JP2945795B2 - 溶接ビード位置センサ - Google Patents

溶接ビード位置センサ

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JP2945795B2
JP2945795B2 JP3300736A JP30073691A JP2945795B2 JP 2945795 B2 JP2945795 B2 JP 2945795B2 JP 3300736 A JP3300736 A JP 3300736A JP 30073691 A JP30073691 A JP 30073691A JP 2945795 B2 JP2945795 B2 JP 2945795B2
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宗紀 拓植
寿夫 中村
康仁 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波探傷走行装置の
ような自走台車を溶接線にならって走行させるための溶
接ビード位置センサ、特に自走台車がならって走行しよ
うとしている溶接ビード(ならいビード)の存在位置の
検出とこれに交叉する溶接ビード(クロスビード)の検
出に適した溶接ビード位置センサに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、タンク,原子炉,船舶,橋梁な
どの溶接部の非破壊検査は、これら溶接部の品質管理及
び品質評価を行う上で重要であり、走行軌道を敷設する
ことなしに、溶接ビード上を溶接線に沿って(即ち溶接
線にならって)自走する超音波探傷走行装置の提供が望
まれている。
【0003】ここで問題となるのは、探傷走行装置がな
らって走行しようとしている溶接ビード(ならいビー
ド)上から外れないようにする技術である。球形タンク
のようにある曲率をもった容器表面に走行装置を吸着走
行させた場合、球体側部や球体上部にて重力の作用によ
り、走行装置の走行姿勢がならい用溶接線の方向から僅
かずつ狂い、これが蓄積されて走行装置がならいビード
上から外れてしまう危険がある。従って、溶接線になら
って進行すべき走行装置がならいビード上から外れてい
ないとしても、走行装置に対しならいビードが現在どの
位置にあるかを常に把握するための溶接ビード位置セン
サが必要になる。
【0004】従来、このような溶接ビード位置センサと
して、渦流探傷の原理に基づく機械走査式センサがあ
る。即ち、溶接ビード検出用に1組の励磁コイルと検出
コイルをプレートに担持させ、このプレートを溶接ビー
ドと交叉する方向に機械的に往復移動させることによ
り、コイルを機械的に走査して渦流探傷し溶接ビード位
置を検出するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、機械走査式の
溶接ビード位置センサは、そのコイル担持プレートを機
械的に往復移動させる機構を必要とするため、必然的に
センサが重く且つ大形となり、探傷走行装置の構成も複
雑となる。従って、機械的走査機構なしに渦流探傷の走
査ができることが望まれる。
【0006】また、探傷走行装置の現在位置を把握しよ
うとした場合、最初のスタート地点からの距離のみを計
測していたのでは、探傷走行装置が走行している間に僅
かな測定距離誤差も蓄積されて無視できなくなり、溶接
ビード探傷結果から傷のある位置の特定ができなくな
る。従って、探傷走行装置の計測距離データを既知の位
置で修正する技術の提供が望まれる。
【0007】本発明の目的は、上記超音波探傷走行装置
のような自走台車を溶接線にならって走行させる上で必
要となるならいビードの存在位置の検出と、計測距離デ
ータの修正に役立つクロスビードの検出とが、コイルの
機械的走査なしに行える溶接ビード位置センサを提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の溶接ビード位置センサは、溶接線にならっ
て走行させる自走台車に、その台車走行方向と交叉する
方向に多数のコイルを平面上で直線的に密に配列したな
らいビードセンサ部と、このビードセンサ部の端に複数
のコイルを台車走行方向に配列したクロスビードセンサ
部と、上記ならいビードセンサ部のコイルを1個分づつ
ずらせながら励磁コイル及び検出コイル用として順次3
個を単位として選択しならいビード位置の渦流探傷を行
わせる切替えスイッチと、クロスビードセンサ部のコイ
ルを1個分づつずらせながら励磁コイル及び検出コイル
