JP2936098B1 - 紫外線センサ及びその製造方法 - Google Patents

紫外線センサ及びその製造方法

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JP2936098B1
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Abstract

【要約】 【課題】 薄型形成が可能で、製造時に余計なガスが発
生するおそれのない紫外線センサを実現する。 【解決手段】 対向面に透光窓部20を残してシリコン層
22が形成された紫外線透過ガラスよりなるアノード側基
板12と、対向面に紫外線の入射によって光電子38を放出
させる光電部28が形成されたシリコンよりなるカソード
側基板14とを対向配置し、両基板の対向面周縁12a,14
aを間に枠部材16を介装させて陽極接合し、以て気密封
止された外囲器18を形成する。外囲器18内には放電ガス
が充填され、外囲器18の外部に導出されたシリコン層22
には外部電極部24が接続されると共に、カソード側基板
14の外面には外部電極層26が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、紫外線を感知し
て外部に信号を出力する紫外線センサに係り、特に、形
状の薄型化が可能な紫外線センサ及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】図11に示すように、従来の紫外線セン
サ60は、アノード62と、光電面64を備えたカソード66と
を、所定の放電ガスと共に紫外線透過ガラス製の気密容
器68内に封入してなる。アノード62とカソード66との間
には所定の間隙が設けられており、また両者の下端部62
a,66aは気密容器68の下端封着部を貫通して外部に導
出され、紫外線センサ60の外部端子を構成している。こ
の外部端子間には、直流電源30によって常時一定の電圧
が印加されている。
【0003】しかして、上記カソード66の光電面64に外
部から紫外線UVが入射すると、光電子放出効果によっ
て光電面64から光電子38が放出される。この光電子38
は、アノード62−カソード66間の電界によってアノード
62側に引き寄せられると共に加速され、気密容器68内の
ガス分子と衝突してこれを電子と正イオンとに電離させ
る。この電離の結果生じた電子は、さらに他のガス分子
との衝突・電離を繰り返してアノード62に達する。ま
た、正イオンはカソード66に向かって加速され、光電面
64に衝突して多くの2次電子を発生させる。上記の繰り
返しにより、アノード62−カソード66間に急激に大きな
電流が流れ、放電状態となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この放電生成によって
回路32に電流が流れると、電流検出器(電流計34)が動
作して紫外線の存在が外部に表示されることとなり、紫
外線放射を伴う「炎」や「放電」の検知手段として利用
することが可能となる。
【0005】しかしながら、従来の紫外線センサ60の場
合、所定の放電ガス雰囲気中において円筒状のガラス管
内にアノード62とカソード66を配置させた上で、ガラス
管の両端開口を加熱し、これを溶融封止することによっ
て形成されるため、その外形がどうしても嵩張ることと
なり、薄型化には限界があった。また、ガラス管の両端
開口を溶融封止する際に余計なガスが発生して放電ガス
中に混入する結果、紫外線センサ60の放電特性が不安定
となるおそれがあった。
【0006】この発明は、上記問題に鑑みて案出された
ものであり、その目的とするところは、薄型形成が可能
で製造時に余計なガスが発生するおそれのない紫外線セ
ンサ及びその製造方法を実現することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明に係る紫外線センサは、少なくとも一面に
透光窓部を残してシリコン層が形成された紫外線透過物
質よりなるアノード側基板と、一面に紫外線の入射によ
って光電子を放出させる光電部が形成されたシリコンよ
りなるカソード側基板とを、アノード側基板のシリコン
層形成面とカソード側基板の光電部形成面とが対向する
