JP2971473B2 - インクジェットヘッド及び該ヘッド用基体の製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッド及び該ヘッド用基体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、インクを吐出してインクの液滴を形成し、
それを紙などの被記録材に付着させて記録を行なうイン
クジェット記録装置に用いられるインクジェットヘッド
及び該ヘッド用基体の製造方法に関する。
[従来の技術] インクジェット記録法は、インクジェット記録ヘッド
に設けられた吐出口からインク(記録液)を吐出させ、
これを紙などの被記録材に付着させて記録を行なう記録
方法であり、騒音の発生が極めて少なく、かつ高速記録
が可能であり、しかも普通紙などに対して、即ち特別な
記録用紙を用いないでも記録が行なえるという多くの利
点を有し、種々のタイプの記録ヘッドが開発されてい
る。
なかでも、例えば、特開昭54−59936号公報およびド
イツ公開(DOLS)第2843064号公報に記載されているよ
うな熱エネルギーをインクに作用させて吐出口から吐出
させるタイプの記録ヘッドは、記録信号に対する応答性
が良い、吐出口の高マルチ化が容易であるなどの利点を
有する。
このようなインクを吐出するために利用されるエネル
ギーとして熱エネルギーを利用するタイプの記録ヘッド
の代表的構成を第6図(A)および(B)に示す。
この記録ヘッドは、支持体1の絶縁性を示す表面上
に、電気エネルギーをインクを吐出するために利用され
る熱エネルギーに変換するために設けられた電気熱変換
体が配列され、更に必要に応じて電気熱変換体の、少な
くとも最終的に液路6とインクの供給口9に連通する液
室10の下に位置する発熱抵抗体2と電極3上に保護層と
しての上部層4を設けた基体と、液路6および液室10等
を形成するための凹部を有する覆い部材5と、を接合し
た構成を有する。
この記録ヘッドにおけるインクを吐出するために利用
されるエネルギーは、一対の電極3とこれら一対の電極
間に位置する発熱抵抗体2とを有する電気熱変換体によ
って付与される。即ち、電極3に電流を印加して、発熱
抵抗体を発熱させると、発熱部8付近にある液路6中の
インクが瞬間的に加熱されてそこに気泡が発生し、その
気泡の発生による瞬間的な体積膨張と収縮による体積変
化によって吐出口7からインクの液滴が吐出される。
[発明が解決しようとする課題] 上述のような記録ヘッドの構成における基体の発熱抵
抗体や電極上に設けられる保護層としての上部層は、イ
ンクとの接触やインクの浸透による発熱抵抗体や電極に
おける電蝕や電気的絶縁破壊を防止するという目的で設
けられるものであり、欠陥がなく、被覆性(ステップカ
バレージ)が良好でなければならない。
このような観点から、上部層を構成する材料やその形
成方法についての種々の検討がなされている。
例えば、特開昭60−234850号公報には、上部層として
バイアススパッタ法で形成した層を用いた構成が開示さ
れている。
このようなバイアススパッタ法で上部層を形成する
と、欠陥が少なく、被覆性(ステップカバレージ)が良
好になり、耐久性が向上する。また、スパッタ法とくら
べると音じ膜厚でも、欠陥を少なくできるので、膜厚を
薄くすることができる。したがって特性向上、コストダ
ウンができる。
ところが、バイアススパッタ法による上部層の形成に
おいては、なお解決すべき問題が残されている。即ち、
バイアススパッタ層を有する上部層を設けた基体を用い
て作成した記録ヘッドにおいては、印字不良や耐久性の
低下などの欠陥が生じることがある。
また、例えば特開昭59−194866号公報に記載されてい
るような、より多くの特性を機能的に持たせるために多
層構成とした保護層の少なくとも1層に、このバイアス
スパッタ法によって形成した層(バイアススパッタ層)
を用いた場合、良好な保護機能を持つ保護膜が必ずしも
得られないことがあるという問題が生じた。
例えば、バイアススパッタ法でSiO2などの無機絶縁物
層を形成し、更にその上にTaなどの高融点金属をスパッ
タ法により積層した場合などには、バイアススパッタ層
の特にステップ部(電極の層パターンの段差部)にクラ
ックの発生が顕著であり、その部分での保護層に剥離が
生じ易く、またこのような構成の基板を用いて作成され
た記録ヘッドにおいては、低い電圧で電極および発熱抗
体の破断が起こることがあり、信頼性に劣り、また例え
ばステップストレス試験などの耐久試験における耐久性
が低い場合があった。
このように、保護層としてバイアススパッタ層を用い
た場合、なかでも多層構成とした場合に、バイアススパ
ッタ層を用いる利点を活かしきれないばかりか、良質な
保護層を形成できないという問題があった。
