JP2936856B2 - 等方静水圧加圧用型および加圧成形体の製造方法 - Google Patents

等方静水圧加圧用型および加圧成形体の製造方法

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JP2936856B2 JP34677491A JP34677491A JP2936856B2 JP 2936856 B2 JP2936856 B2 JP 2936856B2 JP 34677491 A JP34677491 A JP 34677491A JP 34677491 A JP34677491 A JP 34677491A JP 2936856 B2 JP2936856 B2 JP 2936856B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、等方静水圧加圧用型
および加圧成形体の製造方法に関し、更に詳しくは、中
心部にガラスのような脆性のある中心部材を挿通すると
共にその両端を突出した状態の筒状態に粉体特にセラミ
ックス粉体を加圧成形してなる加圧成形体を製造するこ
とのできる等方静水圧加圧用型、および、そのような等
方静水圧加圧用型を利用することによる加圧成形体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来から
セラミックス粉体を等方静水圧加圧成形装置により加圧
成形して成形体が製造されている。従来の等方静水圧加
圧成形装置においては、等方静水圧加圧用型にセラミッ
クス粉を充填し、その等方静水圧加圧用型を適当な例え
ば合成樹脂製フィルムの袋内に脱気した状態で包装し、
その包装物を等方静水加圧装置における加圧容器内の加
圧媒体中に浸漬し、等方静水加圧することにより、セラ
ミクス粉体の加圧成形体を製造していた。この等方静水
圧加圧成形装置で製造されるセラミックスの加圧成形体
は、通常、セラミックス粉体だけを加圧することにより
得られていた。近年にいたり、セラミックス粉体の加圧
成形体として、例えばガラス棒のような脆性のある素材
をセラミックス粉体の加圧成形体中に組み込んだ成形品
が要求されるようになった。例えば、異質セラミックの
複合成形体として、細径のガラス棒の両端を突出させた
状態にすると共にそのガラス棒の外周にセラミックス粉
を円筒状に固めてなる成形体が要望されている。
【0003】このようにセラミックスの例えば円柱状加
圧成形体の軸心をガラス棒が挿通すると共にガラス棒の
両端が前記円柱状加圧成形体の両端から突出した形状の
加圧成形体を製造する方法として以下の方法を検討し
た。
【0004】すなわち、まず、両端を開口する筒状のゴ
ム型と、このゴム型の開口部に装着されると共に、ゴム
型の軸心に対応する中心部にガラス棒と実質的に同じ直
径を有する位置決め凹部を有する2個のゴム製蓋部材と
を用意する。次いで、前記筒状のゴム型を立てると共に
その下方開口部にゴム製の前記蓋部材を装着する。そし
て、筒状のゴム型の下方開口部に装着した蓋部材の位置
決め凹部にガラス棒を差し込み、筒状のゴム型内にガラ
ス棒を立てる。その状態で、筒状のゴム型内にセラミッ
クス粉を充填する。筒状のゴム型の上方開口部に、蓋部
材を装着する。この装着の際、蓋部材の位置決め凹部
に、ガラス棒の上端を差し込む。その結果として、筒状
のゴム型内において、その中心部にガラス棒が立設する
と共にガラス棒の両端が蓋部材の位置決め凹部に差し込
まれ、ガラス棒の周囲に粉体が充填された状態となる。
なお、この状態では、ガラス棒の上下端面が蓋部材の位
置決め凹部の底面にぴったりと接触しており、また、こ
のように接触するように蓋部材における位置決め凹部の
寸法が決定されている。
【0005】かくして、セラミックス粉を充填した筒状
のゴム型の中心部に配置されると共にその両端面が蓋部
材の位置決め凹部に嵌め込まれた状態となり、しかも筒
状体の中に粉体が充填された状態となっている成形用型
