JP2966001B2 - 配電線事故診断方法 - Google Patents

配電線事故診断方法

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JP2966001B2 JP1188248A JP18824889A JP2966001B2 JP 2966001 B2 JP2966001 B2 JP 2966001B2 JP 1188248 A JP1188248 A JP 1188248A JP 18824889 A JP18824889 A JP 18824889A JP 2966001 B2 JP2966001 B2 JP 2966001B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、多地点センサ情報を利用した効率的な事故
区間の探索及び迅速な負荷融通処理のできる配電線事故
診断方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、配電系統の故障発生時の保護及び事故診断は、
基本的には各配電用変電所に取付けられている配電線保
護リレーで行われてきた。
また、事故区間探索は、変電所の遮断器が開放後、時
限順送により、区間開閉器を順次投入し、再度、変電所
の遮断器が開放することにより行われてきた。
これに対し、変電所のみならず、配電系統の各所にわ
たってセンサを設置し、その情報を収集し、その結果を
光ファイバケーブルを用いた情報伝送網を通じて一箇所
に収集すれば、事故区間の探索及び迅速な負荷融通の処
理(戸上,他「配電系統停電時の2段階操作による負荷
融通処理方式」電気学会電力技術研究会,PE−89−151
(平元−7)参照)が可能となる。したがって、変電所
の遮断器が遮断する前に事故区間の間の開閉器又は遮断
器を開放することにより、事故区間以外は無停電で事故
処理が可能となる。このことは情報化社会における今日
において、高品質の電力を消費者に供給できることを意
味する。また、微地絡情報等を収集し、その波形解析を
行うことにより、事故に発展する原因の推定、或いは事
故予知(久保,他「配電線の事故原因と零相成分との相
関について」昭和59電気学会全国大会,No.993、戸上,
他「配電線多地点情報による事故診断エキスパートシス
テム」平元(前期)情報処理学会全国大会,No.3D−7参
照)も可能となる。
この場合、知識工学的接近が有効である。その理由と
しては、第1に、より高度の自動化の達成という観点か
らである。自動化はシステム技術の導入により、大規模
システムの効率的かつ合理的な自動化が目標とされる。
しかし、システムの計画、設計、実現、運用などにおい
て、多数必要となる経験を積んだ技術者や技能者を確保
することが困難になりつつあり、専門知識継承の問題や
企業環境の変化に迅速に対応できる柔軟なシステムの実
現という問題があり、このようなニーズに対応するもの
である。
第2に、ソフトウエア危機の克服という観点からであ
る。大規模ソフトウエアの生産性の向上、ソフトウエア
保守費の抑制などの課題がある。労働集約的なソフトウ
エアづくりの実態の改善、ユーザの要求仕様の水準とこ
れを実現するプログラミング言語の水準の間のギャップ
の調整に貢献することが期待される。
第3に、悪構造問題に対する新しい接近法という観点
からである。FA(Factory Automation),OA(Office Au
tomation)あるいはLA(Laboratory Automation)にお
ける要求はより複雑かつ大規模なものになりつつある
が、これらに関連する問題の大部分は悪構造問題であ
り、従来のシステム科学的方法論では扱いにくいもので
ある。ここに、この問題を解決すべきニーズがある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、事故区間判定や事故原因の推定などの
知識は、現在のところ完全には得られておらず、将来に
わたって知識の蓄積及び修正を伴いながらシステムの性
能向上を図らねばならない。
従って、モジュール性が高く、知識の修正及び知識の
可読性の高いエキスバートシステムを同事故診断に用い
ることが要求される。
事故検出及び事故種別判定システム並びに事故区間判
定システムは変電所遮断器が開放する前に、事故区間判
定及び事故区間切離しを行う必要がある。従って、効率
的な事故検出及び事故種別判定が望まれる。
断線事故に関しても、従来から種々提案されている
が、完全に検出することは不可能で、より確実な方法が
望まれている。
本発明が解決すべき課題は、このような従来の問題点
を解消することにある。
〔課題を解決するための手段〕
この課題を解決するため、本発明は、多地点センサ情
報利用配電線事故診断エキスバートシステム及び従来の
手続的表現(手続的アルゴリズム)によって、事故検出
及び事故種別判定、事故区間探索、事故原因診断、事故
頻度データ収集の4つの小システムに階層化し、知識の
構築及び検証、修正を容易にし、各種データを総合的に
判断することにより事故区間探索の信頼性を上げ、また
事故波形の各要素をファジー表現し、それに基づいて事
故原因診断を行い、更には事故頻度データを収集するこ
とにより事故予知を可能にするようにしたものである。
〔作用〕
このようにすることにより、変電所並びに配電線各所
の情報をセンサで計測し、その結果を光ファイバケーブ
ルを用いた情報伝送網を通じて一箇所に収集、処理し、
配電系統全体に対し総合的な保護及び事故診断を行うこ
とができる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
配電系統のグラフ表現とセンサ配置について述べる。
一般に、配電系統はループ配電となっており、系統上の
連系常開開閉器を開放しているため、事故時以外は樹枝
状で運用される。従って、遮断器及び開閉器をブラン
チ、分岐点をノードとして樹枝状にグラフ表現すること
ができる。
第5図は、グラフ表現した配電系統の一例を示す。
一般に配電系統は、変電所Pにおいて送電電圧を配電
電圧に降圧する変圧器T(T1,T2)よりバンク遮断器B
(B1〜B4)を経てバンク母線Q(Q1〜Q4)に電力供給さ
れる。バンク母線Q1,Q2間、Q2,Q3間、Q3,Q4間には、タ
イバンク遮断器TB(TB1〜TB3)が設けられ、変圧器Tが
故障した場合、他の変圧器Tから電力を融通できるよう
にしている。
このとき、電力は、各バンク母線よりフィーダ遮断器
F(F1〜F12)を経て各フィーダへ供給される。各フィ
ーダには区間を分離する区分開閉器K(K1〜K26)が設
けられている。
一般的に、各フィーダの要所には、他の供給点、又は
他のルートと連結し通常は開放している連系常開開閉器
が設けられ、事故により停電区間が生じた時、この連系
常開開閉器を閉じることにより、他の供給点又は他のル
ートから電力供給を行い、停電区間の負荷を融通して停
電区間を解消又は縮小させるようにしている。常時は連
系常開開閉器が開放しているために配電系統は樹枝状と
なっている。図では簡単にするため、この連系常開開閉
器の記載を省略している。また、一部のフィーダについ
て具体的に記載し、他のフィーダは同様であるので記載
を省略した。
これら、変圧器T、バンク遮断器B、フィーダ遮断器
F、区分開閉器K等の配電機器の出口にそれぞれ配電線
情報を検出し、送出するセンサTS、BS、FS、KSを設け
る。また、配電線路が長い場合、必要な箇所には、区分
開閉器Kによって区分された区間内を更に分割した位置
に、例えば配電線の支柱等にセンサPSを設ける。
は区分開閉器の開状態、 は区分開閉器の閉状態、・は配電線の分岐点である。