本発明の目的は、バイアススパッタ層の保護層への効
果的な適用を可能とすることにある。
本発明の他の目的は、バイアススパッタ層を有する保
護層が設けられた、信頼性が高く、耐久性に優れたイン
クジェットヘッド及び該ヘッド用基体の製造方法を提供
することである。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成する本発明は、以下の各発明を含む。
1)支持体と、 該支持体上に設けられ、発熱抵抗体と該発熱抵抗体に
電気的に接続された一対の電極とを有する電気熱変換体
と、 該電気熱変換体上に設けられた第1の上部層と、 該第1の上部層上に設けられた第2の上部層と、 液体を吐出する吐出口に連通し、前記一対の電極間に
形成された前記電気熱変換体の発熱部に対応して前記支
持体上に形成された液路と、 を有するインクジェットヘッドの製造方法において、 前記第1の上部層をバイアス電圧の絶対値が20V以下
であるバイアススパッタ法で形成する工程と、 前記第2の上部層をバイアス電圧の絶対値が100V以上
であるバイアススパッタ法で形成する工程と、 を含むことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方
法。
2)支持体と、 該支持体上に設けられ、発熱低抗体と該発熱低抗体に
電気的に接続された一対の電極とを有する電気熱変換体
と、 該熱変換体上に設けられた第1の上部層と、 該第1の上部層上に設けられた第2の上部層と、 を有するインクジェットヘッド用基体の製造方法におい
て、 前記第1の上部層をバイアス電圧の絶対値が20V以下
であるバイアススパッタ法で形成する工程と、 前記第2の上部層をバイアス電圧の絶対値が100V以上
であるバイアススパッタ法で形成する工程と、 を含むことを特徴とするインクジェットヘッド用基体の
製造方法。
本発明は、以下のような本発明者の知見に基づいてな
されたものである。
即ち、本発明者は前記したような欠陥の原因について
分析し検討した結果、バイアススパッタの操作条件、特
にバイア電圧に応じて前記したような欠陥の生じる頻度
が異なるとの知見を得るに至り、それぞれの操作条件を
特定した異なるバイアススパッタ工程を組合わせたバイ
アススパッタ法での層形成によって、品質の良いインク
ジェッ記録ヘッドおよび該ヘッドを形成するために用い
られる基体を作製できるとの結論を得て本発明を完成し
た。
バイアススパッタ法はGNDよりターゲット側の電位を
下げる(スパッタ法)と同時に、成膜用基板をGNDより
電位を下げることを行う方法である。具体的に言えば、
例えばArイオン(Ar+)がターゲット側をたたくと同時
に成膜用基板側もたたく(スパッタエッチング)ように
したものである。
ところが、このバイアススパッタ法による成膜では、
成膜用基板をスパッタエッチングしてしまうために、成
膜用基板として支持体上に第6図に示したような電気熱
変換体が形成されたものを用いて成膜を行うと、支持体
上の電気熱変換体にダメージを与えることがある。
特に発熱抵抗体の層は極薄い膜として形成されること
が多く、バイアススパッタ工程中でこの発熱抵抗体の局
部的にスパッタエッチングされて、その部分に膜厚の減
少が起きると、結果的に発熱抵抗体に設計どおりの膜厚
が得られず、そのようにして作成した基体を用いた記録
ヘッドでは、駆動時に発熱抵抗体に局部的電力集中に起
き易くなり、耐久性の低下の要因となる。
このような欠陥は、バイアス電圧が高いほど顕著にな
る。
ところが、被覆性が良く、機能的にも優れた上部層を
得るにはバイアス電圧を高く設定する必要があり、バイ
アス電圧を低くすると、特に上部層の被覆性自体に問題
が生じることがある。
本発明者はこのようなバイアス電圧と記録ヘッド用基
体の品質との関係を解析した結果、操作条件を特定した
異なるバイアススパッタ工程を組み合わせてバイアスス
パッタ層を形成することにより上述のような問題を解消
できることを見い出した。
即ち本発明の方法においては、電気熱変換体が設けら
れている基体面の上に、まず低電圧のバイアス電圧を用
いたバイアススパッタ層を形成し、次にこのようにして
形成したバイアススパッタ層上に、主に良好な被覆性を
得るのに必要な高バイアス電圧を用いたバイアススパッ
タ層を積層する。
低電圧のバイアス電圧を用いた第1のバイアススパッ
タ工程に用いる電圧は、絶対値が20V以下となるように
設定され、また高バイアス電圧を用いた第2のバイアス
スパッタ工程で用いる電圧は、絶対値が100V以上に設定
される。
このような少なくとも2段階に分割したバイアススパ
ッタ工程によって、支持体上の電気熱変換体に悪影響を
およぼすことなく、また被覆性および密着性が良く、か
つ良好な機能を有する上部層を形成できる。具体的に
は、第1の低電圧でのバイアススパッタ工程では、バイ
