JP2963875B2 - 多層構造体の製造方法 - Google Patents

多層構造体の製造方法

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JP2963875B2 JP8189715A JP18971596A JP2963875B2 JP 2963875 B2 JP2963875 B2 JP 2963875B2 JP 8189715 A JP8189715 A JP 8189715A JP 18971596 A JP18971596 A JP 18971596A JP 2963875 B2 JP2963875 B2 JP 2963875B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、緩衝材、制振材、
断熱材、防音(吸音および遮音)材、曲面材等として、
壁材、床材、天井材、下地材、型枠等の各種用途に有用
である汎用性に富む多層構造体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、準不燃材料として知られている
木毛セメント板の製法は、木毛とセメントを主成分とす
るモルタル(バインダー)とをミキサーで混練して、型
枠上に所定量を散布し、然る後に、圧力を均一に加えて
成形し、硬化後に離型して養生した後、十分に乾燥させ
て製造している。そして、製造された木毛セメント板
は、強度、防火性、断熱性、結露・調湿性等の面で優れ
た効果を有している。また、この木毛セメント板の性能
たとえば曲げ強度を高めたものとして、金属製ネットを
埋設した木毛セメント板の製造方法(特公平4−208
67号公報参照)が提案されている。この木毛セメント
板は、内部に金属製ネット所謂鉄筋が入った構造を呈し
て、曲げ強度が向上している。このように、木毛セメン
ト板は、その性能の向上はもとより、新たな特性を有す
るものが望まれている。例えば、緩衝材、制振材、曲面
材としての緒特性に注目してみると、従来の木毛セメン
ト板には殆ど期待できないところである。さらに従来の
木毛セメント板は、各部の構成密度差が大きくて厚み精
度を容易に得難いため、高い精度が要求された場合に
は、片面または両面研磨して厚み精度を得ており、その
研磨工程が製造工程に加わることによって製造コストが
アップしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする課題
は、緩衝性、制振性、断熱性、防音(吸音および遮音)
性、曲げ性等の緒特性のいずれか又は複数又は全てを有
する多層構造体を容易に製造することができる製造方法
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は前記の課題を達
成するため、少なくとも緩衝性、軟質弾性、防火性、非
透水性、断熱性、防音性のいずれかを有する中間部材に
より、木毛または木片等とセメントを主成分とするバイ
ンダーとからなる硬化前の混練物で構成された表側部材
と裏側部材とを隔てて積層し、然る後に加圧成形して硬
化させて一体化し、養生して製造することを特徴とす
る。また本発明では、前記中間層が複数層であることを
特徴とする。また本発明では、前記中間層における緩衝
性を有する部材が、スチレン,フェノール,ポリプロピ
レン,ポリエチレン,ポリウレタン,その他の発泡樹
脂、塩化ビニール,その他の軟質樹脂、ゴムおよび発泡
ゴム、ロックウール、グラスウール、その他の緩衝性を
有する公知の部材のいずれかであることを特徴とする。
また本発明では、前記中間層における軟質弾性を有する
部材が、スチレン,フェノール,ポリプロピレン,ポリ
エチレン,ポリウレタン,その他の発泡樹脂、発泡ゴ
ム、ロックウール、グラスウール、その他の軟質弾性を
有する公知の部材のいずれかであることを特徴とする。
また本発明では、前記中間層における防火性を有する部
材が、ロックウール、グラスウール、フェノールフォー
ム、その他の防火性を有する公知の部材のいずれかであ
ることを特徴とする。また本発明では、前記中間層にお
ける非透水性を有する部材が、スチレン,フェノール,
ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリウレタン,その他
の発泡樹脂、塩化ビニール,その他の軟質樹脂、ゴムお
よび発泡ゴム、アスファルトルーフィング,アスファル
トフェルト、その他のアスファルト系防水材、その他の
非透水性を有する公知の部材のいずれかであることを特
徴とする。また本発明では、前記中間層における断熱性
を有する部材が、スチレン,フェノール,ポリプロピレ
ン,ポリエチレン,ポリウレタン,その他の発泡樹脂、
発泡ゴム、ロックウール、グラスウール、その他の断熱
性を有する公知の部材のいずれかであることを特徴とす
る。また本発明では、前記中間層における防音性部材
が、ロックウール、グラスウール、その他の防音性を有
する公知の部材のいずれかであることを特徴とする。例
えば、前記の発泡樹脂または発泡ゴムと金属板との複合
構造によるもの、樹脂,ゴム,アスファルト系の遮音シ
ート等が挙げられる。
【0005】本発明の製造法によって製造される多層構
造体における表側部材と裏側部材と中間部材の各層の厚
さ比は、緩衝材、制振材、断熱材、準不燃材、防音材、
曲面材等としての緒特性を考慮して、それぞれ最適の比
率関係になるように製造される。中間層の厚さは、例え
ばポリエチレンフォームである場合、単品状態におい
て、概ね4mm以上であれば、緩衝性、制振性が得られ
る。中間層が複数層である態様としては、異なる部材例
えば軟質弾性部材と防火性部材を組み合わせた態様や軟
質弾性部材と不軟質弾性部材を組み合わせた態様が挙げ
られる。後者の具体例を挙げれば、軟質弾性部材+木毛
セメント+軟質弾性部材からなる態様、ポリエチレンフ
ォーム+木毛セメント+グラスウールからなる態様、ポ
リエチレンフォーム+木毛セメント+ポリエチレンフォ
ームからなる態様、等である。骨材としての木毛は、木
片さらに繊維方向に長い木薄片、その他これらに類する
ものであり、併用しても良い。また、セメントを主成分
とするバインダーは、添加物として、例えばパーライ
ト、その他の物質や、マグネシウム、その他の化学成分
が混入されているものも対象となる。加圧成形による表
裏両部材のバインダーと中間部材との関係は、中間部材
の表面(重合面)が、繊維または気泡が表出した微小空
隙面からなる態様のものでは、バインダーが微小空隙面
に侵入して結着する。そして、中間部材の表面が、微小
空隙面が形成されていない態様のものでは、表裏両層の
骨材としての木毛等が加圧成形時の圧力を受けて不規則
な面として中間部材に接触して硬化することにより結着
するものと推察される。
【0006】
【発明の実施の形態】図1には本発明の多層構造体の製
造方法の実施の1例として、表側層2の表側部材2aと裏
側層4の裏側部材4aが木毛セメント材aで、中間層3の
中間部材3aがポリエチレンフォームbで構成される板材
1の製造例を示しており、この板材1は、次の第1工程
乃至第4工程を経て製造される。 ・第1工程{図1の(A)参照} 製造ラインの型枠上に、裏側部材4aを構成する木毛とセ
メントモルタルが混合された木毛セメント材aが極力均
等な構成密度になるように平たく供給される。 ・第2工程{図1の(B)参照} 裏側部材4a上に中間部材3aとしてのポリエチレンフォー
ムbが重合状に供給される。 ・第3工程{図1の(C)参照} 中間部材3aのポリエチレンフォームb上に、表側部材2a
すなわち木毛とセメントモルタルが混合された木毛セメ
ント材aが極力均等な構成密度になるように平らに展張
された状態で供給される。 ・第4工程{図1の(D)参照} 裏側部材4aと中間部材3aと表側部材2aが重合した状態で
加圧成形して、表裏の木毛セメント材aとポリエチレン
フォームbからなる三層構造の板材1を成形する。木毛
セメント材aが硬化した後、所定時間養生し、さらに乾
燥する。この第4工程において、各層2、3、4におけ
る木毛セメント材aとポリエチレンフォームbは、セメ
ントがポリエチレンフォームb面の各気泡部分に侵入し
て固化して両者を結合して働くことにより、三層が一体
化した板材1となる。そして、中間層3のポリエチレン
