいグレインの形成を伴う材料を実際の構
造は、第2図乃至第4図から明らかである。第2図は、
融解の当初段階での微小構造を示し、第3図および第4
図は、当初の融解の約1分後に得られる球状粒子の最終
部分融解微小構造を示す。最終微小構造は、良好なチキ
ソトロピック特性を発揮して、そのままチキソ鋳造また
はチキソ鍛造に供することが出来る。 再結晶は、加工された材料の加熱とともに起こるプロ
セスであり、再結晶が起きるに先立っては、臨界歪み
(合金系により定まり、この場合には約0.05)が必要で
ある。この値を上回る歪みを増大させると、再結晶化し
たグレイン寸法および最終スラリー中の粒子寸法が減少
する。本実施例においては、1.65の歪みにより、粒子径
30μmが得られ、20〜30μmの範囲内の微細粒子寸法も
容易に得られる。この値は、公知の攪拌キャストレオキ
ャスティング(stir cast rheocasting)プロセスによ
り一般に達成されているもの(第5図において約130μ
mで、その粒子も本発明に比して丸みが著るしく劣って
いる)よりも、著るしく小さい。第3図および第4図に
示す粒子は、粒度分布におけるバラツキがより少ない。 本発明の方法により達成される微細な粒子寸法は、熱
処理および鍛造製品の機械的性質に大きな影響を及ぼし
得る。微細な構造により、非平衡二次相析出物(non eq
uilibrium second phase precipitates)がマトリック
スに溶解すること(固溶化)を可能ならしめ、且つマト
リックスのホモジナイゼイションがより完全に達成され
る。引続く合金のエイジングにより、微細な均一に分布
する析出物の形成が誘発され、これらの微小構造は、良
好な機械的性質を有するものと期待されている。 粒子寸法は、初期の融解が開始されまでは、グレイン
寸法の関数である。グレイン寸法は、再結晶に先立つ合
金の不十分な変形のためか、或いはグレインの成長があ
まりにも急激なので、大きなグレインが形成されるかの
いずれかのために、粗大であることがある。確かに理想
的な状況およびそれ故に微細な粒子のスラリーを製造す
るためにより好ましい方法は、再結晶後に、即ち、予め
冷間で又は温間で変形された材料の急速な再加熱後に、
出来るだけ急速に最初の融解が生じることである。 第6図は、440Cステンレススチールに適用された本発
明の結果を示す。グレイン寸法がより粗い点を除けば、
第3図に示す結果に類似していることが明らかである。 本発明による方法は、第8図に図式的に示されたプロ
セスのプロフィルにより明らかにされている。この場合
の材料は、温熱押出しにより変形されている。この図面
から、本発明プロセスでは、再結晶温度未満での変形、
および再結晶温度を経て固相線の直ぐ上の温度までの引
続く加熱が必要とされるのみで、その結果所望のチキソ
トロピック性材料が得られている。 チキソトロピック性材料材料の流動特性は、より弱い
ダイ用材料の使用が可能であることが見出されたことを
意味する。例えば、クラファイト製のダイが機械加工に
より製造され、また“ショウ”プロセスと称される成形
方法により或るパターンからセラミック製のダイが作ら
れた。チキソトロピック性のスラリーがまだ流動状態に
ある間に発生したフープ応力を支持するために、両方の
ダイが金属キャスティング内に組み込まれた。グラファ
イト製のダイス内でアルミニウム合金のチキソトロピッ
ク性スラリーおよび高速度工具鋼のチキソトロピック性
スラリーから得られた鍛造品は、優れた再現性を示し、
また成形セラミック製のダイ内へのアルミニウムスラリ
ーのチキソ鍛造も、成功した。 比較的弱い非金属製のダイスの使用は、伝統的な技術
からの大きな進歩である。何故ならば、広く知られた方
法とは言い難いチキソ鍛造についての全ての研究には、
50トンを超える荷重を発生させ得る公知の水圧鍛造プレ
スにおいて公知の金型鋼(非常に高価である)が使用さ
れてきたからである。鍛造時に発生する圧力は、常法に
よる鍛造におけると同様に100MPa程度またはそれ以上で
あり、この様な条件下には機械的に強いダイスが恐らく
必須であろう。しかしながら、金属製のダイスの場合に
は、ダイス内への完全な充填(および早すぎる凝固を防
止)を達成するために、ダイスを予備加熱しなければな