アス電圧が充分に低いので、支持体上の電気熱変換体に
ダメージを与えることがない。更に、第2のバイアスス
パッタ工程では、第1のバイアススパッタ工程で形成さ
れた層により電気熱変換体の設けられている基体表面が
スパッタエッチングから保護されるので、所望の機能を
有する上部層を得るのに必要な高バイアス電圧での成膜
が実施できる。
その結果、被覆性が良く、良好な機能を有するバイア
ススパッタ層を得ることができる。しかも、得られたバ
イアススパッタ層の支持体側との密着性にも優れてい
る。
なお、バイアススパッタ層を形成する際には、上記の
ように2段階にバイアスパッタ工程を分割し実施しても
良いし、3段階以上に分割して行なっても良いが、その
場合でも、支持体側との接触面を構成する層の形成には
低電圧(絶対値が20V以下)でのバイアススパッタ工程
が用いられる。
また、例えば、バイアススパッタ層と該バイアススパ
ッタ層上に設けられた高融点金属からなる層とを有する
多層構成の保護膜において、特にそのステップ部におい
てのクラックの発生による保護層の剥離という問題は、
主にバイアススパッタ層内の残留応力によって引き起さ
れていると考えられ、この残留応力を緩和してやること
により前記したような問題を解消できる。
すなわち、バイアススパッタ層の残留応力が高いと、
これが構造的に密着力の弱いステップ部に作用して、そ
こに亀裂が生じさせ、それが剥離の原因となる。しか
も、高融点金属から成る薄膜は圧縮応力が大きく、高融
点金属がバイアススパッタ層上に積層されると高融点金
属の圧縮応力がバイアススパッタ層自身の圧縮応力を増
長するような作用して、このような欠陥の発生がより顕
著となる。
また、ステップストレス試験等においての信頼性に係
る問題は、バイアススパッタ層自身の残留応力の程度に
起因していると考えられる。即ち、ステップストレス試
験は熱サイクルの加速試験であり、該試験における信頼
性の低下は保護層にすでに生じているバカレやワレが、
あるいは該試験時において発生あるいは進行したハガレ
やワレがその主な原因となる。したがって、バイアスス
パッタ層の形成時に該層自体にすでにハガレやワレ部分
が生じていたり、あるいは該層がこれらの欠陥が生じ易
い状態にあると考えられる。しかもこれらの欠陥の原因
は、該層の残留応力にあると考えられる。
従って、バイアススパッタ層の残留応力を十分に小さ
くすることで、これらの問題を解決できる。
本発明の方法においては、バイアススパッタ法による
層の形成後に、該層をアニール処理することによりバイ
アススパッタ層の残留応力を取り除き、上述の問題点を
解消するものである。
本発明においては、前記したバイアススパッタ法を用
いて例えばSiO2、TiO2、WO3、Ta2O5他金属酸化物、Si3N
4、AlNなどの高抵抗窒化物その他高抵抗半導体などの材
料を用いて保護層を構成する少なくとも一層を形成す
る。
バイアススパッタ法による層形成の後に行なうアニー
ル処理は、アニール処理すべきバイアススパッタ層の種
類やその形成に用いたバイアススパッタ法の操作条件な
どに応じて、上述のようにバイアススパッタ層の残留応
力を効果的に減少させるのに必要な加熱条件が適宜選択
されて実施される。
この温度条件としては、300℃以上が望ましく、好適
には400℃以上である。上限は、電極の材料が耐えられ
る温度であれば良い。
またこのアニール処理に際しては、熱変性などの防止
をするために、N2などの不活性気体雰囲気下で行なうの
が望ましい。
更に、本発明者はバイアススパッタ層における残留応
力について上記のような観点から種々検討を加えた結
果、圧縮応力をマイナスとした場合の残留応力を−2.5
×109dyn/cm2以上に設定することで上記のような問題を
解消できるとの知見を得るに至り、本発明を完成した。
この点については、以下に、図面により更に詳細に説
明する。
第1図は本発明のインクジェット記録ヘッド用基体の
一例を示す第2図(A)及び(B)の構成を説明するた
めの参考模式図であり、第1図(A)はその主要部の平
面図、第1図(B)は第1図(A)のX−Y線断面部分
図である。
この基体は、支持体1上に一対の電極3a,3bと発熱抵
抗体2とを有する電気熱変換体が設けられ、更に保護膜
として、層4−1、層4−2および層4−3を有し、層
4−2は第2図(B)の層4bに相当し、層4−1は、第
2図(B)に示す層4a−1及び4a−2の2層構成からな
り、これらの層は前述したバイアス電圧の異なるバイア
ススパッタ法で形成される。
支持体1、電極3a,3b、発熱抵抗体2としては、通常
のインクジェット記録ヘッド用基体の形成に用いられて
いるものが利用できる。
保護膜を構成する層4−1は圧縮応力をマイナスとし
た場合の残留応力を−2.5×109dyn/cm2以上とするのに