用として順次3個を単位として選択しクロスビード位置
の渦流探傷を行わせる切替えスイッチとを設けた構成の
ものである。
【0009】上記クロスビードセンサ部は具体的には点
対称に密に配置した3個のコイルから成ることができ
る。また、上記ならいビードセンサ部のコイルは千鳥状
に配列とすることが好ましいが、一列に配置した構成と
することもできる。
【0010】
【作用】励磁コイルに交流電圧を加えるとこれに対向す
る金属材料内部に渦電流が発生してコイルのインピーダ
ンスが変化する。3個を単位とするコイルのうち、2個
を励磁コイルとして減磁結合させ残りの1個の検出コイ
ルの出力を通常ゼロ状態に平衡させておくか、又は励磁
コイルを1個とし2個の検出コイルを減磁結合させてそ
の出力が通常ゼロ状態となるよう平衡させておく。金属
材料に傷があると渦電流が傷の部分を遠回りして渦電流
に変化が起き、また材料がコイルの中で振動(移動)す
るとコイルとの結合度が変化してインピーダンスが変わ
る。この場合、材料の振動による変化と傷による変化と
では位相が異なるため、同期検波すると、振動の信号を
検出することなしに、傷による信号だけを取り出すこと
ができ、結果的に溶接ビードが存在すればそれが検出さ
れる。これが渦流探傷による溶接ビード検出の基本原理
となる。
【0011】ここで本発明に従い、台車走行方向と交叉
する方向に多数のコイルを平面上で直線的に密に配列し
たならいビードセンサ部を設け、これらのコイルを1個
分づつずらせながら励磁コイル及び検出コイル用として
順次3個を単位として選択して行くと、ならいビード位
置の渦流探傷を行わせることができる。即ち、順次切替
えられる検出コイルによりコイル群に対応する領域全体
がスキャンされ、この1スキャン領域分につき、検出コ
イル又は検波回路からは、溶接ビード位置に対応する電
圧値を境として正負が逆転した信号波形(1スキャン検
出波形)が得られる。このため、溶接ビードの存在する
箇所又は溶接ビードから外れたかどうかが分かる。また
各検出コイルの位置は既知であるから、上記1スキャン
検出波形から溶接ビードの相対的な位置も分ることにな
る。
【0012】一方、クロスビードセンサ部を構成するコ
イルは台車走行方向に配列されているため、これらのコ
イルを1個分づつずらせながら励磁コイル及び検出コイ
ル用として順次3個を単位として選択して行くと、同様
に、クロスビード位置の渦流探傷を行わせることがで
き、クロスビードの検出ができる(請求項1)。
【0013】従って、上記ならいビードの位置を確認し
つつビードにならって自走台車を走行させることができ
る他、当該ならいビードと交叉しているクロスビード位
置に来た際には、このクロスビードを検出して、探傷走
行装置の現在位置把握のための計測距離データの修正に
役立てることができる。
【0014】クロスビードセンサ部は具体的には点対称
に密に配置した3個のコイルで構成すると、より少ない
コイル数で有効にクロスビードを検出することができる
(請求項2)。また、上記ならいビードセンサ部のコイ
ルは千鳥状に配列すると、一列の場合の中間点において
も検出点が存在するので、より密にならいビード位置を
センスすることができる(請求項3)。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
【0016】図1に示す探傷装置は、永久磁石車輪式の
探傷走行装置1と、これにケーブル2を介して接続され
た制御装置3と、探傷結果をドットによりグラフ化して
記録するプリンタ4とで構成されている。ここでの探傷
走行装置1は、通常の探傷走行モードの他に、複合モー
ドをもっている。即ち、球形タンク壁5の溶接ビード6
上を溶接線に沿って移動し、探傷が必要な溶接ビード箇
所を検出したときは当該位置に停止して超音波探傷法に
よる溶接ビード6の検査を行い、その後更に溶接線に沿
って移動し探傷が必要な位置で停止して同様に超音波探
傷検査を行うといった操作を繰り返し、以て球形タンク
の全ての溶接ビードを検査する動作モードである。尚、
溶接ビード6は、探傷走行装置1がならって走行しよう
としているならいビード6a及びこれに交叉したクロス
ビード6bの形で存在している。
【0017】探傷走行装置1は、タンク壁5に強力に磁
気吸着する永久磁石車輪8を具備する自走台車7と、そ
の進行方向一側の軸9(図3)に中間部が枢支され図3
矢印A方向に傾動可能な検査体アーム10とを有する。
この検査体アーム10の先端側には、ガイド板11が走
