JP2938593B2 - 研磨工具保持装置および該研磨工具保持装置を備えた研磨ヘッド - Google Patents

研磨工具保持装置および該研磨工具保持装置を備えた研磨ヘッド

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JP2938593B2 JP2904791A JP2904791A JP2938593B2 JP 2938593 B2 JP2938593 B2 JP 2938593B2 JP 2904791 A JP2904791 A JP 2904791A JP 2904791 A JP2904791 A JP 2904791A JP 2938593 B2 JP2938593 B2 JP 2938593B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミラーやレンズなどの
光学素子を研磨する研磨装置に使用される研磨工具保持
装置および該研磨工具保持装置を備えた研磨ヘッドに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の研磨工具を保持する研磨工具保持
装置の一例について図7を参照して説明する。
【0003】研磨工具82は、その図示下面がミラー、
レンズなどの被加工物87を研磨する研磨面82aとな
っており、その上部は研磨工具保持装置80の工具保持
部81に保持されている。工具保持部81の図示上面に
は凸球面81bが形成されている。
【0004】他方、支持部83の図示下端には、凸球面
81bに対応する凹球面83bが形成されており、凸球
面81bと凹球面83bとは適宜隙間をおいて離反して
いる。凸球面81bと凹球面83bとにより挟まれる空
間の周縁は、工具保持部81および支持部83にそれぞ
れ密着したゴムブーツ85により密閉されている。
【0005】凹球面83bには、不図示の流体供給源に
スリップリング84を介してそれぞれ連通する複数個の
流体路83aが開口しており、各流体路83aから前記
凸球面81bと凹球面83bとにより挟まれる空間内に
加圧された流体が前記流体供給源により供給されて該空
間を満たしている。
【0006】被加工物87が固定された円盤86は矢印
A方向に回転される。
【0007】研磨時には、支持部83が矢印B方向に回
転するとともに矢印C方向に往復移動(以下、「揺動」
という。)し、この回転運動および揺動運動はゴムブー
ツ85を介して工具保持部81に伝わり、工具保持部8
1に保持された研磨工具82が矢印B方向に回転すると
ともに矢印C方向に揺動する。また、前記支持部83に
は加圧力が図示下方に向けて与えられ、該加圧力は凸球
面81bと凹球面83bとにより挟まれる空間を満たし
ている流体を介して工具保持部81に加わり、研磨工具
82の研磨面82aが被加工物87に押圧される。この
ときに円盤86は矢印A方向に回転している。
【0008】したがって、前記研磨時には、矢印C方向
に働く揺動力と前記加圧力との合力(以下、「加工力」
という。)が工具保持部81に加わり、前記工具保持部
81に保持された研磨工具82の研磨面82aに摩擦力
が加わる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の研磨工具保
持装置において、研磨時に研磨工具と被加工物との摺擦
により生じる摩擦力の作用点は研磨工具の研磨面上に位
置し、工具保持部に加えられる加工力のうちの揺動力
(摩擦力と平行な方向の力)の作用点は、工具保持部の
うち凸球面側に寄った部位に位置するので、前記摩擦力
と前記揺動力とは、工具保持部に保持された研磨工具を
回転させようとする偶力の関係となる。その結果、研磨
工具の研磨面の圧力分布は不均一で偏ったものになって
しまうという問題点がある。
【0010】本発明は、上記従来の技術の有する問題点
に鑑みてなされたものであり、研磨時に、工具保持部に
保持された研磨工具の研磨面が被加工物の被加工面の様
々な形状に対して十分に追従することができ、かつ、前
記研磨工具を回転させようとする偶力の発生をなくすこ
とにより研磨工具の研磨面の圧力分布を均一にすること
ができる研磨工具保持装置および該研磨工具保持装置を