必要な条件でのバイアスパッタ法で形成される。
バイアススパッタ層4−1の構成材料としては、例え
ばSiO2、WO3、Ta2O5他金属酸化物、Si3N4、AlNなどの高
抵抗窒化物その他高抵抗半導体などの材料を挙げること
ができる。
また、保護層に用いるバイアススパッタ層以外の層4
−2、4−3としては、例えば層4−2層として、高融
点金属W、Mo、Taなどが良い。層4−3としてはポリイ
ミドなどの有機物が良い。
薄膜形成とは、薄膜の形成過程において、薄膜物質の
基板への拘束という条件下での急冷過程であり、薄膜物
質が体積変化が生じるにもかかわらず原子配列の十分な
緩和が行なわれずに薄膜内部に歪を生じ、これが応力発
生をもたらす。
本発明でいう残留応力σとは、このようにして発生す
る応力をいい、例えば測定方法として長いたんざく状の
硝子に薄膜を形成し、そのガラスのそり量を測定し、 で算出することができる。
E :ガラスのヤング率 υ:ガラスのポアソン比 b :ガラスの厚さ :ガラスの長さ d :薄膜の厚さ δ:基板先端の変位(ガラスのそり量) 本発明に用いるバイアススパッタ法における操作条件
は、用いる材料や得ようとする層の特性に応じて適宜選
択すれば良いが、圧縮応力をマイナスとした場合の残留
応力を−2.5×109dyn/cm2以上となるように、例えばス
パッタパワー、スパッタガス圧、バイアス電圧などを制
御すれば良い。例えば、以後の実施例において用いられ
ているような本発明者による方法が特に有用である。
本発明において、保護層に用いるバイアススパッタ層
以外の層としては、例えばTa、W、Moなどの高融点金属
などの材料を用いた、蒸着法やスパッタ法などの各種の
成膜法で成膜し得るもの、ポリイミド、ポリアミド、ポ
リイミドアミド、環化ゴムなどの有機被膜など、通常の
記録ヘッド用気体の保護層に用いられているものを利用
できる。
以上の構成の記録ヘッド用基体を用いて、例えば第6
図に示す構成のインクジェットヘッド等を作製できる。
上述の構成のインクジェット用基体を用いてインクジ
ェットヘッドを作製する場合、即ち例えば第6図の液路
6および液室10とを有する路を形成する場合、先ず路の
壁を感光性樹脂等を用いて形成し、しかる後前記壁を形
成している部材に天板を接合してもよい。
なお、本発明の方法は、バイアススパッタ法によって
形成された層を有する保護層としての上部層をその構成
の一部とするインクジェット記録ヘッド及び該ヘッドを
形成するために用いられる基体に対してならばどのよう
な構成のものについても適用できる。
例えば前記した例では、吐出口からインクが吐出する
方向と液路のエネルギー発生手段が設けられた個所へイ
ンクが供給される方向とがほほ同じであるヘッドを挙げ
たが、本発明はこれに限られるものではない。本発明
は、例えば、吐出口からインクが吐出する方向と液路の
エネルギー発生手段が設けられた個所へインクが供給さ
れる方向とが異なる(例えば前記二つの方向が互いにほ
ぼ垂直である)ヘッドに対しても適用できるものであ
る。
また、本発明において、発熱抵抗体の層と電極の層と
は上下を逆にして形成しても良い。
第5図は、本発明に係るインクジェットヘッドを具備
するインクジェット装置の目式的斜視図である。第5図
において、1000は装置本体、1100は電源スイッチ、1200
は操作パネルである。
以下、実施例にしたがって本発明を更に詳細に説明す
る。
実施例1 第2図(A)および(B)に示すような構成のインク
ジェット記録ヘッド用基体を以下のようにして作成し
た。
まず、熱酸化によって形成されたSiO2層(5μm)を
表面に有する支持体としてのシリコンウエハー1上に、
発熱低抗体の層2としてHfB2をスパッタ法で膜厚0.2μ
mに積層した〔第3図(A)参照〕。
次に、電極の層3としてA1を膜厚0.6μmに蒸着さ
せ、更にフォトリソ技術を用いてこれらの層をパターニ
ングし、一対の電極3a、3b間に発熱部8が設けられた電
気熱変換体を形成した〔第3図(B)参照〕。
続いて、支持体1上の電気熱変換体上に、まず以下の
条件でのバイアススパッタ法によってSiO2からなる層4a
−1(膜厚1μm)を積層した〔第3図(C)参照〕。
スパッタパワー:7.6W/cm2 バイアス電圧:−20V スパッタガス種:Ar スパッタガス圧:5×10-1Pa 基板・ターゲット間隔:80mm 次に層4a−1上にバイアス電圧を−150Vとした以外は
上記と同様の条件でのバイアススパッタ法によってSiO2
からなる層4a−2(膜厚0.9μm)を積層した〔第3図
(D)参照〕。
更に、Taからなる層4b(膜厚0.6μm)をスパッタに
より積層しインクジェット記録ヘッド用基体を得た〔第
2図(B)参照〕。
更に、上記の操作を繰り返して記録ヘッド用基体を多
数作成した。