行方向と交叉する方向に延在して且つ所定角度範囲(図
2のθ)内で旋回可能に設けられ、このガイド板11の
下面には、粗探用超音波探触子13及び精探用超音波探
触子14(図2)を担持した探触子走査アーム12が、
ガイド板11に沿って即ち走行方向と交叉する方向に移
動可能に装置されている。更に、検査体アーム10に
は、探触子走査アーム12の前側と後側に、本発明の対
象とする溶接ビード位置センサ15がそれぞれ1つ配設
されている。
【0018】図2及び図3において、粗探用超音波探触
子13は溶接ビード6における傷の有無を探傷し、精探
用超音波探触子14は溶接ビード6における実際の傷の
位置,大きさを探傷する。このうち、粗探用超音波探触
子13は探触子走査アーム12の両側に2個ずつ計4
個、また精探用超音波探触子14は探触子走査アーム1
2の両側に1個ずつ計2個設けられ、それぞれ斜角探傷
により溶接ビード6の深さ方向の異なる位置を探傷でき
るようになっている。
【0019】探傷走行装置1は検査体アーム10を上げ
た状態で所要位置まで走行される。そして、検査すべき
溶接ビード6上に来てから、検査体アーム10が軸9を
中心として前後(図3矢印A方向)に傾動され、その先
端側が球形タンク壁5に対し所定の下位置まで下げられ
る。この下位置を定める目的で、検査体アーム10に
は、上記探触子走査アーム12と溶接ビード位置センサ
15との間において、アーム支持ローラ16(図3)が
設けられている。また、個々の粗探用及び精探用超音波
探触子13,14は、専用の押付け機構17,18によ
って個別に球形タンク内面6まで下降できるようになっ
ている。19はそれらの押付け機構17,18を構成す
る押付けシリンダであり、特に精探用押付け機構18に
は更にリニアガイドベアリング20も使用されている。
【0020】このように、湾曲している球形タンク壁に
対しアーム支持ローラ16を接触させることにより、検
査体アーム10を一定の高さ位置に保持しつつ走行する
ことができ、必要に応じて粗探用及び精探用超音波探触
子13,14を下して探傷することができる。この場
合、検査体アーム10は軸9を中心として前後(図3矢
印A方向)に傾動可能であるため、車輪8の存在してい
るタンク壁部分の曲率から見て検査体アーム10の存す
る壁部分の方が局部的に窪んでいる場合にも、当該窪み
部分を探傷することができる。
【0021】上記複合モード動作の場合、粗探用超音波
探触子13で探傷すべき箇所が判明したとき、その部分
の実際の探傷(一定体積分)は、探傷走行装置1の走行
を停止し、検査体アーム10を左右方向に移動させて精
探用超音波探触子14で溶接ビードを走査することによ
り行われる。従って、一定の時間を要する。しかし、粗
探用超音波探触子13で探傷すべき箇所が発見されない
限り、探傷走行装置1は上記の精密探傷を行うこと無く
走行するので、溶接ビード6の全長に渡り精密探傷を行
う場合に比べ、探傷に要する時間を大巾に短縮すること
ができる。
【0022】次に、本発明の対象とする溶接ビード位置
センサ15について説明する。
【0023】溶接ビード位置センサ15は、図5に示す
ように、多数のコイル22を下面に担持したコイルボー
ド21と、ICによる半導体スイッチ27を上面に担持
したスイッチボード26とを上下に配置し、コネクタ2
8で接続して成る組立体を主体として構成される。半導
体スイッチ27はコイル22,24の切替えスイッチと
して機能する。コイルボード21は、図4に“1”〜
“41”の番号を付した計41個のコイル22を平面的
且つ千鳥状に密接に配列して成るならいビードセンサ部
23を担持しており、更に、このならいビードセンサ部
23の両側には、それぞれ3個のコイル24(図5のL
a,Lb,Lc)を点対称に相互に密接配置して成るク
ロスビードセンサ部25を担持している。ならいビード
センサ部23は探傷走行装置1がならって走行しようと
している溶接線(ならいビード6a)の検出用であり、
クロスビードセンサ部25はこれと交叉している溶接線
(クロスビード6b)に対する検出用である(図1参
照)。
【0024】上記ならいビードセンサ部23のコイル2
2も、相互に隣接する3個一組のコイルを単位として見
てみると、その配置形態はクロスビードセンサ部25の
3個のコイル24と同様に、3個のコイル22を点対称
に相互に密接配置したものとなっている。しかし、なら
いビードセンサ部23とクロスビードセンサ部25とで
は、この3個一組のコイルの配置形態が異なっており、
クロスビードセンサ部25の3個のコイル24(La,