が得られる。
【0006】次いで、この成形用型をプラスチックフィ
ルム製の袋内に収容し、この袋内を排気してから、その
袋の開口部を熔封する。次いでこの袋で包装された成形
用型を等方静水圧加圧成形装置の加圧容器内に入れ、加
圧媒体による等方圧を前記成形用型に印加する。
【0007】ところが、このような成形用型を用いた等
方静水圧加圧成形方法では、等方静水圧をかけているに
も拘らず、常に加圧中にガラス棒が破損するという問題
があった。
【0008】ガラス棒が破損する原因について考察した
結果、筒状のゴム型内におけるガラス棒について見る
と、ガラス棒の両端面と蓋部材における位置決め凹部の
底面とが接触しているから、加圧成形時に蓋部材にかか
る圧力が位置決め凹部の底面を介してガラス棒の端面に
集中してしまい、ガラス棒にラジアル方向からかかる圧
力とガラス棒の両端面にかかる圧力とがバランスを崩す
ことになり、それがために加圧成形時にガラス棒が破損
するものと考えられた。 そこで、蓋部材をゴム型の開口
部に装着したときに、蓋部材における位置決め凹部の底
面が、ガム型内に立設するガラス棒の両端面に接触しな
いように、位置決め凹部の深さを大きくし、蓋部材の位
置決め凹部にガラス棒の端部が挿入されたときには、位
置決め凹部の底面とガラス棒の先端面とに一定のクリア
ランスが生じるように、蓋部材における位置決め凹部の
深さ寸法を調整した。 そして、そのような寸法調整され
た位置決め凹部を有する蓋部材を、筒状のゴム型の両開
口部に装着した。なお、このとき、ゴム型内にはその軸
心中心ガラス棒が立設状態で配置され、ガラス棒の先端
が蓋部材の位置決め凹部に嵌め込まれた状態になってい
る。そして前述したように、嵌め込まれたガラス棒の先
端面と位置決め凹部の底面とには一定の間隙が設けられ
ている。 前記の状態でガラス棒を配置しているゴム型
に、ゴム型外周に装着されると共に蓋部材を支持する支
持枠を、装着した。この支持枠の装着により、蓋部材に
かかる圧力をこの支持部材が受け、支持部材の存在しな
いときに発生するであろうところの、蓋部材にかかる圧
力のガラス棒の端面への圧力集中を排除することを企図
した。 ところが、このような配慮をしても、加圧成形時
におけるガラス棒の破損を防止することができず、ガラ
ス棒の破損が引き続き発生した。 この原因についてこの
発明者らは更に考察をした。その結果、蓋部材における
位置決め凹部の底面とその位置決め凹部に差し込まれた
ガラス棒の端面との間に間隙があることにより、加圧成
形時には蓋部材にかかる圧力がガラス棒の端面に過度に
加わることはなくなったけれども、ガラス棒のラジアル
方向からかかる圧力だけがガラス棒に加わることによ
り、ガラス棒の軸心方向にかかる圧力(実は 0であ
る。)とラジアル方向からかかる圧力とのバランスが崩
れることが、ガラス棒破損の最大の原因であると、結論
された。
【0009】この発明は前記事情に基づいてなされたも
のである。すなわち、この発明の目的は、セラミックス
粉体から柱状に成形された成形体に、ガラスのような脆
性を有する部材を、その両端が前記成形体の端面から突
出するように、挿通してなる加圧成形体を製造すること
のできる等方静水圧加圧用型を提供することにある。
【0010】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ための請求項1に記載の発明は、筒状部と、筒状部の両
端開口部を閉塞すると共に、前記筒状部の軸心を共有す
る中心部材挿通用穴をそれぞれ有する第1蓋部及び第2
蓋部とを備え、筒状部内に粉体を充填すると共に筒状部
の開口部を閉鎖した第1蓋部および第2蓋部それぞれの
中心部材挿通用穴から他の中心部材挿通用穴へと中心部
材を貫通させた状態で等方静水圧加圧成形を可能とした
ことを特徴とする等方静水圧加圧用型であり、請求項2
に記載の発明は、筒状部が第1筒状部と第2筒状部とに
分離可能であり、第1筒状部と第1蓋部とが一体に形成
