JP2941006B2 - スペックル測長計及び測長方法 - Google Patents

スペックル測長計及び測長方法

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JP2941006B2 JP16246790A JP16246790A JP2941006B2 JP 2941006 B2 JP2941006 B2 JP 2941006B2 JP 16246790 A JP16246790 A JP 16246790A JP 16246790 A JP16246790 A JP 16246790A JP 2941006 B2 JP2941006 B2 JP 2941006B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、レーザ光を照射した物体表面からの拡散反
射光によって生じるスペックルパターンを利用して、物
体の移動量を測定するスペックル測長方法及び測長計に
関するものである。
(従来の技術) 従来、スペックルパターンを応用して物体の微小な変
形量を測定する方法が提案されている(特公昭59−5296
3)。
該測定方法は、測定の対象とする変形物体の表面にレ
ーザビームを照射し、拡散反射光の中にイメージセンサ
ーを配置し、該センサーから出力されるイメージ信号に
基づいて、物体変形前後の出力信号の相互相関関数を算
出するものであって、該相互相関関数のピーク位置がス
ペックルパターンの移動量に対応することを利用して、
物体移動量が測定されるのである。
ところで、上記測定方法では、第5図に示す如く激し
く変動する波形のイメージ信号SをそのままA/D変換し
て相互相関関数を算出していたから、A/D変換の際のサ
ンプリング数が極めて大きく、これらのサンプリングデ
ータから相互相関関数を求める演算処理に時間がかか
り、リアルタイムの測定が困難であった。
そこで、イメージ信号を一旦、所定のスレッショルド
レベルで2値化して、所謂極性相関をとることにより、
演算処理時間の短縮を図ることが提案されている(例え
ばコロナ社発行「光計測のニーズとシーズ」第40頁参
照)。これによって得られる相互相関関数は離散分布と
なる。
尚、前記2値化データから相互相関関数を算出するた
めの相関器としては、TWR LSI プロダクツ社のTMC222
1等が使用出来る。
(解決しようとする課題) しかしながら、測長分解能を少なくとも数μm乃至十
数μm程度に設定するためには、一つのスペックルパタ
ーンを出来るだけ多くのデータ、例えば256ビット長の
2値データで表わす必要がある。この場合、相関器とし
ては例えば前記TRW LSI プロダクツ社のTMC2221を2
個用いて構成することが可能であるが、その構成は、EX
−NOR及びカウンターを直列に接続してなる一致積算回
路を256系列、並列に設けたものとなり、極めて複雑で
ある。
又、物体移動距離が小さい時点ではデータの間の相関
は高いから、相互相関関数は例えば第6図(a)に示す
如く鋭いピークが1箇所に表われた急峻な分布である
が、移動距離の増大に伴って相関は低下し、同一の基準
データに基づいて算出される相互相関関数は、第9図に
示す如くピーク値が低下したランダムな分布に変化す
る。この場合、第9図に示す真のピーク位置Ppを看過し
て、相関値の比較的大きな他の位置P′、P″をピーク
位置と誤認する虞れが生じ、測定誤差を招来する問題が
あった。
更に又、相互相関関数のピーク位置を求めるために、
全てのずれに亘る広い範囲(第9図の幅W0)について相
互相関関数を算出する必要があるから、一測定点におけ
る相互相関関数の時間がかかり、リアルタイムの測長が
困難な問題があった。
本発明の目的は、第9図に示す如き相関値データのピ
ーク位置Ppを予測して、相関値データの算出範囲を、予
測ピーク位置を中心とする狭い範囲Wに限定することに
よって、相関器の構成を従来よりも簡易化出来、然も対
象物体の移動距離の増大に伴って相関が低下した場合に
も、ピーク位置の誤認の虞れがないスペックル測長方法
及び測長計を提供することである。
(課題を解決する為の手段) 本発明に係るスペックル測長方法は、基準データと現
データとの近似度を、両データの位相差をパラメータと
