JP2960413B1 - 電子ビーム描画装置 - Google Patents

電子ビーム描画装置

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Abstract

【要約】 【課題】 電子ビーム描画装置において、ビームドリフ
トの影響となる炭素化合物系の堆積物を減らすことがで
き、且つ遠距離感光作用の描画精度への影響を減らす。 【解決手段】 電子ビームの照射により試料表面から放
出される反射電子の試料側への再入射を防止するため
に、試料表面と対向するビーム入射側の位置に反射防止
機構を設けた電子ビーム描画装置であって、反射防止機
構は、複数の開孔部51を有し、且つ開口部51の側壁
が試料表面のビーム照射位置から直接見通せないように
形成されたハニカム構造の反射防止板50からなり、こ
の反射防止板50の開孔部51の側壁表面及び試料面に
対向する面に対して裏側の面に、貴金属触媒52として
ポーラス状の白金薄膜を担持させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子の微細
パターンの描画等に用いられる電子ビーム描画装置に係
わり、特に試料面上方における反射防止構造の改良をは
かった電子ビーム描画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最先端の半導体製造プロセスのうちリソ
グラフィープロセスにおいては、今後電子ビームを用い
た電子ビーム描画装置が主流になると予想される。これ
は、電子ビーム描画には光を用いた描画にはない高い分
解能が得られるという大きな利点があるためである。
【0003】電子ビーム描画装置では、電子銃から発射
された電子ビームを、第1,第2成形アパーチャ及び成
形偏向器により成形し、この成形ビームを対物レンズに
より試料面上に結像すると共に、対物偏向器によりマス
クやウェハ等の試料上で走査することにより、所望パタ
ーンを描画する。この種の電子ビーム描画装置でパター
ンの描画を行う場合、描画の精度を劣化させる要因の中
に、ビームドリフトと遠距離感光作用がある。以下に、
これらの2つに関して簡単に説明する。
【0004】まず、ビームドリフトによって、描画精度
の劣化がどのように引き起こされるかについて、成形偏
向器の場合を例に取り説明する。成形偏向器の偏向電極
は、例えばAu,Pt,或いはAuを表面に成膜したA
l等で作られ、成形偏向器は第1成形アパーチャの像が
第2成形アパーチャ上の所定の位置に投影されるように
コントロールされる。
【0005】成形偏向器におけるビームドリフト(以
降、成形ビームドリフトと呼ぶ)は、第1成形アパーチ
ャ像が時間の経過につれて第2成形アパーチャ上の所定
の位置に投影されなくなることに起因する。成形ビーム
ドリフトが生じると、成形ビームの形状,大きさが時間
と共に変化する。このため、所望の形状,大きさの成形
ビーム像が得られなくなり、描画パターンの精度が劣化
することになる。
【0006】上記の成形ビームドリフトを引き起こす主
たる原因として、成形偏向器の偏向電極或いはその周辺
への鏡筒内部品の表面に付着した堆積物のチャージアッ
プがある。電子ビームの経路の近くに非導電性の物質
(堆積物)が存在すると、ビームの照射に伴って同物質
がチャージアップし、ビームの軌道が変えられる。チャ
ージアップを引き起こす非導電性の堆積物は、主には炭
素化合物である。この炭素化合物の堆積物は、電子ビー
ムの照射に伴って鏡筒内部に発生する2次電子等の低エ
ネルギー電子が、鏡筒内部の表面に吸着している炭素化
合物系の残留ガスを励起分解することにより生じる。
【0007】このような炭素化合物系の残留ガスの一部
分は、真空排気後に鏡筒内部に残留しているものであ
る。さらに、これに加えて、レジストの描画中にレジス
トから蒸発し、鏡筒内部へと拡散してくる炭素化合物
(主にレジストの溶剤)が、残留ガスの発生源の大部分
を含めている。しかもこれは、描画を行う度に発生す
る。このため、偏向器の偏向電極などの鏡筒内部品に炭
素化合物の堆積物が大量に堆積する。これが、ビームド
リフトの要因となっており、深刻な描画精度の劣化をも
たらすのである。
【0008】次に、遠距離感光作用について説明する。
この作用は、図7に示すように、マスク基板71上にレ
ジスト72が塗布された試料の表面に照射された電子ビ
ーム73が試料表面で散乱され、この散乱された電子ビ
ーム74が、さらに対物レンズ75の下面や試料室上面
で散乱されて再び試料表面に戻ってくることに起因す