次に、層4a−1、4a−2の形成時のバイアス電圧をと
もに−150Vとする以外は上記と同様にしてインクジェッ
ト記録ヘッド用基体を得た。
このようにして得られた多数の基体についてステップ
ストレス試験を行なって評価した。無差別に抽出した3
つのサンプルについての結果を表1に示す。
このステップストレス試験においては、一対の電極間
に周波数3kHz、パルス幅10μSの矩形波をその電圧を徐
々に上げながら印加し、破断電圧を測定し、測定された
破断電圧(Vth)から以下の式によってMが求められ
た。
M=Vth/Vb Vb:発泡電圧 なお、この式によって求められる値Mは、基体の電気
熱変換体の信頼性を示し、製品形態時の信頼性の加速試
験として用いられている値を表し、その値が1.3以下で
あると製品としてあまり実用的でない。
表1の結果からも明らかなように最初から高バイアス
電圧で形成した上部層を有する基体では、電気変換体で
の電流集中が局部的に起き易く、M値がばらつき、しか
もMが1.3以下のものも含まれており製品としての信頼
性に劣っていた。
これに対し、低バイアス電圧と高バイアス電圧との工
程を組合せた本発明の方法によって作製された基板で
は、M値のばらつきが少なく、信頼性の高い基体である
ことが確認された。
しかも、本発明の方法で作製された基体における上部
層のハガレやキレツなどの欠陥の発生率も極めて低く、
またそのステップカバレージも良好であった。
参考例1 第1図(A)および(B)に示すような構成のインク
ジェット記録ヘッド用基体を以下のようにして作成し
た。
まず、熱酸化によって形成されたSiO2層(5μm)を
表面に有する支持体としてのシリコンウエハー1上に、
発熱低抗体の層2としてHfB2をスパッタ法で膜厚0.2μ
mに積層した〔第4図(A)参照〕。
次に、電極の層3としてA1を膜厚0.6μmに蒸着さ
せ、更にフォトリソ技術を用いてこれらの層をパターニ
ングし、一対の電極3a、3b間に発熱部8が設けられた電
気熱変換体を形成した〔第4図(B)参照〕。
続いて、支持体1上の電気熱変換体上に、以下の条件
でのバイアススパッタ法によってSiO2からなる層4−1
(膜厚1.0μm)を積層した後、これを400℃、窒素ガス
雰囲気下で60分間アニール処理した〔第4図(C)参
照〕。
スパッタパワー:7.6W/cm2 バイアス電圧:−100V スパッタガス種:Ar スパッタガス圧:5×10-1Pa 基板・ターゲット間隔:80mm 次に層4−1上にTaからなる層4−2(膜厚0.6μ
m)をスパッタで積層し〔第4図(D)参照〕、更に層
4−3としてポリイミド層(3.0μm)を積層し、イン
クジェット記録ヘッド用基体を得た〔第1図(B)参
照〕。
更に、上記の操作を繰り返して記録ヘッド用基体を多
数作成した。
次に、アニール処理を行なわない以外は上記と同様に
してインクジェット記録ヘッド用基体を得た。
このようにして得られた多数の基体についてステップ
ストレス試験を行なって評価した。その結果を表2に示
す。
なお、表2に示された結果は、基体3個あたりの平均
値である。
参考例2 バイアススパッタにおける、バイアス電圧を−200Vと
する以外は参考例1と同様にして基体を多数作成した。
参考例1と同様にして行なったステップストレス試験
による評価結果を表2に示す。
参考例3 スパッタパワーおよびバイアス電圧をそれぞれ4.8W/c
m2、−200Vとする以外は参考例1と同様にして基体を多
数作成した。
参考例1と同様にして行なったステップストレス試験
による評価結果を表2に示す。
参考例4 第1図(A)および(B)に示すような構成のインク
ジェット記録ヘッド用基体を以下のようにして作成し
た。
まず、熱酸化によって形成されたSiO2層(5μm)を
表面に有する支持体としてのシリコンウエハー1上に、
発熱低抗体の層2としてHfB2をスパッタ法で膜厚0.2μ
mに積層した。
次に、電極の層3としてA1を膜厚0.6μmに蒸着さ
せ、更にフォトリソ技術を用いてこれらの層をパターニ
ングし、一対の電極3a、3b間に発熱部8が設けられた電
気熱変換体を形成した。
続いて、支持体1上の電気熱変換体上に、スパッタパ
ワーとバイアス電圧を表3に示すように種々変更した以
外は以下の条件でのバイアススパッタ法によってSiO2
らなる層4−1(膜厚1.0μm)を積層した。
スパッタガス種:Ar スパッタガス圧:5×10-1Pa 基板・ターゲット間隔:80mm 次に層4−1上にTaからなる層4−2(膜厚0.6μ
m)をスパッタで積層し、更にポリイミド(層厚3.0μ
m)4−3を設けてインクジェット記録ヘッド用基体を
得た。
このようにして得られた多数の基体についてステップ
ストレス試験を行なって評価した、 これとは別に、バイアススパッタ層のみをガラス基体