して表わす近似度データを算出し、該近似データの集合
(C1、C2、…Cm)からピーク位置を探索し、少なくとも
該ピーク位置に基づいて物体の移動距離を算出する方法
であって、測定開始以後の移動量の算出結果に基づいて
次の測定時点、或いはそれ以後の測定時点での移動量を
予測し、当該測定時点での近似度算出範囲を、前記予測
結果に応じた近似度データ(C1、C2、…Cm)のピーク位
置Ppが含まれる狭い範囲Wに制限することを特徴とす
る。
基準データの現データの近似度は、例えば両データの
相互相関関数によって表わすことが出来、この場合、近
似度データ(C1、C2、…Cm)は相互相関関数に表わす相
関値データとなる。
又、本発明に係るスペックル測長計は、移動する対象
物体の表面に向ってレーザビームを出射すべきレーザ発
生装置と、前記対象物体のレーザ照射面に対向した観測
面に表われるスペックルパターンを光電変換するイメー
ジセンサー(13)と、該イメージセンサー(13)から出
力されるイメージ信号に基づいて、対象物体の基準位置
におけるスペックルパターンに応じた基準データと移動
位置におけるスペックルパターンに応じた現データとの
近似度を位相差をパラメータとして算出する近似度演算
手段と、前記基準データを近似度演算手段へ供給するシ
フトレジスタ(51)と、近似度演算手段による近似度の
算出に際して前記現データに対する基準データの相対的
な遅延時間或いは進め時間を制御するためのタイミング
信号を前記シフトレジスタ(51)へ供給する制御回路
(54)と、前記近似度演算手段から出力される近似度デ
ータ(C1、C2、…Cm)に基づいて物体の移動距離を算出
する情報処理回路とを具えている。
前記情報処理回路は、 前記近似度データ(C1、C2、…Cm)の集合からピーク
位置を探索する第1手段と、 少なくとも前記ピーク位置に基づいて物体移動量を算
出する第2手段と、 測定開始以後の移動量の算出結果に基づいて次の測定
時点、或はそれ以後の測定時点での移動量を予測する第
3手段と、 当該測定時点での近似度の算出範囲を、前記移動量の
予測結果に応じた近似度データ(C1、C2、…Cm)のピー
ク位置が含まれる範囲に制限するための指令信号を作成
して、制御回路(54)へ送出する第4手段 とを具えている。
近似度演算手段としては、基準データと現データの相
互相関関数を算出する相関器(5)を用いることが出
来、この場合、近似度データ(C1、C2、…Cm)は相互相
関関数を表わす相関値データとなる。
(作 用) 上記スペックル測長方法においては、測定過程で次の
測定時点、或いはそれ以後の測定時点での物体移動量が
次々と予測され、予測された移動量に基づいて、近似度
(相互相関関数)の算出範囲が、2値化データのビット
数よりも少ない限定された範囲であって、且つ近似度の
ピーク位置が含まれる範囲に限定される。例えば第9図
の如く相関が低下した場合でも、近似度データ(相互相
関関数)の算出範囲を、ピーク位置Ppを中心とする狭い
範囲Wに限定すれば、ピーク値以外の比較的大きな近似
度データが得られる位置P′、P″をピーク位置と誤認
する虞れはない。
移動量の予測には、測長開始以後の移動量の変化に基
づく線形予測等、周知の様々な予測手法を用いることが
出来、これによって、前記の限定された近似度算出範囲
内に、実際のピーク位置が含まれることになる。そし
て、この実際のピーク位置に基づいて物体の移動量が算
出される。
又、上記スペックル測長計において、情報処理回路の
第4手段は、第3手段によって予測された物体移動量に
応じて、近似度演算手段が次の測定時点、或いはそれ以
後の測定時点で算出すべき近似度の範囲を、2値化デー
タのビット数よりも少ない範囲に限定するための指令信
号を作成して、制御回路(54)へ送出する。そして、制
御回路(54)が発生するタイミング信号によって、シフ
トレジスタ(51)から近似度演算手段へ送られる基準デ
ータの遅延時間或いは進め時間が制御され、基準データ
と現データとの位相差が調整される。この結果、近似度
演算手段は、前記の如く限定された狭い範囲で現データ
と基準データの近似度を算出する。これによって得られ
た近似度データ(C1、C2、…Cm)には、前記予測位置或
