JP2940751B2 - 多翼送風機 - Google Patents

多翼送風機

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JP2940751B2 JP34581892A JP34581892A JP2940751B2 JP 2940751 B2 JP2940751 B2 JP 2940751B2 JP 34581892 A JP34581892 A JP 34581892A JP 34581892 A JP34581892 A JP 34581892A JP 2940751 B2 JP2940751 B2 JP 2940751B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多翼送風機に関するも
ので、詳細には、車両に搭載される空調装置に使用して
好適な多翼送風機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、空調装置などに用いられる多
翼送風機は、例えば特開平2−146298号公報およ
び特開平2−151519号公報に示されるように、多
数のブレードをもつ多翼ファンがベルマウスをもつケー
スの中に収納される構成になっている。多翼ファンは、
底プレートと保持リングの間に多数のブレードを配設し
た構造になっている。これらの従来の技術には、多翼送
風機においてブレードの入口から流入する流れの逆流を
防止する技術が開示されている。
【0003】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、多翼ファン
から吹き出す空気の風速分布は、通常、空気取入口から
空気取入口と反対側にかけて不均一であるので、この風
速分布の不均一に伴って、多翼ファンを収納するケース
内における風圧(圧力)分布も不均一になる。したがっ
て、風速分布の不均一が大きくなると、ケース内に空気
の渦流および逆流による損失が発生してしまうので、フ
ァン効率が低下するとともに騒音が発生してしまう。
【0005】
【0006】
【0007】本発明は、上記点に鑑み、多翼ファンから
吹き出す空気の風速分布の均一化を図ることによりファ
ン効率の向上および騒音の低減を図ることを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、空気取入口を形成するベルマウスを有するケ
ースと、前記ケースに収納され、円周方向に配設された
多数のブレード、前記多数のブレードの空気吸込側端部
に形成された環状のシュラウドおよび前記多数のブレー
ドの反空気吸込側端部に形成された底プレートを有する
遠心多翼ファンとを備え、前記シュラウドは、前記空気
取入口から前記ブレード間にファン軸方向よりファン径
外方向へ方向転換しつつ流入する空気流れに沿った略円
弧状の断面形状に形成され、前記ケースの前記ベルマウ
ス近傍の内壁断面形状が前記シュラウドとの間の微小隙
間を介して前記シュラウドの断面形状に沿うよう形成さ
れ、前記ブレードは、前記空気取入口側から前記底プレ
ートを超えて前記空気取入口と反対側の部位まで延びて
おり、さらに、前記ケースのうち前記空気取入口とは反
対側の部位には、前記遠心多翼ファンの径外方側に向か
うほど前記空気取入口と反対側に向けて延びて傾斜する
傾斜部が形成されていることを特徴とする。
【0009】
【0010】
【0011】
【作用】第1に、ブレード(25)が空気取入口(3
6)側から底プレート(24)を超えて空気取入口(3
6)と反対側の部位まで延びているので、ブレード(2
5)から吹き出す空気は、ブレード(25)の空気取入
口(36)側端部から空気取入口(36)の反対側端の
部位までの範囲で分布する。このため、本発明では、ブ
レード(25)が空気取入口(36)側から底プレート
(24)を超えて延びていない遠心多翼ファンに比べ
て、遠心多翼ファン(20)から吹き出す空気の風速分
布のうち風速が最大となる点が空気取入口(36)の反
対側に移動するとともに、その最大風速が小さくなるの
で、遠心多翼ファン(20)から吹き出す空気の風速分
布が均一化する。したがって、本願発明では、風速分布
の不均一に伴うケース(22)内の渦流および逆流を防
止できるので、ファン効率の向上および騒音の低減を図
ることができる。 第2に、ケース(22)のうち空気取
入口(36)とは反対側の部位には、遠心多翼ファン
(20)の径外方側に向かうほど空気取入口(36)と
反対側に向けて延びて傾斜する傾斜部(54)が形成さ
れているので、遠心多翼ファン(20)のうち傾斜部
(54)近傍から吹き出した空気(以下、この空気をプ
レート側吹出流と呼ぶ。)は、コアンダ効果により傾斜
部(54)に沿って流通するとともに、プレート側吹出
流近傍の吹出空気を加速させる。したがって、プレート
側吹出流近傍の吹出空気の風速を上昇させることができ