上に上記と同様の条件で作成し、その残留応力を先に述
べた方法により測定した。
得られたバイアススパッタ層の圧縮応力をマイナスと
した場合の残留応力の値と、ステップストレス試験によ
る評価の結果を表3に示す。
参考例5 バイアススパッタにおける基板・ターゲット間距離を
表4に示すように種々変更した以外は以下の条件でのバ
イアススパッタ法を用いる以外は参考例4と同様にして
基体を作成した。
スパッタパワー:7.6W/cm2 スパッタガス種:Ar スパッタガス圧:5×10-1Pa バイアス電圧:−100V 得られた基体における、参考例4と同様にして行なっ
たステップストレス試験による評価結果と残留応力測定
値を表4に示す。
参考例6 スパッタガス圧を表5に示すように種々変更した以外
は以下の条件でのバイアススパッタ法を用いる以外は参
考例4と同様にして基体を作成した。
スパッタパワー:7.6W/cm2 スパッタガス種:Ar 基板・ターゲット間隔:80mm バイアス電圧:−100V 得られた基体における、参考例4と同様にして行なっ
たステップストレス試験による評価結果と残留応力測定
値を表5に示す。
実施例2 第3図(C)の工程から第3図(D)の工程に移る際
に、バイアス電圧を−20Vから−150Vに短時間で急に変
えずに徐々に連続的に変えた以外は、実施例1と同様に
して本発明に係るインクジェット用基体を作成した。
本実施例においても、信頼性の高いインクジェット用
基体を作成することができた。
実施例3 第2図(B)の層4bを形成しないことを除いて、実施
例1と同様にして本発明に係るインクジェット用基体を
作成した。
本実施例においても、信頼性の高いインクジェット用
基体を作成することができた。
実施例4 第2図(B)の層4bを形成しないことを除いて、実施
例2と同様にして本発明に係るインクジェット用基体を
作成した。
本実施例においても、信頼性の高いインクジェット用
基体を作成することができた。
参考例7 第1図(B)の層4−2を形成しないことを除いて、
参考例1と同様にして本発明に係るインクジェット用基
体を作成した。
本実施例においても、信頼性の高いインクジェット用
基体を作成することができた。
参考例8 第1図(B)の層4−2及び層4−3を形成しないこ
とを除いて、参考例1と同様にして本発明に係るインク
ジェット用基体を作成した。
本実施例においても、信頼性の高いインクジェット用
基体を作成することができた。
参考例9 第1図(B)の層4−2を形成しないことを除いて、
参考例2と同様にして本発明に係るインクジェット用基
体を作成した。
本実施例においても、信頼性の高いインクジェット用
基体を作成することができた。
参考例10 第1図(B)の層4−2及び層4−3を形成しないこ
とを除いて、参考例2と同様にして本発明に係るインク
ジェット用基体を作成した。
本実施例においても、信頼性の高いインクジェット用
基体を作成することができた。
参考例11 第1図(B)の層4−2を形成しないことを除いて、
参考例3と同様にして本発明に係るインクジェット用基
体を作成した。
本実施例においても、信頼性の高いインクジェット用
基体を作成することができた。
参考例12 第1図(B)の層4−2及び層4−3を形成しないこ
とを除いて、参考例3と同様にして本発明に係るインク
ジェット用基体を作成した。
本実施例においても、信頼性の高いインクジェット用
基体を作成することができた。
参考例13 第1図(B)の層4−2を形成しないことを除いて、
参考例4と同様にして本発明に係るインクジェット用基
体を作成した。
本実施例においても、信頼性の高いインクジェット用
基体を作成することができた。
参考例14 第1図(B)の層4−2及び層4−3を形成しないこ
とを除いて、参考例4と同様にして本発明に係るインク
ジェット用基体を作成した。
本実施例においても、信頼性の高いインクジェット用
基体を作成することができた。
参考例15 第1図(B)の層4−2を形成しないことを除いて、
参考例5と同様にして本発明に係るインクジェット用基
体を作成した。
本実施例においても、信頼性の高いインクジェット用
基体を作成することができた。
参考例16 第1図(B)の層4−2及び層4−3を形成しないこ
とを除いて、参考例5と同様にして本発明に係るインク
ジェット用基体を作成した。
本実施例においても、信頼性の高いインクジェット用
基体を作成することができた。
参考例17 第1図(B)の層4−2を形成しないことを除いて、
参考例6と同様にして本発明に係るインクジェット用基
体を作成した。
本実施例においても、信頼性の高いインクジェット用
基体を作成することができた。
参考例18 第1図(B)の層4−2及び層4−3を形成しないこ
とを除いて、参考例6と同様にして本発明に係るインク
ジェット用基体を作成した。
