JP2960961B2 - 蒸気タービン用主弁の耐摩耗力向上方法 - Google Patents

蒸気タービン用主弁の耐摩耗力向上方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、火力・原子力タービンの蒸気加減弁や、大
容量火力タービンのインターセプト弁等に代表される蒸
気タービンの主弁の耐摩耗力向上方法に関する。
従来の技術 火力・原子力タービンの主弁では、蒸気の漏洩を防止
するために、主弁に複数個のシールリングが装着された
プラグ弁が使われる。
第5図は、従来より用いられている蒸気タービンの一
例を示す断面図である。
第5図において、1はブッシュであり、2はこのブッ
シュ1に案内されて上下に摺動する弁棒で、外周に螺旋
溝2aが形成されている。この弁棒2の先端2bは円錐状に
形成され、同じく先端が円錐状に形成された保持金3の
円錐面に当接している。この保持金3は、主弁4に螺着
されると共にピン5によって一体に形成されている。
また、主弁4の下端には弁体6が六角穴付きボルトに
よって取り付けられており、弁棒2が下方に移動して弁
が全閉したとき弁ケーシング7の弁座8に当接する。
さらに、主弁4の上部には複数(図では2個)のシー
ルリング9が取り付けられている。このシールリング9
は、リング自身の弾性でブッシュ13の内面との間に適切
な面圧を保持して主弁4の動きに応じて上下に摺動する
と共に漏洩防止効果を高めている。
また、弁ケーシング7の上部にはボンネット10がボル
ト11によって嵌着され、ボンネット10にはピン12によっ
てブッシュ13が取り付けられ、さらにピン14によってマ
フラー15が取り付けられており、このマフラー15の下端
は弁ケーシング7の溝7aに装着されている。
そして、マフラー15には、主弁4が微開時、高速の蒸
気流によって発生する騒音を防止するため、蒸気通路15
aの下部に多数の小口径穴15bが形成されている。主弁4
の穴4aはバランス穴であり、ブッシュ1の溝1aとボンネ
ット10の溝10aは漏洩蒸気の抽出部である。また、弁棒
2の下端部2cは球面状に形成され、主弁4の球面部に当
接している。
なお、第5図は弁全開時を示し、矢印は蒸気の流れ方
向を示している。
また、第6図は第5図のVI部を拡大して示す図で、シ
ールリング9の中央部には溝9aが形成されている。
上記の構成において、主弁4をブッシュ13に沿って円
滑に摺動させ、かつ、全閉時の密封効果を図るために、
主弁4は保持金3の円錐面を介して弁棒2に吊着され、
弁棒2の下端部2cは主弁4と球面で接触している。
一方、マフラー15の蒸気通路15aを経て流入する蒸気
の流れは必ずしも主弁4の軸心に対して対称ではない。
また、主弁4のリフトにより流れのパターンは複雑に変
化する。これは三次元ポテンシャル流れとしては不連続
流れとなり、流れの中にじょう乱が発生するためによる
もので、その様相はタービンの負荷、即ち主弁4のリフ
トによって変化すると共に同一のリフトでも周期的に変
動する場合がある。この非対称流れは主弁4を揺動させ
ると共に旋回させるトルクを誘起する。
発明が解決しようとする課題 以上述べた従来技術は、しかし、次のような問題点が
あった、 すなわち、主弁4が旋回すると、第6図に示すよう
に、シールリング溝4bの上部4cやシールリング9の上部
9bが摩耗して、その部分に段差が発生する場合があっ
た。これは、シールリング9自身の弾性によるブッシュ
13への面圧による抵抗が、蒸気の圧力によりシールリン
グ9の上面に発生するシールリング9とシールリング溝
4bの摺動抵抗より大きいため、シールリング溝4bがシー
ルリング9に対して円周方向に摺動旋回するためによる
ものである。
なお、シールリング9の下面とシールリング溝4bとの
間には隙間Sが形成されている。
前記段差は単に蒸気漏洩の原因となるばかりでなく、
甚だしい時にはスティックして、主弁4の円滑な動きを
阻害する場合があった。そして、この現象は負荷の変化
や発停の頻度が大きいほど熱変形と作動回数が重複して
発生し易くなると言う問題があった。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するため
になされたもので、シールリングが接する部分のシール
リング溝の硬度を部分的に向上することにより、摩耗に
よる段差形成の防止を図った蒸気タービン用主弁の耐摩
耗力向上方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 上記の課題を解決するために、本発明は、ブッシュと
該ブッシュの内周を複数のシールリングを介して摺動す
る蒸気タービン用主弁において、前記シールリングを収
納するシールリング溝は前記主弁側に形成されると共
に、前記シールリングが内圧を受けて前記シールリング
溝の側面と接する側及び前記シールリング溝に挟まれた
前記ブッシュに対向する部分に、常温状態から560±10
℃に昇温して該温度に40〜50時間保持し、アンモニアガ
ス雰囲気で200℃まで炉冷する、窒化処理を施したもの
である。
作用 上記の手段によれば、シールリングが接する側のシー
ルリング溝の側面に窒化処理を施しているので、接触部
分の摩耗が減少する。
実施例 以下図面を参照して本発明の一実施例について詳細に
説明する。
第1図(a)は本実施例による主弁4の全体形状を示
す図、第1図(b)は該主弁4に形成されたシールリン
グ溝4bの一部分の拡大図であり、主弁4の材質は12%ク
ロム鋼である。そして、本実施例では、第1図(b)に
示す拡大図の表面の×印を付した(B)、(D)の部分
に窒化処理を施した。
この窒化処理は、大きく分けて(1)前処理、(2)
窒化処理、(3)検査、の工程により行った。したがっ
て、この工程に従って以下に説明する。
