JP2952480B1 - 低風圧電線 - Google Patents

低風圧電線

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JP2952480B1
JP2952480B1 JP10220726A JP22072698A JP2952480B1 JP 2952480 B1 JP2952480 B1 JP 2952480B1 JP 10220726 A JP10220726 A JP 10220726A JP 22072698 A JP22072698 A JP 22072698A JP 2952480 B1 JP2952480 B1 JP 2952480B1
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敬治 前田
健 中村
康二 寺崎
秀人 江口
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  • Suspension Of Electric Lines Or Cables (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】被覆表面に異物が付着しても雨水で洗浄されや
すく、優れた風圧荷重の低減効果を安定して得ることが
でき、押出成形による被覆表面の加工が容易で、しかも
現状の丸形電線と同等に取り扱うことが可能な低風圧電
線を提供する。 【解決手段】絶縁電線C1の絶縁体1の表面には横断面
の縁線形状が円弧状である溝2が絶縁電線C1の長さ方
向に沿って施してある。溝2は絶縁体1の周方向へ等間
隔で18本平行に設けてある。絶縁電線C1は、電線の
外径をDとし、溝の曲率半径R、溝深さH、溝が電線の
外周面と接合する部分の曲率半径rおよび溝本数Nが、
0.009≦H/D≦0.026、0.026≦R/D
≦0.105(R/2≦r≦R、12≦N≦24)、但
し H/R≦0.75の範囲内において、5≦5.55
/ (N0.7 ×(H/D)0.45×(R/D)0.2 )≦1
2の式を満足するよう選ばれたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は架空布設して使用さ
れる電線において、風に対する抵抗を小さくして風圧荷
重を低減することができる低風圧電線に関する。
【0002】
【従来技術】電柱や鉄塔等の支持物に架空布設される電
線には、風によって大きな力が作用する。電線には、こ
の風圧に対して抵抗が生じ、電柱等に倒壊モーメントが
作用することになる。架空配電設備や架空通信設備の強
度設計においては、電線等が受ける最大風圧荷重を想定
し、そのときの倒壊モーメントを計算して、ある一定の
安全率を確保できる支持物を選定している。当然ながら
布設される電線の本数が多い場合や外径が大きい場合に
は、支持物の強度を高める必要があり、設備や工事費の
コストアップを招くことになる。
【0003】このような課題に対処するため、例えば特
公平5−6765号公報に示されるように、架空送電線
の表面に電線の長手方向に伸びる螺旋状の突起を形成し
て風圧荷重を低減(低風圧化)するようにしたものがあ
る。これは、被覆のない裸線を対象としており、突起も
導体の一部を用いて形成されている。
【0004】また、同様に裸線を対象とした低風圧電線
として、特開平9−161541のように送電線や架空
地線の導体表面に断面円弧状の溝を螺旋状に形成したも
のがある。この場合、電線内部の張力分担芯材に低線膨
張係数、高弾性係数の線材を用いており、低風圧化と低
弛度化を同時に実現している。
【0005】更には、被覆を有する電線の低風圧化を行
っている例として、特公昭57−194407号公報記
載のものがある。この低風圧電線は、被覆表面に横断面
が円弧状の面を相対させて形成したほぼV形の溝を長さ
方向に沿ってかつ周方向に所要間隔で複数設けたもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の低風圧電線には、次のような課題があった。 (A)特公平5−6765号公報記載のもの 表面に螺旋状の突起を設けることにより外径が大きくな
っており、最も効果が高いとされる形状でも、効力係数
は結果的に0.9程度にしか低下していない。また、架
空布設工事の際には、突起部が支障となって作業性が悪
くなり、延線ローラー通過時には、突起部に側圧が集中
して形状変化が生じやすくなることも考えられる。更に
は、電線を接続する場合は、螺旋状突起がほどけないよ
う特殊な接続法が必要となる。
【0007】(B)特開平9−161541号公報記載
のもの この低風圧電線は裸線を対象としたものであり、溝と電
線の外周面とが接合する部分に角が形成されているが、
このような形状を被覆を有する電線に採用し、角を樹脂
の押出成形で精度よく形成しようとすると、ほとんどの
場合、押出成形時の樹脂の流れが内層と外層で異なるこ
とから角部に著しいざらつきを生じてしまう。図10
は、この低風圧電線と同形状の溝を施した形状モデル
(角が正確に製作されているもの)と、実際に押出成形
により成形した絶縁電線(角にざらつきがあるもの)の
風洞実験結果を示したものである。いずれの電線も外径
29.8mm、溝本数18本、溝円弧1.6mm、溝深さ
0.5mmの寸法を有するものである。この結果より、角
部に著しいざらつきを生じた場合の風力特性は、もとの
形状の特性から大きく変動することがわかる。この例で
は、風速50m/secに相当するレイノルズ数Re=9.
