JP2936456B2 - 液密シール方法および血液浄化装置 - Google Patents

液密シール方法および血液浄化装置

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JP2936456B2
JP2936456B2 JP7051194A JP5119495A JP2936456B2 JP 2936456 B2 JP2936456 B2 JP 2936456B2 JP 7051194 A JP7051194 A JP 7051194A JP 5119495 A JP5119495 A JP 5119495A JP 2936456 B2 JP2936456 B2 JP 2936456B2
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和也 坂本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、液密シール方法およ
び血液浄化装置に関し、さらに詳しくは、血液浄化装置
のケーシング本体と蓋部材との間を、極めて容易に液密
にシールすることができる液密シール方法、および製造
が極めて容易で内部に残血が発生しない血液浄化装置に
関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、中
空糸束を備えたケーシング本体と、前記ケーシング本体
の端部に装着され、かつ血液導出入口を備えた蓋部材と
を有してなる血液浄化器において、前記ケーシング本体
と前記蓋部材との間のシールは、蓋部材をケーシング本
体の端部に装着する際に、前記ケーシング本体と前記蓋
部材との間にシールリングを介装させることにより行う
のが一般的であった。
【0003】しかしながら、シールリングとして多用さ
れているシリコーン製のシールリングは、その信頼性は
高いのであるが高価であることから、血液浄化器の製造
コストを下げることができない原因の一つとなってい
た。
【0004】このようなシールリングを使用しないシー
ル方法として、ケーシング本体と蓋部材とを超音波溶着
する方法が実用化されている。この方法は、ケーシング
本体用の筒体の端部と、前記ケーシング本体の端部に装
着される蓋部材とを超音波により融着する方法である。
【0005】しかしながら、この方法によると、ケーシ
ング本体の端面における中空糸束が開口する領域に対し
て、かなり外側でのシーリングとなるため、前記中空糸
束が開口する領域の外側の領域において残血が生じると
いう問題点があった。
【0006】また、このような残血を防止する方法とし
て、蓋部材のケーシング本体に向かう内側面に環状凸部
を設け、これを封止材の端面に接触させ、かつケーシン
グ本体用の筒体の端部と蓋部材とを超音波融着する方法
が提案された。
【0007】しかしながら、この方法によると、中空糸
束が開口する封止材の端面と蓋部材の前記環状凸部とを
隙間なく接触させることが必要であり、前記中空糸束が
開口する封止材の端面を形成する際の切断に極めて高い
精度が要求され、従来設備で対処することができないと
いう問題があった。また、場合によっては、前記封止材
の端面と蓋部材の前記環状凸部との間に隙間が生じ、こ
の隙間内において凝血が発生するという問題もあった。
【0008】この発明は、このような事情に基づいて完
成された。すなわち、この発明の目的は前記課題を解決
することにある。この発明の目的は、血液浄化装置のケ
ーシング本体と蓋部材との間を、極めて容易に液密にシ
ールすることができる液密シール方法を提供することに
ある。また、製造が極めて容易であり、内部に残血が発
生しない血液浄化装置を提供することにある。
【0009】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ための前記請求項1に記載の発明は、中空糸束の切断開
口端面を有するように中空糸束を封止剤でケーシング本
体用筒体の一端開口部に固定してなるケーシング本体の
その一端開口部に、血液導出入口を有し、内側面に設け
た環状の溝内に接着剤を充填してなる蓋部材を装着し、
ケーシング本体用筒体の端面および/または前記封止剤
により形成された封止部の端面であって中空糸束の外側
領域と蓋部材とを、接着剤で環状に封止することを特徴
とする液密シール方法であり、請求項2に記載の発明
は、中空糸束の切断開口端面を開口した状態で中空糸束
を封止剤でケーシング本体用筒体の一端開口部に固定し
てなる封止部を有するケーシング本体と、血液導出入口
を有し、かつ前記ケーシング本体の端部に装着され、か
