JP2950478B2 - 滑り軸受合金 - Google Patents
滑り軸受合金Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は内燃機関の軸受にオーバレイとして施される
滑り軸受合金に関するものであり、さらに詳しくならば
Sn系軸受合金に関するものである。
滑り軸受合金に関するものであり、さらに詳しくならば
Sn系軸受合金に関するものである。
(従来の技術) 従来、ケルメット軸受にNiまたはCuめっきを施しある
いは施さないでPb系オーバレイを施すことはケルメット
軸受において普通に行われている。そのPb系オーバレイ
にはPb−10%Sn−8%InなどのPb−Sn−In系オーバレ
イ、Pb−12%Sn−2%CuなどのPb−Sn−Cu系オーバレイ
などの三元系合金がある。さらに、本出願人の米国特許
第4309064号にて開示されPb−5〜20%Sn−0.05〜10%I
n・Tl−0.5〜5%Sb,Mn,Bi,Ni,Cu,Ca,Ba系4元系合金が
ある。
いは施さないでPb系オーバレイを施すことはケルメット
軸受において普通に行われている。そのPb系オーバレイ
にはPb−10%Sn−8%InなどのPb−Sn−In系オーバレ
イ、Pb−12%Sn−2%CuなどのPb−Sn−Cu系オーバレイ
などの三元系合金がある。さらに、本出願人の米国特許
第4309064号にて開示されPb−5〜20%Sn−0.05〜10%I
n・Tl−0.5〜5%Sb,Mn,Bi,Ni,Cu,Ca,Ba系4元系合金が
ある。
一方、Sn系軸受合金に関しては以下のような技術が公
知である。
知である。
英国特許第702188号は、アルミニウム軸受合金に中間
層としてCuめっきをし、その上にSn系オーバレイ合金を
電気めっきすることを開示する。この特許の説明によれ
ば、オーバレイのSnが高温で中間層のCuと反応して、金
属間化合物を作り接合の寿命に悪影響を及ぼすので、こ
れを防止するために各めっき層の厚み限定が必要とされ
ている。Sn系オーバレイ合金は、任意成分として30%以
下のSb,15%以下のCu,10%以下のNi,20%以下のZnの1
種以上を含有する。
層としてCuめっきをし、その上にSn系オーバレイ合金を
電気めっきすることを開示する。この特許の説明によれ
ば、オーバレイのSnが高温で中間層のCuと反応して、金
属間化合物を作り接合の寿命に悪影響を及ぼすので、こ
れを防止するために各めっき層の厚み限定が必要とされ
ている。Sn系オーバレイ合金は、任意成分として30%以
下のSb,15%以下のCu,10%以下のNi,20%以下のZnの1
種以上を含有する。
特開平1−307512号は0〜15%のCuおよび0〜20%の
Sbを含有し、残部Snからなるオーバレイ合金を開示し、
その特徴とするところは、オーバレイ合金層とアルミニ
ウム軸受合金層の間にNi,Fe,Coのいずれかとオーバレイ
層との混在層を厚み0.5μm以下に設けることにより、
中間層上にめっきによりオーバレイを施すことによる欠
点(オーバレイが摩滅した時にシャフトと軸受の焼付が
起こる)を解消し、同時に、中間層を設けずに直接軸受
にオーバレイを設ける欠点(オーバレイ層が耐久性に劣
る)を解消するところにある。
Sbを含有し、残部Snからなるオーバレイ合金を開示し、
その特徴とするところは、オーバレイ合金層とアルミニ
ウム軸受合金層の間にNi,Fe,Coのいずれかとオーバレイ
層との混在層を厚み0.5μm以下に設けることにより、
中間層上にめっきによりオーバレイを施すことによる欠
点(オーバレイが摩滅した時にシャフトと軸受の焼付が
起こる)を解消し、同時に、中間層を設けずに直接軸受
にオーバレイを設ける欠点(オーバレイ層が耐久性に劣
る)を解消するところにある。
特開昭53−141614号は、〜13%のSb、〜9%のCu,〜
2%Ni,0.005〜0.5%のCo,〜15%のCd,〜2%のMn,0.00
1〜0.5%のCr、残部Snからなるベアリング用合金を開示
し、その特徴とするところはCrとともにCoを少量添加す
ることにより柔軟性を害せずに、引張強度を高めるとこ
ろにある。
2%Ni,0.005〜0.5%のCo,〜15%のCd,〜2%のMn,0.00
1〜0.5%のCr、残部Snからなるベアリング用合金を開示
し、その特徴とするところはCrとともにCoを少量添加す
