JP2970319B2 - 内燃機関の触媒暖機装置 - Google Patents

内燃機関の触媒暖機装置

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JP2970319B2
JP2970319B2 JP5158852A JP15885293A JP2970319B2 JP 2970319 B2 JP2970319 B2 JP 2970319B2 JP 5158852 A JP5158852 A JP 5158852A JP 15885293 A JP15885293 A JP 15885293A JP 2970319 B2 JP2970319 B2 JP 2970319B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の触媒暖機装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】機関始動後できるだけ早い時期から未燃
HC,COを浄化するために機関始動後ただちに通電加
熱せしめられる通電加熱式触媒を機関排気通路内に配置
し、触媒の温度を温度センサにより検出して温度センサ
により検出された触媒の温度が未燃HC,COの酸化作
用を促進しうる活性化温度に達したときに触媒上流の機
関排気通路内に2次空気を供給してこの2次空気により
未燃HC,COを浄化するようにした内燃機関が公知で
ある(特開平5−59940号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで触媒はその全
体が同時に活性化温度に達するのではなくて触媒に通電
開始後或る時間を経過すると最初に触媒の一部が活性化
温度に達し、次いで暫らくしてから触媒全体が活性化温
度に達する。この場合、触媒の一部が活性化温度に達し
たときに触媒に2次空気を供給すれば2次空気による未
燃HC,COの酸化反応熱によって触媒全体がただちに
活性化温度に達するので未燃HC,COの浄化作用を早
期に開始させるためには触媒の一部が活性化温度に達し
たときに2次空気の供給を開始させることが好ましいこ
とになる。
【0004】ところでこの場合触媒に通電開始後或る時
間を経過すれば触媒のどこかの部分が活性化温度に達す
るが触媒のどの部分が活性化温度に達するかは触媒毎に
異なる。従って上述の内燃機関におけるように温度セン
サによって触媒の温度を検出するようにした場合、温度
センサによって温度を検出している触媒部分が最初に活
性化温度に達する部分でない場合には触媒の一部が活性
化温度に達していても2次空気の供給が開始されず、斯
くして未燃HC,COの浄化作用を早期に開始させるの
が困難であるという問題を生ずる。即ち、触媒が2次空
気の供給により未燃HC,COの酸化反応を開始する活
性化温度に達したことを温度センサによって検出するの
は実際問題として困難であると云える。
【0005】また、上述の内燃機関では2次空気の供給
開始後も触媒が通電加熱せしめられる。しかしながら触
媒が活性化温度に達したときに2次空気の供給を開始で
きれば触媒を通電加熱しなくても2次空気による未燃H
C,COの酸化反応熱によって触媒の温度はただちに上
昇する。従って触媒が活性化温度に達したときに2次空
気の供給を開始できれば2次空気による未燃HC,CO
の酸化反応が開始された後はもはや触媒を通電加熱する
必要がなく、このとき上述の内燃機関におけるように触
媒を通電加熱し続けると無駄に電力を消費することにな
るという問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明によれば、機関排気通路内に通電加熱式触媒
を配置し、通電加熱式触媒上流の機関排気通路内に2次
空気を供給するための2次空気供給装置を具備し、触媒
の通電加熱中に2次空気の供給を開始するようにした内
燃機関において、触媒への通電開始後触媒が活性化温度
に達するまでの時間に影響を与えるパラメータに基いて
触媒が活性化温度を越えるのに必要な触媒への通電時間
を算出する通電時間算出手段と、通電時間算出手段によ
り算出された通電時間の間触媒を通電加熱する通電制御
手段と、触媒への通電開始後2次空気の供給を開始する
までの2次空気供給開始待ち時間を制御して触媒がほぼ
活性化温度に達したときに2次空気が触媒に流入するよ
うに通電時間が長くなるほど2次空気供給開始待ち時間
を長くするようにした2次空気供給制御手段とを具備し
ている。
【0007】また、本発明によれば上記問題点を解決す
るために、2次空気供給制御手段は通電時間よりも一定
時間短かい時間を2次空気供給開始待ち時間としてい
る。また、本発明によれば上記問題点を解決するため
に、上述のパラメータがバッテリ電圧又は機関温度であ
り、通電時間算出手段はバッテリ電圧又は機関温度が低
いほど通電時間を長くしている。
【0008】また、本発明によれば上記問題点を解決す
るために、上述のパラメータが触媒の劣化の度合であ
り、通電時間算出手段は触媒の劣化の度合が大きくなる
ほど通電時間を長くしている。
【0009】
【作用】触媒への通電開始後触媒が活性化温度に達する
までの時間は触媒への通電開始後触媒が活性化温度に達
するまでの時間に影響を与えるパラメータに基いて定め
ることができる。従って請求項1に記載の発明ではこの
パラメータに基いて触媒が活性化温度を越えるのに必要
な触媒への通電時間が算出され、算出された通電時間の
間触媒が通電加熱される。また、触媒がほぼ活性化温度
に達したときに2次空気が触媒に流入するように触媒へ
の通電開始後2次空気の供給を開始するまでの2次空気
供給開始待ち時間が制御される。従って通電時間が長く
なるほど2次空気供給開始待ち時間は長くされる。
【0010】また、触媒への通電を停止する一定時間前
に2次空気の供給を開始すると触媒が活性化温度に達し
たときに2次空気を触媒に流入させることができる。従
って請求項2に記載の発明では通電時間よりも一定時間
短かい時間が2次空気供給開始待ち時間とされる。ま
た、バッテリ電圧又は機関温度が低いほど触媒が活性化
温度に達するまでの時間が長くなり、従ってこれらバッ
テリ電圧又は機関温度は触媒への通電開始後触媒が活性
化温度に達するまでの時間に影響を与えるパラメータを
構成する。従って請求項3に記載の発明ではバッテリ電
圧又は機関温度が低いほど通電時間が長くされる。
【0011】また、触媒が劣化するほど触媒の活性化温
度が高くなり、従って触媒の劣化の度合は触媒への通電
開始後触媒が活性化温度に達するまでの時間に影響を与
えるパラメータを構成する。従って請求項4に記載の発
明では触媒の劣化の度合が大きくなるほど通電時間が長
くされる。
【0012】
【実施例】図1は本発明をV型8気筒内燃機関に適用し
た場合を示す。図1を参照するとV型8気筒内燃機関1
の各気筒は対応する吸気枝管2を介して共通の吸気ダク
ト3に連結され、各吸気枝管2には夫々対応する気筒の
吸気ポート内に向けて燃料を噴射するための燃料噴射弁
4が取付けられる。吸気ダクト3はエアフロメータ5を
介してエアクリーナ6に連結され、吸気ダクト3の入口
部にはスロットル弁7が配置される。また、このV型8
気筒内燃機関は一対の排気マニホルド8a,8bを具備
し、各排気マニホルド8a,8bは夫々対応する触媒コ
ンバータ9a,9bおよび排気管10a,10bを介し
て共通の触媒コンバータ11に連結される。触媒コンバ
ータ9a,9bは同じ構造を有しており、図2に示され
るように触媒コンバータ9a,9bの入口部に配置され
た通電加熱式三元触媒12a,12bと、通電加熱式三
元触媒12a,12bの下流に配置された一対の主三元
触媒13a,13bとにより構成される。
【0013】通電加熱式三元触媒12a,12bは図3
に示されるように中心電極14a,14b周りに交互に
巻設された金属製薄板15と金属製波形板16とにより
構成され、これら金属製薄板15および金属製波形板1
6上には三元触媒が担持されている。中心電極14a,
14bに電圧を印加すると金属製薄板15および金属製
波形板16内を中心部から外方に向けて電流が流れるた
めに金属製薄板15および金属製波形板16が発熱し、
斯くしてこれら金属製薄板15および金属製波形板16
により担持された三元触媒が加熱されることになる。従
ってこれら金属製薄板15と金属製波形板16はヒータ
の役目を果していることになる。
【0014】また、図1に示されるように内燃機関1は