つ内側面に設けた環状の溝内充填した接着剤で、前記
ケーシング本体用筒体の端面および/または前記封止部
の端面であって中空糸膜の不存在領域に、接着されてな
る蓋部材とを有することを特徴とする血液浄化装置であ
る。
【0010】以下、この発明を詳細に説明する。
【0011】(ケーシング本体)この発明の方法または
装置におけるケーシング本体は、中空糸束の切断開口端
面を有するように中空糸束を封止剤でケーシング本体用
筒体の一端開口部に固定してなる。
【0012】すなわち、この発明におけるケーシング本
体は、一端開口部を有するケーシング本体用筒体と、こ
のケーシング本体用筒体の内部に収容される中空糸束
と、この中空糸束を前記ケーシング本体用筒体の一端開
口部に切断開口端面を有するように封止剤で固定してな
る封止部とを有する。
【0013】前記ケーシング本体用筒体としては、内部
に中空糸束を収容することができ、かつ一端に、後述す
る蓋部材を装着することができる一端開口部を有する限
り特に制限はなく、従来の血液浄化装置において採用さ
れているところの、それ自体従来から公知のケーシング
本体用筒体を好適に採用することができる。もっとも、
通常の場合、好適なケーシング本体用筒体は、両端に開
口部を有する円筒体である。
【0014】このケーシング本体用筒体を構成する材質
としては、特に限定はないが、端部開口部に中空糸膜を
固定する封止剤との関係において、例えば、ポリカーボ
ネート、ポリスチレン、アクリロニトリルとスチレンと
の共重合体、ポリメチルメタクリレート、ABS樹脂お
よびAB樹脂等が好適である。もっとも、このケーシン
グ本体用筒体を構成する材質は前記例示に限定されるこ
とはなく、他の通常の高分子材料、金属材料を適宜に採
用することもできる。
【0015】前記中空糸束を構成する中空糸膜として
は、その材質および形状などの特性による限定はなく、
例えば材質としては、セルロース、セルロースジアセテ
ート、セルローストリアセテートなど、セルロースエー
テル類などのセルロース誘導体、ポリアミド系誘導体、
ポリエステル系誘導体、ポリメチルメタクリレートなど
のメタクリル系もしくはアクリル系重合体、ポリ塩化ビ
ニルなどのポリ塩化ビニル系重合体、ポリウレタン、な
らびにポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレ
フィン等を挙げることができる。なお、中空糸膜の外径
は通常、10〜600μm程度である。
【0016】前記封止剤としては、前記中空糸束を前記
ケーシング本体用筒体に固定できる限り特に制限はな
く、従来の血液浄化装置において中空糸束を固定するた
めに採用されているそれ自体従来公知の封止剤を好適に
採用することができる。具体的には、例えばポリウレタ
ン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の硬化性重合
体組成物を好適に採用することができる。これらの中で
も、後述する接着剤との関係から、特にポリウレタン樹
脂、エポキシ樹脂を好適に採用することができる。これ
らを封止剤として採用すると、後述する接着剤として、
硬化後の樹脂ヒケの少ないポリウレタン系接着剤、エポ
キシ系接着剤等を好適に使用することができ、シール性
および接着性に極めて優れる等の利点がある。
【0017】この封止剤により、前記中空糸膜は前記ケ
ーシング本体用筒体の一端開口部に中空糸束の切断開口
端面を有するように固定される。換言すると、ケーシン
グ本体用筒体の一端開口部において封止剤により形成さ
れた封止部の端面が露出し、その封止部の端面において
中空糸束における各中空糸の端部が開口した状態とな
り、中空糸束の切断開口端面と封止部の端面とが面一と
なった状態で、中空糸束がケーシング本体用筒体の一端
開口部に固定される。
【0018】中空糸束を切断開口端面を有するように固
定する方法としては、結果としてこのような状態に固定
できる限り特に制限はなく、例えば封止剤により前記ケ
ーシング本体用筒体の一端開口部に前記中空糸束を固定
した後に、所定の位置で前記封止剤を前記中空糸束と共
に切断することにより前記中空糸束の切断開口端面を露
出形成させる方法等を挙げることができる。
【0019】前記中空糸束を封止剤により固定すること
により、前記ケーシング本体の一端開口部にケーシング
本体用筒体の端面および/または前記封止剤により形成
された封止部の端面が形成される。その態様としては、
ケーシング本体用筒体の端面および封止部の端面が面一
であっても良いし、またケーシング本体用筒体の端面か
