JP2969347B1 - 電気掃除機の吸込み具 - Google Patents

Abstract

【要約】 【課題】 布団のような柔らかい表面体は勿論のこと、
床面吸塵等の通常の掃除にも効果的に使用できる電機掃
除機用吸込み具を提供すること 【解決手段】 電気掃除機に於ける吸込み具本体１の底
面２を略平らとし、この底面２の略全域にわたって吸気
口３が形成され、該吸気口３に、周面の一部が吸気口３
から突出した状態で且つその軸芯が吸込み具本体１の走
行方向に対して直角となるように向けられた複数のロー
ラー４…が回転自在に配置されており、更に前記吸込み
具本体１の通気口５が設けられ、該通気口５にその開度
を調整する調整弁６が組み込まれている構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電気掃除機の吸込
み具に関するものであり、殊に、柔らかい表面を有する
布団や毛布、カーペット等を掃除するのに適した吸込み
具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、布団や毛布等の柔らかい表面を掃
除するための吸込み具として、外周下部に吸気口を設け
た円筒状の吸込み具本体に多数の吸込み孔を有する回転
体を設け、移動によって回転する回転体の吸込み孔から
前記吸気口を介してゴミを吸引し、電気掃除機本体に集
塵するようにしたものが、例えば特開平７−１１６０８
９号、特開平７−１１６０９０号、特開昭５４−１５８
０６８号等で知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の吸込み具にあっては回転体が円筒体で形成され、
この円筒状の回転体が吸込み具本体を軸として回転する
構造と成っているため、回転体の形態が断面真円形でし
か作ることができなかった。従って回転体の被掃除物に
対する接地面が円弧の一部に限られて吸引エリアが小さ
く、吸塵効率が非常に悪いといった問題点がある。

【０００４】このような問題点を解決するため、本発明
者は先に、回転体の被掃除物に対する接地面が面接触で
接触できるようにして充分な吸引エリアを確保した吸込
み具を特開平９−２２４８８９号で提案した。これによ
れば、柔らかい表面体に対して効率よく吸塵することが
可能となったが、しかしながら回転体を、多数の孔を設
けた板ユニットを無端ベルト状に連結したキャタピラ構
造としたため、構造が複雑化してコスト高になると共
に、その使用目的が柔らかい表面体の吸塵用に限定され
て床面やカーペット清掃等の通常の掃除に対しては効率
が悪いといった欠点があった。

【０００５】そこで本発明は、上記の課題を解消し、布
団のような柔らかい表面体は勿論のこと、床面吸塵等の
通常の掃除にも効果的に使用できるとともに、キャタピ
ラ構造に変えて複数のローラーを使用し、このローラー
を単純なローラーユニットに形成して簡単に吸い込み具
本体に組み込むことができる電機掃除機用吸込み具を提
供することを主たる目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為に
本発明では次のような技術的手段を講じた。即ち、本発
明にかかる電気掃除機の吸込み具にあっては、電気掃除
機に於ける吸込み具本体１の底面２を略平らとし、この
底面２の略全域にわたって吸気口３が形成され、該吸気
口３に、周面の一部が吸気口３から突出した状態で且つ
その軸芯が吸込み具本体１の走行方向に対して直角とな
るように向けられた複数のローラー４…が回転自在に配
置されている。前記ローラー４…は、固定側板１０に設
けた受ピン１１と、上方に取出すことのできる嵌込み側
板１２に設けた受ピン１３とによって保持され、前記嵌
込み側板１２は上方から下部ボディ１ｂの受け座１４に
はめ込むことができるように構成されている。更に前記
吸込み具本体１に、該吸込み具本体１の内外に通じる吸
引エアー調整用の通気口５が設けられ、該通気口５にそ
の開度を調整する調整弁６が組み込まれている構造とし
た。

【０００７】このような構成とすることによって、調整
弁６で通気口５の開度を調整することにより、布団や毛
布等の柔らかい表面を効率よく吸塵することができると
共に、床面等の固い表面に対しても効果的に清掃するこ
とができる。