らない。 チキソトロピック性金属スラリーをダイ内に流入させ
るためには、その様な高圧を必要としないとの初めての
観察の結果、本発明者は、最大荷重が僅か2.5トンであ
り、本発明者の使用する試料に対して最終圧力10MPaを
発生させ得る空気プレスを使用することにした。しかし
ながら、金属製のダイ内でのスラリーの早すぎる“凍
結”(freezing)のために、完全な充填および良好な表
面の複製が困難であった。そこで、本発明者は、公知の
鍛造技術からさらに離れて、非金属製のダイスを使用す
ることにした。これは、非金属製のダイの場合には、チ
キソトロピック性スラリーからの熱移動がより緩やかと
なり、ダイへの充填がより良好となるからである。従っ
て、空気プレス装置の採用に伴う低い圧力の故に、機械
的にはより弱いが、絶縁性により優れたダイスの使用が
可能となった。 本発明によりダイ内でスラリーをチキソ鍛造して得ら
れたチキソ鍛造品の一例を第7図に示す。このものは、
再結晶化され且つ部分融解されたアルミニウム−6%シ
リコン合金のスラリーを使用して、最終圧力12MPaでグ
ラファイト製のダイ内へ鋳造することにより、形成され
た。ダイへの充填および複製品の品質が、極めて良好で
あることが明らかである。 本発明によるチキソキャスティングの利点を公知のダ
イ キャスティングと比較して示せば、例えば以下の通
りである: 1.ダイ キャスティングのための準備に際し、レオキャ
スト ビレットの形態の合金を所定重量の“スラグ”に
分割することが出来るので、材料の無駄を回避すること
ができる; 2.再加熱を行なって柔らかなチキソトロピック状態とし
た場合にも、スラグを固体として取り扱うことが出来
る; 3.ダイ キャスティング中のチキソトロピック性スラリ
ーの高い粘性の故に、乱流が発生せず、従って、製品中
の粗大なボイドとしての空気巻込みが防止される。その
結果、キャスティングの不良率が低下する。さらに、キ
ャスト製品は、歪み乃至変形を伴なうこと無く、固溶化
熱処理することが出来るので、熱処理を行うことによ
り、従来法によるダイキャスト製品に比して、機械的性
質を改善することができる; 4.ダイ内での固化のために除去すべき熱量が減少するの
で、生産効率が改善される; 5.ダイに対する熱衝撃が低下するので、ダイの寿命が延
長され、またアルミニウムブロンズ、ステンレススチー
ル、工具鋼などの高融点合金をダイ キャスティングに
使用することが可能となった。 6.せき(weirs)或いはオーバーフローが不要となり、
また流動システムが短縮されるなどの点で、ダイスのデ
ザインが簡略化されるので、材料の無駄が減少する; 7.加熱費用が30%削減されるものと予測される。 かくして、本発明方法によれば、無駄の減少およびエ
ネルギー必要量の低下により、より安価な製品が得られ
る。さらに、チキソキャスティング製品の内部には欠陥
が少ないので、不合格品が減少し、若し熱処理プログラ
ムが行なわれるならば、機械的性質も改善される。 本発明によるチキソ鍛造の利点を公知の密封形式のダ
イによる鍛造と比較して示せば、例えば以下の通りであ
る: 1.密封形式のダイによる鍛造は、最終製品を製造するた
めの一連の鍛造操作において極めて高い圧力で作動する
プレスの使用を伴なうのに対し、本発明によるチキソ鍛
造は、低い圧力で且つ単一の操作で行なわれる。従っ
て、生産効率は、非常に高く、資本コストは、低い; 2.本発明において可能となった低作業圧力は、高価なダ
イスへの損傷を減少させて、その寿命を延長させるか、
またはより安価な材料が使用できることを意味する。さ
らに、鍛造がより正確となり、寸法精度がより改善さ
れ、その結果、仕上げコスト(機械加工コスト)が減少
し若しくは不要となることを意味する; 3.過去において鍛造或いは押出し不可能であった合金
(ある種のステンレススチールおよび高速度工具鋼)
も、密封したダイス間でのチキソ鍛造(およびチキソ押
出し)に供し得る。 従って、本発明により得られるチキソトロピック性材
料をチキソ鍛造する場合の低い圧力は、資本コストを軽
減し、またチキソ鍛造品の改善された寸法精度は、仕上
げコストを減少させる。
関し、さらにチキソトロピック材料の鋳造および鍛造の
ための改良された方法および装置に関する。 液体マトリックス内に変質した(degenerate)デンド