いはその近傍位置にピークが現われることになる。更に
情報処理回路の第1手段が実際のピーク位置を探索し、
第2手段が該ピーク位置に基づいて物体の移動量を算出
する。
(発明の効果) 本発明に係るスペックル測長方法及び測長計によれ
ば、移動量の予測に基づいて近似度(相互相関関数)の
算出範囲をイメージ信号の2値化データのビット数より
も遥かに少ない範囲Wに限定出来るから、例えば近似度
演算手段となる相関器の構成を従来よりも簡易化出来、
然も相関が低下した場合にもピーク位置誤認の虞れはな
い。
又、相互相関関数等の近似度の演算時間が短縮される
から、対象物体の移動速度が大きい場合にも、高い相関
が維持される時間間隔でピーク位置の探索、即ち物体の
移動量の算出を行なうことが出来る。従って、従来の如
きピーク位置誤認の虞れはなく、高い精度の測長が可能
である。
(実施例) 以下、図面に沿って本発明に係るスペックル測長方法
及び測長計の具体的構成について説明する。尚、実施例
は本発明を説明するためのものであって、特許請求の範
囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解す
べきではない。
第1図に示す如く、スペックル測長計の測定ヘッド
(1)は、ビーム出射窓(10)を有する密閉ケーシング
内に、半導体レーザ(11)、該半導体レーザ(11)から
のレーザ光を平行レーザビーム(17)に整形するコリメ
ータレンズ(12)、レーザビームが対象物体(18)にて
拡散反射されて形成されたスペックルパターンを光電変
換するCCDからなる一次元イメージセンサー(13)等を
配置して構成されている。
第2図は、上記測定ヘッド(1)に接続して、一次元
イメージセンサー(13)からのイメージ信号に基づいて
物体の移動量を算出し、表示するための測定回路の一構
成例を示している。
一次元イメージセンサー(13)は、周知の如くバッフ
ァアンプ(14)から送られてくるリセット信号、スター
ト信号及びシフト信号によってCCD配列方向の走査を一
定周期で繰返す。該センサー(13)の出力信号は、初段
アンプ(15)を介してサンプルホールド回路(2)へ接
続され、これによってCCD特有のノイズが除去される。
サンプルホールド回路(2)の出力信号はゲイン制御
アンプ(3)を経て第5図に示す如きイメージ信号Sを
得る。該信号Sは2値化回路(4)へ送られて2値化さ
れ、更に該2値化データDは近似度演算手段となる相関
器(5)へ送られて、後述の如く対象物体の移動に伴っ
て変化するスペックルパターンの相互相関関数が繰返し
計算され、この計算結果がマイクロコンピュータ(7)
へ送られる。
相関器(5)による相互相関関数算出の基礎となる基
準データを作成する回路は、マイクロコンピュータ
(7)によって制御される遅延制御回路(54)と、該遅
延制御回路(54)からのタイミング信号によって遅延量
が制御される第1シフトレジスタ(51)と、2値化回路
(4)の出力端及び第1シフトレジスタ(51)の出力端
を切換えて、何れか一方を第1シフトレジスタ(51)の
入力端へ接続するデータセレクタ(53)とから構成され
る。尚、第1シフトレジスタ(51)は、少なくとも256
段のDフリップフロップを直列接続して構成される。
従って、データセレクタ(53)を“a"側に切り換える
ことによって、2値化回路(4)からのデータを第1シ
フトレジスタ(51)内に格納することが可能である。
又、データセレクタ(53)を“b"側に切り換えることに
よって、第1シフトレジスタ(51)内のデータを循環さ
せると共に、該データを相関器(5)へ供給することが
可能である。
相関器(5)は、2値化回路(4)の出力端が接続さ
れた第2シフトレジスタ(52)を具えると共に、夫々EX
−NOR回路(55a)〜(59a)及びカウンター(55b)〜
(59b)を直列に接続してなる一致積算回路を5系列具
え、各一致積算回路の出力端は夫々マイクロコンピュー
タ(7)へ接続されている。尚、第2シフトレジスタ
(52)は、5段のDフリップロップを直列にして構成さ
れる。
第1シフトレジスタ(51)は、最終段のフリップフロ
ップのQ端子が各EX−NOR回路(55a)〜(59a)の一方