フォームbは、表側層2と裏側層4における木毛セメン
ト材aの各部の構成密度差に対応して変形・収縮するこ
とによって、平坦状に整えて供給することが不可能であ
る両層の木毛セメント基材の不定形状に馴染み、木毛セ
メント材aの断面各部の構成密度をほぼ均一に整え且つ
緩衝性、制振性、断熱性、防音性、曲げ性を有するもの
に仕上げている。
【0007】こうして製造された板材1は表裏両層にお
けるセメントを媒体として表側層2と中間層3と裏側層
4が相互に一体化した三層一体構造を呈すると共に、ポ
リエチレンフォームbの重合面における気泡部分に表裏
両層のセメントが結着しているので、中間層3を媒体と
して表側層2と中間層4が相互に一体的に結着してい
て、接合強度が高い強固な多層構造である。。そして、
中間層3であるポリエチレンフォームbの働きによって
衝撃吸収力および制振性を有するので、衝突による木毛
セメント製の表側層2および裏側層4の破損危険性が低
下し、衝突音も減じられる。また音源側が、木毛セメン
ト板の構成で裸使用される場合には、防音性が向上す
る。中間層3であるポリエチレンフォームbの働きによ
って、木毛セメント製の表側層2および裏側層4全体が
曲げ性を有するので、曲面下地を容易に構築できると共
に、曲げ状態でも衝撃吸収力、制振性、防音性を有す
る。ポリエチレンフォームbは、木毛セメントに対して
熱伝導率が小さいので、断熱性能が向上している。中間
層3であるポリエチレンフォームbが、木毛セメント材
aの各部の構成密度差に対応して変形・収縮するため、
同材の断面各部の構成密度がほぼ均一に整えられている
と共に、高い厚み精度が得られるので、表面研磨が不要
となる。
【0008】図2には本発明の多層構造体の製造方法の
実施の他の1例として、表側層2の表側部材2aと裏側層
4の裏側部材4aが木毛セメント材aで、中間層3の中間
部材3aが不織布に粘弾性のゴムアスファルトを含侵させ
たゴム不織布cで構成される板材1の製造例を示してお
り、この板材1は、次の第1工程乃至第4工程を経て製
造される。 ・第1工程{図2の(A)参照} 製造ラインの型枠上に、裏側部材4aを構成する木毛とセ
メントモルタルが混合された木毛セメント材aが極力均
等な構成密度になるように平たく供給される。 ・第2工程{図2の(B)参照} 裏側部材4a上に中間部材3aとしてのゴム不織布cが重合
状に供給される。 ・第3工程{図2の(C)参照} 中間部材3aのゴム不織布c上に、表側部材2aすなわち木
毛とセメントモルタルが混合された木毛セメント材aが
極力均等な構成密度になるように平らに展張された状態
で供給される。 ・第4工程{図2の(D)参照} 裏側部材4aと中間部材3aと表側部材2aが重合した状態で
加圧成型して、表裏の木毛セメント材aとゴム不織布c
からなる三層構造の板材1を成形する。木毛セメント材
aが硬化した後、所定時間養生し、さらに乾燥する。こ
の第4工程において、各層2、3、4における木毛セメ
ント材aとゴム不織布cは、セメントがゴム不織布c面
に結着して両者を結合して働くことにより、三層が一体
化した板材1となる。そして、中間層3のゴム不織布c
は、表側層2と裏側層4における木毛セメント材aの各
部の構成密度差に対応して変形・収縮することによっ
て、平坦状に整えて供給することが不可能である両層の
木毛セメント基材の不定形状に馴染み、木毛セメント材
aの断面各部の構成密度をほぼ均一に整え且つ緩衝性、
制振性、断熱性、防音性、曲げ性を有するものに仕上げ
ている。
【0009】こうして製造された板材1は表裏両層にお
けるセメントを媒体として表側層2と中間層3と裏側層
4が相互に一体化した三層一体構造を呈すると共に、ゴ
ム布織布cの重合面に表裏両層のセメントが結着してい
るので、中間層3を媒体として表側層2と中間層4が相
互に一体的に結着していて、接合強度が高い強固な多層
構造である。そして、中間層3である弾性回復力に富む
ゴム布織布cの働きによって高い衝撃吸収力および制振
性を有するので、衝突による木毛セメント製の表側層2
および裏側層4の破損危険性が低下し、衝突音も減じら