るので、遠心多翼ファン(20)から吹き出す空気の風
速分布の均一化をさらに図ることができる。延いては、
ファン効率の向上および騒音の低減をさらに図ることが
できる。
【0012】
参考例本発明の実施例を説明する前に、本発明の実
施例の前提となる参考例について説明する。以下、参考
例を図面に基づいて説明する。車両用空調装置の空気を
取り込む送風機を例に第1参考例を説明する
【0013】通風系統は、図2に示すように、車室外の
空気を取り入れる外気取入口2、または車室内の空気を
取り入れる内気取入口3から取り入れられた空気を送風
機6の空気取入口36からケース1内に取り込み、遠心
多翼ファン20によりエバポレータ7に導く。外気取入
口2と内気取入口3は回動自在なダンパ5により開閉さ
れる。エバポレータ7の出口側にはエアミックスダンパ
8が設けられ、このエアミックスダンパ8によって仕切
られる第1流路18と第2流路19のうちの片側の第2
流路19にヒータコア17が取り付けられている。エア
ミックスダンパ8とヒータコア17の出口側に形成され
るエアミックスチャンバ9は、デフロスタ吹出口13、
胸元吹出口12ならびに足下吹出口10に連通してい
る。各吹出口10、12、13の入口側には該吹出口の
開度を調節するダンパ14、15、16が回動自在に取
り付けられている。
【0014】前記送風機6は、その具体的な構造が図1
に示される。送風機6は、遠心多翼ファン20とケース
22とからなる。ここで、ケース22は、樹脂成形され
た上ケース22aと下ケース22bとをクランプ、ビス
等により一体に組み付けたものであって、周知のスクロ
ール形状に形成されており、径外方向に延びる図2に示
す空気出口部37を有し、この空気出口部37はエバポ
レータ7の空気入口側に接続されている。
【0015】ケース22の下ケース22bには図2に示
すファン駆動用モータ33が指示固定されている。遠心
多翼ファン20は、底プレート24と、多数のブレード
25と、ブレード25の頂部に環状に形成され補強リン
グの役目を兼ねるシュラウド26とから構成される。底
プレート24は、図2に示すファン駆動用のモータ33
からの駆動力が伝達されるボス部28を有している。ま
た底プレート24の頂面24aは中央部から外周方向に
滑らかに湾曲するような曲面に形成されている。ブレー
ト25は、底プレート24の外周端24bの近傍から立
ち上がるように形成されるもので、底プレート24の外
周端24bの近傍に円周方向に沿って所定の円弧間隔を
おいて多数配置される。シュラウド26は、ブレード2
5の頂部と接合され、シュラウド内周端26aと底プレ
ート外周端24bとを結ぶ線が型割りラインに一致して
いる。このため、十分な長さのシュラウドをもつ遠心フ
ァン6は簡単な上下型割りにて成形することができる。
また、シュラウド内周端26aから上方に環状の突起
26bが形成されている。
【0016】前記遠心多翼ファン20を収納するケース
22は、前記シュラウド26の突起26bを包み込むよ
うに断面半円弧状に形成されるベルマウス31が形成さ
れ、このベルマウス内壁31aと突起26bの間には微
小な一定間隔δ例えば約3mm程度を有する。ベルマウ
ス31の付け根部近傍のケース内壁22cはシュラウド
26の頂面26cとほぼ一定の微小間隔δ例えば約3m
m程度をあけて形成されている。このようなほぼ一定の
微小間隔δは、シュラウド26の突起26bの外周壁か
ら径外方向に向けて滑らかに湾曲して形成される頂面2
6cの径外方向端26dまで形成されている。
【0017】前記第1参考例によると、空気取入口36
から取り入れた空気流れをファン軸方向よりファン径外
方向へ方向転換するようにシュラウド26をほぼ円弧状
の断面形状に形成し、ベルマウス内壁31aおよびケー
ス内壁22cとシュラウド26との隙間が微小間隔δに
よって狭くしかも内径側から外径側までの長い距離にわ
たり形成されるため、ブレード25の出口からこの隙間
を通って内径側に逆流しようとする風量が低減される。
従って、ファン効率の向上ならびに騒音の低減が図れ
る。
【0018】本発明者の実験データによると、前記第1
参考例の構成をとると、ファン効率が従来より約3%向
上し、騒音は従来よりも約1.5dBA低減することが
判明した。
【0019】次に、本発明の前記第1参考例と従来の比
較例とを図3(A)、(B)に基づいて説明する。 逆流防止効果 図3(A)に示す前記第1参考例は、ベルマウス31の
空気取入口36から矢印方向に空気の流れが形成され、
ファン軸方向からファン径外方向に空気流れ方向が次第
に方向転換され、ブレード25の外端から矢印方向に流
れが形成される。このとき、ベルマウス内壁31aおよ
びケース内壁22cとシュラウド26とは長い領域にわ
たって狭い隙間に保たれているので、この隙間を通って
流れる逆流はほとんど生じない。これに対し、図3
(B)に示す従来の比較例では、補強リング42の先端
