JP2956723B2 - 自動車の重量物配置構造 - Google Patents

自動車の重量物配置構造

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JP2956723B2
JP2956723B2 JP3247481A JP24748191A JP2956723B2 JP 2956723 B2 JP2956723 B2 JP 2956723B2 JP 3247481 A JP3247481 A JP 3247481A JP 24748191 A JP24748191 A JP 24748191A JP 2956723 B2 JP2956723 B2 JP 2956723B2
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康 川上
雅彦 金田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自動車の重量物配置構
造、特に、優れた重量配分で且つ装備や装置の新たなレ
イアウトが可能になる自動車の重量物配置構造に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の重心は車体の中心部に近いほ
ど、コーナリング性能等が向上する。そのため、自動車
の構造の中で最も重量物であるエンジンユニットを自動
車の前後車軸の間に配置して、自動車全体の前後重量配
分を良くする、いわゆる「ミッドシップ」というタイプ
のエンジンユニット配置が知られている〔昭和58年社
団法人自動車技術会発行「新編自動車工学便覧<第1編
>」の第1−7頁参照〕。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ミッドシップタイプのエンジンユニット配置としては、
その前後位置は前述のように、重量物としてのエンジン
ユニットを自動車の中心部に近づけた状態で(前後車軸
の間に)配置するものの、その左右位置としては他のエ
ンジンユニット配置方式(FR、FF等)と同様にほぼ
左右中央位置に配置するものであった。従って、車室内
スペースが狭くなったり、或いは、各種装備や装置のレ
イアウトに種々の制約を与えていた。
【0004】この発明はこのような従来の技術に着目し
てなされたものであり、従来のミッドシップタイプ車と
同等の重量配分を保ちつつ、且つ従来のものとは異なる
装備・装置の新たなレイアウトが可能な自動車の重量物
配置構造を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明に係る自動車の重量物配置構造は、自動
車を構成する部品である重量物の左右位置が自動車の左
右中心線に対して運転席の配置位置の反対側で且つ前後
位置が前後車軸の間であり、重量物を前側車軸寄りに配
置すると共に、助手席を該重量物の後方で且つ運転席よ
りも後方にずれた状態で配置したものである。
【0006】自動車を構成する部品である重量物の例と
しては、エンジンユニットを挙げることができる。「エ
ンジンユニット」とは、トランスミッションや補機その
他、エンジン本体に一体的に組み付けられる装置や機構
を含む概念のもので、外見上一つの重量物として認識さ
れるものを意味する。
【0007】また、「重量物の左右位置が左右中心線に
対して運転席の配置位置の反対側」とは、重量物の重心
が少なくとも自動車の左右中心線付近から反運転席側へ
変位している意味であり、「前後位置が前後車軸の間」
とは、重量物の重心が前後車軸の間に位置する意味であ
る。尚、「前後車軸の間」とは、前側の車軸と後側の車
軸とではさまれた範囲内であればどこでも良く、前側の
車軸と後側の車軸間における中央位置を意味するもので
はない。
【0008】
【作用】自動車の重量配分に影響を与える重量物を、他
の重量的要素である運転席(運転者自身の重量)の反対
側へ配置して、自動車の左右方向における重量配分をほ
ぼ均等に保つようにしたことにより、従来のレイアウト
上の制約がなくなり、今までは考えられなかった装備や
装置の新たなレイアウトが実現可能となる。
【0009】
【実施例】この発明の好適な実施例を図1〜図7に基づ
いて説明する。尚、図中の方向性は、前(F方向)、後
