JP2949519B2 - 超伝導ベーストランジスタ - Google Patents

超伝導ベーストランジスタ

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Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 微小な信号のスイッチングのために使用されるトラン
ジスタ、特に、超伝導体をベース層として用いた超伝導
ベーストランジスタに関し、 超伝導ベーストランジスタを実現する上で好適な数me
V程度の低いバリア高さを実現することを目的とし、 超伝導体からなるベース層と、該ベース層に準粒子を
注入するエミッタ層と、該ベース層から準粒子を捕捉す
るコレクタ層とから構成される超伝導ベーストランジス
タにおいて、上記のベース層とコレクタ層からなる接合
構造を、ベース層とコレクタ層の間に誘電率の異なる複
数の誘電体バリア層を挟んだ構造にし、これら複数の誘
電体バリア層のうち、ベース層と接触する第1の誘電体
バリア層と、第1の誘電体バリア層と接触する第2の誘
電体バリア層とにおいて、第2の誘電体バリア層の誘電
率を、第1の誘電体バリア層の誘電率より大きく選び、
第2の誘電体バリア層に、ベース層からコレクタ層をみ
たバリア高さを低く保つのに充分な濃度と導電型の不純
物をドープして構成した。
〔産業上の利用分野〕
本発明は、微小な信号のスイッチングのために使用さ
れるトランジスタ、特に、超伝導体をベース層として用
いた超伝導ベーストランジスタに関する。
微小な電気信号に対しスイッチングや増幅作用をもつ
トランジスタを得ることは、情報処理、通信等の分野で
強く要望されている。
このようなトランジスタのうち、きわめて小さい電圧
で動作するものとして超伝導ベーストランジスタが既に
提案されている。
超伝導ベーストランジスタは、超伝導体で作られたベ
ース層を有し、この超伝導ベース層に準粒子を注入して
電流を制御するものである。
超伝導ベーストランジスタの特徴は、上記したよう
に、きわめて小さい電圧で動作することであり、通常の
バイポーラトランジスタが数Vで動作するのに対して、
超伝導体のエネルギギャップに対応する数mVの電圧でス
イッチングすることができると考えられている。
〔従来の技術〕
本発明の説明に先立って、従来の超伝導ベーストラン
ジスタの概要を説明する。
第6図(a)、(b)は従来の超伝導ベーストランジ
スタの原理説明図であり、第6図(a)はその構成の概
念図、第6図(b)はその模式的エネルギバンド図であ
る。
この図において、41はn−InSbコレクタ層、42はNbか
らなるベース層、43はAlOxからなる誘電体バリア層、44
はNbからなるエミッタ層、45はSiO2からなる保護層、46
はコレクタ電極、47はベース電極、48はエミッタ電極で
ある。
従来の超伝導ベーストランジスタは、この図に示され
ているように、n−InSb単結晶からなるコレクタ層41の
上に、液体ヘリウム温度で超伝導状態になるNbからなる
ベース層42、AlOxからなる誘電体バリア層43、超伝導体
Nbからなるエミッタ層44が積層され、全体がSiO2からな
る保護層45によって覆われ、コレクタ電極46、ベース電
極47、エミッタ電極48が形成されている。
この超伝導ベーストランジスタのエミッタ層44とベー
ス層42の間に電圧を印加すると、エミッタ層44を構成す
る超伝導体のキャリアである準粒子が、誘電体バリア層
43をトンネルしてベース層42に注入される。
このベース層42に注入された準粒子は、ベース層42内
を走行してベース層42とコレクタ層41の界面に達し、ベ
ース層42とコレクタ層41の間のバリアの高さが、第6図
(b)の実線の伝導帯のように、超伝導ベース層42のギ
ャップエネルギ程度に低ければ、コレクタ41側に流れだ
し、コレクタ電流として外部に取り出されることにな
る。
ベース層の中には超伝導電流を担うクーパー対がある
が、これはコレクタバリアに阻まれて電流に寄与しな
い。
このようにしてエミッタから準粒子をベース層に注入
することによってコレクタ電流が制御されるから、通常
のバイポーラトランジスタと同様に電流増幅および電圧
増幅作用が得られる。