され、第2筒状部と第2蓋部とが一体に形成されてなる
前記請求項1に記載の等方静水圧加圧用型であり、請求
項3に記載の発明は、筒状部とその一端開口部を閉鎖し
た第1蓋部とが一体に成形されてなる前記請求項1に記
載の等方静水圧加圧用型であり、請求項4に記載の発明
は、前記中心部材挿通用穴は、蓋部における内側開口部
とその外側開口部とが同一形状を有してなる前記請求項
1に記載の等方静水圧加圧用型であり、請求項5に記載
の発明は、前記中心部材挿通用穴は、蓋部における外側
開口部がその内側開口部よりも大きな開口面積を有して
なる前記請求項1に記載の等方静水圧加圧用型であり、
請求項6に記載の発明は、前記第1蓋部と第2蓋部と
は、前記筒状部の外側に配置された支持部材を介装して
なる前記請求項1に記載の等方静水圧加圧用型である。
請求項7に記載された発明は、筒状部と、筒状部の両端
開口部を閉塞すると共に前記筒状部の軸心を共有する中
心部材挿通用穴をそれぞれ有する第1蓋部および第2蓋
部とで形成された等方静水圧加圧用型に、前記第1蓋部
および第2蓋部の中心部材挿通用穴に中心部材を挿通す
ると共に前記等方静水圧加圧用型内に粉体を充填し、等
方静水圧加圧用型を加圧することを特徴とする加圧成形
体の製造方法である。
【0011】
【作用】この発明における等方静水圧加圧用型は、筒状
部により形成される筒状空間内に粉体例えばセラミック
スを充填すると共に、第1蓋部及び第2蓋部に設けた中
心部挿通用穴から他方の中心部挿通用穴へと脆性のある
棒例えばガラス棒を挿通し、その状態で、袋体により真
空包装される。真空包装された等方静水圧加圧用型は、
等方静水圧加圧装置により、等方加圧される。加圧成形
後に、筒状部、第1蓋部及び第2蓋部を取りはずすこと
により、脆性のある棒を折損することなく、粉体が柱状
に加圧成形されてなると共に、その中心を挿通すると共
に粉体の成形物の両端からガラス棒の突出してなる形状
の成形体が得られる。
【0012】
【実施例】この発明を、図面を参照しながら更に具体的
に説明する。図1はこの発明の第1の実施例を示す断面
図である。
【0013】図1に示すように、等方静水圧加圧用型1
は、筒状部2と第1蓋部3aと第2蓋部3bとを有す
る。筒状部2は、両端に開口部を有する円筒状体であ
る。この筒状部2は硬質のゴム部材で形成されている。
第1蓋部3aは、図1中の上面から見ると円形をしてお
り、その中心には円形の第1中心部材挿通用穴4aが開
設されている。第1蓋部3aの下面には、前記筒状部2
内に嵌合する第1嵌合装着部5aが突出して形成されて
いる。一方、第2蓋部3bは、前記第1蓋部3aと同じ
形状を有している。すなわち、第2蓋部3bにおいて、
4bで示すのは、第2中心部材挿通用穴であり、5bで
示すのは嵌合装着部である。
【0014】この筒状部2と第1蓋部3aと第2蓋部3
bとを用いて、次のようにして等方静水圧加圧成形を行
う。
【0015】すなわち、筒状部2を立てて、その下方の
開口部に、第2蓋部3bを嵌合装着する。次いで第2蓋
部3bの第2中心部材挿通穴4bにガラス棒6を、その
挿通方向におけるそのガラス棒6の先端が前記第2蓋部
3bの外面に一致するように、挿通する。ガラス棒6を
そのように挿通すると、ガラス棒6は前記筒状部2の内
部に立設状態になり、第2蓋部3bに挿通されたのとは
反対側の先端は、筒状部の他端開口部から突出した状態
になっている。次いで、立てた筒状部2内に例えばセラ
ミックス粉7を充填する。充填後、筒状部2から突出し
た先端を第1蓋部3aの第1中心部材挿通穴4aに通
し、その第1蓋部3aを下方に押し下げて筒状部2材の
他端開口部に、それを封止するようにして嵌合装着部5
aを筒状部2の開口部に嵌合し、筒状部2に第1蓋部3
aを装着する。装着すると、第1蓋部3aの第1中心部
挿通穴4aには、ガラス棒6の先端面が、第1蓋部3a
の外面と一致する。
【0016】ここにおいて。ガラス棒6の長さは、筒状