第5図は、第4図の配電系統に配置されたセンサの配
置をグラフ表現したものである。
主として事故検出及び事故種別判定のために、変電所
内に設置されている変電所の電源側に設置するセンサTS
と、バンク遮断器に設置するセンサBSと、フィーダ遮断
器に設置するセンサFSが階層的に配置され、更に、主と
して事故区間探索のために配電線の各開閉器に設置する
センサKSと、電柱などに設置するセンサPSが配電されて
いる。以後、変電所の電源側に設置するセンサをTS、バ
ンク遮断器に設置するセンサをBS、フィーダ遮断器に設
置するセンサをFS、各開閉器に設置するセンサをKS,電
柱などに設置するセンサをPSとする。
第1図に、システムの入力情報及びシステム構成を示
す。図に示すように当システムは、事故検出及び事故種
別判定、事故区間探索、事故原因診断、事故頻度データ
収集の4つの小システム11〜14に機能別に階層化してお
り、これにより、知識の構築及び検証、修正を容易にし
ている。
事故検出及び事故種別判定の小システム11では、主に
変電所内に設置されているセンサにより零相電圧、零相
電流及び線電流等を検出し、事故検出及び事故種別判定
を行う。
事故検出は、変電所センサあるいはフィーダセンサの
信号で行い、事故種別によっては配電線各所センサの信
号を組合せて検出する。取り込むセンサ信号が少ないバ
ンクセンサの方が、走査頻度が多くなり検出が速くなる
が、しきい値を高くとらなければならず、検出精度が粗
くなり、検出漏れが生じることがある。取り込むセンサ
信号の多いフィーダセンサでは、走査頻度が小さくな
り、検出が遅くなるが、しきい値を低くして検出精度を
上げることができる。
このシステムにより起動される事故区間探索システム
12では、配電線各所の零相電圧、零相電流位相角等のポ
ーリング情報により事故区間検索を行う。事故区間判定
後起動される事故原因診断システム13では、零相電圧、
零相電流それぞれの統合歪率、直流成分及び高調波成分
を要素として事故原因の推論を行う。事故頻度データ収
集システム14では、事故区間探索システム12及び事故原
因診断システム13より事故区間とその原因のデータを収
集することにより事故予知に役立てる。
各システム内容を更に詳述する。
事故検出及び事故種別判定(11) 事故検出及び事故種別判定はセンサの情報及び事故種
別判定のためのしきい値をフレーム表現し、そのフレー
ムデータと事故種別判定ルールによって検出及び判定を
行う。第1表にセンサ情報フレームの一例を示す。ま
た、同じセンサ情報でも他絡判定、断線判定と事故種別
によりしきい値が異なる場合があるので、それぞれに対
するしきい値を異なるスロットを用いて表現した。第2
表に事故種別判定ルールの一例を示す。
第1表 センサ情報フレーム (FS(ako(value(BS))) (I0s(default(0.5))) (Ib0s(default(0.3))) (Vc0s(default(100))) (Vb0s(default(50))) (Vd0s(default(200))) (φ(range(−60 120))) (Ias(default(2000))) (Ibs(default(2000))) (Ics(default(2000))) (Idas(default(400))) (Idbs(default(400))) (Idcs(default(400))) (FS1(ako(value(FS))) (I0(value(0.04))) (V0(value(30))) (Vc0s(value(90))) (φ(value(20))) (Ia(value(400))) (Ias(value(1500))) (Ib(value(400))) (Ibs(value(1500))) (Ic(value(400))) (Ics(value(1500)))) (FS2(ako(value(FS))) (I0(value(0.01))) (I0s(value(0.4))) (V0(value(20))) Vc0s(value(80))) (φ(value(20))) (Ia(value(550))) (Ias(value(1800))) (Ib(value(550))) (Ibs(value(1800))) (Ic(value(550))) (Ics(value(1800)))) (KS(ako(value(FS))) (I0s(default(0.4))) (Ib0s(default(0.2))) (Vc0s(default(80))) (Vb0s(default(40))) (Vd0s(default(200))) (φ(range(−60 120))) (Ias(default(1800))) (Ibs(default(1800))) (Ics(default(1800))) (Idas(default(200))) (Idbs(default(200))) (Idcs(default(200)))) (KS1(ako(value(KS))) (I0(value(0.01))) (I0s(value(0.4))) (V0(value(20))) (Vcos(value(80))) (φ(value(20))) (Ia(value(350))) (Ias(value(1300))) (Ib(value(350))) (Ibs(value(1300))) (Ic(value(350))) (Ics(value(1300)))) (KS2(ako(value(KS))) (I0(value(0.01))) (I0s(value(0.4))) (V0(value(20))) Vc0s(value(80))) (φ(value(20))) (Ia(value(300))) (Ias(value(1200))) (Ib(value(300))) (Ibs(value(1200))) (Ic(value(300))) (Ics(value(1200)))) ここで、 I0 :零相電流現在値 Ios:零相電流地絡しきい値 Ibos:零相電流微地絡しきい値 V0 :零相電圧現在値 Vc0s:零相電圧地絡しきい値 Vb0s:零相電圧微地絡しきい値 Vd0s:零相電圧断線しきい値 φ:位相角現在値 φs:位相角しきい値 Ia :a相電流現在値 Ias:a相電流短絡しきい値 Ib :b相電流現在値 Ibs:b相電流短絡しきい値 Ic :c相電流現在値 Ics:c相電流短絡しきい値 Idas:a相電流断線しきい値 Idbs:b相電流断線しきい値 Idcs:c相電流断線しきい値 FS、FS1、FS2、KS、KS1、KS2はフレーム名である。各信
号の意味は次のとおりである。
ako :種類(a kind of) value :スロット値(slot value) default :デフォルト値(default value) range :データがとり得る範囲 第2表 事故種別判定ルール ルール1) もし センサSXで I0がI0s以上で かつ V0がVc0s以上で かつ 位相角が位相角しきい値内にある ならば 地絡事故である。
ルール2) もし センサSXで I0がI0s未満で かつ I0がIb0s以上 V0がVc0s未満で かつ V0がVb0s以上で かつ 位相角が位相角しきい値内にある ならば 微地絡事故である。
ルール3) もし センサSXで IaがIas以上で かつ IbがIbs以上で ならば a,b相2線短絡事故である。
ルール4) もし センサSXで IbがIbs以上で かつ IcがIcs以上で ならば b,c相2線短絡事故である。
ルール5) もし センサSXで IcがIcs以上で かつ IaがIas以上で ならば c,a相2線短絡事故である。