本実施例においても、信頼性の高いインクジェット用
基体を作成することができた。
実施例5 層4a−1の材料をSiO2ではなくTiO2とした以外は、実
施例1と同様にして本発明に係るインクジェット用基体
を作成した。
本実施例においても、信頼性の高いインクジェット用
基体を作成することができた。
参考例19 層4−1の材料をSiO2ではなくWO3とした以外は、参
考例1と同様にして本発明に係るインクジェット用基体
を作成した。
本実施例においても、信頼性の高いインクジェット用
基体を作成することができた。
参考例20 層4−1の材料をSiO2ではなくTa2O5とした以外は、
参考例2と同様にして本発明に係るインクジェット用基
体を作成した。
本実施例においても、信頼性の高いインクジェット用
基体を作成することができた。
参考例21 層4−1の材料をSiO2ではなくSi3N4とした以外は、
参考例3と同様にして本発明に係るインクジェット用基
体を作成した。
本実施においても、信頼性の高いインクジェット用基
体を作成することができた。
参考例22 層4−1の材料をSiO2ではなくA1Nとした以外は、参
考例4と同様にして本発明に係るインクジェット用基体
を作成した。
本実施例においても、信頼性の高いインクジェット用
基体を作成することができた 参考例23 層4−1の材料をSiO2ではなくWO3とした以外は、参
考例5と同様にして本発明に係るインクジェット用基体
を作成した。
本実施例においても、信頼性の高いインクジェット用
基体を作成することができた。
参考例24 層4−1の材料をSiO2ではなくTa2O5とした以外は、
参考例5と同様にして本発明に係るインクジェット用基
体を作成した。
本実施例においても、信頼性の高いインクジェット用
基体を作成することができた。
実施例6 第3図(C)の工程の後、層4a−1に対し400℃、窒
素雰囲気下で60分間アニール処理を行い、しかる後第3
図(D)の工程を行うことを除いて、実施例1と同様に
して本発明に係るインクジェット用基体を作成した。
本実施例においても、信頼性の高いインクジェット用
基体を作成することができた。
尚、本発明において、特に実施例1を代表的な実施例
とする実施態様において、第3図(C)の工程から第3
図(D)の工程に移る際に、バイアス電圧を急に変えて
行なう(実施例1では−20Vから−150Vに変更)のでは
なく、徐々に連続的に変えて行なってもよい(実施例2
参照)。
また、特に実施例1を代表的な実施例とする実施態様
において、バイアススパッタ層にアニール処理を施せ
ば、より一層優れた効果を得ることができる。
また、参考例1〜6等に代表される構成から、バイア
ススパッタ層のアニール処理又は/及び残留応力の制御
を行なわないと、ステップストレス試験での結果が特に
悪くなるが、バイアススパッタ層のアニール処理又は/
及び残留応力の制御をすることによって、このような問
題点を効果的に改善できることが分かる。
以上の実施例で本発明の方法を用いて得られた基体を
用い、これを第6図に示したような液路6および液室10
等を形成するための凹部を有するガラス製の覆い部材5
を接合して、インクジェット記録ヘッドを作成した。
得られた記録ヘッドの記録試験を行なったところ良好
な記憶が実施でき、耐久性も良好であった。
[発明の効果] 本発明の方法によれば、先に形成される低電圧でのバ
イアススパッタ層の作用で基体に設けられた電気熱変換
体が保護され、バイアススパッタによる悪影響が排除さ
れ、しかも高電圧でのバイアススパッタ層が更に追加さ
れることにより、被覆性および密着性に優れ、良好な機
能を有する保護層を備えたインクジェット記録ヘッドの
製造方法及び該ヘッドを形成するために用いられる基体
の製造方法を提供することができる。
また、本発明の方法によれば、保護層の欠陥を引起こ
す原因となり得るバイアススパッタ層の残留応力をアニ
ール処理によって効果的に低減でき、バイアススパッタ
法を用いる利点を生かした信頼性、耐久性に薄れたイン
クジェット記録ヘッドの製造方法及び該ヘッドを形成す
るために用いられる基体の製造方法を提供することがで
きる。
更に、本発明によれば、保護層の欠陥を引起す原因と
なり得るバイアススパッタ層の残留応力がその形成条件
によって制御されて効果的に低減化されていることによ
り、バイアススパッタ法を用いる利点を生かした信頼
性、耐久性および品質に優れたインクジェット記録ヘッ
ド及び該ヘッドを形成するために用いられる基体を提供
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は、インクジェットヘッドの一例の主要部
を説明するための模式的上面図である。 第1図(B)は、インクジェットヘッドの一例の主要部
を説明するための第1図(A)のX−Y線模式的断面図