42bとケース43aとの狭い隙間の領域が非常に短
く、この隙間を通って流れる逆流101を完全になくす
ことはできない。この逆流がファン効率の低減ならびに
騒音の増大の原因となる。
【0020】 ブレード間の渦流防止効果 ブレード25の出口の風速分布は、本発明者による火花
追跡法による可視化実験の結果より、図3(B)に示す
ように、ブレード25の下側に偏っており、ブレード2
5の上側はほとんど空気が流れていない。このことか
ら、通風抵抗が少し大きくなると、図3(B)の前記比
較例では渦流102や逆流103が生じる。これに対
し、図3(A)に示す前記第1参考例では、シュラウド
26があるためにブレード25間の上側で渦流や逆流が
生じず、ファン効率の向上ならびに騒音の低減が効果的
に図れる。
【0021】 スクロール上部の渦流防止効果 前記第1参考例および前記比較例の多翼送風機は、車両
用空調装置の通風系に適用した送風機であるが、このよ
うな送風機は静圧に比べて風量が相対的に大きい。その
ため、図3(B)に示す前記比較例では、ブレード25
の位置よりも上方のスクロール内部に余分な空間38が
あることで、渦流104が生じ、ファン効率の低下なら
びに騒音の増大が発生しやすい。これに対し、図3
(A)に示す前記第1参考例では、ブレード25の径外
方向側の上部の余分な空間が狭く形成されているので、
渦流や逆流が発生しにくく、ファン効率の向上ならびに
騒音の低減が効果的に図れる。
【0022】本第1参考例は、多翼送風機全般に適用し
た場合に前記効果が得られるものであるが、特に空調装
置の通風系のように比較的通風抵抗の大きな通風系に適
用すると前記効果が顕著である。
【0023】次に実験データを示す。実験条件は、ファ
ン径:150mm、ファン幅:85mm、スクロール広
がり角:5.5°、ブロアモータ電圧:12V(一
定)、シュラウドとケースとの隙間/ファン外径:0.
02とした。その結果、流量係数Φと比騒音KS および
圧力係数ψとの関係は図4に示すとおりであった。比較
例に比べ前記第1参考例では、比騒音KS が相対的に低
くかつ圧力係数ψが相対的に大きいことが判る。
【0024】次に、シュラウドとケースとの隙間/ファ
ン外径との比を変化させることで最低比騒音KS および
ファン効率がどのように変化するかを実験した。ここに
最低比騒音KS とは、流量係数を変化させたときの比騒
音が最低になる値をいう。その結果を図5に示す。図5
に示す結果より、隙間/ファン外径の比が0.05以下
において最低比騒音KS の値が著しく低減されることが
判明した。
【0025】また、ベルマウス31の先端位置を変化さ
せたときの流量係数φと比騒音Ksおよび圧力係数ψと
の関係を図10に示す。図10内のベルマウス31の形
状に示すように、位置A0,A1はそれぞれベルマウス
31の先端とファンブレードとの隙間l/ファン外径D
との比が0.02および0.04となる位置であり、具
体的には、位置A0の時の隙間lが3mm、位置A1の時
の隙間lが6mmである。位置A2はシュラウド内周端2
6aの延長線261上に位置し、位置A3はシュラウド
26の突起部26b(B0)と同じ高さとする。このよ
うに、突起31に対してベルマウス31の先端位置を変
化させた実験の結果、位置A0の時が最も騒音が低いこ
とが分かった。この実験結果から、ベルマウス31の先
端をシュラウド26の円弧の略延長線上に設けることに
より空気の流れが円滑化し、騒音が低減すると推測され
る。
【0026】次に、シュラウド26の突起部26bの高
さの検討を行った。この結果を図11に示す。図11の
突起部26bの形状に示すように、高さB0,B1,B
2はそれぞれ突起部26bの高さ(=h)/ファン外径
Dとの比が0.06,0.03,0の時であり、具体的
には高さB0の時の高さhが9mm、高さB1の時の高さ
hが4.5mmである。この実験の結果、高さB0の時が
最も騒音が低いことが分かった。この実験結果から、突
起部26bとベルマウス内壁31aとの間隔を微少間隔
とすれば、逆流を防止することができるので騒音を低減
することができる。なお、図4および図5に実験結果を
示した上記実験は、ベルマウスA0とシュラウドB0の
組合せを用いたものである。
【0027】次に他の参考例に係る多翼送風機の例を図
6〜図9に示す。図6に示す第2参考例は、前記第1参
考例に示される突起26bが形成されない例である。シ
ュラウド26の頂面26cとケース内壁22cとの隙間
の間隔がほぼ一定になる空間が径方向に延長して形成さ
れている。
【0028】図7に示す第3参考例は、底プレート33
の外周端33aが径外方向に延長される例である。底プ
レート33の外周端33aがシュラウド26の外端まで
延びている。この場合、底プレート33とブレード25
は一体に成形されるが、シュラウド26はブレード25
に後付けにより形成される。
