JP2945725B2 - 原子プローブ顕微鏡 - Google Patents

原子プローブ顕微鏡

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JP2945725B2 JP19198890A JP19198890A JP2945725B2 JP 2945725 B2 JP2945725 B2 JP 2945725B2 JP 19198890 A JP19198890 A JP 19198890A JP 19198890 A JP19198890 A JP 19198890A JP 2945725 B2 JP2945725 B2 JP 2945725B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、試料の微細な表面形状を観察する原子プ
ローブ顕微鏡に関する。
[従来の技術] このような原子プローブ顕微鏡としては、走査型トン
ネル顕微鏡(STM;Scanning Tunneling Microscope)、
原子間力顕微鏡(AFM;Atomic Force Microscope)、磁
気力顕微鏡(MFM;Magnetic Force Microscope)などが
知られている。
走査型トンネル顕微鏡は、ビニッヒ(Binnig)、ロー
ラー(Rohrer)他によって1982年に提案され、導電性試
料の表面形状を原子オーダーで観測できる。その詳細は
「G.Binnig,H.Rohrer,Ch.gerber and E.Weibel,“Surfa
ce Studies by Scanning Tunneling Microscope",Physi
cal Review Letters,Vol.49,57(1982)」の中に記述さ
れる。走査型トンネル顕微鏡は導電性の探針を有し、探
針は導電性試料の表面近傍に支持される。探針先端を試
料表面に1nm程度まで近づけ、探針と試料との間に電圧
を印加すると両者の間にトンネル電流が流れる。トンネ
ル電流は探針と試料の間の距離に依存して変化し、その
大きさは0.1nmの距離変位に対して1桁程度変化する。
観察の際、探針は試料表面に沿って移動(例えばラスタ
ー走査)され、その間、探針と試料との間に流れるトン
ネル電流が一定に保たれるように、探針と試料との間の
距離が圧電体などの微動素子によって制御される。この
ため、探針と試料との間の距離が一定に保たれ、探針先
端は試料表面に平行な表面形状を反映した曲面上を移動
する。従って、試料の表面の形状を示す3次元像が、圧
電体に印加した電圧から産出される探針先端の位置デー
タに基づいて構成される。
また、絶縁性試料の表面形状を原子オーダーで観察で
きる装置として、原子間力顕微鏡が提案されている。そ
の詳細は「G.binnig,C.F.Quate,“Atomic Force Micros
cope",Physical Review Letters,Vol.56,930(1986)」
の中に記述される。原子間力顕微鏡では、探針は柔軟な
カンチレバーによって支持される。探針が試料表面に近
づくと、探針先端の原子と試料表面との原子との間に
は、ファン・デル・ワールス(van der Waals)相互作
用による引力が働き、さらに原子の結合距離程度まで近
づくと、パウリ(Pauli)の排他律による斥力が働く。
これらの引力および斥力(原子間力)は非常に小さく、
10-9〜10-12[N]程度である。一般に原子間力顕微鏡
では、観察の際、探針先端の原子が原子間力を受けてカ
ンチレバーがある程度変位する距離まで、探針が試料表
面に近づけられる。この状態から、探針を試料表面に沿
って走査させると、試料表面の凹凸に対応して探針と試
料との間の距離が変化するため、カンチレバーの変位量
が変化する。この変化を検出し、カンチレバーの変位量
を初期の状態に保つように、圧電体などの微動素子を用
いてフィードバック制御する。この結果、探針先端は試
料表面に平行な面上を移動する。このときの圧電体の印
加電圧に基づいて試料の表面形状の画像を構成する。
磁気力顕微鏡は磁性体材料で形成された探針を有し、
他の構成は基本的に原子間力顕微鏡と同様である。この