【０００８】前記ローラー４…は、大径部分と小径部分
が交互に連続して配置された形状の異形パイプで形成す
るのが好ましい。この場合、隣接するローラー４…の大
径部分と小径部分がはめ合いの状態になるように、即ち
一方の小径部分の凹部に他方の大径部分の凸部がはまり
込むように配置することにより、ローラー間の隙間を小
さくして、柔らかい生地等の被清掃物が引き込まれるこ
とが効果的に防止される。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を図面に基づ
いて説明する。図１〜図５は本発明に係る吸込み具を示
すものであって、符号１で吸込み具本体を示す。この吸
込み具本体１は合成樹脂材によって個別に成型された上
部ボディ１ａと下部ボディ１ｂとからなり、ビス７…に
よって連結されている。この吸込み具本体１は平面視長
方形状に形成されており、背面には電機掃除機の吸引パ
イプ８を着脱自在に接続するための接続口９が設けられ
ている。また前記吸気口３には、周面の一部が吸気口３
から突出した状態で、且つその軸芯が吸込み具本体１の
走行方向に対して直角となるように複数のローラー４…
が回転自在に配設されている。

【００１０】本実施例では、左右二組のローラーユニッ
ト４０、４０により前記ローラー４…が組成されてい
る。この夫々のローラー４…は、図２並びに図５に示す
ように、固定側板１０に設けた受ピン１１と、上方に取
出すことのできる嵌込み側板１２に設けた受ピン１３と
によって保持されている。上記嵌込み側板１２は上方か
ら下部ボディ１ｂの受け座１４にはめ込まれ、上部ボデ
ィ１ａの押さえ突起１７で安定保持されている。このよ
うな構造とすることにより、簡単にローラー４…を吸込
み具本体１に組み込むことができる。

【００１１】前記ローラー４…は、大径部分と小径部分
が交互に連続して配置された形状の異形パイプで形成す
るのが好ましい。この場合、図４に示すように隣接する
ローラー４…の大径部分と小径部分がはめ合いの状態に
なるように、即ち一方の小径部分の凹部に他方の大径部
分の凸部がはまり込むように配置することにより、ロー
ラー間の隙間を小さくして柔らかい生地等の被清掃物が
吸込み具本体１内に引き込まれることを効果的に防止く
することができる。

【００１２】更に本発明では、図１、図２並びに図３に
示すように、上部ボデイ１ａに内外に通じる通気口５が
設けられ、スライド調整弁６でその開度を調整できるよ
うに形成されている。このスライド調整弁６はガイド板
１５と上部ボディ１ａとの間でスライド可能に装着さ
れ、つまみ６ａでスライドさせることにより開度調整が
できる。またスライド調整弁６とガイド板１５との接触
面に複数の係合凹凸部１６がスライド調整弁６のスライ
ド方向に所定の間隔をあけて形成されており、これによ
りスライド調整弁６のスライド位置を仮保持できる構造
となっている。尚図３に示すように、通気口５に面した
上部ボディ１ａの端縁部１８，１８を少し下方に曲げて
弾力性を付与させることにより、スライド調整弁６をガ
タツキなくスライド可能に保持させることができる。

【００１３】上記のごとく構成された吸込み具は、掃除
対象物に応じてスライド調整弁６で通気口５の開度を調
整してローラー４を設けた吸気口３の吸引圧力を調整し
て使用する。例えば、布団や毛布、カーテン等の柔らか
い表面を吸塵する場合は、通気口５の開度を広げて吸気
口３の吸引圧力を弱くして使用する。毛布や布団等の柔
らかい表面に吸込み具本体１の底面２を押しつけて走行
させると、ローラー４…が摩擦力によって回動して、吸
気口３からゴミやダニが吸込み具本体１内に吸引され
る。この場合、ローラー４…の回動によって布団表面が
吸気口３に引き込まれたり、纏わり付いたりすることが
ない。又、ローラー４…を設けた底面２が略平らに形成
されているから被掃除物に対する接地面が面接触で接触
させることが可能となり、これにより充分な吸引エリア
を確保して効率よく埃やダニを吸引することのできる。
またカーペットや床面等の固い表面を掃除する場合は、
スライド調整弁６で通気口５を閉じることにより大きな
吸引力が得られて通常の掃除機同様に使用することがで
きる。