れる。また音源側が、木毛セメント板の構成で裸使用さ
れる場合には、防音性が向上する。中間層3であるゴム
布織布cの働きによって、木毛セメント製の表側層2お
よび裏側層4全体が曲げ性を有するので、曲面下地を容
易に構築できると共に、曲げ状態でも高い衝撃吸収力、
制振性、防音性を有する。ゴム布織布cは木毛セメント
に対して熱伝導率が小さいので断熱性能が高い。中間層
3であるゴム布織布cが、木毛セメント材aの各部の構
成密度差に対応して変形・収縮するため、同材の断面各
部の構成密度がほぼ均一に整えられていると共に、高い
厚み精度が得られるので、表面研磨が不要となる。中間
層3であるゴム布織布cが実質的に不透水性であるか
ら、透湿抵抗が高い壁材で構築したい場合に適してい
る。
【0010】図3には本発明の多層構造体の製造方法の
実施の他の1例として、表側層2の表側部材2aと裏側層
4の裏側部材4aが木毛セメント材aで、中間層3の中間
部材3aが発泡ゴムdで構成される板材1の製造例を示し
ており、この板材1は、次の第1工程乃至第4工程を経
て製造される。 ・第1工程{図3の(A)参照} 製造ラインの型枠上に、裏側部材4aを構成する木毛とセ
メントモルタルが混合された木毛セメント材aが極力均
等な構成密度になるように平たく供給される。 ・第2工程{図3の(B)参照} 裏側部材4a上に中間部材3aとしての発泡ゴムdが重合状
に供給される。 ・第3工程{図3の(C)参照} 中間部材3aの発泡ゴムd上に、表側部材2aすなわち木毛
とセメントモルタルが混合された木毛セメント材aが極
力均等な構成密度になるように平らに展張された状態で
供給される。 ・第4工程{図3の(D)参照} 裏側部材4aと中間部材3aと表側部材2aが重合した状態で
加圧成型して、表裏の木毛セメント材aと発泡ゴムdか
らなる三層構造の板材1を成形する。木毛セメント材a
が硬化した後、所定時間養生し、さらに乾燥する。この
第4工程において、各層2、3、4における木毛セメン
ト材aと発泡ゴムdは、セメントが発泡ゴムd面に結着
して両者を結合して働くことにより、三層が一体化した
板材1となる。そして、中間層3の発泡ゴムdは、表側
層2と裏側層4における木毛セメント材aの各部の構成
密度差に対応して変形・収縮することによって、平坦状
に整えて供給することが不可能である両層の木毛セメン
ト基材の不定形状に馴染み、木毛セメント材aの断面各
部の構成密度をほぼ均一に整え且つ緩衝性、制振性、断
熱性、防音性、曲げ性を有するものに仕上げている。
【0011】こうして製造された板材1は表裏両層にお
けるセメントを媒体として表側層2と中間層3と裏側層
4が相互に一体化した三層一体構造を呈すると共に、発
泡ゴムbの重合面に表裏両層のセメントが結着している
ので、中間層3を媒体として表側層2と中間層4が相互
に一体的に結着していて、接合強度が高い強固な多層構
造である。そして、中間層3である弾性回復力に富む発
泡ゴムbの働きによって高い衝撃吸収力および制振性を
有するので、衝突による木毛セメント製の表側層2およ
び裏側層4の破損危険性が低下し、衝突音も減じられ
る。また音源側が、木毛セメント板の構成で裸使用され
る場合には、防音性が向上する。中間層3である発泡ゴ
ムbの働きによって、木毛セメント製の表側層2および
裏側層4全体が曲げ性を有するので、曲面下地を容易に
構築できると共に、曲げ状態でも高い衝撃吸収力、制振
性、防音性を有する。発泡ゴムbは木毛セメントに対し
て熱伝導率が小さいので断熱性能が高い。中間層3であ
る発泡ゴムbが、木毛セメント材aの各部の構成密度差
に対応して変形・収縮するため、同材の断面各部の構成
密度がほぼ均一に整えられていると共に、高い厚み精度
が得られるので、表面研磨が不要となる。中間層3であ
る発泡ゴムbが実質的に不透水性であるから、透湿抵抗
が高い壁材で構築したい場合に適している。
【0012】図4には本発明の多層構造体の製造方法の
実施の他の1例として、表側層2の表側部材2aと裏側層
4の裏側部材4aが木毛セメント材aで、中間層3の中間
部材3aがグラスウールeで構成される板材1の製造例を
示しており、この板材1は、次の第1工程乃至第4工程