内燃機関1によって駆動される2次空気供給用電動式エ
アポンプ17を具備している。このエアポンプ17の吐
出口は遮断弁18を介して一対の2次空気供給用分岐管
19a,19bに連結され、各分岐管19a,19bは
夫々対応する触媒コンバータ9a,9b上流の排気マニ
ホルド8a,8b内に連結される。これら各分岐管19
a,19b内には夫々対応する排気マニホルド8a,8
b内に向けてのみ流通可能な逆止弁20a,20bが配
置される。遮断弁18の負圧ダイアフラム室21は大気
に連通可能な切換弁22を介してスロットル弁7下流の
吸気ダクト3内に連結されている。負圧ダイアフラム室
21は通常切換弁22を介して大気に開放されており、
このとき遮断弁18は図1に示されるように閉弁してい
る。これに対して切換弁22の切換え作用により負圧ダ
イアフラム室21が吸気ダクト3内に連結されると遮断
弁18が開弁し、このときエアポンプ17から吐出され
た2次空気が各排気マニホルド8a,8b内に供給され
る。
【0015】電子制御ユニット30はディジタルコンピ
ュータからなり、双方向性バス31によって相互に接続
されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ラ
ンダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセ
ッサ)34、常時電源に接続されているバックアップR
AM35、入力ポート36および出力ポート37を具備
する。機関1に取付けられたディストリビュータ38に
は機関回転数を表わす出力パルスを発生する回転数セン
サ39が取付けられ、回転数センサ39の出力パルスが
入力ポート36に入力される。エアフロメータ5は吸入
空気量に比例した出力電圧を発生し、この出力電圧が対
応したAD変換器40を介して入力ポート36に入力さ
れる。機関1には機関冷却水温に比例した出力電圧を発
生する水温センサ41が取付けられ、この水温センサ4
1の出力電圧が対応するAD変換器40を介して入力ポ
ート36に入力される。
【0016】また、機関1を始動させるためのスタータ
の駆動制御をするスタータスイッチ42が設けられ、こ
のスタータスイッチ42がオンにされたことを示す信号
が入力ポート36に入力される。また、通常は12
(v)程度の出力電圧を発生するバッテリ43が設けら
れ、このバッテリ43の出力電圧が対応するAD変換器
40を介して入力ポート36に入力される。また、各触
媒コンバータ9a,9b上流の各排気マニホルド8a,
8b内には夫々排気ガス中の酸素濃度を検出するための
第1の酸素濃度検出器、即ち第1のO2 センサ44a,
44bが配置され、更に各触媒コンバータ9a,9b下
流の各排気管10a,10b内には夫々第2のO2 セン
サ45a,45bが配置される。これらの各O2 センサ
44a,44b,45a,45bは空燃比がリーン(稀
薄)のときには0.1ボルト程度の出力電圧(リーン電
圧)を発生し、空燃比がリッチ(過濃)になると0.9
ボルト程度の出力電圧(リッチ出力)を発生する。各O
2 センサ44a,44b,45a,44bの出力電圧は
夫々対応するAD変換器40を介して入力ポート36に
入力される。
【0017】また、通電加熱式三元触媒12a,12b
の各中心電極14a,14bは夫々対応するリレー46
a,46bを介してバッテリ43に接続され、またエア
ポンプ17もリレー47を介してバッテリ43に接続さ
れる。出力ポート37は対応する駆動回路48を介して
各リレー46a,46b,47に接続される。リレー4
6a,46bがオンになると各通電加熱式三元触媒12
a,12bに電力が供給されるために各三元触媒12
a,12bが加熱され、リレー47がオンになるとエア
ポンプ17に電力が供給されるためにエアポンプ17が
駆動せしめられる。また、出力ポート37は対応する駆
動回路48を介して夫々切換弁22に接続される。
【0018】次に図4を参照しつつ本発明による触媒暖
機装置の基本的な作動についてまず初めに説明する。図
4に示されるようにイグニッションスイッチ(図示せ
ず)がオンにされるとスタートフラグXSがセットされ
る。次いでスタータスイッチ42がオンとされて機関が
始動され、機関回転数Nが予め定められた設定値、例え
ば400r.p.mを越えるとスタートフラグXSがリセッ
トされる。スタートフラグXSがリセットされると通電
加熱式触媒12a,12bへの電力の供給が開始され、
即ち金属製薄板15と金属製波形板16からなるヒータ
がオンとされその結果図4に示されるように通電加熱式
触媒12a,12bの温度が上昇を開始する。このとき
機関シリンダ内ではリッチ混合気が燃焼せしめられてお
り、従ってこのとき各排気マニホルド8a,8b内には
多量の未燃HC,COを含んだ排気ガスが排出される。
【0019】次いで通電加熱式触媒12a,12bの温
度が未燃HC,COの酸化作用を促進しうる活性化温度
Ta(図4)近くまで上昇するとエアポンプ17が駆動
されて排気ガスの空燃比を14.7から15.5程度の
リーン又は理論空燃比とするのに必要な量の2次空気の
供給が開始される。次いで通電加熱式触媒12a,12
bの温度が活性化温度Taに達すると2次空気による未
燃HC,COの酸化作用が開始され、このときの酸化反
応熱によって通電加熱式触媒12a,12bの温度が急
速に上昇する。通電加熱式触媒12a,12bの急速な
温度上昇が開始されると通電加熱式触媒12a,12b
への電力の供給が停止される。即ち、ヒータがオフとさ
れる。このようにヒータが比較的早い時期にオフにされ
るので電力消費量を低減することができる。次いで暫ら
くするとエアポンプ17がオフとされて2次空気の供給
が停止され、O2 センサ44a,44b,45a,45
bの出力信号に基く空燃比のフィードバック制御が開始
される。
【0020】次にヒータがオンとされてからヒータがオ
フとされるまでの間の作動について図5(A)を参照し
つつもう少し詳しく説明する。なお、図5(A)におい
てTonは通電加熱式触媒22a,22bへの電力供給時
間、即ちヒータの通電時間を示しており、TAIRon
ヒータへの通電が開始されてから2次空気の供給が開始
されるまでの2次空気供給開始待ち時間を示しており、
Tcは通電加熱式触媒12a,12bの温度を示してお
り、Taは前述したように通電加熱式触媒12a,12
bの活性化温度を示している。
【0021】通電加熱式触媒12a,12bは通電加熱
が開始されて暫らくするとまず初めに通電加熱式触媒1
2a,12bのどこか一部が活性化温度に達する。この
とき通電加熱式触媒12a,12bに2次空気を流入さ
せると活性化温度に達している触媒部分において2次空
気による未燃HC,COの酸化反応が開始される。この
ときの酸化反応による発熱量は極めて大きく、従って一
旦酸化反応が開始されると酸化反応が行われている触媒
部分の温度が急速に上昇する。酸化反応が行われている
部分の温度が上昇するとその周りの触媒部分の温度が上
昇するためにその触媒部分においても2次空気による未
燃HC,COの酸化反応が開始され、斯くしてその触媒
部分の温度が急速に上昇する。このように触媒のどこか
一部で酸化反応が開始されると他の領域においてもただ
ちに酸化反応が開始され、斯くして触媒のどこか一部で
酸化反応が開始されると極めて短時間のうちに触媒全体
で酸化反応が開始されることになる。
【0022】これに対して通電加熱式触媒12a,12
bのいずれの部分も活性化温度に達していないときに2
次空気を供給すると未燃HC,COの酸化反応は行われ
ず、供給された2次空気による冷却作用によって通電加
熱式触媒12a,12bの温度がむしろ低下してしま
う。従ってこの場合には未燃HC,COの浄化作用が開
始される時期が遅くなってしまうことになる。また、触
媒のどこか一部が活性化温度に達していても2次空気の
供給が開始されず、その後暫らくして2次空気の供給が
開始されると2次空気の供給が開始されるまでの間は未
燃HC,COの浄化作用が行われない。従ってこの場合
にも未燃HC,COの浄化作用が開始される時期が遅く
なってしまうことになる。従って未燃HC,COの浄化
作用を早期に開始させるためには触媒のどこか一部が活
性化温度に達したときに触媒への2次空気の流入を開始
させるようにする必要がある。
【0023】ところで上述したように触媒のどの部分が
最初に活性化温度に達するかは触媒によって異なり、従
って触媒のどこか一部が活性化温度に達したときにその