ように配置し、両基板の対向面周縁を枠部材を間に介し
て気密封止して外囲器を形成し、該外囲器内に所定の放
電ガスを充填し、上記外囲器の外部に導出されたアノー
ド側基板のシリコン層に外部電極部を接続すると共に、
上記カソード側基板の外面に外部電極層を形成してな
る。このように、紫外線センサの外囲器を一対の基板を
対向配置することで形成しているため、全体形状の薄型
化を実現することができる。
【0008】この紫外線センサの外囲器は、具体的には
以下のように形成される。すなわち、上記枠部材とし
て、内部に可動イオンを含む絶縁材よりなり、上記アノ
ード側基板の対向面周縁と接する第1の端面と、上記カ
ソード側基板の対向面周縁と接する第2の端面とを備え
たものを用い、上記枠部材の第1の端面とアノード側基
板のシリコン層で覆われた対向面周縁とを接触させた状
態で、枠部材の第2の端面に直流電源のマイナス側を接
続すると共に、アノード側基板の外部電極部に上記直流
電源のプラス側を接続し、所定の温度に加熱しつつ上記
直流電源より電圧を印加して、上記枠部材の第1の端面
とアノード側基板の対向面周縁とを陽極接合した後、所
定の放電ガス雰囲気中において、上記枠部材の第2の端
面と上記カソード側基板のシリコンが露出した対向面周
縁とを接触させ、上記アノード側基板の外部電極部に直
流電源のマイナス側を接続すると共に、カソード側基板
の外部電極層に上記直流電源のプラス側を接続し、所定
の温度に加熱しつつ上記直流電源より電圧を印加して、
上記枠部材の第2の端面とカソード側基板の対向面周縁
とを陽極接合する。
【0009】または、同様の枠部材を用い、上記枠部材
の第2の端面とカソード側基板のシリコンが露出した対
向面周縁とを接触させた状態で、枠部材の第1の端面に
直流電源のマイナス側を接続すると共に、カソード側基
板の外部電極層に上記直流電源のプラス側を接続し、所
定の温度に加熱しつつ上記直流電源より電圧を印加し
て、上記枠部材の第2の端面とカソード側基板の対向面
周縁とを陽極接合した後、所定の放電ガス雰囲気中にお
いて、上記枠部材の第1の端面と上記アノード側基板の
シリコン層で覆われた対向面周縁とを接触させ、上記カ
ソード側基板の外部電極層に直流電源のマイナス側を接
続すると共に、アノード側基板の外部電極部に上記直流
電源のプラス側を接続し、所定の温度に加熱しつつ上記
直流電源より電圧を印加して、上記枠部材の第1の端面
とアノード側基板の対向面周縁とを陽極接合し、以て上
記外囲器を形成するようにしてもよい。
【0010】このように、枠部材とアノード側基板及び
カソード側基板との接合を、陽極接合法を用いて実現す
れば、接合過程において余計なガスが生じることを回避
できる。
【0011】あるいは、同様の枠部材を用い、所定の放
電ガス雰囲気中において、上記枠部材の第1の端面と上
記アノード側基板のシリコン層で覆われた対向面周縁と
を接触させると共に、上記枠部材の第2の端面と上記カ
ード側基板のシリコンが露出した対向面周縁とを接触さ
せ、また上記アノード側基板の外面に電極板を圧着させ
た上で、上記カソード側基板の外部電極層及び上記電極
板間に直流電源を接続し、所定の温度に加熱しつつ上記
直流電源より電圧を一方向に印加して、アノード側基板
の対向面周縁と上記枠部材の第1の端面同士、あるいは
カソード側基板の対向面周縁と上記枠部材の第2の端面
同士の何れか一方を陽極接合した後、上記直流電源によ
って逆方向に電圧を印加して、アノード側基板の対向面
周縁と上記枠部材の第1の端面同士、あるいはカソード
側基板の対向面周縁と上記枠部材の第2の端面同士の何
れか他方を陽極接合し、以て上記外囲器を形成するよう
にすれば、接合工程の効率化を図ることができる。
【0012】あるいは、上記枠部材として、内部に可動
イオンを含む絶縁材よりなり、上記アノード側基板の対
向面周縁と接する第1の端面と、上記カソード側基板の
対向面周縁と接する第2の端面と、対向配置された両基
板の外側面から突出する外周縁部とを備えたものを用
い、所定の放電ガス雰囲気中において、上記枠部材の第
1の端面と上記アノード側基板のシリコン層で覆われた
対向面周縁とを接触させ、また上記枠部材の第2の端面
と上記カード側基板のシリコンが露出した対向面周縁と
を接触させ、上記枠部材の外周縁部に直流電源のマイナ
