JP2961946B2 - 電子波干渉素子 - Google Patents

電子波干渉素子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化合物半導体を用いた高
速電子素子に関し、特に電子波の干渉を利用した電子波
干渉素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電子波干渉素子の一例の構成を図
4および図5に示す。図4および図5において、1は半
絶縁性GaAs基板、2はn+ −ソース電極、3はn+
−ドレイン電極、4はリング状チャネルであり、基板1
上にリング状チャネル4を配設し、そのチャネル3の両
端にソースおよびドレイン電極2および3を配設する。
ここで、ソースおよびドレイン電極2および3をチャネ
ル4に貼りつけて熱処理することにより、ソースおよび
ドレイン電極2および3を構成する金属材料をチャネル
4および基板1内に拡散させて、それぞれ、ソースおよ
びドレイン領域を形成する。ここで、基板1はチャネル
4より電子親和力が大きい半導体から構成されており、
両者間にヘテロ接合が形成される。電子親和力の大きい
基板1側には電子が高密度がたまるので、2次元電子ガ
ス(2DEG)9が形成される。ただし、リング状の内
部のシャロウエッチドくぼみえBの下側はチャネル4の
厚さがうすいので、電子がたまりにくく、2次元電子ガ
スはできず、したがって、電流が流れにくい。
【0003】従来の電子波干渉素子では、かかる構成の
素子に垂直に磁場を印加し、電子波位相を制御する。
【0004】この種電子波干渉素子では、そのリング状
チャネル4において、磁場に対して周期的な振動を示す
アハラノフーボーム(Aharonov−Bohm;A
−B)効果が、メソスコピック系における電子波干渉効
果として知られている。
【0005】すなわち、かかる電子波干渉素子に対して
垂直に磁場を印加すると、ソース領域5からの入射電子
波はチャネル4のリング4Aのところで2つの電子波に
分岐され、再び合流してドレイン領域6に至る。このと
き印加されている磁場の強さをBとして、リング4Aの
内側の中空の面積をSとすると、2つの電子波の位相差
φは φ=2πB/φ0 φ0 :量子磁束h/e となる。この位相差が2πの整数倍のとき、2つの電子
波は同相であるから加算され、電流が多く流れる。他
方、半整数倍のときは打ち消すように逆相で加算され、
電流は流れなくなる。このように印加磁場の大きさを変
えることにより、電流の大きさを制御することができ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電子波干渉素子では、ソース電極2からドレイン電極3
までチャネル4の両側に境界があるため、高磁場を印加
した場合には、図6に示すように、境界の近傍にのみエ
ッジ電流が流れる。ところで、電流には、チャネル4中
を自由に流れることができるバルク電流とチャネル4の
境界を流れるエッジ電流の2種類があり、磁場が高けれ
ば高いほどエッジ電流成分が大きくなる。
【0007】このエッジ電流はチャネル4の境界のみを
流れるので、入射電子波はチャネルの分岐点で2つに分
かれることができないし、同様に、分かれている電子波
は1つに合流することができない。また、エッジ電流は
印加磁場の大きさによらず一定の値をとることになる。
ここで、電流は、図7に示すように、エッジ電流とバル
ク電流との和で求められるが、磁場が大きくなると、エ
ッジ電流成分は大きくなり、磁場により振動するバルク
電流成分が少なくなる。このためバルク電流とエッジ電
流の和である電流の磁場による変調比(on−off
比)が小さくなる欠点がある。このように高磁場ではA
−B効果が観測されないことは、たとえば、G−Tim
p et al.によるPhysical Revie
w Letters,58(1978)2814にも報
告されている。
【0008】そこで、本発明の目的は、上述した問題点
を解決し、電流の磁場による変調比を大きくすることの
できる電子波干渉素子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述の問題点を解決する
ために、本発明では、コルビノディスク(Corbin
o disk)状のチャネル領域を有し、そのチャネル
の全面にわたって、複数個の微小な閉図形の高抵抗領域
をそれぞれの図形が重ならないように間隔をあけて配置
したアンチドットの形態の構造を持ち、コルビノディス
ク状のチャネル領域の内側および外側に、それぞれ、ソ
