JP2975275B2 - 液中集電法によるプリント回路用銅箔表面処理方法 - Google Patents

液中集電法によるプリント回路用銅箔表面処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銅箔を電気化学的に表
面処理する場合に於いて、集電ロールを用いずに電流を
集電する液中集電法によるプリント回路用銅箔表面処理
方法に関するものであり、集電ロールの表面への金属電
析をなくし、これに起因する銅箔品質の低下(押傷又は
打痕、転写等)を解消することのできるプリント回路用
銅箔表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】銅及び銅合金箔(以下、銅箔と称する)
は、電器・電子関連産業の発展に大きく寄与しており、
特に印刷回路材として不可欠の存在となっている。銅箔
には電解銅箔と圧延銅箔とがあるが、プリント回路用と
して使用される銅箔は、品質要求に応じて、樹脂基材と
接着される粗化面(接着面)と光沢面(非接着面)とで
それぞれに多くの表面処理がなされる。一般に、例えば
粗化面では、銅のふしこぶ状の電着を行う粗化処理、
電着粒子の脱落を防止するためのかぶせ層を形成する薄
い銅めっき処理及び必要に応じ金属乃至合金層を形成す
るトリート処理、更に防錆処理が行われる。
【0003】従来のプリント回路用銅箔表面処理プロセ
スにおいては、電流の集電を行なうために、集電ロール
(コンタクトロール又はコンダクターロール)を必要と
していた。すなわち、銅箔製造表面処理ラインにおける
表面洗浄、電着等を行う工程では銅箔を所定の行路に沿
って高速で走行せしめるために数多くのロールが使用さ
れているが、ライン途中に数個の集電ロールが使用され
ている。図8は集電ロールの使用概念図であり、銅箔1
は、電解液中に集電ロール12を回り込んで垂直下方に
入りそして浸漬ロール13、13’により向きを変えて
垂直上方に上昇し、案内ロール14を介して引き出さ
れ、次工程へと送られる。集電ロール12は直流電源1
5と直結されている。電解液中には直流電源15と直結
した陽極板16が銅箔と対面して浸漬され、直流電源の
正極から印加された電流は陽極から銅箔を通して集電ロ
ールに流れそこから直流電源の負極へと流れて回路を完
結する。例えば、集電ロールには1〜3万Aの大電流が
かけられる場合がある。
【0004】従来の集電ロールにおいては、ステンレス
鋼材料を圧延加工にて平板状とし、そこに銅板を張り合
せたクラッド平板を円筒状にベンディングし、その継目
を溶接することによりロール胴を製作していた。しか
し、こうした溶接継目のある集電ロールでは、溶接継目
に起因する銅箔製品品質の低下が起こった。例えば、溶
接継目で電流が不均一となりやすく、また溶接継目と接
触する銅箔を傷つける他に、溶接欠陥部に局部的に電析
する金属粒により銅箔にピンホール、押傷等の不良を発
生させ、また電析金属粒が脱落して銅箔表面に付着する
等の問題を呈した。そこで、ステンレス鋼材料を鍛造
し、押出加工によりシームレスパイプとし、そこに銅パ
イプを焼き嵌めした構造のシームレス集電ロールが提唱
された(特開平4−66696号)。
【0005】集電ロールは一般的に銅箔が十分に乾燥し
ている場所に配置する必要がある。それは、銅箔には水
洗液と共に若干の電解液が付着しているのが通例であ
り、電解液等が付着している場合、集電ロールと銅箔と
の接触部分で金属等の電解析出反応やスパーク等が起こ
り、銅箔品質へ悪影響を及ぼすからである。実際の銅箔
表面処理ラインは、数回の表面処理を高速で行なう必要
があり、ライン途中に数個の集電ロールが配置され夫々
集電されている。ライン途中に於いては銅箔を熱風炉等
で十分に乾燥させることはできないため、金属表面上で
の金属電析、スパーク等の問題を発生し易く、シームレ
ス集電ロールを使用した場合でも、電析する金属粒によ
り銅箔にピンホール、押傷等の不良を発生させ、また電
析金属粒が脱落して銅箔表面に付着する等の問題を呈す
ることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この問題を回避するた
め、現状に於いては、集電ロール上での液切りを目的と
して絞りロールを設置したり、銅箔張力コントロールの