触媒部分に2次空気を流入させるためには触媒全体に2
次空気を流入させるようにしなければならない。また、
その後触媒全体において未燃HC,COの酸化反応を行
わせるためには触媒全体に2次空気を流入させなければ
ならない。そのために本発明による実施例では図1に示
されるように通電加熱式触媒12a,12bから上流側
に距離を隔てた位置において各排気マニホルド8a,8
b内に2次空気を供給するようにしている。このように
すると各排気マニホルド8a,8b内に供給された2次
空気は通電加熱式触媒12a,12bに達するまでに排
気ガス内に分散し、斯くして2次空気が触媒全体に流入
することになる。
【0024】しかしながらこのように通電加熱式触媒1
2a,12bから距離を隔てた上流位置に2次空気を供
給すると供給された2次空気が通電加熱式触媒12a,
12bに達するまでに時間を要する。また、遮断弁18
が開弁すると2次空気の供給が開始されるが遮断弁18
を通過した2次空気が各排気マニホルド8a,8b内に
達するのにも時間を要する。従って本発明による実施例
では図5(A)に示されるように通電加熱式触媒12
a,12bの温度Tcが活性化温度Taに達する一定時
間a前に遮断弁18が開弁せしめられて2次空気の供給
が開始され、それによって通電加熱式触媒12a,12
bのどこか一部が活性化温度Taに達したときに2次空
気が触媒全体に流入を開始するようにしている。
【0025】この一定時間aは実験により求められ、本
発明による実施例ではこの一定時間は固定値とされて
いる。また、本発明による実施例では図5(A)に示さ
れるように2次空気の供給が開始される一定時間β前、
即ち遮断弁18が開弁する一定時間β前にエアポンプ1
7が駆動される。従って本発明による実施例では2次空
気の供給を開始すべきときにはまず初めにエアポンプ1
7が駆動され、次いでエアポンプ17の吐出圧が十分に
高くなった一定時間β後に遮断弁18が開弁されて2次
空気の供給が開始される。次いでこの2次空気は通電加
熱式触媒12a,12bのどこか一部が活性化温度に達
したときに通電加熱式触媒12a,12bに流入する。
その結果、2次空気による未燃HC,COの酸化反応が
開始され、斯くして通電加熱式触媒12a,12bの温
度Tcが急速に上昇することになる。
【0026】前述したように2次空気による未燃HC,
COの酸化反応による発熱量は極めて大きく、従って一
旦酸化反応が開始されると通電加熱式触媒12a,12
bを通電加熱しなくても通電加熱式触媒12a,12b
の温度は急速に上昇する。従って未燃HC,COの酸化
反応が開始されれば通電加熱式触媒12a,12bに通
電する必要がなくなる。この場合、理論的に言えば触媒
のいずれかの部分が活性化温度に達するや否や通電加熱
式触媒12a,12bへの通電を停止してもよいことに
なるが本発明による実施例では図5(A)に示されるよ
うに余裕を見込んで触媒のいずれかの部分が活性化温度
に達したときから一定時間b後に通電加熱式触媒12
a,12bへの通電が停止される。従って通電加熱式触
媒12a,12bへの通電時間Tonは図5(A)に示さ
れる期間となり、2次空気供給開始待ち時間TAIRon
は通電時間Tonから一定時間α(=a+b)を差し引い
た時間となる。
【0027】ところで通電加熱式触媒12a,12bの
いずれかの部分が活性化温度を越えるまでの時間はバッ
テリ43の電圧や機関冷却水温が同じ場合には触媒間に
おいてさほど変化せず、従ってこの時間を基準として通
電時間Tonおよび2次空気供給開始待ち時間TAIRon
を定めれば触媒のいずれかの部分が活性化温度に達した
ときに触媒への2次空気の流入を開始させ、2次空気に
よる未燃HC,COの酸化反応が開始された直後に通電
加熱式触媒12a,12bへの通電を停止できることに
なる。そこで本発明による実施例では触媒のいずれかの
部分が活性化温度に達するまでの時間を実験により求
め、この時間に一定時間bを加算することによって通電
時間Tonを定め、この通電時間Tonから一定時間αを減
算することによって2次空気供給開始待ち時間TAIR
onを定めるようにしている。
【0028】ところでバッテリ43の電圧が低くなると
通電加熱式触媒12a,12bに供給される電力が低下
する。その結果、図5(B)に示されるように通電加熱
式触媒12a,12bの温度上昇率が低下し、斯くして
通電時間Tonを長くしなければならなくなる。また、機
関始動時における機関冷却水温が低いと通電加熱式触媒
12a,12bの温度も低くなっている。従ってこの場
合には触媒が活性化するまでに時間を要することにな
り、斯くしてこの場合にも通電時間Tonを長くしなけれ
ばならないことになる。即ち、通電時間Tonはバッテリ
43の電圧や機関冷却水温のようなパラメータに基いて
変えなければならないことになる。
【0029】本発明による実施例では図6(A)に示す
ように最適な通電時間Tonがバッテリ43の電圧Vおよ
び機関始動時における機関冷却水温Twの関数として予
め実験により求められている。第6図(A)からわかる
ようにバッテリ43の電圧Vが低くなるほど通電時間T
onは長くなり、機関始動時における機関冷却水温Twが
低くなるほど通電時間Tonが長くなる。第6図(A)に
示される通電時間Tonとバッテリ電圧V、機関冷却水温
Twとの関係は図6(B)に示すようなマップの形で予
めROM32内に記憶されている。なお、通電時間Ton
が長くなっても遮断弁18を通過した2次空気が通電加
熱式触媒12a,12bに達するまでの時間は変化しな
いので図5(A),(B)に示されるように通電時間Ton
が長くなってもαの値は変化しない。
【0030】次に図7から図11に示すフローチャート
を参照しつつ本発明による触媒加熱制御の第1の実施例
について説明する。図7を参照するとまず初めにステッ
プ100において図4に示すスタートフラグXSがセッ
トされているか否かが判別される。イグニッションスイ
ッチがオンにされた直後はスタートフラグXSはリセッ
トされているのでステップ101に進み、機関回転数N
が一定値、例えば200r.p.m よりも低いか否かが判別
される。このときにはN<200r.p.m であるのでステ
ップ102に進んでスタートフラグXSがセットされ
る。即ち前述したようにイグニッションスイッチがオン
にされるとスタートフラグXSがセットされることにな
る。次いでステップ105に進む。スタートフラグXS
がセットされるとステップ100からステップ103に
進んで機関回転数Nが400r.p.m 以上になったか否か
が判別される。N≦400r.p.m のときはステップ10
5にジャンプする。一方、N>400r.p.m になるとス
テップ104に進んでスタートフラグXSがリセットさ
れ、次いでステップ105に進む。
【0031】ステップ105では通電加熱式触媒12
a,12bの通電制御、即ち金属製薄板15と金属製波
形板16からなるヒータの制御が行われる。次いでステ
ップ106では2次空気の供給制御が行われる。図8お
よび図9は図7のステップ105において行われるヒー
タ制御を示している。
【0032】図8および図9を参照するとまず初めにス
テップ110においてスタートフラグXSがリセットさ
れているか否かが判別される。スタートフラグXSがセ
ットされているとき、即ち機関始動後機関回転数Nが4
00r.p.m に達するまではステップ111に進み、水温
センサ41により検出された機関冷却水温Twおよびバ
ッテリ43の電圧Vに基いて図6(B)に示すマップか
ら通電時間Tonが算出される。次いでステップ112で
はヒータがオフとされる。即ち、通電加熱式触媒12
a,12bへの電力の供給が停止される。
【0033】一方、ステップ110においてスタートフ
ラグXSがリセットされたと判別されると、即ち機関回
転数Nが400r.p.m を越えるとステップ113に進
む。従って通電時間Tonは機関回転数Nが400r.p.m
を越えたときの機関冷却水温Twとバッテリ43の電圧
Vにより定まる通電時間を表わしていることがわかる。
ステップ113では機関冷却水温Twが−10℃≦Tw
≦35℃の範囲にあるか否かが判別される。Tw<−1
0℃又はTw>35℃のときにはステップ112に進ん
でヒータがオフとされる。これに対して−10°≦Tw
≦35℃のときにはステップ114に進んでバッテリ4
3の電圧Vが11(v)以下になったときにセットされ
るバッテリフラグXBがリセットされているか否かが判