ース電極およびドレイン電極を配置する。
【0010】すなわち、本発明は、コルビノデイスク状
のチャネル領域を構成する第1の化合物半導体と、前記
第1の化合物半導体とヘテロ接合を構成し、かつ前記第
1の化合物半導体よりも電子親和力が大きい第2の化合
物半導体と、前記チャネル領域上にその全面にわたっ
て、かつ互いに重ならないように離隔して配置された複
数個の微小な閉図形の高抵抗領域と、前記チャネルの内
側に配置されたドレイン電極と、前記チャネルの外側に
配置されたソース電極とを具えたことを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明によれば、チャネル領域をコルビノディ
スク状に構成したので、ソース電極からドレイン電極を
つなぐ端がない構造となり、したがって印加した磁場に
よってソース電極からドレイン電極にエッジ電流が流れ
ないため、電流の磁場による変調比が大きくなる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0013】図1,図2および図3は本発明の一実施例
を示し、ここで、11は半絶縁性のGaAs基板、12
はn+ −ソース(またはドレイン)電極、13はn+
ドレイン(またはソース)電極、14はこれら電極12
と13との間にコルビノディスクの形状で配置されたチ
ャネル領域、15はチャネル領域14にマルチチャネル
を構成する複数個のアンチドットを限界するための区画
として、チャネル領域14の全面にわたって、互いに重
ならないように互いに離隔して配置された微小な閉図
形、たとえば正方形の浅いくぼみによる高抵抗絶縁領域
である。
【0014】より具体的には、図3に示すように、基板
11の上に順次に無添加GaAs層16およびドナー不
純物(たとえばSi)添加AlGaAs層17を配置
し、さらにそのドナー不純物添加AlGaAs層17を
エッチバック処理してドレイン電極13の外周全体の形
状に対応する矩形パターンのドナー不純物添加AlGa
As層18を形成する。そして、この層18の上に上述
した電極12および13を形成すると共に、両電極12
と13との間のチャネル領域に複数個の浅いくぼみ15
を形成して、図1および図2に示す構造を得る。なお、
19はソース電極12の金属材料を層18,17,1
6,11に拡散させて形成したソース領域、20は同様
に形成したドレイン領域である。
【0015】ここで、高抵抗絶縁領域15は、たとえば
チャネル領域14としてのAlGaAs層18に深さ5
00Å程度にシャロウ・エッチされた一辺が1μmの正
方形のくぼみとすることができ、このくぼみ15を1.
5μmの周期で約2500個配置して、アンチドット、
つまりくぼみ15によるドット以外の部分によるマルチ
チャネルを形成することができた。ここで、基板11と
チャネル領域14とによる2DEGウェハーの移動度は
250,000cm2 /V・S、電子濃度は6.1×1
11cm2 (4.2K)であり、およびコルビノディス
ク状チャネル領域14の内側は一辺が100μmの正方
形とし、同じく外側は一辺が130μmの正方形とし
た。なお、コルビノディスクの形状は正方形に限られ
ず、円形,楕円形とすることができる。
【0016】次に、本発明電子波干渉素子の作製法の一
例について述べる。MOCVD法もしくはMBE法で、
GaAs半絶縁性基板11上に、無添加GaAs層1
6、引き続きドナー不純物としてのSiの添加量を調節
したAlGaAs層17を成長させてから、AlGaA
s層18をエッチバックにより形成する。ついで、くぼ
み15を形成する。さらに、電極12および13を形成
してから熱拡散処理を行い、ソースおよびドレイン領域
19および20を形成する。
【0017】なお、シャロウエッチドくぼみを製作する
にあたっては、電子の周回軌道の形状がチャネル中の電
子波の過干渉距離より小さくなるように作る必要があ
り、ミクロンからサブミクロンの微細加工が必要にな
る。そのため電子ビーム露光およびドライエッチングプ
ロセス等によりくぼみを形成する。PMMAを用いた電
子ビーム露光およびウェットエッチを用いて、試料への
ダメージを極力減らすようにするのが好ましい。
【0018】次に、本発明実施例の動作について説明す
る。
【0019】磁場が印加されると、電子は絶縁領域5の
まわりを周回軌道を描いて移動する。ここで、磁場の大
きさをB、絶縁領域の面積をSとすると、絶縁領域5を
貫く磁束はBSになる。A−B効果によって、周回軌道
を描く電子の存在確率は、周期が量子磁束(h/e)の