場合も原子間力顕微鏡と同様に、探針と試料の磁性粒子
との間に働く磁力を一定に保ちながら探針を試料面に対
して走査させることによって、試料表面の凹凸像を得る
ことができる。
このようなカンチレバーの変位検出には、いくつかの
方法が知られている。例えば、カンチレバーの裏面(探
針のない側の面)に対してSTMを構成し、カンチレバー
の変位をトンネル電流の変化として検出する方法があ
る。また、カンチレバーの先端部裏面に光学反射面を設
け、この反射面にルビー固体レーザーやアルゴン気体レ
ーザーのビームを入射させ、カンチレバーの変位に応じ
て変化する反射角をPSD(光位置検出記)で検出する方
法がある。さらに、レーザーから射出された光を参照光
と検出光の2本のビームに分割し、検出光ビームをカン
チレバーの先端部裏面に設けた光学反射面に照射し、反
射面からの反射ビームを参照光ビームと干渉させ、干渉
出力を光電検出する方法がある。
[発明が解決しようとする課題] このようなAFMやSTMでは、試料表面の凹凸形状を測定
するため、探針は試料表面にほぼ平行なx−y平面に沿
って相対的に移動される。この間、探針は、試料との間
の距離を一定に保つように、試料表面に垂直なz方向に
サーボ制御される。
このような探針のサーボ制御は、STMでは、探針と導
電性試料との間に流れるトンネル電流を一定に保つよう
に、探針のz方向位置をフィードバック制御して行われ
る。このため、試料の表面にゴミが付着していたり、表
面の一部が酸化膜で覆われていたりした場合、所定のト
ンネル電流値を確保するために、探針はこれらのゴミや
酸化膜を押し退けて試料に接近する。
また、AFM及びSTMのいずれにおいても、探針は、z方
向に対してサーボ制御されながら、試料の表面下または
その極近傍を表面に沿って移動するため、探針先端より
上方に酸化膜やゴミなどがあると、探針はこれらからx
またはy方向に剪断力を受ける。このため、探針の先端
の実際の位置と、探針を微小移動させる圧電体に印加し
た電圧から求まる位置との間にずれが生じる。
この発明は、微弱な力によるレバーの移動及び回転を
良好な感度で検出できる原子プローブ顕微鏡の提供を目
的とする。
[課題を解決するための手段] この発明の原子プローブ顕微鏡は、探針を有するレバ
ー部と、前記レバー部にレーザー光を照射するレーザー
光照射手段と、前記レバー部で反射されたレーザー光を
受光部で受光することにより、前記レバー部の回転変位
及び探針延出方向の変位を検出可能な受光手段と、前記
受光部の位置と前記受光部上の前記レーザー光が投射さ
れる位置とを相対的に調整する位置調整手段とを備えて
いる。
また、この発明の原子プローブ顕微鏡は、探針を有す
るレバー部と、前記レバー部にレーザー光を照射するレ
ーザー光照射手段と、前記レバー部で反射されたレーザ
ー光を受光部で受光することにより、前記レバー部の回
転変位及び探針延出方向の変位を検出可能な受光手段
と、前記受光手段の出力に基づいて前記レバー部の回転
変位を制御する回転変位制御手段とを備えている。
また、この発明の原子プローブ顕微鏡は、探針を一方
の面に有するレバー部と、前記レバー部の他方の面に設
けられた反射面と、前記反射面にレーザー光を照射する
レーザー光照射手段と、前記反射面で反射されたレーザ
ー光を4分割された受光部で受光し、前記レバー部の回
転変位及び探針延出方向の変位を検出可能な受光手段と
を備えている。
また、この発明の原子プローブ顕微鏡は、探針を有す
るレバー部と、前記レバー部にレーザー光を照射するレ
ーザー光照射手段と、前記レバー部で反射されたレーザ
ー光を4分割された受光部で受光することにより、前記
レバー部の回転変位及び探針延出方向の変位を検出可能
な受光手段とを備え、前記レーザー光照射手段及び前記
受光手段を一体的に構成する。
[作用] この発明の原子プローブ顕微鏡は、試料と探針との間
に働く力(相互作用)に基づく、前記レバー部の回転変
位及び探針延出方向の変位を光学的に検出する。光学的
な検出は、レバー部にレーザー光を照射するレーザー光
照射手段と、レバー部で反射されたレーザー光を検出す
る受光手段とを用いて行われる。なお、レバー部の探針