を経て製造される。 ・第1工程{図4の(A)参照} 製造ラインの型枠上に、裏側部材4aを構成する木毛とセ
メントモルタルが混合された木毛セメント材aが極力均
等な構成密度になるように平たく供給される。 ・第2工程{図4の(B)参照} 裏側部材4a上に中間部材3aとしてのグラスウールeが重
合状に供給される。 ・第3工程{図4の(C)参照} 中間部材3aのグラスウールe上に、表側部材2aすなわち
木毛とセメントモルタルが混合された木毛セメント材a
が極力均等な構成密度になるように平らに展張された状
態で供給される。 ・第4工程{図4の(D)参照} 裏側部材4aと中間部材3aと表側部材2aが重合した状態で
加圧成型して、表裏の木毛セメント材aとグラスウール
eからなる三層構造の板材1を成形する。木毛セメント
材aが硬化した後、所定時間養生し、さらに乾燥する。
この第4工程において、各層2、3、4における木毛セ
メント材aとグラスウールeは、セメントが重合面にお
けるグラスウールeの繊維間に侵入して両者を結合して
働くことにより、三層が一体化した板材1となる。そし
て、中間層3のグラスウールeは、表側層2と裏側層4
における木毛セメント材aの各部の構成密度差に対応し
て変形・収縮することによって、平坦状に整えて供給す
ることが不可能である両層の木毛セメント基材の不定形
状に馴染み、木毛セメント材aの断面各部の構成密度を
ほぼ均一に整え且つ緩衝性、断熱性、防音性、曲げ性を
有するものに仕上げている。
【0013】こうして製造された板材1は表裏両層にお
けるセメントを媒体として表側層2と中間層3と裏側層
4が相互に一体化した三層一体構造を呈すると共に、グ
ラスウールeの重合面における繊維間に表裏両層のセメ
ントが結着しているので、中間層3を媒体として表側層
2と中間層4が相互に一体的に結着していて、接合強度
が高い強固な多層構造である。。そして、中間層3であ
るグラスウールeの働きによって衝撃吸収力および制振
性を有するので、衝突による木毛セメント製の表側層2
および裏側層4の破損危険性が低下し、衝突音も減じら
れる。また音源側が、木毛セメント板の構成で裸使用さ
れる場合には、防音性が向上する。中間層3であるグラ
スウールeの働きによって、木毛セメント製の表側層2
および裏側層4全体が曲げ性を有するので、曲面下地を
容易に構築できると共に、曲げ状態でも衝撃吸収力、制
振性、防音性を有する。グラスウールeは、木毛セメン
トに対して熱伝導率が小さいので、断熱性能が向上して
いる。中間層3であるグラスウールeが、木毛セメント
材aの各部の構成密度差に対応して変形・収縮するた
め、同材の断面各部の構成密度がほぼ均一に整えられて
いると共に、高い厚み精度が得られるので、表面研磨が
不要となる。しかも、中間層4までが防火性であるた
め、全体として耐燃性が優れいて、防火建材として有用
である。
【0014】図5には本発明の多層構造体の製造方法の
実施の他の1例として、表側層2の表側部材2aと裏側層
4の裏側部材4aが木毛セメント材aで、中間層3の中間
部材3aが発泡スチロールfで構成される板材1の製造例
を示しており、この板材1は、次の第1工程乃至第4工
程を経て製造される。 ・第1工程{図5の(A)参照} 製造ラインの型枠上に、裏側部材4aを構成する木毛とセ
メントモルタルが混合された木毛セメント材aが極力均
等な構成密度になるように平たく供給される。 ・第2工程{図5の(B)参照} 裏側部材4a上に中間部材3aとしての発泡スチロールfが
重合状に供給される。 ・第3工程{図5の(C)参照} 中間部材3aの発泡スチロールf上に、表側部材2aすなわ
ち木毛とセメントモルタルが混合された木毛セメント材
aが極力均等な構成密度になるように平らに展張された
状態で供給される。 ・第4工程{図5の(D)参照} 裏側部材4aと中間部材3aと表側部材2aが重合した状態で
加圧成型して、表裏の木毛セメント材aと発泡スチロー
ルfからなる三層構造の板材1を成形する。木毛セメン
ト材aが硬化した後、所定時間養生し、さらに乾燥す
る。この第4工程において、各層2、3、4における木