る。つまり、試料表面に戻ってくる散乱電子(再反射電
子)76によって、所望の場所以外のレジスト72が感
光して描画精度が劣化するのである。
【0009】ところで、ビームドリフトを低減するため
に本発明者らは、図8に示すように、試料室20内に炭
素化合物を効果的に吸着する吸着板60を設置し、炭素
化合物の鏡筒10内への流入を著しく減らす方法を提案
している(特願平10−78931号)。吸着板60は
白金やパラジウム等の貴金属触媒を担持させたものであ
り、試料室20内の炭素化合物系ガスを吸着することが
できる。この触媒吸着板60は、試料23の上面対向位
置、即ち電子ビームEBが通過する孔に近い場所に設置
するのが最も効果的である。
【0010】また、鏡筒10と試料室20との間にゲー
トバルブ24を設けておき、ゲートバルブ24を閉じた
状態でガス導入ポート25を通して試料室20内に酸素
ガスを導入することにより、吸着板60に吸着した炭素
化合物を速やかに酸化分解することができる。そして、
この分解生成物はガス排出ポート27を通して試料室外
へ排出することができる。
【0011】しかしながら、遠距離感光作用の観点から
は、試料の上面対向位置に貴金属である白金が存在する
ことは望ましくない。白金或いはパラジウムのような原
子番号の大きな物質では反射が大きいため、遠距離感光
作用の効果が大きくなり、描画精度に大きな悪影響を与
える。遠距離感光作用を低減するためには、試料室上面
にベリリウム,炭素等の原子番号の小さい材料で作られ
た反射防止板を設置するのが望ましいのである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、ビー
ムドリフトの影響を低減するために白金やパラジウム等
の原子番号の大きい物質を用いた触媒吸着板を試料室上
面に設置すると、遠距離感光作用による描画精度の劣化
が甚だしくなる。これとは逆に、ベリリウムや炭素等の
原子番号の小さい材料で構成した反射防止板を試料室上
面に設置すると、遠距離感光作用の影響は少なくなるも
のの、ビームドリフトの影響は低減できないという問題
があった。
【0013】本発明は、上記事情を考慮して成されたも
ので、その目的とするところは、ビームドリフトの影響
となる炭素化合物系の堆積物を減らすことができ、且つ
遠距離感光作用の描画精度への影響を減らすことのでき
る電子ビーム描画装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】(構成)上記課題を解決
するために本発明は次のような構成を採用している。即
ち本発明は、電子ビームの照射により試料表面から放出
される反射電子或いは二次電子の試料側への再入射を防
止するために、試料表面と対向するビーム入射側の位置
に反射防止機構を設けた電子ビーム描画装置であって、
前記反射防止機構は、複数の開孔部を有し、且つ該開孔
部の側壁が前記試料表面のビーム照射位置から直接見通
せないように形成された板体からなり、該板体の前記試
料表面のビーム照射位置から直接見通せない部分に貴金
属触媒を担持させてなることを特徴とする。
【0015】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は次のものがあげられる。 (1) 貴金属触媒は、開孔部の側壁表面に設けられるこ
と。 (2) 貴金属触媒は、板体の試料面と対向する面に対して
裏側の面に設けられること。 (3) 貴金属触媒は、開孔部の側壁表面に設けられると共
に、板体の試料面と対向する面に対して裏側の面に設け
られること。
【0016】(4) 板体を加熱する手段と、試料室と光学
鏡筒とを分離する手段と、試料室内にガスを導入する手
段と、試料室内を真空排気する手段を設けたこと。 (5) 貴金属触媒は、白金族である白金,パラジウムであ
り、特に白金海綿,白金(又はパラジウム)黒,又は多
孔質状白金(又はパラジウム)であること。(作用)電
子ビーム描画装置における試料室内の反射防止板とし
て、図3に示すような複数の開孔部を開けた構造が提案
されている。この場合、開口率を高くするために、ハニ
カム構造にすることが望ましい。このようなハニカム構
造の反射防止板では、開孔の軸に対して平行に入射した
電子に対しては効果があるが、斜めに入射したものにつ
いては図4に示すように、開孔の側壁から散乱され、再
反射電子となる。そこで、図5に示すように、電子ビー
ムが試料に入射した地点から見て、開孔の側壁が見えな
いように開孔を斜めに形成した、いゆわる斜めハニカム