の入力端子へ分岐して接続される。又、第2レジストレ
ジスタ(52)は、各フリップフロップのQ端子が各EX−
NOR回路(55a)〜(59a)の他方の入力端子へ夫々接続
される。
マイクロコンピュータ(7)は外部記憶装置として、
上位8ビットの2つのアドレスデータによってアドレス
指定されるROM(8)を具え、相互相関関数のピーク位
置とROM(8)に予め登録されている後述の補正データ
のテーブルから物体の移動量を算出する。
更にマイクロコンピュータ(7)は、相互相関関数の
分布が相関の低いことを表わしている場合は、データセ
レクタ(53)へ切換え制御信号を送って、a端子に切換
える。これによって2値化回路(4)から現データが第
1シフトレジスタ(51)へ供給され、相関器(5)へ供
給すべき基準データの更新を行なう。
前記バッファアンプ(14)、サンプルホールド回路
(2)、2値化回路(4)、遅延制御回路(54)及び第
2シフトレジスタ(52)には、タイミング信号発生器
(6)から夫々タイミング信号が夫々供給されている。
又、相関器(5)内の各カウンター(55b)〜(59b)に
は、タイミング信号発生器(6)からタイミング信号
(第3図)及びリセットパルス(第3図)が夫々供
給されている。
更に遅延制御回路(54)には、タイミング信号発生器
(6)から後術のタイミングパルスTp及びクロック信号
CLKが供給されている。
本実施例では、相関器(5)の5系列の一致積算回路
の内、中央位置の一致積算回路を構成するEX−NOR回路
(57a)及びカウンター(57b)からの相関値データにピ
ークが現われる様、第1シフトレジスタ(51)から相関
器(5)へ供給すべき基準データの遅延量を制御してい
る。
以下、第2図の回路の回路動作につき、第3図によっ
て更に詳述する。
ゲイン制御回路(3)から得られるイメージ信号S
は、タイミング信号発生器(6)から一次元イメージセ
ンサー(13)ヘ送られるスタート信号の周期T0毎に発生
し(第5図参照)、該周期T0内におけるイメージ信号の
発生期間Tは、一次元イメージセンサー(13)によるス
ペックルパターンの1走査時間に対応している。
前記イメージ信号は第2図の2値化回路(4)へ送ら
れ、前記発生期間Tに出現する信号の平均値(第5図の
Lレベル)をスレッショルドレベルとして、256ビット
のデータに2値化される。2値化されたデータD1〜D256
は更に相関器(5)の第2シフトレジスタ(52)へ供給
される。
尚、測長開始に際して、データセレクタ(53)は“a"
側に設定されており、前記2値化回路(4)からのデー
タD1〜D256は第1シフトレジスタ(51)内に格納され
る。その後、データセレクタ(53)は“b"側に切り換え
られ、第1シフトレジスタ(51)内のデータが基準デー
タR1〜R256(第3図)として相関器(5)へ送られ
る。このとき、第1シフトレジスタ(51)は遅延制御回
路(54)から送られくるタイミング信号(第3図)に
よって動作が制御される。
対象物体の移動に伴って次の測定時点に2値化回路
(4)から送られてくる現データD1〜D256は、相関器
(5)の第2シフトレジスタ(52)へ順次送られ、該第
2シフトレジスタ(52)の5つの出力端子からは、現デ
ータD1〜D256が、1ビットずつ位相がずれて夫々出力さ
れる(第3図)。このとき、第2シフトレジ
スタ(52)はタイミング信号発生器(6)から送られて
くるタイミング信号(第3図)によって動作が制御さ
れる。
相関器(5)の各カウンター(55b)〜(59b)は、タ
イミング信号発生器(6)から出力されるタイミング信
号及びリセットパルス(第3図)によって制御され
る。
基準データR1〜R256の現データD1〜D256に対する位相
のずれを規定する遅延量DLは、マイクロコンピュータ
(7)からの制御信号によって次の様に制御される。即
ち、遅延制御回路(54)は、タイミング信号発生器
(6)から一定周期(例えば91μ sec)で供給されるタ
イミングパルスTpの立上り時点から、タイミング信号発
生器(6)からのクロック信号CLKをカウントし、該カ
ウント値Nが、設定すべき遅延量DLに対応した値となっ
たタイミングで、相関器(5)への基準データR1〜R256
