JP2963379B2 - 柔軟物品分配供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば一つのコン
ベヤベルト上に供給された食品原料等の柔軟物品を、該
コンベヤベルトの下流側へ、例えば下流側の複数の樋状
ガイドのそれぞれに所定量だけ分配して供給するための
ものであり、すなわちコンベヤベルトの幅方向の位置に
関して柔軟物品の供給量を調節することができる柔軟物
品分配装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の柔軟物品分配装置を含む柔軟物品
計量装置は、ホッパーに集められた柔軟物品を、互いに
平行に配置した多数の樋状ガイドの上に直接供給する。
この樋状ガイドの各々の下流側には、ロードセルによっ
て支持された計量受け器が配置され、該樋状ガイドは計
量受け器内に柔軟食品がないことを検知したときに振動
装置によって斜め前後方向に振動し、柔軟物品を計量受
け器に供給する。各計量受け器に供給された柔軟物品は
ロードセルによって計量され、コンピュータによって選
択された複数の計量受け器に収容された柔軟物品が一つ
にまとめられて所定量の柔軟物品が量り出される。上述
した柔軟物品分配装置は、ホッパー下方部に柔軟物品が
つまり易いという問題があった。そこで、上記ホッパー
に換えてベルトコンベヤを用いたが、ベルトコンベヤを
作動させた場合、全ての樋状ガイドに柔軟物品が供給さ
れ、長時間にわたって作動せず停止状態の樋状ガイドの
上流側には、該柔軟物品が溜ってしまい、衛生上及び味
覚保持の点から問題があった。一方、実開平４ー１４４
２７号公報においては、計量ホッパへの砂定量供給装置
が開示されている。これは、端部ローラの側面にある平
面ベルトコンベヤの上方にシャッタ部材を配置し、ベル
トコンベヤの上方にある軸線を中心に揺動運動する該シ
ャッタ部材の先端部をベルトコンベヤに圧接させたり間
隔を置くようにすることよって、所定量の砂が処置室に
供給されるように構成されている。この装置は、平面ベ
ルトコンベヤの走行方向と直交する方向すなわち幅方向
において均一な量の砂供給を行うものであって、該幅方
向の位置に関して供給量を調節することはできない。

【０００３】特開昭６０ー４４４２８号公報は、バッチ
混合物を限りなく連続的に供給することができるバッチ
混合物の連続定量輸送装置に関する。これは、コンベヤ
ベルトの上方に、下側面が該コンベヤベルトの走行方向
と反対向きに走行する掻き戻しベルトをもつ掻き戻し装
置を配置し、バッチ混合物を上記コンベヤベルトの上面
と上記掻き戻しベルトの下側面とによって挟み込んで搬
送し供給するものである。この装置においても、上記コ
ンベヤベルトの幅方向の位置に関して供給量を調節する
ことはできない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の供給
装置の上述した問題点に鑑みてなされたものであって、
柔軟物品をコンベヤベルトの幅方向の位置に関して供給
量を調節することができる柔軟物品分配装置を提供する
ことを目的とする。本発明はまた、コンベヤベルトの幅
方向の位置に関し柔軟物品の供給量を調節するに当たっ
て、ベルトコンベヤ上に柔軟物品が長時間にわたって停
止する虞が少なく迅速に柔軟物品を供給することがで
き、衛生上及び味覚保持の点で優れた柔軟物品分配装置
を提供することを目的とする。本発明はまた、ボイルカ
ットしたタマネギ、エノキ、モヤシ等の長物の柔軟物品
をひっかけて掻き戻し易くすることができる柔軟物品分
配装置を提供することを目的とする。本発明はさらに、
柔軟物品を定量計量する上においても各計量受け器に均
等に供給することができる柔軟物品分配装置を提供する
ことを目的とする。

【０００５】

【問題を解決するための手段】請求項１に記載の本発明
は、柔軟物品を搬送するコンベヤベルトと、該コンベヤ
ベルトの上方に配置され、該コンベヤベルトの搬送方向
と直交して延在し該搬送方向と逆方向に掻き戻し走行す
るための掻き戻し支持体と、上記掻き戻し支持体に支持
され、搬送中の柔軟物品に係合可能な下降位置と係合不
能な上昇位置の間で昇降可能な複数の掻き戻し部材とを
有し、上記コンベヤベルトが搬送中、上記掻き戻し部材
の各々を下降位置又は上昇位置に配置して上記掻き戻し
支持体を掻き戻し走行させ、上記コンベヤベルト上の所
定位置の柔軟物品を掻き戻すことにより、上記コンベヤ
ベルトによりその幅方向において柔軟物品を分配調節し
て供給することを特徴とする柔軟物品分配供給装置であ
る。