ライトまたはノジュール状(nodular)独立した固体粒
子を含み、チキソトロピックな性質を有する金属スラリ
ーの形成は、例えば、米国特許第398650号および第3954
455号、ならびに英国特許第1400624号などからよく知ら
れている。これら特許は、全て固化途中の溶融物の強力
な攪拌によるその様なスラリーの製造に言及している。
しかしながら、溶融物の物理的攪拌は、溶融物が固化状
態に近付くとともに、ますます困難となる。ヨーロッパ
公開特許第0090253号および第0139168号には、改良され
た方法が開示されている。すなわち、そこには、部分的
に固体で且つ部分的に液体の状態で成形を行なうための
金属組成物の製造方法が開示されている。この方法は、
再結晶温度と固相線温度(solidus temperature)との
間で金属組成物を熱間加工し、熱間加工と同時に或いは
熱間加工に引続く独立した工程で、臨界水準の歪み乃至
応力変形を導入するものである。熱間加工および必要な
任意の冷間加工の終了とともに、金属組成物は、固相線
温度よりも高く且つ液相線温度よりも低い或る温度に再
加熱される。この様な方法は、それ以前の技術に比べれ
ば、改善されたものといえるが、やはり数段階の工程を
必要とする。本発明の目的の一つは、部分的に固体で且
つ部分的に液体の状態で、すなわちチキソトロピックな
条件で、成形を行なうために適した組成物を与え得る簡
略化された方法を提供することにある。 本発明によれば、下記の工程からなるチキソトロピッ
ク性材料を製造する方法が得られる: 完全に固化した金属または金属合金材料をその再結晶
温度よりも低い温度で変形する工程、 該材料の微小構造(microstructure)の再結晶を起こ
すために変形した材料を加熱する工程、 および 該材料の温度をその固相線温度を上回る温度に上昇さ
せることより、チキソトロピック的な挙動を呈する液状
マトリックス中に独立した粒子を形成させるために、再
結晶構造を部分的に融解させる工程。 液状マトリックス中の独立した固体粒子は、表面張力
により、急速に球状化して、ほぼ球形の粒子の分散状態
を作り出す。 変形および再結晶工程は、冷間または熱間加工に引続
いて行われ、さらにこれに再結晶化を行なうための加熱
工程が続く。本明細書において、“温熱加工”とは、室
温と被加工材料の再結晶温度との間の温度で行なわれる
加工を意味する。 製造方法におけるより好ましい出発材料は、当初にデ
ンドライト微小構造を有していても或いは有していなく
とも良い完全に固化した合金である。出発材料は、押し
出し、圧延、張力引張りまたは圧縮などの何らかの手段
により、変形されていても良い。変形は、定温で行なっ
ても良いが、温度上昇により構造の再結晶化が生ずる程
度まで行なう。 引続く温度上昇工程は、合金の部分的融解を引き起こ
す。この融解は、当初の鋳造に際して最後に凝固した最
低融点域であって、微小分離が生じている粒界およびデ
ンドライトアーム(dendrite arm)間の領域から通常始
まる。多くの場合、再結晶プロセスにより導入された高
角度粒界(high angle grain boundary)も融解して、
各グレインをマトリックス液中の独立した固体粒子とし
て分離させる。粒界が液相(すなわち融解)によって完
全には濡らされない場合にも、液体/固体界面で粒界沿
いに溝(groove)が形成されるので、表面張力は、局所
的にバランスされる。十分に微細な微小構造の場合に
は、これらの溝は、固体をマトリックス液体により囲ま
れた小さな独立した粒子に分割させる程度に深くなる。 本発明の再結晶化および融解工程は、同一の加熱操作
中に連続して生じても良く、或いは製造時の別個の段階
で生じても良い。いずれの場合にも、部分融解により形
成された独立した粒子は、表面張力により急速に球状化
して、融解物中に球形に近い粒子の分散体を発生させ
る。この様な半固体/半液体のスラリーは、チキソトロ
ピックな材料としての挙動を示し、任意の所定の形状に
成形、鋳造若しくは鍛造され得る。もし必要ならば、こ
の材料は、冷却され、次いでその固相線温度と液相線温
度との間の温度に再加熱されて、そのチキソトロピック
な性質を回復する。 その固相線温度と液相線温度との間でチキソトロピッ