毛セメント材aと発泡スチロールfは、セメントが発泡
スチロールf面に結着して両者を結合して働くことによ
り、三層が一体化した板材1となる。そして、中間層3
の発泡スチロールfは板材1を、緩衝性、断熱性、防音
性を有するものに仕上げている。
【0015】こうして製造された板材1は表裏両層にお
けるセメントを媒体として表側層2と中間層3と裏側層
4が相互に一体化した三層一体構造を呈すると共に、発
泡スチロールfの重合面に表裏両層のセメントが結着し
ているので、中間層3を媒体として表側層2と中間層4
が相互に一体的に結着していて、接合強度が高い強固な
多層構造である。そして、中間層3である発泡スチロー
ルfの働きによって衝撃吸収力を有するので、衝突によ
る木毛セメント製の表側層2および裏側層4の破損危険
性が低下し、衝突音も減じられる。また音源側が、木毛
セメント板の構成で裸使用される場合には、防音性が向
上する。中間層3である発泡スチロールfの働きによっ
て、木毛セメント製の表側層2および裏側層4全体が曲
げ性を有するので、曲面下地を容易に構築できると共
に、曲げ状態でも衝撃吸収力、防音性を有する。発泡ス
チロールfは木毛セメントに対して熱伝導率が小さいの
で断熱性能が高い。中間層3である発泡スチロールfが
実質的に不透水性であるから、透湿抵抗が高い壁材で構
築したい場合に適している。
【0016】図6には本発明の多層構造体の製造方法の
実施の他の1例として、表側層2の表側部材2aと裏側層
4の裏側部材4aが木毛セメント材aで、中間層3が複数
層で、その各中間部材3aが発泡ゴムdと木毛セメント部
材aと発泡ゴムdで構成される板材1の製造例を示して
おり、この板材1は、次の第1工程乃至第4工程を経て
製造される。 ・第1工程{図6の(A)参照} 製造ラインの型枠上に、裏側部材4aを構成する木毛とセ
メントモルタルが混合された木毛セメント材aが極力均
等な構成密度になるように平たく供給される。 ・第2工程{図6の(B)参照} 裏側部材4a上に各中間部材3aとしての発泡ゴムdと、木
毛とセメントモルタルが混合されて極力均等な構成密度
になるように平に供給される木毛セメント材aと、発泡
ゴムdが順次重合状に供給される。 ・第3工程{図6の(C)参照} 最上の発泡ゴムd上に、表側部材2aすなわち木毛とセメ
ントモルタルが混合された木毛セメント材aが極力均等
な構成密度になるように平らに展張された状態で供給さ
れる。 ・第4工程{図6の(D)参照} 裏側部材4aと各中間部材3aと表側部材2aが重合した状態
で加圧成型して、表裏の木毛セメント材aと中間の発泡
ゴムdと木毛セメント部材aと発泡ゴムdからなる五層
構造の板材1を成形する。木毛セメント材aが硬化した
後、所定時間養生し、さらに乾燥する。この第4工程に
おいて、各層2、3、4における木毛セメント材aと発
泡ゴムdは、セメントが発泡ゴムd面に結着して両者を
結着して働くことにより、五層が一体化した板材1とな
る。そして、中間層3の各発泡ゴムdは、表側層2と裏
側層4における木毛セメント材aの各部の構成密度差に
対応してそれぞれ変形・収縮することによって、平坦状
に整えて供給することが不可能である両層の木毛セメン
ト基材の不定形状に馴染み、木毛セメント材aの断面各
部の構成密度をほぼ均一に整え且つ緩衝性、制振性、断
熱性、防音性、曲げ性を有するものに仕上げている。
【0017】こうして製造された板材1は表裏両層およ
び中間層におけるセメントを媒体として表側層2と中間
層3と裏側層4が相互に一体化した五層一体構造を呈す
ると共に、発泡ゴムbの重合面に表裏両層および中間層
のセメントがそれぞれ結着しているので、中間層3を媒
体として表側層2と中間層4が相互に一体的に結着して
いて、接合強度が高い強固な多層構造である。そして、
中間層3である弾性回復力に富む発泡ゴムbの働きによ
って高い衝撃吸収力および制振性を有するので、衝突に
よる木毛セメント製の表側層2および裏側層4の破損危
険性が低下し、衝突音も減じられる。また音源側が、木
毛セメント板の構成で裸使用される場合には、防音性が
向上する。中間層3である発泡ゴムbの働きによって、