ることにより柔軟性を害せずに、引張強度を高めるとこ
ろにある。
(発明が解決しようとる課題) 米国特許第4309064号において本出願人は、Pb−Sn−C
u系、Pb−Sn−In系などの三元系オーバレイはなじみ性
は良好であるが、耐疲労性、エンジンの潤滑性、特に劣
化油に対する耐食性、耐焼付性などが十分ではないこと
を指摘した。そして、上記米国特許において四元系オー
バレイを提案し、軸受総合性能の向上を達成したのであ
るが、その後の研究によりPb系オーバレイは四元系でも
依然として耐食性、特に劣化した潤滑油に対する耐食性
が不十分であることが分かった。
u系、Pb−Sn−In系などの三元系オーバレイはなじみ性
は良好であるが、耐疲労性、エンジンの潤滑性、特に劣
化油に対する耐食性、耐焼付性などが十分ではないこと
を指摘した。そして、上記米国特許において四元系オー
バレイを提案し、軸受総合性能の向上を達成したのであ
るが、その後の研究によりPb系オーバレイは四元系でも
依然として耐食性、特に劣化した潤滑油に対する耐食性
が不十分であることが分かった。
一般的に言ってPb−12%Sn−2%Cu、Pb−10%Sn−8
%InなどのPb系オーバレイよりもSn系オーバレイはなじ
み性は劣るが、耐食性が優れていることは知られてい
る。しかしながらSn系オーバレイはPb系オーバレイに比
較して耐焼付性が劣る傾向があり、従来公知の添加成分
を含有したSn系合金であってもPb系オーバレイと同等の
耐焼付性は達成されておらない。
%InなどのPb系オーバレイよりもSn系オーバレイはなじ
み性は劣るが、耐食性が優れていることは知られてい
る。しかしながらSn系オーバレイはPb系オーバレイに比
較して耐焼付性が劣る傾向があり、従来公知の添加成分
を含有したSn系合金であってもPb系オーバレイと同等の
耐焼付性は達成されておらない。
したがって、本発明は、従来の三元系Pbオーバレイよ
りも耐食性、耐摩耗性および耐疲労性が優れ、かつ従来
のSn系オーバレイに対し耐食性、耐摩耗性および耐疲労
性が同等で耐焼付性が優れたオーバレイ用滑り軸受合金
を提供することを目的とする。
りも耐食性、耐摩耗性および耐疲労性が優れ、かつ従来
のSn系オーバレイに対し耐食性、耐摩耗性および耐疲労
性が同等で耐焼付性が優れたオーバレイ用滑り軸受合金
を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は以下の4つの組成の滑り軸受合金を提供す
る。
る。
(1)In0.1〜25重量%(以下、百分率は特に断らない
限り、重量%である)を含有し、残部不可避的不純物お
よびSnからなる滑り軸受合金。
限り、重量%である)を含有し、残部不可避的不純物お
よびSnからなる滑り軸受合金。
(2)In0.1〜25重量%、およびSb,Cu,Ag,Ni,ZnおよびA
lの少なくとも1種を0.01〜15%を含有し、残部不可避
的不純物およびSnからなる滑り軸受合金。
lの少なくとも1種を0.01〜15%を含有し、残部不可避
的不純物およびSnからなる滑り軸受合金。
(3)In0.1〜25重量%およびPb0.1〜20%を含有し、残
部不可避的不純物およびSnからなる滑り軸受合金。
部不可避的不純物およびSnからなる滑り軸受合金。
(4)In0.1〜25%、Sb,Cu,Ag,Ni,ZnおよびAl(以下、S
bで代表して説明することもある)の少なくとも1種を
0.01〜15%、およびPb0.1〜20%を含有し、残部不可避
的不純物およびSnからなる滑り軸受合金。
bで代表して説明することもある)の少なくとも1種を
0.01〜15%、およびPb0.1〜20%を含有し、残部不可避
的不純物およびSnからなる滑り軸受合金。
以下、本発明の構成を詳しく説明する。
本発明の滑り軸受合金の共通の組成はInを0.1〜25%
を含有するところにある。Sn自体はPbに比べて、硬く、
なじみ性に劣りまた相手軸の鉄鋼、鋳鉄との摩擦係数が
高く、さらにオイルとの親和性も劣る。Sn中に固溶した
InおよびInをSnに添加させることにより作られるSn−In
のγ相が硬度を下げ、なじみ性、摩擦特性を改善すると
共に、親油性を改善する。この結果Sn系合金を耐焼付性
が改善される。Inの添加量が0.1%未満ではInの固溶量
が少なく、上記Snの性質が変化しないので、添加量は最
低で0.1%とする必要がある。一方Inの添加量が25%を