別される。バッテリフラグXBがセットされているとき
にはステップ112に進んでヒータがオフとされる。こ
れに対してバッテリフラグXBがリセットされていると
きにはステップ115に進む。
【0034】ステップ115ではバッテリ43の電圧V
が16(v)以下か否かが判別される。V>16(v)
のときにはステップ112に進んでヒータがオフとされ
る。これに対してV≦16(v)のときにはステップ1
16に進んでバッテリ43の電圧Vが11(v)よりも
高いか否かが判別される。V<11(v)のときにはス
テップ117に進んでバッテリフラグXBがセットさ
れ、次いでステップ112に進んでヒータがオフとされ
る。これに対してV≧11(v)のときにはステップ1
18に進んでスタータスイッチ42がオフとなっている
か否かが判別される。スタータスイッチ42がオンのと
きにはステップ112に進んでヒータがオフにされる。
これに対してスタータスイッチ42がオフであるとステ
ップ11に進む。
【0035】ステップ119はカウント値CTが通電時
間Tonよりも小さいか否かが判別される。このカウント
値CTは図12に示す時間割込みルーチンにより算出さ
れ、従ってここで図12に示す時間割込みルーチンにつ
いて説明する。図12を参照するとまず初めにステップ
180においてスタートフラグXSがリセットされてい
るか否かが判別され、スタートフラグXSがリセットさ
れているときにはステップ181に進んでエアフローメ
ータ5により計測された吸入空気量Gと割込み時間間隔
tとの積G・tにGAを加算することによって累積吸入
空気量GAが算出される。エアフローメータ5により計
測される吸入空気量Gは単位時間当りに機関シリンダ内
に供給される吸入空気量を表わしているので積G・tは
割込み時間間隔の間に機関シリンダ内に供給される吸入
空気量を表わしており、従って累積吸入空気量GAは機
関回転数Nが400r.p.m を越えた後に機関シリンダ内
に供給された累積吸入空気量を表わしていることにな
る。次いでステップ182ではカウント値CTに割込み
時間間隔tが加算される。従ってカウント値CTは機関
回転数Nが400r.p.m を越えたときからの経過時間を
表わしていることになる。
【0036】更び図8および図9に戻り、ステップ11
9においてCT≦Tonであると判断されると、ステップ
120に進む。ステップ120ではカウント値CTが一
定値CTO1例えば10秒間よりも小さいか否かが判別さ
れる。このCTO はヒータを長時間に亘ってオンにし続
けないためのガードとして設けられており、もしCT≧
CTO になった場合にはステップ112に進んでヒータ
がオフとされる。これに対してCT<CTO のときには
ステップ121に進んでヒータがオンとされ、通電加熱
式触媒12a,12bの通電加熱作用が開始される。
【0037】従って機関回転数Nが400r.p.m を越え
たときに−10℃≦Tw≦35℃であり、かつ11
(v)<V<16(v)であり、かつスタータスイッチ
42がオフであるときにはヒータがオンとされる。その
後ステップ119においてCT>Tonになるとヒータへ
の通電が停止される。図10および図11は図7のステ
ップ106において行われる2次空気供給制御を示して
いる。
【0038】図10および図11を参照するとまず初め
にステップ140においてスタートフラグXSがセット
されているか否かが判別される。スタートフラグXSが
セットされているとき、即ち機関回転数Nが400r.p.
m に達していないときにはステップ141に進んで機関
冷却水温Twが10℃≦Tw≦35℃の範囲にあるか
否かが判別される。−10℃≦Tw≦35℃のときには
ステップ142に進んで通電時間Tonから一定時間α
(図5)を減算することによって2次空気供給開始待ち
時間TAIRon(=Ton−α)が算出される。次いでス
テップ143では2次空気を供給すべき前提条件が成立
していることを示す許可フラグXPがセットされ、次い
でステップ146に進む。これに対してTw<−10℃
又はTw>35℃のときにはステップ145に進んで許
可フラグがリセットされ、次いでステップ146に進
む。
【0039】ステップ146ではスタートフラグXSが
リセットされているか否かが判別される。このときには
スタートフラグXSがセットされているのでステップ1
47に進んでエアポンプ17がオフとされる。次いでス
テップ148では切換弁22の切換作用によって遮断弁
18が閉弁せしめられる。一方、スタートフラグXSが
リセットされると、即ち機関回転数Nが400r.p.m を
越えるとステップ140からステップ144に進んで累
積吸入空気量GAが最大吸入空気量GImax よりも大き
くなったか否かが判別される。この最大吸入空気量GI
max は2次空気の供給を停止するために定められてい
る。即ち、累積吸入空気量GAが最大吸入空気量GI
max に達すると2次空気の供給が停止される。図13
(A)に示されるようにこの最大吸入空気量GImax
機関始動時における冷却水温Twとバッテリ43の電圧
Vとの関数であり、この最大吸入空気量GImax は図1
3(B)に示すようなマップの形で予めROM32内に
記憶されている。
【0040】ステップ144においてGA≦GImax
あると判断されるとステップ146にジャンプする。こ
のときステップ146ではスタートフラグXSがリセッ
トされていると判断されるのでステップ149に進み、
カウント値CTが2次空気供給開始時間TAIRonから
一定時間β(図5)を差し引いたエアポンプオン待ち
間(TAIRon−β)を越えたか否かが判別される。C
T<TAIRon−βのときにはステップ147に進んで
エアポンプ17がオフとされる。これに対してCT≧T
AIRon−βになると、即ちエアポンプオン待ち時間
(TAIRon−β)が経過するとステップ150に進
む。
【0041】ステップ150ではバッテリ43の電圧V
が11(v)よりも高いか否かが判別される。V≦11
(v)のときにはステップ151に進んでヒータがオン
にされているか否かが判別される。ヒータがオフのとき
にはステップ147に進んでエアポンプ17がオフとさ
れる。これに対してヒータがオンであると判別されたと
きにはステップ152に進んでヒータがオフとされ、次
いでステップ147に進んでエアポンプ17がオフとさ
れる。
【0042】一方、ステップ150においてV>11
(v)であると判別されたときにはステップ153に進
んで許可フラグXPがセットされているか否かが判別さ
れる。許可フラグXPがセットされているときにはステ
ップ154に進んでエアポンプ17がオンとされ、次い
でステップ155に進んでエアポンプ17がオンにされ
てから一定時間β(図5)が経過したか否か、即ち2次
空気供給開始待ち時間TAIRonが経過したか否かが判
別される。一定時間βが経過しないときにはステップ1
48に進んで遮断弁18が閉弁され続け、一定時間βを
経過すると、即ち2次空気供給開始待ち時間TAIRon
を経過するとステップ156に進んで切換弁22の切換
作用により遮断弁18が開弁せしめられる。斯くして2
次空気の供給が開始される。
【0043】次いでステップ144においてGA>GI
max になったと判別されたときにはステップ145に進
んで許可フラグXPがリセットされる。許可フラグがリ
セットされるとステップ153からステップ147に進
んでエアポンプ17がオフとされ、次いでステップ14
8において遮断弁18が閉弁せしめられるので2次空気
の供給が停止される。
【0044】図14から図27は本発明による第2実施
例を示している。この第2実施例では通電加熱式触媒1
2a,12bの劣化の度合に応じて通電時間Tonが制御
される。即ち、通電加熱式触媒12a,12bが劣化を
していない場合を示している図14(A)と通電加熱式
触媒12a,12bが劣化した場合を示している図14
(B)とを比較するとわかるように通電加熱式触媒12
a,12bが劣化すると通電加熱式触媒12a,12b
の活性化温度Taが高くなる。このように通電加熱式触
媒12a,12bが劣化して活性化温度Taが高くなっ
ても通電加熱式触媒12a,12bに通電したときの通
電加熱式触媒12a,12bの温度上昇率は変化せず、
従って図14(B)からわかるように通電加熱式触媒1
2a,12bが劣化したときには通電時間Tonを長くし
なければならないことになる。ところでこのように通電
加熱式触媒12a,12bが劣化したときに通電時間T
