JP2953589B2 - 液晶の多階調表示における視角補正方式とそれを用いた多階調液晶表示装置 - Google Patents

液晶の多階調表示における視角補正方式とそれを用いた多階調液晶表示装置

Info

Publication number
JP2953589B2
JP2953589B2 JP6456890A JP6456890A JP2953589B2 JP 2953589 B2 JP2953589 B2 JP 2953589B2 JP 6456890 A JP6456890 A JP 6456890A JP 6456890 A JP6456890 A JP 6456890A JP 2953589 B2 JP2953589 B2 JP 2953589B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
liquid crystal
crystal display
viewing angle
display device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP6456890A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03264922A (ja
Inventor
記久雄 小野
信武 小西
淳一 大和田
孝次 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP6456890A priority Critical patent/JP2953589B2/ja
Publication of JPH03264922A publication Critical patent/JPH03264922A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2953589B2 publication Critical patent/JP2953589B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Liquid Crystal Display Device Control (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、多階調液晶表示装置に関し、例えばディ
ジタル方式により多色表示を行うTFTアクティブマトリ
ックス構成のカラー液晶表示装置に利用して有効な技術
に関するものである。
〔従来の技術〕
TFT(薄膜トランジスタ)を搭載したアクティブマト
リックス構成のカラー液晶表示装置に関しては、例えば
日経マグロウヒル社、1984年9月10日付『日経エレクト
ロニクス』頁211等がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
TFT液晶表示装置は、小型低消費電力のディスプレイ
装置として、主としてマイクロコンピュータシステムに
おけるモニター等に用いられているが、オフィスオート
メーション用機器におけるディスプレイ装置として多階
調、多色カラー表示の要求が強い。
TFTアクティブマトリックス構成の液晶表示パネルを
用い、上記のように多階調表示を行わせるためには、液
晶の輝度−電圧特性におけるリニアな領域を使う必要が
ある。しかしながら、液晶における輝度−電圧特性は、
第31図に示すように、上下方向の視角により大きく変動
してしまう。例えば表示パネルに対して視角0゜で設定
した各階調の透過率から1/2階調以上に色調がずれない
視角範囲である視野角を求めてみると、視野角は約9゜
と非常に狭いことが判る。同図に示すように各階調が全
体として透過率が低くなる方向に、言い換えるならば黒
レベルに近い方に変化してしまう。このため、例えば51
2色等のように微妙な色調を表現することを目的とする
多色のカラー表示では色調が大幅に狂ってしまい多色表
示の意味を持たなくなってしまう。
そこで、上記のように視角が変化した場合には、それ
に対応して各階調に対応した駆動電圧を変化させること
が考えられる。この場合、最も単純な発想に従えば、各
階調表示に対応した駆動電圧を調整可能にさせることが
考えられる。しかしこのような調整方法では、8階調の
表示を行うときには視角が変化する毎に8個所もの調整
を必要とし、その組み合わせが膨大となって到底実用に
供し得ない。このような理由から、従来のカラー液晶表
示装置は、上記輝度−電圧特性のリニアな部分を使わな
い赤、緑及び青の単階調の組み合わせにより8色を作り
出すものである。このような単階調の場合においては、
上記のような視角による輝度−電圧特性の変動の影響を
受けないように十分なマージンをとって駆動電圧を形成
することができるものとなる。
本願発明者は、上記液晶における上下方向の視角に対
する輝度(透過率)−電圧特性が近似的に一定の基準電
圧を持って変化することを発見した。そして、この基準
電圧を利用することにより、液晶の透過率がリニアに変
化する領域を用いて多階調表示を行うときの視角の変化
に対して簡単に調整する補正方式及びそれを利用した表
示駆動回路を開発するに至った。
この発明の目的は、上下方向の視角変化に対する多階
調表示の調整が簡単にしかも正確に行うことができる液
晶の多階調表示における視角補正方式とそれを用いた多
階調液晶表示装置を提供することにある。
この発明の他の目的は、高品質の多色カラー表示を実
現した多階調液晶表示装置を提供することにある。
この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴
は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるで
あろう。
〔課題を解決するための手段〕
本願において開示される発明のうち代表的なものの概
要を簡単に説明すれば、下記の通りである。すなわち、
液晶表示パネルに対して上下方向に異なる少なくとも2
つの視角に対応した輝度−電圧特性の傾きにそれぞれ沿
った直線の延長線上での交点から近似的な基準電圧を形
成し、上記視角に対応して変化させられる電圧を形成し
て、この電圧に連動した分圧電圧により補正された多階
調表示のための駆動電圧を形成する。このようにして形
成される駆動電圧を、多階調表示を行うTFTアクティブ
マトリックス構成の液晶パネルの信号線電極に供給する
駆動電圧とて用いる。
〔作 用〕
上記した手段によれば、1個所の調整により多階調の
ための複数の駆動電圧をその視角に対応した輝度−電圧
特性の傾きに沿って変化させることができるから、視角
の上下方向の変化に対する階調表示の調整が簡単にしか
も正確となる。これにより、TFTアクティブマトリック
ス構成の液晶表示装置を用いて実用に供し得る例えば51
2色等のような多色カラー表示が実現できる。
〔実施例〕
第1図には、この発明に係る液晶の多階調表示におけ
る視角補正方式の原理を説明するための特性図が示され
ている。
同図においては、縦軸に輝度(液晶の透過率)Bを、
横軸には液晶の両電極に印加される電圧Vを示してい
る。θ=0゜の特性曲線は、液晶の正面(法線)に対応
した視角の特性図であり、θ=40゜の特性曲線は、上記
法線に対して上方向に40゜に傾いた視角の特性図であ
る。このようにと、視角が0゜から40゜に変化すると、
輝度がリニアに変化する特性曲線の領域は、全体として
左方向にシフトする。したがって、例えば8階調を得る
ときに、前記のように視角が変化したときに同一の輝
度、例えば中間階調5が得られるように電圧V5をV5′
のように変化すればよいことが考えられる。しかしなが
ら、θ=0゜の特性曲線は視角が上記のように40゜に変
化したときには左方向に平行移動するするのではなく、
その電圧に対する輝度の傾きも変化してしまうから、前
記説明したように残り7つの階調についてもそれぞれに
電圧補正を行うことが必要となり前述のようにその組み
合わせが膨大となってとうてい実用に供し得ない。
ところが、本願発明者等においては、上記θ=0゜の
特性曲線とθ=40゜の特性曲線とを注意深く観察したと
ころ、特性曲線の変化には以下のような一定の法則的な
ものが存在することを発見した。すなわち、視角θ=0
゜の特性曲線に対して、視角がθ=40゜の特性曲線は全
体として左方向にシフトするとともに、その傾きが大き
くなるように変化する。このような視角変化に対するよ
る特性曲線の変化の特徴から、上記2つの曲線のうち、
輝度がリニアに変化する領域を直線に近似してそれを上
方向に延長させる。すると、同図に細線で示すように近
似された2つの直線は、特性図の上部で交点Pを持つも
のとなる。また、上記2つの直線は特性曲線の下部に延
長することにより横軸と交点を持つ。
このP点から横軸(電圧軸)に対した垂線を引き、そ
れを底辺とした2つの直角三角形を描くことができる。
すなわち、上記交点Pに対応した電圧(VOFF)を基準電
圧とし、上記横軸(電圧軸)との交点から求められる電
圧(以下、視角補正電圧という場合がある)VK0を高さ
とする直角三角形の斜辺が上記特性曲線θ=0゜に対応
したものとなる。
そして、上記基準電圧(VOFF)に対して視角補正の電
圧をVK40のように変化させることによって形成される直
角三角形の斜辺が上記特性曲線θ=40゜に対応したもの
となる。このように直角三角形の高さである上記電圧V
K0を電圧VK40のように変化させるだけで、上記2つの直
角三角形の斜辺を同じ比率で分割して得られる中間階
調、例えば同図において代表として例示的に示されてい
る輝度(第5階調)B5に対応したθ=0゜のときの電圧
V5からθ=40゜のときの電圧V5′のように自動的に得
られることが判る。
言い換えるならば、輝度(透過率)0から100%まで
に対応した直角三角形の斜辺を8等分して8階調を得る
とき、上記特性曲線の傾きに近似された直線から擬似的
に求められる輝度0に対応した電圧VK0を電圧VK40のよ
うに1個所だけ視角の変化に対応して調整するだけで、
上記等分して形成された8階調を得るための液晶駆動電
圧を得ることができる。基準電圧VOFFは、上記電圧VK0
や電圧VK40に対して一種のオフセット電圧とみなすこと
ができる。それ故、同図においては、基準電圧をVOFF
ように表している。
以上の説明においては、液晶の輝度が電圧の変化に対
してリニアに変化する領域の特性曲線を直線と近似した
が、実際にた輝度が0となる付近では電圧を上げると再
び輝度が高くなるという跳ね返り部分を持つ。この跳ね
返り部分は、上記視角の変化により変化するため、それ
らの影響を受けないように輝度0に対応した1階調を得
るための電圧は、上記のような特性曲線の跳ね返り特性
の影響を受けないよう十分なマージンをとって電圧V1
ように高い固定電圧とするものである。したがって、上
記のように擬似的に求められる電圧VK0+VOFFと電圧V
K40+VOFFは、専ら視角補正用の調整電圧としの意味を
持つものであり、実際の液晶駆動電圧としては利用され
ないものである。
第2図には、多階調表示における視角補正機能を持つ
駆動電圧発生回路の一実施例を示す基本的回路図が示さ
れている。
高レベル側の電圧VHは、透過率0%の黒レベルに相当
する第1階調に対応した液晶駆動電圧V1として用いる。
この電圧VHは電圧可変手段1を介して直列分圧抵抗回路
R1ないしR7の一端である抵抗R1に供給される。これらの
直列分圧抵抗回路R1ないしR6は、それぞれの相互接続点
から第2階調から第7階調までに対応した6通りの液晶
駆動電圧V2ないしV7を形成する。このように透過率0%
から透過率100%を7等分して第1階調から第8階調ま
での8階調を得るときには、上記直列抵抗回路R1ないし
R6は、相互に等しい抵抗値にされる。これに対して抵抗
R7は、第1図の特性図において、透過率が100%から変
化し始める、いわば液晶の視覚的しきい値電圧VTH0やV
TH40に対応した電圧を形成するためのものである。例え
ば、θ=0゜に対応した電圧VK0+VOFFのときには、上
記抵抗R7の抵抗値と抵抗R1ないしR6による直列合成抵抗
値との比により分圧して形成された電圧が、しきい値電
圧VTH0に対応した電圧に設定するものである。そして、
上記の直列抵抗R1ないしR6の抵抗値の比によりVK0+V
OFF−VTH0の電圧を7等分するものである。直列分圧抵
抗回路の他端である抵抗R7側は、上記基準電圧VOFFを形
成する電圧可変手段2を介して低レベル側の電圧VLに接
続される。この電圧VLは、十分なマージンを持って透過
率100%の白レベルを形成するために第8階調に対応し
た液晶駆動電圧V8として用いられる。
この構成では、上記電圧可変手段1によりそこで発生
する電圧量を変化させることにより、上記第1図に示し
た電圧VK0+VOFFやVK40+VOFFといったような視角θの
変化に応じた電圧を得ることができる。上述のように電
圧VK0+VOFFやVK40+VOFFは、実際の液晶駆動電圧とし
ては用いられることがないため出力として取り出してい
ないが、実際には上記可変電圧手段1において存在する
電圧である。この可変電圧手段1により電圧をVK0+V
OFFやVK40+VOFFのように変化させることにより直列抵
抗回路によりその変化に連動して上記6つの階調に対応
した各液晶駆動電圧V2〜V7を得ることができる。
なお、上記の説明では発明の理解を容易にするため、
上述のように抵抗R6とR7に分けて説明したが、抵抗R6
R7の接続点から得られる上記のようにしきい値電圧VTH0
等に対応した電圧は、液晶の駆動電圧として利用しな
い。したがって、実際の回路では、後に第10図等に示す
ように1つの抵抗に置き換えられるものである。
この実施例では、電圧可変手段2により基準電圧VOFF
も調整可能にしている。これは、液晶の素子特性のバラ
ツキに対応したもの他、後述するような温度補償のため
にも必要となるものである。このような温度補償に関し
ては、後に詳細に説明する。
第3図には、上記電圧可変手段1を用いた調整による
輝度−視角曲線の一例が示されている。
同図では、各中間階調である第2ないし第7階調をパ
ラメータとしている。同図に示すように、上記のような
電圧可変手段1による1個所の調整により、視角θに対
する透過率(輝度)は、視野角が約52゜の範囲で色調ず
れは1/2階調以内に収めることができる。これにより、
観察者は、ボリューム等からなる電圧可変手段1を操作
することにより、上記視野角の範囲内で簡単に任意の視
角に応じて正しい色調に合わせることが可能となる。
第4図には、この発明に係る液晶の多階調表示におけ
る温度特性を考慮した視角補正方式の原理を説明するた
めの特性図が示されている。
液晶においては、同図に示すように温度が変化しても
輝度−電圧特性が変化することが知られている。本願発
明者等において、温度T=25℃の特性曲線とT=60℃の
特性曲線とを注意深く観察したところ、温度が変化した
場合でも上記の特性曲線の変化には以下のような一定の
法則的なものが存在することを発見した。すなわち、温
度T=25℃における視角θ=0゜と視角θ=40゜の特性
曲線に近似された2つの直線の交点Pから求められる基
準電圧VOFF1に対して、温度がT=60℃のように変化し
た場合でも、上記法則はそのまま維持され、温度T=25
℃における視角θ=0゜と視角θ=40゜の特性曲線に近
似された2つの直線により交点P′が形成される。この
交点P′から基準電圧VOFF2が求められる。すなち、本
願発明者においては、上記のように温度が変化すると、
それに応じて基準電圧VOFFも変化することを発見した。