Lb,Lc)は、上記ならいビードセンサ部23の上記
3個のコイル22の組とは、その向きが90°異なって
いる。これは、ならいビードセンサ部23の場合、上記
一組のコイル22(例えば番号“1”“2”“3”)
は、そのうち2個のコイル22(例えば番号“2”
“3”)がクロスビード6bに対して平行となってしま
うため、クロスビード6bの存在を有効に検出できなく
なるためである。即ち、クロスビードセンサ部25の3
個のコイル24は、ならいビードセンサ部23のコイル
列に対し直交する方向(台車走行方向)に配列したコイ
ル列であり、従ってこれら複数のコイルLa,Lb,L
cの配置位置は台車走行方向に互いに異なっている。
【0025】溶接ビード位置センサ15は、図5で示し
た組立体を含め、電気的には、図6に示すように構成さ
れている。即ち、コイル22,24と、その励磁用交流
電源29a(図7)となる励磁回路(発振回路)29と
の間に、上記半導体スイッチ27を含むスイッチング回
路30を設け、これをタイミング発生回路31でスイッ
チングして、図7に示すような差動検出回路を順次形成
し、その差出力をアンプ32を通して同期検波回路33
に導くようになっている。
【0026】ここでコイル22は、励磁コイルL01,
励磁コイルL02及び検出コイルL03用として同時に
3個が一単位として選択され、次のタイミングでは、こ
の3個のうち一端側の1個のコイル22が切り離され且
つ同時に他端側の1個のコイル22が選択されて新たに
加えられるというようにして、順次に3個づつ選択され
ながら切り替えられて行く。従って、同じ1個のコイル
22であっても、励磁コイルL01,励磁コイルL0
2,検出コイルL03として順に機能することとなる。
コイル24についても同様であり、3つのコイルLa,
Lb,Lc,Laが順に切り替えられる。これら3個の
コイル22又は24のうちの2個は、図7に示す励磁コ
イルL01,L02として使用され、残りの1個は検出
コイルL03として使用される。両励磁コイルL01,
L02の磁束は差動的に加えられており、検出コイルL
03には通常では出力が現れないように平衡している。
【0027】アンプ32の検出アナログ信号を同期検波
回路34に通して同期検波すると、振動成分が除去さ
れ、溶接ビード位置の検出信号のみを取り出すことがで
きる。また、この同期出力信号の波形を積分回路36に
通して山形の波形となし、この積分出力波形を順次各コ
イル22毎に加算処理すると、検出信号全体としては溶
接ビードの形状を示すようになり、ノイズに強くなる。
【0028】図8に、上記ならいビードセンサ部23の
スイッチング回路30の具体的構成を、また図9にコイ
ル22と半導体スイッチ(切替えスイッチ)27との接
続を示す。L1,L2,L3…は図4で“1”〜“4
1”の番号を付した計41個のコイル22に対応してい
る。これらの各コイル22は、4本のコイル選択ライン
XL1〜XL4に、各コイル22と直列のコイル選択ス
イッチSL1〜SL41を介して接続され、以て4つの
群に分けられている。3個のコイルを選択するのに対し
1つ多い4群に分けたのは、上述のように順次古い1個
を破棄し新たな1個を取り込んで行くことを可能とする
ためである。半導体スイッチ27のうち、スイッチ要素
VL1〜VL4は励磁コイルL01,L02としてコイ
ル22を選択する場合のライン選択スイッチであり、図
10に示すように、選択的に1個だけONされて上側選
択ラインXL2又はXL4のいずれか一方を励磁用交流
源29aに接続し、これを能動とする。また、DL1〜
DL4はコイル22を検出コイルとして選択使用する場
合の選択スイッチであり、図10に示すように、2個で
一組とするペア(奇数番目同士又は偶数番目同士)が交
互にONし、上側選択ラインXL2及びXL4か又は下
側選択ラインXL1及びXL3を能動とする。全体のコ
イル切替え動作は、図10のタイミングチャートに示す
通りであり、上述したように、コイル22は、励磁コイ
ルL01,励磁コイルL02及び検出コイルL03用と
して同時に3個選択され、次のタイミングでは、この3
個のうち一端側の1個のコイル22が切り離され且つ同
時に他端側の1個のコイル22が選択されて新たに加え
られるというようにして、順次に3個づつ選択されなが
ら切り替えられる。
【0029】クロスビードセンサ部25のスイッチング
回路30も同様の構成であり、そのスイッチング動作は
図8の左端の3つのコイルL1,L2,L3についての