延出方向の変位とは、レバー部が試料と接離する方向の
変位である。
さらに、この受光部の位置と受光部上のレーザー光が
投射される位置とを位置調整手段により相対的に調整
し、良好な感度でレバー部の変位を検出する。
また、受光手段の出力に基づいて得られるレバー部の
回転変位を回転変位制御手段により制御して良好な感度
でレバー部の変位を検出する。
また、レバー部に設けられた反射面でレーザー光を反
射すると共に、この反射レーザー光を受光する受光手段
の受光部を4分割することにより良好な感度でレバー部
の変位を検出する。
また、レーザー光照射手段及び受光手段を一体的に構
成して変位光学系を小型化すると共に、受光手段の受光
部を4分割することにより良好な感度でレバー部の変位
を検出する。
[実施例] 以下、図面を参照しながら、この発明の原子プローブ
顕微鏡の実施例について説明する。
第1図に示されるように、カンチレバー12は、先端部
の表裏面に探針14及び反射ミラー16を備え、他端部は上
部シリコン基板18に固定されている。上部シリコン基板
18は、例えばパイレックスで形成された断面コ字状の中
間ブロック20を介して、下部シリコン基板22に固定され
る。下部シリコン基板22上は、半導体プロセスを用いて
形成された半導体レーザー24、及び、一端にブラッグ反
射体またはプリズムを有し、半導体レーザー24からのレ
ーザー光を所定の角度で射出する光導波路26を備える。
このような光導波路26は、シリコン基板22上に例えば蒸
着・エッチングを繰り返し用いて形成される。光導波路
26から射出されたレーザー光は、カンチレバー12上の反
射ミラー16で反射される。反射ミラー16で反射された光
は、下部シリコン基板22上の第1の反射面28、中間ブロ
ック20に設けられた第2の反射面で順に反射され、最終
的に下部シリコン基板22に設けられた受光器32に照射さ
れる。
カンチレバー12が力Fを受けてδだけ変位した場合、
第2図に図示されるように、カンチレバーの長さをl、
厚さをa、幅をbとすると、変位δは、 δ=4l3F/ab3E …(1) で与えられる。ここに、Eはカンチレバー12の縦弾性係
数である。また、カンチレバー12がδだけ変位すると、
これに応じて受光器32に照射されるレーザー光の主光線
の位置はΔyだけ移動する。第3図に示されるように、
カンチレバー12の根元から探針14が取り付けられた位置
までをaとし、また、反射ミラー16から第1の反射面28
まで、第1の反射面28から第2の反射面30まで、第2の
反射面30から受光器32までのy−z平面に射影された光
路長をそれぞれb,c,dとすると、これらのa,b,c,dと移動
量Δyとの間には、 Δy∝δ(a+b+c+d)/a の関係がある。
また、カンチレバー12がモーメント荷重Tを受けて、
θだけ回転した場合、回転角θは、 θ=3lT/ab3G …(2) で与えられる。ここに、Gはカンチレバー12の横弾性係
数である。カンチレバー12がθだけ回転すると、これに
応じて受光器32に照射されるレーザー光の主光線の位置
はΔxだけ移動する。この移動量Δxは、第4図に示さ
れるように、反射ミラー16から第1の反射面28まで、第
1の反射面28から第2の反射面30まで、第2の反射面30
から受光器32までのx−z平面に射影された光路長をそ
れぞれg,h,iとすると、 Δx=sin2θ(g+h+i) で与えられる。
これらの移動量Δx及びΔyは受光器32で検出され
る。受光器32は4分解された受光部D1、D2、D3、D4を備
え、受光部D1、D2、D3、D4からの出力をそれぞれd1
d2、d3、d4として、第5図に示されるように、公知の加
算器および減算器を組み合わせることにより、 Sδ=(d1+d2)−(d3+d4) …(3) Sθ=(d1−d2)+(d3−d4) …(4) が作り出される。これらの信号Sδ及びSθはそれぞれ
Δy及びΔxに比例する。従って、Sδ及びSθからカ
ンチレバー12の変位δ及び回転角θが求まる。
ところで、受光器32は、カンチレバー12が例えばδ
だけ変位したときに、Sδ=0が出力される位置に設け
られる。つまり、設計段階において、例えば第6図に示