の供給が開始される様、第1シフトレジスタ(51)への
タイミング信号(第3図)の位相を制御するのであ
る。
これによって、物体移動方向とイメージセンサーのCC
Dの走査方向が同一の場合は、基準データR1〜R256が現
データD1〜D256に対して遅れる方向へ移相され、物体移
動方向が逆転した場合は、基準データR1〜R256が現デー
タD1〜D256に対して進む方向に移相されることになる。
尚、タイミング信号発生器(6)から遅延制御回路
(54)へ供給するタイミングパルスTp、タイミング信号
発生器(6)から第2シフトレジスタ(52)へ供給する
タイミング信号、及びタイミング信号発生器(6)から
各カウンター(55b)〜(59b)へ供給するタイミング信
号及びリセットパルスとの間には一定の位相関係が維持
されている。
この結果、相関器(5)は、現データと基準データと
の相互相関関数を算出し、これによって得られた5つの
相関値データ(C1、C2、…C5)をマイクロコンピュータ
(7)へ送出する。
マイクロコンピュータ(7)は先ず相関値データ
(C1、C2、…C5)からピーク位置を探索する。尚、この
中のC3が高い可能性でピーク値となる。マイクロコンピ
ュータ(7)は更にピーク位置の相関値データCpと、該
ピーク位置を中心として相互相関関数の横軸の正側及び
負側へ2値化データの1ピッチ分(13μm)だけずれた
位置の相関値データCp-1、Cp+1との差 Ca=(Cp−Cp-1) Cb=(Cp−Cp+1) を算出し、更にこれらの差データの合計値(Ca+Cb)を
算出する。そして、この合計値(Ca+Cb)が後述する所
定の基準値よりも低下したとき、データセレクタ(53)
を“a"側へ切り換えて、2値化回路(4)からの現デー
タを第1シフトレジスタ(51)内に移送し、基準データ
の更新を行なう。尚、基準データを更新すべき前記所定
の基準値は、2つのデータの相互相関がとり得る限界を
目安としており、次の様にして予め設定されている。即
ち、代表的な対象物体表面のスペックルパターンについ
て、ずれが零の場合の自己相互関数を算出し、そのピー
ク位置における前記合計値(Ca+Cb)の例えば25%の値
に前記基準値を設定している。基準値は測定の都合に応
じて加減出来ることは当然である。
前記基準データの更新が完了した後、データセレクタ
(53)は再び“b"側に切換えられる。これによって第1
シフトレジスタ(51)内のデータを基準データとして、
前記同様の相互相関関数の算出が続行され、これが繰り
返されるのである。
マイクロコンピュータ(7)は、1つのスペックルパ
タンーンに対応して相関器(5)から一定周期(例えば
0.1msec)で送られてくる一群の相関値データ(C1
C2、…C5)毎に、現時点における物体の移動量の算出
と、次の測定時点における移動量の予測のための手続
(第4図)を実行する。
本実施例では、移動量の予測手法として、過去の移動
量の算出結果に基づく線形予測を採用している。即ち第
8図に示す如く、測定開始以後に算出された各測定点間
の物体の移動量をx0、x1、x2、…x10とすると、各測定
点間の物体の移動速度vi及び加速度aiは夫々下式で算出
される。
vi=(xi+1−xi) ai=(vi+1−vi) =(xi+2−xi+1)−(xi+1−xi) 従って、例えば次の物体の移動量x11は下式によって予
測される。
x11=x10+(v9+v8+…+v2)/8 +(a8+a7+…+a1)/8 以後の移動量の予測値は上記同様に、直前の移動量
に、過去8回の速度及び加速度の平均値を加算すること
によって算出される。尚、各測定点間の測定時間間隔は
0.1msecと極めて短かいので、移動量の変化は僅かであ
り、上記の予測手法によって、十分に高い制度の予測値
が得られる。尚、第1回目の移動量の予測は不可能であ
るので、移動量が零と設定される。又、最初の一定期間
の移動x1〜x10の予測に際しては、予測の基礎となる過
去のデータの数が少なくなるが、上記の如く各測定点間
の移動量は微少であるから、問題となる様な予測誤差は
生じない。
又、本実施例では、イメージセンサー(13)のCCDの
配列ピッチよりも更に分解能を上げるために、特別な補
間処理を行なっている。第7図は、この補間処理の原理