第2図に示した駆動電圧発生回路において、電圧可変手
段2は、上記のような温度補償のために用いることがで
きる。
第5図には、上記電圧可変手段1と2を用いた電圧調
整による輝度−視角曲線の一例が示されている。同図に
おいて、実線で示した特性曲線は、上記第4図における
第1階調の電圧V1を8Vとして、基準電圧VOFF2を1.2Vと
した場合の温度T=60℃において、上記電圧可変手段2
を調整した場合の各中間階調の視角特性である。各中間
階調のずれが1/2階調以内に収まる視野角は約30℃と広
い値を示す。しかし、同図に第7階調を例にして破線で
示したように、T=25℃で設定した基準電圧VOFF1=1.7
Vをそのまま用いると、透過率が著しく低くして色調の
調整が不可能になってしまう。
以上のように本発明に係る液晶の多階調表示における
視角補正方式においては、最大輝度である白レベルの駆
動電圧V8と最低輝度である黒レベルの駆動電圧V1は、上
述のように視角変化や温度変化に対して十分な電圧マー
ジンを持って設定された固定電圧であるため、上記のよ
うな中間階調の視角補正や温度補償のために電圧可変手
段1や2の変化に無関係となる。これにより、上記のよ
うな電圧可変手段1や2を操作しても、白黒ディスプレ
イでの最大コントラストや、カラーパネルにおける基本
8色のコントラストは低下しないという特長を持つ。な
お、上記温度補償のための電圧可変手段2による基準電
圧VOFFの調整は、後述するように温度補償回路を用いる
ことにより自動調整を行うことができる。これにより、
実質的には1個所の調整により多階調表示における視角
補正が行われ、観察者にとって極めて使い勝手のよい液
晶多階調ディスプレイ装置を得ることができる。
第6図には、多階調表示のための液晶駆動電圧発生回
路の基本的な一実施例の回路図が示されている。
液晶表示装置においては、液晶に印加される駆動電圧
に直流成分があってはならないためは、駆動電圧はフレ
ーム毎に正/負極性に交互に極性反転するという交流駆
動が必要である。このような交流駆動のために、正及び
負の駆動電圧が必要になる。したがって、第2図に示し
た基本回路を2組設けて正極性に対応した駆動電圧と負
極性に対応した駆動電圧を作り出すことが考えられる。
しかし、このようにすると、回路規模が大きくなるとと
もに、正と負の駆動電圧が素子特性バラツキの影響を受
けて正しく一致しなくなる。このように正と負の駆動電
圧にバラツキを有すると、それが直流成分として液晶に
印加されることとなり、液晶の表示寿命を極端に短くし
てしまうという問題を有する。
この実施例では、上記のような問題を解決するたに、
上記第2図に示したような1つの基本回路を用いて、正
と負の両極性の液晶駆動電圧を発生させるものである。
高レベル側の電圧VHと低レベル側の電圧VLとは抵抗R8
とR9による直列回路に印加され、ここで分圧され中間電
圧が上記駆動電圧V8として出力される。この中点電圧V8
側に上記電圧可変手段2を設け、前記のような基準電圧
VOFFを形成し、6個の階調電圧V2ないしV7を形成する抵
抗R1ないしR6からなる直列抵抗回路の抵抗R6に供給され
る。この直列抵抗回路の他端側である抵抗R1には電圧可
変手段1が設けられる。電圧可変手段1には、上記のよ
うな交流化のための駆動電圧を形成するために、スイッ
チSW1介して上記高レベル側の電圧VHとスイッチSW2を介
して上記低レベル側の電圧VLとが交互に切り換えられて
供給される。例えば、奇数フレームには、スイッチSW1
がオン状態となり、高レベルVHと中間電圧V8により正極
性の駆動電圧V1ないしV8を形成する。そして、偶数フレ
ームのときにはスイッチSW2がオン状態となり、低レベ
ルVLと中点電圧V8により負極性の駆動電圧−V1ないし−
V8を形成する。同図においては、駆動電圧V1ないしV8
時分割的に正及び負に切り換えられるので上記極性を示
す記号を省略するものである。なお、上記スイッチSW1
とSW2により交互に切り換えられて供給される電圧VHとV
Lが上記第1階調に対応した駆動電圧V1又は−V1にされ
るものである。
この構成では、液晶の交流化駆動のための正及び負極
性の駆動電圧が、上記視角補正や温度補償を行う共通の
電圧可変手段1及び2と、直列抵抗から形成できる。こ
れにより、回路の簡素化と正及び負極性の駆動電圧を正
しく一致させることができるから、正及び負極性で交互
に駆動するとき液晶に直流電圧が印加されることがな
い。
第7図には、この発明に係るTFT液晶表示装置の一実
施例のブロック図が示されている。
同図の液晶表示装置は、512色のカラー表示に向けら
れている。
マイクロコンピュータシステム等に対応したインター
フェイス部は、タイミングコンバータTCON3により構成
される。このタイミングコンバータは、標準的なカラー
CRT(陰極線管)のR、G、Bの入力に対応したカラー
データR0〜R5、G0〜G5及びB0〜B5と、水平同期信号HSYN
C、垂直同期信号VSYNC、表示タイミング信号YDISP等を
受け、多色カラー表示用のTFT液晶駆動信号に変換す
る。PLLは、フェーズ・ロックド・ループ回路であり、
1ドットクロックパルスDOTCLKを形成する。
TFTパネル(TFT Panel)は、特に制限されないが、横
方向に走査線電極が延長されるよう配置され、縦方向に
信号線電極が延長されるよう配置される。上記走査線電
極と信号線電極の交点には1の画素が構成される。1つ
の画素は、画素電極とTFTトランジスタから構成され
る。上記TFTトランジスタのゲートは対応する走査線電
極に接続され、上記TFTトランジスタのドレインは対応
する信号線電極に接続される。そして、TFTトランジス
タのソースは画素電極に後続される。なお、TFTトラン
ジスタはMOSFET(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)
と同様に双方向に信号を伝達するものである。それ故、
上記TFTトランジスタのドレインとソースという呼び方
は便宜的なものであると理解されたい。
上記横方向に延長される走査線電極は、ゲートドライ
バーにより順次選択される。すなわち、ゲートドライバ
ーは、フレーム信号FLMと、走査タイミングに対応した
パルスCL3を受け、上から下方向に向かって上記走査線
電極を順次選択するものである。このため、ゲートドラ
イバーは、特に制限されないが、ダイナミック型のシフ
トレジスタとドライバーとから構成される。
この実施例では、特に制限されないが、TFTパネルに
おいて縦方向に延長される信号線電極は、奇数と偶数と
に分けられそれぞれに対応してドレインドライバーが設
けられる。例えば、奇数番目の信号線電極はTFTパネル
の上側に設けられたドレインドライバーにより駆動さ
れ、偶数番目の信号線電極はTFTパネルの上側に設けら
れたドレインドライバーにより駆動される。このように
上下にドライバーを振り分けることによって、ドライバ
ー側からみた信号線電極のピッチを広くできドライバー
の実装を容易にすることができる。また、上記のように
信号線電極を振り分けることにより、簡単に奇数と偶数
の信号線電極を相互に異なる極性の駆動電圧を供給する
構成を取ることができる。
タイミングコンバータTCON3は、上記のように振り分
けられた上側と下側のドレインドライバーに対応して2
つの信号バスにより上側データと出力側データが転送さ
れる。クロックパルスCL2UとCL2Lは、上記信号バスによ
り12ビットの単位でシリアルにデータを入力するために
用いられる。すなわち、上側のドレインドライバーと下
側のドレインドライバーとには上記クロックパルスCL2U
とCL2Lにそれぞれ同期して12ビットの単位で上側データ
と下側データがそれぞれシリアルに転送される。
クロックパルスCL1は、上記シリアルに転送された1
ライン分のデータをラッチするために用いられる。すな
わち、クロックパルスCL1は、1ライン分のデータ転送
が終了すると発生され、転送されたデータを保持し、そ
れに基づいて1ライン分の駆動電圧が形成され、ゲート
ドライバーにより選択された走査線電極に対応した1ラ
イン分の画素にパラレルに書き込まれる。
上記のような液晶画素への書き込みと並行して上記ク
ロックパルスCL2UとCL2Lとを用いて次のラインに対応し
たデータのシリアル取り込みが行われる。
電源安定化回路は、+5Vと−24Vのような2つの電圧
を受け、駆動電圧発生回路の動作に必要な+5Vと−20V
のような安定化電圧を発生させる。電源安定化回路は、
タイミングコンバータTCON3からの表示制御信号DISP/ON
を受けてその動作が有効にされる。
駆動電圧発生回路は、基本的には上記第6図に示すよ
うな回路から構成される。視角調整用の可変抵抗は、前
記電圧可変手段1を構成するものである。
この実施例では、上述のようにTFTパネルのドレイン
ドライバーが奇数番目の信号線電極と偶数番目の信号線
電極とに分けられ、しかも駆動電圧の極性が異なるよう
に構成されることに対応し、正及び負の2種類の駆動電
圧を同時に発生させるものである。タイミングコンバー
タTCON3により形成される交流化信号Mは、フレーム毎
にハイレベルとロウレベルに交互に変化する信号であ
り、液晶の交流駆動のための駆動電圧の極性を切り換え
を指示する。駆動電圧発生回路は、上記交流化信号Mを
受け、下側ドライバー用駆動電圧と上側ドライバー駆動
電圧の極性を交互に切り換えるようにする。第6図の基
本的な回路で説明すると、上記交流化信号Mは、スイッ
チSW1とSW2の交互の切り換えを制御するために用いられ
るものである。
第8図には、ドレインドライバーの要部一実施例のブ
ロック図が示されている。
同図のドレインドライバーは、下側のドレインドライ
バーにおける2つの信号線電極Y2、Y4に関連する回路が
例示的に示されている。なお、上側のドレインドライバ
ーも同様な回路から構成され、それに対応した信号線電
極は括弧により参考として表している。
8階調表示を行うために、1画素分のデータは3ビッ
トから構成される。それ故、12ビットからなるデータを
転送する信号バスは3ビットづつ分割される。データD0
〜D2は、信号線電極Y2に対応したラッチ回路(2)に取
り込まれる。データD3〜D5は、次の信号線電極Y4に対応
したラッチ回路(2)に取り込まれる。そして、残りの
データD6〜D8とデータD9〜D11は、図外の信号線電極Y6
とY8に対応したラッチ回路(2)それぞれ取り込まれ
る。これにより、12ビットの単位でシリアルに転送され
るカラー画素データは、クロックCL2Lの1サイクルによ
り4本分の信号線電極に対応したラッチ回路に取り込ま
れる。
例えば、TFTパネルの信号線電極がR、G及びBに対
応してそれぞれ640本からなる場合、下側のドレインド
ライバーは320×3本からなる偶数番目の信号線電極の
駆動するから、320×3/4=240(サイクル)により1ラ
イン分のデータを取り込むことになる。なお、上側のド
レインドライバーも320本からなる奇数番目の信号線電
極の駆動するから、320×3/4=240(サイクル)のよう
に上記下側ドライバート同じ時間内に1ライン分のデー
タを取り込む。
ラッチ回路(2)に上記1ライン分のカラーデータが
12ビットずつシリアルに入力されると、水平帰線期間に
おいてクロックパルスCL1によりパラレルにラッチ回路
(1)に転送される。上記のパラレル転送が終了する
と、ラッチ回路(2)は、次のラインに対応したカラー
データをシリアルに取り込む。ラッチ回路(1)に取り
込まれたカラーデータは、電圧セレクターに供給され
る。電圧セレクターは、上記3ビットからなるカラーデ
ータをデコードして、8階調に対応した駆動電圧V1ない
しV8の中から1つの駆動電圧に対応した選択信号を形成
する。これにより、カラーデータに対応した階調の駆動
電圧がスイッチを介して信号線電極に伝えられる。TFT
パネルにおいては、ゲートドライバーにより1つの走査
線電極が選択状態にされ、それに対応したTFTトランジ
スタがオン状態になっているので、このオン状態にされ
たTFTトランジスタを介して上記駆動電圧が画素電極に
書き込まれる。
上記のようにラッチ回路(1)や(2)及びデコーダ
回路は5Vと0Vにより動作する論理回路により構成され
る。これに対して、駆動電圧V1ないしV6を選択的に伝え
るスイッチをMOSFETにより構成したとき、MOSFETのゲー
ト電圧により上記電圧V1ないしV8をレベル損失なく伝え
るに必要がある。このため、電圧セレクターは、必要に
応じて上記のような5V系の論理レベルにより形成される
スイッチ制御信号を、上記電圧V1ないしV8を伝える必要
なMOSFETのゲート電圧レベルに変換するレベル変換機能
が付加される。
第9図には、この発明に係る多階調液晶表示装置にお
けるマザーボードの一実施例の回路図が示されている。
マザーボードには、上記タイミングコンバータTCON3を
構成する半導体集積回路装置LSIと、PLL用IC及び安定化
電源用のIC3と及びバイポーラ型トランジスタや抵抗素
子、ダイオード及びキャパシタといったようなディスク
リート部品とオプアンプを構成する複数からなるICが実
装される。
このマザーボードと、TFTパネルが取り付けられるド
ライバー基板とはフレキシブル配線基板FPCにより接続
される。端子PC、DU及びDLはこれらのフレキシブル配線
基板FPCが接続される端子であり、端子DUは上側のドレ
インドライバーに対応し、DLは下側のドレインドライバ
ーに対応している。
駆動電圧発生回路は、上記のようにバイポーラ型トラ
ンジスタや抵抗素子、ダイオード及びキャパシタといっ
たようなディスクリート部品とオペアンプ等のような複
数からなるICから構成される。
第10図には、上記駆動電圧発生回路の一実施例の回路
図が示されている。同図の回路は、上記第9図の中から
駆動電圧発生回路の部分のみが抜き出されたものに対応
している。
後に詳細に説明する安定化電源回路により形成される
+5V(Vcc)と−20V(VEE)とからなる動作電圧は、前
記第6図に示したハイレベル側の電圧VHとロウレベル側
の電圧VLとに対応している。両電圧間に直列に設けられ
た抵抗R8と抵抗R9は、−7.5Vのような中点電圧VNを形成
する。
中点電圧VNは、ボルテージフォロワ形態にされた演算
増幅回路IC4を介してノードbに伝えられる。演算増幅
回路IC4は、インピーダンス変換作用を行い、ノードb
の中点電圧VNが低出力インピーダンスの電圧源とされ
る。
正の電圧Vccにエミッタが接続されたPNPトランジスタ
T2と、エミッタが負の電圧VEEに接続されたNPNトランジ
スタT3は、前記第6図に示したスイッチSW1とSW2に対応
している。インバータ回路IC20とIC21、PNPトランジス
タT1とそのコレクタ抵抗とは上記トランジスタT2とT3を
交流化信号Mにしたがって相補的にスイッチング動作さ
せる制御信号を形成する。交流化信号Mは、インバータ
回路IC20の入力に供給され、その出力信号がトランジス
タT1のベースに伝えられる。インバータ回路IC20の出力
信号はインバータ回路IC21を介してトランジスタT2のベ
ースに供給される。これにより、トランジスタT1とT2と
は交流化信号Mに対して相補的にオン状態/オフ状態に
される。上記トランジスタT1のコレクタ出力信号は、ト
ランジスタT3のベースに伝えられる。
交流化信号Mがハイレベルのときには、インバータ回
路IC20の出力信号がロウレベルとなり、PNPトランジス
タT1をオン状態にする。これにより、そのコレクタに電
流が流れてNPNトランジスタT3をオン状態にする。上記