される原子間力と探針・試料間の距離の関係を参照し
て、距離Aのときに作用する力に対して、使用するカン
チレバー12の変位δを(1)式を用いて予め求めてお
き、カンチレバー12がδだけ変位したときにSδ=0
が出力される位置に受光器32が配置される。
次に測定動作について説明する。測定の際、下部シリ
コン基板22に取り付けられた図示しない粗動機構を用い
て、装置全体をz方向に移動することにより、カンチレ
バー12に取り付けられた探針14が試料34に近づけられ
る。探針14を試料34に近づける間、半導体レーザー24か
らはレーザー光が射出されており、Sδの出力が0にな
ったときに探針14の接近を停止する。この結果、カンチ
レバー12はδだけ変位した状態で停止される。
続いて、図示されない微動機構を用いて、下部シリコ
ン基板22ごと、探針14を試料34に対してxy方向に移動す
る。探針14を移動させると、試料34の面の凹凸に応じ
て、探針14と試料34との間の距離が変化し、探針14に作
用する原子間力が変化する。この結果、カンチレバー12
の変位量がδから変化する。このカンチレバー12の変
位は、上述したように、半導体レーザー24からのレーザ
ー光の反射ミラー16における反射角βが変化させ、
(1)式及び(3)式に従う受光器32からの出力信号S
δとして検出される。また、探針14に剪断力が作用した
とき、カンチレバー12に回転変位が現れる。このときの
回転角θは、(2)式及び(4)式に従う受光器からの
出力信号Sθとして検出される。この実施例では、探針
14は引力領域で動作するように設定されているので、試
料の凹凸はA位置からほぼ±0.2nmの範囲内で正常にカ
ンチレバー12は変位する。探針14が試料34から0.8nm以
上離れると、カンチレバー12は平行位置で止まって変位
しなくなり、また、0.2nm以下まで接近すると、探針・
試料間の距離と原子間力が1対1で対応しなくなる。
次に第7図乃至第9図を参照しながら、この発明の原
子プローブ顕微鏡の別の実施例について説明する。な
お、上述の実施例と同様の部材には同一符号を付け、そ
の説明は省略する。
この実施例では、下部シリコン基板22は、圧電アクチ
ュエーター36を介して粗動装置38に固定される。この圧
電アクチュエーター36は、STM等に用いられる公知のz
方向微動装置である。また、半導体レーザー24から射出
されたレーザー光の光路上には、y軸周りに回転可能に
設けられ、y軸に垂直な面に対して僅かに傾けたミラー
面を有する回転ミラー40が配置されている。また、下部
シリコン基板22には、y方向に移動可能なステージ42を
備える微動装置43が取り付けられ、下部シリコン基板22
の上面とほぼ同じ高さのステージ42上に受光器32が固定
される。
この実施例で使用されるカンチレバー12は、第9図に
図示されるように、長手方向に2組のバイモルフ44A、4
4Bを備える。このようなバイモルフ44A、44Bは、スタン
フォード大学のクエートらにより発表され、STMカンチ
レバーに組み込まれたもので、その構成および動作を第
9図を参照しながら説明する。このようなバイモルフ44
A、44Bは、カンチレバー12の上下面に接地用のAl電極46
を形成し、Al電極46の上下面にZnO等の圧電体層48を蒸
着により形成し、圧電体層48の上下面にほぼ中央で2分
される駆動用のAl電極50a、50b、50c、50dを蒸着して形
成される。このような構造において、電極50aと電極50d
との間に挟まれる部分に1組のバイモルフ44Aが構成さ
れ、電極50bと電極50cとの間に挟まれる部分にもう1組
のバイモルフ44Bが構成される。
電極50a、50b、50c、50dで覆われた部分の圧電体48を
それぞれ48a、48b、48c、48dとし、それぞれの長さを1
a、1b、1c、1dとする。電極50a、50b、50c、50dにそれ
ぞれV1、V2、V1、V2(V1>V2)なる電圧が印加される
と、圧電体の各部分の長さは1a=1c>1b=1dとなる。こ
の結果、バイモルフ44Aは下向きに、バイモルフ44Bは上
向きに反り、カンチレバー12の先端は軸Qの周りを時計
周り(CW)に回転変位する。また、電圧の大きさを逆