ス側を接続すると共に、アノード側基板の外部電極部及
びカソード側基板の外部電極層に上記直流電源のプラス
側をそれぞれ接続し、所定の温度に加熱しつつ上記直流
電源より電圧を印加して、アノード側基板の対向面周縁
と上記枠部材の第1の端面とを陽極接合すると同時に、
上記カーソード側基板の対向面周縁と枠部材の第2の端
面とを陽極接合し、以て上記外囲器を形成するようにす
れば、接合工程のさらなる効率化を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る紫外線センサ10は、
図1及び図2に示すように、アノード側基板12とカソー
ド側基板14とを対向配置し、両基板12,14の対向面周縁
12a,14aを、スペーサを兼ねた枠部材16を間に介して
気密封止することによって外囲器18を形成し、該外囲器
18内に放電ガスを充填してなる。上記枠部材16は、ホウ
ケイ酸ガラスよりなり、厚さが100〜500μmの長方形状
のガラス板の真ん中部分を、長方形状に大きく切り欠い
た形状を備えている。上記放電ガスは、50〜80〔体積
%〕のHeを含んだHe−ArガスあるいはHe−Ne
ガスよりなる。
【0014】上記アノード側基板12は、ホウケイ酸ガラ
ス等の紫外線透過ガラスよりなり、その裏面(対向面)
には透光窓部20を残してシリコン層22が被着形成されて
いる。また、このシリコン層22の端部には、ニッケル被
膜よりなる外部電極部24が形成されている。上記カソー
ド側基板14は、単結晶シリコン板よりなり、その外面に
はクロムやニッケルの被膜よりなる外部電極層26が形成
されている。また、その表面(対向面)には、光電部28
が形成されている。この光電部28は、紫外線の入射によ
って光電子を放出する物質よりなり、具体的にはBa
O、SrO、CaO、Y23、YB6、GdB6、LaB
6、Gd23、CeB6、ThO3、PrB6、NdB6
La23、ZrB2、多結晶ダイヤモンド、LaB6−C
s、GdB6−Cs等、仕事関数が5〔eV〕以下の物
質を被着させることによって形成される。
【0015】図2に示すように、アノード側基板12の外
部電極部24には直流電源30のプラス側が接続されると共
に、外部電極層26にはマイナス側が接続され、一定の電
圧が印加されている。また、この回路32には電流計34と
保護抵抗36が接続されている。
【0016】しかして、発火等に起因して紫外線が発生
した場合、アノード側基板12の表面に入射した紫外線U
Vは、対向面の透光窓部20を経由してカソード側基板14
対向面の光電部28に到達し、光電子38が放出される。こ
の光電子38は、アノード−カソード間の電界によってア
ノード側基板12の内面(シリコン層22)に引き寄せられ
ると共に加速され、外囲器18内のガス分子と衝突してこ
れを電子と正イオンとに電離させる。この電離の結果生
じた電子は、さらに他のガス分子との衝突・電離を繰り
返してシリコン層22に達する。また、正イオンはカソー
ド側基板14の内面に向かって加速され、光電部28に衝突
して多くの2次電子を発生させる。上記の繰り返しによ
り、アノード側基板12のシリコン層22−カソード側基板
14の対向面間に急激に大きな電流が流れ、放電状態とな
る。この放電生成によって回路32に電流が流れると電流
計34が動作し、紫外線の存在、ひいては炎の発生を外部
に表示することが可能となる。もちろん、電流計の代わ
りに、警報ブザーや表示ランプ等を外部表示手段として
用いてもよい。
【0017】上記アノード側基板12と枠部材16との間の
接合、及びカソード側基板14と枠部材16との間の接合
は、陽極接合法によって行われる。この陽極接合法を用
いて外囲器18を形成する工程を、図3〜図5に沿って説
明する。まず、図3に示すように、ホットプレート42上
にアノード側基板12を、シリコン層22形成面を上にして
載置すると共に、内部に可動イオン(Na+)を含むホ
ウケイ酸ガラスによって構成した枠部材16の第1の端面
16aを、シリコン層22で覆われたアノード側基板12の対
向面周縁12a上に重ねる。この枠部材16の第2の端面16
bには、枠部材16の端面形状に対応した形状の電極板44
が圧着される。また、外部電極部24には、陽極接合用直
流電源46のプラス側が接続されると共に、電極板44には
