JP2946665B2 - 光学記録媒体の製造方法 - Google Patents

光学記録媒体の製造方法

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JP2946665B2
JP2946665B2 JP2192455A JP19245590A JP2946665B2 JP 2946665 B2 JP2946665 B2 JP 2946665B2 JP 2192455 A JP2192455 A JP 2192455A JP 19245590 A JP19245590 A JP 19245590A JP 2946665 B2 JP2946665 B2 JP 2946665B2
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和夫 三ツ橋
裕 黒瀬
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光学記録媒体の製造方法に関する。光学記
録の一例としては、光ディスクを挙げることができる。
特に、小型で信頼性が高く、安価な半導体レーザーの出
現に伴ない、コンパクトディスク(CD)等の再生専用型
光ディスク、次いでTe系無機材料を記録媒体とする追記
型光ディスクが実用化されてきた。これに対して、新し
い追記型媒体としてレーザー吸収色素を用いた有機色素
系光ディスクについても検討が行なわれている。この有
機色素系光ディスクの最大の特徴は、スピンコート法等
の塗布法により成膜できることであり、常圧での高生産
性により将来のコストダウンの可能性が期待されてい
る。
一般に、光ディスクは、円形の気体に設けられた薄い
記録層に、1μm程度に集束したレーザー光を照射し、
高密度の情報記録を行なうものである。その記録は、照
射されたレーザーエネルギーの吸収により、その箇所に
生じた記録層の分解、蒸発、溶解等の熱的変形により生
成し、そして記録された情報の再生は、レーザー光によ
り、変形が起きている部分と起きていない部分の反射率
の差を読み取ることにより行なわれる。
また、光ディスクの記録面には、正確な記録・再生を
行うため、案内溝があらかじめ形成されている。通常、
この案内溝はフォトポリマー法または射出成型法により
形成されるが、前者の場合、フォトポリマーから型取り
するために生産性が悪く高価であるという欠点を有して
いた。後者の場合は、射出成型法によるために生産性に
すぐれ、安価なディスクを生産できるが、射出成型法に
使用できる樹脂は、加熱時の流動性が必要なため材料に
制約があり、一般に耐溶剤性が悪い。このような射出成
型プラスチック透明基板にレーザー吸収色素を溶液塗布
によって薄膜形成させる場合、基板上の案内溝が塗布溶
剤におかされないことが必要であるが、塗布溶剤として
使用できる溶剤としては、これまでセルソルブ系溶剤が
知られているのみであった(特開昭62−67068号参照)
しかも、セルソルブ系溶剤に高濃度に溶解するレーザー
吸収色素はほとんどなく、またセルソルブ系溶剤は射出
成型プラスチック基板に対する塗布溶剤として問題があ
った。
〔発明が解決しようとする課題〕 そこで、射出成型型プラスチック透明基板をおかすこ
となく均一に塗布可能で、しかも、レーザ吸収色素を高
濃度に溶解する溶剤について鋭意検討した結果、エポキ
シアルコール系又はエポキシエーテル系溶剤がその適正
を有することを見い出し、本発明に到達した。
本発明は、射出成型透明プラスチック基板をおかこと
なく均一に塗布可能で、しかも、レーザ吸収色素を高濃
度に溶解する溶剤を用いた光学記録媒体の製造方法を提
供することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、レーザー吸収色素の有機溶媒溶液を透明基
板上に塗布したのち乾燥して光学記録媒体を製造するに
当り、前記有機溶媒として、エポキシアルコール系溶剤
又はエポキシエーテル系溶剤を用いることを特徴とする
光学記録媒体の製造方法をその要旨とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用する透明基板としては、ガラス、プラス
チック等の基板が挙げられるが、種々の点からプラスチ
ック基板が好適である。プラスチック基板としてはアク
リル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、ニトロセルロース、ポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹
脂、ポリサルホン樹脂等の基板が挙げられる。
特に好ましい基板としては、量産性にすぐれ、実用的
なレベルの複屈折、軟化点、耐熱性を有している射出成
型ポリカーボネート樹脂基板、メタクリル樹脂基板が挙
げられる。