ら前記封止部の端面が若干突出していても良いし、前記
封止剤が前記ケーシング本体用筒体の端面を覆うことに
より前記封止剤の端面のみが表面に形成されている態様
であっても良い。
【0020】(蓋部材およびその装着) この発明における蓋部材は、前記ケーシング本体用筒体
の一端または両端の開口部に装着される。この発明にお
ける蓋部材は、血液導出入口と、前記ケーシング本体用
筒体の端面および/または前記封止剤により形成された
封止部の端面に向かう内側面とを有し、かつ前記ケーシ
ング本体用筒体の端部開口部に装着可能に形成され、前
記内側面には接着剤を充填する環状の溝が設けられてい
る。
【0021】前記血液導出入口は、前記封止剤で固定さ
れた中空糸束の切断開口端面が開口する空間に血液を導
入または前記空間から血液を導出する。前記蓋部材にお
けるこの血液導出入口を設ける位置は、血液を導入また
は導出することができる限り特に限定はないが、好まし
くは、前記蓋部材の内側面の中心部に設ける。
【0022】この蓋部材を前記ケーシング本体用筒体の
端部開口部に装着する方法としては、装着可能である限
り特に制限はなく、例えば、ケーシング本体用筒体の端
部開口部の外周面に雄螺子部を設け、これに内周面に雌
螺子部が形成された蓋部材を螺合させる方法であっても
良いし、螺子部を有しないケーシング本体用筒体の端部
開口部に、単に螺子部を有しない蓋部材を嵌合させる方
法であっても良い。特に好ましいのは、上記雄螺子部と
雌螺子部とを螺合させる方法である。この方法による
と、後述する接着剤によるシールを特に、簡単かつ確実
に行うことができる。
【0023】(封止あるいは接着) この発明の液密シール方法においては、前記ケーシング
本体用筒体の一端または両端の開口部に形成されるとこ
ろの、前記ケーシング本体用筒体の端面および/または
封止剤の端面と前記蓋部材の内側面に設けられた環状の
とを、前記中空糸束の切断開口端面の存在する領域の
外側の領域(以下、「外側領域」と称することがあ
る。)において接着剤で環状に接着することにより封止
する。
【0024】この発明の方法において、接着剤で環状に
封止する方法としては、接着後の接着剤が、前記存在領
域を囲むように、かつ前記ケーシング本体用筒体の端面
および/または前記封止部の端面に存在する限りにおい
て特に制限はない。
【0025】このような封止あるいは接着の方法とし
、例えば、蓋部材の内側面に設けた環状の溝内に接着
剤を充填しておき、これをケーシング本体用筒体に装着
する方法等を挙げることができる。
【0026】前記接着剤の塗布の態様としては、前記
部材の内側面に環状の溝例えば環状溝又は環状凹状部を
形成し、これに接着剤を充填するといった態様であって
も良い。
【0027】前記環状に形成された接着剤による封止
は、前記ケーシング本体用筒体に前記蓋部材を装着する
のと同時になされること、つまり前記ケーシング本体用
筒体に前記蓋部材を装着するのが完了するのとほぼ同時
に接着剤の硬化が完了して封止が完成するという態様が
望ましい。もっとも、前記装着および前記接着をそれぞ
れ独立した操作により行っても良い。また、前記装着お
よび前記接着の後に、他の超音波溶着等の処理を施して
も良い。
【0028】この発明における接着剤としては、前記蓋
部材とケーシング本体用筒体の端面および/または前記
封止部の端面とを接着することができる限り特に制限は
なく、例えばウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤等を
好適に使用することができる。これらの中でも、硬化後
の樹脂ヒケの少ないタイプが特に好ましい。
【0029】この発明における接着剤は、前記封止剤と
同一の組成物であっても、全く異なる種類の組成物であ
っても良い。好ましくは、前記封止剤と同一の組成物を
採用する。前記封止剤と同一種類の組成物である接着剤
を採用すると、前記封止部と接着剤とが良く馴染むこと
により、ケーシング本体用筒体の端面および/または前
記封止部の端面と前記蓋部材との間が極めて良好なシー
ルが達成される。さらに、血液が接する材料の種類を減
少させることができ、抗血栓性が向上するという利点が
ある。この場合、前記封止剤と組成が完全に一致する組
成物でなくても、それぞれの成分がある程度共通すれば
良い。
【0030】この発明における接着は、前記封止剤が完
全に硬化してから行っても良いし、前記封止剤が完全に
硬化する前に行っても良い。特に、封止剤が完全に硬化
する前に接着を行うと、前記封止剤と接着剤とが良く馴
染むことにより極めて良好な封止が達成されるので好ま