直流電源46のマイナス側が接続される。そして、上記ホ
ットプレート42によって、アノード側基板12及び枠部材
16を摂氏200〜600度に加熱した状態で、直流電源
46より50〜1000Vの直流電圧が印加される。
【0018】この結果、図4に示すように、一定時間経
過後には枠部材16中の陽イオン48がマイナス側(すなわ
ち枠部材16の第2の端面16b近傍)に移動すると共に、
プラス側(すなわち枠部材16中におけるアノード側基板
12の対向面周縁12a側)にマイナスの電荷が集中して空
間電荷層50が現れ、大きな吸引力を伴う化学結合が生じ
て、枠部材の第1の端面16aとアノード側基板の対向面
周縁12aとの陽極接合が実現される。
【0019】つぎに、図5に示すように、放電ガス雰囲
気中において、ホットプレート42上にカソード側基板14
を外部電極層26を下にして載置すると共に、枠部材16の
第2の端面16bを光電部28で覆われることなくシリコン
地が露出したカソード側基板14の対向面周縁14aに当接
させる。
【0020】カソード側基板14の外部電極層26には、ホ
ットプレート42を経由して直流電源46のプラス側が接続
されると共に、アノード側基板12の外部電極部24には直
流電源46のマイナス側が接続される。そして、上記ホッ
トプレート42によって、カソード側基板14及び枠部材16
が摂氏200〜600度に加熱された状態で、上記直流
電源46より50〜1000Vの直流電圧が印加される。
この結果、上記と同様のメカニズムによって、カソード
側基板14の対向面周縁14aと枠部材の第2の端面16bと
の強固な陽極接合が実現され、高い気密性を備えた外囲
器18が完成する。
【0021】上記の陽極接合法は、ガラスを溶融させる
必要がないため、接合時に余計なガスが発生する危険性
が全くない。なお、上記の陽極接合をより強固なものと
するためには、アノード側基板12の対向面周縁12a、カ
ソード側基板14の対向面周縁14a、及び枠部材16の両端
面16a,16bを可能な限り平滑化しておくことが必要で
あり、例えば表面の凹凸を1μm以下に抑えることが望
ましい。上記においては、アノード側基板12と枠部材16
との接合後に、カソード側基板14と枠部材16との接合を
行う例を示したが、カード側基板14と枠部材16を接合し
た後に、アノード側基板12と枠部材16との接合を行って
もよい。
【0022】上記の接合方法では、アノード側基板12あ
るいはカソード側基板14の何れか一方と枠部材16との接
合後に、両者をひっくり返した上で残りの基板を重ね合
わせ、さらに直流電源46を接続し直す必要があるが、以
下の方法を用いればこれらの手間を大幅に減らすことが
できる。
【0023】すなわち、図6に示すように、放電ガス雰
囲気中において、ホットプレート42上にカソード側基板
14を外部電極層26を下にして載置すると共に、このカソ
ード側基板14の対向面周縁14aに枠部材の第2の端面16
bを当接させる。また、枠部材の第1の端面16aに、ア
ノード側基板12の対向面周縁12aを当接させると共に、
アノード側基板12の外面にニッケルやアルミニウム、ス
テンレス等よりなる長方形状の電極板51を圧着させる。
上記カソード側基板14の外部電極層26には、初めホット
プレート42を経由して直流電源46のプラス側が接続され
ると共に、上記電極板51には直流電源46のマイナス側が
接続される。
【0024】そして、上記ホットプレート42によって、
カソード側基板14、枠部材16、及びアノード側基板12が
摂氏200〜600度に加熱された状態で、上記直流電
源46より50〜1000Vの直流電圧が印加される。こ
の結果、一定時間経過後には、枠部材16中の陽イオンが
マイナス側(すなわち枠部材16の第1の端面16a近傍)
に移動すると共に、枠部材16の第2の端面16b近傍にマ
イナスの電荷が集中して空間電荷層が現れ、カソード側
基板14の対向面周縁14aと枠部材の第2の端面16bとの
陽極接合が実現される。つぎに、上記ホットプレート42
による加熱状態を維持しつつ直流電源46の電流方向を逆
転させると、枠部材16中の陽イオンが第2の端面16b近
傍に移動すると共に、枠部材16の第1の端面16a近傍に