レーザー吸収色素としては、エポキシアルコール系又
はエポキシエーテル系溶剤に高濃度に溶解するものが挙
げられ、600〜900nmの波長帯域で吸収を有し、しかも分
子吸収係数が104〜105cm-1であるものが好適である。
特に好ましい色素としては下記一般式〔I〕、〔I
I〕、〔III〕、〔IV〕及び〔V〕で表わされる化合物か
ら選ばれる化合物を少なくとも一種含む色素が挙げられ
る。
一般式〔I〕 (式中、環A1及びB1は、それぞれ独立して、置換基を有
していてもよいベンゼン環又はナフタレン環を示し、R1
及びR2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよ
い炭素数1〜8のアルキル基又は置換基を有していても
よい炭素数2〜10のアルケニル基を示し、X-は陰イオン
を示し、nは0〜4の整数である。)で表わされるシア
ニン化合物。
一般式〔II〕 (式中、A2及びB2は、それぞれ独立して、 基又は酸素原子を示し、R3,R4,R5及びR6は、それぞれ独
立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコ
キシアルコキシ基、ハロメチル基又はハロゲン原子を示
し、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素原子又はハロ
ゲン原子を示す。)で表わされる9,19−ジオキサジナフ
ト−〔3,2,1−de;3,2,1−op〕ペンタセン系誘導体。
一般式〔III〕 〔式中、R9及びR10のうちいずれか一つは−O(C2H4O)
pR11基(式中、R11は分岐していてもよいアルキル基を
示し、pは1〜6の数である。)であり、他の一つは水
素原子であり、A3はVO,Cu,Ni又はCoを示す。〕で表わさ
れる化合物。
一般式〔IV〕 (式中、Mは金属原子を示し、環A4及びB3は、それぞれ
独立して置換基を有していてもよい。Qは置換基を有し
ていてもよい芳香族アミンの残基を示し、mは2又は3
を示し、Z-は陰イオンを示す。)で表わされる含金属イ
ンドアニリン系化合物。
一般式〔V〕 (式中、A5はそれが結合している炭素原子と窒素原子と
一緒になって複素環を形成する残基を表わし、B4はそれ
が結合している二つの炭素原子と一緒になって芳香環又
は複素環を形成する残基を表わし、Xは活性水素を有す
る基を表わす。) で示されるアゾ系化合物と金属との錯体系化合物。
環A1及びB1で示されるベンゼン環又はナフタレン環の
置換基の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子
等のハロゲン原子、メチル基、エチル基等のアルキル
基、トリフルオロメチル基等のハロゲン化アルキル基、
メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、メトキシエ
トキシ基等のアルコキシアルコキシ基、エトキシエチル
基等のアルコキシアルキル基等が挙げられる。
R1及びR2で示される置換基を有していてもよい炭素数
1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、直
鎖状又は分岐状のプロピル基、ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基が挙げられ、置換
基を有していてもよい炭素数2〜10のアルケニル基とし
てはアリル基、2−メチルアリル基、3−メチルアリル
基、2−ブロモアリル基、3−ブロモアリル基、2−ク
ロロアリル基、3−クロロアリル基等が挙げられる。
X-及びZ-で示される陰イオンとしては、I-,Br-,Cl-,C
lO4 -,PF6 -,BF4 -,SCN-, 等が挙げられる。
R3、R4、R5及びR6で示されるアルキル基としては、メ
チル基、エチル基、直鎖状または分岐状のプロピル基、
ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オク
チル基等の炭素数1〜8のアルキル基が挙げられる。ア
ルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、直鎖状
または分岐状のプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオ
キシ基、ヘプチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチ
ルオキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基が挙げられ
る。アルコキシアルコキシ基としては、メトキシエトキ
シ基、エトキシエトキシ基、エトキシプロポキシ基、ブ
トキシエトキシ基等が挙げられる。ハロメチル基として