そして、Nb等の金属超伝導体では、ギャップエネルギ
が約1meV程度と非常に小さく、高温超伝導材料でも10〜
20meV程度であるから、このレベルに相当する微小電圧
によって動作する増幅装置が得られることが期待され
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
このように、超伝導ベーストランジスタにおいて最も
重要なことは、コレクタバリアの高さを超伝導体のギャ
ップエネルギと同程度にすることであり、ベース層とコ
レクタ層界面にできるバリアの高さを数meVというきわ
めて微小な値で、しかも、正確に形成する必要がある。
しかし、このように微小なバリア高さを単一の超伝導
/半導体界面で実現することは至難の技であり、低いバ
リアを表現するために、界面部分だけに不純物を著しく
高濃度にドープした層のMBE法等によって形成すると
か、種々の複雑なヘテロ接合技術が必要であった。
しかしながら、このような複雑な技術を用いても、良
好な性能をもつ超伝導ベーストランジスタの実現に必要
な数meVというバリア高さは得られておらず、実際に
は、第6図(b)の破線で示されるように高くなり、せ
いぜい50〜60meVのバリア高さが得られる程度で、この
バリアによって準粒子が流れず、トランジスタとしての
電流利得がとれないという問題があった。
本発明は、超伝導ベーストランジスタを実現する上で
好適な数meV程度の低いバリア高さを実現することを目
的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明にかかる、超伝導体からなるベース層と、該ベ
ース層に準粒子を注入するエミッタ層と、該ベース層か
ら準粒子を捕捉するコレクタ層とから構成される超伝導
ベーストランジスタにおいては、上記のベース層とコレ
クタ層からなる接合構造が、ベース層とコレクタ層の間
に誘電率の異なる複数の誘電体バリア層が挟まれた構造
になっており、これら複数の誘電体バリア層のうち、ベ
ース層と接触する第1の誘電体バリア層と、第1の誘電
体バリア層と接触する第2の誘電体バリア層とにおい
て、第2の誘電体バリア層の誘電率が、第1の誘電体バ
リア層の誘電率より大きく選ばれ、第2の誘電体バリア
層には、ベース層からコレクタ層をみたバリア高さを低
く保つのに充分な濃度と導電型の不純物がドープされて
いる構成をとることとした。
〔作用〕
第1図(a)〜(c)は、本発明の超伝導ベーストラ
ンジスタの原理説明図で、第1図(a)は構造の概念
図、第1図(b)はその模式的エネルギバンド図、第1
図(c)はε2とVeffの関係図である。
この図において、1は超伝導体ベース層、2は導電性
コレクタ層、3は第1の誘電体バリア層、4は第2の誘
電体バリア層、5は超伝導体エミッタ層、6はエミッタ
誘電体バリア層である。
本発明の超伝導ベーストランジスタは、金属超伝導体
あるいは酸化物超伝導体からなるベース層1と、金属、
半導体あるいは酸化物超伝導体などからなる導電性コレ
クタ層との間に、第1の誘電体バリア層3、第2の誘電
体バリア層4を挟んだ構造になっている。
なお、ベース層に接してコレクタ層とは反対側に、エ
ミッタ誘電体バリア層6を介してエミッタ層が設けられ
ているが、本発明の原理説明には特に必要がないため図
示および説明は省略されている。
この超伝導ベーストランジスタの、ベース・コレクタ
接合の動作原理を、第1図(b)の模式的エネルギバン
ド図によって説明する。
なお、この図はキャリアが電子である場合に対するも
のであるが、キャリアが正孔である場合でもこれに準じ
た説明が可能である。
2層の誘電体バリア層のうち、第1の誘電体バリア層
3は準粒子であるキャリアを透過させる性質をもってい
る。
このキャリア透過の機構は、第1の誘電体バリア層3
がキャリアに対して充分に低い障壁をもっているか、あ
るいはキャリアが第1の誘電体バリア層3をトンネル現
象によって透過するかのいずれかによって得られるが、
ここでは、トンネル現象によって透過する場合を図示し
ている。
これに隣接する第2の誘電体バリア層4は、半導体的
エネルギバンド構造をもち、ここではドナー的不純物を
ドープしたp型半導体であるとして図示されている。