備えた研磨ヘッドを提供することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の研磨工具保持装置は、研磨工具を保持するた
めの工具保持部に設けられた凸球面と加工力が加えられ
るための支持部に設けられた凹球面とにより少なくとも
3個の互いに間をおいた球を挟み、前記工具保持部と前
記支持部とを可撓性部材により連結し、前記凸球面の中
心点および前記凹球面の中心点は、前記工具保持部に保
持された研磨工具の研磨面の中心点とそれぞれ一致する
ことを特徴とするものである。研磨工具、工具保持部お
よび支持部はそれぞれ磁性体からなり、前記研磨工具を
前記工具保持部に吸着させ、かつ、前記工具保持部を前
記支持部に吸引させるための磁石を前記工具保持部に設
けたことを特徴とするものや、工具保持部と支持部とを
連結する可撓性部材は、凸球面と凹球面とにより挟まれ
る空間を、少なくとも3個の互いに間をおいた球を前記
空間内に含んで、密閉することを特徴とするものもあ
る。
【0012】つぎに、本発明の研磨ヘッドは、前記本発
明の研磨工具保持装置のうちいずれか一つを備え、その
研磨工具保持装置に加工力を加えるものである。
【0013】
【作用】上記のように構成された本発明の研磨工具保持
装置において、工具保持部に設けられた凸球面と支持部
に設けられた凹球面とにより少なくとも3個の互いに間
をおいた球を挟んでいるので、前記各球が転がることに
より、工具保持部と支持部とを連結する可撓性部材のた
わみの範囲内で、工具保持部は支持部に対して自在に傾
斜する。
【0014】支持部が回転する場合には、可撓性部材が
たわみ、該可撓性部材を介して支持部の回転が工具保持
部に伝わる。
【0015】支持部に加えられた加工力は、該支持部の
凹球面から前記各球を介して工具保持部の凸球面に伝わ
り、該工具保持部に保持された研磨工具の研磨面に作用
する。前記凸球面の中心点および前記凹球面の中心点は
前記研磨工具の研磨面の中心点とそれぞれ一致するの
で、工具保持部が支持部に対してどのように傾斜してい
ても、前記加工力の作用点は常に前記研磨面の中心点に
一致する。その結果、研磨時に、研磨工具を回転させよ
うとする偶力は発生しない。
【0016】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0017】まず、本実施例の研磨工具保持装置が装着
される研磨装置30について説明する。
【0018】図2において、定盤31にはYテーブル3
2が平行な2本のガイドレール31a、31bに案内さ
れて矢印Y方向およびその逆方向に往復移動自在に装着
されている。2本のガイドレール31a、31bの間に
は各ガイドレール31a、31bと平行にボールネジ3
1cが回転自在に軸支されており、該ボールネジ31c
は、Yテーブル32に設けられた不図示のボールナット
に螺合し、ボールネジ31cの一端はモータ31dの出
力軸と接続されている。これにより、ボールネジ31c
がモータ31dの駆動により正転、逆転することによ
り、Yテーブル32は矢印Y方向およびその逆方向に往
復移動される。
【0019】前記Yテーブル32にはXテーブル33が
ガイド32aに案内されて矢印X方向(矢印Y方向に対
して垂直方向)およびその逆方向に往復移動自在に装着
されている。ガイド32aの内側には矢印X方向と平行
にボールネジ33cが回転自在に軸支されており、該ボ
ールネジ33cは、Xテーブル33に設けられた不図示
のボールナットに螺合し、ボールネジ33cの一端はモ
ータ33dの出力軸と接続されている。これにより、ボ
ールネジ33cがモータ33dの駆動により正転、逆転
することにより、Xテーブル33は矢印X方向およびそ
の逆方向に往復移動される。
【0020】前記Xテーブル33にはθテーブル34が
不図示の回転駆動手段を介して装着されており、該回転
駆動手段により矢印θ方向およびその逆方向に正転、逆
転される構成となっている。
【0021】前記θテーブル34に固定されたタブ35
内には研磨液が満たされており、被加工物36はその研
磨液中に浸けられた状態で前記タブ35に固定される。
【0022】前記被加工物36の上方には、定盤31に