構造による反射防止板も提案されている。
【0017】本発明では、このような斜めハニカム構造
の反射防止板を用い、図6に示すように、反射防止板5
0に形成した開孔部51の側壁、或いは試料面に対向す
る面とは反対側の面に、貴金属触媒52を担持させるこ
とによって、触媒として用いている貴金属がビームの照
射地点から見えない場所に位置することになる。従って
本発明の反射防止機構は、貴金属触媒を用いた吸着板と
しての機能を有しながら、貴金属からの再反射電子を著
しく減少させることができる。これにより、ビームドリ
フトの影響となる炭素化合物系の堆積物を減らすことが
でき、且つ遠距離感光作用の描画精度への影響を減らす
ことが可能となる。
【0018】また、反射防止機構としてハニカム構造の
板体を用い、さらに貴金属触媒として微粒子状或いは多
孔質の材料(特に白金)を用いることにより、描画中に
レジストから発生して偏向電極表面に吸着し、偏向電極
表面にコンタミネーションを生じさせる原因となる炭素
化合物系のガスを、鏡筒内に流入する前に効率良く吸着
させることができる。
【0019】また、電子光学鏡等と試料室とをゲートバ
ルブを介して真空的に遮断できる構成にしておけば、貴
金属触媒の触媒作用を利用して酸化分解作用を促進さ
せ、酸化分解作用によって炭素化合物系物質を速やかに
酸化分解し、これを真空ポンプによって装置外に排出す
ることができる。これによって、偏向器の偏向電極上へ
の炭素化合物の堆積をより確実に防ぐことができ、炭素
化合物の堆積物のチャージアップによって引き起こされ
るビームドリフトをより確実に抑制することが可能とな
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図示の実施
形態によつて説明する。図1は、本発明の第1の実施形
態に係わるVSB方式の電子ビーム描画装置を示す概略
構成図である。
【0021】電子光学鏡筒10内には、電子銃12,各
種レンズ13,14,15,16、各種偏向器17,及
び各種アパーチャ18が設置されており、鏡筒10の下
部に試料室20が接続されている。試料室20内にはマ
スクやウェハ等の試料23を載置した移動可能な試料ス
テージ22が設置されている。
【0022】電子銃12から放出された電子ビーム(E
B)は、コンデンサレンズ13−1,13−2を通り、
第1成形アパーチャ18−1を照明する。ここで、第1
成形アパーチャ18−1は、例えば100μm□の矩形
である。従って、第1成形アパーチャ18−1を通過し
た電子ビームは、100μm□に成形されている。な
お、コンデンサレンズ13−1,13−2間には、ビー
ムをON・OFFするためのブランキング偏向器17−
1が設けられている。
【0023】成形された電子ビームは、投影レンズ14
を通って、第2成形アパーチャ18−2上に投影され
る。ここで、第2成形アパーチャ18−2は、例えば一
辺100μmの矩形に、一辺141μmの矩形を45度
回転させて合わせた矢印型としている。第2成形アパー
チャ18−2の上流側には、成形偏向器17−2が設け
られている。この成形偏向器17−2に適当な電圧を印
加することによって、電子ビームの進行方向を変え、そ
の結果、第2成形アパーチャ18−2上に投影される第
1成形アパーチャ像の位置を変えることができる。
【0024】このように投影位置を変えることによっ
て、第1成形アパーチャ像と第2成形アパーチャとの重
なり方が変わり、大きさの異なる矩形ビーム或いは三角
形ビームに成形することができるのである。矩形或いは
三角形に成形されたビームは、縮小レンズ15で縮小さ
れ、対物レンズ16を通り、また副偏向器17−3及び
主偏向器17−4によって位置決めされて、試料ステー
ジ22上に載置された試料23上の所定の位置に到達す
る。
【0025】なお、図中の31は各種回路を制御するた
めの制御計算機、32はブランキング偏向器17−1に
ブランキング電圧を印加するためのブランキング制御回
路、33は成形偏向器17−2に偏向電圧を印加するた
めの可変成形ビーム寸法偏向制御回路、34は偏向器1
7−3,17−4に偏向電圧を印加するための偏向制御
回路、35は試料台22の移動位置を測定するためのレ
ーザ測長系、36は試料台22を駆動するための試料台
駆動回路を示している。
【0026】ここまでの基本構成は従来装置と同じであ
るが、本実施形態では以下に述べるように、光学鏡筒1
0の下部で、試料室10内の上部に反射防止機構を設け
ている。
【0027】図2は、電子光学鏡筒10の底部及び試料