超えるとSn−In合金の融点が低くなりすぎ、耐荷重性や
耐疲労性が低下するので、In添加量の上限を25%とする
必要がある。Inの添加量が15%以下であると融点が205
℃以上となり融点低下に伴う性能低下を避けることがで
きる。またIn添加量が0.1〜8%であると融点が205〜23
2℃に保たれ、0.1〜5%では融点が224.5〜232℃に保た
れる。このようなIn添加量の融点の関係および後述する
Sb,Cuなど(いずれもSn合金の融点を高める)の添加量
ならびにオーバレイの使用温度を総合的に考慮してIn添
加量を定める。例えば軸受背面温度で170℃の高温の使
用される軸受には0.1〜5%のIn添加量が好ましい。
を含有するところにある。Sn自体はPbに比べて、硬く、
なじみ性に劣りまた相手軸の鉄鋼、鋳鉄との摩擦係数が
高く、さらにオイルとの親和性も劣る。Sn中に固溶した
InおよびInをSnに添加させることにより作られるSn−In
のγ相が硬度を下げ、なじみ性、摩擦特性を改善すると
共に、親油性を改善する。この結果Sn系合金を耐焼付性
が改善される。Inの添加量が0.1%未満ではInの固溶量
が少なく、上記Snの性質が変化しないので、添加量は最
低で0.1%とする必要がある。一方Inの添加量が25%を
超えるとSn−In合金の融点が低くなりすぎ、耐荷重性や
耐疲労性が低下するので、In添加量の上限を25%とする
必要がある。Inの添加量が15%以下であると融点が205
℃以上となり融点低下に伴う性能低下を避けることがで
きる。またIn添加量が0.1〜8%であると融点が205〜23
2℃に保たれ、0.1〜5%では融点が224.5〜232℃に保た
れる。このようなIn添加量の融点の関係および後述する
Sb,Cuなど(いずれもSn合金の融点を高める)の添加量
ならびにオーバレイの使用温度を総合的に考慮してIn添
加量を定める。例えば軸受背面温度で170℃の高温の使
用される軸受には0.1〜5%のIn添加量が好ましい。
本発明の滑り軸受合金は好ましい添加成分として、0.
01〜15%のSb(Sbで代表される添加成分)および/また
は0.01〜20%のPbを含有する。
01〜15%のSb(Sbで代表される添加成分)および/また
は0.01〜20%のPbを含有する。
Sn系合金はPb系合金に比べて融点が低く、Inの添加に
よりわずかではあるがさらに低融点側に組成が移行する
ため、耐疲労性が低くなる。Sn−In系合金にSbを添加す
ると、Sn−Inγ相あるいはSn−In固溶体に固溶した添加
元素がその融点を高め、InSb(Mp=530℃),SnSb(β
相,Mp=325℃)などの高融点化合物が生成する。したが
って、合金全体の融点を高めることができ、低融点に起
因する性能低下を避けることができる。また上記の金属
間化合物はSn−Inγ相あるいはSn−In固溶体の結晶粒界
近傍に微細に分散してマトリックスの析出強化をし、そ
の結果耐疲労性および耐摩耗性が改善される。これらの
析出物はオーバレイを電気めっきあるいは乾式めっきに
より作製する場合は当初生成していないが、その後オー
バレイに熱を加えることにより生成する。また溶融めっ
きによりオーバレイを作製する場合は当初から析出物が
生成するが、析出物が粗大であり析出強化が少ないので
電気めっきの方がオーバレイ作製の方法として好まし
い。
よりわずかではあるがさらに低融点側に組成が移行する
ため、耐疲労性が低くなる。Sn−In系合金にSbを添加す
ると、Sn−Inγ相あるいはSn−In固溶体に固溶した添加
元素がその融点を高め、InSb(Mp=530℃),SnSb(β
相,Mp=325℃)などの高融点化合物が生成する。したが
って、合金全体の融点を高めることができ、低融点に起
因する性能低下を避けることができる。また上記の金属
間化合物はSn−Inγ相あるいはSn−In固溶体の結晶粒界
近傍に微細に分散してマトリックスの析出強化をし、そ
の結果耐疲労性および耐摩耗性が改善される。これらの
析出物はオーバレイを電気めっきあるいは乾式めっきに
より作製する場合は当初生成していないが、その後オー
バレイに熱を加えることにより生成する。また溶融めっ
きによりオーバレイを作製する場合は当初から析出物が
生成するが、析出物が粗大であり析出強化が少ないので
電気めっきの方がオーバレイ作製の方法として好まし
い。
