JP2962070B2 - 反射鏡支持機構 - Google Patents

反射鏡支持機構

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JP2962070B2 JP26462192A JP26462192A JP2962070B2 JP 2962070 B2 JP2962070 B2 JP 2962070B2 JP 26462192 A JP26462192 A JP 26462192A JP 26462192 A JP26462192 A JP 26462192A JP 2962070 B2 JP2962070 B2 JP 2962070B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、望遠鏡やパラボラア
ンテナ等の大形反射鏡を支持する反射鏡支持機構に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】以下の説明では反射望遠鏡を例として説
明するが、理解を助けるため、まず小形のものについて
説明する。図13は特開平4−20913号公報に示さ
れたものと類似の小形反射望遠鏡の反射鏡の従来の支持
機構の斜視図、又図14は同じく断面図である。図13
及び図14に於て1は反射望遠鏡の反射鏡、以後ミラー
と言う。1aはミラー1の鏡面である。2はミラー1と
ミラー周辺の支持機構(後述)を支え、鏡筒(後述)と
一体化するための支持フランジ、3はミラー1のラジア
ル方向(即ち鏡軸に直角方向)の荷重をミラー1の側面
で受けるラジアルサポート機構、4はミラー1のアキシ
アル方向(即ち鏡軸方向)の荷重をミラー1の下側で受
けるアキシアルサポート機構、5はミラー1の支持フラ
ンジ2に対する傾きや高さを調整するための位置決め機
構である。
【0003】30は望遠鏡の鏡筒、31はミラー1の脱
落を防ぐため、ミラー1を押えておく押えリング、32
は押えリング31を支持フランジ2に取付けるための支
持棒である。
【0004】図13及び図14の動作について説明す
る。ラジアルサポート機構3は、ミラー1の外周に3箇
所以上設けられており、ミラー1が図の上で水平方向に
ずれることがないよう押えている。又、ミラー1は押え
リング31とアキシアルサポート機構4との両方から上
下に力を受けているが、ミラー1の反射面1aは数ミク
ロンの誤差も許されぬほど高い形状精度を保つことが必
要である。したがってミラー1に変形を与えるような強
い、片寄った力を加えることは好ましくない。又、支持
フランジ2やラジアルサポート機構3、アキシアルサポ
ート機構4等は、高い精度を保つため、丈夫な金属で製
作されている。
【0005】図13、図14に示す従来の支持機構は上
記の様に構成されているので、次のような欠点を有して
いる。即ち、 押えリング31がミラー1の反射面1aの一部を覆い
かくすため、反射面1aの利用効率が低下する。 ミラー1の側面に、構造物が多数設けられるため、ミ
ラー1の直径に比し、望遠鏡の最大径が大きくなってし
まう。
【0006】又、反射鏡の直径が1m以上の大型の場合
には、ミラー1は直径に比して厚みが比較的うすく、ミ
ラー1の剛性が低くなるので、次の様な問題が生じる。
即ち、 アキシアルサポート機構4とラジアルサポート機構3
と押えリング31とでミラー1の重量を支えるため、強
くしめ付ける必要があり、ミラー1が変形しやすい。 望遠鏡の角度を変えると、ミラー1の自重がかかる方
向が変るため、前記の各サポート機構への荷重のかかり
方が変化する結果、ミラー1が変形しやすい。 温度変化によってミラー1や支持フランジ2その他の
部分が伸縮すると伸縮率の差により各部に歪が生じやす
い。 このような点から直径の大きな大形望遠鏡には、以下に
示す、やや異なった方式が用いられている。
【0007】ミラー1の直径が大きな場合には図15に
示す方式が用いられる。図15は特開平3−68908
号公報に示されたものと類似の、従来の大形反射鏡の支
持機構の断面図である。図に於て1、2、5、30は図
13と同様である。43はミラー1のラジアル方向の荷
重を支えるラジアルサポート機構、44はミラー1のア
キシアル方向の荷重を支えるアキシアルサポート機構、
60は説明のため示すミラー1の中心軸(以後軸と言
う)である。
【0008】図15では2つのラジアルサポート機構4
3と、4つのアキシアルサポート機構44とを示してい
るが、実際の装置では、各10数台以上が用いられる。
【0009】図15の詳細を説明するため、図16に図
15のアキシアルサポート機構44の拡大図を示し、図
17に図15のラジアルサポート機構43の拡大図を示
す。なお、説明の都合上、図15のミラー1は水平、即
ちミラー1の軸60が垂直である場合を示しているが、
図16、図17はミラー1の軸60が水平面と角度θを
なす場合を示している。
【0010】図16に於て1、2、44、60は図15
と同じである。6は一端が底面ピン継手9(後述)を介
してミラー1の底面に回動可能に連続されたリンク、7
はリンク6の他端に可動的に連結されたレバー、8はレ
バー7の他端に設けられたアキシアルウエイト、9はリ
ンク6とミラー1とを回動可能に連結する第1の継手と
してミラー1の底面に設けられた底面ピン継手、10は
リンク6とレバー7を回動可能に連結する第2の継手と
してのピン継手、11はレバー7を揺動可能に支承する
支軸で、支持フランジ2上に取り付けられている。アキ
シアルサポート機構44は、リンク6とレバー7と、ア
キシアルウエイト8と底面ピン継手9とピン継手10と
支軸11とで構成されている。