7×104 において、抗力係数Cd=0.67であるも
のが角にざらつきがあるとCd=0.85まで上昇して
いる。以上のことから、このような形状をそのまま被覆
を有する電線に採用することは問題が大きいことがわか
る。
【0008】(C)特公昭57−194407公報記載
のもの 低風圧電線が海岸に近い地域で使用された場合は、強い
塩風にさらされる。また、火山灰などの塵埃の影響を受
ける場合もある。低風圧電線の溝が円弧状の面を相対さ
せて形成した溝の場合、塩や塵埃等の異物が溝の奥まっ
た部分に付着し、雨水によって洗い流されにくく蓄積さ
れる。こうなると、異物の付着により溝が埋まる等、表
面形状が変化してしまい、風力特性が大きく変動するこ
とが予想される。また、一般的に電線の被覆は、塩化ビ
ニル、ポリエチレン、架橋ポリエチレン等を使用して押
出成形によって製造されているが、表面に凹凸がある低
風圧電線の場合には、その形状について押出時の樹脂の
流れや冷却後の収縮を考慮して寸法精度を追い込む必要
があり、特にこの形状のように溝に鋭角な部分がある場
合には、樹脂の収縮により角部が丸まってしまう傾向に
あり、正確な形状に成形することは非常に困難である。
従って、製品レベルで形状のばらつきが大きくなり風力
特性が不安定になることが予想される。
【0009】上記した課題をまとめると、特公平5−6
765号公報記載の突起タイプのものは、架空布設に際
して特殊な工事が必要となり、低風圧化の効果も小さ
い。また、特開平9−161541号公報記載の溝タイ
プのものは、溝と外周部の接合部に角部があるため押出
成形で正確な形状を形成することが難しく、被覆を有す
る電線にその形状を採用することには問題がある。更
に、特公昭57−194407公報記載のものについて
は、溝に塩や塵埃等の異物が溜まりやすいことや、実際
の製品で溝の形状がばらつくことから風力特性が不安定
に変動することが予想される。
【0010】本発明は上記課題を解消するもので、被覆
表面に異物が付着しても雨水で洗浄されやすく、優れた
風圧荷重の低減効果を安定して得ることができ、押出成
形による被覆表面の加工が容易で、しかも現状の丸形電
線と同等に取り扱うことが可能な低風圧電線を提供する
ことを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた本発明の手段は次のとおりである。すなわち、
本発明は、被覆表面に長さ方向と平行に溝を所要間隔を
おいて複数本設けた低風圧電線であって、上記溝の横断
面の縁線形状は円弧状であり、電線の外径をDとする
と、上記溝の曲率半径R、溝深さH、溝が電線の外周面
と接合する部分の曲率半径r、および溝本数Nが、 0.009≦H/D≦0.026 0.026≦R/D≦0.105 R/2≦r≦R 12≦N≦24 但し H/R≦0.75 の範囲内において、 5≦ 5.55 / (N0.7 ×(H/D)0.45×(R/
D)0.2 ) ≦12 を満足するよう選ばれたことを特徴とする、低風圧電線
である。
【0012】本発明の内容について詳しく説明する。な
お、本発明にいう電線とは、例えば絶縁電線、ケーブル
等を含む概念である。本発明者は、架空布設工事にあた
って特殊な工事が必要になる等の問題があることや低風
圧化の効果が小さいことから、上記したもののうち突起
タイプのものは採用せず、溝タイプのものを基本とし
た。更に、付着物による特性変動がないよう溝は雨水に
よる洗浄が起こりやすい円弧状にし、製造上押出成形が
容易なように角のない形状とした。すなわち、図3に示
すような溝形状を採用した。また、電線の外径をDとし
たとき、曲率半径R、溝深さH、溝が電線の外周面と接
合する部分の曲率半径r、および溝本数Nは、実際の電
線の絶縁性能や機械的強度を考慮して以下に示す範囲に
限定した。 0.009≦H/D≦0.026 0.026≦R/D≦0.105 R/2≦r≦R 12≦N≦24 但し H/R≦0.75
【0013】本発明者は、上記した範囲において多くの
電線モデルを製作し、風洞実験を実施した。電線モデル
には、外径114mmの塩化ビニルパイプを使用し、風速
は、2.5〜18m/secの条件下で実施した。この場合
のレイノルズ数Reは、1.85×104 〜1.33×
105 に相当する。なお、レイノルズ数Reは、次式に
より求められる。 U:風速[m/sec] Re= UL/ν L:電線の外径[m] ν:空気の動粘度=1.54×10-5 (20℃のとき) 以下に風洞実験を行ったモデルのうち、溝本数が最大の