Sb等の添加量は0.01〜15%である。Sbの添加量が0.01
%未満であると、Sn−Inγ相あるいはSn−In固溶体の特
性は変わらないので、添加量は0.01%以上にする必要が
ある。Sbの添加量が15%超えると合金が硬くかつ脆くな
って、なじみ性が低下するので、Sbの添加量は15%を上
限とする。
%未満であると、Sn−Inγ相あるいはSn−In固溶体の特
性は変わらないので、添加量は0.01%以上にする必要が
ある。Sbの添加量が15%超えると合金が硬くかつ脆くな
って、なじみ性が低下するので、Sbの添加量は15%を上
限とする。
軸受特性のうち耐疲労性を重視するときは、Sbを3%
以下とし、耐摩耗性を重視するときは、Sbを8%以下に
することが好ましい。その理由は、Sbの場合は、Sb量が
増加するとともに硬いSnSb(β′相)の大きさと量が大
になり、3%Sbを超えると、耐摩耗性は増すものの逆に
耐疲労性は低下する傾向があるからである。さらに3%
Sbを超えると硬さも硬くなりすぎるために耐焼付性が低
下するので、3%Sbを超える合金は特に耐摩耗性が重視
される用途に使用するのが望ましい。
以下とし、耐摩耗性を重視するときは、Sbを8%以下に
することが好ましい。その理由は、Sbの場合は、Sb量が
増加するとともに硬いSnSb(β′相)の大きさと量が大
になり、3%Sbを超えると、耐摩耗性は増すものの逆に
耐疲労性は低下する傾向があるからである。さらに3%
Sbを超えると硬さも硬くなりすぎるために耐焼付性が低
下するので、3%Sbを超える合金は特に耐摩耗性が重視
される用途に使用するのが望ましい。
Sb以外の添加元素であるCu,Ag,Ni,Zn,AlもSbと同様に
作用する。しかし、その生成化合物および好ましい添加
量の上限はSbの場合とは以下のように異なる。
作用する。しかし、その生成化合物および好ましい添加
量の上限はSbの場合とは以下のように異なる。
Cuは、Cu3Sn(ε相,Mp=600℃以上),CuIn(Mp=600
℃),Cu6Sn5(η′相,Mp=415℃)などの化合物を作
る。その好ましい上限添加量は3%である。
℃),Cu6Sn5(η′相,Mp=415℃)などの化合物を作
る。その好ましい上限添加量は3%である。
Agは、Ag3Sn(Mp=480℃)、AgSnInなどの化合物を作
る。その好ましい上限添加量は5%である。
る。その好ましい上限添加量は5%である。
NiはNi3Sn4(Mp=795℃)などの化合物を作る。その
好ましい上限添加量は3%である。
好ましい上限添加量は3%である。
Znは共晶合金で単独で析出する。その好ましい上限添
加量は1%である。
加量は1%である。
Alは8晶合金で単独で析出する。その好ましい上限添
加量は1%である。
加量は1%である。
Pbはなじみ性および耐焼付性を向上させる。Pb添加量
が0.1%未満ではその効果がなく、一方その添加量が20
%を超えると、融点が200℃以下になり軸受として使用
できる用途が極めて限られることになる。PbはSn−In固
溶体を作る添加量(2.5%以下)で使用すると、上記作
用が良好になり、かつ劣化油に対する耐食性も問題にな
らない。
が0.1%未満ではその効果がなく、一方その添加量が20
%を超えると、融点が200℃以下になり軸受として使用
できる用途が極めて限られることになる。PbはSn−In固
溶体を作る添加量(2.5%以下)で使用すると、上記作
用が良好になり、かつ劣化油に対する耐食性も問題にな
らない。
本発明に係る軸受合金を使用した軸受の構造には以下
のようなものがある。まず、裏金(SPCC)にケルメット
(組成の例、Cu−22%Pb−3%Sn)を0.25mm厚みに焼結
し、その後仕上げ加工する。その上に厚みが2μmのNi
めっきを介して本発明の軸受合金(オーバレイ)を15μ
mの厚さに施した軸受とする。次に、裏金にアルミニウ
ム合金(例えば、厚み0.3mm、組成Al−4.5%Zn−1%Cu
−2%Si)を圧接し、その後成形加工し、このアルミニ
ウム合金層に厚みが2μmのCuめっき層を介して本発明
の軸受合金(オーバレイ)を15μmの厚みに施した軸受
とする。さらに、裏金にアルミニウム合金(例えば、厚
み0.3mm、組成Al−12%Sn−3%Si−1%Cu−0.3%Mn−
1.5%−Pb)を圧接し、このアルミニウム合金層に直接
本発明の軸受合金(オーバレイ)を5μmの厚みに施し