適正化を計ったり、或いは、集電ロールの材料、表面粗
度等の最適化を行っているが、いずれも問題を本質的に
解決するに到っていない。また、集電ロール自体のコス
トが非常に高いことも大きな問題となっている。本発明
は上記の集電ロールに発生する不都合を根本的に解消す
ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】集電ロールに起因する問
題を排除するためには、集電ロール自体を排除し、集電
ロールを用いないで銅箔からの集電を行なう技術を確立
することが必要であるとの結論に達し、検討を重ねた結
果、液中集電法を確立することに成功した。液中集電法
とは、銅箔に印加する陽極板と銅箔から集電する陰極板
を直流電源に直結した状態でいずれも電解液中に配置
し、集電ロールを用いずに必要とする電流を銅箔に印加
集電する方法であり、銅箔の表面処理プロセスに好適に
応用できることが判明したものである。この知見に基づ
いて、本発明は、銅箔に電流を印加するために電源に直
結される陽極板と銅箔から電流を集電するために電源に
直結される陰極板とをいずれも電解浴中に銅箔に対面し
て配置し、集電ロールを用いずに必要とする電流を銅箔
に印加集電して銅箔が陽極となる電気化学反応と銅箔が
陰極となる電気化学反応を併用しながら銅箔を電気化学
的に表面処理することを特徴とする液中集電法によるプ
リント回路用銅箔表面処理方法を提供するものである。
その適用例として、第1の電解槽において陰極板を配置
して銅箔粗化面の電解処理を行いそして後第2の電解槽
において陽極板を配置して銅箔粗化面の表面粗化を行う
組合せや、単独の電解槽において陽極板を使用して銅箔
粗化面の表面粗化を行い、そして陰極板を使用して銅箔
光沢面の電解処理を行う組合せを挙げることができる。
後者の場合、陰極板を陰イオン交換膜により隔離するの
が好都合である。
【0008】
【作用】図1は、液中集電法を銅箔1に対して処理Aを
行う電解槽2と処理Bを行う電解槽3とに応用した場合
の概念図である。直流電源4の正極に直結された陽極板
5と直流電源4の負極に直結された陰極板6とが銅箔に
対面して配列される。矢印が電流の流れを示す。図1に
おいて、処理Aでは銅箔が陽極、そして処理Bでは銅箔
が陰極となるような電気化学反応が成立する。従って、
処理Aでは、電解処理すなわち電解研磨や電解脱脂のよ
うな銅箔から銅や付着物を離脱する電解反応をもたらし
そして処理Bでは表面粗化やめっきのような電着反応を
もたらすことができる。一方、図3又は図5の様に単独
槽に陽極板5と陰極板6を配置することにより、図3に
おいては処理Aと処理Bを銅箔の両面において同時に行
うことができ、又図5においては、銅箔の片面に処理A
と処理Bを連続して行うこともできる。銅箔の表面処理
は多数の工程が関与するので、そのうちから銅箔が陽極
となる電気化学反応処理Aと、銅箔が陰極となるような
電気化学反応処理Bとを上記の様に適宜組合せることに
より、液中集電方式での種々の銅箔表面処理が可能とな
る。
【0009】
〔銅粗化処理条件〕
Cu :5〜50g/l H2 SO4 :10〜100g/l As :0.01〜5g/l 液温 :室温〜50℃ Dk :5〜80A/dm2 時間 :1〜30秒
【0010】粗化処理後に、粒子の脱落を防止するため
のかぶせ層として薄い銅めっき(正常めっき)が行われ
る。例えば次の条件が採用され得る。 〔かぶせ銅薄層めっき条件〕 Cu :30〜100g/l H2 SO4 :10〜200g/l 液温 :室温〜75℃ Dk :5〜60A/dm2 時間 :1〜30秒
【0011】粗化面にCu、Cr、Ni、Fe、Co及
びZnから選択される金属から成る金属層もしくはこれ
ら金属の2種以上の合金から成る合金層を形成するトリ
ート処理を行なうことが好ましい。合金めっきの例とし
ては、Cu−Ni、Cu−Co、Cu−Ni−Co、C
u−Znその他を挙げることが出来る(詳細は、特公昭
56−9028号、特開昭54−13971号、特開平
2−292895号、特開平2−292894号、特公
昭51−35711号、特公昭54−6701号等を参
照のこと)。こうしたトリート処理層は、銅箔の最終性
状を決定するものとしてまた障壁層としての役割を果た
す。
【0012】他方、光沢面には、耐食性及び耐熱酸化性