マイナスの電荷が集中して空間電荷層が現れる。この結
果、アノード側基板12の対向面周縁12aと枠部材の第1
の端面16aとの陽極接合が実現され、高い気密性を備え
た外囲器18が完成する。
【0025】直流電源46の電流方向を逆転させること
は、例えば図示の通り、一対のスイッチ52,54の接点
を、それぞれ第1の接点52a,54aから第2の接点52
b,54bに切り替えることによって簡単に実現できる。
もちろん、先にアノード側基板12の対向面周縁12aと枠
部材の第1の端面16aとの陽極接合を行った後、カソー
ド側基板14の対向面周縁14aと枠部材の第2の端面16b
との陽極接合を行うようにしてもよい。
【0026】上記した陽極接合法は、何れも基本的には
アノード側基板12と枠部材16との接合及びカソード側基
板14と枠部材16との接合を別々に行うものであるが、両
者の接合を一度に済ませることもできる。そのために
は、図7及び図8に示すように、まず枠部材16として、
アノード側基板12及びカソード側基板14の縦寸法及び横
寸法よりも大きい寸法を備えたものを用いる。また、ア
ノード側基板12の対向面に形成されたシリコン膜22は、
アノード側基板12の一側面から表面の一部にかけて延長
配置されており、このシリコン膜22の延長部分22aに外
部電極部24が接続されている。そして、放電ガスで満た
された雰囲気中において、アノード側基板の対向面周縁
12aと枠部材の第1の端面16aとが接触すると共に、カ
ソード側基板の対向面周縁14aと枠部材の第2の端面16
bとが接触するように、アノード側基板12、枠部材16、
カソード側基板14を重ね合わせる。この際、枠部材16の
外周縁部は、両基板12,14の外側面から鍔状に突出する
こととなる(図7)。
【0027】上記枠部材16の外周縁部端面16cには、電
極枠58が圧着される。この電極枠58は、可撓性を備えた
良導性の金属帯を、枠部材16の外周縁部端面16cに対応
するように矩形状に折曲して形成されている。この電極
枠58の開閉端部58aを左右方向に開きながら、枠部材の
外周縁部を電極枠58内に導き入れた後、上記開閉端部58
aを閉じると、電極枠58自体が有する復元力によって、
枠部材の外周縁部端面16cと電極枠58の内面とが圧着さ
れることとなる。そして、図9に示すように、アノード
側基板12、枠部材16を積層させた状態で、カソード側基
板14をホットプレート42上に載置する。
【0028】アノード側基板12の外部電極部24には直流
電源46のプラス側が接続されると共に、カソード側基板
14の外部電極層26にも、ホットプレート42を経由して直
流電源46のプラス側が接続される。また、枠部材16の外
周縁部端面16cを覆う電極枠58には、直流電源46のマイ
ナス側が接続される。
【0029】しかして、上記ホットプレート42によって
摂氏200〜600度に加熱しながら直流電源46より5
0〜1000Vの電圧が印加されると、図10に示すよ
うに、枠部材16を構成するガラス内部の陽イオン(Na
+)48が電極枠58側に移動すると同時に、アノード側基
板12及びカソード側基板14との界面近傍に、マイナスの
電荷が集中して空間電荷層50が形成され、大きな吸引力
が生じてアノード側基板12及びカソード側基板14は枠部
材16に化学結合される。すなわち、アノード側基板の対
向面周縁12aと枠部材の第1の端面16aとの陽極接合、
及びカソード側基板の対向面周縁14aと枠部材の第2の
端面16bとの陽極接合が同時に実現されることとなる。
【0030】上記のように、枠部材16の外周縁部がアノ
ード側基板12及びカソード側基板14の外側面よりも突出
するように構成したのは、陽イオン48の移動・蓄積先を
確保するためである。また、枠部材の外周縁部端面16c
を取り囲むように電極枠58を圧着させたのは、外周縁部
端面16c全体に均一に電界が加わるようにするためであ
る。
【0031】
【発明の効果】本発明に係る紫外線センサにあっては、
上記のようにアノード側基板とカソード側基板とを、枠
部材を間に介して接合してなる外囲器を用いているた
め、従来のようにガラス管を加工して気密容器を形成す
る場合に比較して、全体形状の薄型化を実現することが
できる。また、枠部材とアノード側基板及びカソード側