回路を抽出した場合と等価であるので、その説明を省略
する。
【0030】ならいビードセンサ部23については、上
記のように切替えて全てのコイル22を検出コイルL3
としてスキャンすることにより、ならいビードセンサ部
23に対応する下方の容器壁表面の一定領域がスキャン
される。この全てのコイル22からの検出アナログ信
号、正確には同期検波回路33からの信号は、制御装置
3に送られる前又は送られた後にA/D変換器によりデ
ィジタル信号に変換され、データ処理されて、スキャン
領域中のどの位置にならいビード6aが存在するかが確
認され、現地点まで走行装置1が走行してきた既知の姿
勢データから、ならいビード6aからのずれ量(傾き角
度)が把握される。また、両端のクロスビードセンサ部
25については、上記のように3個のコイル24を切替
えることにより、探傷走行装置1の走行に伴い、クロス
ビードセンサ部25の下方にクロスビード6bが現出し
たか否かが監視される。
【0031】探傷走行装置1が図12のようにならいビ
ード6aに沿って進んで来た場合、それ迄の道のりは、
自走台車7の腹に取付けたプラニメータ34(図3)に
より計測され、制御装置3で評価される。そして、クロ
スビードセンサ部25がクロスビード6bを検出した時
点で、プラニメータによる計測距離値が自動的に修正さ
れ、これにより距離計測の累積誤差、つまり探傷走行装
置1を動かして探傷すべき溶接ビード箇所の位置的誤差
が排除される。本実施例の場合、図12に示す探傷走行
装置1が溶接ビード交叉点P2まで進んできてクロスビ
ード6bを検出した時点で、前回の溶接ビードの交叉点
P1から現在の交叉点P2までの距離データである旨の
区切データと、プラニメータ34による計測距離データ
とが読み込まれ、制御装置3において、両者のデータが
ペアとして処理される。制御装置3は、このデータの各
組に対して処理を加え、クロスビード6bの位置を走行
距離で表わし、プリンタ4に出力する。また制御装置3
は、この走行距離と関連づけられたクロスビード6bの
位置を、探傷を行うべきスタート/エンド点の基準位置
として利用し、探傷走行装置1に指示する。
【0032】上記実施例ではコイル22を千鳥状に2列
に配列してならいビードセンサ部23を構成したが、コ
イル22は平面上で直線的に密に配列すればよく、コイ
ル22を横一列に配置してビードセンサ部23を構成す
ることもできる。また、スイッチ27は、上記3個を単
位とするコイルのうち2個を励磁用コイルとし残りの1
個を検出コイルとして順次選択したが、図11に示すよ
うに、上記3個を単位とするコイルのうち1個を励磁用
コイルL01とし残りの2個を検出コイルL02,L0
3として順次選択することもできる。この場合2個の検
出コイルL02,L03は減磁結合され、アンプ32の
出力が平衡するように調整される。
【0033】本発明は球形タンクに限定されるものでは
なく、他の形状のタンク,原子炉,船舶,橋梁などの任
意の溶接部の非破壊検査において溶接線の位置を検出す
るのに使用できる。特に、原子炉圧力容器の溶接継手部
分の探傷における被曝のように危険を回避するため爆遠
隔操作で探傷走行装置を走行させる場合において、溶接
ビード上から外れないように探傷走行装置を走行させる
技術として有効である。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、台車走行
方向と交叉する方向に多数のコイルを平面上で直線的に
密に配列したならいビードセンサ部を設け、これらのコ
イルを1個分づつずらせながら励磁コイル及び検出コイ
ル用として順次3個を単位として選択して行き、ならい
ビード位置の渦流探傷を行わせるものであるため、電気
的な走査のみで自走台車に対するならいビードの位置、
自走台車のならいビードに対する傾き等が判る。従っ
て、機械的な走査機構を必要とする従来の溶接ビード位
置に比べ、センサの軽量化,小形化,単純化を図ること
ができる。また本発明の溶接ビード位置センサは自走台
車への搭載が容易であり、搭載することにより、安全な
場所から遠隔操作でならいビードの位置を確認しなが
ら、溶接ビード上から外れないように走行させることが
できる。
【0035】更にまた、クロスビードセンサ部のコイル
は台車走行方向、つまりクロスビードと直交する方向に
配列されているため、同様にクロスビードを有効に検出
することができる。従って、自走台車がならいビードと
交叉しているクロスビード位置に来た際には、このクロ
スビードを検出して、探傷走行装置の現在位置把握のた