ルール6) もし センサSXで IaがIas以上で IbがIbs以上で かつ IoがIos以上で ならば 3線短絡事故である。
ルール7) もし センサSXで V0がVd0s以上で ならば 断線事故である。
フレーム表現は、人間の記憶及び認知の過程をモデル
化するための枠組みとして提案された知識表現形式で、
知識の構造的表現の一つであり、典型的な状況や事象・
対象等の概念的記述とそれらの間の階層的関係の記述を
利用して、具体的な状況や事象・対象に対する理解や問
題解決を効率よく行うことを意図している。
フレーム表現のもっとも基本的なデータ構造は、次の
ように定義される。
〈フレーム〉::=〈フレーム名〉 〈スロット〉 … 〈スロット〉 即ち、フレームはフレーム名とスロットの集合として
定義される。
スロットは、スロット名とスロット値で次のように表
され、スロット値は次のように表される。
〈スロット〉::=〈スロット名〉〈スロット値〉 〈スロット値〉::=〈数値〉|〈文字列〉|〈フレーム
名〉|〈手続き名〉|その他 ここで、“|"は、“又は”の意味で使われる。
スロットの値によって規定されるフレーム間の階層関
係の中で、“a kind of"や“an instance of",“a subs
et of"等の“is a"関係は、性質の継承という特性を持
っており、下位フレームは上位フレームが持つ性質を継
承することができる。
フレームシステムにおける推論の基本は、現在注目し
ているフレームについて、値が未知のスロットの値を確
定することである。
上記のようにフレームでは、スロットの値が未知のと
き、上位フレームの性質を継承することを基本とする
が、それが不可能な場合には、スロットの値を決定する
ための代替的な方法を必要とし、そのための記述子が要
請される。
スロットの値についても、データのタイプ、データが
取り得る範囲(range)及び値が未知なとき、矛盾がな
ければ暗黙のうちに値を仮定する。これをデフォルト値
(default value)という。これに類する、表現するた
めの記述子が種々必要となる。
そのために、多くのフレームシステムでは、ファセッ
ト(facet)と呼ばれるサブスロットを導入している。
ファセットが導入されたスロットの一般的なデータ構造
は次のとおりである。
〈スロット〉::=〈スロット名〉 〈ファセット〉〈ファセット値〉 … 〈ファセット〉〈ファセット値〉 代表的なファセットとして、次のものがある。
(1) valueファセット: スロットの値を表す。
(2) data−typeファセット: スロットのデータタイプを表す。
(3) rangeファセット: スロットの値が取り得る範囲を表す。
(4) defaultファセット: スロットのデフォルト値を表す。
配電系統の保護、診断をする場合、通常は変電所の電
源側にあるセンサTSを順次監視しておればよい。事故時
にはTSセンサに異常が検出されたらその下位のBS、FSセ
ンサを調べればよい。このようなセンサの階層構造を表
すために、第3表のようなフレームを用いる。従って、
実際の運用上では、Netフレームのstructスロットの最
初に記載されているTSセンサ名を取り出し、そのセンサ
情報を格納したフレームから必要なデータを読み込み、
事故種別判定ルールを起動させる。このセンサが異常と
判定されなければ、次のTSセンサのフレームデータを読
み込み、事故種別判定ルールを起動させる。調べるべき
センサのリストがなければ、最初のTSセンサに戻り、同
じ処理を繰り返す。事故が検出された場合は、その下位
のセンサBSに対して同様に事故種別判定ルールを起動さ
せる。このように、順次TS、BS、FSの各センサの状態を
調べた結果事故が発生しているフィーダが決定されれ
ば、判定した事故種別と事故が発生しているフィーダ名
とを事故探索システムに引き渡す。
第3表 センサの階層構造のフレーム表現 (Net(struct(value(TS1 TS2)))) (TS1(struct(value(BS1 BS2)))) (BS1(struct(value(FS1 FS2 FS3)))) (BS2(struct(value(FS4 FS5 FS6)))) (TS2(struct(value(BS3 BS4)))) (BS3(struct(value(FS7 FS8 FS9)))) (BS4(struct(value(FS10 FS11 FS12)))) 記号の意味は次のとおりである。
Net:変電所センサ全体を表すフレーム名 struct:構造を意味するスロット名 事故種別判定のためのしきい値は線路定数及び上位セ
ンサと下位センサとの感度協調等を考慮して決定され
る。また、線路定数の決定には、人工地絡試験等を行わ
なければならず非常に厄介である。従って、作業停電の
場合のように配電の系統が変わったり、また、新設の配
電系統の場合は線路定数がわからない場合がある。しか
しながら、事故時にはしきい値が必要である。
このような場合に対応するため、センサのしきい値が
ない場合は、同階層のデフォルト値を読み込むことで解
決する。もし同階層のデフォルト値がない場合は、更に
その上位のデフォルト値を読み込む。実際には、第1表
に示すように、センサFS1に零相電流しきい値I0sがない
場合(ako(value(FS)))よりフレームFSの零相電流
しきい値I0sのデフォルト値を参照する。フレームFSに
も指定がなければその上位のフレームBSを参照する。
事故区間探索(12) 前記の事故検出及び事故種別判定において、事故種別
と事故フィーダ名が判明した。事故フィーダに連なる各
開閉器KSセンサと電柱のPSセンサからの情報を用いて探
索すればよい。事故区間探索は前記第1表のセンサ情報
フレームと第4表の事故区間探索ルールによって行う。
しかしながら、フィーダに連なる木全体を探索するの
は時間がかかる。従って、上位システムで判定した事故
種別に基づいて、効率的な事故探索を行う。例えば、地
絡事故探索では、事故が分岐の電源側か、また、負荷側
のどの分岐で発生しているかが分岐点で判定できる。
また、任意の区間において、事故がその区間の電源側
と負荷側の何れで発生しているかが判定できる。短絡事
故探索においても、事故が分岐の電流側か、また、負荷
側のどの分岐で発生しているかが分岐点で判定でき、ま
た、任意の区間において、事故がその区間の電源側と負
荷側の何れで発生しているかが判定できる。断線事故
は、いずれかの配電線末端と電源側の零相電圧が異なる
木を優先的に探索すればよい。また、いずれかの配電線
末端と電源側の零相電圧があまり変わらない場合は、事
故区間より電源側の零相インピーダンスと負荷側の零相
インピーダンスがあまり変わらない所を、線電流検出方
式で優先的に探索すればよい。
そのような効率的な探索を行うため、フィーダ、開閉
器に関する構造を第4図のようなグラフと考え、それを
第5表のようにフレームとして表した。例えば、第5表
のセンサKS3のフレームには親の木としてセンサFS1、子
の木として下位の分岐点にあるセンサKS5、KS9、木の中
のトップ節点としてセンサKS3、エンド節点としてセン
サKS4、その枝上の点としてセンサKS3、KS4、木のエン
ド節点、即ち、木の末端のセンサKS8、KS12があげられ
る。また、断線探索のための配電線末端と電源側までの
木を表すスロットとしてスロットKS8、KS12、KS18、KS2
1があり、また、いずれの配電線末端も電源側の零相電
流が変わらない場合に優先的に探索するスロットとして
線電流がある。
上記地絡、短絡、断線の何れの事故においても、任意
の区間において、事故がその区間の電源側と負荷側の何
