JP2938390B2 - 歯車のショットピーニング方法および歯車 - Google Patents

歯車のショットピーニング方法および歯車

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JP2938390B2 JP16191596A JP16191596A JP2938390B2 JP 2938390 B2 JP2938390 B2 JP 2938390B2 JP 16191596 A JP16191596 A JP 16191596A JP 16191596 A JP16191596 A JP 16191596A JP 2938390 B2 JP2938390 B2 JP 2938390B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯車を回転させて
その歯車の外表面に向けてショット粒のショットを行っ
てその外表面を硬化させる歯車のショットピーニング方
法およびそのショットピーニング処理が施されてなる歯
車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば自動車用エンジンの小型化
の要請に伴い使用される歯車の寸法も小さくする必要が
生じている。しかしながら、単に寸法を小さくするのみ
では回転トルクなどの負荷に耐えることができなくなる
ため歯車の強度を向上させる研究がいろいろとなされて
いる。この歯車の強度向上の一つの手段としてショット
ピーニングが知られている。このショットピーニング
は、歯車の外周面にインペラーもしくはノズルにより鋼
球等のショット粒を衝突させてその歯車を硬化させる処
理である。
【0003】図7に、ノズル式のショットピーニングの
一例が示されている。この図7において、歯車100の
外表面には鋼球のようなショット粒101が衝突される
ようにされている。ここで、前記歯車100は、歯先面
102と、歯底面103と、この歯底面103から前記
歯先面102に向かって曲設される例えばインボリュー
ト曲線で構成される歯形面104と、この歯形面104
と前記歯先面102との間に設けられる面取り面105
とを有する形状とされ、前記ショット粒101はノズル
106からショットされる。このノズル106からのシ
ョット粒101のショット方向107は、回転している
歯車100に対して歯底面103に略垂直な方向とされ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のショットピーニング方法では、歯車100の歯先
部、特に歯形面104と面取り面105との稜線の部分
においてショット粒101の衝突時の衝撃による塑性変
形が生じ、歯形面104側に小さな突起108が形成さ
れるという問題点がある。この小さな突起108が形成
されると、この歯車100と噛み合う他の歯車が傷付き
その歯車の寿命が短くなってしまう。また、このような
突起108が形成されると、歯車同士の噛み合い時に騒
音が発生するという問題点もある。
【0005】本発明は、前述のような問題点を解消する
ためになされたもので、歯車の歯先部に突起を形成させ
ることなくその歯車を硬化させることのできる歯車のシ
ョットピーニング方法、およびこのショットピーニング
方法により硬化された強度の高い歯車を提供することを
目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用・効果】前述の
目的を達成するために、本発明による歯車のショットピ
ーニング方法は、歯先面と、歯底面と、この歯底面から
前記歯先面に向かって曲設される歯形面と、この歯形面
と前記歯先面との間に設けられる面取り面とを有する歯
車を回転させ、この歯車の外表面に向けてショット粒の
ショットを行ってその外表面を硬化させる歯車のショッ
トピーニング方法であって、前記歯車の歯先部に選択的