設けられた3個のL字形の研磨フレーム37a、37
b、37cの各先端が位置しており、該各先端にチルテ
ィング装置40を装着するための取付板38が固定され
ている。
【0023】前記チルティング装置40について図3を
参照して説明する。
【0024】正三角形の三角取付板41の三つの角は前
記取付板38(図2参照)にそれぞれ固定されている。
三角取付板41には、各辺とそれぞれ平行に3個の軸4
5a、45b(他は不図示)が固着されており、各軸4
5a、45b(他は不図示)ごとにそれぞれブロック4
2a、42b、42cが各軸45a、45b(他は不図
示)まわりに回動自在に取り付けられている。ブロック
42aの2つの外側部にはロ字状の研磨アーム43aの
図示上下方向の対向する2つの内側部が公知のスライド
手段を介してそれぞれ取り付けられており、研磨アーム
43aは、その2つの内側部がブロック42aの2つの
外側部にそれぞれ案内されて、ブロック42aに対して
往復移動(図示上下方向)自在となっている。他の2個
の研磨アーム43b、43cも他のブロック42b、4
2cに対してそれぞれ同一の構成となっている。各研磨
アーム43a、43b、43cには、前記2つの内側部
とそれぞれ平行にボールネジ46a、46b、46cが
それぞれ回転自在に軸支されており、各ボールネジ46
a、46b、46cは、各ブロック42a、42b、4
2cをそれぞれ挿通し、各ブロック42a、42b、4
2cの内部に設けられたボールナット(不図示)にそれ
ぞれ螺合している。また、各ボールネジ46a、46
b、46cの図示上端は、各研磨アーム43a、43
b、43cの図示上辺に取り付けられたモータ44a、
44b、44cの出力軸にそれぞれ接続されている。各
研磨アーム43a、43b、43cの図示下辺はユニバ
ーサルジョイント47a、47b、47cを介して三角
形の研磨ヘッド取付板48の三つの角にそれぞれ取り付
けられている。
【0025】前記各研磨アーム43a、43b、43c
は、各ボールネジ46a、46b、46cが各モータ4
4a、44b、44cの駆動によりそれぞれ正転、逆転
されることにより、各ブロック42a、42b、42c
に対してそれぞれ往復移動(図示上下方向)する。例え
ば、各研磨アーム43a、43b、43cを同一の距離
だけ同方向にそれぞれ移動させることにより、研磨ヘッ
ド取付板48を同じ姿勢に保ったまま前記距離だけ移動
させることができ、また、各研磨アーム43a、43
b、43cをそれぞれ異なる距離だけ移動させることに
より研磨ヘッド取付板48をどの方向にも自在に傾斜さ
せることができる。これにより、チルティング装置40
は、研磨ヘッド取付板48に取り付けた研磨ヘッド50
(図2参照)を、タブ35に固定された被加工物36に
対して、どの方向にも自在に傾斜(チルティング)させ
ることができ、かつ、自在に上昇、下降させることがで
きる。
【0026】つぎに、本実施例の研磨工具保持装置10
を備えた前記研磨ヘッド50について図4を参照して説
明する。前記研磨ヘッド50は、定圧装置20および揺
動装置51からなっている。
【0027】前記揺動装置51の本体52は、その上部
が前記研磨ヘッド取付板48の孔に嵌入されて、研磨ヘ
ッド取付板48の下面側にねじなどの固着手段により取
り付けられる。本体52の上部に固定された駆動モータ
53の出力軸53aは、本体52に複数個の軸受を介し
て支持されたクランク54の一端部の穴に嵌入されて不
図示のねじによりクランク54に固定されている。クラ
ンク54の図示左側には、カウンターマス56が本体5
2に設けられた第1スライド軸55に矢印D方向および
その逆方向に摺動自在に取り付けられており、クランク
54とカウンターマス56とは第1コンロッド54aに
より連結されている。また、クランク54の図示右側に
は、定圧装置20のケーシング21がねじなどの固着手
段により取り付けられた揺動スライダ57が第2スライ
ド軸58に矢印D方向およびその逆方向に摺動自在に取
り付けられており、クランク54と揺動スライダ57と
は第2コンロッド54bにより連結されている。
【0028】前記駆動モータ53の駆動によりクランク