部2の両端開口部に装着された第1蓋3a及び第2蓋部
3bそれぞれにおける第1及び第2中心部材挿通用穴4
a,4bにガラス棒6を挿通したときに、このガラス棒
6の一方の先端面が、第1蓋部3aの外面に一致する
か、あるいは外面よりもわずかに凹んだ位置になり、又
このガラス棒6の先端面が、第2蓋部3bの外面に一致
するか、あるいは外面よりもわずかに凹んだ位置になる
ような値である。換言すると、第1蓋部3a及び第2蓋
部3bにおける中心部挿通用穴4a,4bの軸心長さ
が、筒状部2の両端開口部に装着された第1蓋3a及び
第2蓋部3bそれぞれにおける中心部材挿通用穴4a,
4bにガラス棒6を挿通したときに、このガラス棒6の
一方の先端面が、第1蓋部3aの外面に一致するか、あ
るいは外面よりもわずかに凹んだ位置になるように、設
計される。
【0017】以上のようにして、第1蓋部3a及び第2
蓋部3bを装着する筒状部2内に、例えばセラミックス
粉7を充填すると共にガラス棒6を前記第1蓋部3a及
び第2蓋部3bの中心部材挿通用穴4a,4bに挿入し
てなる成形用型(以下において、単に成形用型と略称す
る。)を、図2に示すように、プラスチックフィルムな
いしプラスチックシート製の袋8内に、脱気した状態
で、包装する。包装された成形用型を等方静水圧加圧成
形装置の加圧容器内に配置し、加圧媒体により等方加圧
して、加圧成形を行う。
【0018】加圧成形後、等方静水圧加圧用型を等方静
水圧加圧成形装置から取り出し、第1蓋部3a、第2蓋
部3b及び筒状部2を分離すると、図3に示すように、
セラミックス粉が柱状に加圧成形された柱状のセラミッ
クス成形体9の両端から、そのセラミックス成形体9の
内部を貫通したガラス棒6が突出してなる形状の成形体
10が得られる。
【0019】そして、セラミックス成形体9の両端から
突出したガラス棒6は、セラミックス成形体中において
も折損していない。
【0020】このように、この発明の等方静水圧加圧用
型を使用すると、何故にセラミックス成形体内でガラス
棒が折損しないかの理論的な理由付けは未だ明らかでは
ない。
【0021】この発明者らは、次ぎのような理由により
ガラス棒の折損を生じないものと、考えている。すなわ
ち、成形用型に等方静水圧をかけると、筒状部材内のセ
ラミックスはラジアル方向に締めつけられると共に軸心
方向にも締めつけられる。軸心方向の締めつけにより、
ガラス棒にはセラミックス粉によるズリ応力もかかる
が、ガラス棒の両端面にも圧力がかかっているので、前
記ズリ応力によるガラス棒の破損が生じないものとも推
定される。
【0022】ところで、この発明においては、等方静水
圧加圧用型は、上述した筒状部と第1蓋部と第2蓋部と
を有しているのであるが、この例に限らず種々の態様を
挙げることができる。
【0023】例えば、図4に示すように、有底の円形筒
状部11aと有蓋の円形筒状部11bとを有する。この
円形筒状部11aは、その底面に第1中心部材挿通用穴
12aを有すると共にその開口部は有蓋の円形筒状部1
1bの開口部に嵌合する内側嵌合部13aを有してい
る。又有蓋の円形筒状部11bは、その蓋となる平面の
中心に第2中心部材挿通用穴12bと粉体供給穴14と
を有し、円形筒状部11bの下方開口部には、前記内側
嵌合部13aに勘合する外側嵌合部13bを有する。前
記粉体供給穴14は、円形筒状部11bの外側から内側
へとすり鉢状のテーパー面を有し、蓋部材15が装着さ
れている。
【0024】この実施例においては、前記図1に示す実
施例と対比すると、図4における有蓋の筒状部が、図1
における筒状部を第1筒状部と第2筒状部とに分割した
その第1筒状部と第1蓋部とが一体に形成され、図4に
おける有底の筒状部が、図1における筒状部を第1筒状
部と第2筒状部とに分割したその第2筒状部と第2蓋部
とが一体に形成されてなる関係にある。
【0025】この実施例においては、円形筒状部11a
の第1中心部材挿通用穴12aにガラス棒を、その先端