にショット粒が衝突するようにそのショット粒のショッ
トを行う予備ショット工程と、この予備ショット工程の
後に前記歯車全体にショット粒が衝突するように前記歯
底面に略垂直にそのショット粒のショットを行う歯底ね
らいショット工程とを含むことを特徴とするものであ
る。
【0007】本発明による歯車のショットピーニング方
法によれば、この歯車の歯底面に対し略垂直方向にショ
ット粒を衝突させる歯底ねらいショットに先立って、歯
車の歯先部に予備ショットとしてショット粒を衝突させ
ることによりその歯車の歯先部が予め硬化せしめられ
る。したがって、前記歯底ねらいショットにおいて歯先
部にショット粒が衝突してもその歯先部に突起が形成さ
れることがなく硬化の程度がより高められる。こうし
て、この歯車と噛み合う他の歯車の寿命を短くしたり、
また歯車同士の噛み合い時に騒音が発生するなどの不具
合を解消することができる。
【0008】本発明においては、前記歯車の軸線に直交
する平面内において、前記予備ショット工程における前
記ショット粒のショットは、前記歯車の回転方向前部の
面取り線と歯形線との稜点をねらってなされ、かつその
稜点を角部とする内角の二等分線と、この稜点に対向す
る他の歯の最上点とを結ぶ直線とにより挟まれる領域内
にそのショットのためのノズル軸が位置せしめられるの
が好ましい。
【0009】予備ショット工程におけるショット粒のシ
ョット方向を前述のように設定することにより、突起が
特に形成されやすい面取り線と歯形線との稜点の近傍部
分が硬化されるとともに押しつぶされて角がとれるかま
たはより鈍角になるように変形されるので、歯面への突
起形成がより効果的に抑止される。この場合、ショット
粒のショット方向の軸が前記稜点を角部とする内角の二
等分線を越えて外側に出ると、面取り面と歯形面との稜
線においてショット粒の衝突力が歯形面側に偏って加わ
るようになるので、この歯形面側に突起が生じやすくな
る。また、このショット方向の軸が前記稜点に対向する
他の歯の最上点とを結ぶ直線を越えて外側に出ると、こ
の対向する他の歯が邪魔になって前記稜点をねらうショ
ットができなくなる。
【0010】また、本発明においては、前記歯車の軸線
に直交する平面内において、前記予備ショット工程にお
ける前記ショット粒のショットは、前記歯車の回転方向
後部の面取り線と歯形線との稜点をねらってなされ、か
つ前記歯先線の延長線と前記回転方向後部の面取り線の
延長線とにより挟まれる領域内にそのショットのための
ノズル軸が位置せしめられるようにすることもできる。
【0011】予備ショット工程におけるショット粒のシ
ョット方向をこのように設定するものにおいては、前記
ショット粒のショット方向の軸が前記歯車の回転方向後
部の面取り線の延長線を越えると、この回転方向後部の
面取り線とその面取り線に隣接する歯形線との稜点に横
方向からショット粒が衝突するのでその稜点部分より歯
形面側に突起が生じやすい。また、このショット方向の
軸が歯先線の延長線を越えるとその歯先線と前記歯車の
回転方向後部の面取り線との稜点をねらうショットがで
きなくなる。
【0012】次に、本発明による歯車は、先面と、歯
底面と、この歯底面から前記歯先面に向かって曲設され
る歯形面と、この歯形面と前記歯先面との間に設けられ
る面取り面とを有する外表面を備え、この外表面にショ
ット粒の衝突によるショットピーニング処理が施されて
なる歯車であって、このショットピーニング処理は、前
記歯車の歯先部に選択的にショット粒が衝突するように
そのショット粒のショットを行う予備ショットと、この
予備ショットの後に前記歯車全体にショット粒が衝突す
るように前記歯底面に略垂直にそのショット粒のショッ
トを行う歯底ねらいショットとを含む処理であることを
特徴とするものである。
【0013】本発明による歯車は、この歯車の歯底面に
対して直交方向でショット粒をその歯車に衝突させる歯