54が回転し、この回転運動が第1コンロッド54aを
介してカウンターマス56に伝わり、カウンターマス5
6が矢印D方向およびその逆方向に往復移動する。ま
た、前記回転運動が同時に第2コンロッド54bを介し
て揺動スライダ57に伝わり、揺動スライダ57が矢印
D方向およびその逆方向に往復移動する。前記各往復移
動のとき、カウンターマス56および揺動スライダ57
が互いに反対方向に移動するように構成されて、往復移
動による振動の発生を防止している。このようにして、
揺動装置51は、揺動スライダ57に取り付けられた定
圧装置20を矢印D方向およびその逆方向に往復移動さ
せることにより、研磨工具保持装置10に保持された研
磨工具1を矢印D方向およびその逆方向に揺動(往復移
動)させる構成となっている。
【0029】前記定圧装置20について図5を参照して
説明する。
【0030】定圧装置20のケーシング21は、円筒状
のものであり、内部に研磨時の加圧力を発生させるボイ
スコイルモータ(VCM)22が取り付けられている。
VCM22のヨーク22aはケーシング21の内周に嵌
入されて該ケーシング21に固定されており、VCM2
2のボビン22bには荷重軸23の図示上端部が固定さ
れている。荷重軸23は、ケーシング21に設けられた
公知のボールスプライン24を介して軸方向(矢印E方
向およびその逆方向)に往復移動自在に、かつ、軸まわ
りの回転が拘束されて、ケーシング21に取り付けられ
ている。荷重軸23の図示下端部には、研磨工具保持装
置10の支持部3に複数個のネジにより固定された2個
の平行な板バネ25a、25bが荷重軸23に対して垂
直にそれぞれ固定されている。前記荷重軸23の図示下
端面が各板バネ25a、25bの弾発力により矢印E方
向に荷重センサ26を常に押圧することにより、荷重セ
ンサ26は荷重軸23の図示下端面と支持部3の図示上
面とにより挟持されている。荷重センサ26には、該荷
重センサ26の温度を検出するための温度センサ26a
が取り付けられている。
【0031】前記VCM22により発生した加圧力は、
ボビン22bから荷重軸23に矢印E方向に加えられ、
荷重軸23から荷重センサ26を介して支持部3に加え
られる。このとき、前記荷重センサ26が、荷重軸23
から支持部3に加えられる加圧力の大きさを検出する構
成となっている。
【0032】他方、ケーシング21の内部の図示上端面
には、変位センサ27が取り付けられており、該変位セ
ンサ27がVCM22のボビン22bに固定された変位
センサ用リファレンス27aのケーシング21に対する
変位量を検出することにより、荷重軸23のケーシング
21に対する軸方向の変位量を検出する構成となってい
る。
【0033】ここで、前記加圧力の制御について図6を
参照して説明する。
【0034】VCM22は、コントロールボックス28
のAMP28cにより電流が与えられて、荷重軸23を
介して支持部3に加えるべき加圧力を発生する。荷重セ
ンサ26により検出された加圧力は、荷重信号として荷
重センサ26からバッファー28aを経てコントローラ
28bに入力される。また、温度センサ26aにより検
出された荷重センサ26の温度は、温度信号として温度
センサ26aからバッファー26bを経てコントローラ
28bに入力され、荷重センサ26の温度による誤差の
補償に使用される。前記コントローラ28bは、前記荷
重信号および温度信号に基づいて演算を行ない、研磨時
に現に支持部3に加えられている加圧力とあらかじめ設
定された加圧力との差を算出し、この差をなくすための
制御信号をAMP28cに入力し、AMP28cが前記
制御信号に基づいてVCM22に電流を与えてVCM2
2により発生される加圧力が制御される。このようにし
て、支持部3に加えられる加圧力がフィードバック制御
されて常に設定された加圧力に保たれる構成となってい
る。
【0035】また、前記変位センサ27(図5参照)
は、荷重軸23のケーシング21に対する軸方向の変位
量を検出して、その検出信号を前記チルティング装置4
0を制御するコントローラに入力し、チルティング装置
40が前記コントローラにより制御されて、荷重軸23
の変位量が常に一定の範囲内に保たれるようにチルティ