面が有底の筒状部11aの外面にほぼ一致するように、
挿入する。次いで、内側嵌合部13aに外側嵌合部13
bを嵌合するようにして有底の筒状部11aと有蓋の筒
状部11bとを一体に装着する。次いで、粉体供給穴1
4からセラミックス粉を供給し、有底の筒状部11aと
有蓋の筒状部11bとで形成される内部空間内にセラミ
ックス粉を満たす。次いで、粉体供給穴14を蓋部材で
蓋をする。
【0026】この後の操作は、前記巣1に示す等方静水
圧加圧用型の場合に同じである。
【0027】この実施例においても、ガラス棒を破損す
ることなく、図3に示すように、セラミックス粉が柱状
に加圧成形された柱状のセラミックス成形体9の両端か
らガラス棒6の突出してなる形状の成形体10が得られ
る。
【0028】図5に示す等方静水圧加圧用型は、この発
明の他の実施例である。
【0029】図5に示す等方静水圧加圧用型は、円形の
有底の筒状部16とその開口部に装着される蓋部17と
を有する。この有底の筒状部16は、その底面中心に、
中心部材挿通用穴18を開穿している。蓋部17はその
中心に中心部材挿通用穴19を開穿すると共に下面部に
は前記有底の筒状部16の上方開口部に嵌合する嵌合装
着部20を突出形成している。
【0030】この等方静水圧加圧用型を用いて次のよう
にして加圧成形をする。すなわち、有底の筒状部16に
おける中心部挿通穴18にガラス棒6の先端部を挿入す
る。挿入に際しては、ガラス棒6の先端部が中心部材挿
入穴18から突出しないようにする。次いで、有底の筒
状部16の内部にセラミックス粉を満たす。そして、有
底の筒状部16の上方開口部から突出しているガラス棒
6の先端部を蓋部17における中心部材挿通穴19に挿
通すると共に前記嵌合装着部20を筒状部16の上方開
口部に嵌合する。これによって、筒状部16に蓋部17
を装着することによって形成される内部空間にセラミッ
クス粉を充填すると共に、中心部材挿通穴18,19に
ガラス棒6を挿通してなる成形型が得られる。
【0031】この成形型を用いて等方静水圧加圧成形す
る手順は、図1に記載の等方静水圧加圧用型の場合に同
じである。
【0032】この実施例においては、前記図1に示す実
施例と対比すると、図5における有蓋の筒状部が、図1
における筒状部と第2蓋部とが一体に形成され、図5に
おける蓋部が、図1における第1蓋部とに対応する関係
にある。
【0033】以上の実施例においては、蓋部に設けられ
た中心部材挿通用穴は、単なる貫通孔であるが、図7に
示すような形状であっても良い。すなわち、図7に示す
蓋部21においては、その上面にはすり鉢状に開穿され
た開口部22と、そのすり鉢状の開口部22の底から蓋
部21の下面に貫通する等径の貫通穴部23とからなる
中心部材挿通用穴24が設けられている。この中心部材
挿通用穴24には、蓋部材25が装着される。
【0034】このような形状を有する中心部材挿通用穴
24は、筒状部の両端開口部にこの蓋部を装着したとき
に、中心部材挿通用穴24に挿通されるガラス棒の先端
部が、蓋部の外面よりもはるかに下方の中心部材挿通用
穴24内に位置するようなときに有効である。すなわ
ち、ガラス棒の先端部がその中心部材挿通用穴内であっ
て中心部材挿通用穴の開口面からはるかに下方にあると
した場合であっても、等方加圧するときに、ガラス棒の
端面に静水圧が無理なくかかり、理由は定かではない
が、ガラス棒の破損を招くことなく、図3に示すよう
に、セラミックス粉が柱状に加圧成形された柱状のセラ
ミックス成形体9の両端からガラス棒6の突出してなる
形状の成形体10が得られる。
【0035】図7にこの発明の他の実施例を示す。図7
に示す等方静水圧加圧用型は、筒状部25と第1蓋部2
6aと第2蓋部26bとを有する。筒状部25は、両端
に開口部を有する円筒状体である。この筒状部25は硬
質のゴム部材で形成されている。第1蓋部26aは、図
7中の上面から見ると円形をしており、その中心には円