交流化信号Mのハイレベルに応じてインバータ回路IC20
の出力信号がロウレベルにされるからインバータ回路IC
21の出力信号はハイレベルにされる。これにより、PNP
トランジスタT2はオフ状態となる。上記トランジスタT3
がオン状態にされるときには、トランジスタT3を介して
ノードaには−20Vの負電圧VEEが伝えられる。
交流化信号Mがロウレベルのときには、インバータ回
路IC20の出力信号がハイレベルとなり、PNPトランジス
タT1をオフ状態にする。これにより、そのコレクタに電
流が流れないからNPNトランジスタT3をオフ状態にす
る。上記交流化信号Mのロウレベルに応じてインバータ
回路IC20の出力信号がハイレベルにされるからインバー
タ回路IC21の出力信号はロウレベルにされる。これによ
り、PNPトランジスタT2はオン状態となる。上記トラン
ジスタT2がオン状態にされるときには、トランジスタT2
を介してノードaには+5Vの正電圧Vccが伝えられる。
このようにノードaには、交流化信号Mのハイレベル
とロウレベルに応じて、ノードbの中点電圧VNを基準に
して正電圧Vccと負電圧VEEとが交互に切り換えらて伝え
られる。
この実施例では、特に制限されないが、上記ノードa
とノードbの間に、前記のように基準電圧VOFFと視角θ
に応じて変化させられる視角補正電圧VKを発生させる電
圧発生回路が設けられる。抵抗R13、R14及びR15と感温
素子としてのサーミスタRS1は、上記視角補正電圧VK
発生させる。すなわち、抵抗R14は固定抵抗と可変抵抗
とが直列形態に接続されてなり、上記可変抵抗を調整す
ることにより角度補正電圧VKを変化させる。この抵抗R
14には並列に抵抗R15とサーミスタRS1の直列回路が設け
られる。このサーミスタRS1は、第4図に示した特性図
から理解されるように温度の変化により基準電圧VOFF
変化することの他、直角三角形の斜辺により近似した輝
度の変化の傾き自体も変化する。このため、温度が高く
なるに応じてサーミスタRS1の抵抗値が小さくなるとい
う負特性を利用し、視角補正電圧VKを小さくするもので
ある。抵抗R14と抵抗R15及びサーミスタRS1からなる合
成抵抗値は、上記温度が高くなるに従いサーミスタRS1
の抵抗値が小さくなることに応じて小さくなる。これに
より、これらの合成抵抗値と抵抗R13との抵抗比により
形成される電圧が低下する。この分圧電圧はさらに上記
可変抵抗R14により分圧される。したがって、視角補正
電圧VKは温度の上昇とともに低下し、上記輝度の傾きを
大きくさせるように作用する。
なお、実際の回路では、視角補正電圧VKは省略でき
る。すなわち、第2階調に対応した駆動電圧V2を視角θ
に応じて変化させても前記第1図を用いて説明したと等
価の動作を行うことができる。そこで、この実施例では
電圧可変手段1としての上記抵抗R13ないしR15とサーミ
スタRS1からなる回路網により直接的に視角補正を行う
駆動電圧V2を形成するものである。このような理由によ
り上記可変抵抗R14の可変電圧端子からは直接的に第2
階調に対応した駆動電圧V2が形成されるものである。こ
の駆動電圧は、ボルテージフォロワ形態にされた演算増
幅回路IC2によりインピーダンス変換されて出力され
る。
抵抗R16、R17及びR18とサーミスタRS2は、上記基準電
圧VOFFを発生させる。すなわち、抵抗R17は固定抵抗と
調整抵抗とが直列形態に接続されてなり、液晶表示装置
の組立工程や検査工程において、調整抵抗を調整するこ
とによりTFTパネルや上記抵抗素子等のバラツキを補正
するように基準電圧VOFFを設定する。この調整用の抵抗
R17には並列に抵抗R18とサーミスタRS2の直列回路が設
けられる。このサーミスタRS2は、第4図に示した特性
図から明らかなように液晶の持つ温度依存性に対応して
基準電圧VOFFを自動的に補正するものである。すなわ
ち、温度が高くなるに応じてサーミスタRS2の抵抗値が
小さくなるという負特性を利用し、基準電圧VOFFを小さ
くするものである。抵抗R17と抵抗R18及びサーミスタR
S2からなる合成抵抗値は、上記温度が高くなるに従いサ
ーミスタRS2の抵抗値が小さくなることに応じて小さく
なる。これにより、これらの合成抵抗値と抵抗R16との
抵抗比により形成される電圧が低下する。この分圧電圧
はさらに上記調整抵抗R17により分圧される。したがっ
て、基準電圧VOFFは温度の上昇とともに低下し、第4図
に示したような温度補償を自動的に行うものとなる。こ
の基準電圧VOFFはボルテージフォロワ形態にされた演算
増幅回路IC3によりインピーダンス変換されて出力され
る。
視角補正電圧VKは上述のように駆動電圧V2に置き換え
ることができる。しかし、上記の基準電圧VOFFは、上記
前記第1図を用いて説明したように視角θの変化に対応
して構成されるところの2つ以上の直角三角形の基準と
なる電圧であるから中間階調の液晶駆動電圧を形成する
直列抵抗回路に現として存在しなければならない電圧で
あることに注意する必要がある。
上記演算増幅回路IC2とIC3の出力端子間には中間階調
電圧V3からV7を形成する直列抵抗R1ないしR6′が設け
られる。上記抵抗R1ないしR5は、第2図に示した抵抗R1
ないしR5に対応した互いに等しい抵抗値を持つ抵抗素子
とされる。これに対して、抵抗R6′は、第1図に示し
た抵抗R6とR7との合成抵抗値を持つようにされる。
上記演算増幅回路IC2の出力端子及び上記直列抵抗R1
ないしR6の相互接続点から出力される中間階調電圧V2
いしV7は、ボルテージフォロワ形態にされた演算増幅回
路IC10ないしIC5を介して、上側のドレインドライバー
に対応した液晶駆動電圧V2UないしV7Uとして出力され
る。
また、上記演算増幅回路IC2の出力端子及び上記直列
抵抗R1ないしR6の相互接続点から出力される中間階調電
圧V2ないしV7は、電圧利得が1にされた反転増幅回路IC
17ないしIC12を介して、下側のドレインドライバーに対
応した液晶駆動電圧V2LないしV7Lとして出力される。上
記反転増幅回路増幅回路IC17ないしIC12は、演算増幅回
路からなり、反転入力(−)に設けられる入力抵抗と、
反転入力(−)と出力端子の間に設けられる帰還抵抗及
び非反転入力(+)に上記中点電圧VNを供給する抵抗が
設けられることにより、それぞれの出力端子から入力さ
れる各中間階調電圧V2ないしV7に対してそれぞれ極性が
反転させられた液晶駆動電圧V2LないしV7Lを出力させる
ものである。
液晶の透過率100%(白レベル)に対応した駆動電圧V
8は、中点電圧VNが利用される。すなわち、演算増幅回
路IC4を通して得られるノードbの電圧がそのまま液晶
駆動電圧V8として上側及び下側のドレインドライバーに
共通に供給される。
液晶の透過率0%(黒レベル)に対応した駆動電圧V1
は、ノードaの+5V又は−20Vに切り換えられる電圧が
ツェナーダイオードZD1とZD2及びダイオードD1とD2から
なる双方向性のレベルシフト回路によりレベルシフトさ
れて形成される。すなわち、ノードaの電圧が+5Vのよ
うな正の電圧であるときには、ツェナーダイオードZD2
ダイオードD2がオン状態となり、そのツェナー電圧とダ
イオード順方向電圧によりレベルシフト量を決定する。
ノードaの電圧が−20Vのような負の電圧であるときに
は、ツェナーダイオードDZ1ダイオードD1がオン状態と
なり、そのツェナー電圧とダイオード順方向電圧により
レベルシフト量を決定する。このレベルシフト回路に直
列に設けられた抵抗R12は上記レベルシフト回路の動作
電流を流すものである。
上記レベルシフト回路によりレベルシフトされたノー
ドcの電圧は、上記同様にボルテージフォーワ形態の演
算増幅回路IC11を介して上側のドレインドライバーに供
給される液晶駆動電圧V1Uとして出力され、反転増幅回
路IC18を介して下側のドレインドライバーに供給される
液晶駆動電圧V1Lとして出力される。
上記レベルシフト回路は、次のような理由により設け
られる。第7図に示したゲートドライバーは、上記正の
電圧Vccと負の電圧VEEとを受けて選択レベルが+5とさ
れ、非選択レベルが−20Vとされるような出力信号を形
成する。すなわち、TFTトランジスタのゲートには上記
のような+5V又は−20Vが印加されることになる。上記
のようなレベルシフト回路を設けることにより、TFTド
レイン(又はソース)が結合される信号線電極に与えら
れる最大電圧+V1と最小電圧−V1は、上記のようなレベ
ルシフト回路により設定されたレベルシフト量により中
点電圧VNを基準にして正負対称的に決められる。
このレベルシフト量をTFTトランジスタの持つしきい
値電圧より大きく設定することにより、TFTトランジス
タがオン状態になったときに信号線電極の駆動電圧がレ
ベル損失なく選択された画素電極に伝えるようにするこ
とができる。
抵抗R10とR11及び調整抵抗からなる直列回路は、ボル
テージフォロワ形態にされた演算増幅回路IC1に入力さ
れる。この演算増幅回路IC1は、液晶パネルの共通電極
に供給するコモン電圧Vcomを形成する。すなわち、TFT
トランジスタを介して設けられる画素電極は、上記共通
電極と等価的にキャパシタを構成し、TFTがオン状態の
ときに伝えられた駆動電圧が上記共通電極側のコモン電
comを基準にして加えられ、TFTがオフ状態にされると
その駆動電圧を保持するものとなる。なお、この演算増
幅回路IC1や前記演算増幅回路IC4のように他の演算増幅
回路も全てVccとVEEとを受けて動作するものである。こ
のような動作電圧を用いることにより、中点電圧VNを基
準にして正と負に切り換えられる液晶駆動電圧V1U〜V7U
及びV1L〜V7Lを形成することができる。
第11図には、上記駆動電圧発生回路の他の一実施例の
回路図が示されている。
この実施例では、上側のドレインドライバー用と下側
のドレインドライバーにそれぞれ対応して分圧抵抗回路
R1〜R5とR1′とR5′とが設けられる。そして、上側
のドレインドライバーに供給される駆動電圧V1U〜V7U
下側のドレインドライバーに供給される駆動電圧V1L〜V
7Lの極性を第10図の実施例と同様に逆に設定するため、
下側のドレインドライバーに供給される駆動電圧を形成
する分圧抵抗回路R1′〜R5′には、逆極性の電圧が
与えられる。すなわち、反転増幅回路として動作する演
算増幅回路IC2′は、上記ノードbの電位を基準にして
抵抗R13、R14及びR15と感温素子としてのサーミスタRS1
からなる前記視角補正電圧発生回路により形成された補
正電圧VK(実際には前述のように第2階調に対応した駆
動電圧V2U)の極性を反転させた電圧を形成し、分圧抵
抗R1′側に供給する。これにより、演算増幅回路IC2
とIC2′は互いに逆極性の視角補正電圧を出力する。ま
た、反転増幅回路として動作する演算増幅回路IC
3′は、上記ノードbの電位を基準にして抵抗R16、R17
及びR18と感温素子としてのサーミスタRS2からなる前記
基準電圧発生回路により形成された基準電圧VOFFの極性
を反転させた電圧を形成し、分圧抵抗R5′側に供給す
る。これにより、演算増幅回路IC3とIC3′は互いに逆
極性の基準電圧を出力する。したがって、分圧抵抗回路
R1〜R5とR4′〜R5′のそれぞれの相互接続点からは
互いに逆極性にされた駆動電圧V1U〜V7UとV1L〜V7Lを形
成することができる。それ故、この実施例では、上側の
ドレインドライバーに対応した演算増幅回路IC5〜IC10
と同様に下側のドレインドライバーに対応した演算増幅
回路IC12〜IC17もボルテージフォロワ形態にされる。た
だし、駆動電圧V1Lは、分圧抵抗回路ではなく、前記の
ようにレベルシフト回路により形成されるものであるた
め、反転増幅回路として動作する演算増幅回路回路IC18
により形成される。
この構成においては、下側のドレインドライバーに対
応した駆動電圧V2L〜V7Lを形成するために演算増幅回路
を抵抗素子が不必要なボルテージフォロワ形態にできる
から、分圧抵抗回路R1′〜R5′が新たに必要になる
ことを考慮しても、駆動電圧発生回路を構成する全体と
しての素子数を低減できるものとなる。
上記の構成以外の残りの回路部分については、第10図
に示した実施例回路と同様であるので、その説明を省略
するものである。
第12図には、上記TFTパネルの動作の一例を説明する
ための駆動波形図が示されている。上側には上側ドレイ
ンドライバーに対応した波形が示され、下側には下側ド
レインドライバーに対応した波形が示されている。
ゲートドライバーにより出力されるゲート駆動波形
は、VEE=−20Vの低電圧が非選択レベルとされ、Vcc=
+5Vの高電圧が選択レベルとされる。
上記高電圧Vccと低電圧VEEとの中点電圧VN(−7.5V)
を中点電位として、液晶を交流駆動する正の電圧V1〜V7
と負の電圧V1〜V7が形成される。駆動電圧V8は中点電圧
VNと等しく設定される。同図においては、多階調表示の
ための中間電圧は、V2とV7とが例示的に示されており、
両電圧V2とV7間が等分されて残りの中間電圧電圧V3〜V6
が形成される。このような中間階調電圧V2とV7に対して
黒レベルに対応した電圧V1と白レベルに対応した電圧V8
とは比較的大きなマージンを持って設定されるものであ
る。
上側ドライバーの出力電圧の極性と下側ドライバーの
出力電圧の極性とは同図のように逆極性とされる。例え
ば、同図に示すように最初のフレームでは上側ドライバ
ーからは負極性の駆動電圧が出力され、下側ドライバー
からは正極性の駆動電圧が出力される。次のフレームで
は上側ドライバーからは正極性の駆動電圧が出力され、
下側ドライバーからは負極性の駆動電圧が出力される。
このような極性の切り換えは、同図では省略されている
が、前記の交流化信号Mのハイレベルとロウレベルによ
り行われる。
第13図には、電源安定化回路の一実施例の回路図が示
されている。同図の回路は、第9図に示されたマザーボ
ードの回路図の中から電源安定化回路の部分の抜き出し
たものである。
制御信号DISP ONは、タイミングコンバータTCON3によ
り発生され、液晶の表示動作の開始を指示する信号であ
る。すなわち、電源投入直後においてタイミングコンバ
ータTCON3が正常に動作を開始する前に、液晶駆動電圧
発生回路に不安定な電圧を供給すると、無意味な駆動電
圧が液晶に加えられることによって目障りな表示を行っ
てしまうことを防止するものである。
すなわち、制御信号DISP ONがロウレベルのときに
は、インバータ回路IC22の出力信号がハイレベルとな
り、PNPトランジスタT4をオフ状態にする。これによ
り、−24Vのような負の高電圧を伝えるダーリン接続さ
れたPNPトランジスタT6とT7をオフ状態にする。これに
より、PNPトランジスタT5がオン状態となり、トランジ
スタT7及びT6をオフ状態にする。これらのトランジスタ
T7とT6のオフ状態により、安定化電源用IC3に動作電圧
が供給されないから−20Vのような安定化電圧が出力さ
れない。
制御信号DISP ONがハイレベルのときには、インバー
タ回路IC22の出力信号がロウレベルとなり、PNPトラン
ジスタT4をオン状態にする。これにより、トランジスタ
T4のコレクタ電位がVccに近いハイレベルとなり、トラ
ンジスタT5をオフ状態にする。したがって、−24Vのよ
うな負の高電圧を伝えるダーリン接続されたPNPトラン
ジスタT7のベースには−24Vが供給されて、これらのト
ランジスタT7及びT6をオン状態にする。これらのトラン
ジスタT7とT6のオン状態により、安定化電源用IC3に低