【0011】図17に於て1、2、43、60は図15
と同じである。12は一端が側面ピン継手15(後述)
を介してミラー1の側面に回動可能に連結されたリン
ク、13はリンク12の他端に可動的に連結されたレバ
ー、14はレバー13の他端に設けられたラジアルウエ
イト、15はリンク12とミラー1とを回動可能に連結
する第1の継手としてミラー1の側面に設けられた側面
ピン継手、16はリンク12とレバー13を回動可能に
連結する第2の継手としてのピン継手、17はレバー1
3を揺動可能に支持する支軸で、支持フランジ2に取り
付けられている。ラジアルサポート機構43はリンク1
2とレバー13とラジアルウエイト14と側面ピン継手
15と、ピン継手16と支軸17とで構成されている。
【0012】次に動作について説明する。まず、図16
のアキシアルサポート機構44において、これが受け持
つミラー1の自重をW1 とすると、この自重W1 のアキ
シアル方向の成分WA1は、同図から次の様に表わされ
る。 WA1=W1 sin θ ・・・・(1) ここでW1 :アキシアルサポート機構44が受持つミラ
ー1の自重 θ:ミラー1の仰角 一方、アキシアルサポート機構44がミラー1に作用す
るアキシアル力FA1は、リンク6やレバー7等の重量を
無視すれば次のとおりである。
【0013】 FA1=W2 sin θ・(l2/l1) ・・・・(2) ここでW2 :アキシアルウエイト8の重量 l1:ピン継手10と支軸11間の距離 l2:支軸11とアキシアルウエイト8の重心との距離 そこでWA1=FA1とするために W1 sin θ=W2 sin θ・(l2/l1) W2 ・(l2/l1)=W1 ・・・・(3) となるように、アキシアルウエイト8の重量W2 およ
び、てこ比l2/l1を決定すればミラー1の自重とアキシ
アルウエイト8をθに関係なくつり合わす(WA1
A1)ことができ、アキシアルサポート機構44でミラ
ー1の自重のアキシアル成分を、ミラー1の仰角にかか
わらず支持することができる。
【0014】又、ミラー1や支持フランジ2、レバー7
等が温度変化によって伸縮しても、リンク6が設けられ
ているので、ミラー1に直接無理な力例えばラジアル方
向の力は作用しない。又、θ=0°即ちミラー1の軸6
0が水平の時には(2)式から明らかなとおりFA1=0
となって、アキシアルウエイト8は何の役目もしていな
い。即ちアキシアルウエイト8はアキシアル方向の力を
発生するためだけに用いられている。
【0015】一方、図17に示すラジアルサポート機構
43では、ミラー1の自重をW1 とすると、この自重の
ラジアル方向の成分WR1は図17からわかるように次の
様に表わされる。 WR1=W1 cos θ ・・・・(4) ここでW1 :ラジアルサポート機構43が受持つミラー
1の自重 θ:ミラー1の仰角 一方、ラジアルサポート機構43がミラー1に作用する
ラジアル力FR1は次のとおりである。
【0016】 FR1=W3 cos θ・(l4/l3) ・・・・(5) ここでW3 :ラジアルウエイト14の重量 l3:ピン継手15と支軸17間の距離 l4:支軸17とラジアルウエイト14の重心との距離 従って、ラジアルウエイト14の重量W3 およびてこ比
l4/l3次式を満足するように設定すれば、 W3 ・(l4/l3)=W1 ・・・・(6) ミラー1の自重とラジアルウエイト14をミラー1の仰
角にかかわらずつり合わす(WR1=FR1)ことができ、
ラジアルサポート機構43でミラー1の自重のラジアル
成分を、ミラー1の仰角にかかわらず支持できる。
【0017】又、θ=90°即ち、ミラー1の軸60が
天頂に向いているときには、(4)式から明らかなよう
にWR1=0となって、ラジアルウエイト14は何の役目
もしていない。即ち、ラジアルウエイト14はラジアル
方向の力を生じるためだけに使用されている。
【0018】次に、ミラー1の重心回りのモーメントに
ついて図18により説明する。図に於て、W1 ,FA1
R1は図16、図17と同じである。図15のラジアル
サポート機構43及びアキシアルサポート機構44は、
各複数個用いられてバランスがとられている。そこで説
明の都合上第18図に於て、第1のラジアルサポート機
構43によるラジアル力をFR1、第2のラジアルサポー
ト機構43によるラジアル力をFR2、第1のアキシアル
サポート機構44によるアキシアル力をFA1、第2のア
キシアルサポート機構44によるアキシアル力をFA2
する。又ミラー1の重心をGとする。
【0019】重心Gからラジアル力FR1に至る最短距離
をl R1、ラジアルFR2に至る最短距離をl R2,重心Gか
らアキシアル力FA1に至る最短距離をlA1,アキシアル
力FA2に至る最短距離をlA2とする。このとき、重心G
の回りのモーメントに関し次式が成立するように各サポ
ート機構の取付位置を調整する。即ち重心回りの右回り
モーメント=重心回りの左回りモーメント。 (FR1×l R1)+(FA2×l A2)=(FR2×l R2)+(FR1×l A1)・・・・(7) なお、位置決め機構5からも、わずかなモーメント力を
受けるが、これについても同様のバランスが成立する。
【0020】製造上の誤差があるため、前述した全ての
アキシアル荷重、ラジアル荷重、及び重心回りのモーメ
ントが全て完全にバランスすることはあり得ないが、生
じたわずかのアンバランスは、位置決め機構5によって
吸収される。このことは、ミラー1の位置を位置決め機
構5によって決定する過程において自然に行われる。
【0021】以上の説明によって、ミラー1の重量は、