た軸受とする。
のようなものがある。まず、裏金(SPCC)にケルメット
(組成の例、Cu−22%Pb−3%Sn)を0.25mm厚みに焼結
し、その後仕上げ加工する。その上に厚みが2μmのNi
めっきを介して本発明の軸受合金(オーバレイ)を15μ
mの厚さに施した軸受とする。次に、裏金にアルミニウ
ム合金(例えば、厚み0.3mm、組成Al−4.5%Zn−1%Cu
−2%Si)を圧接し、その後成形加工し、このアルミニ
ウム合金層に厚みが2μmのCuめっき層を介して本発明
の軸受合金(オーバレイ)を15μmの厚みに施した軸受
とする。さらに、裏金にアルミニウム合金(例えば、厚
み0.3mm、組成Al−12%Sn−3%Si−1%Cu−0.3%Mn−
1.5%−Pb)を圧接し、このアルミニウム合金層に直接
本発明の軸受合金(オーバレイ)を5μmの厚みに施し
た軸受とする。
続いて、本発明の軸受合金をめっきにより作成した場
合のめっき条件を説明する。
合のめっき条件を説明する。
SnめっきまたはSn−Cu,Niめっきの硫酸浴 硫酸第1スズ40g/,硫酸60g/,クレゾールスホン
酸40g/,ゼラチン2g/を含有するめっき浴で浴温20
℃、電流密度2A/dm2でSnめっきを行う。Sn−CuまたはSn
−Niのめっきをする時は硫酸銅、硫酸ニッケケルをめっ
き浴に適量添加する。
酸40g/,ゼラチン2g/を含有するめっき浴で浴温20
℃、電流密度2A/dm2でSnめっきを行う。Sn−CuまたはSn
−Niのめっきをする時は硫酸銅、硫酸ニッケケルをめっ
き浴に適量添加する。
SnめっきまたはSn−Sbめっきのほうふっ酸浴 ほうふっ酸第1スズ200g/、ほうふっ酸100g/、ハ
イドロキノン4g/、ペプトン0.5g/を含有するめっき
浴で浴温20℃、電流密度3A/dm2でSnめっきを行う。Sn−
Sbめっきする場合はほうふっ化アンチモンをめっき浴に
適量添加する。
イドロキノン4g/、ペプトン0.5g/を含有するめっき
浴で浴温20℃、電流密度3A/dm2でSnめっきを行う。Sn−
Sbめっきする場合はほうふっ化アンチモンをめっき浴に
適量添加する。
Sn−Pbめっき浴 ほうふっ化第1スズ200g/、ほうふっ化第1鉛200g/
、ほうふっ酸100g/、ハイドロキノン4g/、ペプト
ン0.5g/を含有するめっき浴で浴温20℃、電流密度3A/
dm2でSn−Pbめっきを行う。
、ほうふっ酸100g/、ハイドロキノン4g/、ペプト
ン0.5g/を含有するめっき浴で浴温20℃、電流密度3A/
dm2でSn−Pbめっきを行う。
Sn−Agめっき浴 スルホン酸銀15g/、スルホン酸スズ10g/、ヨウ化
カリウム350g/、有機添加剤5g/を含有するめっき浴
で浴温30℃、電流密度1.5A/dm2でSn−Agめっきを行う。
カリウム350g/、有機添加剤5g/を含有するめっき浴
で浴温30℃、電流密度1.5A/dm2でSn−Agめっきを行う。
〜のめっき後にスルファンミン酸インジウムめっ
き浴で浴温30℃、電流密度1.5A/dm2でInめっきを行う。
き浴で浴温30℃、電流密度1.5A/dm2でInめっきを行う。
の後または前に60〜180℃、好ましくは80℃、で5
〜30分、好ましくは15分の熱処理を行う。
〜30分、好ましくは15分の熱処理を行う。
〜とは別の方法として、スルファミン酸スズ、ス
ルファミン酸インジウム浴によりSn−In合金を1回の処
理で作製することもできる。Sb、Pbなどは必要によりめ
っき浴に添加する。
ルファミン酸インジウム浴によりSn−In合金を1回の処
理で作製することもできる。Sb、Pbなどは必要によりめ
っき浴に添加する。
〜とは別の方法としてイオンプレーティング、ス
パッタリング、蒸着などの乾式めっき方法によりSn−In
−(Sb/Pb)系合金を作製することができる。
パッタリング、蒸着などの乾式めっき方法によりSn−In
−(Sb/Pb)系合金を作製することができる。
(作用) 上記データは実施例の条件で軸受特性を各種オーバレ
イ合金について評価した結果である。これらの軸受特性
を比較することにより、本発明のSn−7%In−7%Sb系
オーバレイ合金は、従来の三元系Pb合金オーバレイより
も耐食性、耐摩耗性および耐疲労性が優れ、かつ従来の
Sn系オーバレイ合金よりも耐焼付性および耐疲労性が優
れ、本発明オーバレイ合金のなじみ性は従来のPb系オー