基板との接合を、溶融工程を伴わない陽極接合法によっ
て実現しているため、外囲器形成過程において余計なガ
スが発生するおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る紫外線センサの構造を示す分解斜
視図である。
【図2】上記紫外線センサの動作原理を示す模式図であ
る。
【図3】上記紫外線センサのアノード側基板と枠部材と
の接合工程を示す説明図である。
【図4】上記紫外線センサの接合原理を示す模式図であ
る。
【図5】上記紫外線センサのカソード側基板と枠部材と
の接合工程を示す説明図である。
【図6】上記紫外線センサのアノード側基板、枠部材及
びカソード側基板との接合工程を示す説明図である。
【図7】本発明に係る他の紫外線センサの構造を示す分
解斜視図である。
【図8】上記紫外線センサの枠部材に電極枠を係合する
様子を示す斜視図である。
【図9】上記紫外線センサのアノード側基板及びカソー
ド側基板と枠部材との接合工程を示す説明図である。
【図10】上記紫外線センサの接合原理を示す模式図で
ある。
【図11】従来の紫外線センサを示す説明図である。
【符号の説明】
10 紫外線センサ 12 アノード側基板 12a アノード側基板の対向面周縁 14 カソード側基板 14a カード側基板の対向面周縁 16 枠部材 16a 枠部材の第1の端面 16b 枠部材の第2の端面 16c 枠部材の外周縁部端面 18 外囲器 20 透光窓部 22 シリコン層 24 外部電極部 26 外部電極層 28 光電部 46 陽極接合用直流電源 51 電極板
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−345741(JP,A) 特開 平10−104059(JP,A) 特開 平10−275587(JP,A) 特公 昭45−29612(JP,B1) 特公 昭50−8352(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 40/00 - 47/26 G01J 1/00 - 1/60 G01T 1/00 - 1/40

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一面に透光窓部を残してシリ
    コン層が形成された紫外線透過物質よりなるアノード側
    基板と、一面に紫外線の入射によって光電子を放出させ
    る光電部が形成されたシリコンよりなるカソード側基板
    とを、アノード側基板のシリコン層形成面とカソード側
    基板の光電部形成面とが対向するように配置し、両基板
    の対向面周縁を枠部材を間に介して気密封止して外囲器
    を形成し、該外囲器内に所定の放電ガスを充填し、上記
    外囲器の外部に導出されたアノード側基板のシリコン層
    に外部電極部を接続すると共に、上記カソード側基板の
    外面に外部電極層を形成したことを特徴とする紫外線セ
    ンサ。
  2. 【請求項2】 上記枠部材として、内部に可動イオンを
    含む絶縁材よりなり、上記アノード側基板の対向面周縁
    と接する第1の端面と、上記カソード側基板の対向面周
    縁と接する第2の端面とを備えたものを用い、 上記枠部材の第1の端面とアノード側基板のシリコン層
    で覆われた対向面周縁とを接触させた状態で、枠部材の
    第2の端面に直流電源のマイナス側を接続すると共に、
    アノード側基板の外部電極部に上記直流電源のプラス側
    を接続し、所定の温度に加熱しつつ上記直流電源より電
    圧を印加して、上記枠部材の第1の端面とアノード側基
    板の対向面周縁とを陽極接合した後、 所定の放電ガス雰囲気中において、上記枠部材の第2の
    端面と上記カソード側基板のシリコンが露出した対向面
    周縁とを接触させ、上記アノード側基板の外部電極部に
    直流電源のマイナス側を接続すると共に、カソード側基
    板の外部電極層に上記直流電源のプラス側を接続し、所
    定の温度に加熱しつつ上記直流電源より電圧を印加し
    て、上記枠部材の第2の端面とカソード側基板の対向面
    周縁とを陽極接合し、以て上記外囲器を形成することを