この第2の誘電体バリア層4に電界がかかるとドナが
移動して固定電荷である正電荷が現れるから、第1の誘
電体バリア層3と第2の誘電体バリア層4の中の電位は
Poissonの方程式によって変化する。
すなわち、正電荷は第2の誘電体バリア層4の電位を
下げる働きをもつが、第2の誘電体バリア層4の誘電率
が第1の誘電体バリア層3に比較して充分大きいと、正
電荷によって生じるバンドの曲がりの大部分は第1の誘
電体バリア層3の側に生じる。その結果ベース層1から
第2の誘電体バリア層4をみた実効的バリア高さが低く
なる。
この事情を数式を用いて説明するとつぎのようにな
る。
第1の誘電体バリア層3の厚さをd1、第1の誘電体バ
リア層3の誘電率をε、第2の誘電体バリア層4の誘
電率をε、第2の誘電体バリア層4のドナ密度をNd、
ベースから第1の誘電体バリア層3をみたバリア高さを
eVB1、第1の誘電体バリア層3と第2の誘電体バリア層
4の間の伝導帯の飛びの値をeVB2、VB=VB1+VB2、電子
の電荷をeとすると、いわゆる空乏近似によるベース層
から第2の誘電体バリア層4の伝導帯をみた実効的バリ
ア高さeVeffが導かれ、その実効的バリア高さeVeffに相
当する電圧値はつぎのように表される。
Veff=VB+ε2d1 2eNd/ε1 2−〔(VB +ε2d1 2eNd/ε1 2−VB 21/2 第1図(c)は、上の式によって計算されたバリアの
高さに相当する電圧値を示している。
ただし、第1の誘電体バリア層3のε1が10程度
であることを前提としている。
数値の一例として、VBを1V、第1の誘電体層2の厚さ
を40Å、ドナ密度を6×1018cm-3、第1の誘電体バリア
層3の比誘電率εr1を10、第2の誘電体4の比誘電率ε
r2を20000とすると、ベース層1から第2の誘電体バリ
ア層4の伝導帯をみた実効的バリア高さに相当する電圧
値Veffは1.43mAとなる。
本発明の超伝導ベーストランジスタにおいては、ベー
ス層からコレクタをみたときの実効的なバリア高さは、
ベース層のフェルミレベルを基準とした第2の誘電体バ
リア層4の伝導帯下端の高さで定まるから、ベース層と
誘電体バリア層の間の一部にバリア高さが高い部分があ
っても、実効的バリア高さをきわめて低くすることがで
き、その結果として、微小電圧で動作し、電流利得の大
きい超伝導ベーストランジスタが得られる。
〔実施例〕
以下、本発明の超伝導ベーストランジスタのいくつか
の実施例を図面に基づいて説明する。
(1)第1実施例(第2図参照) 第2図は、本発明の超伝導ベーストランジスタの第1
実施例の断面図である。
この図において、11は基板、12はPtからなるコレクタ
導電層、13はSiからなる第1の誘電体バリア層、14は不
純物としてNbをドープしたSrTiO3からなる第2の誘電体
バリア層、15はSiからなる第1の誘電体バリア層、16は
超伝導体Nbからなるベース層、17はSiからなるバリア
層、18は超伝導体Nbからなるエミッタ層、19は保護用Si
O2層、20はコレクタ電極、21はベース電極、22はエミッ
タ電極である。
この超伝導ベーストランジスタは、ノンドープSrTiO3
からなる基板11上に、Ptからなるコレクタ導電層12、厚
さが60ÅのアモルファスSiからなる第1の誘電体バリア
層13、厚さが1000Åでドナ不純物としてNbを6×1017cm
-3の濃度でドープしたSrTiO3からなる第2の誘電体バリ
ア層14、厚さが60ÅのアモルファスSi誘電体バリア層1
5、液体ヘリウム温度における超伝導体Nbからなるベー
ス層16、アモルファスSiからなる誘電体バリア層17、超
伝導体Nbからなるエミッタ層18を積層し、全体が保護用
SiO2層19によって覆われ、コレクタ電極20、ベース電極
21、エミッタ電極22が形成された構造を有している。
この超伝導ベーストランジスタを液体ヘリウム温度で
ある4.2Kまで冷却すると、第2の誘電体バリア層14の比
誘電率が20000という大きな値になる。
他方、この温度下においてもアモルファスSiの比誘電
率は8〜10でほとんど変化しないから、この低温下にお
いては、第1の誘電体バリア層13、15と第2の誘電体バ
リア層14の誘電率の間には著しい差を生じる。