に、すなわちV1<V2とすると、反時計回り(ACW)に回
転変位する。以下、これら回転モード制御をそれぞれCW
回転変位制御、ACW回転変位制御とする。
これに対して電極50a、50b、50c、50dにそれぞれV1
V1、V2、V2(V1>V2)なる電圧を印加すると、圧電体の
各部分の長さは1a=1b>1c=1dとなり、カンチレバー12
の先端は下向きに反る。また、電圧の大小関係を逆、つ
まりV1<V2にすると、カンチレバー12の先端は上向きに
反る。これらの変位モード制御をそれぞれUP変位制御、
DOWN変位制御とする。
次に第7図及び第8図を参照しながら動作について説
明する。
まず、測定に先だって受光器32及び回転ミラー40を予
め定めた初期位置に配置する。つまり、受光器32は、探
針・試料間の距離が第6図のc点の位置になり、カンチ
レバー12がδだけ変位したときに、出力SδがSδ=
0となる位置に微動装置43を用いて配置される。この位
置調整は、予め求めた図示されないスケールに従って行
われる。また、探針14が試料34から剪断力T0を受けてカ
ンチレバー12がθだけ回転変位したときに、受光器32
からの出力SθがSθ=0となるように、予め求めた図
示されないスケールに従って回転ミラー40の角度方向を
定めておく。
測定の際、まず、カンチレバー12の先端部に設けられ
た探針14は、圧電アクチュエーター36に固定された粗動
装置38によって、下部シリコン基板22と共に試料34に近
づけられる。探針14を試料34に近づける間、受光器32か
らの出力Sδを監視しておき、出力SδがSδ=0とな
ったところで粗動装置38を停止させる。このとき、探針
14には第6図のc点に対応する斥力が働き、カンチレバ
ー12はδだけ下方に変位する。
続いて、図示しない公知のXY走査装置を用いて、探針
14がX方向に走査されると、試料34の凹凸に応じて探針
・試料間距離が変化するために探針14に作用する原子間
力が変化し、カンチレバー12の変位量が変化する。カン
チレバー12の変位量の変化は、レーザー光の受光器32へ
の投射位置を変え、結果としてSδ(≠0)が出力され
る。Sδは図示しないZサーボ回路に入力され、Zサー
ボ回路からの出力は圧電アクチュエーター36に入力さ
れ、変位δを一定に保つようにサーボ制御される。従
って、Zサーボ回路の出力信号で試料34の凹凸像が形成
される。
一方、走査中、探針14は試料34から剪断力Tを受け、
カンチレバー12の回転変位を引き起こし、この回転変位
は受光器32からの出力Sθとして検出される。ところ
で、出力Sθは、探針14が剪断力T0を受けたときにSθ
=0を出力するように初期設定されている。従って、探
針14に働く剪断力は、T0からの相対的なずれに対して、
Sθ(≠0)が出力される。Sθは、その出力がバイモ
ルフ44A、44Bに接続された図示しないθサーボ回路に入
力され、カンチレバー12の回転変位θを一定に保つよ
うにサーボ制御される。
この実施例では、探針14の動作範囲を斥力領域に設定
して説明したが、この動作範囲を引力領域に設定するこ
ともできる。また、カンチレバー12の変位をδに保つ
ようにZ方向にサーボ制御されるので、上述の実施例と
は異なり、広範囲にわたって動作可能である。さらに、
初期設定で、予めバイモルフ44A、44Bを回転モード制御
し、探針14の側面が試料面にできるだけ垂直になるよう
に回転変位させ固定して、出力Sδ=0となるように回
転ミラー40を調整しておくこともできる。
次に、さらに別の実施例について第10図を参照し、上
述の実施例との相違を述べながら説明する。
カンチレバー12は、その長手方向に2つのバイモルフ
52及び54を備える。バイモルフ52及び54の各々は、第9
図に示した構造を有し、それぞれに反りモード制御の図
示しない駆動回路が接続されている。これらの駆動回路
の一方には、カンチレバー12の反射ミラー16の反射角を
制御する入力Idと回転モード制御する入力Itが設けられ
ている。他方の駆動回路には、一方のバイモルフが例え
ばUP変位制御されたとき、同量だけDOWN変位制御する入
力Icが設けられている。この入力Icは受光器32からの出