onを長くするためにはまず初めに通電加熱式触媒12
a,12bの劣化の度合を求めなければならない。この
場合、車両の使用期間が長くなればそれに伴なって通電
加熱式触媒12a,12bの劣化の度合が高くなるもの
と考えられ、従って例えば車両の累積走行距離が増大に
するにつれて劣化の度合が高くなると判断することもで
きる。しかしながら第2実施例ではより確実に劣化の度
合を検出するようにしており、従ってまず初めに劣化の
度合の検出方法について説明する。
【0045】図1に示すように三元触媒からなる通電加
熱式触媒12a,12bを用いた場合には空燃比がほぼ
理論空燃比に維持されているときに最も高い浄化効率を
発揮する。従って図1に示される実施例では一方の排気
マニホルド8aに接続された気筒群に供給される空燃比
が理論空燃比となるように第1O2 センサ44aおよび
第2O2 センサ45aの出力信号に基いて空燃比をフィ
ードバック制御し、他方の排気マニホルド8bに接続さ
れた気筒群に供給される空燃比が理論空燃比となるよう
に第1O2 センサ44bおよび第2O2 センサ45bの
出力信号に基いて空燃比フィードバック制御している。
【0046】ところがこのように第1O2 センサ44
a,44bに加えて第2O2 センサ45a,45bの出
力信号により空燃比をフィードバック制御するようにし
た場合には三元触媒12a,12b,13a,13bが
劣化するにつれて第2O2 センサ45a,45bのリー
ン出力からリッチ出力、およびリッチ出力からリーン出
力への変化周期が短かくなり、斯くしてこの変化周期か
ら三元触媒12a,12bの劣化の度合を判断すること
ができる。即ち、三元触媒12a,12bが劣化してい
ないときには図15(A)に示されるように第2O2
ンサ45a,45bの出力の変化周期は比較的長く、三
元触媒12a,12bが劣化すると図15(B)に示さ
れるように第2O2 センサ45a,45bの出力の変化
周期が短くなる。その理由は次のとおりである。
【0047】即ち、三元触媒12a,12bは空燃比が
リーンのとき、即ち排気ガス中に過剰の酸素が存在する
ときには過剰な酸素を吸着保持し、空燃比がリッチのと
き、即ち排気ガス中にCO,HCが存在するが酸素が存
在しないときには吸着保持していた酸素を放出するとい
うO2 ストレージ機能を有し、このO2 ストレージ機能
によってHC,COの酸化作用およびNOxの還元作用
が行われる。ところが三元触媒12a,12bが劣化し
てくるとこのO2 ストレージ機能が弱まり、その結果第
2O2 センサ45a,45bの出力の変化周期が短くな
ってくる。
【0048】即ち、三元触媒12a,12b下流に配置
された第2O2 センサ45a,45bの出力がリッチ出
力になると機関シリンダ内に供給される燃料量が減少せ
しめられて空燃比がリーンとなる。次いでリーンの状態
で燃焼せしめられた燃焼ガスは排気マニホルド8a,8
bを通って三元触媒12a,12bに達する。このとき
排気ガス中には過剰な酸素が含まれているのでこの過剰
な酸素は三元触媒12a,12bに吸着保持され、その
結果三元触媒12a,12bからは酸素を含まない排気
ガスが流出することになる。従ってこのとき三元触媒1
2a,12b下流に配置された第2O2 センサ45a,
45bでは空燃比がほぼ理論空燃比であると判断され、
従ってこのとき第2O2 センサ45a,45bはまだ空
燃比がリーンであることを示すリーン出力を発生しな
い。次いで暫くして三元触媒12a,12bによる酸素
吸着能力が飽和すると三元触媒を通過した排気ガスが過
剰な酸素を含むようになるために第2O2 センサ45
a,45bでは空燃比がリーンであると判断され、斯く
してこのとき初めて第2O2 センサ45a,45bがリ
ーン出力を出力する。
【0049】一方、第2O2 センサ45a,45bの出
力がリーン出力になると機関シリンダ内に供給される燃
料量が増大せしめられて空燃比がリッチとなる。次いで
リッチの状態で燃焼せしめられた燃焼ガスは排気マニホ
ルド8a,8bを通って三元触媒12a,12bに達す
る。このとき排気ガス中にはCO,HCは存在するが酸
素が存在せず、従って三元触媒12a,12bに吸着保
持されていた酸素が放出されてCO,HCの酸化作用が
行われる。その結果三元触媒12a,12bからはH
C,COを含まない排気ガスが流出することになる。従
ってこのとき三元触媒12a,12b下流に配置された
第2O2 センサ45a,45bでは空燃比がほぼ理論空
燃比であると判断され、従ってこのとき第2O2 センサ
45a,45bはまだ空燃比がリッチであることを示す
リッチ出力を発生しない。次いで暫くして三元触媒12
a,12bが吸着保持していた全酸素を放出すると三元
触媒12a,12bを通過した排気ガスがCO,HCを
含むようになるために第2O 2 センサ45a,45bで
は空燃比がリッチであると判断され、斯くしてこのとき
初めて第2O2 センサ45a,45bがリッチ出力を出
力する。
【0050】上述の説明からわかるように三元触媒12
a,12bの酸素吸着保持量が少なくなれば第2O2
ンサ45a,45bがリッチ出力を出力してからリーン
出力を出力するまでの時間が短くなり、また三元触媒1
2a,12bの酸素吸着保持量が少なくなって酸素の放
出量が少なくなれば第2O2 センサ45a,45bがリ
ーン出力を出力してからリッチ出力を出力するまでの時
間が短くなく。即ち、三元触媒12a,12bの酸素吸
着保持量が少なくなればなるほど、即ち三元触媒12
a,12bのO2 ストレージ機能が弱まれば弱まるほど
第2O2 センサ45a,45bのリーン出力からリッチ
出力、リッチ出力からリーン出力への変化周期が短くな
る。
【0051】ところで三元触媒12a,12bの劣化の
度合はこのO2 ストレージ機能のよしあしで決まり、O
2 ストレージ機能が弱まったということは三元触媒12
a,12bが劣化したことを意味している。従って第2
2 センサ45a,45bの出力の変化周期が短くなっ
たということは三元触媒12a,12bが劣化したこと
を意味しており、斯くして第2O2 センサ45a,45
b出力の変化周期から三元触媒の劣化の度合を判断でき
ることになる。
【0052】次に図16から図20を参照してまず初め
に第1O2 センサ44a,44bおよび第2O2 センサ
45a,45bの出力信号に基いて行われる空燃比のフ
ィードバック制御について説明する。なお、図1に示す
実施例では各排気マニホルド8a,8bに接続された各
気筒群の空燃比制御は夫々対応するO2 センサ44a,
45aの出力信号およびO2 センサ44b,45bの出
力信号に基いて夫々独立して同様なやり方で行われるの
で、以下排気マニホルド8aに接続された気筒群の空燃
比制御のみについて説明する。なお、以下の実施例では
空燃比が理論空燃比となるように基本燃料噴射時間TA
UPを空燃比補正係数FAFによって補正するようにし
た場合を示している。
【0053】図16および図17は第1O2 センサ44
aの出力にもとづいて空燃比補正係数FAFを演算する
第1の空燃比フィードバック制御ルーチンを示してお
り、このルーチンは所定時間、例えば4ms毎に実行され
る。ステップ201では、第1O2 センサ44aによる
空燃比の閉ループ(フィードバック)条件が成立してい
るか否かが判別される。例えば、冷却水温が所定値以下
のときや、機関始動中は閉ループ条件が成立しておら
ず、その他の場合には閉ループ条件が成立する。閉ルー
プ条件が成立していないときには処理サイクルを完了
し、閉ループ条件が成立したときにはステップ202に
進む。
【0054】ステップ202では、第1O2 センサ44
aの出力V1 がA/D変換されて取込まれ、次いでステ
ップ203ではV1 が比較電圧VR1例えば0.45V以
下か否か、即ち空燃比がリーンであるか否かが判別され
る。空燃比がリーン(V1 ≦VR1) であれば、ステップ
204に進んでディレイカウンタCDLYが負か否かが
判別され、CDLY>0であればステップ205におい
てCDLYを0とした後、ステップ206に進む。ステ
ップ206では、ディレイカウンタCDLYが1減算さ
れ、ステップ207,208においてディレイカウンタ
CDLYが最小値TDLでガードされる。この場合、デ
ィレイカウンタCDLYが最小値TDLに到達したとき
にはステップ209において第1の空燃比フラグF1が
“0”(リーン)とされる。なお、最小値TDLは負の
値である。