クな性質を発揮する材料の利点は、より低い荷重下に成
形、例えば鋳込み或いは鍛造出来ることである。 例えば、前記の米国特許第3948650号および第3954455
号は、成形操作におけるチキソトロピックな金属スラリ
ーの使用に言及している。特に、これらは、密閉された
ダイによる鍛造(closed die forging)に言及してお
り、この方法は、伝統的に非常に高い鍛造圧力(100MP
a)を使用して合金製のダイス間で熱い固体金属に対し
て行なわれている。公知のダイ鋳造においては、ダイス
は、製造費が極めて高く、摩耗および変形により急速に
その形状および寸法が失われる。このため、鍛造品の寸
法安定性が低下する。 固化時の攪拌の如き方法および本発明方法(再結晶と
それに続く部分融解)により得られるチキソトロピック
性金属スラリーが、極めて低い剪断応力(代表的には、
1.5MPaまで程度)により流動するという事実は、この様
な材料の密閉したダイによる鍛造の間に、ダイ自体は、
比較的低い圧力をうけるのみであることを意味する。 従って、本発明の他の利点として、通常使用されてい
るものよりは機械的に弱いダイ材料からなるチキソトロ
ピック性材料の成形用ダイ、特に容易且つ安価に製造可
能な非金属性材料からなる成形用のダイを提供する。使
用可能な材料としては、グラファイト、パイロフィライ
トの様な成型セラミックおよび機械加工セラミックが例
示される。これらの材料は、金属性のダイスよりも低い
熱拡散性(またはより良好な熱絶縁性)を有していると
いう利点をも備えているので、チキソトロピックなスラ
リーは、あまり急速には固化せず、硬くなり過ぎて流動
しなくなる前にダイに対応する形状をとることが可能と
なる。その結果、製品の精度がより改善される。 本発明によるダイスは、本発明方法により得られたチ
キソトロピック材料とともに、或いは他のチキソトロピ
ック材料とともに使用され得る。かくして、本発明は、
下記の工程からなる金属または金属合金製品の改良され
た製造方法をも包含する: (a)その固相線を上回る領域でチキソトロピック的に
挙動する材料を形成する工程;および (b)非金属製材料の本体を有するダイを使用して、そ
の固相線を上回る領域でチキソトロピック材料を鋳造、
鍛造または押出しする工程。 上記の工程(a)は、例えば、下記の段階により構成
することが出来る: (c)完全に凝固した金属または金属合金材料をその再
結晶温度を下回る温度で変形し、 (d)変形した材料を加熱して、材料の微小構造の再結
晶化を行なわせ、そして (e)材料の温度を固相線温度よりも高くして、再結晶
した構造を部分的に融解させ、チキソトロピック的な挙
動を示す液体マトリックス中に独立した粒子を形成させ
る。 チキソ鋳造(thixoforging)およびキチソ押出し(th
ixoextruding)において、荷重条件は、公知の鍛造方法
に比して、著るしく軽減される。 工程(b)は、材料がその高温加熱状態に保持されて
いる間に行なっても良く、或いは材料のチキソトロピッ
ク状態は、引続く加熱によっても回復できる。 以下に添付の図面を参照しつつ、実施例により本発明
をより詳細に説明する。図面において: 第1A図は、常法に従って鋳造された且つ押出しされた
Al−6重量%Siの顕微鏡写真(80倍)である; 第1B図は、第1A図に示す鋳造および押出し材をエッチ
ングして、再結晶前の粒界を示す顕微鏡写真(250倍)
である; 第2図は、第1図に示す材料を本発明に従って再結晶
化し、次いで部分的に融解した場合の顕微鏡写真(80
倍)である; 第3図は、本発明に従って再結晶化し、次いで部分的
に融解した材料の最終構造の顕微鏡写真(80倍)であ
る; 第4図は、第3図の構造の300倍顕微鏡写真である; 第5図は、クエンチングに先立って279s -1で攪拌され
た公知のレオキャスト(rheocast)Al−6重量%Siの顕
微鏡写真(80倍)である; 第6図は、本発明に従って押出され、再結晶化され、
部分融解されたAISIグレード440cステンレススチールの
顕微鏡写真(80倍)である。デンドライト性の一次粒子
が存在しないことを示している; 第7図は、本発明に従ってグラファイト製のダイ内に
チキソ鍛造されたAl−6重量%Siの鍛造物を示す写真で