は、クロロメチル基、ブロモメチル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原
子、ヨウ素原子が挙げられる。
R7及びR8で示されるハロゲン原子としては、フッ素原
子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
R11で示されるアルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、ブチル基等の炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状
のアルキル基が挙げられる。
Mで示される金属原子としては、VIII族、I b族、II
b族、III b族、IV a族、V a族、VI a族、VII a族の金属
原子が挙げられ、好ましくはNi、Cu及びCoが挙げられ
る。
環A4及びB4の置換基としては、水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アル
コキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ
基等が挙げられる。
Qで表わされる置換基を有していてもよい芳香族アミ
ンの残基としては、たとえばテトラヒドロキノリン類又
は下記一般式 (式中、R14及びR15はそれぞれ水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アシルアミノ基、アルコキシ基、アル
キルスルホニルアミノ基又はアルコキシカルボニルアミ
ノ基を表わす。R12及びR13は、それぞれ水素原子、炭素
数1〜20の置換基を有していてもよいアルキル基、アリ
ール基又はシクロヘキシル基を示し、そのアルキル基、
アリール基又はシクロヘキシル基の置換基として、例え
ばアルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシ
アルコキシアルコキシ基、アリルオキシ基、アリール
基、アリールオキシ基、シアノ基、ヒドロキシ基、テト
ラヒドロフリル基を有していてもよい。)で表わされる
基が挙げられる。
A5で表わされる複素環を形成する残基としては、例え
ば下記一般式 (式中、R16及びR17はそれぞれ独立して水素原子、ハロ
ゲン原子、アルキル基、アシルアミノ基、アルコキシ
基、ニトロ基又はアルコキシアルキル基を示す。)で表
わされる基が挙げられる。
B4で表わされる芳香環又は複素環を形成する残基とし
ては、例えば下記一般式 (式中、R18は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
アシルアミノ基又はアルコキシ基を示し、R19及びR
20は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜20のアル
キル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数3〜10の
シクロアルキル基を示し、これらはそれぞれが独立しア
ルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシアル
コキシアルコキシ基、アリルオキシ基、アリール基、ア
リールオキシ基、シアノ基、ヒドロキシ基及びテトラヒ
ドロフルフリル基から選ばれる置換基を有していてもよ
い。)で表わされる基が挙げられる。Xで表わされる活
性水素を有する基としては、水酸基、カルボン酸基、ス
ルホン酸基等が挙げられる。アゾ系化合物と錯体化合物
を形成する金属としては、VIII族、I b族、II b族、III
b族、IV a族、V a族、VI a族、VII a族の金属が挙げら
れ、好ましくはNi、Cu、Co金属原子が挙げられる。
上記一般式〔I〕、〔II〕、〔III〕、〔IV〕または
〔V〕で表わされるレーザー吸収色素のうち、好ましい
ものとしては、例えば以下の化合物が挙げられる。
上記一般式〔I〕、〔II〕、〔III〕、〔IV〕又は
〔V〕で表わされるレーザー吸収色素は単独でもしくは
適宜組み合わせて使用することができ、これをそのまま
あるいはバインダーとともにエポキシアルコール系溶剤
又はエポキシエーテル系溶剤中に溶解されたものをスピ
ンコートすることにより光学記録媒体が製造される。
その際に使用するバインダーとしては、エポキシアル
コール系又はエポキシエーテル系溶剤に溶解するものな
らば何でもよい。
本発明に使用するエポキシアルコール形溶剤として
は、通常炭素数3〜10のエポキシアルコール系溶剤又は
エポキシエーテル系溶剤が挙げられ、例えば下記のもの
が挙げられる。
これらのうち、好ましいものとしては沸点が120〜170
℃のもの特に2,3−エポキシ−1−プロパノール、ジ
(1,2−ジメチル−1,2−エポキシプロピル)エーテルが
挙げられる。