である。 第2図(A)は、本発明に係るインクジェットヘッドの
他の例の主要部を説明するための模式的上面図である。 第2図(B)は、本発明に係るインクジェットヘッドの
他の例の主要部を説明するための第2図(A)のX−Y
線模式的断面図である。 第3図(A)〜(D)は、夫々第2図(A)及び第2図
(B)に示す本発明に係るインクジェットヘッドの製造
工程を説明するための模式的断面図である。 第4図(A)〜(D)は、夫々第1図(A)及び第1図
(B)に示すインクジェットヘッドの製造工程を説明す
るための模式的断面図である。 第5図は、インクジェットヘッドを具備するインクジェ
ット装置の模式的斜視図である。 第6図(A)は、インクジェットヘッドの一例の液路に
沿った模式的断面図である。 第6図(B)は、インクジェットヘッドの一例の外観を
示す模式的展開斜視図である。 1:支持体、2:発熱低抗体、 3,3a,3b:電極、 4,4−1,4a−1,4a−2,4−2,4−3:上部層、 5:覆い部材、6:液路、 7:吐出口、8:発熱部、 9:インク供給口、10:液室、 1000:装置本体、 1100:電源スイッチ、 1200:操作パネル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−123781(JP,A) 特開 昭58−159383(JP,A) 特開 昭63−199863(JP,A) 特開 昭61−237423(JP,A) 特開 昭61−216489(JP,A) 特開 平2−90574(JP,A) 特開 昭60−234850(JP,A) 特開 昭61−193469(JP,A) 特開 昭58−85536(JP,A) 特開 昭59−114829(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 31/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体と、 該支持体上に設けられ、発熱低抗体と該発熱低抗体に電
    気的に接続された一対の電極とを有する電気熱変換体
    と、 該電気熱変換体上に設けられた第1の上部層と、 該第1の上部層上に設けられた第2の上部層と、 液体を吐出する吐出口に連通し、前記一対の電極間に形
    成された前記電気熱変換体の発熱部に対応して前記支持
    体上に形成された液路と、 を有するインクジェットヘッドの製造方法において、 前記第1の上部層をバイアス電圧の絶対値が20V以下で
    あるバイアススパッタ法で形成する工程と、 前記第2の上部層をバイアス電圧の絶対値が100V以上で
    あるバイアススパッタ法で形成する工程と、 を含むことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記第1の上部層及び第2の上部層のうち
    の少なくとも第1の上部層のバイアススパッタ法による
    層形成後にアニール処理を行う請求項1に記載のインク
    ジェットヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】前記第1の上部層及び第2の上部層のうち
    の少なくとも第1の上部層が、圧縮応力をマイナスとし
    た場合の残留応力が−2.5×109dyn/cm2以上である請求
    項1または2に記載のインクジェットヘッドの製造方
    法。
  4. 【請求項4】支持体と、 該支持体上に設けられ、発熱低抗体と該発熱低抗体に電
    気的に接続された一対の電極とを有する電気熱変換体
    と、 該電気熱変換体上に設けられた第1の上部層と、 該第1の上部層上に設けられた第2の上部層と、 を有するインクジェットヘッド用基体の製造方法におい
    て、 前記第1の上部層をバイアス電圧を絶対値が20V以下で
    あるバイアススパッタ法で形成する工程と、 前記第2の上部層をバイアス電圧の絶対値が100V以上で
    あるバイアススパッタ法で形成する工程と、 を含むことを特徴とするインクジェットヘッド用基体の
    製造方法。
  5. 【請求項5】前記第1の上部層及び第2の上部層のうち
    の少なくとも第1の上部層のバイアススパッタ法による
    層形成後にアニール処理を行う請求項4に記載のインク
    ジェットヘッド用基体の製造方法。
  6. 【請求項6】前記第1の上部層及び第2の上部層のうち
    の少なくとも第1の上部層が、圧縮応力をマイナスとし
    た場合の残留圧力が−2.5×109dyn/cm2以上である請求
    項4または5に記載のインクジェットヘッド用基体の製
    造方法。
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