底ねらいショットに先立って、歯車の歯先部に予備ショ
ットとしてショット粒を衝突させることによりその歯車
の歯先部を予め硬化させることにより得られるものであ
るため、歯先部に突起が形成されていない。
【0014】本発明による歯車において、前記歯車の軸
線に直交する平面内において、前記予備ショットにおけ
る前記ショット粒のショットは、前記歯車の回転方向前
部の面取り線と歯形線との稜点をねらってなされ、かつ
その稜点を角部とする内角の二等分線と、この稜点に対
向する他の歯の最上点とを結ぶ直線とにより挟まれる領
域内にそのショットのためのノズル軸が位置せしめられ
るものであるのが好ましい。
【0015】また、前記歯車の軸線に直交する平面内に
おいて、前記予備ショット工程における前記ショット粒
のショットは、前記歯車の回転方向後部の面取り線と歯
形線との稜点をねらってなされ、かつ前記歯先線の延長
線と前記回転方向後部の面取り線の延長線とにより挟ま
れる領域内にそのショットのためのノズル軸が位置せし
められるものであるものであっても良い。
【0016】本発明においては、前記歯底ねらいショッ
トのアークハイト値を0.6mmA以上にし、かつ前記
歯形面と前記面取り面との稜線に生成される歯先突起量
を5μ以下にしてなる歯車とすることができる。
【0017】このような歯車によれば、歯形面と面取り
面との稜線に生成される歯先突起量が、歯面の面粗さな
どから検討した場合の許容される突起量である5μ以下
にされており、かつアークハイト値が0.6mmA以上
にされてハードショットピーニングと称される高い圧縮
残留応力が付与されて高強度化が図られている。したが
って、製品としての強度と精度とを両立させることので
きる歯車を得ることができる。
【0018】本発明の他の目的は、後述される詳細な説
明から明らかにされる。しかしながら、詳細な説明およ
び具体的実施例は最も好ましい実施態様について説明す
るが、本発明の精神および範囲内の種々の変更および変
形はその詳細な説明から当業者にとって明らかであるこ
とから、具体的例として述べるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明による歯車のショッ
トピーニング方法および歯車の具体的実施例につき図面
を参照しつつ説明する。
【0020】図1に、本発明の一実施例に係る歯車の予
備ショット工程を示す部分的側面図が示されている。
【0021】本実施例の歯車においては、外表面が、歯
先面1と、歯底面2と、この歯底面2から前記歯先面1
に向かって曲設されるとともに歯3Aの側面をなす左右
のインボリュート面4a,4bと、このインボリュート
面4a,4bと前記歯先面1との間に設けられる面取り
面5a,5bとを有する形状とされている。この図1に
おいて左側のインボリュート面4aと面取り面5aとが
なす稜線(以下、説明を分かりやすくするために、この
稜線を歯車の軸線に直交する平面内の点(稜点)6aと
して説明する。)をねらうようにショット粒(本実施例
では鋼球)のショットのためのエアーノズル7が配され
る、言い換えれば、エアーノズル7からの鋼球ショット
の軸線8が稜点6aを通るようにそのエアーノズル7が
配される。
【0022】また、このエアーノズル7の軸線8は、前
記稜点6aの角部の内角の二等分線9と、この稜点6a
に対向する歯3Bの最上点とを結ぶ直線10とにより挟
まれる領域内に位置せしめられる。ここで、歯車は図1
において反時計方向に回転しており前記稜点6a,面取
り面5a,インボリュート面4aはそのエアーノズル7
に対面して向かっていくように移動する。なお、図1に
示される状態は一瞬の状態を捕らえたものである。した
がって、エアーノズル7からショットされた鋼球は前記
稜点6aおよびその周囲の領域、言い換えれば歯3Aの
歯先部に衝突してその歯先部を硬化させる。特に前記稜
点6aにおいては、前述の従来例(図7)に示されるよ