ほぼ全てラジアル及びアキシアルサポート機構43、4
4にかかり、かつ、ミラー1が自由に動くので、見かけ
上ミラー1は浮遊しているように感じられる。したがっ
てミラー1は見かけ上軽くなっていて、ミラー1の自重
が大きくても位置決め機構5によって、容易に支持フラ
ンジ2に対する位置及び角度の調整を行うことが出来
る。
【0022】又、図13〜図18に示した従来の各サポ
ート機構では、ミラー1を前後左右へ移動させる事、あ
るいは全ゆる方向へ傾斜させる事が可能であるが、望遠
鏡の反射鏡の支持装置として、このようなミラー1の動
きが可能である事は、ミラー1の調整作業上必須条件で
ある。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】従来の反射鏡支持機構
は、以上のように構成されているので、次のような問題
点を有している。 1.ミラーの側面に構造物が設けられているため、ミラ
ーの外径に比し、望遠鏡の最大径が大きくなってしま
う。 2.アキシアルウエイトはアキシアル力を発生するため
だけに、又ラジアルウエイトはラジアル力を発生するた
めだけに用いられ、かつ各ウエイトは単独でミラー1の
自重を支えられる量が必要であるためウエイトの全量が
大きくなる。
【0024】3.サポート機構は、ミラーの周囲や下部
に多数分散して配置されているため、その組立あるいは
保守点検のためには、点検者がミラーの回りを歩き回わ
らなければならず、ミラーが大型になると作業に手間が
かかる。 4.レバーの製作可能な長さは、自ずと限界があるた
め、ミラーが巨大になるとウエイトの重量も相当なもの
となり、その位置の調整は容易でない。 と言う問題があった。
【0025】この発明は、上記の問題点を解消するため
になされたもので、下記の事を目的としている。 1.ミラー側面部の構造物を小さくし、ミラー直径に比
して望遠鏡の外部径を大きくしなくてよい反射鏡支持機
構を得る。 2.ミラーの角度が水平でも垂直でも同一の重りがミラ
ーの重量を支え、よって重りの全量が軽くてすむ反射鏡
支持機構を得る。
【0026】3.機構の配置を1ケ所に集中した配置と
して、組立や保守点検のためにミラーの周囲を歩き回わ
らなくても作業が出来る反射鏡支持機構を得る。 4.ウエイトの位置の調整が容易に行える反射鏡支持機
構を得る。 ことを目的としている。
【0027】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の発明に
係る反射鏡支持機構は、重力方向に対して姿勢が変化す
る支持フランジに、反射鏡を取付けるための反射鏡支持
機構に於て、前記反射鏡の裏面に配設され、該反射鏡の
重心位置に設けられたスラスト軸受と、前記支持フラン
ジ上に設けられた揺動軸受と、前記揺動軸受に揺動可能
に支持されて一端が前記スラスト軸受に結合された中空
腕と、前記中空腕の内部に前記反射鏡の鏡軸方向に摺動
可能に挿入され一端が前記反射鏡の裏面に接する可動軸
と、前記中空腕上に設けられた支点において回動可能に
保持されるとともに前記可動軸と回動可能に結合された
リンク機構と、このリンク機構に設けられ、前記支持フ
ランジの姿勢変化に伴って前記反射鏡の鏡軸方向及び鏡
軸の直角方向に作用する荷重を、前記可動軸を介して支
える重りを設けたものである。
【0028】また、この発明の第2の発明に係る反射鏡
支持機構は、一端がスラスト軸受に結合されるととも
に、他端に、反射鏡の鏡軸に対して直角方向に作用する
荷重を支える支持力を調整する重りを備えた中空腕を設
けたものである。
【0029】また、この発明の第3の発明に係る反射鏡
支持機構は、重力方向に対して姿勢が変化する支持フラ
ンジに、反射鏡を取付けるための反射鏡支持機構に於
て、前記反射鏡の裏面に配設され、該反射鏡の重心位置
に設けられたスラスト軸受と、前記支持フランジ上に設
けられた揺動軸受と、前記揺動軸受に揺動可能に支持さ
れ一端が前記スラスト軸受に結合された中空腕と、前記
中空腕の内部に前記反射鏡の鏡軸方向に摺動可能に挿入
され、一端が前記反射鏡の裏面に接する可動軸と、前記
中空腕に設けられた筐体に納められ、前記可動軸の端部
に連結され、この可動軸を介して前記反射鏡の鏡軸方向
及び鏡軸の直角方向に作用する荷重を支える第1の油圧
シリンダと、前記支持フランジの姿勢変化に伴って前記
中空腕の中心軸線に沿って移動する重りと、この重りと
連結された第2のピストンの移動によって生じた油圧
を、油圧配管を介して前記第1の油圧シリンダに伝達す
る第2の油圧シリンダを設けたものである。
【0030】この第1の油圧シリンダは、中空腕上に設
けた第2の油圧シリンダと油圧配管で連結され、又この
第2の油圧シリンダのピストンには、中空腕の軸に沿っ
て移動可能な重りが取付けられているものである。
【0031】また、この発明の第4の発明に係る反射鏡
支持機構は、第2の油圧シリンダ中空腕の軸上に移動
可能に支えるガイドと、中空腕の軸上に設けられ、第2
の油圧シリンダを支える調整ねじとによって構成され、
第2の油圧シリンダの取付位置を中空腕の軸上で移動す
る重り位置調整装置を設けたものである。
【0032】また、この発明の第5の発明に係る反射鏡
支持機構は反射鏡の製造上第1〜第4の発明による支
持機構の適用が困難である場合に用いるためのものであ
る。ある種の用途に用いるミラーでは、ミラーの構造が
非対称となっているものがある。この様なミラーに於て
は、重心位置Gの位置がミラーの構造上の中心からずれ
ているために、支持機構設置穴を重心位置に合せて設け
る事は、アンバランスな荷重をたくみに取扱う高度な技
術が必要であるため大変むつかしい。