電位側の動作電圧が供給され、−20Vのような安定化電
圧VEEが形成される。
なお、この実施例の電源安定化回路では、+5Vのよう
な正の電圧Vccが供給される前に−24Vのような負電圧が
供給されると、接地電位がダイオードD4を通してトラン
ジスタT5のエミッタに供給されるから、このトランジス
タT5がオン状態となり、上記トランジスタT7及びT6をオ
フ状態にするものである。これにより、上記−24Vのよ
うな負電圧が先に電源安定化用のIC3に供給されるのを
防止している。
第14図には、この発明に係る多階調液晶表示装置の一
実施例の背面実装図が示されている。
同図は、多階調液晶表示装置を裏面図が示されてい
る。特に制限されないが、図示しないTFTパネルの上下
及び左側面に対応して逆コの字状にされたドライバー基
板には、タブ(TAB)が設けられ、上下のタブにはドレ
インドライバーを構成する半導体集積回路装置が実装さ
れ、同図の左側のタブにはゲートドライバーを構成する
半導体集積回路装置が実装される。
上記のタブはそれに実装されたドレインドライバーや
ゲートドライバーといった半導体集積回路装置の出力端
子をTFTパネルの対応する信号線電極及び走査線電極に
それぞれ接続される配線パターンが設けられる。これよ
り、上記のようなタブ及び半導体集積回路装置が実装さ
れたドライバー基板とTFTパネルとは略同一平面を構成
するように薄型に組立られる。
従来の単階調を基本とする液晶表示装置では、駆動電
圧が白と黒の2値電圧で済むこと等によりマザーボード
が比較的小さくできる。これにより、従来の単階調を基
本とする液晶表示装置においては、上記ドライバー基板
と同様にTFTパネルと略同一平面を形ち作るよう配置さ
れるものである。
しかしながら、この実施例のような多階調の液晶表示
装置では、多階調に応じた多数の駆動電圧等を発生させ
るために、第9図に示すように多数の半導体集積回路装
置やディスクリート部品を実装する。このため、これら
の電子部品が実装されるマザーボードは従来に比べて大
型化することは必須となる。このような大型のマザーボ
ードを上記ドライバー基板のようにTFTパネルと略同一
平面上に置くようにしたのでは、液晶表示装置の全体の
構成が、表示画面を中心にしてその枠となる部分が大き
くなるとともに左右若しくは上下が非対称となってしま
うという問題が生じる。
このため、この実施例では上記マザーボードとドライ
バー基板との間をフレキシブル配線基板FPCにより接続
し、マザーボードをTFTパネルの裏面側に置くようにす
るものである。すなわち、上記TFTパネルとマザーボー
ドとはバックライト板を挟むように重合わされて構成さ
れる。
第15図には、この発明に係る多階調液晶表示装置の他
の一実施例の正面図が示されている。
同図においては、その構造の理解を容易にするためフ
レキシブル配線部分が展開して描かれている。この実施
例においても、TFT(LCD)パネルの上下及び左側面に対
応して左右逆コの字状にされたドライバー基板には、タ
ブ(TAB)が設けられ、上下のタブにはドレインドライ
バーを構成する半導体集積回路装置が実装され、同図の
左側のタブにはゲートドライバーを構成する半導体集積
回路装置が実装される。上記のタブはそれに実装された
ドレインドライバーやゲートドライバーといった半導体
集積回路装置の出力端子をTFTパネルの対応する信号線
電極及び走査線電極にそれぞれ接続される配線パターン
が設けられる。これより、上記のようなタブ及び半導体
集積回路装置が実装されたドライバー基板とTFTパネル
とは略同一平面を構成するように薄型に組立られる。ま
た、上記ドライバー基板と背面側に配置されるマザーボ
ードとを接続するフレキシブル配線FPCは、ドライバー
基板の右側に上下2つ設けられる。
第16図には、この発明に係る多階調液晶表示装置の他
の一実施例の側面図が示されている。同図の側面図は、
第15図に示した正面図に対応している。この実施例のよ
うにバックライトを挟んで正面側にはTFTパネル及びド
ライバー基板が、背面側にはマザーボードが設けられ
る。そして、両者はフレキシブル配線FPCにより接続さ
れる。この場合、マザーボードとフレキシルブ配線FPC
とはコネクタにより接続される。このようなバックライ
トを挟むようにしたサンドイッチ構成は、第14図に示し
た多階調液晶表示装置においても同様である。すなわ
ち、第14図の実施例ではフレキシブル配線FPCの取付方
法が若干異なるだけである。
第17図には、この発明に係る多階調液晶表示装置の他
の一実施例の背面図が示されている。同図の背面図は、
第15図に示した正面図に対応している。この実施例にお
いても、同図に示すようにマザーボードは、TFTパネル
及びドライバー基板に対して完全に重ね合うように設け
られる。すなわち、ドライバーボードとマザーボードと
は図示しないバックライトを挟むようにして重ね合わさ
れるようにされる。したがって、マザーボードは、上記
のような多階調駆動用の電圧発生回路を実装させるため
にそのサイズが大型化されても正面側からみた液晶表示
装置の全体の大きさの増大を防ぐことができる。
次に、この発明に係る多階調液晶表示装置に用いられ
るTFTパネル(LCDパネル)について詳細に説明する。
第18A図には、発明が適用されるアクティブ・マトリ
ックス方式カラー液晶表示装置の1画素とその周辺部の
一実施例の平面図が示されている。第18B図には、第18A
図のII B−II B切断線における一実施例の断面と表示パ
ネルのシール部分付近の断面図が示されている。第18C
図には、第18A図のII C−II C切断線における一実施例
の断面図が示されている。また、第19図(要部平面図)
には、第18A図に示す画素を複数配置したときの一実施
例の平面図が示さている。
(画素配置) 第18A図に示すように、各画素は隣接する2本の操作
信号線(ゲート信号線又は水平信号線)GLと、隣接する
2本の映像信号線(ドレイン信号線又は垂直信号線)DL
との交差領域内(4本の信号線で囲まれた領域内)に配
置されている。各画素は薄膜トランジスタTFT、画素電
極ITO1及び付加容量Caddを含む。走査信号線GLは、列方
向に延在し、行方向に複数本配置されている。映像信号
線DLは、行方向に延在し、列方向に複数本配置されてい
る。
(パネル断面全体構造) 第18B図に示すように、液晶層LCを基準に下部透明ガ
ラス基板SUB1側には薄膜トランジスタTFT及び透明画素
電極ITO1が形成され、上部透明ガラス基板SUB2側には、
カラーフィルタFIL、遮光用ブラックマトリックスパタ
ーンBMが形成されている。下部透明ガラス基板SUB1側
は、例えば1.1(mm)程度の厚さで構成されている。
第18B図の中央部は一画素部分の断面を示している
が、左側は透明ガラス基板SUB1及びSUB2の左側縁部分で
外部引出配線の存在する部分の断面を示している。右側
は、透明ガラス基板SUB1及びSUB2の右側縁部分で外部引
出配線の存在しない部分の断面を示している。
第18B図の左側、右側のそれぞれに示すシール材SL
は、液晶LCを封止するように構成されており、液晶封入
口(図示していない)を除く透明ガラス基板SUB1及びSU
B2の縁周囲全体に沿って形成されている。シール材SL
は、例えば、エポキシ樹脂で形成されている。
前記上部透明ガラス基板SUB2側の共通透明画素電極IT
O2は、少なくとも一個所において、銀ペースト材SILに
よって、下部透明ガラス基板SUB1側に形成された外部引
出配線に接続されている。この外部引出配線は、前述し
たゲート電極GT、ソース電極SD1、ドレイン電極SD2のそ
れぞれと同一製造工程で形成される。
配向膜ORI1及びORI2、透明画素電極ITO1、共通透明画
素電極ITO2、保護膜PSV1及びPSV2、絶縁膜G1のそれぞれ
の層は、シール材SLの内側に形成される。偏光板POL1と
POL2は、下側透明ガラス基板SUB1、上側透明ガラス基板
SUB2のそれぞれの外側の表面に形成されている。
液晶LCは、液晶分子の向きを設定する下部配向膜ORI1
及び上部配向膜ORI2の間に封入され、シール部SLによっ
てシールされている。
下部配向膜ORI1は、下部透明ガラス基板SUB1側の保護
膜PSV1の上部に形成される。
上部透明ガラス基板SUB2の内側(液晶側)の表面に
は、遮光膜BM、カラーフィルタFIL、保護膜PSV2、共通
透明画素電極(COM)ITO2及び上部配向膜ORI2が順次積
層して設けられている。
この液晶表示装置は、下部透明ガラス基板SUB1側、上
部透明ガラス基板SUB2側のそれぞれの層を別々に形成
し、その後、上下透明ガラス基板SUB1とSUB2を重ね合わ
せ、両者間に液晶LCを封入することによって組み立てら
れる。
(薄膜トランジスタTFT) 薄膜トランジスタTFTは、ゲート電極GTに正のバイア
スを印加すると、ソース−ドレイン間のチャンネル抵抗
値が小さくなり、バイアスを零にすると、チャンネル抵
抗値が大きくなるように動作する。
各画素の薄膜トランジスタTFTは、画素内において2
つ(複数)に分割され、薄膜トランジスタ(分割薄膜ト
ランジタ)TFT1及びTFT2で構成されている。薄膜トラン
ジスタTFT1,TFT2のそれぞれは、実質的に同一サイズ
(チャンネル長と幅が同じ)で構成されている。この分
割された薄膜トランジスタTFT1,TFT2のそれぞれは、主
にゲート電極GT、ゲート絶縁膜GI、i型(真性、intrin
sic、導電型決定不純物がドープされていない)非晶質S
i半導体層AS、一対のソース電極SD1及びドレイン電極SD
2で構成されている。なお、ソース・ドレインは本来そ
の間のバイアス極性によって決まり、本表示装置の回路
ではその極性は動作中反転するので、ソース・ドレイン
は動作中入れ替わると理解されたい。しかし以下の説明
でも、便宜上一方をソース、他方をドレインと固定して
表現する。
(ゲート電極GT) ゲート電極GTは、第20図(第18A図の層g1、g2及びAS
のみを描いた平面図)に詳細に示すように、走査信号線
GLから垂直方向(第2A図及び第4図において上方向)に
突出する形状で構成されている(T字形状に分岐されて
いる)。ゲート電極GTは、薄膜トランジスタTFT1,TFT2
のそれぞれの形成領域まで突出するように構成されてい
る。薄膜トランジスタTFT1,TFT2のそれぞれのゲート電
極GTは、一体に(共通ゲート電極として)構成されてお
り、走査信号線GLに連続して形成されている。ゲート電
極GTは、薄膜トランジスタTFTの形成領域において大き
い段差を作らないように、単層の第1導電膜g1で構成さ
れる。第1導電膜g1は、例えばスパッタで形成されたク
ロム(Cr)膜を用い、1000(Å)程度の薄膜で構成され
る。
このゲート電極GTは、第18A図、第18B図及び第20図に
示されているように、半導体層ASを完全に覆うよう(下
方からみて)それより大き目に形成される。従って、基
板SUB1の下方に蛍光灯等のバックライトBLを取付けた場
合、この不透明のCrゲート電極GTが影となって、半導体
層ASにはバックライト光が当たらず、光照射による導電
現象すなわちTFTのオフ特性劣化は起きにくくなる。な
お、ゲート電極GTの本来の大きさは、ソース・ドレイン
電極SD1とSD2間をまたがるに最低限必要な(ゲート電極
とソース・ドレイン電極の位置合わせ余裕分も含めて)
幅を持ち、チャンネル幅Wを決めるその奥行き長さはソ
ース・ドレイン電極間の距離(チャンネル長)Lとの
比、すなわち相互コンダクタンスgmを決定するファクタ
W/Lをいくつにするかによって決められる。
本実施例におけるゲート電極の大きさは勿論、上述し
た本来の大きさよりも大きくされる。
ゲート電極GTのゲート及び遮光の機能面からだけで考
えれば、ゲート電極GT及びその配線GLは単一の層で一体
に形成しても良く、その場合不透明導体材料としてSiを
含有させたAl、純Al及びPdを含有させたAl等を選ぶこと
ができる。
(走査信号線GL) 前記走査信号線GLは、第1導電膜g1及びその上部に設
けられた第2導電膜g2からなる複合膜で構成されてい
る。この走査信号線GLの第1導電膜g1は、前記ゲート電
極GTの第1導電膜g1と同一製造工程で形成され、かつ一
体に構成されている。第2導電膜g2は、例えば、スパッ
タで形成されたアルミニュウム(Al)膜を用い、2000〜
4000(Å)程度の膜厚で形成する。第2導電膜g2は、走
査信号線GLの抵抗値を低減し、信号伝達速度の高速化
(画素の情報の書き込み特性向上)を図ることができる
ように構成されている。
また、走査信号線GLは、第1導電膜g1の幅寸法に比べ
て第2導電膜g2の幅寸法を小さく構成している。すなわ
ち、走査信号線GLは、その側壁の段差形状がゆるやかに
なっている。
(ゲート絶縁膜GI) 絶縁膜GIは、薄膜トランジスタTFT1,TFT2のそれぞれ
のゲート絶縁膜として使用される。絶縁膜GIは、ゲート
電極GT及び走査信号線GLの上層に形成されている。絶縁
膜GIは、例1ば、プラズマCVDで形成された窒化珪素膜
を用い、3000(Å)程度の膜厚に形成される。
(半導体層AS) i型半導体層ASは、第20図に示すように、複数に分割
された薄膜トランジスタTFT1,TFT2のそれぞれのチャン
ネル形成領域として使用される。i型半導体層ASは、ア
モーファスシリコン膜又は多結晶シリコン膜で形成さ
れ、約1800(Å)程度の膜厚に形成される。
このi型半導体層ASは、供給ガスの成分を変えてSi3N
4ゲート絶縁膜GIの形成に連続して、同じプラズマCVD装
置で、しかもその装置から外部に露出することなく形成
される。また、オーミックコンタクト用のPをドープし
たN+層d0(第18B図)も同様に連続して約400(Å)の厚
さに形成される。しかる後下側基板SUB1はCVD装置から
外に取り出され、写真処理技術により、N+層d0及びi層
ASは第18A図、第18B図及び第20図に示すように独立した
島にパターニングされる。
i型半導体層ASは、第18A図及び第20図に詳細に示す
ように、走査信号線GLと映像信号線DLとの交差部(クロ
スオーバ部)の両者間にも設けられている。この交差部
i型半導体層ASは、交差部における走査信号線GLと映像
信号線DLとの短絡を低減するように構成されている。
(ソース・ドレイン電極SD1,SD2) 複数に分割された薄膜トランジスタTFT,TFT2のそれぞ
れのソース電極SD1とドレイン電極SD2とは、第18A図、
第18B図及び第21図(第18A図の層d1〜d3のみを描いた平
面図)で詳細に示すように、半導体層AS上にそれぞれ離
隔して設けられている。
ソース電極SD1、ドレイン電極SD2のそれぞれは、N+
半導体層d0に接触する下層側から、第1導電膜d1、第2
導電膜d2、第3導電膜d3を順次重合わせて構成されてい
る。ソース電極SD1の第1導電膜d1、第2導電膜d2及び
第3導電膜d3は、ドレイン電極SD2のそれぞれと同一製
造工程で形成される。
第1導電膜d1は、スパッタで形成したクロム膜を用
い、500〜1000(Å)の膜厚〔本実施例では600(Å)程
度の膜厚〕により形成される。クロム膜は、膜厚を厚く
形成するとストレスが大きくなるので、2000(Å)程度
を膜厚を越えない範囲に形成される。クロム膜は、N+
半導体層d0との接触が良好である。クロム膜は、後述す
る第2導電膜d2のアルミニュウムがN+型半導体層d0に拡
散することを防止するという、所謂バリア層を構成す
る。第1導電膜d1としては、上記のようなクロム膜の他
に高融点金属(Mo、Ti、Ta、W)膜、高融点金属シリサ