ング装置40が駆動される構成となっている。
【0036】つぎに、前記研磨工具保持装置10につい
て図1(a)を参照して説明する。
【0037】金属などの磁性体からなる研磨工具1は、
被加工物36の被加工面36a(図4参照)に対して十
分小さい外径(例えば、直径φ100mmの被加工面36
aに対して、外径φ20mm)の円柱状のものであり、被
加工物と対向する面にはアスファルトピッチ等の粘弾性
体層1bが形成された構成となっており、粘弾性体層1
bの図示下面が研磨面1aとなっている。
【0038】研磨工具1を保持するための工具保持部2
は、金属などの磁性体からなり、該工具保持部2に磁石
4を保持する金属製の磁石ホルダ4aが2個のネジ4
b、4cにより固着されている。研磨工具1は、その図
示上部が工具保持部2に形成された穴2aに嵌入して磁
石4の磁力により工具保持部2に吸着されることにより
保持される。また、前記磁力に抗して研磨工具1を引き
離すことにより、研磨工具1を工具保持部2から取り外
すことができる構成となっている。
【0039】前記工具保持部2には凸球面2bが形成さ
れており、凸球面2bの中心点は研磨工具1の研磨面1
aの中心点Rと一致する。金属などの磁性体からなる支
持部3には凹球面3bが形成されており、凹球面3bの
中心点は前記研磨面1aの中心点Rと一致する。工具保
持部2は、前記凸球面2bと前記凹球面3bとによりス
テンレスなどの非磁性体からなる3個の球5a、5b
(他は不図示)を挟んだ状態で、前記磁石4の磁力によ
り常に支持部3に吸引される構成となっている。
【0040】前記各球5a、5b(他は不図示)は、工
具保持部2と支持部3とがどのように相対移動しても、
それぞれ自在に転がることができ、磁石ホルダ4aに形
成されたリテナー部4dにより案内されて研磨工具1の
中心軸まわりに120°ずつ互いに間をおいた位置に常
にそれぞれ配置されるように構成されている。また、各
球5a、5b(他は不図示)の外径は前記凸球面2bの
半径と凹球面3bの半径との差に等しくなっている。
【0041】可撓性部材である環状のゴムシール6は、
シリコンゴム等の不活性な材料からなるものであり、工
具保持部2の周縁部2cと支持部3の周縁部3cとにそ
れぞれ接着剤により密着されている。これにより、ゴム
シール6は、工具保持部2と支持部3とを連結し、前記
凸球面2bと前記凹球面3bとにより挟まれる空間を外
部から密閉している。
【0042】つぎに、研磨装置30の研磨時の動作の一
例について説明する(図2参照)。
【0043】例えば、非球面形状の被加工面36aを有
する被加工物36を研磨する場合について説明すると、
Xテーブル33およびYテーブル32がそれぞれ移動さ
れて、被加工物36の被加工面36aがチルティング装
置40に装着された研磨ヘッド50の下方に移動する。
ついで、チルティング装置40が駆動されて研磨ヘッド
50が下降し、研磨工具保持装置10に保持された研磨
工具1の研磨面1aが研磨液中に浸けられた被加工物3
6の被加工面36aに接触する。被加工物36はθテー
ブル34が回転することにより矢印θ方向に回転し、同
時に、研磨工具1は揺動装置51(図4参照)により矢
印D方向およびその逆方向に揺動される。このとき、定
圧装置20により一定の加圧力が研磨工具保持装置10
に加えられて、研磨工具1の研磨面1aと被加工物36
の被加工面36aとが摺擦して研磨が行なわれる。ま
た、前記研磨時には、チルティング装置40が、あらか
じめ作成された加工プログラムに基づいて駆動され、定
圧装置20の荷重軸23が常に被加工面36aの法線方
向と一致するように保たれる。
【0044】本実施例の研磨工具保持装置10の作用に
ついて図1(a)および(b)を参照して説明する。
【0045】工具保持部2に形成された凸球面2bと支
持部3に形成された凹球面3bとにより互いに間をおい
た3個の球5a、5b(他は不図示)を挟んでいるの
で、ゴムシール6のたわみの範囲内で、工具保持部2は
支持部3に対して自在に傾斜することができる。
【0046】本実施例では、荷重軸23は軸まわりに強
制回転する構成とはなっていないが、荷重軸23を軸ま
わりに強制回転するように構成した場合には、荷重軸2