(B方向)、左(L方向)、右(R方向)となってい
る。
【0010】まず、図2に基づいて、この実施例に係る
自動車の構成を説明する。1が「重量物」としてのエン
ジンユニットで、このエンジンユニット1はエンジン本
体部1aにトランスミッション2を一体的に備えてい
る。このエンジンユニット1は前後方向長さを短くする
ために、エンジンクランク軸CLと平行にドライブシャ
フトを配設した横置FF用のものを縦置で配置してい
る。
【0011】また、このエンジン本体部1aにはインテ
ークマニホールド3、エキゾーストマニホールド4が設
けられており、エキゾーストマニホールド4には後方へ
延びる排気管5が接続されており、排気管5の後部には
途中部分にマフラー6が介在させてある。尚、7は補機
を示しており、2aはトランスミッション2の横に配置
されているデフ部(FF用として用いている場合はフロ
ントデファレンシャルとなっている)を示している。そ
して、デフ部2aには、ビスカス式等のLSDが組込ま
れていることが望ましい。
【0012】エンジンユニット1のトランスミッション
2のデフ部2aからは、4WDを構成すべく、前側推進
シャフト8と後側推進シャフト(プロペラシャフト)9
が各々前後に延びている。この前側推進シャフト8及び
後側推進シャフト9は、自動車の左右中心線Sの若干左
側位置で前後方向に沿って設けられている。
【0013】前側推進シャフト8は前側のドライブシャ
フト(車軸)10を回転させるべくフロントデフ11に
接続され、後側推進シャフト9は後側のドライブシャフ
ト12を回転させるべく、リヤデフ13に接続されてい
る。
【0014】前輪TF・後輪TBを駆動するこれらドラ
イブシャフト10、12は、アクスルAF、ABに回転
自在に支持され、これらアクスルAF、ABは更に転舵
可能にそれぞれサスペンション機構14、15を介して
後述するフレーム27に組付けられている。
【0015】このサスペンション機構14、15は、基
本的にはアッパアーム14a、15aと、ロアアーム1
4b、15bとから成るダブルウィッシュボーンタイプ
のものであり、これにサスペンションロッド14c、1
5cとスプリング内蔵のダンパ14d、15dを組合せ
た構造となっている。このロッド14c、15cとダン
パ14d、15dとは、ベルクランク14e、15eに
より連結されている。この前後のサスペンション機構1
4、15は、全く同じ構造のものであり、それを前後対
称に用いているだけである(即ち、前輪右側が後輪左側
に、前輪左側が後輪右側になるように用いている)。サ
スペンション機構14、15をこのように前後対称に用
いているのは、前輪TFと後輪TBとでは車両を安定方
向に作用させるステアリング特性が逆だからである。
【0016】前述のサスペンション機構14において、
16はステアリングラックで、ステアリングギア17が
係合されている。このステアリングギア17には、ステ
アリングホイール18からの回転力がステアリングシャ
フト19を介して伝達されるようになっている。そし
て、ステアリングラック16の両端には、それぞれリン
ケージLが接続されており、このリンケージLの端部
は、アクスルAFに結合されたナックルアームNAに接
続されていて、これらにより前輪TFは転舵されるよう
になっている。尚、後側のサスペンション機構15のナ
ックルアームNAには、後述するフレーム27に一端が
接続されたラテラルリンク15fが結合されていて、こ
れにより後輪TBは転舵不能にされている。
【0017】そして、自動車の最前方位置には、左右中
心線S上に設置したラジエータ20が備えてある。この
ラジエータ20はフード21を低くするために、前傾状
態で備えてある。また、フロントデフ11の後上方に
も、同じく左右中心線S上に設置したバッテリ22が備
えてある。
【0018】次に、エンジンユニット1と座席等のレイ
アウトについて説明する。エンジンユニット1は、図示
のように、左右位置としては左右中心線Sよりも左側と
なっており、且つ前後位置としては前側のドライブシャ
フト10のすぐ後方となっている。この自動車の座席と
しては運転席23と助手席24の2つがあり、運転席2
3は左右中心線Sよりも右側で、ステアリングホイール
18に対応する通常位置にある。助手席24はエンジン