【０００６】請求項２に記載の本発明は、上記掻き戻し
部材が、昇降作動させられる棒部材であることを特徴と
する。 請求項３に記載の本発明は、上記掻き戻し部材
の各々の走行軌跡の搬送下流側延長上に並列した複数の
樋状ガイドと、さらにその下流側に複数の計量受け器が
配置されていることを特徴とする。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の実施例の柔軟物品分配供
給装置を備えた柔軟物品計量供給装置を図に基づいて説
明する。柔軟物品計量供給装置１は、図２に示すよう
に、柔軟物品分配供給装置１００と、柔軟物品分配供給
装置１００の搬送方向下流側の、並列した複数の樋状ガ
イド６と、さらにその下流側の複数のロードセル８のそ
れぞれによって支持された複数の計量受け器１０とを有
する。なお、上記柔軟物品計量供給装置の搬送方向下流
側に直接複数の計量受け器を配置してもよい。樋状ガイ
ド６は、振動装置４によって斜め前後方向に振動駆動さ
れる。計量受け器１０の各々は、樋状ガイド６の各々と
組み合っていて、樋状ガイド６から柔軟物品が供給され
る。ロードセル８は、計量受け器１０によって収容され
ている柔軟物品の重量を計測する。各計量受け器１０の
収容柔軟物品の重量値はコンピュータ（図示せず）に入
力され、コンピュータは所定重量値または所定重量値を
超え所定重量値に最も近い重量値になる組み合わせ演算
を行い、その結果選択された計量受け器１０の収容柔軟
物品を充填装置（図示せず）に供給する。樋状ガイド６
の各々の上方には、樋状ガイド６内の柔軟物品の存在を
検出するための光電センサー２０が配置されている。

【０００８】柔軟物品分配供給装置１００は、図１に示
すように、コンベヤベルト１０２と、コンベヤベルト１
０２の上方に配置された掻き戻し支持体１０６とを有す
る。コンベヤベルト１０２は、コンベヤ駆動モータ１０
８によって駆動される駆動プーリ１１０と、回転自在の
コンベヤプーリ１１２とに掛け回されている。掻き戻し
支持体１０６は、掻き戻し駆動モータ１１４によって駆
動されるリンク機構１１６及び掻き戻しアーム１１８に
よって支持され、上昇位置においてコンベヤベルト１０
２の搬送方向に走行し、下降位置において搬送逆方向に
走行する。掻き戻し支持体１０６には、樋状ガイド６に
対応した位置にエアシリンダ１２０によって支持された
掻き戻し部材１２２が取付けられている。掻き戻し部材
１２２は、丸棒状のものが図示されているが、樋状ガイ
ド６の断面及び柔軟物品の物理的性質に対応して逆三角
形のものや矩形のものに代えることもできる。なお、掻
き戻し部材として、逆三角形状のものを用いた場合に
は、下降したままのある掻き戻し部材の軌跡上にある柔
軟物品を、該掻き戻し部材の左右にある掻き戻し部材の
軌跡上に分配するように移動させる効果を高めることが
できる。

【０００９】上述した構成の柔軟物品分配供給装置１０
０の作動は、次の通りである。コンベヤベルト１０２の
上には、ボイルカットした玉ネギ、白菜、モヤシ、エノ
キ等の野菜類、牛肉、豚肉等の肉類などの柔軟物品Ｍが
ホッパー１０３から略平均した厚さで供給され、掻き戻
し支持体１０６は、図１及び図２に示す待機位置にあ
る。樋状ガイド６にあった柔軟物品Ｍが計量受け器１０
に供給されて、光電センサー２０がいずれかの樋状ガイ
ド６内に柔軟物品Ｍが無くなったことを検出すると、コ
ンベヤ駆動モータ１０８の駆動によりコンベヤベルト１
０２が柔軟物品Ｍを樋状ガイド６の方向に搬送を開始す
る。同時に、柔軟物品Ｍが無くなった樋状ガイド６に対
応したエアシリンダ１２０にエアが供給されて掻き戻し
部材１２２が柔軟物品Ｍに接触しない位置まで上昇し、
他の掻き戻し部材１２２は柔軟物品Ｍに接触する位置の
ままで、リンク機構１１６の駆動によって掻き戻し支持
体１０６が搬送逆方向に移動する。上昇した掻き戻し部
材１２２の下方の柔軟物品Ｍはそのままコンベヤベルト
１０２によって所定の樋状ガイド６に供給され、下降し
たままの掻き戻し部材１２２はその軌跡上の柔軟物品Ｍ
を搬送逆方向に掻き戻す。図２において、一点鎖線Ｃに
よって下降する掻き戻し部材１２２の下端部の軌跡を示
す。