れで発生しているかの効率的な判定方法として2分探索
が挙げられる。
2分法による事故区間判定方法を第4図により具体的
に説明する。図において、センサFS7につながる木を考
えた場合、例えばKS22,23の間に事故が起こったとすれ
ば、まず木全体から見て木の真ん中に近い所にあるKS2
3,24のセンサを参照する。この場合、事故はKS23より電
源側に近い所にあることがわかる。
次にFS7、KS22のセンサを参照し、KS22の負荷側にあ
ることがわかり、次にKS22とKS23を参照すると事故区間
が決定される。
この方法は、配電線に分岐がないか、分岐が少ない場
合又は配電線の線路が長い場合に適用され、まず木の中
ほどに注目し、事故が発生していると考えられる区間が
半分に限定される。半分に限定された区間をさらに2分
することにより半分の半分の1/4に限定される。このよ
うに、次々に区間を半分に限定していくことにより効率
的に探索ができる。
このようにセンサの木構造を事故区間探索ルールの知
識に組み込むことにより効率的に探索する。
第4表の1 事故探索ルール(地絡の場合) ルール1) もし 事故種別判定で地絡と判定されたら ならば 地絡事故と判定されたフィーダのフレームFSの
エンド節点と子の木の事故探索フレームを参照しなさ
い。
ルール2) もし エンド節点と子の木の事故検索フレームを参照し
ている かつ エンド節点の位相角が位相角しきい値内になく
(地絡方向が電源側) かつ 子の木の全ての位相角が位相角しきい値内になく
(地絡方向が電源側) ならば 枝上の点の最初のリストと次のリストを参照し
なさい。
ルール3) もし エンド節点と子の木の事故探索フレームを参照し
ている かつ エンド節点の位相角が位相角しきい値内にあり
(地絡方向が負荷側) かつ 子の木の全ての位相角が位相角しきい値内になく
(地絡方向が電源側) ならば 事故区間は決定し、事故区間はエンド節点と子
の木のセンサによって囲まれる区間にある。
ルール4) もし エンド節点と子の木の事故探索フレームを参照し
ている かつ エンド節点の位相角が位相角しきい値内にあり
(地絡方向が負荷側) かつ 子の木の何れか位相角が位相角しきい値内にある
(地絡方向が負荷側) ならば 子の木の位相角が位相角しきい値内にある子の
木のフレームのエンド節点と子の木事故探索フレームを
参照しなさい。
ルール5) もし 枝上のリストの事故探索フレームを参照している かつ 枝上の参照している初めのリストの位相角が位相
角しきい値内にあり(地絡方向が負荷側) かつ 枝上の参照している後のリスト位相角が位相角し
きい値内になければ(地絡方向が電源側) ならば 事故区間は決定し、事故区間は参照しているリ
ストのセンサによって囲まれる区間にある。
ルール6) もし 枝上のリストの事故探索フレームを参照している かつ 枝上の参照している初めのリストの位相角が位相
角しきい値内にあり(地絡方向が負荷側) かつ 枝上の参照している後のリスト位相角が位相角し
きい値内になければ(地絡方向が負荷側) ならば 現在参照している後のリストと、現在参照して
いる後のリストの次のリストを参照しなさい。
第4表の2 事故探索ルール(短絡の場合) ルール1) もし 事故種別判定で短絡と判定されたら ならば 短絡事故と判定されたフィーダのフレームFSの
エンド節点と子の木の事故探索フレームを参照しなさ
い。
ルール2) もし エンド節点と子の木の事故探索フレームを参照し
ている かつ エンド節点の2相以上の電流が短絡しきい値未満
である かつ すべての子の木の2相以上の電流が短絡しきい値
未満である ならば 枝上の点の最初のリストと次のリストを参照し
なさい。
ルール3) もし エンド節点と子の木の事故探索フレームを参照し
ている かつ エンド節点の2相以上の電流が短絡しきい値以上
である かつ すべての子の木の2相以上の電流が短絡しきい値
未満である ならば 事故区間は決定し、事故区間はエンド節点と子
の木のセンサによって囲まれる区間にある。
ルール4) もし エンド節点と子の木の事故探索フレームを参照し
ている かつ エンド節点の2相以上の電流がしきい値以上であ
る かつ 子の木の何れか2相以上の電流が短絡しきい値以
上である ならば 子の木の2相以上の電流が短絡しきい値以上で
ある子の木のフレームのエンド節点と子の木の事故探索
フレームを参照しなさい。
ルール5) もし 枝上のリストの事故探索フレームを参照している かつ 枝上の参照している初めのリストの2相以上の電
流が短絡しきい値以上 かつ 枝上の参照している後のリストの2相以上の電流
が短絡しきい値未満 ならば 事故区間は決定し、事故区間は参照しているリ
ストのセンサによって囲まれる区間にある。
ルール6) もし 枝上のリストの事故探索フレームを参照している かつ 枝上の参照している初めのリストの2相以上の電
流が短絡しきい値以上 かつ 枝上の参照している後のリストの2相以上の電流
が短絡しきい値以上 ならば 現在参照している後のリストと、現在参照して
いる後のリストの次のリストを参照しなさい。
第4表の3 事故探索ルール(断線の場合) ルール1) もし 事故種別判定で断線と判定されたら ならば 断線事故と判定されたフィーダのフレームFSと
フレームFSの最終エンド節点を参照しなさい。
ルール2) もし フィーダのフレームFSとフレームFSの最終エンド
節点とを参照している かつ フィーダのフレームFSの零相電圧と何れかの最終
エンド節点の零相電圧との差が100V以上 ならば フィーダのフレームFSの零相電圧といずれかの
最終エンド節点の零相電圧との差が100V以上ある最終エ
ンド節点のスロットの最初のリストとその次のリストを
参照しなさい。
ルール3) もし フィーダのフレームFSとフレームFSの最終エンド
節点とを参照している かつ フィーダのフレームFSの零相電圧と何れかの最終
エンド節点の零相電圧との差が100V未満で、フレームFS
の零相電圧と何れかの最終エンド節点の零相電圧が850V
以上 ならば フィーダのフレームFSの線電流検出のスロット
の最初のリストを参照しなさい。
ルール4) もし 最終エンド節点のスロットを参照している かつ 参照している初めのリストの零相電流と次のリス
トの零相電流との差が100V以上 ならば 事故区間は決定し事故区間は参照している初め
のリストのセンサと次のリストのセンサによって囲まれ
る区間にある。
ルール5) もし 最終エンド節点のスロットを参照している かつ 参照している初めのリストの零相電流と次のリス
トの零相電流との差が100V未満 ならば 現在参照している後のリストと現在参照してい
る後のリストの次のリストを参照しなさい。
ルール6) もし 線電流検出のスロットのリストを参照している かつ 線電流検出のスロットのリストの何れかの相間電
流が断線しきい値未満である ならば 事故区間は決定し事故区間は参照しているリス
トのセンサの前の区間にある。
ルール7) もし 線電流検出のスロットのリストを参照している かつ 線電流検出のスロットのリストの何れかの相間電
流が断線しきい値以上である ならば 現在参照している次のリストを参照しなさい。
第5表 センサ配置のフレーム表現 (FS1(親の木(value(BS1))) (子の木(value(KS3 KS13))) (トップ節点(value(FS1))) (エンド節点(value(KS2))) (枝上の点(value(FS1 KS1 KS2))) (最終エンド節点(value(KS8 KS12 KS18 KS2
1))) (KS8(value(FS1 KS1 KS2 KS3 KS4 KS5 KS6 KS7 KS