【００１４】尚、上記実施例では通気口５並びに調整弁
６を吸込み具本体１の上面に設けたが、左右側面や背面
に設けても良いことは勿論である。また調整弁６の構造
も上記に特定されるものでなく、通気口５の開度を調整
できるものであればどのような構造であっても良い。

【００１５】また、本発明では、図６に示すように、上
記した調整弁６を省略して、予め所定の大きさの通気口
５’を吸込み具本体１に形成しておくようにしてもよ
い。これにより、専ら布団や毛布等の柔らかい表面の清
掃に適した吸込み具を提供することができる。

【００１６】以上本発明の代表的と思われる実施例につ
いて説明したが、本発明は必ずしもこれらの実施例構造
のみに限定されるものではない。例えば前記したローラ
ユニット４０の数や、ローラー４の本数等は適宜変更し
て実施することができる。またローラー４…の形態も同
一径のパイプで形成してもよい。その他本発明ではその
構成要件を備え、かつ前記の目的を達成し、下記の効果
を有する範囲において適宜に改変して実施することがで
きるものである。

【００１７】

【発明の効果】本発明の吸込み具は上記の如く、複数の
ローラーを有するローラーユニットを吸い込み具本体に
はめ込んだ簡単な構造によって安価にしかも丈夫に形成
できると共に、複数のローラーの存在によって布団や毛
布、カーテン等の柔らかい表面を、生地が吸気口に引き
込まれたり、纏わりついたりすることなく効率よく吸塵
することができるといった顕著な効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る吸込み具の一実施例を示す斜視
図。

【図２】上記吸込み具の断面図。

【図３】図２におけるＡ−Ａ線に沿った拡大断面図。

【図４】上記吸込み具の底面図。

【図５】ローラー取り付け部の分解断面図。

【図６】本発明に係る吸込み具の他の実施例を示す斜視
図。

【符号の説明】

１ 吸込み具本体 １ａ 吸込み具本体の上部ボデイ １ｂ 吸込み具本体の下部ボデイ ２ 吸込み具本体の底面 ３ 吸気口 ４ ローラー ５，５’ 通気口 ６ 調整弁

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気掃除機に於ける吸込み具本体(1)の
   底面(2)を略平らとし、この底面２の略全域にわたって
   吸気口(3)が形成され、該吸気口(3)に、周面の一部が吸
   気口(3)から突出した状態で且つその軸芯が吸込み具本
   体(1)の走行方向に対して直角となるように向けられた
   複数のローラー(4)…が回転自在に配置されており、前
   記ローラー(4)…は、固定側板(10)に設けた受ピン(11)
   と、上方に取出すことのできる嵌込み側板(12)に設けた
   受ピン(13)とによって保持され、前記嵌込み側板(12)は
   上方から下部ボディ(1b)の受け座(14)にはめ込むことが
   できるように構成されており、更に前記吸込み具本体
   (1)に、該吸込み具本体(1)の内外に通じる吸引エアー調
   整用の通気口(5)が設けられ、該通気口(5)にその開度を
   調整する調整弁(6)が組み込まれている電気掃除機の吸
   込み具。
2. 【請求項２】 電気掃除機に於ける吸込み具本体(1)の
   底面(2)を略平らとし、この底面２の略全域にわたって
   吸気口(3)が形成され、該吸気口(3)に、周面の一部が吸
   気口(3)から突出した状態で且つその軸芯が吸込み具本
   体(1)の走行方向に対して直角となるように向けられた
   複数のローラー(4)…が回転自在に配置されており、前
   記ローラー(4)…は、固定側板(10)に設けた受ピン(11)
   と、上方に取出すことのできる嵌込み側板(12)に設けた
   受ピン(13)とによって保持され、前記嵌込み側板(12)は
   上方から下部ボディ(1b)の受け座(14)にはめ込むことが
   できるように構成されており、更に前記吸込み具本体
   (1)に、該吸込み具本体(1)の内外に通じる通気口(5')が
   設けられている電気掃除機の吸込み具。