ある; 第8図は、本発明による各工程を示す図式的な時間−
温度履歴である。 第1図乃至第4図において、本発明による再結晶化お
よび部分融解法によりどの様にしてチキソトロピック性
の金属スラリーが得られるかの一例が、シリコン6重量
%を含むアルミニウム合金により示されている。出発材
料は、直径73mmの円筒状インゴットとして鋳造され、再
結晶温度未満の300℃で直径32mmとなるまで押出され、
歪みは1.65であり、第1A図および第1B図に示す通りの構
造、すなわち、これに対し及ぼされた仕事によるグレイ
ンの変形を示している。第1A図および特に第1B図の観察
から、押出しプロセスの間にグレインの再結晶が実質的
に生じていないことが明らかである。次いで、合金を約
600℃の温度(共晶温度577℃の少し上)で約6分間加熱
する。加熱の過程において、300℃以上で再結晶が起こ
って、当初の変形したグレインに代わって構造全体に新
しい小さなグレインが形成される。次いで、共晶温度以
上での部分融解により、共晶領域に融液が形成され、一
次アルミニウム相の粒界に浸透し、グレインを分断し
て、液相中に存在する小さな独立した球状固体粒子を形
成させる。新しいグレインの形成を伴う材料を実際の構
造は、第2図乃至第4図から明らかである。第2図は、
融解の当初段階での微小構造を示し、第3図および第4
図は、当初の融解の約1分後に得られる球状粒子の最終
部分融解微小構造を示す。最終微小構造は、良好なチキ
ソトロピック特性を発揮して、そのままチキソ鋳造また
はチキソ鍛造に供することが出来る。 再結晶は、加工された材料の加熱とともに起こるプロ
セスであり、再結晶が起きるに先立っては、臨界歪み
(合金系により定まり、この場合には約0.05)が必要で
ある。この値を上回る歪みを増大させると、再結晶化し
たグレイン寸法および最終スラリー中の粒子寸法が減少
する。本実施例においては、1.65の歪みにより、粒子径
30μmが得られ、20〜30μmの範囲内の微細粒子寸法も
容易に得られる。この値は、公知の攪拌キャストレオキ
ャスティング(stir cast rheocasting)プロセスによ
り一般に達成されているもの(第5図において約130μ
mで、その粒子も本発明に比して丸みが著るしく劣って
いる)よりも、著るしく小さい。第3図および第4図に
示す粒子は、粒度分布におけるバラツキがより少ない。 本発明の方法により達成される微細な粒子寸法は、熱
処理および鍛造製品の機械的性質に大きな影響を及ぼし
得る。微細な構造により、非平衡二次相析出物(non eq
uilibrium second phase precipitates)がマトリック
スに溶解すること(固溶化)を可能ならしめ、且つマト
リックスのホモジナイゼイションがより完全に達成され
る。引続く合金のエイジングにより、微細な均一に分布
する析出物の形成が誘発され、これらの微小構造は、良
好な機械的性質を有するものと期待されている。 粒子寸法は、初期の融解が開始されまでは、グレイン
寸法の関数である。グレイン寸法は、再結晶に先立つ合
金の不十分な変形のためか、或いはグレインの成長があ
まりにも急激なので、大きなグレインが形成されるかの
いずれかのために、粗大であることがある。確かに理想
的な状況およびそれ故に微細な粒子のスラリーを製造す
るためにより好ましい方法は、再結晶後に、即ち、予め
冷間で又は温間で変形された材料の急速な再加熱後に、
出来るだけ急速に最初の融解が生じることである。 第6図は、440Cステンレススチールに適用された本発
明の結果を示す。グレイン寸法がより粗い点を除けば、
第3図に示す結果に類似していることが明らかである。 本発明による方法は、第8図に図式的に示されたプロ
セスのプロフィルにより明らかにされている。この場合
の材料は、温熱押出しにより変形されている。この図面
から、本発明プロセスでは、再結晶温度未満での変形、
および再結晶温度を経て固相線の直ぐ上の温度までの引
続く加熱が必要とされるのみで、その結果所望のチキソ
トロピック性材料が得られている。 チキソトロピック性材料材料の流動特性は、より弱い
ダイ用材料の使用が可能であることが見出されたことを
意味する。例えば、クラファイト製のダイが機械加工に
より製造され、また“ショウ”プロセスと称される成形