ユニット1の後方に位置しており、前記運転席23より
も若干後方にずれた状態で配置されている。助手席24
が運転席23よりも若干後方にずれた状態で配置されて
いるために、図4に示したように、ダッシュロアやイン
ストルメントパネル等を形成する車室ユニット27jも
それに応じて湾曲した状態を呈している。従って、エン
ジンユニット1と運転席23と助手席24とは、略同一
平面上に、即ち互いに略同一の高さ位置関係で位置され
ることになり、上方から見れば、各々は、三角形の頂点
に配置されているように見える。尚、運転席23の真後
ろで且つ助手席24の右側にあるのは、「第二の重量
物」としての燃料タンク26である。
【0019】次に、この自動車のフレーム27について
説明する。このフレーム27は全体として鋼材を溶接し
て骨格形成した一種のスペースフレームとなっており、
軽量で剛性の高いものとなっている。構成的には、車室
を形成するメインフレーム27bと、その前方部分を形
成するフロントフレーム27a、並びに後方部分を形成
するリヤフレーム27cとから成っている。前述のラジ
エータ20、バッテリ22、前側のサスペンション機構
14などはフロントフレーム27aに取付けられてお
り、後側のサスペンション機構15やマフラー6等はリ
ヤフレーム27cに取付けられている。尚、このリヤフ
レーム27c部分には図示せぬスペアタイヤ等も備えつ
けられている。
【0020】また、図4中のフロントフレーム27aの
27d、27e、27g、27fはそれぞれロアアーム
14b、アッパアーム14a、ベルクランク14e、ダ
ンパ14dの各取付部であり、ステアリングラック1
6、ステアリングギヤ17もフロントフレーム27aの
取付部27hに固定される。尚、リヤフレーム27cに
ついても、後側のサスペンション機構15はラテラルリ
ンク15fの取付部27iを除いては、前側のサスペン
ション機構14と同様なので、その具体的構成の説明は
省略する。
【0021】メインフレーム27b内にある車室ユニッ
ト27jの上に運転席23や助手席24等の車室を形成
する部品が取付けられている。ERは、エンジンユニッ
ト1が収納されるエンジンルームであり、車室ユニット
27jでメインフレーム27b内を車室PRとエンジン
ルームERとに分離している。エンジンユニット1は、
メインフレーム27bのサイドフレーム27k、センタ
クロスフレーム27t、センタフレーム27m、フロン
トクロスフレーム27nに固定された4つのブラケット
EMに、図示しないエンジンマウントを介して取付けら
れる。
【0022】次に、図5〜図7によりトランスミッショ
ン2を操作するための変換リンク機構について説明す
る。前述のように、この実施例では、エンジンユニット
1の前後長さを抑えるために、横置FF用のエンジンユ
ニット1を縦置きにして用いている。従って、トランス
ミッション2を操作するためのシフト方向とセレクト方
向が90°相違することになるため、それを変換するた
めのリンク機構が必要となる。
【0023】図5に示したのがその変換リンク機構28
である。尚、29はヨークで、トランスミッション2の
構造中で操作力が入力される部分である。つまり、トラ
ンスミッション2(ヨーク29)の本来の操作パターン
1 と、運転者が直接操作するチェンジレバー30の操
作パターンP2 とを対応させるべく、チェンジレバー3
0のシフト方向(前後方向)への操作を、ヨーク29の
シフト方向(左右方向)への操作に変換し、また、チェ
ンジレバー30のセレクト方向(左右方向)への操作
を、ヨーク29のセレクト方向(回転方向)への操作に
変換するものである。
【0024】この変換リンク機構28の構成を説明す
る。チェンジレバー30の上端にはチェンジノブ30a
が設けられている。チェンジレバー30の途中部分には
ボール状の支点30bがあり、このチェンジレバー30
の下端30cはチェンジロッド31の後端に設けられた
筒状部31b内へ回動自在に挿入されている。チェンジ
ロッド31の前側は小径の細ロッド31aとなってお
り、この細ロッド31aとの境部分に、プレート32が
溶接にて固定されている。このプレート32の前端には
所定の上下幅サイズW1 を有する断面コ字状の連結部3
3が備えられている。
【0025】34はL形リンクで、このL形リンク34