【0033】この課題を解決するため、この発明の第5
の発明に係る反射鏡支持機構は、重力方向に対して姿勢
が変化する支持フランジに、反射鏡を取付けるための反
射鏡支持機構に於て、前記反射鏡の裏面に配設され、こ
の反射鏡の重心近傍に設けられたスラスト軸受と、前記
支持フランジ上に設けられた揺動軸受と、この揺動軸受
に揺動可能に支持されて一端が前記スラスト軸受に結合
され他端に重りを有する腕と、前記反射鏡の重心を通り
反射鏡の軸に平行する線に沿って動き、一端が、片端に
重りを有し支点を支持フランジ上に有するリンク機構の
他の端に回動可能に連結され、他端は前記反射鏡に接す
る可動軸とを設けたものである。
【0034】
【作用】この発明の第1〜第5の発明による反射鏡支持
機構は、いずれも支持機構がミラーの裏面のみに設けら
れ、側面には設けられていないので、望遠鏡の外部径を
ミラーの直径より、大幅に大きくしなくてよい。
【0035】又、第1及び第3、第4の発明は、ミラー
の角度に関係なく常に同一の重りがミラーのアキシアル
方向及びラジアル方向の両方の荷重を支え、アキシアル
用、ラジアル用と別々に重りを設置する必要がないので
重りの全量が軽くてすむ。
【0036】又、第1〜第5のいずれの発明も、支持機
構の配置がミラー裏面の重心近くに集中して配置されて
いるので、保守点検に際しミラーの周囲を歩き回る必要
がなく、保守点検が容易である。
【0037】又、この発明の第4の発明による反射鏡支
持機構は、重り位置調整装置の調整ねじを回すだけで、
重りをミラーアキシアル軸方向に移動させることが出来
るので、重りの位置調整が容易である。
【0038】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1は本発明の一実施例による反射鏡支持機構の
断面図である。ミラー1の重心位置を図18と同様にG
で示す。図において1、2、5、60は従来と同一のも
のを示すので説明は省略する。29はミラー1の裏面の
重心点に設けた支持機構設置穴であり、その上部は重心
Gを中心とする半球面である。18は、支持機構設置穴
29の中に、はめ込んで固定されているスリーブ、19
はスリーブ18上で、かつ、ミラー1の重心点Gに設け
られたスラスト軸受である。
【0039】20は支持フランジ2に設けられた支持
腕、21は支持腕20に設けられた揺動軸受けで、いわ
ゆる球面軸受が用いられている。22は揺動軸受21に
固定された中空パイプ状の中空腕、23は中空腕22の
一方の端に設けられた球面ブッシュである。球面ブッシ
ュ23はスラスト軸受19の中に挿入される事により、
揺動可能なスラスト軸受を構成している。
【0040】24は中空腕22の中に挿入された可動軸
であり、その一方の端は、中空腕22の端に設けられた
球面ブッシュ23の端から外部に出て、ミラー1の支持
機構設置穴29の内面に接している。
【0041】25は中空腕22の一端に設けられたリン
ク支点で、図では2ケ所設けている。26はリンク支点
25に回動可能に保持されたリンク機構であり図では2
箇示している。リンク機構26の端は、可動軸24に回
動可能に結合されている。リンク機構26は可動軸24
とはほぼ直角になっている。27はリンク機構26の端
に取付けられた重りであり、ナット28によって位置が
調整できる。リンク機構26と、重り27と、ナット2
8とによってX軸重り移動機構50を構成している。2
つの重り27の重心位置をgで示す。2つの重り27の
重心位置gと揺動軸受21との距離をl8,揺動軸受21
と球面ブッシュ23との距離をl7で表す。
【0042】図1の構造の詳細を示すため、図2に揺動
軸受部詳細図を示す。図に於て33は中空腕22の中心
軸線を示す。球面ブッシュ23は対向するスラスト軸受
19(図示していない)に対しβ°の範囲で傾斜するこ
とが出来、又中空腕22は、揺動軸受21の動作角α°
の範囲内で、揺動軸受21を中心として揺動可能であ
る。又、中空腕22上で揺動軸受21と球面ブッシュ2
3との距離l7は、取付ネジやナットによって少しだけ変
えることが出来る構造になっている。
【0043】各部の動きを説明するため、図3に揺動軸
受部動作模式図を示す。図3はスラスト軸受19と球面
ブッシュ23で構成された軸受の動きと揺動軸受部21
の動きとを、やや誇張して示している。前述のとおり支
持機構設置穴29の上部で、可動軸24が接する部分は
重心Gを中心とする半球面に形成されている。
【0044】図3に示す動きは、ミラー1の傾斜が左右
方向へも、前後方向へも、あらゆる方向に同様に可能で
ある。又、球面ブッシュ23の角度が変わらず揺動軸受
21の角度だけが変わることも、あるいは、その逆の動
きも可能である。この様な動きをした場合にはミラー1
と支持フランジ2との角度が平行でなくなる。再に又、
図3でミラー1はそのスラスト軸受19によって上下方
向へも移動可能である。
【0045】図3に於て、可動軸24は中空軸22の中
を摺動できるもので、例えば可動軸24が球面ブッシュ
23の端から長く出たときにはミラー1は押上げられ、
逆に球面ブッシュ23の端から出ている長さが短くなっ
たときには、ミラー1は下へ下る。この動きは球面ブッ
シュ23がスラスト軸受19の中から飛び出さない範囲
でのみ可能である。
【0046】前述した各軸受の回転運動、並行移動運動
及び、可動軸24の伸縮により、ミラー1は支持フラン
ジ2に対し、前後、上下、左右及びあらゆる方向への傾
きが自由に(一定の範囲内で)行えるのである。
【0047】図1の他の部分の構造を詳細に示すため、
図4にリンク機構部詳細図を示す。図4にて、重り27