8))) (KS12(value(FS1 KS1 KS2 KS3 KS4 KS9 KS10 KS11 K
S12))) (KS18(value(FS1 KS1 KS2 KS13 KS14 KS15 KS16 KS1
7 KS18))) (KS21(value(FS1 KS1 KS2 KS13 KS14 KS15 KS19 KS2
0 KS21))) (線電流検出(value(KS3 KS4 KS5 KS9 KS13 KS14 KS1
5)))) (KS3 (親の木(value(FS1))) (子の木(value(KS5 KS9))) (トップ節点(value(KS3))) (エンド節点(value(KS4))) (枝上の点(value(KS3 KS4))) (最終エンド節点(value(KS8 KS12)))) (KS5 (親の木(value(KS3))) (子木(value(ni1))) (トップ節点(value(KS5))) (エンド節点(value(KS8))) (枝上の点(value(KS5 KS6 KS7 KS8))) (最終エンド節点(value(KS8)))) (KS9 (親の木(value(KS3))) (子の木(value(ni1))) (トップ節点(value(KS9))) (エンド節点(value(KS12))) (枝上の点(value(KS9 KS10 KS11 KS12))) (最終エンド節点(value(KS12)))) (KS13(親の木(value(FS1))) (子の木(value(KS16 KS19))) (トップ節点(value(KS13))) (エンド節点(value(KS15))) (枝上の点(value(KS13 KS14 KS15))) (最終エンド節点(value(KS18 KS21)))) (KS16(親の木(value(KS13))) (子の木(value(ni1))) (トップ節点(value(KS16))) (エンド節点(value(KS18))) (枝上の点(value(KS16 KS17 KS18))) (最終エンド節点(value(KS18)))) (KS19(親の木(value(KS13))) (子の木(ni1))) (トップ節点(value(KS19))) (エンド節点(value(KS21))) (枝上の点(value(KS19 KS20 KS21))) (最終エンド節点(value(LS21)))) ここで、配電線木全体を分岐点で小さい木として分割
したと考え、 トップ節点:分割した木の最も電源側にあるセンサを表
すスロット名 エンド接点:分割した木の最も負荷側にあるセンサを表
すスロット名 最終エンド節点:配電線末端のセンサを表すスロット名 nil:該当するセンサがないことを意味する。
例えば、地絡事故がKS14とKS15の間に発生した場合、
第4表の事故探索ルールにより、先ずルール1)により
事故探索フレームKS2、KS3、KS13が参照される。次にル
ール4)が起動し、事故検索フレームKS15、KS16、KS19
が参照される。次にルール2)が起動され、KS13、KS14
が参照される。次にルール6)が起動され、KS14、KS15
が参照される。次にルール5)が起動し、KS14とKS15の
間の事故と判定される。
短絡事故がKS14とKS15の間に発生した場合、ルール
1)より事故探索フレームKS2、KS3、KS13が参照され
る。次にルール4)が起動し、事故検索フレームKS15、
KS16、KS19が参照される。次にルール2)が起動され、
KS13、KS14が参照される。次にルール6)が起動されKS
14、KS15が参照される。次にルール5)が起動しKS14と
KS15の間の事故と判定される。
断線事故がKS10とKS11の間であるとすると、まずルー
ル1)が起動し、FS1とKS8、KS12、KS18、KS21が参照さ
れる。次にルール2)が起動し、FS1とKS1が参照され
る。
次にルール5)が起動し、KS1とKS2が参照される。次
にルール5)が起動し、KS2とKS3が参照される。次にル
ール5)が起動し、KS3とKS4が参照される。次にルール
5)が起動し、KS4とKS9が参照される。次にルール5)
が起動し、KS9とKS10が参照される。次にルール5)が
起動し、KS10とKS11が参照される。次にルール4)が起
動し、事故区間は決定された。
また、事故区間がKS3〜KS4の間のように、事故区間よ
り電源側の零相インピーダンスと負荷側の零相インピー
ダンスが変わらない場合は、ルール1)が起動し、FS1
とKS8、KS12、KS18、KS21が参照され、次にルール3)
が起動しKS3が参照される。
次にルール6)が起動し、KS4より前の区間即ちKS3と
KS4の間で事故区間は決定された。
断線点がKS3とKS4の間にある場合、最終エンド節点の
スロットはKS8とKS12があるが、どちらかのスロットを
探索すればよい。どちらのスロットで探索しても結果は
同じである。
事故区間に分岐がある場合の事故区間探索方法は次の
ようにする(第8図及び第9図参照)。
○ 線電流変化(低下)による場合 1)正常センサの次が2以上分岐している場合、次の全
てのセンサが異常の場合、分岐点から正常センサに近い
方が事故区間である。
2)正常センサの次が2以上分岐している場合、次のセ
ンサの一つが異常である場合、分岐点から異常センサに
近い方が事故区間である。
○ 事故区間前後の零相電圧の差異による場合、 3)P又はMセンサの次のセンサが2以上に分岐してい
る場合、次の全てのセンサがM又はPのとき、分岐点か
ら電源側に近い方が断線事故区間である。
4)P又はMセンサの次のセンサが2以上に分岐してい
る場合、次のセンサの1つがM又はPであるときは分岐
点からそのセンサに近い方が断線事故区間である。
このような方法によれば、さらに細かい探索が可能に
なる。
ここで、Pは零相電圧が大の場合、Mは零相電圧が小
の場合を表す。
センサPSまで含めた事故探索は、KSセンサのみの事故
区間探索を行った後に、上記においてFSをKS、KSをPSと
置き換えて行うか、KSとPSは同格として行う。
しきい値がない場合のデフォルト値の考え方は事故検
出及び事故種別判定の場合と同じである。
事故検出、事故種別判定及び事故区間探索の具体的方
法について説明する。
配電用変電所母線、配電用遮断器、区分開閉器及び前
記遮断器や区分開閉器等によって区分された配電線のそ
れぞれにセンサを設け、これらセンサの情報を情報伝送
網を通じて一箇所に収集し、事故区間の探索をし、事故
区間の切り離しのため、遮断器や区分開閉器に開閉指令
を出す制御システムを有し、その制御システムは、少な
くとも、事故検出及び事故種別判定、事故区間探索、事
故原因診断の小システムに階層化したものにおいて、 (1) 地絡事故、短絡事故については、 事故種別判定システムにおいて、変電所内センサの零
相電流、零相電圧、位相角、線電流などの信号により検
出し、事故区間探索システムにおいて、配電線の分岐点
など適宜の区分点を選んでその電源側、負荷側、何れの
分岐側に事故区間があるかを判断し、これを繰り返して
事故区間を探索する。
(2) 1線及び2線の断線事故については、 事故種別判定システムにおいて、変電所内センサの信
号により、また、その信号と配電線末端センサの零相電
圧信号との比較により検出し、事故区間探索システムに
おいて、変電所センサと配電線末端センサの零相電圧信
号の間に差異がある木を優先して探索する。
特に、1線、2線断線事故について事故区間が配電線
末端にあった場合、事故区間より電源側の零相電圧が小
さい。従って、センサの検出感度及び残留電圧を考える
と変電所センサだけでは事故検出ができないおそれがあ