【００１０】この時、上昇した掻き戻し部材１２２の近
傍の下降したままの掻き戻し部材１２２によって掻き戻
された柔軟物品Ｍの一部は、上昇した掻き戻し部材１２
２の軌跡上に移動し、コンベヤベルト１０２によって所
定の樋状ガイド６に供給される。掻き戻し部材１２２が
所定距離搬送逆方向に走行した後、掻き戻し支持体１０
６は、掻き戻された柔軟物品が図１及び図２に示す待機
位置に到達する前までにリンク機構１１６の駆動によっ
て上昇し、搬送方向に移動して該待機位置に戻る。この
ように、柔軟物品Ｍは、ある掻き戻し部材１２２が下降
したままであっても、その軌跡上の柔軟物品Ｍはその左
右方向に位置する他の掻き戻し部材１２２の軌跡上に移
動して供給され、特定の柔軟物品Ｍが長時間コンベヤベ
ルト１０２に停まることを防止することができる。

【００１１】上記実施例においては、掻き戻し支持体１
０６及びこれに支持された掻き戻し部材１２２の両者が
独立して昇降するように構成されているが、掻き戻し部
材１２２の昇降量を大きくすることによって掻き戻し支
持体１０６の昇降作動を排除することもできる。又、上
記実施例においては、掻き戻し部材が棒状であり、各掻
き戻し部材間に隙間が設けられているが、該掻き戻し部
材を板状にすることによって該隙間を排除することもで
きる。

【００１２】

【発明の効果】請求項１に記載の本発明によれば、柔軟
物品をコンベヤベルトの幅方向の位置に関して供給量を
調節することができ、かつコンベヤベルトの幅方向の位
置に関して柔軟物品を供給しなかった部分の柔軟物品が
供給された部分に移動して供給柔軟物品に混合され、コ
ンベヤベルト上において特定箇所の柔軟物品が長時間に
わたって停止する虞が少なく迅速に柔軟物品を供給する
ことができ、衛生上及び味覚保持の点で有利である効果
を有する。特に、掻き戻し部材はそれが下降したままで
あってもその掻き戻し軌跡上の柔軟物品は隣接する掻き
戻し部材の掻き戻し軌跡上に移動させられ、この点から
も柔軟物品が長時間にわたって停止することを有効に防
止することができる。請求項２に記載の本発明によれ
ば、ボイルカットしたタマネギ、エノキ、モヤシ等の長
物の柔軟物品をひっかけて掻き戻し易くすることができ
るという利点を有する。請求項３に記載の本発明によれ
ば、柔軟物品を各計量受け器にほぼ均等に供給すること
ができるため、組み合せ演算の結果が良好になり組み合
せ精度が向上し、通常は定量計量が困難とされている柔
軟物品においても比較的高い計量精度が得られるという
効果を有する。さらには、樋状ガイドの上流側における
柔軟物品の堆積を防止できる効果も有する。

【００１３】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の柔軟物品分配供給装置の斜視
図である。

【図２】本発明の実施例の柔軟物品分配供給装置を含む
柔軟物品計量供給装置の斜視図である。

【符号の説明】

Ｍ 柔軟物品 １ 柔軟物品計量供給装置 ６ 樋状ガイド ８ ロードセル １０ 計量受け器 ２０ 光電センサー １００ 柔軟物品分配供給装置 １０２ コンベヤベルト １０６ 掻き戻し支持体 １０８ コンベヤ駆動モータ １１０ 駆動プーリ １１２ コンベヤプーリ １１４ 掻き戻し駆動モータ １１６ リンク機構 １１８ 掻き戻しアーム １２０ エアシリンダ １２２ 掻き戻し部材

フロントページの続き (72)発明者 山本 宏 兵庫県明石市茶園場町５番22号 大和製 衡株式会社内 (56)参考文献 特公 昭63−51931（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B65G 47/52 A23L 1/00 A23L 1/212 B65G 47/28 B65G 65/42

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 柔軟物品を搬送するコンベヤベルトと、 該コンベヤベルトの上方に配置され、該コンベヤベルト
   の搬送方向と直交して延在し該搬送方向と逆方向に掻き
   戻し走行するための掻き戻し支持体と、 上記掻き戻し支持体に支持され、搬送中の柔軟物品に係
   合可能な下降位置と係合不能な上昇位置の間で昇降可能
   な複数の掻き戻し部材とを有し、 上記コンベヤベルトが搬送中、上記掻き戻し部材の各々
   を下降位置又は上昇位置に配置して上記掻き戻し支持体
   を掻き戻し走行させ、上記コンベヤベルト上の所定位置
   の柔軟物品を掻き戻すことにより、上記コンベヤベルト
   によりその幅方向において柔軟物品を分配調節して供給
   することを特徴とする柔軟物品分配供給装置。
2. 【請求項２】 上記掻き戻し部材は、昇降作動させられ
   る棒部材であることを特徴とする請求項１記載の柔軟物
   品分散供給装置。
3. 【請求項３】 上記掻き戻し部材の各々の走行軌跡の搬
   送下流側延長上に並列した複数の樋状ガイドと、さらに
   その下流側に複数の計量受け器が配置されていることを
   特徴とする請求項１記載の柔軟物品分配供給装置。