室20を拡大して示す図である。反射防止機構として、
前記図6に示すような、開孔部51の側壁が試料面上の
ビーム照射位置から見通せないように形成されたハニカ
ム構造の反射防止板50が設けられ、この反射防止板5
0の開孔部51の側壁及び裏面に、触媒作用のある貴金
属触媒52を担持させている。このハニカム構造の反射
防止板50は、例えばエッチングによってハニカム状に
開孔した後、銅或いはアルミニウム等の薄板を重ねるこ
とによって製作することができる。薄板同士は、拡散接
合法等を用いて接合され、また試料側の表面にはベリリ
ウム,カーボン等の原子番号の小さい物質が成膜されて
いる。
【0028】反射防止板50の開孔部51の側壁に触媒
物質を担持させる方法としては、真空蒸着を用いる方
法、或いは触媒物質の塩化物或いは硝酸塩等を用いた、
含浸法,噴霧法,混合法がある。
【0029】真空蒸着法では、蒸着を行う際に、蒸着槽
内にアルゴンガスを導入し、蒸着槽内を1×10-1Pa
から1Paにする。これによって、ポーラス状の白金薄
膜を形成することができる。この蒸着は、反射防止板5
0の裏面側、即ちベリリウム或いはカーボンの薄膜が形
成された面とは反対側の面から行った。また、蒸着中に
反射防止板50を適宜傾け、且つ遊星回転させることに
よって、開孔部51の側壁にはほぼ一様に白金を成膜す
ることができる。
【0030】また、含浸法では、反射防止板50を塩化
白金の溶液に浸し、エアーブローによって反射防止板5
0上の余分な溶液を吹き飛ばした後、これを焼成するこ
とによって、反射防止板50上に貴金属触媒52として
の白金/酸化白金の微粒子を担持させることができる。
貴金属触媒52としては、白金,パラジウム,ロジウ
ム,イリジウムを単独又は複合して使用できる。
【0031】反射防止板50には、図2に示すように、
加熱手段としてのヒータ55を取り付けてある。このヒ
ータ55には、電源56及びコントローラ(図示せず)
が付属しており、過度の加熱を防ぐことができるように
なっている。
【0032】試料室20には、ガス導入ポート25を取
り付けてある。このポート25を通してガスボンベ26
から、酸素ガス,オゾンガス等の酸化性ガスが供給され
る。そして、このガスが反射防止板50のハニカム構造
の開孔部51を効果的に通過するようにガスの通路が形
成されている。さらに、試料室20と光学鏡筒10との
間には、ゲートバルブ24が設けられている。このゲー
トバルブ24は、試料室20内にガスを供給している間
は閉じられ、鏡筒10に酸素が流入するのを防いでい
る。また、試料室20には、ガス排気ポート27が取り
付けてあり、このポート27を通してターボ分子ポンプ
28によりガスを排気するようになっている。
【0033】このような構成において、装置をしばらく
の間運転すると、試料23上のレジストから飛散する炭
素化合物系のガスが、反射防止板50の開孔部51の側
壁に設けられた貴金属触媒52に吸着される。そこで、
ゲートバルブ24を閉じ、試料室20内に酸素ガスを供
給し、適宜ヒータ55によって反射防止板50を加熱し
て、吸着されている炭素化合物系ガスを、触媒作用を用
いて酸化分解する。炭素化合物が酸化分解されて生じた
CO2 ,H2 O等の物質は、試料室20に取り付けたタ
ーボ分子ポンプ28によって試料室20の外へ排気され
る。
【0034】ここで、白金或いは白金族の貴金属は、炭
素化合物系のガスの酸化分解を促進させる触媒物質とし
て知られている。例えば、白金黒と呼ばれる白金微粒子
の集合体、或いは白金海綿と呼ばれる多孔質の白金は、
実効的な表面積が大きいので、炭素化合物系のガスを大
量に吸着することができる。そして、吸着した炭素化合
物の酸化分解に触媒として作用して、炭素化合物を速や
かに水と二酸化炭素等に変えることができる。
【0035】従って、このような性質を持つ貴金属触
媒、例えば白金黒や白金海綿等の多孔質の貴金属触媒5
2を反射防止板50の一部に担持させることにより、レ
ジストの描画に伴って発生した炭素化合物系のガスを貴
金属触媒52に速やかに吸着させることができる。ま
た、描画終了後に酸素又はオゾン等の酸化物質をガス導
入ポートから導入することによって、貴金属触媒52に
吸着された炭素化合物系のガスを速やかに酸化分解され
るので、これを真空ポンプ28で描画室20外に除去す
ることにより、試料室10内の炭素化合物系ガスを確実
に除去できるのである。
【0036】このように本実施形態によれば、ビーム照
射地点の真上に設置された吸着機能を有する反射防止機
構の作用によって、描画中にレジストから飛散する炭素