り、配電線末端センサとの比較により確実な検出ができ
る。
(3) 前記(1)、(2)項について、 1線及び2線断線地絡事故については、地絡事故検出
により先ず地絡事故区間を探索し、その後に断線事故区
間を探索する。
(4) 1線、2線及び3線の断線事故については、 事故種別判定システム及び事故区間探索システムにお
いて、変電所内及び配電線各所センサの線電流信号の系
統内の変化傾向により事故種別の判定及び事故区間の探
索をする。この場合、電源側から負荷側へ向けて順に探
索するのがよい。
例えば、第4図において、TS1、BS1、FS1、KS1、KS2
・・・・・KS20、KS21、FS2・・・のように順に行い、
線電流低下が認められたら、そのセンサの前の区間が事
故区間である。
(5) 配電線の系統中央部において事故区間の電源側
と負荷側の零相インピーダンスが略等しい地点での断線
事故のとき、 変電所センサ及び配電線センサの信号(線電流)の系
統内の変化傾向により事故区間を探索する。
以上により、的確かつ効率的に事故種別、事故区間の
判定ができる。
以下、配電線各所のセンサの検出値を系統内で比較し
て事故区間を判定する方法について説明する。
(1) 地絡事故の場合の事故区間判定方法(方向比較
方式) (イ) 第6図(a)のように、線路区間の両側の区分
点における地絡方向が両方とも負荷側方向のとき、その
区間は事故区間ではない。したがって、さらに負荷側の
区間の判定をする。
(ロ) 第6図(b)のように、線路区間の両側の区分
点における地絡方向が異方向のとき、その区間を事故区
間と判定する。
(ハ) 第6図(c)のように、多分岐回路において、
電源側と負荷側は同方向、電源側と負荷側は異方
向、電源側と負荷側は異方向のとき、事故区間は負荷
側のさらに負荷側に事故があると判定する。
(ニ) 第6図(d)のように、多分岐回路において、
電源側と負荷側,,が異方向のとき、事故区間は
当該区間であるとする。
(2) 短絡事故の場合の事故区間判定方法(検出値対
設定値比較方式) 短絡事故の検出方法及び各センサにおける設定の仕方
について、例えば次のようにする。
過電流設定値は各点の最大負荷電流の150%とす
る。ここで、最大負荷電流とは、年間最大負荷電流に隣
接線路への融通最大電流を加えたものをいう。
末端での過電流設定値は末端最小短絡電流×75%以
下とすることもできる。これは絶対条件ではない。
各点での検出情報による事故判定を、第7図を参照し
て説明する。図中、検出値が設定値以上の場合をP、設
定値以下の場合をMで表す。
(イ) 第7図(a)のように、電源側から負荷側へ順
次たどり、PからMへ変化するとき、そのPとMとの間
に事故があると判定する。
(ロ) 第7図(b)のように、電源側はMであっても
中間でPとなり、PからMへ変化するとき、そのPとM
との間に事故があると判定する。
(ハ) 第7図(c)のように、分岐点がある場合、分
岐点の後にPがありMへと変化するとき、そのPとMと
の間に事故があると判定する。
(ニ) 第7図(d)のように、分岐点がある場合、分
岐点の前がP、分岐点の後が全てMであるとき、その分
岐点に事故があると判定する。
以上を整理すると、 i) Pより負荷側に事故区間がある。
ii) Mでも負荷側にPがあればそれ以降にある。
iii) 次区間が2区間以上分岐している場合、事故区
間はPがある方にある(単一事故の場合)。また、全て
Mの場合はその分岐している区間にある。
(3) 断線事故の場合の事故区間判定方法(線電流検
出方式) 事故区間の負荷側のIa,Ib,Icのいずれかが流れない
か異常に減少することを利用して断線区間の判定を行
う。例えば、第8図(a)に示すように、事故点より電
源側では線電流は正常値(記号Nで表す)を示し、負荷
側では電流が流れないか異常値(記号Dで表す)を示
す。NからDへ変化する点が事故区間である。
分岐点のまわりに事故がある場合、第8図(b),
(c)のように分岐の一方側でNからDへ変化すると
き、変化する側の分岐区間が事故区間である。
第8図(d)のように分岐側が両方ともDへ変化す
る場合は分岐点から電源側の分岐区間が事故区間であ
る。
以上まとめると、 1) 正常なセンサの次のセンサに異常センサがあれ
ば、正常センサと異常センサの間の区間が事故区間であ
る。
2) 正常センサの次が2以上分岐している場合、その
うちの一つ以上のセンサに異常があれば、その正常セン
サ以降の区間が事故区間である。
3) 正常センサの次が2以上分岐している場合、次の
すべてのセンサが異常の場合、分岐点から正常センサに
近い方が事故区間である。
4) 正常センサの次が2つ以上別れている場合、次の
センサの一つが異常である場合、分岐点から異常センサ
に近い方が事故区間である。
この場合注意すべきことは、誘導負荷が多い場合は、
逆誘起電圧によって断線負荷側にも電流が流れ続け、N
とDの判別が必ずしも明確でないため、断線を検出した
り区間を判定したりすることが、この方法では確実では
ない。
(4) 断線事故の場合の事故区間判定方法(零相電圧
検出方式) 断線するとV0が発生する。但し、零相インピーダンス
が分からないので、実際には計算できない。しかし事故
点を境界にしてV0の数値が異なることにより事故区間が
判明する。この場合、配電線の全体に対する事故点の位
置により電源側と負荷側とでV0の値が異なることを利用
して判定する。
前記2)の零相電圧V0は以下の式で与えられる。
但し、VOA1は1線断線の場合の零相電圧 VOA2は2線断線の場合の零相電圧 Eは相電圧 ZOBは断線点以降の零相インピーダンス ZOAは断線点より電源側の零相インピーダンス 末端における零相電圧V0は以下の式で与えられる。
但し、VOB1は1線断線の場合の零相電圧 VOB2は2線断線の場合の零相電圧 断線点より電源側の零相インピーダンスをZOA,負荷側
の零相インピーダンスをZOBとし、V0が大のときP、V0
が小のときMで表す。
(イ) 配電線末端近くで断線 ZOA:ZOB=1:10と仮定すると、第9図(a)に示すよ
うな電圧分布となる。事故点の電源側でM、負荷側でP
となり、MからPへ変化する点が事故区間である。
(ロ) 配電線の電源端側で断線 ZOA:ZOB=10:1と仮定すると、第9図(b)に示すよ
うな電圧分布となる。電源側でP、負荷側でMとなり、
PからMへ変化する点が事故区間である。
(ハ) 配電線の中央部で断線 ZOA:ZOB=1:1と仮定すると、第9図(c)に示すよう
に電圧分布が一様になり、事故点の判定ができない。他
の判定手段を併用する必要がある。
(ニ) 事故点以外に分岐がある場合は、前記(イ)又
は(ロ)によって判定できる、第9図(d)の場合は第
9図(b)と同様に判定される。
(ホ) 事故点に分岐がある場合は、第9図(e)に示
すように、事故点より電源側の零相インピーダンスをZ
OA,事故点より負荷側の零相インピーダンスをZOB及びZ
OCとして以下説明する。
第9図(e)において、ZOA:ZOB:ZOC=1:1/10:1/2と
仮定して電圧分布を示す。分布点より電源側がM、第1
分岐側がM、第2分岐側がPであれば、PからMへ変化
する第1分岐側分岐区間が事故区間である。
(ヘ) 第9図(f)の場合、分岐点より電源側がP、
第1分岐側がM、第2分岐側がMとなり、分岐点より電
源側の分岐区間が事故区間である、 (ト) 第9図(g)の場合、分岐点より電源側がM、
第1分岐側がM、第2分岐側がPとなり、第2分岐側の
分岐区間が事故区間である。
以上、(ホ)〜(ト)のように分岐があった場合、分
岐を中心に区間を分け、数値が異なった方に事故区間が
ある。
