JP2938510B2 - オフセット印刷用給水装置及びそれを装備したオフセット印刷機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【産業上の利用分野】

湿し水を使用するオフセット印刷機の給水装置及びそ
れを装備したオフセット印刷機に関し、水による筋状の
ムラを解消すると共に、一面の印刷物の中にあるインキ
消費量の差から生じる濃度ムラである水ゴーストも取る
ことができる技術である。

【従来技術】

従来技術を図を用いて詳細に説明する。 第５図乃至第７図は、従来技術の給水装置を説明する
模式部分断面図である。 第５図は、水舟６から水元ローラ１、調量ローラ２、
移しローラ３、水着ローラ４、版胴５と接触回転しなが
ら湿し水を版胴５に供給するオフセット印刷機の給水装
置を示している。この従来例では斜線部の移しローラ３
を軸方向に揺動（横振り）させている。全然揺動させな
いよりは、ある程度の改善はあるが水筋目や水ゴースト
等が生じることがある。 第６図は、水舟６から水元ローラ１、調量ローラ２、
水着けローラ４、版胴４と接触回転しながら湿し水を版
胴５に供給するが、水着けローラ４とインキ着けローラ
８の両方に接するインキ横転ローラ７が揺動するもので
ある。これは水筋目にには全く効果が無いばかりか、イ
ソプロピルアルコール（以下IPAという）無添加の場合
は湿し水も汚れる。 第７図は、水舟６より水元ローラ１、調量ローラ２、
水着ローラ４、版胴５と接触回転しながら湿し水を版胴
５に供給するものであるが。調量ローラ２が揺動するも
のである。これは第５図の例と比較しても利点が見られ
ない。 以上のように、水着ローラ以外のローラの揺動はある
が、水筋目や水ゴーストには効果の薄いものであった。

【本発明が解決しようとする課題】

本発明はオフセット印刷機において、長年の問題であ
った水筋目や水ゴーストの解消を課題とするものであ
る。 水筋目の解消を図り鋭意研究の結果、版胴に直接接触
する水着ローラを揺動することで水筋目や水ゴーストを
解消することを見出したものである。

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本発明は、水舟より水元
ローラ、調量ローラ、移しローラ、水着ローラ等からな
り、回転接触しながら湿し水を版胴に供給するオフセッ
ト印刷用給水装置において、版胴と直接接触する水着ロ
ーラをスラストベアリングを用いて支持し、かつ前記水
着ローラに接する他のローラに軸方向に揺動させる機構
を具備し、階ローラの揺動により前記水着ローラを軸方
向に揺動させるオフセット印刷用給水装置を提供し、さ
らに、前記それらのオフセット印刷用給水装置を具備し
たオフセット印刷機を提供するものである。

【作用】

本発明のオフセット印刷用給水装置及びそれを装備し
たオフセット印刷機を使用することにより、湿し水によ
る水筋目及び水ゴーストを解消することが可能となる。

【実施例】

以下図面を用いて詳細に説明する。 第１図は、本発明の一実施例を説明する部分断面図で
ある。水舟６より水元ローラ１、調量ローラ２、移しロ
ーラ３、水着ローラ４、版胴５と回転接触しながら湿し
ぃ水を版胴５に供給する装置において、水着けローラを
軸方向に揺動するようにした。ベアリングなどによる揺
動機構は、一般的に使用されているどんな機構でも構わ
ない。 第２図は、本発明の別の実施例を説明する部分断面図
である。水舟６より水元ローラ２、水着ローラ４、版胴
５と回転接触しながら湿し水を供給するが、版胴５に接
触する該水着ローラ４とインキ量ローラ８の両方に接触
するインキ横転ローラ７が機械駆動で軸方向に揺動す
る。この従来の機構を用いて、該水着ローラに揺動方向
と回転方向との動きを支持するスラストベアリングを使
用することで、版胴５に直接接触する該水着ローラ４を
軸方向に揺動可能とした。インキ横転ローラ７は数本発
明のローラからなるインキング装置にローラで接触して
いるが、図では省略した。 第３図は、水着ローラ４の部分拡大図である。固定の
鉄芯の軸12にスラストベアリング11を使用して揺動可能
に鉄芯10を設け、その外側にゴム層９を設けたものであ
る。軸方向への揺動の揺動力は、ゴム層９に接する他の
ローラより得る。 第４図は、水着ローラ４がその固定の軸12に沿って左
右に揺動する状態を説明する図である。 以上のオフセット印刷用給水装置をオフセット印刷機
に装着して印刷したろところ、水筋目や水ゴースト等の
ムラも発生せず良好な印刷状態が得られた。

【発明の効果】

本発明のオフセット印刷用給水装置を使用すると、
水筋目を解消できる。すなわち、印刷物に発生する水に
よる縦筋状の濃度ムラを防止できる。水ゴーストを会
相性できる。すなわち、一面の印刷物の中にあるインキ
消費量の差から生じる濃度ムラ（ゴーストと呼ぶ）を目
立たないように緩和できる。の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明の実施例を示すオフセット印
刷用給水装置の説明断面図、第３図は水着ローラの部分
拡大説明図、第４図は水着ローラの動きを示す説明図、
第５図乃至第７図は従来例を示すオフセット印刷用給水
装置の説明断面図である。 １……水元ローラ、２……調量ローラ、３……移しロー
ラ ４……水着ローラ、５……版胴、６……水舟 ７……インキ横転ローラ、８……インキ着ローラ ９……ゴム層、10……鉄芯 11……スラストベアリング、12……軸

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】水舟より水元ローラ、調量ローラ、移しロ
   ーラ等の中間ローラ及び水着ローラからなり、回転接触
   しながら湿し水を版胴に供給するオフセット印刷用給水
   装置において、版胴と直接接触する水着ローラをスラス
   トベアリングを用いて支持し、かつ前記水着けローラに
   接する他のローラに軸方向に揺動させる機構を具備し、 該ローラの揺動により前記水着ローラを軸方向に揺動さ
   せると共に前記水着ローラがこれに接する前記中間ロー
   ラと前記版胴と前記他のローラとにより、角度を略３等
   分される様に挟まれていることを特徴とするオフセット
   印刷用給水装置。
2. 【請求項２】前記請求項第１項記載のオフセット印刷用
   給水装置を装備したオフセット印刷機。