しい。
【0031】この発明の血液浄化装置は、この発明の方
法と同様に、前記ケーシング本体用筒体の端面および/
または前記封止剤により形成される封止部の端面と前記
蓋部材とを前記接着剤により接着することにより製造す
ることができる。
【0032】
【作用】この発明の液密シール方法によると、高価なシ
リコーンリング等のシールリングを使用せずに、かつ、
ケーシング本体に蓋部材を装着するという極めて簡単な
操作により、ケーシング本体用筒体の端部開口部と蓋部
材とを液密に封止することができる。
【0033】また、この発明の液密シール方法による
と、ケーシング本体用筒体の端面および/または前記封
止部の端面における中空糸束の存在領域の比較的近傍に
おいて封止がなされるので、ケーシング本体用筒体の端
面および/または前記封止部の端面における中空糸束の
非存在領域における残血の発生が防止される。
【0034】この発明の血液浄化装置においては、ケー
シング本体用筒体の端面および/または前記封止部の端
面における中空糸束の不存在領域と蓋部材とが、環状に
接着剤により封止されているので、シールリングを使用
しなくても良好な液密性が保持される。また、前記接着
剤により、ケーシング本体用筒体の端面および/または
前記封止部の端面と蓋部材の内側面が固定されているの
で、蓋部材が容易に脱離しない。
【0035】さらに、ケーシング本体用筒体の端面およ
び/または前記封止部の端面における中空糸束の存在領
域の比較的近傍においてシールがなされていることか
ら、ケーシング本体用筒体の端面および/または前記封
止剤の端面における残血の発生が防止される。
【0036】
【実施例】以下、この発明について実施例を参照しなが
ら詳細に説明する。
【0037】(実施例1)図1は、この発明の一実施例
である血液浄化装置におけるケーシング本体用筒体の一
端開口部付近の概略を示す断面図である。図1には、こ
の血液浄化装置の一方の端部が示されている。この血液
浄化装置1aは、ケーシング本体2と、蓋部材3と、接
着剤4とを有する。
【0038】前記ケーシング本体2は、前記ケーシング
本体用筒体5と、前記ケーシング本体用筒体5の内部に
収容された複数の中空糸膜6からなる中空糸束7と、前
記中空糸束7を前記ケーシング本体用筒体5の端部開口
部8において固定する封止部9とを有する。
【0039】前記ケーシング本体用筒体5は、両端に開
口部を有する円筒体であり、両端開口部8の外周面に蓋
部材3を装着するための雄螺子部を備えた蓋部材装着部
10を有する。図中、11で示されるのは、ケーシング
本体用筒体5の内周面と中空糸膜6の外周面とで形成さ
れる空間内に透析液等を導入または導出する透析液導出
入管である。
【0040】前記中空糸束7の両端部は、前記ケーシン
グ本体用筒体5の両端開口部8において、前記封止部9
により固定されている。
【0041】前記封止部9は、前記ケーシング本体用筒
体5の端面12の内側に、ケーシング本体用筒体5の端
面12と面一に形成された端面13を有し、この封止端
面13上に前記中空糸束7の切断開口端面14を有す
る。
【0042】この実施例においては、このような切断開
口端面14を有する封止端面13は次のようにして形成
した。すなわち、中空糸束7の両端が前記ケーシング本
体用筒体5の端面12よりも若干外方に突出するように
中空糸束7を収容し、前記ケーシング本体用筒体5の一
端開口部8において前記中空糸束7を封止剤を用いて固
定した後、前記ケーシング本体用筒体5の端面12と一
致する面において、前記封止剤により形成される封止部
9を前記中空糸束7と共に切断することにより形成し
た。
【0043】図2は、ケーシング本体用筒体5の一端開
口部を示す斜視図である。図2中において、二点鎖線L
で囲んで示したところの、前記封止端面13上の前記切
断開口端面14が存在する領域が中空糸束の存在領域で
あり、この領域の外側であって前記ケーシング本体用筒
体5の端部の外周の内側である領域が中空糸束7の外側
領域である。
【0044】2は、まだ、ケーシング本体用筒体5の
端部に蓋部材3が装着されていない状態を示している。
なお、前記蓋部材装着部10における蓋部材3を装着す
るための雄螺子部は、図2においては図示を省略してあ
る。
【0045】前記蓋部材3は、環状溝15と、血液導出
入口16と、前記ケーシング本体用筒体5の端部開口部
に装着するための装着部17と、前記ケーシング本体用
筒体5の端面および/または前記封止部の端面13に向
かう内側面18とを有する。
【0046】前記血液導出入口16は、前記内側面18