形の第1中心部材挿通用穴27aが開設されている。第
1蓋部26aの下面には、前記筒状部25内に嵌合する
第1嵌合装着部28aが突出して形成され、又、第1蓋
部26aの下面の縁には支持部材を支持するための鍔部
29aが設けられている。一方、第2蓋部26bは、前
記第1蓋部26aと同じ形状を有している。すなわち、
第2蓋部26bにおいて、27bで示すのは第2中心部
材挿通用穴であり、28bで示すのは第2嵌合装着部で
あり、29bで示すのは鍔部である。
【0036】筒状部25の外周には、その外周面とはわ
ずかな間隙を有するように、支持部材30a,30bが
装着される。この支持部材は、筒状部25の外周の直径
よりも大きな内径を有する内側弧面31を有し、しか
も、その内側弧面31の内周は、その内周の半径により
形成される半円弧よりも短く設計されている。したがっ
て、この一対の支持部材30a,30bを筒状部25の
外側に装着すると、図8に示すようにわずかの間隙32
が形成される。
【0037】この等方静水圧加圧用型は、これを用いて
次のように加圧成形操作が行われる。すなわち、筒状部
25を立てて、その下方の開口部に、第2蓋部26bを
嵌合装着する。筒状部25の外周に支持部材30a,3
0bを装着する。次いで第2蓋部26bの第2中心部材
挿通用穴27bにガラス棒6を、その挿通方向における
そのガラス棒6の先端が前記第2蓋部26bの外面に一
致するように、挿通する。ガラス棒6をそのように挿通
すると、ガラス棒6は前記筒状部25の内部に立設状態
になり、第2蓋部26bに挿通されたのとは反対側の先
端は、筒状部の他端開口部から突出した状態になってい
る。次いで、立てた筒状部25内に例えばセラミックス
粉7を充填する。充填後、筒状部25から突出した先端
を第1蓋部26aの第1中心部材挿通用穴27aに通
し、その第1蓋部26aを下方に押し下げて筒状部25
材の他端開口部に、それを封止するようにして嵌合装着
部28aを筒状部25の開口部に嵌合し、筒状部25に
第1蓋部26aを装着する。装着すると、第1蓋部26
aの第1中心部材挿通用穴27aには、ガラス棒6の先
端面が、第1蓋部26aの外面と一致する。
【0038】この等方静水圧加圧型を用いた成形加圧操
作は、図1における等方静水圧加圧型を用いた場合と同
じである。ただし、加圧時においては、支持部材30a
及び30bが第1蓋部26a及び第2蓋部26bが圧縮
されて互いに接近しようとするのを阻止し、これによっ
てガラス棒6の破損を確実に防止することができる。
【0039】又、等方静水圧加圧時には、筒状部25の
外周に装着された支持部材30aと支持部材30bとは
間隙32を有しているので、この間隙32を通じて加圧
媒体が筒状部25の外周に接触することができようにな
り、これによって、支持部材30a、30bの存在にも
かかわらずに、筒状部25に等方静水圧を印加すること
ができる。
【0040】なお、この支持部材は、図8に示すような
形状である必要はない、要するに、支持部材は、加圧成
形時の圧力によって、筒状部に装着されている第1蓋部
と第2蓋部とが接近しないようにこれを阻止すると共
に、筒状部の外周面に圧力媒体が圧力を印加することが
できるような形状になっている限り、特に制限がないの
である。
【0041】したがって、支持部材は、周面に多数の貫
通孔を有する筒状体であっても良いし、又、筒状部の両
端開口部に装着された第1蓋部と第2蓋部との間に柵状
に介装される棒状体であっても良いのである。
【0042】
【効果】この発明によると、ガラス棒のような脆性棒体
を破損することなく、セラミックス粉等の粉体が柱状に
加圧成形された柱状の粉体成形体の両端から脆性棒体の
突出してなる形状の成形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の実施例を示す断面説明図であ
る。
【図2】図2は図1に示す等方静水圧加圧用型に粉体を
充填すると共にガラス棒を装着し、更に全体を袋で真空