(大気中、160℃以上×30分、好ましくは200℃
以上×30分、特に好ましくは240℃以上×30分の
条件の下で酸化等の変色を防止すること)を付与するた
めの処理を施す。この様な処理は、公知の方法のいずれ
をも使用することができる。例えば、Znめっきがその
代表例である。その電解条件を挙げておく。 〔Znめっき条件〕 ZnSO4 ・7H2 O:50〜35g/l pH(硫酸) :2.5〜4.5 液温 :40〜60℃ Dk :0.05〜0.4A/dm2 時間 :10〜30秒 Zn付着量は一般に30〜250μg/dm2 とされる。
【0013】そして、耐熱酸化性を高めるために、必要
に応じ、Znめっきに替え、ZnとNi、Co、V、
W、Mo、Sn、Cr等から選択される1種以上の金属
よりなるZn合金めっき処理を行うことができる。例え
ば、Zn−Ni合金処理を例にとると、これは、好まし
くはZn−Ni電解めっき浴を使用して、好ましくは5
0〜97重量%Zn及び3〜50重量%Niの組成のZ
n−Ni合金層を100〜500μg/dm2 の付着量で
ごく薄く形成するようにして実施される。Ni量が3重
量%未満では耐熱酸化性の所要の向上が得られない。他
方Ni量が50重量%を超えると、半田濡れ性が悪化す
ると共に、耐熱酸化性もまた悪化する。Zn−Ni合金
層の付着量が100μg/dm2 未満では、耐熱酸化性の
向上が得られない。他方500μg/dm2 を超えると、
Zn等の拡散により導電性が悪化する。Zn−Ni合金
層は銅箔光沢面の耐熱酸化性を高め、しかも半田濡れ
性、レジスト密着性といった他の特性を損なうことはな
い。付着量は外観が銅色とあまり変わらないようにする
ためにも上記のような薄いものとされる。Zn−Co合
金処理についても同様である。Zn−Niめっき浴及び
Zn−Coめっき浴の組成及び条件例は次の通りであ
る: 〔Zn−Ni(乃至Zn−Co)めっき浴条件〕 Zn :5〜50g/l Ni(乃至Co):1〜50g/l pH :2.5〜4 温度 :30〜60℃ 電流密度 :0.5〜5A/dm2 めっき時間 :0.1〜10秒
【0014】その後、粗化面及び光沢面にCr系防錆処
理が施される。Cr系防錆層とは、(1)クロム酸化物
の単独皮膜処理或いは(2)クロム酸化物と亜鉛及び
(又は)亜鉛酸化物との混合皮膜処理或いは(3)それ
らを組合せにより形成されたクロム酸化物を主体とする
防錆層を云う。
【0015】クロム酸化物の単独皮膜処理に関しては、
浸漬クロメートも使用しうるが、電解クロメートが多く
使用される。耐候性が要求されるときには、電解クロメ
ートが好ましい。例えば、電解クロメート処理の条件例
は次の通りである: (電解クロメート処理): K2 Cr27 :0.2〜20g/l (Na2 Cr27 、CrO3 ) 酸 :りん酸、硫酸、有機酸 pH :1.0〜3.5 液温 :20〜40℃ Dk :0.1〜0.5A/dm2 時間 :10〜60秒 Cr付着量は50μg/dm2 以下、好ましくは15〜3
0μg/dm2 である。
【0016】クロム酸化物と亜鉛/亜鉛酸化物との混合
物皮膜処理とは、亜鉛塩又は酸化亜鉛とクロム酸塩とを
含むめっき浴を用いて電気めっきにより亜鉛又は酸化亜
鉛とクロム酸化物とより成る亜鉛−クロム基混合物の防
錆層を被覆する処理であり、電解亜鉛・クロム処理と呼
ばれる。めっき浴としては代表的に、K2 Cr27
Na2 Cr27 等の重クロム酸塩やCrO3 等の少な
くとも一種と、水溶性亜鉛塩、例えばZnO、ZnSO
4 ・7H2 O等の少なくとも一種と、水酸化アルカリと
の混合水溶液が用いられる。代表的なめっき浴組成と電
解条件例は次の通りである: (電解亜鉛・クロム処理): K2 Cr27 (Na2 Cr27 又はCrO3 ) :2〜10g/l NaOH又はKOH :10〜50g/l ZnO又は ZnSO4 ・7H2 O:0.05〜10g/l pH :7〜13 浴温 :20〜80℃ 電流密度 :0.05〜5A/dm2 時間 :5〜30秒 アノード :Pt−Ti板、ステンレス鋼板
等 クロム酸化物はクロム量として15μg/dm2 以上そし
て亜鉛は30μg/dm2以上の被覆量が要求される。粗
化面側と光沢面側とで厚さを異ならしめても良い。こう
した防錆方法は、特公昭58−7077、61−339
08、62−14040等に記載されている。クロム酸