化合物を効果的に吸着することができるので、描画室2
0から光学鏡筒10へと流入する炭素化合物の量を少な
くすることができる。その結果、ビーム偏向器の偏向板
の表面に付着する炭素化合物の量を減らすことができる
ため、炭素化合物が偏向板表面に付着し、これがチャー
ジアップすることによって引き起こされるビームドリフ
トを抑制することができる。従って、ビームドリフトに
起因する描画精度の劣化を小さくすることが可能にな
り、描画精度を向上させることができる。
【0037】また、反射防止板50の一部に担持された
貴金属触媒52の作用によって吸着した炭素化合物を、
試料室20内に酸素を導入して速やかに分解・除去する
ことができるので、試料室20を開けて反射防止板50
を交換する作業を必要とせず、装置を効率的に運転する
ことができる。しかも、反射防止板50は試料面上のビ
ーム照射位置から直接見通せない位置に貴金属触媒52
を担持させているので、貴金属触媒52からの再反射電
子を著しく減らすことができる。このため、ビームドリ
フトに起因する描画精度の劣化を小さくできるのは勿論
のこと、遠距離感光作用による描画精度への悪影響をも
減らすことが可能となる。
【0038】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れるものではない。実施形態では、電子ビームの照射に
より試料表面で反射した反射電子の試料側への再入射を
防止することを説明したが、これと全く同じ原理で本発
明は、試料表面から放出された二次電子の試料側への再
入射を防止することが可能である。また、電子光学鏡筒
及び試料室の構成は前記図1に何ら限定されるものでは
なく、仕様に応じて適宜変更可能である。さらに、反射
防止機構を構成する材料や貴金属触媒の材料等も、仕様
に応じて適宜変更可能である。その他、本発明の要旨を
逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができ
る。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、ビ
ーム照射位置から孔の側壁が見通せない複数の開孔部を
持つ板体で反射防止機構を構成すると共に、開孔部側壁
表面又は試料面と反対側の面に貴金属触媒を担持させる
ことにより、ビームドリフトの影響となる炭素化合物系
の堆積物を減らすことができ、且つ遠距離感光作用の描
画精度への影響を減らすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わるVSB方式の電子ビー
ム描画装置を示す概略構成図。
【図2】第1の実施形態における電子光学鏡筒の底部及
び試料室を拡大して示す図。
【図3】ハニカム構造を持つ反射電子防止板の構成を示
す図。
【図4】ハニカム構造を持つ反射防止板の開孔部側壁か
らの反射電子を説明するための図。
【図5】斜めハニカム構造の反射防止板の断面構成を示
す。
【図6】本発明による貴金属触媒を用いた反射防止板の
断面構成を示す図。
【図7】遠距離感光作用を説明するための図。
【図8】試料室内に吸着板を設けた電子ビーム描画装置
の例を示す図。
【符号の説明】
10…電子光学鏡筒 12…電子銃 13,14,15,16…各種レンズ 17…各種偏向器 18…成形アパーチャ 20…試料室 22…試料ステージ 23…試料 24…ゲートバルブ 25…ガス導入ポート 26…ガスボンベ 27…ガス排気ポート 28…真空ポンプ 50…反射防止板 51…開孔部 52…貴金属触媒 55…ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 37/305 H01L 21/027

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子ビームの照射により試料表面から放出
    される反射電子或いは二次電子の試料側への再入射を防
    止するために、試料表面と対向するビーム入射側の位置
    に反射防止機構を設けた電子ビーム描画装置であって、 前記反射防止機構は、複数の開孔部を有し、且つ該開孔
    部の側壁が前記試料表面のビーム照射位置から直接見通
    せないように形成された板体からなり、該板体の前記試
    料表面のビーム照射位置から直接見通せない部分に貴金
    属触媒を担持させてなることを特徴とする電子ビーム描
    画装置。
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