イド(MoSi2、TiSi2、TaSi2、WSi2)膜で形成してもよ
い。
第1導電膜d1を写真処理でパターニングした後、同じ
写真処理用マスクで、或いは第1導電膜d1をマスクとし
てN+層d0が除去される。つまり、i層AS上に残っていた
N+層d0は第1導電膜d1以外の部分がセルフアラインで除
去される。このとき、N+層d0はその厚さ分は全て除去さ
れるようエッチされるので、i層ASも若干その表面部分
でエッチされるが、その程度はエッチ時間で制御すれば
よい。
しかる後第2導電膜d2が、アルミニュウムのスパッタ
リングで3000〜4000(Å)膜の厚(本実施例では3000
(Å)程度の膜厚)に形成される。アルミニュウム層
は、クロム層に比べてストレスが小さく、厚い膜厚に形
成することが可能で、ソース電極SD1、ドレイン電極SD2
及び映像信号線DLの抵抗値を低減するように構成されて
いる。第2導電膜d2は、アルミニュウム膜の他にシリコ
ン(Si)や銅(Cu)を添加物として含有させたアルミニ
ュウム膜で形成されてもよい。
第2導電膜d2の写真処理技術によるパターニング後第
3導電膜d3が形成される。この第3導電膜d3は、スパッ
タリングで形成された透明導電膜(Induim−Tin−Oxide
ITO;ネサ膜)から成り、1000〜2000(Å)の膜厚〔本
実施例では1200(Å)程度の膜厚〕で形成される。この
第3導電膜d3は、ソース電極SD1、ドレイン電極SD2及び
映像信号線DLを構成すると共に、透明画素電極ITO1を構
成するようになっている。
ソース電極SD1の第1導電膜d1、ドレイン電極SD2の第
1導電膜d1のそれぞれは、上層の第2導電膜d2及び第3
導電膜d3に比べて内側に(チャンネル領域内に)大きく
入り込んでいる。つまり、これらの部分における第1導
電膜d1は、層d2,d3とは無関係に薄膜トランジスタTFTの
ゲート長Lを規定できるように構成されている。
ソース電極SD1は、前記のように、透明画素電極ITO1
に接続されている。ソース電極SD1は、i型半導体層AS
の段差形状(第1導電膜d1の膜厚、N+層d0の膜厚及びi
型半導体層ASの膜厚とを加算した膜厚に相当する段差)
に沿って構成されている。具体的には、ソース電極SD1
は、i型半導体層ASの段差形状に沿って形成された第1
導電膜d1と、この第1導電膜d1の上部にそれに比べて透
明画素電極ITO1と接続される側を小さいサイズで形成し
た第2導電膜d2と、この第2導電膜から露出する第1導
電膜d1に接続された第3導電膜d3とで構成されている。
ソース電極SD1の第2導電膜d2は、第1導電膜d1のクロ
ム膜がストレスの増大から厚く形成せず、i型半導体層
ASの段差形状を乗り越えられないので、このi型半導体
層ASを乗り越えるために構成されている。つまり、第2
導電膜d2は、厚く形成することでステップカバレッジを
向上している。第2導電膜d2は、厚く形成できるので、
ソース電極SD1の抵抗値(ドレイン電極SD2や映像信号線
DLについても同様)の低減に大きく寄与している。第3
導電膜d3、第2導電膜d2のi型半導体層ASに起因する段
差形状を乗り越えることができないので、第2導電膜d2
のサイズを小さくすることで露出する第1導電膜d1に接
続するように構成されている。第1導電膜d1と第3導電
膜d3とは、接着性が良好であるばかりか、両者間の接続
部の段差形状が小さいので、確実に接続することができ
る。
(画素電極ITO1) 前記透明画素電極ITO1は、各画素毎に設けられてお
り、液晶表示部の画素電極の一方を構成する。透明画素
電極ITO1は、画素の複数に分割された薄膜トランジスタ
TFT,TFT2のそれぞれに対応して2つの透明画素電極(分
割透明画素電極)E1,E2に分割されている。透明画素電
極E1,E2は、それぞれ薄膜トランジスタTFTのソース電極
SD1に接続されている。
透明画素電極E1,E2のそれぞれは、実質的に同一面積
となるようにパターニングされている。
このように、1画素の薄膜トランジスタTFTを複数の
薄膜トランジスタTFT1,TFT2に分割し、この複数に分割
された薄膜トランジスタTFT,TFT2のそれぞれに複数に分
割された透明電極E1,E2のそれぞれを接続することによ
り、分割された一部分(例えば、TFT1)が点欠陥になっ
ても、画素全体でみれば点欠陥でなくなる(FTF2が欠陥
でない)ので、点欠陥の確率を低減することができる。
また欠陥を見にくくすることができる。
また、前記画素の分割された透明画素電極E1,E2のそ
れぞれを実質的に同一面積で構成することにより、透明
画素電極E1,E2のそれぞれと共通透明画素電極ITO2とで
構成されるそれぞれの液晶容量(Cpx)を均一にするこ
とができる。
(保護膜PSV1) 薄膜トランジスタTFT及び透明画素電極ITO1上には、
保護膜PSV1が設けられている。保護膜PSV1は、主に、薄
膜トランジスタTFTを湿気等から保護するために形成さ
れており、透明性が高くしかも耐湿性の良いものを使用
する。保護膜PSV1は、例えば、プラズマCVDで形成され
た酸化珪素膜や窒化珪素膜で形成されており、8000
(Å)程度の膜厚を持つように形成される。
(遮光膜BM) 上部基板SUB2側には、外部光(第18B図では上方から
の光)がチャンネル形成領域として使用されるi型半導
体層ASに入射されないように、遮光膜BMが設けられ、第
22図のハッチングに示すようなパターンとさされてい
る。なお、第22図は、第18A図におけるITO膜、層d3、フ
ィルタ層FIL及び遮光膜BMのみを描いた平面図である。
遮光膜BMは、光に対する遮蔽性が高い、例えばアルミニ
ュウム膜やクロム膜で形成されており、本実施例ではク
ロム膜がスパッタリングにより、1300(Å)程度の膜厚
に形成される。
したがって、TFT1,2の共通半導体層ASは、上下にある
遮光膜BM及び大き目のゲート電極GTによってサンドイッ
チにされ、その部分には外部の自然光やバックライト光
が当たらなくなる。遮光膜BMは、第22図のハッチング部
分で示すように、画素の周囲に形成される。つまり、遮
光膜BMは、格子状に形成され(ブラックマトリック
ス)、この格子で1画素の有効表示領域が仕切られてい
る。したがって、格画素の輪郭が遮光膜BMによってはっ
きりとしコントラストが向上する。つまり、遮光膜BM
は、半導体層ASに対する遮光とブラックマトリックスと
の2つの機能を持つ。
なお、バックライトをSUB2側に取り付け、SUB1を観察
側(外部露出側)とすることもできる。
(共通電極ITO2) 共通透明画素電極ITOは、下部透明ガラス基板SUB1側
に画素毎に設けられた透明画素電極ITO1に対向し、液晶
の光学的な状態は格画素電極ITO1と共通画素電極ITO2間
の電位差(電界)に応答して変化する。この共通透明画
素電極ITO2には、コモン電圧Vcomが印加されるように構
成されている。コモン電圧Vcomは、映像信号線DLに印加
されるロウレベルの駆動電圧Vdminとハイレベルの駆動
電圧Vdmaxとの中間電位である。
(カラーフィルタFIL) カラーフィルタFILは、アクリル樹脂等の樹脂材料で
形成される染色基材に染料を着色して構成されている。
カラーフィルタFILは、画素に対向する位置に各画素毎
にドット状に形成され(第23図)、染め分けられている
(第23図は第19図の第3導電膜d3、ブラックマトリック
ス層BM及びカラーフィルタ層FILのみを描いたもので、
R,G,Bの各フィルタはそれぞれ、45゜、135゜、クロスの
ハッチを施してある)。
カラーフィルタFILは、第22図に示すように画素電極I
TO1(E1,E2)の全てを覆うように大き目に形成され、遮
光膜BMはカラーフィルタFIL及び画素電極ITO1のエッジ
部分と重なるよう画素電極ITO1の周縁部より内側に形成
されている。
カラーフィルタFILは、次のように形成することがで
きる。まず、上部透明ガラス基板SUB2の表面に染色基材
を形成し、フォトリソグラフィ技術で赤色フィルタ形成
領域以外の染色基材を除去する。この後、染色基材を赤
色染料で染め、固着処理を施し、赤色フィルタRを形成
する。次に、同様な工程を施すことによって、緑色フィ
ルタG、青色フィルタBを順次形成する。
保護膜PSV2は、前記カラーフィルタFILを異なる色に
染め分けた染料が液晶LCに漏れることを防止するために
設けられている。保護膜PSV2は、例えばアクリル樹脂、
エポキシ樹脂等の透明樹脂材料で形成されている。
(表示パネル全体等価回路) 表示マトリックス部の等価回路とその周辺回路の結線
図を第24図に示す。同図は回路図であるが、実際の幾何
学的配置に対応して描かれている。ARは複数画素の二次
元状に配列したマトリックス・アレイである。
図中、Xは映像信号線DLを意味し、添字G、B及びR
がそれぞれ緑、青及び赤画素に対応して付加されてい
る。Yは走査信号線GLを意味し、添字1、2、3・・・
・endは走査タイミングの順序に従って付加されてい
る。
映像信号線X(添字省略)は、交互に上側(又は奇
数)映像信号駆動回路He及び下側(又は偶数)映像信号
駆動回路Hoに接続されている。
SUPは1つの電圧源から複数の分圧した安定化された
電圧源を得るための電源回路やホスト(上位演算処理装
置)からのCRT(陰極線管)用の情報をTFT液晶表示パネ
ル用の情報に変換する回路を含む回路である。
(付加容量Caddの構造) 透明画素電極E1,E2のそれぞれは、薄膜トランジスタT
FTと接続される端部と反対側の端部において、隣りの走
査信号線GLと重なるように形成されている。この重ね合
わせは、第18C図からも明らかなように、透明画素電極E
1,E2のそれぞれを一方の電極PL1とし、隣りの走査信号
線GLを他方の電極PL2とする保護容量素子(静電容量素
子)Caddを構成する。この保護容量素子Caddの誘電体膜
は、薄膜トランジスタTFTのゲート絶縁膜として使用さ
れる絶縁膜GIと同一層で構成されている。
保持容量Caddは、第20図からも明らかなように、ゲー
ト線GLの一層目g1の幅を広げた部分に形成されている。
なお、ドレイン線DLと交差する部分の層g1は、ドレイン
線との短絡の確率を小さくするため細くされている。
保持容量Caddを構成するために重ね合わされる透明画
素電極E1,E2のそれぞれと容量電極線(g1)との間の一
部は、前記ソース電極SD1と同様に、段差形状を乗り越
える際に透明画素電極ITO1が断線しないように、第1導
電膜d1及び第2導電膜d2が構成された島領域が設けられ
ている。この島領域は、透明画素電極ITO1の面積(開口
率)を低下しないように、できる限り小さく構成する。
(付加容量Caddの等価回路とその動作) 第18A図に示される画素の等価回路を第25図に示す。
第25図において、Cgsは薄膜トランジスタTFTのゲート電
極GT及びソース電極SD1間に形成される寄生容量であ
る。寄生容量Cgsの誘電体膜は絶縁膜GIである。Cpixは
透明画素電極ITO1(PIX)及び共通透明画素電極ITO2(C
OM)間で形成される液晶容量である。液晶容量Cpixの誘
電体膜は液晶LC、保護膜PSV1及び配向膜ORI1,ORI2であ
る。V1cは中点電位である。
前記保持容量素子Caddは、TFTがスイッチングすると
き、中点電位(画素電極電位)V1cに対するゲート電位
変化ΔVgの影響を低減するよう働く。この様子を式で表
すと、 ΔV1c={Cgs/(Cgs+Cadd+Cpix)}×ΔVg となる。ここで、ΔV1cはΔVgによる中点電位の変化分
を表わす。この変化分ΔV1cは液晶に加わる直流成分の
原因となるが、保持容量Caddを大きくすればする程その
値を小さくすることができる。
また、保持容量Caddは放電時間を長くする作用もあ
り、TFTがオフした後の映像情報を長く蓄積する。液晶L
Cに印加される直流成分は低減は、液晶LCの寿命を向上
し、液晶表示画面の切り替え次に前の画像が残る所謂焼
き付きを低減することができる。
前述したように、ゲート電極GTは半導体層ASを完全に
覆うよう大きくされている分、ソース・ドレイン電極SD
1,SD2とのオーバーラップ面積が増え、従って寄生容量C
gsが大きくなり中点電位V1cはゲート(走査)信号Vgの
影響を受け易くなるという逆効果が生じる。しかし、保
持容量Caddを設けることによりこのデメリットも解消す
ることができる。
前記保持容量素子Caddの保持容量は、画素の書き込み
特性から、液晶容量Cpixに対して4〜8倍(4・Cpix<
Cadd<8・Cpix)、重ね合わせ容量Cgsに対して8〜32
倍(8・Cgs<Cadd<32・Cgs)程度の値に設定される。
(付加容量Cadd電極線の結線方法) 容量電極線としてのみ使用される初段の走査信号線GL
(Y0)は、第24図に示すように、共通透明画素電極(Vc
om)ITO2に接続する。共通透明画素電極ITO2は、第18B
図に示すように、液晶表示装置の周縁部において銀ペー
スト材SLによって外部引出配線に接続されている。しか
も、この外部引出配線の一部の導電層(g1及びg2)は走
査信号線GLと同一製造工程で構成されている。この結
果、最終段の容量電極線GLは、共通透明画素電極ITO2に
簡単に接続することができる。
初段の容量電極線Y0は、最終段の走査信号線Yendに接
続、Vcom以外の直流電位点(交流接地点)に接続するか
又は垂直走査回路Vから1つ余分に走査パルスY0を受け
るよう接続しても良い。
以上の実施例においては、ゲート電極形成→ゲート絶
縁膜形成→半導体層形成→ソース・ドレイン電極形成の
逆スタガ構造を示したが、上下関係又は作る順番がそれ
と逆のスタガ構造としてもよい。
第26図には、この発明に係る多階調液晶表示装置の他
の一実施例を説明するための概念図が示されている。
TFTのパネルを大型化した場合や、TFTパネルのサイズ
が比較的小さくても目を接近させて見る場合には、同図
に示すように、TFTパネルの上部に対しては視角θ
ように比較的小さいが、下部に対しては視角θのよう
に大きくなる。このことは、前記第1図を用いて説明し
たように、TFTパネルの上部に対して視角補正を行う
と、視角がθからθのように大きくなる下部では、
液晶の輝度がリニアに変化する領域が全体して左方向に
シフトする結果となり、階調がTFTパネルの下側にいく
につれてずれてしまう。
本願発明者にあっては、上述のようにTFTパネルが大
型化した場合や、TFTパネルが比較的小型であっても目
を近づけて見る場合のようにTFTパネルの上下における
視角差があると液晶の多階調表示における階調の上下不
均一性をもたらす原因になることを発見した。そして、
このようなTFTパネルの上下方向の階調度の不均一性も
上下方向の視角の相違に起因するものであるから、前述
のような視角変化に対する液晶の輝度特性曲線の持つ変
化の特徴を利用してダイナミックに補正することができ
ることに気が付いた。すなわち、本願発明者にあって
は、TFTパネルの垂直方向の走査タイミングに連動させ
て、視角補正電圧を順次変化させるというダイナミック
な視角補正法を考えたのである。
第27図には、TFTパネルの上下方向の視角差に対応し
た補正用電圧発生回路の一実施例の回路図が示されてい
る。
この実施例では、リニア回路技術が利用される。演算
増幅回路OP1は、その入力抵抗と帰還抵抗及びキャパシ
タにより積分回路を構成し、フレームパルス(垂直同期
信号)FLMを入力する。これにより、フレーム周期に同
期した鋸歯状の電圧を発生させることができる。この場
合、積分回路は正のパルスFLMを積分するので、時間の
経過とともに電圧が低くなる。この電圧をTFTパネルの