の曲折部分はピン35により、トランスミッション2に
固定されたブラケット36に対して、回動自在に取付け
られている。そして、このL形リンク34の一端34a
は前記連結部33内に挿入された状態で、ピン37によ
り回動自在に連結されている。この一端34aに形成さ
れた孔34ahの形状はピン37がピン35方向には自
由に動けるように長孔形状に設定してある(図6〔B〕
参照)。また、このL形リンク34の他端34bは、前
記ヨーク29にピン25で連結されるブロック38の右
端片38aに、所定の上下長さサイズW2 を有するピン
39にて連結されている。この他端34bの孔34bh
の形状も、同様にピン39がピン35方向には比較的自
由に動けるように長孔形状に設定してある(図7〔B〕
参照)。
【0026】そして、このブロック38の上面にはL形
の操作リンク40が前記ピン39にて水平方向で回動自
在に取付けてある。この操作リンク40の先端40aに
は湾曲したガイドバー41が溶接にて取付けてあり、こ
のガイドバー41の直線部41aは細ロッド31aと略
平行に延びて、該細ロッド31aに溶接固定したガイド
片42に形成された長孔形状の挿通孔42a内へ、移動
自在に挿入された状態となっている(図5〔B〕参
照)。
【0027】次に、この変換リンク機構28の動作を説
明する。シフト操作 チェンジレバー30を操作パターンP2 におけるニュー
トラル位置Nから3速にシフトさせる場合の動作を代表
して説明する。尚、この場合における各部分の移動方向
を図中点線矢印で示した。
【0028】 チェンジレバー30を3速側(前側)
へ倒す。
【0029】 チェンジレバー30の下端30cが支
点30bを中心として逆に後方へ振れる。
【0030】 チェンジロッド31とプレート32が
後方へ移動する。この時、細ロッド31aのガイド片4
2も同様に移動するが、ガイド片42はガイドバー41
に対して挿通孔42aにより細ロッド31aの軸方向に
対して移動自在に連結されているので、操作リンク40
には入力を与えない。
【0031】 L形リンク34の一端34aが連結部
33にて後方へ引っ張られるためL形リンク34が図中
時計回りに回転する。この時孔34ahは、移動方向に
対して直角方向の長孔であるため、シフト操作のダイレ
クト感は損なわれない。
【0032】 L形リンク34が回転すると、L形リ
ンク34の他端34bが図中右側(実際は左側L)へむ
けて回転し、ブロック38を図中右側へ移動させる。こ
の時、操作リンク40とブロック38とは水平方向で回
転自在にされ、且つガイドバー41とガイド片42とは
長孔形状の挿通孔42aで連結されて首振り可能にされ
ているので、操作リンク40がブロック38の図中右側
への移動を邪魔することはない。また、孔34bhも長
孔形状となっているので、シフト操作のダイレクト感は
損なわれない。
【0033】 ブロック38が右側へ移動すると、ヨ
ーク29が右側へ押されるため、トランスミッション2
が本来の操作パターンP1 においてニュートラル位置N
から3速側にシフトする。
【0034】以上、3速へのシフト操作を代表して説明
したが、それ以外のシフト操作も同様の動作になるの
で、重複説明を省略する。
【0035】セレクト操作 チェンジレバー30を操作パターンP2 におけるニュー
トラル位置Nから1速、2速側にセレクトさせる場合の
動作を代表して説明する。尚、この場合における各部分
の移動方向を図中実線矢印で示した。
【0036】 チェンジレバー30を1速、2速側
(左側)へ倒す。
【0037】 チェンジレバー30の下端30cが支
点30bを中心として逆に右側へ振れる。
【0038】 チェンジレバー30の下端30cが右
側へ振れると、連結部33のピン37を中心にして、チ
ェンジロッド31及びプレート32が全体的に扇状に振
れながら、α方向へ回転する(図6〔A〕参照)。つま
り、連結部33のピン37は不動であり、チェンジロッ
ド31の筒状部31bだけが右側へ振れながら、尚か
つ、チェンジロッド31自体はα方向へ回転する。
【0039】 チェンジロッド31がα方向へ回転す
るので、それに応じて、細ロッド31bの前端に溶接固
定したガイド片42も下側へ回転する。この時、挿通孔
42aは、ガイド片42の長手方向に沿った長孔なの