木毛セメント製の表側層2および裏側層4全体が曲げ性
を有するので、曲面下地を容易に構築できると共に、曲
げ状態でも高い衝撃吸収力、制振性、防音性を有する。
発泡ゴムbは木毛セメントに対して熱伝導率が小さいの
で断熱性能が高い。中間層3である発泡ゴムbが、木毛
セメント材aの各部の構成密度差に対応して変形・収縮
するため、同材の断面各部の構成密度がほぼ均一に整え
られていると共に、高い厚み精度が得られるので、表面
研磨が不要となる。中間層3における発泡ゴムbが実質
的に不透水性であるから、透湿抵抗が高い壁材で構築し
たい場合に適している。
【0018】また、図示していないが、前記した中間層
3の組み合わせ例以外にも、他の緩衝材、軟質弾性材、
防火材、非透水材、断熱材、防音材、その他の部材を適
宜組み合わせて構成して、同様に製造することができ
る。すなわち中間層3を、前記した同質材で構成する態
様の他に、異質材例えば発泡ゴムbとグラスウールeか
らなる複数層の態様にすることで、中間層3そのものが
両部材の効果すなわち高い弾性回復力に基づく緩衝性お
よび制振性、不透水性、防火性等を合せ持つ多層構造体
とすることができる。
【0019】
【発明の効果】
A.本発明により、少なくとも緩衝性、軟質弾性、防火
性、非透水性、断熱性、防音性のいずれかを有する中間
部材により、硬化前の木毛セメント材または木片セメン
ト材からなる表側部材と裏側部材とを隔てて積層し、然
る後に加圧成形して硬化させて一体化し、養生すること
で、様々な物性を有する中間部材で隔てられている木毛
セメント材または木片セメント材製の表側部材と裏側部
材からなる多層構造体を容易に製造することができる。
したがって、緩衝材、制振材、断熱材、防音材、遮音
材、曲面材等として、壁材、床材、天井材、下地材、型
枠等の各種用途に有用である汎用性に富む多層構造体を
コストがかからず安価に製造できる。そして、中間部材
が軟質弾性部材および変形・収縮可能な一部の緩衝性部
材、防火性部材、非透水性部材、断熱性部材、防音性部
材である場合には、表側部材と裏側部材における木毛セ
メント材の各部の構成密度差に対応して変形・収縮する
ことによって、平坦状に整えて供給することが不可能で
ある木毛セメント材の不定形状に馴染み、表裏両部材の
断面各部の構成密度をほぼ均一に整えて製造でき、高い
厚み精度に仕上げられて研磨工程が不要であり、製造コ
ストを抑えられる。さらに、表側層と中間層と裏側層が
積層した状態で加圧成形しているため、結着性が高い。 B.請求項2により、中間層を、例えば異なる軟質弾性
部材として発泡ゴムとガラス繊維不織布からなる複数層
の態様にすることで、中間層そのものが両部材の効果す
なわち高い弾性回復力、不透水性、防火性等を合せ持つ
多層構造体を製造することができる。また、中間層を、
例えば軟質弾性部材と不軟質弾性部材と軟質弾性部材が
組み合わされた複数層の態様にすることで、中間層その
ものが弾性のものとそうでないものとの双方の効果を合
せ持つ多層構造体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)〜(D)は本発明の多層構造体の製造
方法の実施の1形態として板材の例を工程順に示してい
る各斜視図。
【図2】 (A)〜(D)は本発明の多層構造体の製造
方法の実施の他の1形態として板材の例を工程順に示し
ている各斜視図。
【図3】 (A)〜(D)は本発明の多層構造体の製造
方法の実施の他の1形態として板材の例を工程順に示し
ている各斜視図。
【図4】 (A)〜(D)は本発明の多層構造体の製造
方法の実施の他の1形態として板材の例を工程順に示し
ている各斜視図。
【図5】 (A)〜(D)は本発明の多層構造体の製造
方法の実施の他の1形態として板材の例を工程順に示し
ている各斜視図。
【図6】 (A)〜(D)は本発明の多層構造体の製造
方法の実施の他の1形態として板材の例を工程順に示し
ている各斜視図。
【符号の説明】