の中心部に形成されている。
【0047】前記装着部17は、この蓋部材3をケーシ
ング本体用筒体5の開口部に装着する機能を有し、前記
ケーシング本体用筒体5の蓋部材装着部10に形成され
た螺子部に螺合可能な雌螺子部を内周面に備えてなる。
この実施例における蓋部材3は、前記ケーシング本体用
筒体5の蓋部材装着部10に螺合することにより装着さ
れる。
【0048】前記蓋部材3における内側面18の外周近
傍19には、その中心軸線を囲繞するように、互いに同
心円状に配置された二つの環状突出部20が形成されて
いる。外側に位置する外側環状突出部20aは先端に平
面部21を有し、内側に位置する内側環状突出部20b
の先端は先鋭に形成されている。前記外側突出部20a
は、前記ケーシング本体用筒体5の端面12に前記先端
平面部21を接触させた状態で固定されており、一方、
前記内側突出部20bは、その先端を封止端面13にお
ける中空糸膜の不存在領域に接触あるいは近接させた状
態で固定されている。このように形成されていると、よ
り確実な封止ないし液密シールが達成されると共に、前
記蓋部材3と前記ケーシング本体用筒体5とが特に強固
に接着されるので、特に長期間蓋部材3の緩み等の不都
合を防止することができる。
【0049】この実施例における接着は、前記環状溝1
5中に接着剤4を充填した後、かつ、この接着剤4の硬
化前に、前記ケーシング本体用筒体5の蓋部材装着部1
0に前記蓋部材3を装着することによりなされる。すな
わち、前記蓋部材3を前記ケーシング本体用筒体5の開
口部に装着すると、前記蓋部材3の内側面18に形成さ
れた環状溝15中に充填された接着剤4と、前記封止端
面13とが接触する。そして、この状態において前記接
着剤4を硬化させることにより前記封止端面1と前記
蓋部材3の内側面18とが接着される。
【0050】この状態において、前記接着剤4は、前記
蓋部材と前記不存在領域とを、環状に形成された接着面
をもって接着してなる。
【0051】この実施例における蓋部材3の前記ケーシ
ング本体用筒体5への装着、および前記封止端面13の
中空糸束の外側領域と前記蓋部材との接着は、この発明
の液密シール方法の実施例でもある
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】この実施例における蓋部材3と前記ケーシ
ング本体用筒体5および/または封止部の端面13との
接着は、前記外側突出部20aと前記内側突出部20b
との間に形成される環状溝15に接着剤4を山盛り状態
に装填し、これが硬化しない内に、この蓋部材3を前記
ケーシング本体用筒体5に端部開口部に装着することに
よりなされている。この接着により、ケーシング本体用
筒体の端面12および/または前記封止部の端面13で
あって中空糸束の外側領域と蓋部材3とが、環状に形成
された接着剤4で封止される。
【0058】実施例) この発明における液密シール方法は、図に示されるよ
うな態様で行うことも可能であり、また、この発明にお
ける血液浄化装置は、図に示されるような装置であっ
ても良い。
【0059】この実施例におけるケーシング本体用筒体
5の端部開口部8においては、封止部9がケーシング本
体用筒体5の端面12を覆うことにより前記封止部9の
封止端面13のみが表面に露出している。
【0060】この実施例における蓋部材3は、環状溝2
2、血液導出入口(図示しない。)および前記ケーシン
グ本体用筒体5の開口部に装着するための装着部17
と、前記封止端面13に向かう内側面18とを有する。
【0061】前記内側面18における前記装着部17の
内周面近傍には、ケーシング本体用筒体5の内径よりも
大きく、前記ケーシング本体用筒体5の外径よりも小さ
い径を有する環状の突出部24が形成されている。
【0062】この実施例においては、この環状突出部2
4と前記装着部17の内周面上端部との間に形成される
空間内に接着剤4が環状に装填される。この接着剤4の
充填量は、特に制限はないが、蓋部材3を前記ケーシン
グ本体用筒体5に装着した際に、環状突出部24と前記
装着部17の内周面と前記封止端面12で囲まれる空間
内にほぼ、隙間なく接着剤が充填する程度の量であるこ
とが望ましい。
【0063】実施例においても、蓋部材3は、装着部1
7の内周面に雌螺子部23を有し、前記ケーシング本体
用筒体5の蓋部材装着部10に形成された雄螺子部に螺
合することにより前記ケーシング本体用筒体5に装着さ
れる。
【0064】この装着により、前記封止端面13におけ
る中空糸束の不存在領域と、前記蓋部材の内側面18と
の接着が達成される。また、同時に、これらの間に液密