    特徴とする請求項1に記載の紫外線センサの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記枠部材として、内部に可動イオンを
    含む絶縁材よりなり、上記アノード側基板の対向面周縁
    と接する第1の端面と、上記カソード側基板の対向面周
    縁と接する第2の端面とを備えたものを用い、 上記枠部材の第2の端面とカソード側基板のシリコンが
    露出した対向面周縁とを接触させた状態で、枠部材の第
    1の端面に直流電源のマイナス側を接続すると共に、カ
    ソード側基板の外部電極層に上記直流電源のプラス側を
    接続し、所定の温度に加熱しつつ上記直流電源より電圧
    を印加して、上記枠部材の第2の端面とカソード側基板
    の対向面周縁とを陽極接合した後、 所定の放電ガス雰囲気中において、上記枠部材の第1の
    端面と上記アノード側基板のシリコン層で覆われた対向
    面周縁とを接触させ、上記カソード側基板の外部電極層
    に直流電源のマイナス側を接続すると共に、アノード側
    基板の外部電極部に上記直流電源のプラス側を接続し、
    所定の温度に加熱しつつ上記直流電源より電圧を印加し
    て、上記枠部材の第1の端面とアノード側基板の対向面
    周縁とを陽極接合し、以て上記外囲器を形成することを
    特徴とする請求項1に記載の紫外線センサの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記枠部材として、内部に可動イオンを
    含む絶縁材よりなり、上記アノード側基板の対向面周縁
    と接する第1の端面と、上記カソード側基板の対向面周
    縁と接する第2の端面とを備えたものを用い、 所定の放電ガス雰囲気中において、上記枠部材の第1の
    端面と上記アノード側基板のシリコン層で覆われた対向
    面周縁とを接触させると共に、上記枠部材の第2の端面
    と上記カード側基板のシリコンが露出した対向面周縁と
    を接触させ、また上記アノード側基板の外面に電極板を
    圧着させた上で、 上記カソード側基板の外部電極層及び上記電極板間に直
    流電源を接続し、 所定の温度に加熱しつつ上記直流電源より電圧を一方向
    に印加して、アノード側基板の対向面周縁と上記枠部材
    の第1の端面同士、あるいはカソード側基板の対向面周
    縁と上記枠部材の第2の端面同士の何れか一方を陽極接
    合した後、 上記直流電源によって逆方向に電圧を印加して、アノー
    ド側基板の対向面周縁と上記枠部材の第1の端面同士、
    あるいはカソード側基板の対向面周縁と上記枠部材の第
    2の端面同士の何れか他方を陽極接合し、以て上記外囲
    器を形成することを特徴とする請求項1に記載の紫外線
    センサの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記枠部材として、内部に可動イオンを
    含む絶縁材よりなり、上記アノード側基板の対向面周縁
    と接する第1の端面と、上記カソード側基板の対向面周
    縁と接する第2の端面と、対向配置された両基板の外側
    面から突出する外周縁部とを備えたものを用い、 所定の放電ガス雰囲気中において、上記枠部材の第1の
    端面と上記アノード側基板のシリコン層で覆われた対向
    面周縁とを接触させ、また上記枠部材の第2の端面と上
    記カード側基板のシリコンが露出した対向面周縁とを接
    触させ、 上記枠部材の外周縁部端面に直流電源のマイナス側を接
    続すると共に、アノード側基板の外部電極部及びカソー
    ド側基板の外部電極層に上記直流電源のプラス側をそれ
    ぞれ接続し、 所定の温度に加熱しつつ上記直流電源より電圧を印加し
    て、アノード側基板の対向面周縁と上記枠部材の第1の
    端面とを陽極接合すると同時に、上記カーソード側基板
    の対向面周縁と枠部材の第2の端面とを陽極接合し、以
    て上記外囲器を形成することを特徴とする請求項1に記
    載の紫外線センサの製造方法。
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