化物単独の皮膜処理及びクロム酸化物と亜鉛/亜鉛酸化
物との混合物皮膜処理の組合せも有効である。
【0017】このように、銅箔の粗化面は、電解脱脂
(圧延銅箔の場合のみ)−表面粗化−かぶせ銅薄層めっ
き−トリート処理−防錆処理等の工程を経由し、他方銅
箔の光沢面も、アルカリ脱脂(圧延銅箔の場合のみ)−
耐食性・耐熱酸化処理−防錆処理等の工程を経由する。
以下、銅箔のいくつかの処理例について液中集電方式を
説明する。
【0018】(実施例1):電解処理と粗化処理との組
合せ例 本例は、圧延銅箔の電解処理と粗化処理とを2つの別個
の電解槽で実施する例を示す。ここでは、図1の処理A
が電解処理(具体的には電解脱脂)にそして処理Bが粗
化処理に相当する。図2に示すように、電解槽2には電
解処理のためのアルカリ系溶液、例えば30〜50℃の
NaOH:5〜50g/lの水酸化ナトリウム水溶液が
収納される。電解槽3には銅箔粗化のために用いられる
一般的な硫酸銅溶液(例えば、Cu:10〜50g/
l、H2 SO4 :50〜100g/l)が収納される。
更に、電解槽2には、直流電源4の負極に直結されたス
テンレス鋼板のような電解処理用陰極が陰極板6として
設置される。電解槽3には、直流電源4の正極に直結さ
れた可溶性陽極又は不溶性陽極である粗化用陽極が陽極
板5として設置される。直流電源4から、電解槽3にお
いて電流密度5〜50A/dm2 となるような電流が流
される。銅箔1は、その粗化面において、電解槽2内で
電解処理(具体的には電解脱脂)された後、電解槽3内
で銅のふしこぶ状の電着を行う粗化処理を受ける。上記
条件にて、プリント回路用銅箔の粗化処理を実施したと
ころ全表面にわたり均質な表面処理と良好なピール特性
を得る事が出来た。
【0019】(実施例2):表面処理槽単独での銅箔両
面処理例(その1) 図3に示すように、直流電源4の正極を陽極板5にそし
てその負極を陰極板6に夫々接続する。陽極板5と陰極
板6とは、電解槽7内で銅箔1の行路に対向して配置さ
れ、陰極板6はカウンター陰極を構成する。電解槽7内
には、銅箔粗化のために用いられる一般的な硫酸銅溶液
(例えば、Cu:10〜50g/l、H2 SO4 :50
〜100g/l)が収納される。これにより粗化面で
は、陽極板5による銅粗化処理反応が行われ、他方光沢
面では陰極板6による電解処理(具体的には電解研磨)
反応が夫々形成され、集電ロールを用いずに良好で且つ
均質な処理面と、ピール特性を有する銅箔を製造するこ
とができた。
【0020】従来の集電ロールを用いると、集電ロール
に電析する金属物の転写、押傷等により数ケ〜10数ケ
/kmの不良発生率であったものが、不良発生率を完全
に0ケ/kmに維持することが可能となった。この場
合、光沢面の電解研磨反応により、表面の特性や外観の
変化等が懸念されたが、この問題は、陰極板6の電流密
度を最適化すること等により完全に解決することができ
た。すなわち、陰極板6を一部マスキングし電流密度を
上昇させることにより、意外にもあまり電解研磨されな
いことも判明した。その理由としては、光沢面の比較的
尖っている所等に電流が集中し、光沢面を全体的に平滑
化させているものと推定される。
【0021】(実施例3):表面処理槽単独での銅箔両
面処理例(その2) 実施例2の不都合として、陰極板6に銅析出反応が形成
されるため、定期的にその取替作業を必要とする。そこ
でこの問題を解決するために、図4に示すように、陰極
板6と銅箔1との間に陰イオン交換膜8を配置した例で
ある。実用的には、陰極板6全体を陰イオン交換膜8で
覆い、その内部を硫酸のみとすることが好ましい。実施
条件は実施例2に準じる。
【0022】(実施例4):表面処理槽単独での銅箔片
面連続処理例 図5に示すように、直流電源4からの陽極板5と陰極板
6とを銅箔の粗化面のみに対して配置し、陰極板6にお
いて電解処理(具体的には電解研磨)そして陽極板5に
おいて銅粗化処理反応を行った。陰極板6と銅箔1との
間に陰イオン交換膜8を配置した。光沢面には何ら特性
上、外観上の変化を与えることなく非常に良好なピール
特性を持つプリント回路用銅箔を得ることが出来た。
【0023】(実施例5):表面処理槽単独での銅箔両
面処理例(その3) 本例は銅箔両面連続処理例である。図6に示すように、