なシールが形成される。
【0065】以上、この発明の実施例のいくつかを示し
た。この発明は前記実施例に限定されるものでない。以
上の実施例を総括すると、中空糸束の切断開口端面を開
口した状態で中空糸束を封止剤でケーシング本体用筒体
の一端開口部に固定してなる封止部の端面であって前記
中空糸束の外側の領域あるいはケーシング本体用筒体の
開口端面と、蓋部材の内側面とを、前記蓋部材の内側面
に設けた環状の溝内に充填した接着剤で、接着してなる
ことが、重要である。
【0066】
【発明の効果】この発明によると、血液浄化装置のケー
シング本体と蓋部材との間を、極めて簡単に液密に封止
することができる液密シール方法を提供することができ
る。
【0067】この発明によると、シールリングを使用し
なくても充分な液密性を保持することができ、かつ極め
て簡単な操作によりシールを達成することができる液密
シール方法を提供することができる。
【0068】また、この発明の液密シール方法による
と、以下のような利点もある。すなわち、従来の血液浄
化装置においては、ケーシング本体用筒体と蓋部材との
結合を長期間確実に維持するために、ケーシング本体用
筒体と蓋部材とを装着した後に、さらに、ケーシング本
体用筒体と蓋部材とを接着する操作が必要であったのに
対し、この発明の液密シール方法は、極めて容易に液密
に封止することができ、かつ、ケーシング本体用筒体の
端面および/または前記封止剤の端面と蓋部材の内側面
とを接着固定することができるので前記従来における別
工程としての接着操作が不要になるという利点である。
【0069】この発明によると、内部に残血が発生せ
ず、製造が極めて容易な血液浄化装置を提供することが
できる。
【0070】この発明によると、シールリングを使用し
なくても充分な液密性を保持することができ、かつ製造
が極めて容易であると共に、内部に残血が発生する等の
従来における問題点を解消した血液浄化装置を提供する
ことができる。
【0071】また、シールに使用する接着剤として、前
記封止剤に使用したのと同種類の組成物を使用すると、
血液が接する材料の種類を減少させることができ、抗血
栓性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施例である血液浄化装
置の概略を示す断面図である。
【図2】図2は、実施例1の血液浄化装置におけるケー
シング本体用筒体の端部開口部近傍を示す概略斜視図で
ある。
【図3】図3は、この発明の他の実施例である血液浄化
装置の概略を示す断面図である
【符号の説明】
1・・・血液浄化装置、2・・・ケーシング本体、3・
・・蓋部材、4・・・接着剤、5・・・ケーシング本体
用筒体、6・・・中空糸膜、7・・・中空糸束、8・・
・ケーシング本体用筒体の開口部、9・・・封止部、1
0・・・蓋部材装着部、11・・・透析液導出入管、1
2・・・ケーシング本体用筒体の端面、13・・・封止
端面、14・・・切断開口端面、15・・・環状、1
6・・・血液導出入口、17・・・装着部、18・・・
内側面、19・・・外周近傍、20a・・・外側突出
部、20b・・・内側環状突出部、21・・・平面部、
22・・・環状溝、23・・・雌螺子部、24・・・環
状突出部。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空糸束の切断開口端面を有するように
    中空糸束を封止剤でケーシング本体用筒体の一端開口部
    に固定してなるケーシング本体のその一端開口部に、血
    液導出入口を有し、内側面に設けた環状の溝内に接着剤
    を充填してなる蓋部材を装着し、ケーシング本体用筒体
    の端面および/または前記封止剤により形成された封止
    部の端面であって中空糸束の外側領域と蓋部材とを、接
    着剤で環状に封止することを特徴とする液密シール方
    法。
  2. 【請求項2】 中空糸束の切断開口端面を開口した状態
    で中空糸束を封止剤でケーシング本体用筒体の一端開口
    部に固定してなる封止部を有するケーシング本体と、血
    液導出入口を有し、かつ前記ケーシング本体の端部に装
    着され、かつ内側面に設けた環状の溝内充填した接着
    剤で、前記ケーシング本体用筒体の端面および/または
    前記封止部の端面であって中空糸膜の不存在領域に、接
    着されてなる蓋部材とを有することを特徴とする血液浄
    化装置。
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