1 板材 2 表側層 2a 表側部材 3 中間層 3a 中間部材 4 裏側層 4a 裏側部材 a 木毛セメント材 b ポリエチレンフォーム c ゴム不織布 d 発泡ゴム e グラスウール f 発泡スチロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−2451(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C04B 7/00 - 32/02 E04C 2/00 - 2/54

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも緩衝性、軟質弾性、防火性、
    非透水性、断熱性、防音性のいずれかを有する中間部材
    により、木毛または木片等とセメントを主成分とするバ
    インダーとからなる硬化前の混練物で構成された表側部
    材と裏側部材とを隔てて積層し、然る後に加圧成形して
    硬化させて一体化し、養生して製造することを特徴とす
    る多層構造体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記中間層が複数層であることを特徴と
    する請求項1記載の多層構造体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記中間層における緩衝性を有する部材
    が、スチレン,フェノール,ポリプロピレン,ポリエチ
    レン,ポリウレタン,その他の発泡樹脂、塩化ビニー
    ル,その他の軟質樹脂、ゴムおよび発泡ゴム、ロックウ
    ール、グラスウール、その他の緩衝性を有する公知の部
    材のいずれかであることを特徴とする請求項1または2
    記載の多層構造体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記中間層における軟質弾性を有する部
    材が、スチレン,フェノール,ポリプロピレン,ポリエ
    チレン,ポリウレタン,その他の発泡樹脂、発泡ゴム、
    ロックウール、グラスウール、その他の軟質弾性を有す
    る公知の部材のいずれかであることを特徴とする請求項
    1または2記載の多層構造体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記中間層における防火性を有する部材
    が、ロックウール、グラスウール、フェノールフォー
    ム、その他の防火性を有する公知の部材のいずれかであ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の多層構造体
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記中間層における非透水性を有する部
    材が、スチレン,フェノール,ポリプロピレン,ポリエ
    チレン,ポリウレタン,その他の発泡樹脂、塩化ビニー
    ル,その他の軟質樹脂、ゴムおよび発泡ゴム、アスファ
    ルトルーフィング,アスファルトフェルト、その他のア
    スファルト系防水材、その他の非透水性を有する公知の
    部材のいずれかであることを特徴とする請求項1または
    2記載の多層構造体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記中間層における断熱性を有する部材
    が、スチレン,フェノール,ポリプロピレン,ポリエチ
    レン,ポリウレタン,その他の発泡樹脂、発泡ゴム、ロ
    ックウール、グラスウール、その他の断熱性を有する公
    知の部材のいずれかであることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の多層構造体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記中間層における防音性部材が、ロッ
    クウール、グラスウール、その他の防音性を有する公知
    の部材のいずれかであることを特徴とする請求項1また
    は2記載の多層構造体の製造方法。
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