3の前記回転は、2個の板バネ25a、25bを介して
支持部3に伝わり、さらにゴムシール6がたわみながら
前記回転を工具保持部2に伝えて、研磨工具1が回転す
る。
【0047】荷重軸23により荷重センサ26を介して
支持部3に加えられた加圧力Pと揺動時に荷重軸23に
より各板バネ25a、25bを介して支持部3に加えら
れた揺動力Nとの合力(加工力)は、凹球面3bから各
球5a、5b(他は不図示)を介して凸球面2bに伝わ
り、工具保持部2に保持された研磨工具1の研磨面1a
に作用する。凸球面2bの中心点と凹球面3bの中心点
とは研磨面1aの中心点Rとそれぞれ一致するので、工
具保持部2が支持部3に対してどのように傾斜していて
も、前記加工力の作用点は研磨面1aの中心点Rに位置
する。研磨時に発生する摩擦力Fも研磨面1aに作用す
るので、研磨工具1を回転させようとする偶力は発生し
ない。その結果、研磨面1aの圧力分布ωは常に均一に
保たれる。
【0048】以上のことから、本実施例の研磨工具保持
装置10においては、被加工物36の被加工面36aが
非球面など様々な形状をしているものであっても、研磨
工具1が支持部3に対して自在に傾斜して研磨面1aが
前記形状に十分に追従することができる。また、研磨工
具1がどのように傾斜しているときであっても、前記偶
力が発生せず、常に、研磨面1aの圧力分布ωは均一に
なる。したがって、被加工物36の被加工面36aをむ
らなく均一に研磨することができる。
【0049】工具保持部2は、磁石4の磁力により常に
支持部3に吸引される構成としたので、常に各球5a、
5b(他は不図示)を挟んだ状態を維持することができ
取り扱い上非常に便利にすることができ、また、研磨工
具保持装置10を簡単な構造とすることができる。さら
に、研磨工具1は、工具保持部2の穴2aに嵌入されて
前記磁石4の磁力により工具保持部2に吸着されること
により保持される構成としたので、研磨工具1の着脱が
簡単に行なえる。
【0050】ゴムシール6が凸球面2bと凹球面3bと
により挟まれる空間を密閉する構成としたので、前記空
間内に研磨液が侵入することがなく、また、研磨液中で
研磨を行なわない場合でも、塵埃などが侵入することを
防止できる。これにより、前記各球5a、5b(他は不
図示)の良好な転がりが維持できる。
【0051】本実施例では、3個の球5a、5b(他は
不図示)を凸球面2bと凹球面3bとにより挟んだ例を
示したが、これに限らず、4個以上の球を互いに間をお
いて挟んだ構成としてもよい。
【0052】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおり構成され
ているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0053】工具保持部は支持部に対して可撓性部材の
たわみの範囲内で自在に傾斜するので、前記工具保持部
に保持された研磨工具の研磨面は被加工物の被加工面の
形状に十分に追従することができる。
【0054】支持部に加えられた加工力の作用点は、研
磨工具が支持部に対してどのように傾斜しても、常に前
記研磨工具の研磨面の中心点に位置して該研磨工具を回
転させようとする偶力が発生しないので、前記研磨工具
の研磨面の圧力分布を常に均一にすることができる。
【0055】その結果、被加工物の被加工面が非球面形
など様々な形状をしていても、その被加工面をむらのな
く均一に研磨することができる。
【0056】請求項2に記載の発明では、磁石の磁力に
より工具保持部が支持部に常に吸引されるので、加工力
が支持部に加えられないときであっても、常に工具保持
部の凸球面と支持部の凹球面とにより少なくとも3個の
互いに間をおいた球を挟んだ状態が保たれるので、取り
扱い上非常に便利なものとすることができる。また、研
磨工具保持装置の構造も簡単なものとすることができ
る。さらに、前記磁石により研磨工具を工具保持部に吸
着させているので、研磨工具の工具保持部に対する着脱
が簡単である。
【0057】請求項3に記載の発明では、凸球面と凹球
面とにより挟まれる空間が、該空間内に前記各球を含ん
で可撓性部材により密閉されるので、塵埃や研磨液が前