うな突起108が形成されやすいインボリュート面4a
側が押しつぶされ、角がとれるかまたは鈍角になる。こ
の結果、後述する歯底ねらいショットにおいて前記稜点
6aのインボリュート面4a側に突起が形成されなくな
る。
【0023】ここで、エアーノズル7の軸線8が前記直
線10の外側(図中下側)に出ると歯3Bが邪魔になっ
て前記稜点6をねらうことができなくなり、またエアー
ノズル7の軸線8が前記二等分線9の外側(図中上側)
に出ると前記稜点6のインボリュート面4a側に突起が
形成され易くなってしまう。
【0024】なお、好ましくは、歯車は図1のように反
時計方向に回転して歯先部が硬化された後、表裏反転さ
れて同様の予備ショットが行われるのが良い。こうする
ことで、歯3Aは左右対象に硬化され、左右均一に強度
が向上する。
【0025】図2に、エアーノズル7のショット方向の
別の実施例が示されている。この図2に示される例にお
いて、エアーノズル7の軸線8は、このエアーノズル7
に向かってくる面取り面5aに対し歯車の回転方向後部
の面取り面5bと歯先面1との稜点11を通過するとと
もに、この歯先面1の延長線12と前記回転方向後部の
面取り面5bの延長線13とにより挟まれる領域内に位
置せしめられる。この図2の状態も一瞬を捕らえたもの
であり、実際には鋼球は歯3Aの歯先部全体に衝突す
る。
【0026】ここで、エアーノズル7の軸線8が前記延
長線12の外側(図中下側)に出ると前記稜点11をね
らうことができなくなり、またエアーノズル7の軸線8
が前記延長線13の外側(図中上側)に出ると右側の面
取り面5bとインボリュート面4bとがなす稜点6bの
そのインボリュート面4b側に突起が形成されるように
なる。
【0027】また、この態様においても、好ましくは、
歯車が図2のように反時計方向に回転して歯先部が硬化
された後、表裏反転されて同様の予備ショットが行われ
るのが良い。こうすることで、歯3Aは左右対象に硬化
され、左右均一に強度が向上する。
【0028】次に、前記図1,図2に示されるように予
備ショットを行うことにより歯車の歯先部を硬化させた
後、図3に示されるようにエアーノズル7’の軸線8’
が歯底面2に垂直になるようにそのエアーノズル7’を
配して、歯底ねらいショットを行う。この歯底ねらいシ
ョットの際も歯車は回転しているので、鋼球は、歯底面
2,インボリュート面4a,4b,面取り面5a,5
b,歯先面1の全てに衝突し歯車全体を硬化させる。こ
の歯底ねらいショットにおいて、歯先部は前記予備ショ
ットにより硬化されているのでその歯先部に突起が形成
されることはない。
【0029】図4に、歯車とエアーノズル7,7’との
位置関係が示されている。一例として、この歯車の直径
は105.88mmであり、またエアーノズル7は鋼球
20をショットする幅(ショット領域の左端部21から
右端部22までの距離)が20mmである。このエアー
ノズル7の位置は、前記ショット領域の左端部21が、
このエアーノズル7の軸線8と垂直な歯車の半径線分2
3と34°の角度をなす半径線分24の先端部と接する
位置になるようにされている。この結果、このエアーノ
ズル7の軸線と歯車の中心25との距離が59mmとな
る。このエアーノズル7の歯車に対する位置は前記図2
に示す予備ショットを行うための位置である。
【0030】図4において、歯底ねらいショットのため
のエアーノズル7’は前記エアーノズル7と同じ寸法を
有しそのエアーノズル7と平行に配されている。歯底ね
らいショットのためのエアーノズル7’の軸線8’は歯
車の中心25を通り、このエアーノズル7’の軸線8’
とエアーノズル7の軸線8との距離は59mmとされて
いる。
【0031】次に、この図4に示される装置を利用して
歯車にショットピーニングを施した場合の具体例を図
5,図6によって説明する。歯車としては、前述のよう
に直径105.88mmの平歯車(モジュール:3.