方法により或るパターンからセラミック製のダイが作ら
れた。チキソトロピック性のスラリーがまだ流動状態に
ある間に発生したフープ応力を支持するために、両方の
ダイが金属キャスティング内に組み込まれた。グラファ
イト製のダイス内でアルミニウム合金のチキソトロピッ
ク性スラリーおよび高速度工具鋼のチキソトロピック性
スラリーから得られた鍛造品は、優れた再現性を示し、
また成形セラミック製のダイ内へのアルミニウムスラリ
ーのチキソ鍛造も、成功した。 比較的弱い非金属製のダイスの使用は、伝統的な技術
からの大きな進歩である。何故ならば、広く知られた方
法とは言い難いチキソ鍛造についての全ての研究には、
50トンを超える荷重を発生させ得る公知の水圧鍛造プレ
スにおいて公知の金型鋼(非常に高価である)が使用さ
れてきたからである。鍛造時に発生する圧力は、常法に
よる鍛造におけると同様に100MPa程度またはそれ以上で
あり、この様な条件下には機械的に強いダイスが恐らく
必須であろう。しかしながら、金属製のダイスの場合に
は、ダイス内への完全な充填(および早すぎる凝固を防
止)を達成するために、ダイスを予備加熱しなければな
らない。 チキソトロピック性金属スラリーをダイ内に流入させ
るためには、その様な高圧を必要としないとの初めての
観察の結果、本発明者は、最大荷重が僅か2.5トンであ
り、本発明者の使用する試料に対して最終圧力10MPaを
発生させ得る空気プレスを使用することにした。しかし
ながら、金属製のダイ内でのスラリーの早すぎる“凍
結”(freezing)のために、完全な充填および良好な表
面の複製が困難であった。そこで、本発明者は、公知の
鍛造技術からさらに離れて、非金属製のダイスを使用す
ることにした。これは、非金属製のダイの場合には、チ
キソトロピック性スラリーからの熱移動がより緩やかと
なり、ダイへの充填がより良好となるからである。従っ
て、空気プレス装置の採用に伴う低い圧力の故に、機械
的にはより弱いが、絶縁性により優れたダイスの使用が
可能となった。 本発明によりダイ内でスラリーをチキソ鍛造して得ら
れたチキソ鍛造品の一例を第7図に示す。このものは、
再結晶化され且つ部分融解されたアルミニウム−6%シ
リコン合金のスラリーを使用して、最終圧力12MPaでグ
ラファイト製のダイ内へ鋳造することにより、形成され
た。ダイへの充填および複製品の品質が、極めて良好で
あることが明らかである。 本発明によるチキソキャスティングの利点を公知のダ
イ キャスティングと比較して示せば、例えば以下の通
りである: 1.ダイ キャスティングのための準備に際し、レオキャ
スト ビレットの形態の合金を所定重量の“スラグ”に
分割することが出来るので、材料の無駄を回避すること
ができる; 2.再加熱を行なって柔らかなチキソトロピック状態とし
た場合にも、スラグを固体として取り扱うことが出来
る; 3.ダイ キャスティング中のチキソトロピック性スラリ
ーの高い粘性の故に、乱流が発生せず、従って、製品中
の粗大なボイドとしての空気巻込みが防止される。その
結果、キャスティングの不良率が低下する。さらに、キ
ャスト製品は、歪み乃至変形を伴なうこと無く、固溶化
熱処理することが出来るので、熱処理を行うことによ
り、従来法によるダイキャスト製品に比して、機械的性
質を改善することができる; 4.ダイ内での固化のために除去すべき熱量が減少するの
で、生産効率が改善される; 5.ダイに対する熱衝撃が低下するので、ダイの寿命が延
長され、またアルミニウムブロンズ、ステンレススチー
ル、工具鋼などの高融点合金をダイ キャスティングに
使用することが可能となった。 6.せき(weirs)或いはオーバーフローが不要となり、
また流動システムが短縮されるなどの点で、ダイスのデ
ザインが簡略化されるので、材料の無駄が減少する; 7.加熱費用が30%削減されるものと予測される。 かくして、本発明方法によれば、無駄の減少およびエ
ネルギー必要量の低下により、より安価な製品が得られ
る。さらに、チキソキャスティング製品の内部には欠陥
が少ないので、不合格品が減少し、若し熱処理プログラ
ムが行なわれるならば、機械的性質も改善される。 本発明によるチキソ鍛造の利点を公知の密封形式のダ
イによる鍛造と比較して示せば、例えば以下の通りであ