【0029】図8に示す第4参考例は、ベルマウス31
がその内径側で切れている例である。この第4参考例
は、ベルマウス内端31bが途中で切れていることから
空気取入口36を大きく形成できるので空気取込量を増
大することができるという効果がある。
【0030】図9に示す第5参考例は、シュラウドの形
状を直線形状に円錐状に形成した例である。シュラウド
35は円錐斜面状に延びる。このシュラウド35の形状
に対応して狭い隙間を介してケース内壁22cがほぼ平
行に直線状に斜め方向に延びる。
【0031】図12に示す第6参考例は、底プレート2
4が径外方向にいくに従い、シュラウド26側と反対側
方向に傾斜している例である。空気はファン20の軸方
向から流入し、径外方向へ流出するので、この空気の流
れ方向に底プレートを傾けると底プレート24の傾斜に
沿って空気が流れるため、空気流の乱れが減少する。従
って、この底プレート24を本発明のシュラウドおよび
ベルマウスと共に形成することで騒音低減効果をより大
きくすることが可能となる。
【0032】
【実施例】 次に、本発明の実施例について説明する。
お、上記参考例と同様な機能を有する部品については、
同じ符号を付した。図13に示す本発明の実施例は、ケ
ース22に設けられた空気取入口36と反対側の側壁5
2が、ファン20に対応する円環状の平面部521と、
吐出流路を形成する流路壁部50とからなる。この流路
壁部50は、傾斜平板部53と傾斜連結部(傾斜部)5
4とからなる。傾斜平板部53は、外周壁側において外
周壁に対して略直交して設けられ、吐出流路の出口側に
向かって吐出流路の流路面積を徐々に拡大させる渦巻き
状に形成すると共に、吐出流路の出口側に向かって吐出
流路を拡大する方向に傾斜して形成する。また、傾斜連
結部54は、ファン20の径外方側に向かうほど空気取
入口36と反対側(モータ33側)に向けて延びて傾斜
して設けられ、平面部521の外周部と傾斜平板部53
の内周端とを連結する。さらに、ブレード25は、空気
取入口36側から底プレート24を超えて空気取入口3
6と反対側(モータ33側)の部位まで延びている。
【0033】ここで、この傾斜連結部54の角度θ
s と、ファン20から流出する空気流の吹出角度θfと
の関係について説明する。図14には、ファン20から
流出する空気流がファンの軸方向に直交する水平面に対
して角度θfにて流出するファン20に用いるケース2
2において、傾斜連結部54の最適な角度θs を示す。
【0034】この最適傾斜角は、最低比騒音ksが最も
低くなる角度である。なお、ファン効率ηfは、最低比
騒音ksが低減すれば効率は向上する関係があるため、
このファン効率ηfにて最適傾斜角θs を決定しても良
い。
【0035】本実験では、ファン20の直径やブレード
25の高さを変化させることにより吹出角度θfが異な
るファン20を形成し、この吹出角度θfが異なるファ
ン20を用いて実験を行なったものであるが、互々のフ
ァン20に対する最適な傾斜角度θs は、図14に斜線
にて示すように、ファン20から流出する空気流の角度
θfに対して、θs =(θf−5)°〜θf°となる範
囲にある。
【0036】上記の如く、傾斜した側壁52の形状を、
本発明のシュラウドおよびベルマウスの形状と共に形成
することで騒音低減効果をより大きなものとすることが
できる。
【0037】また第6参考例の底プレート24の形状
、実施例のケース22の側壁52とを組合せると、よ
り一層騒音を低減することができる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、第1に、ブレードが空
気取入口側から底プレートを超えて空気取入口と反対側
の部位まで延びているので、ブレードから吹き出す空気
は、図15の(A)に示す風速分布曲線D1のように、
ブレードの空気取入口側端部から空気取入口の反対側端
の部位までの範囲で分布する。これに対して、図15の
(B)に示すように、ブレードが底プレートを超えて延
びておらず、空気取入口側から底プレートまでとする
と、ブレードから吹き出す空気は、当然ながらブレード
の空気取入口側端部から底プレートまでの範囲で分布す
る(風速分布曲線D2参照)。ところで、風速分布曲線
D1、D2によって囲まれる部分の面積S1,S2は、
遠心ファンから吹き出す風量を示すものであるので、こ
れら面積S1、S2は、遠心多翼ファンから空気に与え
られた運動エネルギと正の相関関係を有する量である。
このため、遠心多翼ファンから空気に与えられた運動エ
ネルギが等しい場合には両面積S1,S2が等しくなる
ので、風速分布曲線D1の頂点(風速が最大となる点)
が風速分布曲線D2の頂点に比べて、空気取入口の反対
側に移動するとともに、その最大風速が小さくなる。こ
れに加えて、風速分布曲線D1の風速分布範囲が風速分
布曲線D2に比べて大きくなることから、風速分布曲線
D1は、風速分布曲線D2に比べて均一化する。したが