上部の視角θを基準にして設定された補正電圧に重畳
させることにより、視角θのように視角が大きくなる
につれて、前記第1図を用いて説明したように視角補正
電圧を徐々に小さくすることができる。演算増幅回路OP
2は、上記積分回路により形成された鋸歯を電圧レベル
の調整とバッファアンプとして用いられる。このような
補正電圧発生回路により形成された鋸歯状の補正電圧d
が形成される。
第28図には、上記TFTパネルの上下方向の視角差に対
応した補正用電圧発生回路を含む駆動電圧発生回路の一
実施例の回路図が示されている。
補正電圧波形発生回路は、上記第27図に示された積分
回路を利用した補正用電圧発生回路が用いられる。この
補正電圧波形発生回路により形成された鋸歯状の補正電
圧dは、抵抗とキャパシタとを介して、その交流成分が
前述したような抵抗R13〜R15やサーミスタRS1からなる
視角補正電圧発生回路により形成された直流的な補正電
圧に重畳される。すなわち、上記補正電圧dは、第2階
調に対応した補正電圧V2に重畳され、ボルテージフォロ
ワ形態のバッファアンプIC2の入力(+)に供給され
る。これにより、実際に多階調の表示に用いられる液晶
駆動電圧V2〜V7は、その表示位置が下になるにつれて上
記鋸歯状の補正電圧dが重畳されることに応じて低下
し、前述のような視角補正を液晶の垂直方向の走査タイ
ミングに同期してダイナミックに補正することができる
ものとなる。
なお、同図における補正電圧波形発生回路に入力され
るクロックパルスCL1は、上記第27図に示されたリニア
回路から構成される補正用電圧発生回路には使用されな
い。
第29図には、上記TFTパネルの上下方向の視角差に対
応した補正用電圧発生回路の他の一実施例のブロック図
が示されている。
この実施例では、ディジタル回路技術が利用される。
カウンタは、クロックパルスCL1を計数する2進のカウ
ンタであり、そのリセット端子RSTにはフレームパルスF
LMがインバータ回路を通して反転されて供給される。こ
れにより、カウンタは、フレーム毎にリセットされる。
上記のような計数動作とリッセット動作から、カウンタ
は、TFTパネルの選択される走査線の数を計数すること
が理解されよう。
上記カウンタの計数出力C0〜Cnは、ROM(リード・オ
ンリー・メモリ)により構成さるデコーダ回路に入力さ
れ、ここで走査線のアドレスに対応したディジタル信号
D0〜D7に変換される。すなわち、上記のような8ビット
の信号により、256通りのアドレスに変換される。例え
ば、TFTパネルの走査線の数が約500本であると2本ずつ
に1つのアドレスが割り当てられるように変換され、約
1000本であると4本ずつに1つのアドレスが割り当てら
れるよう変換される。
上記ROMにより変換された8ビットからなるディジタ
ル信号D0〜D7は、ディジタル/アナログ変換回路(以
下、単にD/Aコンバータと称する)に入力される。このD
/Aコンバータは、上記クロックパルスCL1に同期して入
力ディジタル信号を取り込み、そのディジタル値に対応
した前記同様な鋸歯状のアナログ電圧を形成して出力す
る。このD/A変換動作において、前記実施例と同様に時
間の経過とともに電圧レベルが低下するような鋸歯状の
電圧を形成するため、クロックパルスCL1を計数するカ
ウンタとしてダウンカウンタを用いるか、又はROMにお
いて最大値から最小値に変化するようなデコード動作を
行わせて上記のようなディジタル信号D0〜D7を形成すれ
ばよい。
上記D/Aコンバータの出力AOから得られる鋸歯状の電
圧信号は、演算増幅回路を用いた増幅器を通して動的な
視角補正電圧dとして前記同様に駆動電圧発生回路に供
給される。上記増幅器はバッファアンプとして作用する
ことの他、その利得を調整することにより、動的な視角
補正量の調整にも利用される。
なお、上記の視角補正量の設定の仕方としては、上部
と下部においてそれぞれ静的な補正電圧を求め、その差
電圧をピークとするような鋸歯状の電圧を形成すればよ
い。あるいは、表示画面を見ながら鋸歯状電圧を出力さ
せる増幅回路の利得を調整することにより行うようにす
ればよい。
第30図には、この発明に係る多階調液晶表示装置を用
いたラップトップ型(又はブック型)のマイクロコンピ
ュータの一実施例の概略斜視図が示されている。
この実施例のマイクロコンピュータは、キーボード30
を本体とし、可変手段20により液晶モジュール(以下、
多階調液晶表示装置という)10を開閉可能にするもので
ある。すなわち、マイクロコンピュータを使用しないと
きやそれを持ち運ぶときには、多階調液晶表示装置10を
キーボードの部分と重合わせるようにして閉じる。そし
て、マイクロコンピュータを使用するときには、本体と
してのキーボード30と多階調液晶表示装置10とを開き、
同図のようにセットするものである。
このとき、使用する場所において、天井の照明や明る
い窓外の景色等が表示画面に反射して文字等の読み取り
を煩わしくする場合がしばしば生じる。このようなとき
には、一般的には可変手段20を操作して、多階調液晶表
示装置を垂直に近い状態にたてて、言い換えるならば、
多階調液晶表示装置の開放角度を小さくして、表示画面
を上側から見るようになることが多い。このときには、
前述のような視角調整用のボリュームを操作することに
より、白黒表示のときには正しい階調により、カラー表
示のときには正しい色調により表示画面を見ることがで
きる。
例えば、マイクロコンピュータをデスクの上において
使うことを想定すると、上記キーボード本体30に対する
多階調液晶表示装置の開放角度を調整する可変手段20に
角度センサーを設け、このセンサーにより検出信号によ
り視角補正電圧を自動的に変化させる。このようにすれ
ば、マイクロコンピュータを同一人が使うときには、一
度上記のようなボリューム操作により視角補正を行え
ば、あとは多階調液晶表示装置10の開放角度を変えても
自動的に視角補正が行えるようにできる。
また、多階調液晶表示装置10の画面を大型化した場合
には、上記上下方向の視角が異なることより、階調ない
し色調が変化する場合があるが、前記のような動的な視
角補正を行うようにすることによって、常に正しい階調
ないし色調による表示が可能となるものである。
上記の実施例から得られる作用効果は、下記の通りで
ある。すなわち、 (1)液晶表示パネルに対して上下方向に異なる少なく
とも2つの視角に対応した輝度−電圧特性の傾きにそれ
ぞれ沿った直線の延長線上での交点から近似的な基準電
圧を求め、上記視角に対応して変化させられる電圧を形
成して、この電圧に連動した分圧電圧により補正された
多階調表示のための駆動電圧を形成することにより、1
個所の調整により多階調のための複数の駆動電圧をその
視角に対応した輝度−電圧特性の傾きに沿って変化させ
ることができるから、視角の上下方向の変化に対する階
調表示の調整が簡単にしかも正確にできるという効果が
得られる。
(2)上記(1)により形成される駆動電圧を、多階調
表示を行うTFTアクティブマトリックス構成の液晶表示
パネルの信号線電極に供給する駆動電圧とて用いること
より、TFTアクティブマトリックス構成の液晶表示装置
を用いて実用に供し得るような、例えば512色等のよう
な多色カラー表示が実現できるという効果が得られる。
(3)上記多階調表示のための最大輝度と最小輝度に対
応した駆動電圧を上記分圧電圧とは独立した一定の固定
電圧とすることにより、上記のような調整に無関係に白
黒表示では白と黒及びカラー表示では基本8色のコント
ライトを低下させることがないという効果が得られる。
(4)上記駆動電圧をTFTトランジスタのドレインが結
合される信号線電極に供給することにより、視角補正さ
れた信号電圧を画素に正しく書き込むことができるとい
う効果が得られる。
(5)上記多階調表示のための分圧電圧を直列形態に接
続された抵抗素子に基づいて形成することにより、その
抵抗比に従って視角補正電圧に連動しつつ、簡単に多階
調駆動電圧を得ることができるという効果が得られる。
(6)基準電圧を温度補償回路の出力により自動的に変
化させることにより、階調や色調の補正のための実質的
な調整個所を1個所だけにすることができるという効果
が得られる。
(7)上記のような視角補正機能を持つ多階調液晶表示
装置を本体に対して開閉されるように取り付けられたマ
イクロコンピュータ等の電子装置のディスプレイとして
用いることにより、小型軽量化が可能になるとともに、
多階調や多色表示ができるから表示機能の向上を図るこ
とができるという効果が得られる。
以上本発明者によりなされた発明を実施例に基づいて
具体的に説明したが、本願発明は前記実施例に限定され
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更
可能であることはいうまでもない。例えば、各階調の電
圧は、等分されるものである必要はなく、必要に応じて
オフセットを持つようにしてもよい。すなわち、分圧抵
抗回路の分圧比に多少のずれを持たせるようにしてもよ
い。階調は8階調の他4階調のように設定するものであ
ってもよい。例えば、4階調にしたときには、カラー表
示では4×4×4=64色のカラー表示が可能になる。
多階調液晶表示装置はカラーテレビジョン受像機に利
用するものであってもよい。ただし、前記のような駆動
電圧発生回路を用いるものであるため、RGBに分離され
た映像信号がそれぞれ3ビットづつのディジタル信号に
変換されていればよい。この場合、テレビジョン用の映
像信号はインタレースモードにより形成されるから、そ
の映像信号をいったんフレームメモリに記憶され、奇数
フレームに対応して画素に対して正方向の電圧を書き込
み、偶数フレームに対応して負方向の電圧を書き込むよ
うにすればよい。
また、前記の視角補正方式は、液晶にアナログ電圧を
書き込むときにも利用できる。すなわち、アナログ電圧
の黒レベルを第1図に示したような視角補正電圧VKによ
り調整し、白レベルがしきい値電圧VTHに対応したもの
にすればよい。すなわち、アナログ信号の振幅が上記電
圧VK〜VTHの範囲で変化させればよい。すなわち、この
発明では、上記のようなアナログ信号も実質的な階調表
示の一つの形態として捕らえるものである。この場合で
も、視角に対する色調の補正が同様に簡単にしかも正確
に行えるものとなる。
この発明は、液晶の多階調表示における視角補正方式
とそれを用いた多階調液晶表示装置に広く利用できるも
のである。
〔発明の効果〕
本願において開示される発明のうち代表的なものによ
って得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りであ
る。すなわち、液晶表示パネルに対して上下方向に異な
る少なくとも2つの視角に対応した輝度−電圧特性の傾
きにそれぞれ沿った直線の延長線上での交点から近似的
な基準電圧を求め、上記視角に対応して変化させられる
電圧を形成して、この電圧に連動した分圧電圧により補
正された多階調表示のための駆動電圧を形成することに
より、1個所の調整により多階調のための複数の駆動電
圧をその視角に対応した輝度−電圧特性の傾きに沿って
変化させることができるから、視角の上下方向の変化に
対する階調表示の調整が簡単にしかも正確にできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明に係る液晶の多階調表示における視
角補正方式の原理を説明するための特性図、 第2図は、多階調表示におけく視角補正機能を持つ駆動
電圧発生回路の一実施例を示す基本的回路図、 第3図は、上記電圧可変手段1を用いた調整による輝度
−視角曲線図、 第4図は、この発明に係る液晶の多階調表示における温
度特性を考慮した視角補正方式の原理を説明するための
特性図、 第5図は、上記電圧可変手段1と2を用いた電圧調整に
よる輝度−視角曲線図、 第6図は、多階調表示のための液晶駆動電圧の基本的な
一実施例を示す回路図、 第7図は、この発明に係るTFT液晶表示装置の一実施例
を示すブロック図、 第8図は、ドレインドライバーの要部一実施例を示すブ
ロック図、 第9図は、この発明に係る多階調液晶表示装置における
マザーボードの一実施例を示す回路図、 第10図は、上記駆動電圧発生回路の一実施例を示す回路
図、 第11図は、上記駆動電圧発生回路の他の一実施例を示す
回路図、 第12図は、上記TFTパネルの動作の一例を説明するため
の駆動波形図、 第13図は、上記電源安定化回路の一実施例を示す回路
図、 第14図は、この発明に係る多階調液晶表示装置の一実施
例を示す背面図、 第15図は、この発明に係る多階調液晶表示装置の他の一
実施例を示す正面図、 第16図は、上記多階調液晶表示装置の他の一実施例の側
面図、 第17図は、上記多階調液晶表示装置の他の一実施例の背
面図、 第18A図は、この発明が適用されるアクティブ・マトリ
ックス方式カラー液晶表示装置の1画素とその周辺部の
一実施例の平面図、 第18B図は、上記第18A図のII B−II B切断線における一
実施例の断面と表示パネルのシール部分付近の断面図、 第18C図は、上記第18A図のII C−II C切断線における一
実施例の断面図、 第19図は、上記第18A図に示す画素を複数配置したとき
の一実施例を示す平面図、 第20図ないし第22図は、第18A図に示す所定の層のみを
描いた平面図、 第23図は、第19図に示す画素電極層とカラーフィルタ層
のみを描いた平面図、 第24図は、アクティブ・マトリックス方式のカラー液晶
表示装置の液晶表示部を示す等価回路図、 第25図は、第18A図に記載された画素の等価回路図、 第26図は、この発明に係る多階調液晶表示装置の他の一
実施例を説明するための概念図、 第27図は、TFTパネルの上下方向の視角差に対応した補
正用電圧発生回路の一実施例を示す回路図、 第28図は、TFTパネルの上下方向の視角差に対応した補
正用電圧発生回路を含む駆動電圧発生回路の一実施例を
示す回路図、 第29図は、TFTパネルの上下方向の視角差に対応した補
正用電圧発生回路の他の一実施例を示すブロック図、 第30図は、この発明に係る多階調液晶表示装置を用いた
ラップトップ型マイクロコンピュータの一実施例を示す
概略斜視図、 第31図は、液晶の視角範囲を説明するための特性図であ
る。 VOFF……基準電圧、VK……視角補正電圧、VTH……しき
い値電圧、V1〜V8……多階調駆動電圧、SW1,SW2……ス
イッチ、TCON3……タイミングコンバータ、FPC……フレ
キシブル配線、OP1,OP2……演算増幅回路、ROM……デコ
ーダ、 SUB……透明ガラス基板、GL……走査信号線、DL……映
像信号線、GI……絶縁膜、GT……ゲート電極、AS……i
型半導体層、SD……ソース電極又はドレイン電極、PSV
……保護膜、LS……遮光膜、LC……液晶、TFT……薄膜
トランジスタ、ITO……透明電極、g,d……導電膜、Cadd
……保持容量素子、Cgs……重ね合わせ容量、Cpix……
液晶容量(英文字の後の.字の添字は省略)。
フロントページの続き (72)発明者 高橋 孝次 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日 立製作所茂原工場内 (56)参考文献 特開 昭58−123587(JP,A) 特開 平2−59363(JP,A) 特開 平2−4213(JP,A) 特開 平2−83585(JP,A) 特開 平3−260622(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/133 G09G 3/18 G09G 3/36