で、セレクト操作のダイレクト感は損なわれない。
【0040】 ガイド片42が下側へ回転すると、そ
れに伴ってガイドバー41及び操作リンク40の先端4
0aも下側へ回転する。
【0041】 操作リンク40の先端40aが下側へ
回転すると、それに合わせて、ブロック38も傾くよう
にして、ヨーク29との連結中心点Xを中心に回転す
る。つまり、ピン39は所定の上下長さサイズW2 を有
していると共に、L形リンク34の他端34bの孔34
bhを長孔形状としてあるため、ブロック38全体が、
図7〔A〕に示すように連結中心点Xを中心にして回転
する。従って、ヨーク29を回転させて、本来の操作パ
ターンP1 において、ニュートラル位置Nから1速、2
速側へのセレクト操作を行うことができる。
【0042】 尚、図6に示すように、プレート32
の連結部33も比較的的大きな上下幅サイズW1 で形成
してあり、またL形リンク34の一端34aの孔34a
hもこのピン37に対して長孔形状に設定してあるた
め、この連結部33もブロック38と同様に自由にα方
向へ回転できる。従って、L形リンク34にα方向への
回転を邪魔されることはない。
【0043】前述のように、ニュートラル位置Nから1
速、2速側へのセレクト操作を代表して説明したが、5
速、後退(R)側へのセレクト操作は、前述の逆動作に
なるだけなので、重複説明を省略する。
【0044】以上、この実施例に係る自動車の構造を説
明してきたが、次にこの自動車の優位点を述べる。
【0045】重量配分・配置 運転席23が右側に配置され、その反対側の左側にエン
ジンユニット1が配置されているために、左右方向での
重量配分がほぼ均一に保たれる。しかも、比較的重量が
あるラジエータ20やバッテリ22を左右中心線S上に
配置しているため、これらが左右方向での重量配分に影
響を与えることがない。
【0046】また、前後方向の重量配分にしても、エン
ジンユニット1を前後のドライブシャフト10、12の
間に配置したので、従来のミッドシップ車と同様に、前
後重量配分にも優れる。しかも、前後のサスペンション
機構14、15に全く同じ構造をしたものを採用したの
で、この点においても前後重量配分の面で有利となる。
【0047】このように、前後左右での重量配分に優
れ、且つ重量物が車軸間略中央で左右中心線Sに上に集
まっているため、ヨー慣性モーメントが小さくなり、コ
ーナリング等の運動性が向上する。尚、燃料タンク26
の配置も、運転席23の真後ろで且つ助手席24の右側
にあるため、左右及び前後方向での重量配分の向上に寄
与する。すなわち、エンジンユニット1と燃料タンク2
6とが、前後車軸間で前後左右に互い違いに配置される
ことになり、自動車の前後左右の重量配分のバランスを
更に良好にとることができる。
【0048】製造性・メンテナンス性 前述のように、前後のサスペンション機構14、15を
共用化したので、製造性及びメンテナンス性が向上し、
コストの面でも有利となる。
【0049】安全性 エンジンユニット1が運転席23の前方になく、衝突エ
ネルギーをフロントフレーム27aで十分に吸収できる
ため、安全性の面においても優れる。
【0050】デザイン(レイアウト)性 助手席24を運転席23よりも若干後方へずらした座席
の斬新なレイアウトを実現することができた。従って、
ユーザーの興味を集め、自動車の商品としての付加価値
が高まる。また、フロント部にエンジンユニット1がな
く且つラジエータ20を前傾させているため、フード2
1を十分に低く設定することが可能となった。また、サ
スペンション機構14、15のアーム長の設定自由度が
飛躍的に高まり、サスペンション性能の向上に寄与す
る。以上述べた優位点の殆どはエンジンユニット1を運
転席23の反対位置に配置したことによって実現できた
ものである。
【0051】尚、以上の説明において、座席が運転席2
3と助手席24の2つしかないタイプの自動車を例にし
たが、これに限定されず、座席が1つでも、或いは3つ
以上のものでも良い。
【0052】また、FF駆動用で且つ横置配置用の構造
をもつエンジンユニット1を、縦置配置して用いる例を
示したが、これに限定されず、どのような構造のエンジ
ンユニットであっても良く、配置方向も縦置きに限定さ
れない。