の位置について説明する。中空腕22の中心軸33か
ら、2つのリンク支点25へ至る距離は、同一であり、
これをl5とする。又、各リンク支点25からそれぞれの
側の重り27の重心へ至る距離は同一であり、これをl6
とする。
【0048】又、2つのリンク機構26は中空腕22の
両端の互に正反対方向へ位置するよう設けられている。
以上のことから、2つの重り27の重心は中空腕22の
中心軸33の上に位置するのである。リンク機構26が
中空腕22となす角度は可動軸24の長さ、あるいは中
空腕22上に於ける揺動軸受21の位置を変えることに
よって変えることが出来、ほぼ90°になるように調整
されている。
【0049】次に力のバランスについて説明する。図5
a)に図1の支持機構のアキシアル方向の力の作用図を
又、図5b)にラジアル方向の力の作用図を示す。図に
於て力及びその分力は太線で示し、構造物や力の作用す
る距離は細線で表している。
【0050】図5a)に於て重り27に作用する重力を
27、ミラー1の重心Gに作用する重力を従来の説明同
様W1 ,可動軸24に作用する重り27の力をF24とし
ている。ミラー1の自重W1 のアキシアル方向の成分W
A1は、次の様に表わされる事は前述した通りである。 WA1=W1 sin θ ・・・・(1) ここでW1 :ミラー1の自重 θ:ミラー1の仰角
【0051】一方、可動軸24がミラー1に作用するア
キシアル力F24は、従来例の説明と同様に、中空腕22
やリンク機構26等の重量を無視すれば、 F24=W27 sinθ・(l6/l5)・2 ・・・・ (8) ここでW27:重り27の重力 l5:リンク支点25とリンク26の可動軸24への連結
点との距離 l6:リンク支点25と重り27の重心間の距離
【0052】従って、重り27の重量W27およびてこ比
l6/l5を次式を満足するように定すれば 2・W27・(l6/l5)=W1 ・・・・ (9) ミラー1のアキシアル方向の自重と重り27とをつり合
わす(WA1=F24)ことができ、ミラー1の自重のアキ
シアル成分を、ミラー1の仰角にかかわらず支持でき
る。また、ミラー1と支持フランジ2の熱膨張率の差等
で各部が相対的に多少伸び縮みをしても、可動軸24の
先端が球面になっているので、ミラー1に直接無理な力
が作用しない。
【0053】一方、図5b)に示すように、支点軸受2
1と球面ブッシュ23との距離をl7とし、揺動軸受21
と2つの重り27の重心点gまでの距離をl8とする。ミ
ラー1の自重をW1 とすると、この自重のラジアル方向
の成分WR1は次の様に表わされることは前述のとおりで
ある。 WR1=W1 cos θ ・・・・(4) ここでW1 :ミラー1の自重 θ:ミラー1の仰角
【0054】一方、球面ブッシュ23がミラー1に作用
するラジアル力F23は次のとおりである。 F23=W27 cosθ・(l8/l7)×2 ・・・・ (10) ここでW27:重り27の重量 l7:揺動軸受21と球面ブッシュ23間の距離 l8:揺動軸受21と2つの重り27の重心gとの距離
【0055】従って、重り27の重量W27およびてこ比
l8/l7を次式を満足するように設定すれば、 2×W27・(l8/l7)=W1 ・・・・ (11) ミラー1の自重と重り27の重量をつり合わす(WR1
23)ことができ、中空軸22を介して球面ブッシュ2
3で、ミラー1の自重のラジアル成分をミラー1の仰角
にかかわらず支持できる。また、ミラー1と支持フラン
ジ2の熱膨張率の差および中空腕22のたわみによる相
対的な伸び縮みが生じても荷重伝達点に球面ブッシュ2
3を設けているのでミラー1に直接無理な力が作用しな
い。
【0056】又、図5のa)b)にて、可動軸24の力
と球面ブッシュ23の力とは共にミラー1の重心Gを通
る線上に作用しているので、ミラー1の重心Gの回りに
回転モーメントは生じていない。又、中空腕22の揺動
軸受21の回りの回転モーメントも式(11)に示す通り
バランスする。
【0057】又、式(9)と(11)から明らかなように
距離l5,l6,l7,l8の間には l6/l5=l8/l7 ・・・・(12) の関係が成立つように各距離を調整する。又、ナット2
8によって重り27の位置を調整すると、ラジアル力F
23には影響せずにアキシアル力F24のみを変えることが
出来る。
【0058】製造上の誤差等によってミラー1の重心G
や、2つの重り27の重心gが、期待通りの位置からわ
ずかにずれるために、前記したバランスにわずかな誤差
が生じる事はあるが、このアンバランス力及びアンバラ
ンスモーメントは従来と同様、位置決め機構5によって
吸収される。
【0059】実施例1では反射鏡の支持機構をミラー1
の裏面のみに配置したので、ミラー1の外周側面に支持
機構が全くないので光路ブロッキング(遮蔽)率は0%
となる。又、ミラー1の直径に比して鏡筒外径を大きく
する必要がない。
【0060】又、重り27はミラー1の角度がθ=0〜
180°に於て、常に同一の重りがアキシアル荷重及び
ラジアル荷重の両方を支えているので、重り27をアキ
シアル用ラジアル用と別々に用意する必要がないので重
りの全量が軽くてすむ。
【0061】又、反射鏡の支持機構がミラー1の重心G
でのみ重量を支える構造であるため、構造がミラー1の
裏面の1ケ所に集中され、保守点検が容易である。
【0062】又、組立性においても、中空腕22は揺動
軸受21でのみ保持されており、中空腕22の先端に取
付いている球面ブッシュ23とスラスト軸受19とのは
め合部は球面と平行穴になっているので、ミラーの支持
機構全体を組立てた後、球面ブッシュ23をミラー1の