力Sδに接続されており、反射ミラー16の反射角を一定
に保ったまま、探針14をZ方向に移動できる。また、入
力Itには前述のθサーボ回路を介して受光器32の出力S
θが接続されている。また、探針14の下方に位置する下
部シリコン基板22の一部には開口56が設けられており、
対物レンズ光学系を用いての試料の光学的な観察を可能
にしている。
次に作用について説明する。図示されない粗動装置を
用いて探針14を試料34に近づけていくと、探針14と試料
34との間に原子間力が生じ、カンチレバー12が上方に例
えばδだけ変位し、受光器32からSδが出力される。
ここで粗動装置を停止させ、図示されないXY走査装置を
用いて探針14をXY方向に移動させるとともに、Z方向に
サーボ制御する。探針14の移動によって、試料34の表面
までの距離が減少すると、探針14に作用する引力が増加
し、カンチレバー12はさらに上方に変位しようとする
が、バイモルフ52をDOWN変位制御するとともにバイモル
フ54をUP変位制御する。これにより、反射ミラーの反射
角が元に戻され、探針14に作用する原子間力が所定の大
きさに維持される。一方、試料34から受ける剪断力Tは
出力Sθをθサーボ回路を介して入力Idに回転モード制
御を与えるように駆動回路を駆動する。ここで、カンチ
レバー12に作用する所定値の原子間力に合わせてカンチ
レバー12の変位でサーボ動作の動作点を設定すれば、Z
サーボ回路とθサーボ回路から所定の原子間力での試料
34の凹凸と剪断力の情報が得られる。
また、さらに別の実施例について第11図及び第12図を
参照しながら説明する。図において、符号58は下部シリ
コン基板22に取り付けられた公知の円筒型圧電アクチュ
エーターでその側面の一部にレーザー光を導入する開口
部60を備える。円筒型圧電アクチュエーター58の内側に
は受光器32を備える中間ブロック20が設けられている。
また、円筒型圧電アクチュエーター58の上部に設けられ
た上部シリコン基板18には、先端部に探針14及び反射ミ
ラー16を備えるカンチレバー12が設けられる。
円筒型圧電アクチュエーター58は、内側側壁に共通電
極を有し、外側側壁に円筒軸方向に4分割された電極を
備え、公知の電極電圧印加方法によって、カンチレバー
12をθ、γ、Z方向に変位させることができる。これ
は、上述の実施例における、バイモルフ44A,44Bおよび
圧電アクチュエーター36の機能に相当する。なお、円筒
型圧電アクチュエーターの代わりに4個の棒状または板
状アクチュエーターを用いてもよい。
この発明は、上述の実施例に限定されることなく、発
明の要旨を逸脱しない範囲で種々の修正や変更が可能で
ある。
[発明の効果] この発明によれば、微弱な力によるレバーの移動及び
回転を良好な感度で検出できるので、正確な試料情報を
得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例の構成を示す図、 第2図は、第1図中のカンチレバーの大きさを説明する
図、 第3図は、第1図中のカンチレバーが原子間力により変
位した様子を説明する図、 第4図は、第1図中のカンチレバーが剪断力により回転
変位した様子を説明する図、 第5図は、第1図の受光器およびその周辺回路を示す
図、 第6図は、探針・試料間の距離とそれらの間に働く原子
間力との関係を示す図、 第7図は、この発明の別の実施例を示す図、 第8図は、カンチレバーがθだけ回転変位したときの光
路を説明する図、 第9図は、第7図のカンチレバーを示す斜視図、 第10図は、さらに別の実施例の構成を示す図、 第11図及び第12図は、また別の実施例を説明する図であ
る。 12……カンチレバー、14……探針、16……反射ミラー、
24……半導体レーザー、32……受光器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−15602(JP,A) 特開 昭63−91502(JP,A) 特開 平1−147318(JP,A) 特開 平4−1517(JP,A) G.Meyer,N.Amer”Op tical−beam−deflect ion atomic force m icroscopy”Applied Physics Letters Vo l.56,No.21(21.09.1990)p. 2100〜2101 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01B 21/00 - 21/32