を表わしたものである。
1つのスペックルパターンに対応して得られる一群の
相関値データ(C1、C2、…Cn)は離散値であって、第7
図に実線で示す様に一次元イメージセンサーの分解能、
即ちCCDの配列ピッチQ(例えば13μm)を横軸ピッチ
とするヒストグラムとして描くことが出来る。これらの
相関値データの中で最大値をとる実ピーク位置Ppのデー
タCpと、その前後の2つのデータCp-1及びCp+1に注目す
ると、2値化による極性相関をとらない場合の理論的な
相互相関関数の分布は鎖線で示す様に連続的に変化し、
前記3つのデータCp-1、Cp及びCp+1はこの連続的な分布
上にプロットされるものと考えられる。そして、連続分
布としての相互相関関数の理論ピーク位置Zは、前記実
ピーク位置Xから補正距離Yだけずれた位置にあると推
定することが出来る。
従って、前記相関関数の実ピーク位置Xと補正距離Y
から理論ピーク位置Zを決定することが出来、この理論
ピーク位置Zは実ピーク位置に比べて精度の高いものと
なる。又、ピーク前後の相関データCp-1及びCp+1が同一
値となったとき、実ピーク位置と理論ピーク位置とは一
致する。
補正距離Yを求める方法としては種々の予測手法或い
は補間手法が採用出来るが、ここではデータ処理の簡易
化を考慮して、前記3データCp-1、Cp及びCp+1のみを基
礎データとし、更に連続的な相互相関関数の分布を、理
論ピーク位置を頂点とする2等辺三角形の左右2辺の直
線によって近似し、補間手法によって補正量を求める。
この場合、前記補正距離YとCCDの配列ピッチQの比Y
/Qは次の式によって求めることが出来る。
第6図(a)乃至(d)ではピーク位置Ppに変化はな
いが、同図(e)ではピーク位置Pp′がCCD配列ピッチ
Qだけ移動しており、この場合は移動後のピーク位置P
p′を新たなピーク位置とする相関値データによって比Y
/Qを計算する。尚、第6図において、横軸は2値データ
の1ビットを単位とずらし量として示し、縦軸は一致頻
度、即ち相関値データを示す。
更に本実施例では、後述する一連の演算処理の総合的
な効率を考慮して、CCDの配列ピッチを更に分割して補
間する際の分割数M(例えば16)と前記比Y/Qとの積 Vc=M×Y/Q …(4) を演算処理上の補間値Vcとして使用する。
従って、測長開始時の実ピーク位置Ppを原点として、
その直後にピーク前後の相関値データCp-1、Cp+1が同一
となったときの実ピーク位置Ppを1、その次に相関値デ
ータCp-1、Cp+1が同一となったときの実ピーク位置Ppを
2、…とCCD配列ピッチの間隔で生ずる実ピーク位置Pp
の値を整数値にとり、移動方向が逆になったときは負の
値としてPpを表わしたとき、同一基準データの下での任
意時点の物体移動量Rは下式で表わされる。
R=(Pp×M+Vc)×Q/M …(5) 従って、複数回の基準データの切換えを経た場合の対
象物体の移動距離Aは、データ切換え時点における移動
距離の積算値Iと前記任意時点の移動量Rとの合計値と
して得られる。尚、測定開始時の積算値Iは零に初期設
定されている。
次に第2図に示すROM(8)の内容について説明す
る。
ROM(8)には、相関値データCpとCp-1の差(Cp−Cp
-1)を上位8ビットのアドレスデータAH、相関値データ
CpとCp+1の差(Cp−Cp+1)を下位8ビットのアドレスデ
ータALとして、これらの差データに基づき前記(1)式
乃至(4)式から得られる補間値Vcが、発生し得る全て
の差データについて予め計算され、登録されている。
従って、前記アドレスデータAH及びALによってROM
(8)から補間値Vcを瞬間的に呼び出すことが出来、こ
れによって演算処理時間が短縮される。
尚、マイクロコンピュータ(7)によるROM(8)か
らのデータ読出し制御は周知であるから、説明を省略す
る。
第4図はマイクロコンピュータの処理手続を表わして
おり、先ず相関器より1つのスペックルパターンに応じ
た5つの相関値データ(C1、C2、…C5)を取り込んで、
これらのデータからピーク位置Ppを探索する。尚、測長
開始後、最初の移動距離算出時には、物体移動量を零と
仮定して、前記5つの相関値データ(C1、C2、…C5)を
算出する。