サポート機構設置穴29に挿入すれば良いので、組立の
作業性が向上するとともに分解点検時の整備性も向上す
る。
【0063】図1では、リンク機構26は左右に一対あ
る場合を示したが、更に多くのリンク機構26を用いて
もよい。又、球面ブッシュ23はミラー1の重心Gに完
全に一致しなければならぬと言う事はない。
【0064】実施例2.本発明の第2の発明による実施
例を図6に示す。図に於て1、2、5、18〜29、及
び距離l5〜l8は図1〜4と同様であるので説明を省略す
る。34は中空腕22に取付けられた小形重りであり、
ナット28により中空腕22上の位置を調整できる。中
空腕22とナット28と小形重り34とでZ軸重り移動
機構51を構成している。2つの重り27の重心gと小
形重り34の重心との距離をl9とする。
【0065】図6に於てはアキシアル力F24については
(8)式及び(9)式が同様に成立する。ラジアル力F
23については小形重り34の重さW34が加わるので F23=W27 cosθ・(l8/l7) ×2+W34・ cos θ・(l8+l9) /l7 ・・・・(13) となる。
【0066】ここで、小形重りの重さW34=A・W27
する。ここでAは例えば0.1〜0.3程度である。
(13)式は F23=W27 cosθ{2l8/l7+A・(l8+l9)/l7} ・・・・(14) となり(4)式を用いて W1 =W27{(2+A)l8+A・l9}/l7 ・・・・(15) と表すことが出来る。
【0067】式(9)と式(15)とから、重り27をリ
ンク機構26上で移動してl6を変えると、ラジアル力に
は影響を与えずアキシアル力のみを調整出来、又重り3
4を中空腕22上で移動してl9を変えると、アキシアル
力には影響を与えないでラジアル力のみを変え得ること
がわかる。この事は実際の調整作業上作業が容易になる
と言う利点が得られる。
【0068】実施例3.図7に本発明の第3の発明によ
る反射鏡の支持機構の断面図を示す。図に於て、35は
中空軸22の端に設けられた筺体、36は筺体35の内
部に固定された第1の油圧シリンダ、37は第1の油圧
シリンダ36の中を動く第1のピストンであり、可動軸
24に連結されている。
【0069】38は筺体35の内部に固定された第2の
油圧シリンダ、39は第2の油圧シリンダ38の中を動
く第2のピストンである。40は重さW40を有する重り
であり、第2のピストン39に連結されている。41は
重り40が筺体35の中を第2のピストン39と共に、
中空腕22の中心軸33にそって自由に動くように支え
るローラ、42は第1の油圧シリンダ36と第2の油圧
シリンダ38とを結ぶ油圧配管である。又、距離l7は図
1と同様であり、距離l8は揺動軸受21と重り40の重
心との距離である。
【0070】図7の構造をより詳細に示すため図8に図
7の筺体35の内部構造斜視図を示す。第1の油圧シリ
ンダ36の受圧面積S1 は第2の油圧シリンダ38の受
圧面積S2 より大きくしてある。
【0071】図7、図8に示す反射鏡の支持機構に於て
は、球面ブッシュ23に働らくラジアル力F23は図1の
場合の式(10)と同じ形で、即ち F23=W40 cosθ・l8/l7 ・・・・(16) で表わされる。ここでW40は重り40の重量である。こ
れにより式(4)から W40・(l8/l7)=W1 ・・・・(17) が成立し、ミラー1の角度θに関係なくラジアル荷重を
バランスさせることが出来る。
【0072】一方アキシアル方向については、重り40
の重量W40が第2のピストンに与える力F2 はF2 =W
40・sin θであり、これによって第2のシリンダ38内
に生じる油圧Pは P=K・(F2 /S2 )=K・(W40/S2 )・sin θ ・・・・(18) となる。ここでS2 は第2のピストンの受圧面積、Kは
比例係数である。
【0073】この圧力Pは第1の油圧シリンダ36内に
伝わり、第1のピストン37に下式に示す力F1 を生じ
る。 P=K・F1 /S1 よって式(18)より F1 =W40・(S1 /S2 )・sin θ ・・・・(19) となる。この力F1 は可動軸24を経てミラー1に作用
する。これがミラー1のアキシアル荷重とつり合うため
には式(1)から W1 =W40・S1 /S2 ・・・・(20) となり、W40及び受圧面積比率S1 /S2 を式(20)を
満足するように選べば、ミラー1の角度θに関係なくア
キシアル方向の荷重を重り40とつり合わせる事が出来
る。
【0074】図7の反射鏡の支持機構に於ては、図1の
場合に比して、重り40を中空腕22の軸上に配置する
事が出来るので、機構全体を、より小形にまとめる事が
出来ると言う特徴を有している。筺体35は図8に示す
ような円筒形である必要はなく、又第1及び第2のシリ
ンダや重りを支える柱があれば筺体35の壁面はなくて
もよいので外部からのメンテンスも困難ではない。
【0075】実施例4.本発明の第4の発明に係る反射
鏡の支持機構を図9に示す。図に於て45は第2のシリ
ンダ38の側面を摺動可能に支えるガイドであり、筺体
35に取付けられている。第2のシリンダ38は筺体3
5には固定されておらずガイド45の中で中空腕22の
中心軸33上を移動する事が出来る。46は筺体35に
取付けられた調整ねじでありその先端は第2のシリンダ
38の底面を支えている。又調整ねじ46は中空腕22
の軸線33の上に設けられている。ガイド45と第2の
シリンダ38と調整ねじ46と重り40と第2のピスト
ン39とで重り位置調整装置52を構成している。
【0076】次に動作について説明する。第2のシリン
ダ38は中心軸線33に沿って動くことが出来るが、重