24本のもの、中間的な18本のもの、最小の12本の
ものについて、各々溝の大きさを様々に変化させた実験
結果を図4〜図9に示す。図4〜図6は、溝が外周面と
接合する部分の曲率半径rの寸法をr=R/2としたも
ので、図7〜図9は、r=Rとしたものである。なお、
図4に対する図7、図5に対する図8、図6に対する図
9は、溝の大きさが同じで、溝が外周面と接合する部分
の曲率半径rだけが異なる。ここで、溝の曲率半径R、
溝深さH、溝本数Nと抗力係数Cdが最小値をとるレイ
ノルズ数Reの関係をrの大きさに分けて表1、表2に
示す。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】本発明者は、その他多くのモデルについて
も溝の曲率半径R、溝深さH、溝本数Nと抗力係数Cd
が最小値をとるレイノルズ数Reの比較を行った。その
結果、溝が外周面と接合する部分の曲率半径rがR/2
≦r≦Rの範囲であれば、その値に無関係に、抗力係数
Cdが最小値をとるレイノルズ数Reと溝の曲率半径
R、溝深さH、溝本数Nの関係が、近似的に次式のよう
に表すことが可能であることを見出した。 Re=5.55×104/(N0.7 ×(H/D)0.45×(R/D)0.2 )・・・ この式により、溝の曲率半径R、溝深さH、溝本数Nを
変化させることにより、抗力係数Cdが最小値をとるレ
イノルズ数Reがどのように変化するかを知ることがで
き、また、逆にレイノルズ数Reの位置を任意に設定し
て、その条件下で最も小さい抗力係数Cdを得ることが
できる溝の曲率半径R、溝深さH、溝本数Nを求めるこ
とも可能になる。この際、溝が外周面と接合する部分の
曲率半径rについては、R/2≦r≦Rの範囲で任意に
決めることができる。
【0017】本発明の対象となる電線は、主に電柱に架
空布設されるものであるが、その外径は通常、最大で3
5mm程度であり、また低風圧化が求められる最小の外径
は20mm程度である。つまり、この範囲の電線を対象と
して低風圧化を図れば、実用的には十分である。また、
風速については、電力会社の配電設備等で設計風速とし
て、40〜50m/secが一般的に設定されている。
従って、対象となる外径20mm〜35mmの電線の抗力係
数Cdが最小値をとるべきレイノルズ数Reの範囲は、
5×104 〜1.2×105 と選ばれることになる。こ
の範囲を式にあてはめると、 5×104 ≦5.55×104/(N0.7 ×(H/D)
0.45×(R/D)0.2 )≦1.2×105 となり、整理すると、 5≦5.55/(N0.7 ×(H/D)0.45×(R/D)0.2 )≦12 ・・・ が得られる。すなわち、上記のように設定された溝の形
状、本数の範囲内において、溝の曲率半径R、 溝深さ
H、溝本数Nを式を満足するよう設定すれば、レイノ
ルズ数Re=5×104 〜1.2×105 の範囲におい
て、抗力係数Cdを効果的に低減することが可能にな
る。更には、式の左項の5に近い値になるよう溝の曲
率半径R、溝深さH、溝本数Nを決めると、レイノルズ
数Re=5×104 に近い領域で抗力係数Cdを最も小
さい値に低減でき、また、右項の12に近くなるよう設
定すれば、レイノルズ数Re=1.2×105 に近い領
域で抗力係数Cdを最も小さい値に低減できる。
【0018】ところで、この条件下で効力係数Cdの最
小値は、表1や表2に示すとおり、全ての場合におい
て、抗力係数Cd<0.8という低い値を示しており、
表面平滑円柱形すなわち、従来の丸形の電線の抗力係数
Cd=1.2と比較すると、少なくとも33%以上の風
圧荷重が低減できることになる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
き更に詳細に説明する。図1は本発明に係る低風圧電線
の第1の実施の形態を示す斜視図、図2は本発明に係る
低風圧電線の第2の実施の形態を示す斜視図、図3は本
発明に係る低風圧電線の溝の断面形状を示す説明図であ
る。
【0020】図1に示した絶縁電線C1においては、絶
縁体1の表面に図3に示すような、横断面の縁線形状が
円弧状である溝2が絶縁電線C1の長さ方向に沿って施
してある。溝2は、絶縁体1の周方向へ等間隔で18本
平行に設けてある。図2に示したケーブルC2において
は、シース1の表面に図3に示すような断面形状の溝2
がケーブルC2の長さ方向に沿って施してある。溝2
は、シース1の周方向へ等間隔で24本平行に設けてあ