そして、SrTiO3からなる第2の誘電体バリア層14に
は、ドナーとして働く不純物Nbがドープされているか
ら、その固定電荷である正電荷によって、第2の誘電体
バリア層14の電位を下げるようにバンド構造を曲げる働
きを生じ、上記のような誘電率の差があるために、バン
ド構造の曲がりは殆ど第1の誘電体バリア層13、15中に
生じ、第2の誘電体バリア層14の伝導帯が低くなり、ベ
ース層16からみた実効的バリアの高さはベース層16のフ
ェルミレベルと第2の誘電体バリア層14の伝導帯とのエ
ネルギ差で与えられる。
この場合、第1の誘電体バリア層13、15はそのバリア
の幅が狭いためにキャリアはトンネル現象によって透過
するから、ベース層に、ベース層からコレクタ層をみた
実効的バリア高さを超えるエネルギをもつ準粒子を注入
すると、コレクタ層まで流れることが可能になる。
なお、第2の誘電体バリア層14の誘電体としてSrTiO3
のようなチタン酸塩の他、スズ酸塩、ジルコニウム酸
塩、ニオブ酸塩、タンタル酸塩の一種またはそれらの混
合物によってもほぼ同様の効果を奏する。
(2)第2実施例(第3図参照) 第3図は、本発明の超伝導ベーストランジスタの第2
実施例の断面図である。
この図中の符号は、23がNbをドープしたSrTiO3の基板
である他は第2図におけると同様である。
第3図に示されたものは、本発明の超伝導ベーストラ
ンジスタの第2実施例であり、第1実施例と異なるの
は、第1実施例における基板11を用いることなく、基板
を兼ねるNbドープSrTiO3板23をコレクタ導電層として用
い、誘電率の高い第2に誘電体バリア層として、このSr
TiO3層の表面の空乏層を用いたことである。
この方法によると、基板として既製のNbドープSrTiO3
単結晶板を用いることができるため、製造が容易にな
る。
この実施例においては、第1実施例における第1の誘
電体バリア層13に相当する層を欠いているが、第1の誘
電体バリア層15によって、本発明によるバリア低減効果
は達成される。
(3)第3実施例(第4図参照) 第4図は、本発明の超伝導ベーストランジスタの第3
実施例の断面図である。
この図中の符号は、24がNbをドープしないか、あるい
は低濃度にドープされたSrTiO3層である他は、第2図、
第3図におけると同様である。
この第3実施例が、第2実施例と異なる点は、Nbをド
ープしたSrTiO3の表面にNbをドープしないか、あるいは
Nbが低濃度にドープされたSrTiO3層24を厚さ500Å堆積
したことである。
第2実施例においては、SrTiO3単結晶板の表面に生じ
る空乏層の厚さが1000Å以内で、バリアの高さが数meV
程度であるため、キャリアがトンネル現象によって透過
でき、逆方向リーク電流が流れることがあるため、これ
を低減することを目的として、NbドープしたSrTiO3層の
表面にNbをドープしないか、あるいは、低濃度にドープ
された高抵抗のSrTiO3層24を形成している。
この高抵抗SrTiO3層24を形成しない場合は、エネルギ
バンドの形状が2次関数的になるが、高抵抗SrTiO3層24
を形成すると、直線的になり、平均的にはトンネル現象
によって電流が生じにくくなり、第2実施例に比べて、
逆方向リーク電流を低減できる効果がある。
(4)第4実施例(第5図参照) 第5図は、本発明の超伝導ベーストランジスタの第4
の実施例の断面図である。
この図中の符号は、25、29、31がY1Ba2Cu3O7層、26、
28、30がPrBa2Cu3O7層、27がKTa1-xNbxO3(x=0.05)
層、32がBaF2層である他は、第2図におけると同様であ
る。
この第4実施例においては、第1実施例におけるNbエ
ミッタ層18,Nbベース層16、Ptコレクタ層12に代えてY1B
a2Cu3O7層を用い、Si誘電体バリア層17、15、13に代え
てPrBa2Cu3O7層を用い、SrTiO3バリア層14に代えてKTa
1-xNbxO3(x=0.05)層を用い、さらに、保護用SiO2
19に代えてBaF2層を用いている。
この実施例によると、超伝導体として高温超伝導体の
Y1Ba2Cu3O7層を使用したため、温度が液体窒素温度の77
K程度で超伝導状態になり、また、KTa1-xNbxO3(x=0.