また、これらの溶剤にオクタフルオロプロピルアルコ
ール、テトラフルオロプロピルアルコール等のフッ素ア
ルコール系溶剤、あるいは3−ヒドロキシ−3−メチル
−2−ブタノン、ジアセトンアルコールとを混合して用
いても良い。
エポキシアルコール系溶剤又はエポキシエーテル系溶
剤に対するレーザー吸収色素の比率は0.5〜3.0重量%が
特に好ましい。また、バインダーに対するレーザー吸収
色素の比率は10重量%以上が望ましい。
色素を溶解させた溶液は0.3μm以下のフィルターで
濾過することが好ましい。
スピンコートの回転数は500〜2000rpmが好ましい。ス
ピンコートの後、場合によっては加熱あるいは溶媒蒸気
にあてる等の処理を行なってもよい。
また、塗布膜の膜厚は、300〜1500Åが好ましい。
更に、記録媒体の安定性や耐光性向上のために一重項
酸素クエンチャーとして遷移金属キレート化合物(アセ
チルアセトナートキレート、ビスフェニルジチオール、
サリチルアルデヒドオキシム、ビスジチオ−α−ジケト
ン等)を含有していてもよい。
本発明の光学記録媒体の記録膜は基板の両面に設けて
もよいし、片面だけに設けてもよい。
上記のようにして得られた記録媒体への記録は、基板
の両面または、片面に設けた記録層に1μm程度に集束
したレーザ光、好ましくは、半導体レーザーの光をあて
る事により行なう。レーザー光の照射された部分には、
レーザーエネルギーの吸収による、分解、蒸発、溶解等
の記録層の熱的変形が起こる。
記録された情報の再生は、レーザー光により、熱的変
形が起きている部分と起きていない部分の反射率の差を
読み取る事により行なう。
光源としては、各種のレーザーを用いることができる
が、価格、大きさの点で、半導体レーザーが特に好まし
い。半導体レーザーとしては、中心波長830nm、中心波
長780nmのレーザーが望ましい。
〔実施例〕
以下実施例によりこの発明を具体的に説明するが、か
かる実施例は本発明を限定するものではない。
実施例1 下記構造式 で表わされる含金属インドアニリン系化合物0.15gを2,3
−エポキシ−1−プロピルアルコール10gに溶解させ、
0.22nmのフィルターで濾過して溶解液を得た。この溶液
5mlを板厚1.2mmの1.6μmピッチの溝(グルーブ)つき
射出成型ポリカーボネート樹脂基板(直径5インチ)上
に滴下し、スピナー法により1000rpmの回転数で塗布し
た。塗布後、60℃で10分間乾燥した。塗布膜の最大吸収
波長は第1図に示すように795nmであり、反射率は31%
(830nm)であった。
上記記録層を成膜した樹脂基板を4m/sで回転させなが
ら、中心波長830nmの半導体レーザー光で、パルス幅200
nsecで照射したところ、出力6mWでC/N比53dBを得た。保
存安定性(60℃、80%RH)も良好であった。
実施例2 下記構造式 で表わされる含金属インドアニリン系化合物0.159gをジ
(1,2−ジメチル−1,2−エポキシプロピル)エーテルと
3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノンの1:1混合
溶液10gに溶解させ、0.22μmのフィルターで濾過して
溶解液を得た。この溶液5mlを板厚1.2mmの1.6μmピッ
チのグルーブつき射出成型ポリカーボネート樹脂基板
(直径5インチ)上に滴下し、スピナー法により800rpm
の回転数で塗布した。塗布後、60℃で10分間乾燥した。
塗布膜の最大吸収波長は第2図に示すように805nmであ
り、反射率は31%(830nm)であった。
上記記録層を成膜した基板を4m/sで回転させながら、
中心波長830nmの半導体レーザー光でパルス幅500nsecで
照射したところ、出力6mWでC/N比54dBを得た。保存安定
性(60℃、80%RH)も良好であった。
比較例1〜2 実施例1で示される含金属インドアニリン系色素を用
い、本発明エポキシアルコール系又はエポキシエーテル
系溶剤以外の溶剤について、色素の溶解性、射出成型ポ
リカーボネート透明基板への影響〔白化、溝ダレの有
無〕、塗布膜の結晶化を比較したところ、本発明の実施
例の方が著しく優れていた。
また、実施例2で示される含金属インドアニリン系色
素を用い同様の比較を行ったところ、本発明の実施例の
方が著しく優れていた。
実施例3 上記式〔V〕で示される本発明のシアニン色素1gを下
記構造式 で示されるエポキシアルコール系溶剤50gに溶解し、0.2
2μmのフィルターで濾過し、溶解液を得た。この溶液2
mlを、深さ700Å、幅0.7μmのグルーブつき射出成型ポ
リメタアクリル樹脂基板(直径130mm)上に滴下し、120
0rpmの回転数で塗布した。塗布後、60℃で10分間乾燥し
た。膜厚測定のため、同一条件でガラス板に塗布してα
−ステップによる膜厚測定したところ、1500Åであっ
た。塗布膜の最大吸収波長は790mmでありピークは幅広