磁束を周期関数になる。ソースおよびドレイン電極12
と13との間を流れる電流は周回軌道を描く電子の存在
確率および隣りの周回軌道へトンネルする確率との積に
よて決まる。電流の磁場による変調は、周回軌道を描く
電子の存在確率が磁場の周期関数であること、およびこ
の系ではエッジ電流がないことによって、図7において
エッジ電流の成分を除いた波形で示されるように、大き
くなる。
【0020】ここで、温度0.1Kでの10T(T:テ
スラ)までの磁気抵抗には、マルチチャネルのため、コ
ンダクタンスのゆらぎは平均化されて観測されなかっ
た。電子波の振動は、くぼみ15を貫く磁束に起因する
A−B効果によって生じ、このA−B効果は磁気抵抗1
0Tまで観測された。0T付近では振動数は425
-1、振幅は約2.3mSとなり、8T付近での振動数
は65T-1、振幅は約5μSとなった。振動数から求ま
る、電子の周回軌道の描く面積は0Tおよび8Tで、そ
れぞれ、1.76μm2 および1.51μm2 となり、
くぼみ15およびその周囲の空乏層の面積と等しくな
る。
【0021】なお、前述の実施例では、ドナー不純物添
加のAlGaAs層17と無添加のGaAs層16との
半導体異種接合中に作られる二次元電子ガスを例にとっ
て説明したが、ドナー不純物添加の混晶もしくは化合物
半導体層と、この化合物半導体層よりも電子親和力が
0.3〜1eV程度大きな無添加の混晶もしくは化合物
半導体層の半導体異種接合中に作られる二次元電子ガス
をチャネルとして用いることもできる。
【0022】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明によれ
ば、コルビノディスク状のチャネル領域に複数個の微小
な閉図形の高抵抗領域を互いに重ならないように間隔を
あけて配置してアンチドットの形態、すなわち高抵抗領
域をドットとみたてたときの残余の部分としてのチャネ
ルを設けるようにしたので、ソース電極からドレイン電
極に至るマルチチャネルの部分に端ができない構造とな
り、したがって、印加した磁場によってソース電極から
ドレイン電極にエッジ電極が流れない。その結果、本発
明によれば、電流の磁場による変調比を大きくすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明電子波干渉素子の一実施例を示す平面図
である。
【図2】図1に示した電子波干渉素子の一部分を拡大し
てその平面図と断面図とを対応して示す図である。
【図3】図1に示した電子波干渉素子の斜視図である。
【図4】従来の電子波干渉素子の一例を示す斜視図であ
る。
【図5】図4に示した従来例のB−B線断面図である。
【図6】従来例におけるリング状チャネルの高磁場およ
び低磁場における電流経路の説明図である。
【図7】従来例における電流中のバルク電流とエッジ電
流との割合を示す図である。
【符号の説明】
1,11 半絶縁性GaAs基板 2,12 n+ −ソース電極 3,13 n+ −ドレイン電極 4 リング状チャネル 4A リング 4B シャロウエッチドくぼみ 5 ソース領域 6 ドレイン領域 14 コルビノディスク状のチャネル領域 15 高抵抗絶縁領域 16 無添加GaAs層 17 ドナー不純物添加AlGaAs層 18 ドナー不純物添加AlGaAs層 19 ソース領域 20 ドレイン領域
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−317377(JP,A) 特開 平4−343439(JP,A) 特開 昭61−18182(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 29/80

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コルビノデイスク状のチャネル領域を構
    成する第1の化合物半導体と、前記第1の化合物半導体
    とヘテロ接合を構成し、かつ前記第1の化合物半導体よ
    りも電子親和力が大きい第2の化合物半導体と、前記チ
    ャネル領域上にその全面にわたって、かつ互いに重なら
    ないように離隔して配置された複数個の微小な閉図形の
    高抵抗領域と、前記チャネルの内側に配置されたドレイ
    ン電極と、前記チャネルの外側に配置されたソース電極
    とを具えたことを特徴とする電子波干渉素子。
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