り40の重量が第2のピストン39を通じて第2のシリ
ンダ38に常にかかっているため、第2のシリンダ38
は調整ねじ46に押し付けられている。調整ねじ46を
回転し、筺体35の内外に移動させると、第2のシリン
ダ38も調整ねじ46との接触を保ちながら中心軸線3
3上を移動する。第2のシリンダ38が移動すると第2
のピストン39も同様に移動し、第2のピストン39に
連結されている重り40も同様に移動する。この時第1
のピストン36が動くことはない。なぜならミラー1の
位置は、最終的には位置決め機構5によって、見かけ上
固定されているからである。
【0077】調整ねじ46の調整によって、重り40の
位置が変る結果、支点軸受21と重り40との距離L8
(図8に示す)が変り、球面ブッシュ23に働くラジア
ル力F23が変る。この時可動軸24に働くアキシアル力
24には式(20)に見るとおり何の変りもない。
【0078】図9では重り40に小さな重りを追加した
り、取去ったりすることで、アキシアル力F24とラジア
ル力F23とを同時に同比率で変える事が出来、又前記の
通り調整ねじ46を調整することによってラジアル力F
23のみを単独に変えることが出来る。この性質を利用し
てアキシアル力、ラジアル力をそれぞれ任意の値に調整
することが出来る。
【0079】図9に於ては、調整ねじ46を支持装置の
外部から調整することでラジアル力を調整出来るので、
調整が容易である。
【0080】実施例5.本発明の第5の発明による反射
鏡の支持機構の実施例を図10を用いて説明する。前述
した反射鏡の重心点Gを含む位置に支持機構設置穴29
を設けることが困難な構造の反射鏡は、たいてい非対称
な構造を有するものである。この様な反射鏡に於ては、
ミラー1の動作角度範囲がθ=0〜180°でなく、0
〜90°以内即ち、水平向から天頂までの間でしか使用
されないものが多い。即ち天頂の向う側に連続的に角度
を変えるのではなく、天頂を越えて反対側の空に向ける
ときには、ミラーを垂直軸の回りに水平に回転させるの
である。この様な制約された条件がある場合に用い得る
例として図10に本発明の第5の発明にかかる実施例を
示す。
【0081】図10に於て重心Gは支持機構設置穴29
の外側にある。47は揺動軸受21と球面ブッシュ23
をつなぐ腕であり、腕の端には重り27が設けられてい
る。腕47は中空である必要はない。腕47の動きは図
3の中空腕22と同様である。スラスト軸受19はミラ
ー1の重心Gを含みミラー軸60に直交する面内の重心
Gの眞近に設けられている。スラスト軸受19と重心G
との距離はミラー1の直径の1/10以下であることが
好ましい。48はアキシアルサポート機構であり、可動
軸24は重心Gを通りミラー1の軸60に平行な線に沿
って動くように設けられている。レバー7とアキシアル
ウエイト8と支軸11、ナット28は従来と同じである
が、ミラー1との接合点に底面ピン継手9を用いていな
いので、ミラー1の組立が容易である。
【0082】アキシアルサポート機構48は1台でミラ
ー1の全重量を受ける能力があり、ミラー1のアキシア
ル荷重を支える機構は位置決め機構5を除き他には設け
られていない。球面ブッシュ23を介して働くラジアル
力は重心Gを通る方向に作用するのでモーメントが生じ
ない事は図1の場合と同じである。アキシアルサポート
機構48も力の作用線がミラー1の重心Gを通るのでモ
ーメントは生じない。
【0083】実施例6.支持機構設置穴29の位置が重
心Gから十分に離れておれば、図10のように可動軸2
4を重心Gに合せて設置することが出来るが、支持機構
設置穴29の位置が重心Gから、わずかしか離し得ない
場合にはむつかしくなる。図11はこのような場合の本
発明の第5の発明の他の実施例を示すものである。
【0084】図に於て可動軸24は2ケ所に設けられ、
それぞれに設けられた従来と同じ構造のレバー7に設置
された2つの重り8は、その重量が互に異なるように設
定してある。重り8の位置を調整することにより、2つ
のアキシアル力を合成したアキシアル力の作用点を移動
することが出来るので、アキシアル力を重心Gに合せる
ことが出来、支持機構設置穴29の設置位置を選択する
自由度が高くなる。
【0085】実施例7.なお、上記実施例1〜6では、
中空腕22又は腕47の先端に球面ブッシュ23を設け
たものを示したが、逆にスラスト軸受19の接触部を球
面状の球面軸受53とし、球面ブッシュ23側を円筒に
してもよい。この様な例を図12に示す。
【0086】図12では、中空腕22の端に円筒状のス
ライド軸受51を挿入し、このスライド軸受51の前後
に複数個のサラバネ52を配して動きやすくし、重り2
7の質量による中空腕22のたわみ、及びミラー1と支
持フランジ2の熱膨張差による長さの差等が生じても、
スライド軸受51と球面軸受53の接触点の動きを、こ
ろがり運動にすることで支持荷重誤差を小さくすること
ができる。図12では中空腕22を用いる場合を示して
いるが腕47の場合も同様である。
【0087】以上の説明では、反射望遠鏡の反射鏡を例
に説明したが、いわゆるパラボラアンテナや、望遠鏡で
も主鏡にかぎらずに利用することが出来る。
【0088】
【発明の効果】以上のように、この発明の第4の発明に
よれば、以下のような効果を得ることが出来る。 1.ミラー側面部に支持構造物がないのでミラー直径に
比し、望遠鏡の外部径が大きくならない。 2.重りの全量が軽くてすむ。 3.支持機構の配置が1ケ所に集中され保持点検が容易
となる。 4.重りの位置の調整が容易である。
【0089】又、第1及び第3の発明によれば、前記効