って、本発明では、遠心多翼ファンから吹き出す空気の
風速分布の均一化を図ることができるので、風速分布の
不均一に伴うケース内の空気の渦流および逆流が発生す
ることを防止でき、ファン効率の向上および騒音の低減
を図ることができる。第2に、ケースのうち空気取入口
とは反対側の部位には、遠心多翼ファンの径外方側に向
かうほど空気取入口と反対側に向けて延びて傾斜する傾
斜部が形成されているので、遠心多翼ファンのうち傾斜
部近傍から吹き出したプレート側吹出流は、コアンダ効
果により傾斜部に沿って流通するとともに、プレート側
吹出流近傍の吹出空気を加速する。 したがって、プレー
ト側吹出流近傍の吹出空気の風速を上昇させることがで
きるので、遠心多翼ファンから吹き出す空気の風速分布
の均一化をさらに図ることができる。延いては、ファン
効率の向上および騒音の低減をさらに図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1参考例による多翼送風機の右側半分を示す
断面図である。
【図2】翼送風機を車両用空調装置に適用した第1
考例を示す概略構成図である。
【図3】(A)は第1参考例の多翼送風機の要部を示す
概略構成図である。(B)は比較例の多翼送風機の要部
を示す概略構成図である。
【図4】流量係数と比騒音ならびに圧力係数について第
参考例と比較例を対比した特性図である。
【図5】シュラウドとケースとの間の隙間とファン外径
との比がファン効率ならびに最低比騒音に与える影響を
示す特性図である。
【図6】第2参考例を示す要部断面図である。
【図7】第3参考例を示す要部断面図である。
【図8】第4参考例を示す要部断面図である。
【図9】第5参考例を示す要部断面図である。
【図10】ベルマウス形状による特性を示す図である。
【図11】突起部高さによる特性を示す図である。
【図12】第6参考例を示す図である。
【図13】本発明の実施例を示す図である。
【図14】最適傾斜角度θs とファンからの吹出角度θ
fとの関係を示す図である。
【図15】本願発明の効果の理解を容易にするための説
明図である。
【符号の説明】
6 多翼送風機 20 遠心多翼ファン(ファン) 22 ケース 22a 上ケース(ケース) 22b 下ケース(ケース) 22c ケース内壁 24 底プレート 25 ブレード 26 シュラウド 26b 突起(環状突起) 26c 頂面 31 ベルマウス 36 空気取入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 亀岡 輝彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 徳永 孝宏 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 浅野 秀夫 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 杉 光 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−33000(JP,A) 特開 昭56−81297(JP,A) 特開 昭50−49711(JP,A) 特開 昭60−261997(JP,A) 実開 平1−108398(JP,U) 特公 昭60−10200(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04D 29/28 F04D 29/44

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気取入口を形成するベルマウスを有す
    るケースと、 前記ケースに収納され、円周方向に配設された多数のブ
    レード、前記多数のブレードの空気吸込側端部に形成さ
    れた環状のシュラウドおよび前記多数のブレードの反空
    気吸込側端部に形成された底プレートを有する遠心多翼
    ファンとを備え、 前記シュラウドは、前記空気取入口から前記ブレード間
    にファン軸方向よりファン径外方向へ方向転換しつつ流
    入する空気流れに沿った略円弧状の断面形状に形成さ
    れ、前記ケースの前記ベルマウス近傍の内壁断面形状が前記
    シュラウドとの間の微小隙間を介して前記シュラウドの
    断面形状に沿うよう形成され、 前記ブレードは、前記空気取入口側から前記底プレート
    を超えて前記空気取入口と反対側の部位まで延びてお
    り、 さらに、前記ケースのうち前記空気取入口とは反対側の
    部位には、前記遠心多翼ファンの径外方側に向かうほど
    前記空気取入口と反対側に向けて延びて傾斜する傾斜部
    が形成されている ことを特徴とする多翼送風機。
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