以上をまとめると、 1) P又はMを示すセンサの次にM又はPを示すセン
サがあればその間の区間が断線事故区間である。
2) P又はMセンサの次のセンサが2つ以上に分岐し
ている場合、次の全てのセンサがM又はPの場合、分岐
点から電源側に近い方が断線事故区間である。
3) P又はMセンサの次のセンサが2つ以上に分岐し
ている場合、次のセンサの1つがM又はPである場合は
分岐点からそのセンサに近い方が断線事故区間である。
いままで、知識工学的アプローチで事故検出及び事故
種別判定並びに事故区間探索を行うことで説明したが、
従来の手続き形アルゴリズムで行うことも可能である。
例えば、事故検出については第10図のようなフローチャ
ートにより行う。
事故原因診断(13) 事故原因別により零相電流或いは零相電圧の波形が異
なる。また、その波形は線路インピーダンス、対地静電
容量、地絡抵抗等で微妙に波形が異なるため、通常のプ
ロダクションシステムでは、診断ルールの記述が困難で
ある。
従って、第2図に示すようなシステムで、各入力デー
タの事故判定に対する関与の度合いをファジー表現し、
これに基づく推論により事故原因診断を可能にするとと
もに、修正、変更に対し柔軟性を与える。また、波形解
析では零相電圧及び零相電流の波形を、統合歪率、直流
成分及び高調波成分等に分解する。
第2図において、事故波形入力工程21、波形解析工程
22、各要素の事故関与度のファジー表現工程23、プロダ
クションルールによる推論工程24、事故原因診断工程2
5、従来から用いられている手続き形プログラムによる
推論工程26、及び評価結果のファジー表現による推論工
程27よりなる。工程23、24あるいは27を組み合わせた部
分は総括的にファジー推論Fに属し、総括的な表し方と
してファジー推論Fとすることができる。
なお、診断の方法としては、 前記Aルート(31→32→33→34→35)のほか、 Bルート(31→32→33→37→35)や、 Cルート(31→32→34→35)、 Dルート(31→32→33→36→35)、 Eルート(31→32→36→35)、 Fルート(31→32→34→37→35) などがある。
これらは事故現象の複雑さによって随時選択され得る
もので、事故現象が簡明な場合は、A→Eになるにした
がって診断処理は簡単にかつ早急になるが、事故現象が
複雑になるにしたがってE→Aへバージョンアップしな
ければ診断処理が誤ったり困難になったりする。Fルー
トはBルートと同等である。
第3図に、工程23において、工程22の波形解析結果か
らの事故関与度に関するファジー表現の一例を示す。
ここで、Shvgは碍子不良時の零相電圧統合歪率の事故
関与度のメンバーシップ関数、Shvjは樹木接触時の零相
電圧統合歪率の事故関与度のメンバーシップ関数であ
り、縦軸はメンバーシップ関数の値、横軸は前提条件の
値である。
同様にして、零相電流の統合歪率、零相電流の直流成
分及び零相電流の直流成分についても事故関与度に関し
てファジー表現を行う。それぞれのメンバーシップ関数
を第6表に示す。
ファジー係数のメンバーシップ関数は、データ数が多
ければ正規分布もとれるが、一般に多くのデータを集め
ることは困難性があり、また判断の際の裕度がかなり大
きいので、メンバーシップ関数の精度はそれ程必要でな
く、近似的なもので充分である。この場合、山形三角形
で表す。
次に、事故原因別の事故可能性の評価関数を、前記の
事故関与度に関するメンバーシップ関数の和として定義
する。すなわち、 fg=Shvg+Shig+Sdvg+Sdig ……(1) fj=Shvj+Shij+Sdvj+Sdij ……(2) これを用いて、第7表に示すようなプロダクションル
ールにより、事故原因を診断する。
このような手法を用いれば、微地絡などの場合は変電
所の遮断器が開放する事故に発展する前に事故予知が可
能となる。
前記計算式(1),(2)は評価関数の一例を示した
もので、他の例として、重み付けをすることもできる。
すなわち、 fg′=k11Shvg+k12Shig+k13Sdvg+k14Sdig ……(3) fj′=k21Shvj+k22Shij+k23Sdvj+k24Sdij ……(4) ただし、k11〜k14,k21〜k24は重み付けの係数であ
る。
これらの係数の決め方は、実験を行って実情に合うよ
うに決める。そのほか、評価関数の定義はシミュレーシ
ョン結果等の実情に合わせて種々のものが選定できる。
上記の(3),(4)式が評価関数の一般的表し方で
あるが、この評価関数の表し方はこれに限定されるもの
ではない。また、前記(1),(2)式や個々のメンバ
ーシップ関数は、(3),(4)式から重み付けの計数
のとり方で導出され、それぞれ評価関数の一種と考えら
れ、これらを総括して一般に「評価関数」と表現するこ
とができる。
上記において、プロダクションルールを用いる場合
は、情報をうまく活用するというやり方でルール(規
則)が設定できる。そしてモデルが如何に現実にうまく
合うかあるいは如何に作り易いかという観点からモデル
を成長させ、人間の判断に近づけていく。その場合、フ
ァジーのルール型モデルを考えると、ルールの個数が余
り多くなく、具体的には数十個止まり位であると、大体
ファジーの推論方式が現場でうまく当てはまる。ファジ
ーを用いたプロダクションルールは、本質的に少数のル
ールに絞り込むところに特徴がある。
通常の例えばエキスパートシステムのプロダクション
システムではルール数が多くなる。なぜなら、エキスパ
ートシステムではしきい値で表すため、どこかで区画す
ることになり、その境目が接点になる。それを防ぐた
め、柔軟性を持たせようとすると、一つのパラメータに
対し、しきい値で多く分割し、それぞれにルール化を施
すことになり、ルール数が増えることになるからであ
る。
事故頻度データ収集(24) 事故区間とその事故原因の事故頻度データを収集する
ことにより、微地絡と事故発生の危険度の予知や雷予知
も可能になる。具体的には、ケーブルによる微地絡事故
の場合等の時は10分程度の間に10回程度の微地絡を感知
することがあり、事故頻度データを収集することにより
予防保全に役立つ。
〔発明の効果〕
本発明は、以上の構成により、下記の効果を奏する。
本発明の事故診断方法は、事故検出及び事故種別判
定、事故区間探索、事故原因診断、事故頻度データ収集
の4つの小システムに機能別に階層化するようにしてい
るため、知識の構築及び検証、修正が容易である。
事故検出及び事故種別判定は、配電線各所のセンサ
情報の中から所定のものを用いて、所定の判定ルールで
行うので、迅速にかつ的確な判定ができる。
事故区間探索は、配電線各所のセンサ情報を用い、
配電線の中間区分点で、事故区間が電源側にあるか負荷
側の何れの分岐側にあるかを判別し、これを繰り返して
事故区間を探索するようにし、あるいは、当該配電線系
統内の各所信号を相互に比較して、事故区間を含む可能
性のある系列を抽出して優先的に探索するようにし、あ
るいは、配電線系統内の各所信号を比較して系統内の変
化傾向により探索するようにしたので、探索を効率的に
迅速に行うことができる。
配電線後備遮断器(バンク遮断器、フィーダ遮断
器)の遮断前に、短時間に事故種別判定、事故区間探
索、事故原因診断をして、事故区間関連の開閉器を開閉
して、健全区間を停電させることなく、事故区間を切り
離すことができる。
センサ情報フレームと所定の判定ルールによって事
故の検出及び事故種別判定を行い、所定の探索ルールに
よって事故区間の検索を行うことによって、事故検出、
事故区間探索を的確、迅速に行うことができる。
事故原因診断では波形データの各要素をファジー表
現し、これに基づく推論により事故原因診断を的確迅速