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶表示パネルに対して上下方向に異なる
    少なくとも2つの視角に対応した輝度−電圧特性の傾き
    にそれぞれ沿った直線の延長線上の交点に基づいて近似
    的に求められる基準電圧を形成し、 上記視角に対応して変化させられる電圧を形成して、 上記基準電圧と上記変化させられる電圧に連動した分圧
    電圧により補正された多階調表示のための駆動電圧を得
    ることを特徴とする液晶の多階調表示における視角補正
    方式。
  2. 【請求項2】液晶表示パネルに対して上下方向に異なる
    少なくとも2つの視角に対応した輝度−電圧特性の傾き
    にそれぞれ沿った直線の延長線上の交点に基づいて近似
    的に求められる基準電圧を形成し、 上記視角に対応して変化させられる黒レベルの電圧を形
    成し、 この変化させられる黒レベルの電圧と白レベルに対応し
    た液晶の視覚的しきい値電圧との範囲で、入力信号の最
    大振幅を制御することで連動した分圧電圧を形成し、 この分圧電圧により補正された多階調表示のための駆動
    電圧を得ることを特徴とする液晶の多階調表示における
    視角補正方式。
  3. 【請求項3】TFTアクティブマトリックス構成の液晶表
    示パネルに対して上下方向に異なる少なくとも2つの視
    角に対応した輝度−電圧特性の傾きにそれぞれ沿った直
    線の延長線上での交点に基づいて近似的に求められる基
    準電圧を形成し、 上記視角に対応して変化させられる電圧を形成して、 上記基準電圧と上記変化させられる電圧に連動した分圧
    電圧により多階調表示のための駆動電圧を形成すること
    を特徴とする多階調液晶表示装置。
  4. 【請求項4】上記多階調表示のための最大輝度と最小輝
    度に対応した駆動電圧は、上記分圧電圧とは独立した電
    圧にされるものであることを特徴とする特許請求の範囲
    第3項記載の多階調液晶表示装置。
  5. 【請求項5】上記駆動電圧は、TFTトランジスタのドレ
    インが結合される信号線電極に供給されるものであるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第3項記載の多階調液晶
    表示装置。
  6. 【請求項6】上記基準電圧は、調整可能にされるもので
    あることを特徴とする特許請求の範囲第3項記載の多階
    調液晶表示装置。
  7. 【請求項7】上記分圧電圧は、直列形態に接続された抵
    抗素子に基づいて形成されるものであることを特徴とす
    る特許請求の範囲第3項記載の多階調液晶表示装置。
  8. 【請求項8】上記調整可能にされる基準電圧は、温度補
    償回路の出力により自動的に変化されるものであること
    を特徴とする特許請求の範囲第6項記載の多階調液晶表
    示装置。
  9. 【請求項9】上記TFTアクティブマトリックス構成の液
    晶表示パネルは、カラーフィルムが設けられることによ
    り多色表示を行うようにされるものであることを特徴と
    する特許請求の範囲第3項記載の多階調液晶表示装置。
  10. 【請求項10】上記多階調液晶表示装置は、マイクロコ
    ンピュータを実装した電子装置のモニターとして用いら
    れるものであることを特徴とする特許請求の範囲第3項
    記載の多階調液晶表示装置。
  11. 【請求項11】TFTアクティブマトリックス構成の液晶
    表示パネルに対して上下方向に異なる少なくとも2つの
    視角に対応した輝度−電圧特性の傾きにそれぞれ沿った
    直線の延長線上での交点に基づいて近似的に求められる
    基準電圧と、 上記視角に対応して変化させられる電圧と、 上記基準電圧と上記2つの視角の一方に対応する電圧と
    から形成される複数の分圧電圧と、 上記複数の分圧電圧により形成される多階調表示のため
    の駆動電圧と、 上記視角に対して変化させられる電圧と上記多階調表示
    のための駆動電圧とにより2つの視角に対応した輝度−
    電圧特性を実質略同一とし、視角依存性を減らすことを
    特徴とする多階調液晶表示装置。
  12. 【請求項12】上記基準電圧は、調整可能にされるもの
    であることを特徴とする特許請求の範囲第11項記載の多
    階調液晶表示装置。
  13. 【請求項13】上記分圧電圧は、直列形態に接続された
    抵抗素子に基づいて形成されるものであることを特徴と
    する特許請求の範囲第11項記載の多階調液晶表示装置。
  14. 【請求項14】TFTアクティブマトリックス構成の液晶
    表示パネルに対して上下方向に異なる少なくとも2つの
    視角に対応した輝度−電圧特性の傾きにそれぞれ沿った
    直線の延長線上での交点に基づいて近似的に求められる
    基準電圧と、 上記視角に対応して変化させられる電圧を調整する表示
    画面の近傍に設けられた電圧可変手段と、 上記基準電圧と上記視角に対応して変化させられる電圧
    とを印加することで複数の分圧電圧を発生させる分圧回
    路と、 上記複数の分圧電圧で多階調表示に対する駆動電圧を発
    生させる駆動電圧発生回路とを有することを特徴とする
    多階調液晶表示装置。
  15. 【請求項15】上記分圧電圧は、直列形態に接続された
    抵抗素子に基づいて形成されるものであることを特徴と
    する特許請求の範囲第14項記載の多階調液晶表示装置。
  16. 【請求項16】上記電圧可変手段は、可変抵抗器である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第14項記載の多階調液
    晶表示装置。
JP6456890A 1990-03-15 1990-03-15 液晶の多階調表示における視角補正方式とそれを用いた多階調液晶表示装置 Expired - Lifetime JP2953589B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6456890A JP2953589B2 (ja) 1990-03-15 1990-03-15 液晶の多階調表示における視角補正方式とそれを用いた多階調液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6456890A JP2953589B2 (ja) 1990-03-15 1990-03-15 液晶の多階調表示における視角補正方式とそれを用いた多階調液晶表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03264922A JPH03264922A (ja) 1991-11-26
JP2953589B2 true JP2953589B2 (ja) 1999-09-27