る。なお、溝2の本数は適宜設定されるもので、上記本
数に限定されるものではない。また、図3において、符
号Rは溝2の縁線の曲率半径を表し、符号Hは溝2の深
さを表し、符号rは溝が外周面と接合する部分の曲率半
径を表している。
【0021】(風洞実験)図4は、低風圧電線の表面に
設けられた溝本数が24本である場合において、溝が外
周面と接合する部分の曲率半径rをr=R/2に固定
し、溝の大きさを変化させたときの抗力係数Cdとレイ
ノルズ数Reの関係を示したグラフ、図5は、低風圧電
線の表面に設けられた溝本数が18本である場合におい
て、溝が外周面と接合する部分の曲率半径rをr=R/
2に固定し、溝の大きさを変化させたときの抗力係数C
dとレイノルズ数Reの関係を示したグラフ、図6は、
低風圧電線の表面に設けられた溝本数が12本である場
合において、溝が外周面と接合する部分の曲率半径rを
r=R/2に固定し、溝の大きさを変化させたときの抗
力係数Cdとレイノルズ数Reの関係を示したグラフで
ある。
【0022】図7は、低風圧電線の表面に設けられた溝
本数が24本である場合において、溝が外周面と接合す
る部分の曲率半径rをr=Rに固定し、溝の大きさを変
化させたときの抗力係数Cdとレイノルズ数Reの関係
を示したグラフ、図8は、低風圧電線の表面に設けられ
た溝本数が18本である場合において、溝が外周面と接
合する部分の曲率半径rをr=Rに固定し、溝の大きさ
を変化させたときの抗力係数Cdとレイノルズ数Reの
関係を示したグラフ、図9は、低風圧電線の表面に設け
られた溝本数が12本である場合において、溝が外周面
と接合する部分の曲率半径rをr=Rに固定し、溝の大
きさを変化させたときの抗力係数Cdとレイノルズ数R
eの関係を示したグラフである。
【0023】図4〜図9をみると、溝の曲率半径Rを大
きくして、溝深さHも深くすると抗力係数Cdが最小値
をとる点が低レイノルズ数Re側に移行することがわか
る。また、図4に対する図7、図5に対する図8、図6
に対する図9は、溝の大きさが同じで、溝が外周面と接
合する部分の曲率半径rだけが異なる場合を示している
が、rの大きさには殆ど影響されていないことがわか
る。すなわち、少なくともR/2≦r≦Rの範囲に設定
しておけば式における抗力係数Cdが最小値をとるレ
イノルズ数Reと溝の曲率半径R、溝深さH、溝本数N
の関係が成り立つことになる。
【0024】ここで、一例として、外径D=30mmの絶
縁電線を低風圧化する場合の寸法を求めることにする。
まず、対象とする風速を40m/secとし、抗力係数
Cdを最小にすべきレイノルズ数Reを約7.8×10
4 に設定する。溝の深さHについては、絶縁性能の観点
からH=0.5mmとする。この条件において式を解く
と、表3に示すように溝本数Nに応じて溝の曲率半径R
が自動的に導かれ、溝が外周面と接合する部分の曲率半
径rの範囲も決めることができる。更には、表3の寸法
の組み合わせの中から寸法を選べば、最低でも33%以
上の風圧荷重が低減できる低風圧電線となる。なお、表
3の溝曲率半径Rの寸法が−で表されているものは、溝
の曲率半径Rの許容される寸法範囲を外れているもので
ある。
【0025】
【表3】
【0026】なお、本明細書で使用している用語と表現
はあくまでも説明上のものであって、限定的なものでは
なく、上記用語、表現と等価な用語、表現を除外するも
のではない。また、本発明は図示の実施の形態に限定さ
れるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変
形が可能である。
【0027】
【発明の効果】本発明は上記構成を備え、次の効果を有
する。 (a)被覆表面に長さ方向と平行に溝を所要間隔をおい
て複数本設けた低風圧電線であって、上記溝の横断面の
縁線形状は円弧状であり、電線の外径をDとすると、上
記溝の曲率半径R、溝深さH、溝が電線の外周面と接合
する部分の曲率半径r、および溝本数Nが、 0.009≦H/D≦0.026 0.026≦R/D≦0.105 R/2≦r≦R 12≦N≦24 但し H/R≦0.75 の範囲内において、 5≦ 5.55 / (N0.7 ×(H/D)0.45×(R/
D)0.2 ) ≦12 を満足するよう選ばれた値に設定されることにより、最
低でも33%以上という高い低減率で風圧荷重の低減が
可能になる。従って、低風圧電線を支える電柱や鉄塔
に、強度がランク下の安価なものを使用できるようにな