かった。
この塗布膜に、中心波長830nmの半導体レーザー光を
出力6mWでビーム径1μmで照射したところ、幅約1μ
m、ピット長約2μmの輪郭の極めて明瞭な孔(ピッ
ト)が形成された。C/N比52dBであった。保存安定性(6
0℃、80%RH)も良好であった。
実施例4 上記式〔VI〕に示す本発明のシアニン色素1g、ニトロ
セルロース1.5g(ダイセル化学社製、RB−20)を CF3CF2CF2OHの1対1混合物50gに溶解し、0.22μmのフ
ィルターで濾過し、溶解液を得た。この溶液を3mlを深
さ650Å、幅0.7μのグルーブつき射出成型ポリメタアク
リル樹脂基板(120mm)上に滴下し、1500rpmの回転数で
塗布した。塗布後、60℃で10分間乾燥した。膜厚測定の
ために、同様な方法でガラス板に塗布し、α−ステップ
により測定したところ、膜厚1200Åであった。塗布膜の
最大吸収波長は820nmであり、ピークは幅広かった。
この塗布膜に、中心波長830nmの半導体レーザー光を
出力6mWでビーム径1μmで照射したところ、幅約1μ
m、ピット長約2μmの輪郭の極めて明瞭なピットが形
成された。C/N比は51dBであった。保存安定性(60℃、8
0%RH)も良好であった。
実施例5 融点:180〜185℃ 分子吸光係数(ε):8.2×104 マススペクトル:628(M+) クロロホルム溶液中のλmax:720nm 上記一般式〔VII〕で表わされる色素1.0gを との1対1混合物であるエポキシアルコール系溶剤50g
に溶解し、0.22μmのフィルターで濾過し、溶解液を得
た。この溶液2mlを、深さ700Å、幅0.7μmの紫外線硬
化樹脂によるグルーブつきポリメタクリル酸メチル樹脂
基板(直径120mm)上に滴下し、スピナー法により1000r
pmの回転数で塗布した。塗布後、60℃で10分間乾燥し
た。同一条件でガラス板に塗布して、クリステップによ
る膜厚測定したところ、800Åであった。塗布膜の最大
吸収波長は705nmであり、反射率は33%(830nm)であっ
た。スペクトルの形状は幅広かった。
この塗布膜に、中心波長780nmの半導体レーザー光を
出力6mWでビーム径1μmで照射したところ、幅約1μ
m、ピット長約2μmの輪郭の極めて明瞭なピットが形
成された。動特性評価でC/N比は51dB(8mW)と高く、保
存安定性(60℃、80%RH)も良好であった。
実施例6 下記構造式 分子吸光係数(ε):8.0×104 クロロホルム溶液中のλmax:790nm マススペクトル:648(M+) 融点:270〜275℃ で表わされる色素1.0gを下記構造式 表わされるエポキシアルコール系溶剤50gに溶解し、0.2
2μmのフィルターで濾過し、溶解液を得た。この溶液2
mlを、射出成型ポリカーボネート樹脂基板(130mm)上
に滴下し、スピナー法により1000rpmの回転数で塗布し
た。塗布後、60℃で10分間乾燥した。同一条件でガラス
板に塗布して、クリステップによる膜厚測定したとこ
ろ、750Åであった。得られた射出成型ポリカーボネー
ト樹脂基板の分光光度計による最大吸収波長は760nmで
あり、600〜900nmに幅広い吸収スペクトルを有し、近赤
外線を有効に吸収していることを示した。
この塗布膜に、中心波長830nmの半導体レーザー光を
出力6mWでビーム径1μmで照射したところ、幅約1μ
m、ピット長約2μmの輪郭の極めて明瞭なピットが形
成された。動特性評価でC/N比は50dBと高く、保存安定
性(60℃、80%RH)も良好であった。
実施例7 上記構造式で示される化合物の光吸収物質を下記構造
で表わされるエポキシアルコール系溶剤に溶解し、2%
の溶液を調製し、この溶液をスピンコート法(回転数10
00rpm)によりグルーブ付きの射出成型メタクリル樹脂
基板上に塗布した。塗布された薄膜(記録層)の最大吸
収波長は840nmであり、吸収ピークは幅広かった。
この薄膜に、中心波長830nmのレーザー光を出力4mW、
ビーム径約1μmで照射したところ、幅約1μm、ピッ
ト長約2μmの輪郭の極めて明瞭なピットが形成され、
そのときのC/N比は51dBであった。また、その保存安定
性は、温度60℃、相対湿度80%の恒温・恒湿槽中で10日
間保存した後の半導体レーザー光による書き込み性能の
C/N比によると51dBであった。
実施例8 とNi金属の錯体系化合物を下記構造式 の1対1混合物であるエポキシエーテル系溶媒に溶解し
て2%の溶液を調整し、この溶液をスピンコート法(回
転数1000rpm)によりグルーブ付きの射出成型ポリカー
ボネート樹脂基板上に塗布した。塗布された薄膜(記録
層)の最大吸収波長は720nmであり、吸収ピークは幅広
かった。
この薄膜に、中心波長830nmのレーザー光を出力7mW、
ビーム径約1μmで照射したところ、幅約1μm、ピッ