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】探針を有するレバー部と、 前記レバー部にレーザー光を照射するレーザー光照射手
    段と、 前記レバー部で反射されたレーザー光を受光部で受光す
    ることにより、前記レバー部の回転変位及び探針延出方
    向の変位を検出可能な受光手段と、 前記受光部の位置と前記受光部上の前記レーザー光が投
    射される位置とを相対的に調整する位置調整手段とを備
    えていることを特徴とする原子プローブ顕微鏡。
  2. 【請求項2】前記位置調整手段はレーザー光を反射する
    反射ミラーを含むことを特徴とする請求項1に記載の原
    子プローブ顕微鏡。
  3. 【請求項3】前記位置調整手段は受光手段を移動するた
    めの移動手段を含むことを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の原子プローブ顕微鏡。
  4. 【請求項4】探針を有するレバー部と、 前記レバー部にレーザー光を照射するレーザー光照射手
    段と、 前記レバー部で反射されたレーザー光を受光部で受光す
    ることにより、前記レバー部の回転変位及び探針延出方
    向の変位を検出可能な受光手段と、 前記受光手段の出力に基づいて前記レバー部の回転変位
    を制御する回転変位制御手段とを備えていることを特徴
    とする原子プローブ顕微鏡。
  5. 【請求項5】前記回転変位制御手段は、前記レバー部の
    回転変位を一定に保つように制御を行うことを特徴とす
    る請求項4に記載の原子プローブ顕微鏡。
  6. 【請求項6】前記受光手段は、受光部が4分割されてい
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか
    ひとつに記載の原子プローブ顕微鏡。
  7. 【請求項7】探針を一方の面に有するレバー部と、 前記レバー部の他方の面に設けられた反射面と、 前記反射面にレーザー光を照射するレーザー光照射手段
    と、 前記反射面で反射されたレーザー光を4分割された受光
    部で受光し、前記レバー部の回転変位及び探針延出方向
    の変位を検出可能な受光手段とを備えていることを特徴
    とする原子プローブ顕微鏡。
  8. 【請求項8】前記レバー部、前記レーザー光照射手段及
    び前記受光手段を一体的に構成することを特徴とする請
    求項1ないし請求項7のいずれかひとつに記載の原子プ
    ローブ顕微鏡。
  9. 【請求項9】探針を有するレバー部と、 前記レバー部にレーザー光を照射するレーザー光照射手
    段と、 前記レバー部で反射されたレーザー光を4分割された受
    光部で受光することにより、前記レバー部の回転変位及
    び探針延出方向の変位を検出可能な受光手段とを備え、 前記レーザー光照射手段及び前記受光手段を一体的に構
    成することを特徴とする原子プローブ顕微鏡。
  10. 【請求項10】更に、前記レバー部を試料に対して微動
    させるためのアクチュエーターを有し、前記レバー部、
    前記レーザー光照射手段、前記受光手段及び前記アクチ
    ュエーターを一体的に構成することを特徴とする請求項
    8または請求項9に記載の原子プローブ顕微鏡。
  11. 【請求項11】更に、対物レンズ光学系を有し、この対
    物レンズ光学系を用いて試料の光学的な観察が可能であ
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか
    ひとつに記載の原子プローブ顕微鏡。
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