る。また、低風圧電線を支持している金物類や碍子類に
ついても強度を下げることができ、コストダウン、コン
パクト化が可能になる。更に、台風襲来時の電柱倒壊等
に対する安全率向上にもつながり、配電設備や通信設備
の設備信頼性が高まる。
【0028】(b)溝の横断面の縁線形状が円弧状であ
るので、溝内部に塩分や塵埃等の異物が一旦は付着して
も、雨水によって容易に洗浄されるので、異物の蓄積が
防止でき、異物の付着に起因する風力特性の変動が起こ
りにくく長期に渡って安定した風圧低減率を確保でき
る。
【0029】(c)角部のない溝形状にしているため、
押出成形により容易に製造が可能となり、正確な寸法で
溝を加工することができ、目標とする風力特性を精度よ
く得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る低風圧電線の第1の実施の形態を
示す斜視図。
【図2】本発明に係る低風圧電線の第2の実施の形態を
示す斜視図。
【図3】本発明に係る低風圧電線の溝の断面形状を示す
説明図。
【図4】低風圧電線の表面に設けられた溝本数が24本
である場合において、溝が外周面と接合する部分の曲率
半径rをr=R/2に固定し、溝の大きさを変化させた
ときの抗力係数Cdとレイノルズ数Reの関係を示した
グラフ。
【図5】低風圧電線の表面に設けられた溝本数が18本
である場合において、溝が外周面と接合する部分の曲率
半径rをr=R/2に固定し、溝の大きさを変化させた
ときの抗力係数Cdとレイノルズ数Reの関係を示した
グラフ。
【図6】低風圧電線の表面に設けられた溝本数が12本
である場合において、溝が外周面と接合する部分の曲率
半径rをr=R/2に固定し、溝の大きさを変化させた
ときの抗力係数Cdとレイノルズ数Reの関係を示した
グラフ。
【図7】低風圧電線の表面に設けられた溝本数が24本
である場合において、溝が外周面と接合する部分の曲率
半径rをr=Rに固定し、溝の大きさを変化させたとき
の抗力係数Cdとレイノルズ数Reの関係を示したグラ
フ。
【図8】低風圧電線の表面に設けられた溝本数が18本
である場合において、溝が外周面と接合する部分の曲率
半径rをr=Rに固定し、溝の大きさを変化させたとき
の抗力係数Cdとレイノルズ数Reの関係を示したグラ
フ。
【図9】低風圧電線の表面に設けられた溝本数が12本
である場合において、溝が外周面と接合する部分の曲率
半径rをr=Rに固定し、溝の大きさを変化させたとき
の抗力係数Cdとレイノルズ数Reの関係を示したグラ
フ。
【図10】特開平9−161541号公報記載の溝形状
を被覆を有する電線に採用し、溝が外周面と接合する部
分の角を正確に製作した形状モデルと実際に押出成形に
より製造した絶縁電線(角にざらつきがあるもの)の風
洞実験を行って、抗力係数Cdとレイノルズ数Reの関
係を示したグラフ。
【符号の説明】
C1 絶縁電線 C2 ケーブル 1 絶縁体、シース 2 溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺崎 康二 福岡県久留米市南町660番地 大電株式 会社 内 (72)発明者 江口 秀人 福岡県久留米市南町660番地 大電株式 会社 内 (56)参考文献 特開 平9−161541(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01B 5/10 H01G 7/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被覆表面に長さ方向と平行に溝を所要間
    隔をおいて複数本設けた低風圧電線であって、 上記溝の横断面の縁線形状は円弧状であり、 電線の外径をDとすると、 上記溝の曲率半径R、溝深さH、溝が電線の外周面と接
    合する部分の曲率半径r、および溝本数Nが、 0.009≦H/D≦0.026 0.026≦R/D≦0.105 R/2≦r≦R 12≦N≦24 但し H/R≦0.75 の範囲内において、 5≦ 5.55 / (N0.7 ×(H/D)0.45×(R/
    D)0.2 ) ≦12 を満足するよう選ばれたことを特徴とする、 低風圧電線。
JP10220726A 1998-08-04 1998-08-04 低風圧電線 Expired - Lifetime JP2952480B1 (ja)

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