【0055】これに対してリッチ(V1 >VR1)であれ
ば、ステップ210においてディレイカウンタCDLY
が正か否かが判別され、CDLY<0であればステップ
211においてCDLYを0とした後、ステップ212
に進む。ステップ212ではディレイカウンタCDLY
が1加算され、ステップ213,214においてディレ
イカウンタCDLYが最大値TDRでガードされる。こ
の場合、ディレイカウンタCDLYが最大値TDRに到
達したときにはステップ215において第1の空燃比フ
ラグF1が“1”(リッチ)とされる。なお、最大値T
DRは正の値である。
【0056】ステップ216では、第1の空燃比フラグ
F1の符号が反転したか否かが判別される。空燃比フラ
グF1が反転したときにはステップ217において第1
の空燃比フラグF1の値により、リッチからリーンへの
反転か、リーンからリッチへの反転かが判別される。リ
ッチからリーンへの反転であれば、ステップ218にお
いてFAFがFAF+RSRとスキップ的に増大され、
逆に、リーンからリッチへの反転であれば、ステップ2
19においてFAFがFAF−RSLとスキップ的に減
少せしめられる。即ち、スキップ処理が行われる。
【0057】第1の空燃比クラブF1の符号が反転しな
かったときにはステップ220,221,222におい
て積分処理が行われる。即ち、ステップ220において
F1=“0”か否かが判別され、F1=“0”(リー
ン)であればステップ221においてFAFがFAF+
KIRとされ、F1=“1”(リッチ)であればステッ
プ222においてFAFがFAF−KILとされる。こ
こで、積分定数KIR,KILはスキップ量RSR,R
SLに比して十分小さく設定されている。
【0058】ステップ218,219,221,222
において演算された空燃比補正係数FAFはステップ2
23,224において最小値、例えば0.8にてガード
され、またステップ225,226において最大値、例
えば1.2にてガードされる。これにより、何らかの原
因で空燃比補正係数FAFが大きくなり過ぎ、もしくは
小さくなり過ぎるのが阻止される。
【0059】図18は図16および図17のフローチャ
ートによる動作を説明するタイミング図を示している。
第1O2 センサ44aの出力により図18(A)に示す
ごとくリッチ、リーン判別の空燃比信号A/Fが得られ
ると、ディレイカウンタCDLYは、図18(B)に示
すごとく、リッチ状態でカウントアップされ、リーン状
態でカウントダウンされる。この結果、図18(C)に
示すごとく、遅延処理された空燃比信号A/F′(フラ
グF1に相当)が形成される。例えば、時刻t 1 にて空
燃比信号A/Fがリーンからリッチに変化しても、遅延
処理された空燃比信号A/F′はリッチ遅延時間TDR
だけリーンに保持された後に時刻t2 にてリッチに変化
する。時刻t3 にて空燃比信号A/Fがリッチからリー
ンに変化しても、遅延処理された空燃比信号A/F′は
リーン遅延時間(−TDL)相当だけリッチに保持され
た後に時刻t4 にてリーンに変化する。しかしながら空
燃比信号A/F′が時刻t5 ,t6 ,t7 のごとくリッ
チ遅延時間TDRの間に反転すると、ディレイカウンタ
CDLYが最大値TDRに到達するのに時間を要し、そ
の結果時刻t8 において遅延処理後の空燃比信号A/
F′が反転される。従って遅延処理後の空燃比信号A/
F′は遅延処理前の空燃比信号A/Fに比べて安定とな
る。このように遅延処理後の安定した空燃比信号A/
F′にもとづいて図18(D)に示す空燃比補正係数F
AFが得られる。
【0060】次に、第2O2 センサ45aによる第2の
空燃比フィードバック制御について説明する。この第2
の空燃比フィードバック制御は第2O2 センサ45aが
リーン出力を出力したときにはリッチスキップ量RSR
を大きくすると共にリーンスキップ量RSLを小さくし
て空燃比をリッチ側に移行させ、第2O2 センサ45a
がリッチ出力を出力したときにはリッチスキップ量RS
Rを小さくすると共にリーンスキップ量RSLを大きく
して空燃比をリーン側に移行させて空燃比を正確に理論
空燃比に制御するものである。
【0061】図19は第2O2 センサ45aの出力にも
とづいてスキップ量RSR,RSLを演算する第2の空
燃比フィードバック制御ルーチンを示しており、このル
ーチンは所定時間、例えば0.5s毎に実行される。ス
テップ301では第2O2 センサ45aによる閉ループ
条件が成立しているか否かが判別される。例えば、第1
2 センサ44aによる閉ループ条件の不成立に加えて
吸入空気量Qが所定範囲(Q1 ≦Q≦Q2 )内でないと
きには閉ループ条件が成立しておらず、その他の場合に
は閉ループ条件が成立する。閉ループ条件が成立してい
ないときには処理サイクルを完了し、閉ループ条件が成
立したときにはステップ302に進む。
【0062】ステップ302では、第2O2 センサ45
aの出力V2 がA/D変換されて取込まれ、次いでステ
ップ303においてV2 が比較電圧VR2以下か否か、即
ち空燃比がリーンか否かが判別される。V2 ≦VR2(リ
ーン)のときにはステップ304,305に進み、V2
>VR2(リッチ)のときにはステップ306,307に
進む。
【0063】ステップ304では第2の空燃比フラグF
2が“0”とされ、次いでステップ305においてRS
RがRSR+ΔRS(一定値)とされる。即ち、リッチ
スキップ量RSRが増大され、それによって空燃比がリ
ッチ側に移行せしめられる。一方、V2 >VR2(リッ
チ)のときにはステップ306において第2の空燃比フ
ラグF2が“0”とされ、次いでステップ307におい
てRSRがRSR−ΔRSとされる。即ち、リッチスキ
ップ量RSRが減少され、それによって空燃比がリーン
側に移行せしめられる。
【0064】ステップ308では、上述のごとく演算さ
れたリッチスキップ量RSRのガード処理が行われ、例
えば最小値MIN=2.5%、最大値MAX=7.5%
にてガードされる。次いでステップ309ではリーンス
キップ量RSLが(10%−RSR)とされる。即ち、
云い換えるとリッチスキップ量RSRとリーンスキップ
量RSLはRSR+RSL=10%の関係を満たすよう
に制御される。
【0065】図20は燃料噴射時間の演算ルーチンを示
しており、このルーチンは繰返し実行される。図20を
参照するとまず初めにステップ401において吸入空気
量Qおよび機関回転数Nから基本燃料噴射量TAUP
(=α・Q/N)が算出される(αは定数)。次いでス
テップ402では機関冷却水温Twに基いて暖機増量係
数FWLが算出される。なお、機関冷却水温Twと暖機
増量係数FWLとの関係は予めROM32内に記載され
ている。次いでステップ403では次式に基いて燃料噴
射時間TAUが算出される。
【0066】 TAU=TAUP・FAF・(FWL+β)+γ なお、ここでβ,γは運転状態により定まる補正係数で
ある。次いでステップ404では燃料噴射時間TAUが
出力ポート37に出力され、この燃料噴射時間TAUに
基いて各燃料噴射弁4から燃料が噴射される。図21は
三元触媒12a,12bの劣化度の検出ルーチンを示し
ており、このルーチンは所定時間、例えば4ms毎に実行
される。
【0067】図21を参照するとまず初めにステップ5
01では図19のステップ301と同様な第2O2 セン
サ45aの閉ループ条件が成立しているか否かが判別さ
れ、第2O2 センサ45aの閉ループ条件が成立してい
る場合にはステップ502に進む。ステップ502では
機関回転数Nが例えば1000rpm ≦N≦3000rpm
であるか否かが判別され、次いでステップ503におい
て吸入空気量Q/機関回転数Nが例えば0.51/re
v≦Q/N≦1.01/revであるか否かが判別され
る。即ち、アイドル状態、加減速状態等を除いた定常状
態のみステップ504に進むようになっている。
【0068】ステップ504ではカウント値CTが1だ
けインクリメントされ、次いでステップ505ではCT
≦CT0 か否かを判断することにより所定時間CT0 ×
4msを経過したか否かが判別される。CT≦CT0 の間
はステップ506に進んで第2の空燃比フラグF2が反
転したか否かが判別され、第2の空燃比フラグF2が反
転する毎にステップ507に進んでカウント値CSが1
だけインクリメントされる。次いでCT>CT0 になる
とステップ505からステップ508に進んでCSがC
0 とされる。従ってこのCS0 は所定時間CT0 ×4