Family

ID=13261968

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6456890A Expired - Lifetime JP2953589B2 (ja) 1990-03-15 1990-03-15 液晶の多階調表示における視角補正方式とそれを用いた多階調液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2953589B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2701710B2 (ja) * 1993-11-29 1998-01-21 日本電気株式会社 多値電圧源回路
JP2715943B2 (ja) * 1994-12-02 1998-02-18 日本電気株式会社 液晶表示装置の駆動回路
JP2833564B2 (ja) * 1996-02-15 1998-12-09 日本電気株式会社 多値電圧源回路
KR101648714B1 (ko) * 2009-02-18 2016-08-18 삼성디스플레이 주식회사 액정 표시 장치 및 이를 포함하는 표시 장치 세트
KR101324552B1 (ko) * 2010-10-26 2013-11-01 엘지디스플레이 주식회사 액정표시장치 및 그 구동방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03264922A (ja) 1991-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2951352B2 (ja) 多階調液晶表示装置
US7233304B1 (en) Liquid crystal display apparatus
KR101167314B1 (ko) 액정표시장치
US7095394B2 (en) Driving device of liquid crystal device and driving method thereof
KR101282189B1 (ko) 전압발생회로 및 이를 갖는 표시장치
US6492970B1 (en) Liquid crystal display and driving method therefor
KR20070117295A (ko) 액정 표시 장치 및 그의 구동 집적 회로 칩
JP2004094014A (ja) 表示装置
KR20080024863A (ko) 액정 표시 장치 및 그 구동 회로
WO2020026954A1 (ja) 表示装置及びその駆動方法
US8373809B2 (en) Display apparatus having an input gradation set to have a relationship along a gamma curve
US10902766B1 (en) Apparatus for performing brightness enhancement in display module
JP2953589B2 (ja) 液晶の多階調表示における視角補正方式とそれを用いた多階調液晶表示装置
KR100777347B1 (ko) 액정 표시장치를 위한 자동 휘도 조절 장치 및 방법
JP2994678B2 (ja) 多階調液晶表示装置とその駆動電圧発生回路
US11887556B2 (en) Data driving circuit, display module, and display device
US20060145988A1 (en) Active matrix liquid crystal display
US20030142363A1 (en) Display apparatus and method of driving the same
KR100806908B1 (ko) 액정 표시 장치의 구동 장치
JP4877477B2 (ja) 表示駆動装置及びその駆動制御方法
KR100963799B1 (ko) 액정표시장치의 감마전압 발생 장치 및 그 방법
JP2000172233A (ja) 液晶表示装置、液晶表示装置の駆動方法および液晶表示装置を備えた電子機器
JPH02157814A (ja) 液晶表示装置
KR100928486B1 (ko) 액정표시장치의 구동회로
KR100830096B1 (ko) 액정표시장치 및 그 구동방법

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070716

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080716

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080716

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090716

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090716

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100716

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100716

Year of fee payment: 11