【0053】更に、デフ部2a内のディファレンシャル
機構をロックして、デフ部2aとフロントデフ11との
間にビスカス式や油圧多板クラッチ式の所謂センターデ
フを設けても良く、駆動方式も4WDに限定されず、前
輪だけを駆動させる方式、或いは後輪だけを駆動させる
方式等であっても良い。
【0054】また、以上の実施例では、後輪TBをラテ
ラルリンク15fを用いて転舵不能にしたが、ラテラル
リンク15fに代えて前輪TFの転舵に連動する後輪T
B転舵用のステアリング機構を用いて、所謂4WSとす
ることも、前側のサスペンション機構と後側のサスペン
ション機構が同じなので、容易に行なえる。
【0055】
【発明の効果】この発明に係る自動車の重量物配置構造
は、以上説明してきた如き内容のものであって、重量物
の左右位置が運転席の反対側で且つ前後位置が前後車軸
の間であるので、自動車の全体な重量配分に優れ、コー
ナリング等の運動性能が向上する。また、座席その他の
装備や装置の新たなレイアウトが実現可能となり、自動
車の商品としての付加価値が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るエンジンユニット配
置構造を採用した自動車の外観図。
【図2】この実施例の自動車のエンジンユニット配置構
造を示す平面図。
【図3】この実施例の自動車のエンジンユニット配置構
造を示す斜視図。
【図4】この実施例のフレーム構造を示す斜視図。
【図5】〔A〕はトランスミッションの変換リンク機構
を示す斜視図。 〔B〕は〔A〕の要部拡大斜視図。
【図6】〔A〕は図5〔A〕中矢示SA−SA線に沿う
断面図。 〔B〕は〔A〕中矢示SC−SC線に沿う断面図。
【図7】〔A〕は図5〔A〕中矢示SB−SB線に沿う
断面図。 〔B〕は〔A〕中矢示SD−SD線に沿う断面図。
【符号の説明】
1 エンジンユニット(重量物) 2 トランスミッション 10、12 ドライブシャフト(車軸) 14、15 サスペンション機構 23 運転席 24 助手席 26 燃料タンク(第二の重量物) 28 変換リンク機構 S 左右中心線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上原 夏樹 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地日産 自動車株式会社内 (72)発明者 古別府 道秋 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地日産 自動車株式会社内 審査官 中村 則夫 (56)参考文献 特開 平4−8630(JP,A) 実開 昭58−33315(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 5/00 B60K 5/02 B60N 2/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車を構成する部品である重量物の左
    右位置が自動車の左右中心線に対して運転席の配置位置
    の反対側で且つ前後位置が前後車軸の間であり、 重量物を前側車軸寄りに配置すると共に、助手席を該重
    量物の後方で且つ運転席よりも後方にずれた状態で配置
    することを特徴とする自動車の重量物配置構造。
  2. 【請求項2】 ほぼ同じ構造のサスペンション機構をフ
    ロントとリヤに前後対称に配置した請求項1記載の自動
    車の重量物配置構造。
  3. 【請求項3】 FF駆動用で且つ横置配置用の構造をも
    つ、重量物としてのエンジンユニットを、縦置配置して
    用いる請求項1又は請求項2記載の自動車の重量物配置
    構造。
  4. 【請求項4】 第二の重量物を運転席の後方で且つ助手
    席の側方に配置する請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の自動車の重量物配置構造。
JP3247481A 1991-09-26 1991-09-26 自動車の重量物配置構造 Expired - Lifetime JP2956723B2 (ja)

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