包装してなる状態を示す断面説明図である。
【図3】この発明の方法により成形することのできる一
例としての加圧成形体を示す断面説明図である。
【図4】図4はこの発明の他の実施例を示す断面説明図
である。
【図5】図5はこの発明の他の実施例を示す断面説明図
である。
【図6】図6はこの発明における蓋部の一例を示す断面
説明図である。
【図7】図7はこの発明の他の例を示す断面説明図であ
る。
【図8】図8はこの発明に使用される支持部材を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1 等方静水圧加圧用型 2 筒状部 3a 第1蓋部 3b 第2蓋部 4a 第1中心部材挿通用穴 4b 第2中心部材挿通用穴 5a,5b 嵌合装着部 6 ガラス棒 7 セラミックス粉 8 プラスチックシート製の袋 9 セラミックス成形体 10 成形体 11a 有底の円形筒状部 11b 有蓋の円形筒状部 12a 第1中心部材挿通用穴 12b 第2中心部材挿通用穴 13a 内側嵌合部 13b 外側嵌合部 14 粉体供給穴 15 蓋部材 16 有底の筒状部 17 蓋部 18 中心部材挿通用穴 19 中心部材挿通用穴 20 嵌合装着部 21 蓋部 22 鉢状の開口部 23 貫通穴部 24 中心部材挿通用穴 25 筒状部 26a 第1蓋部 26b 第2蓋部 27a 第1中心部材挿通用穴 27b 第2中心部材挿通用穴 28a 第1嵌合装着部 28b 第2嵌合装着部 29a,29b 鍔部 30a、30b 支持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B28B 3/00 102 B28B 7/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状部と、筒状部の両端開口部を閉塞す
    ると共に、前記筒状部の軸心を共有する中心部材挿通用
    穴をそれぞれ有する第1蓋部及び第2蓋部とを備え、筒
    状部内に粉体を充填すると共に筒状部の開口部を閉鎖し
    た第1蓋部および第2蓋部それぞれの中心部材挿通用穴
    から他の中心部材挿通用穴へと中心部材を貫通させた状
    態で等方静水圧加圧成形を可能としたことを特徴とする
    等方静水圧加圧用型。
  2. 【請求項2】 筒状部が第1筒状部と第2筒状部とに分
    離可能であり、第1筒状部と第1蓋部とが一体に形成さ
    れ、第2筒状部と第2蓋部とが一体に形成されてなる前
    記請求項1に記載の等方静水圧加圧用型。
  3. 【請求項3】 筒状部とその一端開口部を閉鎖した第1
    蓋部とが一体に成形されてなる前記請求項1に記載の等
    方静水圧加圧用型。
  4. 【請求項4】 前記中心部材挿通用穴は、蓋部における
    内側開口部とその外側開口部とが同一形状を有してなる
    前記請求項1に記載の等方静水圧加圧用型。
  5. 【請求項5】 前記中心部材挿通用穴は、蓋部における
    外側開口部がその内側開口部よりも大きな開口面積を有
    してなる前記請求項1に記載の等方静水圧加圧用型。
  6. 【請求項6】 前記第1蓋部と第2蓋部とは、前記筒状
    部の外側に配置された支持部材を介装してなる前記請求
    項1に記載の等方静水圧加圧用型。
  7. 【請求項7】 筒状部と、筒状部の両端開口部を閉塞す
    ると共に前記筒状部の軸心を共有する中心部材挿通用穴
    をそれぞれ有する第1蓋部および第2蓋部とで形成され
    た等方静水圧加圧用型に、前記第1蓋部および第2蓋部
    の中心部材挿通用穴に中心部材を挿通すると共に前記等
    方静水圧加圧用型内に粉体を充填し、等方静水圧加圧用
    型を加圧することを特徴とする加圧成形体の製造方法。
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