に行うことができる。
事故頻度データ収集により、間欠地絡事故、不完全
地絡事故等の不確実な事故現象を把握し、将来地絡事故
に発展するものを未然に発見し、防止する等、事故予知
を可能にした。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のシステム構成を示すフローチャート、
第2図は本発明に係る事故原因診断システムのブロック
図、第3図は事故関与度のファジー表現を示す説明図、
第4図は配電系統図、第5図は第4図の配電系統に設置
されたセンサの配置をグラフ表現した構成図、第6図〜
第9図は各種事故区間判定方法を説明する説明図、第10
図は事故検出のフローチャートである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−216732(JP,A) 特開 昭58−86825(JP,A) 特開 昭59−47923(JP,A) 特開 昭59−94018(JP,A) 特開 昭59−59015(JP,A) 特公 昭49−34098(JP,B1) 「配電系統多地点情報による保護制御 方式(その2)−系統認識手法による操 作アルゴリズム」,電気中央研究所報 告,NO.TZ6070(昭和62年7月), 雪平,他 上野晴樹「エキスパートシステム−知 識工学とその応用−」(昭和61年12月25 日)オーム社,P.47−70 J.KIM and B.DON R USSELL,“Harmonie B ehavior dueing Arc hing Faults on Pow er Distribution Fe eders”,Electric Po wer Systems Reserc h,Vol.14(1988),No.3, p.219−225

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配電用変電所母線、配電用遮断器、区分開
    閉器及び前記遮断器や区分開閉器等によって区分された
    配電線のそれぞれにセンサを設け、これらセンサの情報
    を情報伝送網を通じて一箇所に収集し、事故区間の探索
    をし、事故区間の切り離しのため、遮断器や区分開閉器
    に開閉指令を出す制御システムを有し、その制御システ
    ムは、少なくとも、事故検出及び事故種別判定、事故区
    間探索、事故原因診断の小システムに階層化されたこと
    を特徴とする配電線事故診断方法。
  2. 【請求項2】制御システムに、更に事故頻度データ収集
    の小システムを階層化して付加したことを特徴とする請
    求項1記載の配電線事故診断方法。
  3. 【請求項3】地絡事故、短絡事故については、事故種別
    判定小システムにおいて、変電所内センサの零相電流、
    零相電圧、位相角、線電流などの信号により検出し、事
    故区間探索システムにおいて、配電線の分岐点など適宜
    の区分点を選んでその電源側、負荷側、何れの分岐側に
    事故区間があるかを判断し、これを繰り返して事故区間
    を探索することを特徴とする請求項1又は2記載の配電
    線事故診断方法。
  4. 【請求項4】1線及び2線の断線事故については、事故
    種別判定小システムにおいて、変電所内センサの信号に
    より、また、その信号と配電線末端センサの零相電圧信
    号との比較により検出し、事故区間探索小システムにお
    いて、変電所センサと配電線末端センサの零相電圧信号
    の間に差異がある木を優先して探索することを特徴とす
    る請求項1又は2記載の配電線事故診断方法。
  5. 【請求項5】1線及び2線断線地絡事故については、事
    故検出及び事故種別判定小システムで地絡事故と断線事
    故が検出された場合、先ず地絡事故区間を探索し、地絡
    事故区間が判明しない場合は、その後、断線事故区間を
    探索することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
    の項に記載の配電線事故診断方法。
  6. 【請求項6】1線、2線及び3線の断線事故について
    は、事故検出及び事故種別判定小システム及び事故区間
    探索小システムにおいて、変電所内及び配電線各所セン
    サの線電流信号の系統内の変化傾向により事故検出及び
    事故種別の判定並びに事故区間の探索をすることを特徴
    とする請求項1又は2記載の配電線事故診断方法。
  7. 【請求項7】1線、2線断線事故において、変電所内セ
    ンサと配電線末端センサの零相電圧の差異が余りなかっ
    た場合、事故検出及び事故種別判定小システム並びに事
    故区間探索小システムを一つのシステムとして、変電所
    内及び配電線各所センサの線電流信号の系統内の変化傾
    向により事故検出及び事故種別判定並びに事故区間探索
    をすることを特徴とする請求項1、2又は5記載の配電
    線事故診断方法。
  8. 【請求項8】1線、2線断線事故において、変電所内セ
    ンサと配電線末端センサの零相電圧の差異が余りなかっ
    た場合、事故区間の負荷側の零相インピーダンスと電源
    側の零相インピーダンスが余り変わらない区間を優先
    し、線電流信号の系統内の変化傾向により事故区間を探
    索することを特徴とする請求項1、2又は5記載の配電
    線事故診断方法。
  9. 【請求項9】事故探索及び事故種別判定小システムは、
    センサ情報及び事故種別判定のためのしきい値をフレー
    ム表現し、そのフレームデータと事故種別判定ルールに
    よって事故検出及び事故種別判定を行うことを特徴とす
    る請求項1ないし8のいずれかの項に記載の配電線事故
    診断方法。
  10. 【請求項10】事故区間探索小システムは、前記事故種
    別判定システムによって判明した事故種別と事故フィー
    ダ名に基づき、センサ情報フレームと、センサの木構造
    を知識に組み込んだ事故区間探索ルールとを用いて、事
    故区間の判定を行うことを特徴とする請求項1ないし9
    のいずれかの項に記載の配電線事故診断方法。
  11. 【請求項11】事故区間探索システムが、線電流変化を
    みる方法による断線事故の区間探索の際に、配電線の分
    岐点において、正常センサの次が2以上分岐している場
    合、次のすべてのセンサが異常の場合、分岐点から正常
    センサに近い方が事故区間であり、また、次のセンサの
    一つが異常である場合、分岐点から異常センサに近い方
    が事故区間であるとする判定ルールを有することを特徴
    とする請求項1、2又は5ないし10項のいずれかの項に
    記載の配電線事故診断方法。
  12. 【請求項12】事故区間探索システムが事故区間前後の
    零相電圧の差異をみる断線事故の事故区間探索の際に、
    配電線の分岐点において、P又はMセンサの次のセンサ
    が2つ以上に分岐している場合、次の全てのセンサがM
    又はPのとき、分岐点から電源側に近い方が断線事故区
    間であり、また、P又はMセンサの次のセンサの1つが
    M又はPであるときは分岐点からそのセンサに近い方が
    断線事故区間であるとする判定ルールを有することを特
    徴とする請求項1、2、5又は9ないし10のいずれかの
    項に記載の配電線事故診断方法。
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