次にピーク位置とその前後の相関値データから前記差
データCa、Cbを計算し、これらをアドレスデータとして
ROM(8)へ出力する。そして、該当アドレスの補間値V
cをROM(8)から読み込んで、ピーク位置Ppの値Xと補
間値Vcから、前記(5)式に基づいて移動量Rを算出
し、更にこのRの値を積算値Iに加算して、その結果を
移動距離Aとして表示器(9)へ出力するのである。
更にマイクロコンピュータは、前記差データの合計値
(Ca+Cb)を算出し、この合計値と前記切換え基準値と
の比較を行ない、基準値よりも合計値の方が大きい場合
は、最初のデータ取り込み処理へ戻る。合計値が基準値
を下回ったときは、前述の如くデータセレクタ(53)を
切換えて、基準データを現データに更新する。そして、
対象物体の測長開始からの物体移動量の積算値Iを、そ
の時点の移動距離Aに変更する。
その後、次の測定時点における物体移動量を前述の予
測手法によって予測し、その結果から当該次の測定時点
で得られるべき相関値データのピーク位置を予測する。
そして、マイクロコンピュータ(7)は、予測ピーク
位置を中心とする5つの相関値データ(C1、C2、…C5
を算出すべき指令信号を遅延制御回路(54)へ発した
後、最初のデータ取込み処理へ戻る。
この結果、表示器(9)には、物体移動に伴って測定
開始からの移動距離Aがリアルタイムで次々と表示され
ることになる。
上記スペックル測長計によれば、例えば補間分割数M
を16、CCDの分解能を13μmとすると、測長分解能は略
0.8μmとなって、極めて高い精度が得られる。
然も補間値が予め登録されているROMテーブルを利用
して移動量が計算されるから、演算処理が高速化され、
対象物体の移動速度が速い場合にも、前述の高い分解能
を発揮することが出来る。
又、相互相関関数算出における基準データの切換え
を、前記差データの合計値(Ca+Cb)を基準として行な
っているから、測定距離が増大しても高精度の測長が可
能であり、然も前記補間計算においては、その計算精度
と直接に関連する差データCa、Cbが大なる値に維持され
ているから、補間計算の精度も同時に保障されることと
なる。
更に又、相関器(5)の一致積算回路を5系列から構
成しているから、回路構成が簡易となって相互相関関数
の演算時間が著しく短縮されるばかりでなく、仮に実際
の相関ピーク位置が中央の一致積算回路から隣の一致積
算回路にずれたとしても、前述の補間計算に支障はな
く、測定精度が維持される。
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのもので
あって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範
囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部
構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技
術的範囲で種々の変形が可能であることは勿論である。
例えば移動量の予測には、前述の平均値による線形予
測の他、例えば過去の移動量の算出結果を2次関数に近
似する方法等、周知の種々な予測手法を採用出来る。
又、現データの基準データの近似度は、相互相関関数
に限らず、2つのデータが、いかなる位相差(時間軸方
向のずれ)で最も近似するかを表わすものであれば、種
々な関数を採用出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図はスペックル測長計の概略構成を示す斜視図、第
2図は測定回路のブロック図、第3図は第2図の回路の
動作を現わすタイミングチャート、第4図はマイクロコ
ンピュータの処理手続を示すフローチャート、第5図は
イメージ信号の波形図、第6図(a)乃至(e)は相関
値データの分布の変化を説明する一連のグラフ、第7図
は補間計算の原理を説明する図、第8図は移動量の予測
手法を説明する図、第9図は相関が低下した場合の相関