(1)前処理 脱脂洗浄…処理品の表面に付着した油分及び錆など
の除去を行う(洗浄剤としてはトリクレンやアルコール
類を使用)。
活性化処理(活性化処理箇所は第1図(b)の×印
を付した部分)…窒化処理を行う表面に水溶性塩化金属
化合物の溶液を塗布する(これは、窒化処理中に処理品
の表面に酸化被膜が発生するのを防止する)。
窒化防止…ねじ部,嵌め合い部等の窒化不要部に窒
化防止材(セルナイト液)を塗布する。
装入…アンモニアガスが処理品全体に均等に流動す
るように炉内に品物を並べる(同時にテストクーポンを
シールリング溝部に装入)。
(2)窒化処理 常温状態から560±10℃に昇温し、40〜50時間(装入
量により変動)保持し、炉冷して200℃で取り出す。な
お、この間炉中にアンモニアガスを流入させておく。
(3)検査 外観…窒化層生成部の色がにぶい灰色になっている
か、変形,傷等がないかを目視にて確認する。
表面硬さ…ビッカース硬さHv800(ショア硬さHs8
8)以上であることを確認。
窒化確認…同時に装入したテストクーポンを破断
し,表面により0.2mmの位置でHv550(Hs70)以上である
ことを確認。
次に、下記の表は上記の窒化処理部と不要部のショア
硬度(Hs)を測定した結果を示すもので、この表中
(1),(3),(5),(7)は第2図に示す円周上
の測定箇所を示し、(A)〜(D)は第1図に示す各位
置を示している。
この表によれば、窒化処理を施した(B),(D)の
部分はショア硬さ(Hs)88〜91、非窒化部はショア硬さ
(Hs)44〜46であり、2倍程度に硬度が向上し、かつ、
ほぼ均一で良好な窒化処理が行われていることを示して
いる。
なお、硬さの測定にはエコーチップ硬度計を用いた。
次に、第3図は縦軸にビッカース硬度(Hv)を、横軸
に窒化表面からの深さ(mm)を示すもので、窒化がおよ
そ0.3mmまで確実に到達していることを示している。
上記の窒化処理により、主弁4のシールリング溝4bの
比摩耗量は、1〜8×10-5mm2/kgfから1×10-9mm2/kgf
以下へと減少し、シールリング9の比摩耗量は2〜8×
10-6mm2/kgfから5×10-9〜8×10-8mm2/kgf以下へと著
しく減少した。
なお、窒化処理を行っていないシールリング9側の比
摩耗量も減少したのは、主弁4の摩耗金属粉が大巾に減
少し、摺動時にこの金属粉がシールリング9の研磨剤と
ならなくなったためによるものである。
また、シールリング溝4bに挟まれたブッシュ13への対
向部(D)を窒化するのは、製品の硬度を測定し、窒化
が確実に行われたことを確認するためである。
最後に、第4図は主弁及びシールリングの窒化前後の
比摩耗量の減少効果を示している。
なお、本実施例においてはシールリングを2個として
示したが、シールリングは2個以上であっても良く、さ
らに主弁の形状も図示の例に限るものではない。
発明の効果 以上述べたように、本発明によれば、シールリングが
接する側のシールリング溝の側面に窒化処理を施したの
で、シールリングやその装着溝の摩耗によるスティック
現象がなくなり、主弁の信頼性の向上と保守費低減に顕
著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は本発明の一実施例による主弁の全体形状
を示す図、第1図(b)は該主弁に形成したシールリン
グ溝の一部分の拡大図、第2図は窒化処理部と不要部の
ショア硬度の測定における円周上の測定箇所を示す図、
第3図はビッカース硬度と窒化表面からの深さとの関係
を示す図、第4図は主弁及びシールリングの窒化前後の
比摩耗量の減少効果を示す図、第5図は従来より用いら
れている蒸気タービンの一例を示す断面図、第6図は第
5図のVI部を拡大して示す図である。 1……ブッシュ、2……弁棒、3……保持金、4……主
弁、4a……バランス穴、4b……シールリング溝,5……ピ
ン、6……弁体、7……ケーシング、8……弁座、9…
…シールリング、10……ボンネット、11……ボルト、12
……ピン、13……ブッシュ、14……ピン、15……マフラ
ー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 利也 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内 (72)発明者 吉川 卓夫 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内 (72)発明者 藤原 昌晴 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (56)参考文献 特開 平2−86945(JP,A) 実開 昭61−3904(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01D 17/00 - 17/26 F02F 3/00 - 5/00 F16K 3/00 - 3/36

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブッシュと該ブッシュの内周を複数のシー
    ルリングを介して摺動する蒸気タービン用主弁におい
    て、前記シールリングを収納するシールリング溝は前記
    主弁側に形成されると共に、前記シールリングが内圧を
    受けて前記シールリング溝の側面と接する側及び前記シ
    ールリング溝に挟まれた前記ブッシュに対向する部分
    に、常温状態から560±10℃に昇温して該温度に40〜50
    時間保持し、アンモニアガス雰囲気で200℃まで炉冷す
    る、窒化処理を施すことを特徴とする蒸気タービン用主
    弁の耐摩耗力向上方法。
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