0、圧力角:20°、歯数:33、材質:SNCM22
0H,熱処理,浸炭浸窒,焼入れ焼き戻し)を用いる。
この歯車については、図6に示される上半分にはエアー
ノズル7とエアーノズル7’とを用いて予備ショットと
歯底ねらいショットとを行い、下半分についてはエアー
ノズル7’のみを用いて歯底ねらいショットを行う。な
お、各ショットは、種々のアークハイト値(ショットの
強さを示す指標)について行うとともに、同一アークハ
イト値に対して10回行う。表1に、上半分および下半
分のそれぞれのテストの手順が工程順に示されている。
【0032】
【表1】
【0033】このテストにおいて、予備ショットは2k
g/cm2 で、鋼球をショット粒として行われる。この
予備ショットは、歯先部全体を平均的に硬化させるのが
目的であり、条件的な制約は特にないが、実用上は歯形
面の面粗さを大きく荒らさせないように、歯底ねらいの
アークハイト値を上回らないアークハイト値で実施する
のが好ましい。図5(a),(b)に、このテストの結
果が予備ショットありの場合と、予備ショットなしの場
合とを比較する形で示されている。(a)は、アークハ
イト値と最大歯先突起量および圧縮残留応力の関係を示
すグラフであり、(b)はアークハイト値と平均歯先突
起量の関係を示すグラフである。
【0034】図5のグラフから明らかなように、予備シ
ョットがない場合には、アークハイト値が増加するほど
圧縮残留応力が増加するが、逆に歯先突起量も増加し、
強度が向上する反面、歯形形状が低下することがわか
る。また、予備ショットを施せば、アークハイト値を増
加させても最大歯先突起量および平均歯先突起量がいず
れも小さく抑えられることがわかる。
【0035】ところで、一般に、許容できる歯先突起量
は、面粗さなどから検討した場合に5μ程度であること
から、アークハイト値が0.6mmA未満では予備ショ
ットなしでも実用上問題がないが、ハードショットピー
ニングと称される、高い圧縮残留応力を付与して高強度
化を図った歯車では100kg/mm2 (図5ではマイ
ナス値で表されている。)以上の圧縮応力が必要とされ
ており、アークハイト値に換算すると、0.6mmA以
上の強度が必要である。すなわち、アークハイト値が
0.6mmA以上の高強度の歯車を製作する場合には、
歯先突起量が5μ以上となるために、本実施例の予備シ
ョットが不可欠になると言える。なお、アークハイト値
が1.0mmAを越えた場合にも予備ショットは有効で
あるが、実用上は圧縮残留応力が飽和する1.0mmA
以下のアークハイト値で操業するのが普通である。
【0036】本実施例においては、予備ショットのため
のエアーノズル7とは別に歯底ねらいショットのための
エアーノズル7’を用いるものとしたが、1台のショッ
トピーニング装置において、予備ショットのためのエア
ーノズル7の設置角度を変えて歯底ねらいショットに用
いてもよい。また、歯車の歯の予備ショットにおいて左
右両面を均一に硬化させるためにその歯車を表裏反転す
る代わりに、エアーノズル7として左側面をねらう予備
ショットのものと右側面をねらう予備ショットのものの
2基を設けるようにしても良い。また1基のエアーノズ
ルを左右側部から予備ショットできるように方向を変え
るようにしてもよい。
【0037】本実施例においては、ショット粒として鋼
球を用いるものを説明したが、この鋼球以外に、ガラス
ビーズ,アルミナ球もしくは超硬球などを用いることも
可能である。また、予備ショットのショット粒の大きさ
も特に制約はない。ただ、一般的には直径1.2mm以
下のものが用いられる。
【0038】本実施例においては、歯形曲線としてイン
ボリュート曲線のものを説明したが、この歯形曲線は、
他にサイクロイド曲線や直線等の種々のものがある。本
発明はそれら種々の歯形曲線のものに適用しても有効で
ある。
【0039】前述のように、本発明は、種々に変更可能
なことは明らかである。このような変更は本発明の精神
および範囲に反することなく、また当業者にとって明瞭
な全てのそのような変形、変更は請求の範囲に含まれる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施例における予備ショット工程を
示す部分的側面図である。
【図2】図2は、本実施例における別の予備ショット工
程を示す部分的側面図である。
【図3】図3は、本実施例における歯底ねらいショット
工程を示す部分的側面図である。
【図4】図4は、本実施例の歯車のショットピーニング
方法を実施するための概略構成図である。
【図5】図5(a)(b)は、本実施例によるショット
ピーニングのテスト結果を示すグラフである。
【図6】図6は、本実施例において硬化される歯車の斜
視図である。
【図7】図7は、従来技術の問題点を示す図である。
【符号の説明】
1 歯先面 2 歯底面 3A,3B 歯 4a,4b インボリュート面 5a,5b 面取り面 6a,6b,11 稜点 7,7’ エアーノズル 8,8’ 軸線 20 鋼球