値データの分布を示すグラフである。 (1)……測定ヘッド、(11)……半導体レーザ (13)……一次元イメージセンサー S……イメージ信号 (C1、C2、…C5)……相関値データ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−235007(JP,A) 特公 昭59−52963(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01B 11/00 - 11/30 102

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】移動する対象物体の表面に向ってレーザビ
    ームを照射して、所定の観測面にスペックルパターンを
    現出し、対象物体の基準位置におけるスペックルパター
    ンに応じた基準データとその後の移動位置におけるスペ
    ックルパターンに応じた現データとの近似度を、両デー
    タの位相差をパラメータとして算出し、これによって得
    られる近似度データの分布に基づいて物体の移動距離を
    測定するスペックル測長方法において、前記近似度デー
    タの集合(C1、C2、…Cm)からピーク位置を探索し、該
    ピーク位置に基づいて物体の移動距離を算出すると共
    に、測定開始以後の移動量の変化に基づいて次の測定時
    点、或いはそれ以後の測定時点での移動量を予測し、当
    該測定時点での近似度の算出範囲を、前記予測結果に応
    じた近似度データ(C1、C2、…Cm)のピーク位置が含ま
    れる範囲に制限することを特徴とするスペックル測長方
    法。
  2. 【請求項2】基準データと現データの近似度は両データ
    の相互相関関数によって表わし、近似度データ(C1
    C2、…Cm)は相互相関関数を等わす相関値データである
    請求項1に記載のスペックル測長方法。
  3. 【請求項3】近似度の算出範囲は、予測ピーク位置にお
    ける近似度データC3を中心位置とする5つの近似度デー
    タ(C1、C2、…C5)が得られる範囲に設定される請求項
    1に記載のスペックル測長方法。
  4. 【請求項4】移動する対象物体の表面に向ってレーザビ
    ームを出射すべきレーザ発生装置と、 前記対象物体のレーザ照射面に対向した観測面に表われ
    るスペックルパターンを光電変換するイメージセンサー
    (13)と、 該イメージセンサー(13)から出力されるイメージ信号
    に基づいて、対象物体の基準位置におけるスペックルパ
    ターンに応じた基準データとその後の移動位置における
    スペックルパターンに応じた現データとの近似度を、両
    データの位相差をパラメータとして算出する近似度演算
    手段と、 前記基準データを近似度演算手段へ供給するシフトレジ
    スタ(51)と、 近似度演算手段による近似度算出に際して前記現データ
    に対する基準データの相対的な遅延時間或いは進め時間
    を制御するためのタイミング信号を前記シフトレジスタ
    (51)ヘ供給する制御回路(54)と、 前記近似度演算手段から出力される近似度データ(C1
    C2、…Cm)に基づいて物体の移動距離を算出する情報処
    理回路 とを具え、前記情報処理回路は、 前記近似度データ(C1、C2、…Cm)の集合からピーク位
    置を探索する第1手段と、 少なくとも前記ピーク位置に基づいて物体移動量を算出
    する第2手段と、 測定開始以後の移動量の算出結果に基づいて次の測定時
    点、或いはそれ以後の測定時点での移動量を予測する第
    3手段と、 当該測定時点での近似度の算出範囲を、前記移動量の予
    測結果に応じた近似度データ(C1、C2、…Cm)のピーク
    位置が含まれる範囲に制限するための指令信号を作成し
    て、制御回路(54)へ送出する第4手段 とを具えていることを特徴とするスペックル測長計。
  5. 【請求項5】近似度演算手段は、基準データと現データ
    の相互相関関数を算出する相関器(5)であって、近似
    度データ(C1、C2、…Cm)は相互相関関数を表わす相関
    値データである請求項4に記載のスペックル測長計。
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