直流電源4からの陽極板5と陰極板6そして直流電源
4’からの陽極板5’と陰極板6’とを銅箔1に対して
配置し、陰極板6において銅箔粗化面の電解処理(具体
的には、電解研磨)そして陽極板5において銅箔光沢面
に銅の電着反応を行うと共に、陰極板6’において銅箔
光沢面の電解処理(具体的には、電解研磨)そして陽極
板5’において銅箔粗化面に粗化処理反応を行った。な
お、陰極板6と銅箔1との間及び陰極板6’の周りに陰
イオン交換膜8を配置した。
【0024】具体的には、陽極板5に10A/dm2 ×
28秒そして陰極板6に80A/dm2 ×3.5秒、ま
た陽極板5’に70A/dm2 ×4秒そして陰極板6’
に320A/dm2 ×0.88秒、通電した後、粗化面
に30A/dm2 ×7.2秒正常めっきを施したもの
は、2.25kg/cmの常態ピール強度を示し、光沢
面は何ら特性上、外観の変化はなかった。
【0025】一方、図7に示すように、集電ロールを用
いた従来法により、銅箔の粗化面に2段処理により粗化
処理を行った。陽極板16に70A/dm2 ×2秒、陰
極板16’に70A/dm2 ×2秒通電した後、粗化面
に30A/dm2 ×7.2秒正常めっきを施したもの
は、2.11kg/cmの常態ピール強度であった。
【0026】この例からも判る様に、本発明の液中集電
方式を持ちいた場合、粗化処理前の電解研磨は、常態ピ
ール強度に対して少なくとも悪影響を及ぼさず、集電ロ
ールに起因する金属物の転写、押傷等による不良発生を
完全に防止でき、非常に有効である。
【0027】
【発明の効果】
1.押傷、打痕等のない無欠陥銅箔の製造を可能にす
る。 2.集電ロールを必要としない低コストの表面処理を可
能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】液中集電法を銅箔に対して処理Aを行う電解槽
と処理Bを行う電解槽とに応用した場合の概念図であ
る。
【図2】本発明により電解処理と粗化処理とを2つの別
個の電解槽で実施する例を示す。
【図3】本発明による表面処理槽単独での銅箔両面処理
例を示す。
【図4】本発明による陰イオン交換膜を使用する表面処
理槽単独での銅箔両面処理例を示す。
【図5】本発明による陰イオン交換膜を使用する表面処
理槽単独での銅箔片面連続処理例を示す。
【図6】本発明による陰イオン交換膜を使用する表面処
理槽単独での銅箔両面処理例の別の連続処理の具体例を
示す。
【図7】従来法での銅箔片面連続処理例を示す。
【図8】銅箔製造表面処理ラインの一部における従来か
らの集電ロールの使用概念図である。
【符号の説明】
1 銅箔 2、3、7 電解槽 4、4’ 直流電源 5、5’ 陽極板 6、6’ 陰極板 8 陰イオン交換膜 9、9’、9”、9’” 案内ロール 10、10’ 浸漬ロール 12、12’ 集電ロール 13、13’ 浸漬ロール 14 案内ロール 15、15’ 直流電源 16、16’ 陽極板

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅箔に電流を印加するために電源に直結
    される陽極板と銅箔から電流を集電するために電源に直
    結される陰極板とをいずれも電解浴中に銅箔に対面して
    配置し、集電ロールを用いずに必要とする電流を銅箔に
    印加集電して銅箔が陽極となる電気化学反応と銅箔が陰
    極となる電気化学反応を併用しながら銅箔を電気化学的
    に表面処理することを特徴とする液中集電法によるプリ
    ント回路用銅箔表面処理方法。
  2. 【請求項2】 第1の電解槽において陰極板を配置して
    銅箔粗化面の電解処理を行いそして後第2の電解槽にお
    いて陽極板を配置して銅箔粗化面の表面粗化を行う請求
    項1のプリント回路用銅箔表面処理方法。
  3. 【請求項3】 単独の電解槽において陽極板を使用して
    銅箔粗化面の表面粗化を行い、そして陰極板を使用して
    銅箔光沢面の電解処理を行う請求項1のプリント回路用
    銅箔表面処理方法。
  4. 【請求項4】 陰極板を陰イオン交換膜により隔離する
    請求項3のプリント回路用銅箔表面処理方法。
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