る: 1.密封形式のダイによる鍛造は、最終製品を製造するた
めの一連の鍛造操作において極めて高い圧力で作動する
プレスの使用を伴なうのに対し、本発明によるチキソ鍛
造は、低い圧力で且つ単一の操作で行なわれる。従っ
て、生産効率は、非常に高く、資本コストは、低い; 2.本発明において可能となった低作業圧力は、高価なダ
イスへの損傷を減少させて、その寿命を延長させるか、
またはより安価な材料が使用できることを意味する。さ
らに、鍛造がより正確となり、寸法精度がより改善さ
れ、その結果、仕上げコスト(機械加工コスト)が減少
し若しくは不要となることを意味する; 3.過去において鍛造或いは押出し不可能であった合金
(ある種のステンレススチールおよび高速度工具鋼)
も、密封したダイス間でのチキソ鍛造(およびチキソ押
出し)に供し得る。 従って、本発明により得られるチキソトロピック性材
料をチキソ鍛造する場合の低い圧力は、資本コストを軽
減し、またチキソ鍛造品の改善された寸法精度は、仕上
げコストを減少させる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 セラーズ,クリストファー マイケル
英国 エスエイ 3ジェイディー シェ
フィールド マッピン ストリート ザ
ユニバーシティ デパートメント オ
ブ メタラジー
(72)発明者 エリアス ボイド,ルイス ヘラルド
メキシコ 45050 ハリスコ グアダラ
ハラ エーピーディーオー ポスタル
31―654
(56)参考文献 特開 昭60−37211(JP,A)
特開 昭53−70034(JP,A)
特公 昭56−15455(JP,B2)
特公 昭56−15454(JP,B2)
特公 平6−17486(JP,B2)
(58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名)
B22D 17/00,18/02
C22C 1/02
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.完全に固化した金属または金属合金材料をその再結
晶温度未満の温度で変形する工程、該材料の微小構造の
再結晶を起こさせるために変形材料を加熱する工程、お
よび該材料の温度をその固相線温度を上回る温度に上昇
させることによりチキソトロピック的な挙動を呈する液
状マトリックス中に独立した粒子を形成させるために、
再結晶構造を部分的に融解させる工程を備えたことを特
徴とするチキソトロピック性材料を製造する方法。 2.変形工程が、冷間または温熱加工である請求の範囲
第1項に記載の方法。 3.加工が、押出しまたは圧延である請求の範囲第2項
に記載の方法。 4.再結晶化工程および部分融解工程が、同一の加熱操
作において連続的に起こる請求の範囲第1項乃至第3項
のいずれかに記載の方法。 5.完全に凝固した材料が再結晶化に必要な歪みを与え
るために押出し加工され;変形された材料がその再結晶
温度を上回る温度に加熱されて新たな小さなグレーンが
形成され;加熱が固相線の直ぐ上まで継続されて部分融
解が起こり、その結果、液相中で固体グレーンが断片化
されて球体となり、チキソトロピック性材料が得られる
請求の範囲第1項に記載の方法。 6.金属製品または金属合金製品の製造方法であって、 (a)完全に凝固した金属または金属合金材料をその
再結晶温度を下回る温度で変形し、変形した材料を加
熱して、材料の微小構造の再結晶化を行なわせ、そして
材料の温度を固相線温度よりも高くして、再結晶した
構造を部分的に融解させ、チキソトロピック的な挙動を
示す液体マトリックス中に独立した粒子を形成させるこ
とにより、チキソトロピック的に挙動する材料を製造す
る工程; (b)非金属製材料の本体を有するダイを使用して、そ
の固相線を上回る領域でチキソトロピック材料を鋳造、
鍛造または押出しする工程 を備えたことを特徴とする方法。 7.工程(b)が、材料がその高温加熱状態に保持され
ている間に行なわれる請求の範囲第6項に記載の方法。 8.材料が、10乃至12MPaのオーダーの最終圧力を与え
る低い荷重下に成形される請求の範囲第6項または第7
項に記載の方法。
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