ms内における第2の空燃比フラグF2の反転回数、即ち
第2O2 センサ45aのリッチ出力からリーン出力およ
びリーン出力からリッチ出力への変化回数を示してい
る。この変化回転CS0 はバックアップRAM35に記
憶される。次いでステップ509においてカウント値C
Sが零とされ、次いでステップ510においてカウント
値CTが零とされる。
【0069】この変化回数CS0 は前述したように三元
触媒12a,12bが劣化するほど大きくなり、従って
この変化回数CS0 から三元触媒12a,12bの劣化
度を判断することができる。従って第2実施例ではこの
変化回数CS0 から三元触媒12a,12bの劣化度を
判断し、この変化回数CS0 が大きくなるほどヒータへ
の通電時間Tonを長くするようにしている。
【0070】図22から図26は変化回数CS0 に基い
てヒータへの通電時間Tonを制御するようにした触媒加
熱制御ルーチンを示している。なお、このルーチンは通
電加熱式触媒12aを制御するルーチンを示しているが
通電加熱式触媒12bの制御も同様なルーチンを用いて
行われる。図22を参照するとまず初めにステップ60
0において図4に示すスタートフラグXSがセットされ
ているか否かが判別される。イグニッションスイッチが
オンにされた直後はスタートフラグXSはリセットされ
ているのでステップ601に進み、機関回転数Nが一定
値、例えば200r.p.m よりも低いか否かが判別され
る。このときにはN<200r.p.m であるのでステップ
602に進んでスタートフラグXSがセットされる。即
ち前述したようにイグニッションスイッチがオンにされ
るとスタートフラグXSがセットされることになる。次
いでステップ605に進む。スタートフラグXSがセッ
トされるとステップ600からステップ603に進んで
機関回転数Nが400r.p.m 以上になったか否かが判別
される。N≦400r.p.m のときはステップ605にジ
ャンプする。一方、N>400r.p.m になるとステップ
604に進んでスタートフラグXSがリセットされ、次
いでステップ605に進む。
【0071】ステップ605では通電加熱式触媒12
a,12bの通電制御、即ち金属製薄板15と金属製波
形板16からなるヒータの制御が行われる。次いでステ
ップ606では2次空気の供給制御が行われる。図23
および図24は図22のステップ605において行われ
るヒータ制御を示している。
【0072】図23および図24を参照するとまず初め
にステップ610においてスタートフラグXSがリセッ
トされているか否かが判別される。スタートフラグXS
がセットされているとき、即ち機関始動後機関回転数N
が400r.p.m に達するまではステップ611に進んで
次式に基きヒータへの通電時間Tonが算出される。 Ton=(W/C)・(Tact −Tehc ) ここでWはヒータの消費電力を示し、Cはヒータの熱容
量を示し、Tact はヒータに対して予め設定されている
温度を示し、Tehc は温度センサ(図示せず)により検
出されたヒータの実際の温度を示している。上式からわ
かるようにヒータの設定温度Tact とヒータの実際の温
度Tehc との温度差(Tact −Tehc )が小さくなるほ
ど通電時間Tonが短かくなる。なお、上式において熱容
量Cおよび設定温度Tact は固定値であり、ヒータの抵
抗値は温度に対してほとんど変化しないために消費電力
Wはバッテリ43の電圧Vにより定まる。また、この実
施例ではヒータの温度を検出するために温度センサが用
いられているがこの温度センサによって検出するのは機
関始動時におけるヒータの温度であり、この温度センサ
を通電加熱式触媒12a,12bが活性化温度に達した
か否かを検出するために用いてはいない。
【0073】次いでステップ612では次式に基いて最
終的なヒータ通電時間Tonが算出される。 Ton=(Ton−Tond ) ・KTonA ここでTond は排気熱による通電時間の補正値を示して
おり、KTonAは三元触媒12a,12bの劣化度に応
じた通電時間の補正値を示している。即ち、触媒12
a,12bは排気熱によっても加熱されるために排気熱
が高いほど通電時間を短かくすることができる。従って
排気熱が高くなるほどTond が大きくされて最終的な通
電時間Tonが短かくされる。なお、排気熱は機関負荷Q
/N(吸入空気量Q/機関回転数N)が高くなるほど高
くなり、機関回転数Nが高くなるほど高くなるので排気
熱による通電時間の補正値Tond は図27(A)に示さ
れるようにN・Q/Nが大きくなるにつれて増大せしめ
られる。なお、図27(A)に示す関係は予めROM3
2内に記憶されている。
【0074】一方、前述したように三元触媒12a,1
2bの劣化の度合が大きくなるほどヒータの通電時間T
onを長くしなければならない。そこで図27(B)に示
されるように第2O2 センサ45aのリッチ出力からリ
ーン出力およびリーン出力からリッチ出力への変化回数
CS0 が大きくなるほど、即ち三元触媒12a,12b
の劣化の度合が大きくなるほど補正値KTonAを増大さ
せ、それによって3元触媒12a,12bが劣化するほ
ど最終的な通電時間Tonが長くされる。なお、図27
(B)に示す関係は予めROM32内に記憶されてい
る。
【0075】次いでステップ613ではヒータを長時間
に亘ってオンにし続けないための最大許容累積吸入空気
量、即ちガード値GAmax が算出される。このガード値
GA max は図13に示されるようにバッテリ電圧Vと機
関始動時における機関冷却水温Twとの関数であり、こ
のガード値GAmax も図13(B)に示すようなマップ
の形で予めROM32内に記憶されている。ステップ6
13においてガード値GAmax が算出されるとステップ
614に進んでヒータがオフとされる。
【0076】一方、ステップ610においてスタートフ
ラグXSがリセットされたと判別されると、即ち機関回
転数Nが400r.p.m を越えるとステップ615に進
み、機関冷却水温Twが−10℃≦Tw≦35℃の範囲
にあるか否かが判別される。Tw<−10℃又はTw>
35℃のときにはステップ614に進んでヒータがオフ
とされる。これに対して−10°≦Tw≦35℃のとき
にはステップ616に進んでバッテリ43の電圧Vが1
1(v)以下になったときにセットされるバッテリフラ
グXBがリセットされているか否かが判別される。バッ
テリフラグXBがセットされているときにはステップ6
14に進んでヒータがオフとされる。これに対してバッ
テリフラグXBがリセットされているときにはステップ
617に進む。
【0077】ステップ617ではバッテリ43の電圧V
が16(v)以下か否かが判別される。V>16(v)
のときにはステップ614に進んでヒータがオフとされ
る。これに対してV≦16(v)のときにはステップ6
18に進んでバッテリ43の電圧Vが11(v)よりも
高いか否かが判別される。V<11(v)のときにはス
テップ619に進んでバッテリフラグXBがセットさ
れ、次いでステップ614に進んでヒータがオフとされ
る。これに対してV≧11(v)のときにはステップ6
20に進んでスタータスイッチ42がオフとなっている
か否かが判別される。スタータスイッチ42がオンのと
きにはステップ614に進んでヒータがオフにされる。
これに対してスタータスイッチ42がオフのときにはス
テップ621に進んで図12に示すルーチンにおいて算
出されているカウント値CTが通電時間Tonよりも小さ
いか否かが判別される。CT≦Tonのときにはステップ
622に進む。
【0078】ステップ622では図12に示すルーチン
において算出されている累積吸入空気量GAがガード値
GAmax よりも大きくなったか否かが判別される。GA
<GAmax のときにはステップ623に進んでヒータが
オンとされる。その後ステップ621においてCT>T
onになったと判別されたとき、即ち通電時間Tonが経過
したときにはステップ614に進んでヒータがオフとさ
れる。
【0079】図25および図26は図22のステップ6
06において行われる2次空気供給制御を示している。
図25および図26を参照するとまず初めにステップ6
40においてスタートフラグXSがセットされているか
否かが判別される。スタートフラグXSがセットされて
いるとき、即ち機関回転数Nが400r.p.m に達してい
ないときにはステップ641に進んで機関冷却水温Tw