果の内第1項、第2項及び第3項に示す効果を得ること
が出来る。又第2及び第5の発明によれば、前記効果の
内第1項及び第3項の効果を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による反射鏡支持機構断面図
である。
【図2】図1の揺動軸受部の詳細図である。
【図3】図1の揺動軸受部動作模式図である。
【図4】図1のリンク機構部詳細図である。
【図5】図1の力の作用説明図である。
【図6】本発明の実施例2による反射鏡支持機構断面図
である。
【図7】本発明の実施例3による反射鏡支持機構断面図
である。
【図8】図7の筺体内部構造斜視図である。
【図9】本発明の実施例4による反射鏡支持機構断面図
である。
【図10】本発明の実施例5による反射鏡支持機構断面
図である。
【図11】本発明の実施例6による反射鏡支持機構断面
図である。
【図12】本発明の実施例7による反射鏡支持機構断面
図である。
【図13】反射鏡の従来の支持機構の斜視図である。
【図14】従来の支持機構の断面図である。
【図15】従来の大形反射鏡の支持機構断面図である。
【図16】図15のアキシアルサポート機構拡大図であ
る。
【図17】図15のラジアルサポート機構拡大図であ
る。
【図18】図15のモーメントの説明図である。
【符号の説明】
1 反射鏡 2 支持フランジ 5 位置決め機構 19 スラスト軸受 21 揺動軸受 22 中空腕 24 可動軸 25 リンク支点 26 リンク機構 27 重り 29 支持機構設置穴 33 中心軸 34 小形重り 36 第1の油圧シリンダ 37 第1のピストン 38 第2の油圧シリンダ 39 第2のピストン 40 重り 42 油圧配管 45 ガイド 46 調整ねじ 47 腕 50 X軸重り移動機構 51 Z軸重り移動機構 52 重り位置調整装置

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重力方向に対して姿勢が変化する支持フ
    ランジに、反射鏡を取付けるための反射鏡支持機構に於
    て、前記反射鏡の裏面に配設され、該反射鏡の重心位置
    に設けられたスラスト軸受と、前記支持フランジ上に設
    けられた揺動軸受と、前記揺動軸受に揺動可能に支持さ
    れて一端が前記スラスト軸受に結合された中空腕と、前
    記中空腕の内部に前記反射鏡の鏡軸方向に摺動可能に挿
    入され一端が前記反射鏡の裏面に接する可動軸と、前記
    中空腕上に設けられた支点において回動可能に保持され
    るとともに前記可動軸と回動可能に結合されたリンク機
    構と、このリンク機構に設けられ、前記支持フランジの
    姿勢変化に伴って前記反射鏡の鏡軸方向及び鏡軸の直角
    方向に作用する荷重を、前記可動軸を介して支える重り
    を設けたことを特徴とする反射鏡支持機構。
  2. 【請求項2】 中空腕は、一端がスラスト軸受に結合さ
    れるとともに、他端に、反射鏡の鏡軸に対して直角方向
    に作用する荷重を支える支持力を調整する重りを設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載の反射鏡支持機構。
  3. 【請求項3】 重力方向に対して姿勢が変化する支持フ
    ランジに、反射鏡を取付けるための反射鏡支持機構に於
    て、前記反射鏡の裏面に配設され、該反射鏡の重心位置
    に設けられたスラスト軸受と、前記支持フランジ上に設
    けられた揺動軸受と、前記揺動軸受に揺動可能に支持さ
    れ一端が前記スラスト軸受に結合された中空腕と、前記
    中空腕の内部に前記反射鏡の鏡軸方向に摺動可能に挿入
    され、一端が前記反射鏡の裏面に接する可動軸と、前記
    中空腕に設けられた筐体に納められ、前記可動軸の端部
    に連結され、この可動軸を介して前記反射鏡の鏡軸方向
    及び鏡軸の直角方向に作用する荷重を支える第1の油圧
    シリンダと、前記支持フランジの姿勢変化に伴って前記
    中空腕の中心軸線に沿って移動する重りと、この重りと
    連結された第2のピストンの移動によって生じた油圧
    を、油圧配管を介して前記第1の油圧シリンダに伝達す
    る第2の油圧シリンダを設けたことを特徴とする反射鏡
    支持機構。
  4. 【請求項4】 第2の油圧シリンダを中空腕の軸上に移
    動可能に支えるガイドと、中空腕の軸上に設けられ、第
    2の油圧シリンダを支える調整ねじとによって構成さ
    れ、第2の油圧シリンダの取付位置を中空腕の軸上で移
    動する重り位置調整装置を有する事を特徴とする請求項
    3に記載の反射鏡支持機構。
  5. 【請求項5】 重力方向に対して姿勢が変化する支持フ
    ランジに、反射鏡を取付けるための反射鏡支持機構に於
    て、前記反射鏡の裏面に配設され、この反射鏡の重心近
    傍に設けられたスラスト軸受と、前記支持フランジ上に
    設けられた揺動軸受と、この揺動軸受に揺動可能に支持
    されて一端が前記スラスト軸受に結合され他端に重りを
    有する腕と、前記反射鏡の重心を通り反射鏡の軸に平行
    する線に沿って動き、一端が、片端に重りを有し支点を
    支持フランジ上に有するリンク機構の他の端に回動可能
    に連結され、他端は前記反射鏡に接する可動軸とを有す
    ることを特徴とする反射鏡支持機構
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