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−301513(JP,A) 特開 平3−256672(JP,A) 特開 平1−97568(JP,A) 特開 平7−242994(JP,A) 特開 平4−21757(JP,A) 特開 平4−141521(JP,A) 特開 平6−254765(JP,A) 特開 平3−107418(JP,A) 特開 平5−33047(JP,A) 特開 平61−290272(JP,A) 特開 平63−123673(JP,A) 実開 平3−120366(JP,U) 特公 昭62−7245(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B24C 1/10 F16H 55/06 C21D 7/06

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯先面と、歯底面と、この歯底面から前
    記歯先面に向かって曲設される歯形面と、この歯形面と
    前記歯先面との間に設けられる面取り面とを有する歯車
    を回転させ、この歯車の外表面に向けてショット粒のシ
    ョットを行ってその外表面を硬化させる歯車のショット
    ピーニング方法であって、 前記歯車の歯先部に選択的にショット粒が衝突するよう
    にそのショット粒のショットを行う予備ショット工程
    と、この予備ショット工程の後に前記歯車全体にショッ
    ト粒が衝突するように前記歯底面に略垂直にそのショッ
    ト粒のショットを行う歯底ねらいショット工程とを含む
    ことを特徴とする歯車のショットピーニング方法。
  2. 【請求項2】 前記歯車の軸線に直交する平面内におい
    て、前記予備ショット工程における前記ショット粒のシ
    ョットは、前記歯車の回転方向前部の面取り線と歯形線
    との稜点をねらってなされ、かつその稜点を角部とする
    内角の二等分線と、この稜点に対向する他の歯の最上点
    とを結ぶ直線とにより挟まれる領域内にそのショットの
    ためのノズル軸が位置せしめられることを特徴とする請
    求項1に記載の歯車のショットピーニング方法。
  3. 【請求項3】 前記歯車の軸線に直交する平面内におい
    て、前記予備ショット工程における前記ショット粒のシ
    ョットは、前記歯車の回転方向後部の面取り線と歯形線
    との稜点をねらってなされ、かつ前記歯先線の延長線と
    前記回転方向後部の面取り線の延長線とにより挟まれる
    領域内にそのショットのためのノズル軸が位置せしめら
    れることを特徴とする請求項1に記載の歯車のショット
    ピーニング方法。
  4. 【請求項4】 歯先面と、歯底面と、この歯底面から前
    記歯先面に向かって曲設される歯形面と、この歯形面と
    前記歯先面との間に設けられる面取り面とを有する外表
    面を備え、この外表面にショット粒の衝突によるショッ
    トピーニング処理が施されてなる歯車であって、 このショットピーニング処理は、前記歯車の歯先部に選
    択的にショット粒が衝突するようにそのショット粒のシ
    ョットを行う予備ショットと、この予備ショットの後に
    前記歯車全体にショット粒が衝突するように前記歯底面
    に略垂直にそのショット粒のショットを行う歯底ねらい
    ショットとを含む処理であることを特徴とする歯車。
  5. 【請求項5】 前記歯車の軸線に直交する平面内におい
    て、前記予備ショットにおける前記ショット粒のショッ
    トは、前記歯車の回転方向前部の面取り線と歯形線との
    稜点をねらってなされ、かつその稜点を角部とする内角
    の二等分線と、この稜点に対向する他の歯の最上点とを
    結ぶ直線とにより挟まれる領域内にそのショットのため
    のノズル軸が位置せしめられるものであることを特徴と
    する請求項4に記載の歯車。
  6. 【請求項6】 前記歯車の軸線に直交する平面内におい
    て、前記予備ショット工程における前記ショット粒のシ
    ョットは、前記歯車の回転方向後部の面取り線と歯形線
    との稜点をねらってなされ、かつ前記歯先線の延長線と
    前記回転方向後部の面取り線の延長線とにより挟まれる
    領域内にそのショットのためのノズル軸が位置せしめら
    れるものであることを特徴とする請求項4に記載の歯
    車。
  7. 【請求項7】 前記歯底ねらいショットのアークハイト
    値を0.6mmA以上にし、かつ前記歯形面と前記面取
    り面との稜線に生成される歯先突起量を5μ以下にして
    なる請求項4〜6のいずれかに記載の歯車。
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