が−10℃≦Tw≦35℃の範囲にあるか否かが判別さ
れる。−10℃≦Tw≦35℃のときにはステップ64
2に進んで通電時間Tonから一定時間α(図5)を減算
することによって2次空気供給開始待ち時間TAIRon
(=Ton−α)が算出される。次いでステップ643で
は2次空気を供給すべき前提条件が成立していることを
示す許可フラグXPがセットされ、次いでステップ64
6に進む。これに対してTw<−10℃又はTw>35
℃のときにはステップ645に進んで許可フラグがリセ
ットされ、次いでステップ646に進む。
【0080】ステップ646ではスタートフラグXSが
リセットされているか否かが判別される。このときには
スタートフラグXSがセットされているのでステップ6
47に進んでエアポンプ17がオフされる。次いでステ
ップ148では切換弁22の切換作用によって遮断弁1
8が閉弁せしめられる。一方、スタートフラグXSがリ
セットされると、即ち機関回転数Nが400r.p.m を越
えるとステップ640からステップ644に進んで累積
吸入空気量GAが最大吸入空気量GImax よりも大きく
なったか否かが判別される。この最大吸入空気量GI
max は前述したように機関始動時における冷却水温Tw
とバッテリ43の電圧Vとの関数であり、この最大吸入
空気量GImax は図13(B)に示すようなマップの形
で予めROM32内に記憶されている。
【0081】ステップ644においてGA≦GImax
あると判断されるとステップ646にジャンプする。こ
のときステップ646ではスタートフラグXSがリセッ
トされていると判断されるのでステップ649に進み、
カウント値CTが2次空気供給開始待ち時間TAIRon
から一定時間β(図5)を差し引いたエアポンプオン
時間(TAIRon−β)を越えたか否かが判別され
る。CT<TAIRon−βのときにはステップ647に
進んでエアポンプ17がオフとされる。これに対してC
T≧TAIRon−βになると、即エアポンプオン待ち
間(TAIRon−β)が経過するとステップ650に進
む。
【0082】ステップ650ではバッテリ43の電圧V
が11(v)よりも高いか否かが判別される。V≦11
(v)のときにはステップ651に進んでヒータがオン
にされているか否かが判別される。ヒータがオフのとき
にはステップ647に進んでエアポンプ17がオフとさ
れる。これに対してヒータがオンであると判別されると
きにはステップ652に進んでヒータがオフとされ、次
いでステップ647に進んでエアポンプ17がオンとさ
れる。
【0083】一方、ステップ650においてV>11
(v)であると判別されるときにはステップ653に進
んで許可フラグXPがセットされているか否かが判別さ
れる。許可フラグXPがセットされているときにはステ
ップ654に進んでエアポンプ17がオンとされ、次い
でステップ655に進んでエアポンプ17がオンにされ
てから一定時間β(図5)が経過したか否か、即ち2次
空気供給開始待ち時間TAIRonが経過したか否かが判
別される。一定時間βが経過しないときにはステップ6
48に進んで遮断弁18が閉弁され続け、一定時間βを
経過すると、即ち2次空気供給開始待ち時間TAIRon
を経過するとステップ656に進んで切換弁22の切換
作用により遮断弁18が開弁せしめられる。斯くして2
次空気の供給が開始される。
【0084】次いでステップ644においてGA>GI
max になったと判別されたときにはステップ645に進
んで許可フラグXPがリセットされる。許可フラグがリ
セットされるとステップ653からステップ647に進
んでエアポンプ17がオフとされ、次いでステップ64
8において遮断弁18が閉弁せしめられるので2次空気
の供給が停止される。
【0085】
【発明の効果】通電加熱式触媒のどこかの部分が活性化
温度に達したときに2次空気が触媒に流入せしめられる
ので2次空気による未燃HC,COの酸化反応を早期に
開始させることができ、斯くして未燃HC,COの浄化
作用を早期に開始させることができる。また、未燃H
C,COの酸化作用が開始されると触媒への通電が停止
されるので電力消費量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】触媒コンバータの拡大側面断面図である。
【図3】通電加熱式触媒の断面図である。
【図4】ヒータおよびエアポンプの作動を説明するため
のタイムチャートである。
【図5】ヒータおよびエアポンプの作動をより詳細に説
明するためのタイムチャートである。
【図6】通電時間Tonを示す図である。
【図7】触媒の加熱制御を実行するためのフローチャー
トである。
【図8】ヒータ制御を実行するためのフローチャートで
ある。
【図9】ヒータ制御を実行するためのフローチャートで
ある。
【図10】2次空気制御を実行するためのフローチャー
トである。
【図11】2次空気制御を実行するためのフローチャー
トである。
【図12】時間割込みルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図13】最大吸入空気量GImax およびガード値GA
max を示す線図である。
【図14】ヒータおよびエアポンプの作動を説明するた
めのタイムチャートである。
【図15】第2O2 センサの出力電圧の変化を示す線図
である。
【図16】第1の空燃比フィードバック制御ルーチンを
示すフローチャートである。
【図17】第1の空燃比フィードバック制御ルーチンを
示すフローチャートである。
【図18】第1の空燃比フィードバック制御を説明する
ためのタイムチャートである。
【図19】第2の空燃比フィードバック制御ルーチンを
示すフローチャートである。
【図20】燃料噴射時間の演算ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図21】触媒劣化度を検出するためのフローチャート
である。
【図22】触媒の加熱制御を実行するための別の実施例
を示すフローチャートである。
【図23】ヒータ制御を実行するための別の実施例を示
すフローチャートである。
【図24】ヒータ制御を実行するための別の実施例を示
すフローチャートである。
【図25】2次空気制御を実行するための別の実施例を
示すフローチャートである。
【図26】2次空気制御を実行するための別の実施例を
示すフローチャートである。
【図27】補正値Tond およびKTonAを示す線図であ
る。
【符号の説明】
8a,8b…排気マニホルド 12a,12b…通電加熱式触媒 17…エアポンプ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関排気通路内に通電加熱式触媒を配置
    し、通電加熱式触媒上流の機関排気通路内に2次空気を
    供給するための2次空気供給装置を具備し、該触媒の通
    電加熱中に2次空気の供給を開始するようにした内燃機
    関において、上記触媒への通電開始後該触媒が活性化温
    度に達するまでの時間に影響を与えるパラメータに基い
    て触媒が活性化温度を越えるのに必要な触媒への通電時
    間を算出する通電時間算出手段と、該通電時間算出手段
    により算出された通電時間の間該触媒を通電加熱する通
    電制御手段と、該触媒への通電開始後2次空気の供給を
    開始するまでの2次空気供給開始待ち時間を制御して該
    触媒がほぼ活性化温度に達したときに2次空気が該触媒
    に流入するように上記通電時間が長くなるほど2次空気
    供給開始待ち時間を長くするようにした2次空気供給制
    御手段とを具備した内燃機関の触媒暖機装置。
  2. 【請求項2】 上記2次空気供給制御手段は上記通電時
    間よりも一定時間短かい時間を2次空気供給開始待ち
    間とする請求項1に記載の内燃機関の触媒暖機装置。
  3. 【請求項3】 上記パラメータがバッテリ電圧又は機関
    温度であり、上記通電時間算出手段はバッテリ電圧又は
    機関温度が低いほど上記通電時間を長くする請求項1に
    記載の内燃機関の触媒暖機装置。
  4. 【請求項4】 上記パラメータが上記触媒の劣化の度合
    であり、上記通電時間算出手段は触媒の劣化の度合が大
    きくなるほど上記通電時間を長くする請求項1に記載の
    内燃機関の触媒暖機装置。
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