05)層を用いたため液体窒素温度において充分高い誘電
率が得られ、第1の誘電体バリア層としてSiに代えて、
結晶構造、格子定数がY1Ba2Cu3O7層と等しいPrBa2O7
を用いたため、格子不整を伴うことなく結晶成長させる
ことができる。
また、保護用SiO2層はY1Ba2Cu3O7層と反応してその超
伝導特性を劣化させるため、BaF2層32を用いている。
なお、BaF2層にはドライエッチングを適用できないた
めリフトオフ等の加工技術を適用する必要がある。
上記したように、本実施例によると、超伝導ベースト
ランジスタを液体窒素温度で使用することが可能にな
り、冷却が容易で、また製造も容易になる。
さらに、近年提案されている常温において超伝導特性
を示す材料を用いると、使用条件が緩和され、上記の効
果がより大きくなることはいうまでもない。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によると、ベース層から
コレクタ層をみた実効的バリア高さをきわめて小さくす
ることができるから、微小電圧で高い電流利得をもって
動作する超伝導ベーストランジスタを容易に実現するこ
とができ、消費電力を低減することにより高集積化が可
能になり、この技術分野において貢献するところが大き
い。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(c)は本発明の超伝導ベーストランジ
スタの原理説明図、第2図は第1実施例の断面図、第3
図は第2実施例の断面図、第4図は第3実施例の断面
図、第5図は第4実施例の断面図、第6図(a)、
(b)は従来の超伝導ベーストランジスタの原理説明図
である。 1……超伝導体ベース層、2……導電性コレクタ層、3
……第1の誘電体バリア層、4……第2の誘電体バリア
層、5……超伝導体エミッタ層、6……エミッタ誘電体
バリア層、11……基板、12……Ptコレクタ導電層、13…
…Siからなる第1の誘電体バリア層、14……不純物とし
てNbをドープしたSrTiO3からなる第2の誘電体バリア
層、15……Siからなる第1の誘電体バリア層、16……超
伝導体Nbからなるベース層、17……Siからなるバリア
層、18……超伝導体Nbからなるエミッタ層、19……保護
用SiO2層、20……コレクタ電極、21……ベース電極、22
……エミッタ電極、23……NbをドープしたSrTiO3の基
板、24……Nbをドープしないか、あるいは低濃度にドー
プされたSrTiO3層、25、29、31……Y1Ba2Cu3O7層、26、
28、30……PrBa2Cu3O7層、27……KTa1-xNbxO3(x=0.0
5)層、32……BaF2
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 39/00 H01L 39/22 H01L 39/24

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超伝導体からなるベース層と、該ベース層
    に準粒子を注入するエミッタ層と、該ベース層から準粒
    子を捕捉するコレクタ層とから構成される超伝導ベース
    トランジスタにおいて、 上記のベース層とコレクタ層からなる接合構造が、ベー
    ス層とコレクタ層の間に誘電率の異なる複数の誘電体バ
    リア層が挟まれた構造になっており、 これら複数の誘電体バリア層のうち、ベース層と接触す
    る第1の誘電体バリア層と、第1の誘電体バリア層と接
    触する第2の誘電体バリア層とにおいて、 第2の誘電体バリア層の誘電率が、第1の誘電体バリア
    層の誘電率より大きく選ばれ、 第2の誘電体バリア層には、ベース層からコレクタ層を
    みたバリア高さを低く保つのに充分な濃度と導電型の不
    純物がドープされていることを特徴とする 超伝導ベーストランジスタ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の超伝導ベーストランジスタ
    において、コレクタ層が酸化物半導体から構成され、こ
    れに接触する第2の誘電体バリア層が、この酸化物半導
    体表面の空乏層であることを特徴とする超伝導ベースト
    ランジスタ。
  3. 【請求項3】請求項2記載の超伝導ベーストランジスタ
    において、第2の誘電体バリア層が、不純物濃度の高い
    酸化物半導体表面層と、その上に積層された不純物濃度
    がより低い酸化物半導体表面層とからなることを特徴と
    する超伝導ベーストランジスタ。
  4. 【請求項4】請求項1記載の超伝導ベーストランジスタ
    において、第2の誘電体バリア層が、チタン酸塩、スズ
    酸塩、ジルコニウム酸塩、ニオブ酸塩、タンタル酸塩の
    いずれか1つまたは2つ以上を含むことを特徴とする超
    伝導ベーストランジスタ。
  5. 【請求項5】請求項1記載の超伝導ベーストランジスタ
    において、超伝導ベーストランジスタを構成する導電層
    の少なくとも一つが酸化物超伝導体であることを特徴と
    する超伝導ベーストランジスタ。
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