バレイと従来のSn系オーバレイの中間であることが分か
る。
イ合金について評価した結果である。これらの軸受特性
を比較することにより、本発明のSn−7%In−7%Sb系
オーバレイ合金は、従来の三元系Pb合金オーバレイより
も耐食性、耐摩耗性および耐疲労性が優れ、かつ従来の
Sn系オーバレイ合金よりも耐焼付性および耐疲労性が優
れ、本発明オーバレイ合金のなじみ性は従来のPb系オー
バレイと従来のSn系オーバレイの中間であることが分か
る。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
(実施例) 表1の組成のオーバレイを厚みが3μmのNiめっき層
を介してケルメット(組成−Cu−22%Pb−3%Sn,厚み
0.3mm)上にめっきした。ケルメットは厚みが1.2mmの鋼
板上に形成した。
を介してケルメット(組成−Cu−22%Pb−3%Sn,厚み
0.3mm)上にめっきした。ケルメットは厚みが1.2mmの鋼
板上に形成した。
軸受の性能を以下の試験方法により測定した。
耐摩耗性 1600ccのガソリンエンジン(鋳造軸(FCD70)、無鉛
ガソリン使用)の軸受として供試軸受を組み込み、5600
rpm全負荷;500時間連続運転;潤滑油:SAE7.5W30、SE
級、オイル100時間毎に交換、オイルパン温度=120℃;
の条件にて500時間運転後の摩耗量を測定した。
ガソリン使用)の軸受として供試軸受を組み込み、5600
rpm全負荷;500時間連続運転;潤滑油:SAE7.5W30、SE
級、オイル100時間毎に交換、オイルパン温度=120℃;
の条件にて500時間運転後の摩耗量を測定した。
耐焼付性 ジャーナル型焼付試験機にて、回転数1500rpm、面圧5
0kg/cm2を30分毎に逐次加え、焼付面圧を測定した。軸
はS50C焼入軸であり、潤滑油はSAE7.5W30、SE級を140℃
で給油した。
0kg/cm2を30分毎に逐次加え、焼付面圧を測定した。軸
はS50C焼入軸であり、潤滑油はSAE7.5W30、SE級を140℃
で給油した。
耐疲労性 往復荷重試験機にて、回転数3000rpm、面圧600kg/cm2
の条件で荷重を3×106回繰り返し供試材に加え、疲労
が発生した面積を測定した。軸はS50C焼入軸であり、潤
滑油はSAE7.5W30、SE級を120℃で給油した。
の条件で荷重を3×106回繰り返し供試材に加え、疲労
が発生した面積を測定した。軸はS50C焼入軸であり、潤
滑油はSAE7.5W30、SE級を120℃で給油した。
腐食試験 1600ccのガソリンエンジン(焼入軸(S50C)、有鉛ガ
ソリン使用)の軸受として供試軸受を組み込み、5600rp
m全負荷;300時間連続運転;潤滑油;SAE10W30、SD級、オ
イル無交換、オイルパン温度=120℃;の条件にて300時
間運転後の摩耗量を測定した。
ソリン使用)の軸受として供試軸受を組み込み、5600rp
m全負荷;300時間連続運転;潤滑油;SAE10W30、SD級、オ
イル無交換、オイルパン温度=120℃;の条件にて300時
間運転後の摩耗量を測定した。
試験結果を第1表に示す。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明に係る滑り軸受合金はSn
系合金にInを添加することを共通の特徴とし、Snのもっ
ているなじみ性不足、高い摩擦係数、親油性不足を解消
し、Snのもっている優れた耐食性を活用している。した
がって、本発明の滑り軸受合金は耐食性が特に要求され
る用途に的する。
系合金にInを添加することを共通の特徴とし、Snのもっ
ているなじみ性不足、高い摩擦係数、親油性不足を解消
し、Snのもっている優れた耐食性を活用している。した
がって、本発明の滑り軸受合金は耐食性が特に要求され
る用途に的する。
一方、Inの添加によりSn系合金の融点低下の傾向が表
れるが、Sb等の添加によりこれを抑制し、耐荷重性等の
性能を優れたものにすることができる。さらにPbを添加
することによりなじみ性を良好にすることができる。
れるが、Sb等の添加によりこれを抑制し、耐荷重性等の
性能を優れたものにすることができる。さらにPbを添加