ト長さ約2μmの輪郭の極めて明瞭なピットが形成さ
れ、そのときのC/N比は51dBであった。また、その保存
安定性は、温度60℃、相対湿度80%の恒温、恒湿槽中で
10日間保存した後の半導体レーザー光による書込み性能
のC/N比によると51dBであった。
〔発明の効果〕 本発明によれば、レーザー吸収色素を高濃度に溶解
し、射出成型プラスチック透明基板をおかす(白化、溝
だれ等)ことなく均一に塗布可能であり、塗布時に結晶
化もなく、得られた塗布膜が保存安定性にすぐれ、反射
率が高く、高感度でC/N比も高い、光学記録媒体を製造
することが出来るので、本発明方法は工業的に極めて有
用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1で得られた射出成型ポリカーボネー
ト樹脂基板の分光光度計による光吸収特性を示し、第2
図は実施例2で得られた射出成型ポリカーボネート樹脂
基板の分光光度計による光吸収特性を示す。各図におい
て縦軸は吸光度(左側)、反射率(右側)、横軸は波長
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚原 貴子 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 平3−203690(JP,A) 特開 昭64−75454(JP,A) 特開 昭62−193880(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザー吸収色素の有機溶媒溶液を透明基
    板上に塗布したのち乾燥して光学記録媒体を製造するに
    当り、前記有機溶媒として、エポキシアルコール系溶剤
    又はエポキシエーテル系溶剤を用いることを特徴とする
    光学記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】透明基板が射出成型透明プラスチック基板
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の製
    造方法。
  3. 【請求項3】レーザー吸収色素が下記一般式〔I〕、
    〔II〕、〔III〕、〔IV〕及び〔V〕で表わされる化合
    物から選ばれる化合物を少くとも一種含む色素であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項又は第2項のいず
    れかに記載の製造方法。 一般式〔I〕 (式中、環A1及びB1は、それぞれ独立して、置換基を有
    していてもよいベンゼン環又はナフタレン環を示し、R1
    及びR2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよ
    い炭素数1〜8のアルキル基又は置換基を有していても
    よい炭素数2〜10のアルケニル基を示し、X-は陰イオン
    を示し、nは0〜4の整数である。)で表わされるシア
    ニン化合物。 一般式〔II〕 (式中、A2及びB2は、それぞれ独立して、 基又は酸素原子を示し、R3,R4,R5及びR6は、それぞれ独
    立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコ
    キシアルコキシ基、ハロメチル基又はハロゲン原子を示
    し、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素原子又はハロ
    ゲン原子を示す。)で表わされる9,19−ジオキサジナフ
    ト−〔3,2,1−de;3,2,1−op〕ペンタセン系誘導体。 一般式〔III〕 〔式中、R9及びR10のうちいずれか一つは−O(C2H4O)
    pR11基(式中、R11は分岐していてもよいアルキル基を
    示し、pは1〜6の数である。)であり、他の一つは水
    素原子であり、A3はVO,Cu,Ni又はCoを示す。〕で表わさ
    れる化合物。 一般式〔IV〕 (式中、Mは金属原子を示し、環A4及びB3は、それぞれ
    独立して置換基を有していてもよい。Qは置換基を有し
    ていてもよい芳香族アミンの残基を示し、mは2又は3
    を示し、Z-は陰イオンを示す。)で表わされる含金属イ
    ンドアニリン系化合物。 一般式〔V〕 (式中、A5はそれが結合している炭素原子と窒素原子と
    一緒になって複素環を形成する残基を表わし、B4はそれ
    が結合している二つの炭素原子と一緒になって芳香環又
    は複素環を形成する残基を表わし、Xは活性水素を有す
    る基を表わす。) で示されるアゾ系化合物と金属との錯体系化合物。
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