めの計測距離データの修正に役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る溶接ビード位置センサを
搭載した探傷走行装置の概略図である。
【図2】図1の探傷走行装置の平面図である。
【図3】図1の探傷走行装置の正面図である。
【図4】本発明の実施例に係る溶接ビード位置センサの
コイルボードの平面図である。
【図5】本発明の実施例に係る溶接ビード位置センサの
組立体の側面である。
【図6】本発明の実施例に係る溶接ビード位置センサの
電気回路構成の概要図である。
【図7】本発明の実施例に係る溶接ビード位置センサの
検出回路の概要図である。
【図8】図6の電気回路におけるスイッチング回路の具
体的構成図である。
【図9】図8のスイッチング回路によるコイルの結線を
示す回路図である。
【図10】図8のスイッチング回路によるコイル切換え
タイミングを示す図である。
【図11】図7の検出回路の変形例を示す概要図であ
る。
【図12】ならいビード及びクロスビードに対する探傷
走行装置の位置関係を例示した説明図である。
【符号の説明】
1 探傷走行装置 2 ケーブル 3 制御装置 4 プリンタ 5 球形タンク壁 6 溶接ビード 6a ならいビード 6b クロスビード 7 自走台車 8 永久磁石車輪 9 軸 10 検査体アーム 11 ガイド板 12 探触子操作アーム 13 粗探用超音波探触子 14 精探用超音波探触子 15 溶接ビード位置センサ 16 アーム支持ローラ 17,18 押付け機構 19 押付けシリンダ 20 リニアガイドベアリング 21 コイルボード 22 コイル 23 ならいビードセンサ部 24 コイル 25 クロスビードセンサ部 26 スイッチボード 27 半導体スイッチ(切替えスイッチ) 28 コネクタ 29 励磁回路(発振回路) 29a 励磁用交流源 30 スイッチング回路 31 スイッチング回路 32 アンプ 33 同期検波回路 34 プラニメータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 寿夫 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川 島播磨重工業株式会社 東二テクニカル センター内 (72)発明者 田中 康仁 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川 島播磨重工業株式会社 東二テクニカル センター内 (72)発明者 早川 佳代子 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川 島播磨重工業株式会社 東二テクニカル センター内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 29/00 - 29/28 G01N 27/72 - 27/90

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接線にならって走行させる自走台車
    に、その台車走行方向と交叉する方向に多数のコイルを
    平面上で直線的に密に配列したならいビードセンサ部
    と、このビードセンサ部の端に複数のコイルを台車走行
    方向に配列したクロスビードセンサ部と、上記ならいビ
    ードセンサ部のコイルを1個分づつずらせながら励磁コ
    イル及び検出コイル用として順次3個を単位として選択
    しならいビード位置の渦流探傷を行わせる切替えスイッ
    チと、クロスビードセンサ部のコイルを1個分づつずら
    せながら励磁コイル及び検出コイル用として順次3個を
    単位として選択しクロスビード位置の渦流探傷を行わせ
    る切替えスイッチとを設けたことを特徴とする溶接ビー
    ド位置センサ。
  2. 【請求項2】 上記クロスビードセンサ部が点対称に密
    に配置した3個のコイルから成ることを特徴とする請求
    項1記載の溶接ビード位置センサ。
  3. 【請求項3】 上記ならいビードセンサ部のコイルが千
    鳥状に配列されていることを特徴とする請求項1,2記
    載の溶接ビード位置センサ。
  4. 【請求項4】 上記ならいビードセンサ部のコイルが一
    列に配置されていることを特徴とする請求項1,2記載
    の溶接ビード位置センサ。
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