することによりなじみ性を良好にすることができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−141537(JP,A) 特開 昭47−6755(JP,A) 特開 昭63−28839(JP,A) 特開 平1−237095(JP,A) 特開 平1−307512(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 13/00 F16C 33/12
Claims (4)
- 【請求項1】In0.1〜25重量%を含有し、残部不加避的
不純物およびSnからなることを特徴とする滑り軸受合
金。 - 【請求項2】In0.1〜25重量%、およびSb,Cu,Ag,Ni,Zn
およびAlの少なくとも1種を0.01〜15重量%(2種以上
添加するときは合計量)を含有し、残部不可避的不純物
およびSnからなることを特徴とする滑り軸受合金。 - 【請求項3】In0.1〜25重量%およびPb0.1〜20重量%を
含有し、残部不可避的不純物およびSnからなることを特
徴とする滑り軸受合金。 - 【請求項4】In0.1〜25重量%、Sb,Cu,Ag,Ni,ZnおよびA
lの少なくとも1種を0.01〜15重量%(2種以上含有す
るときは合計量)、およびPb0.1〜20重量%を含有し、
残部不可避的不純物およびSnからなることを特徴とする
滑り軸受合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10176990A JP2950478B2 (ja) | 1990-04-19 | 1990-04-19 | 滑り軸受合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10176990A JP2950478B2 (ja) | 1990-04-19 | 1990-04-19 | 滑り軸受合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH042739A JPH042739A (ja) | 1992-01-07 |
JP2950478B2 true JP2950478B2 (ja) | 1999-09-20 |
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ID=14309430
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP10176990A Expired - Fee Related JP2950478B2 (ja) | 1990-04-19 | 1990-04-19 | 滑り軸受合金 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2950478B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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KR20150140840A (ko) * | 2013-04-15 | 2015-12-16 | 촐레른 베하붸 글라이트라거 게엠베하 운트 코. 카게 | 주석-계 슬라이딩 베어링 합금 |
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GB9701819D0 (en) * | 1997-01-29 | 1997-03-19 | Alpha Fry Ltd | Lead-free tin alloy |
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-
1990
- 1990-04-19 JP JP10176990A patent/JP2950478B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR102276333B1 (ko) * | 2013-04-15 | 2021-07-13 | 촐레른 베하붸 글라이트라거 게엠베하 운트 코. 카게 | 주석-계 슬라이딩 베어링 합금 |
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---|---|
JPH042739A (ja) | 1992-01-07 |
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