記空間内に侵入することを防止することができ、前記各
球の良好な転がりを維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図であって、(a)は
同実施例の要部断面図、(b)は同実施例の模式図であ
る。
【図2】同実施例の研磨装置の斜視図である。
【図3】同実施例のチルティング装置の斜視図である。
【図4】同実施例の研磨ヘッドの要部断面図である。
【図5】同実施例の定圧装置の要部断面図である。
【図6】同実施例の定圧装置の加圧力の制御ブロック図
である。
【図7】従来の研磨工具保持装置の一例の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 研磨工具 1a 研磨面 1b 粘弾性体層 2 工具保持部 2a 穴 2b 凸球面 2c、3c 周縁部 3 支持部 3b 凹球面 4 磁石 4a 磁石ホルダ 4b、4c ネジ 4d リテナー部 5a、5b 球 6 ゴムシール 10 研磨工具保持装置 20 定圧装置 22 VCM(ボイスコイルモータ) 23 荷重軸 25a、25b 板バネ 26 荷重センサ 26a 温度センサ 27 変位センサ 30 研磨装置 31 定盤 32 Yテーブル 33 Xテーブル 34 θテーブル 35 タブ 36 被加工物 36a 被加工面 37a、37b、37c 研磨フレーム 40 チルティング装置 41 三角取付板 42a、42b、42c ブロック 43a、43b、43c 研磨アーム 44a、44b、44c モータ 45a、45b、45c 軸 46a、46b、46c ボールネジ 47a、47b、47c ユニバーサルジョイント 48 研磨ヘッド取付板 50 研磨ヘッド 51 揺動装置 53 駆動モータ 54 クランク 54a 第1コンロッド 54b 第2コンロッド 55 第1スライド軸 56 カウンターマス 57 揺動スライダ 58 第2スライド軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 碩徳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−19556(JP,A) 特開 昭56−126573(JP,A) 実開 昭61−195937(JP,U) 実開 昭52−82991(JP,U) 特公 昭37−15084(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B24B 41/04 B24B 13/01 B24B 49/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研磨工具を保持するための工具保持部に
    設けられた凸球面と加工力が加えられるための支持部に
    設けられた凹球面とにより少なくとも3個の互いに間を
    おいた球を挟み、前記工具保持部と前記支持部とを可撓
    性部材により連結し、前記凸球面の中心点および前記凹
    球面の中心点は、前記工具保持部に保持された研磨工具
    の研磨面の中心点とそれぞれ一致することを特徴とする
    研磨工具保持装置。
  2. 【請求項2】 研磨工具、工具保持部および支持部はそ
    れぞれ磁性体からなり、前記研磨工具を前記工具保持部
    に吸着させ、かつ、前記工具保持部を前記支持部に吸引
    させるための磁石を前記工具保持部に設けたことを特徴
    とする請求項1に記載の研磨工具保持装置。
  3. 【請求項3】 工具保持部と支持部とを連結する可撓性
    部材は、凸球面と凹球面とにより挟まれる空間を、少な
    くとも3個の互いに間をおいた球を前記空間内に含ん
    で、密閉することを特徴とする請求項1または2に記載
    の研磨工具保持装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3項のいずれか1項に記
    載の研磨工具保持装置を備え、該研磨工具保持装置に加
    工力を加える研磨ヘッド。
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